JPWO2007099835A1 - 多層情報記録媒体、情報記録再生装置及び多層情報記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保し、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生する。多層情報記録媒体は、積層された複数の情報面L0〜L3を有し、複数の情報面は、光が入射したときに、光を所定の第1の戻り光量で反射させるBCA及び初期記録領域(第1の反射面)を有する第1及び第2の情報面L0,L1と、光を第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる低反射率領域(第2の反射面)を有する第3及び第4の情報面L2,L3とを含む。
Description
本発明は、積層された複数の情報面を有し、光によって情報を記録又は再生する多層情報記録媒体、その多層情報記録媒体の製造方法、及びデジタルビデオ情報などの情報を高密度で多層情報記録媒体に記録するとともに、多層情報記録媒体に記録された情報を再生する情報記録再生装置に関するものである。
高密度・大容量の記憶媒体として、ピット状パターンを有する光ディスク媒体を用いる光メモリ技術は、ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、ビデオディスク、文書ファイルディスク、さらにはデータファイルと用途を拡張しつつ、実用化されてきている。例えば、直径1μm以下の微小に絞られた光ビームを介して、光ディスク媒体に対して高い信頼性のもとに情報の記録・再生が首尾よく遂行されるために要求される機能は、回折限界の微小スポットを形成する集光機能、光学系の焦点制御機能(フォーカスサーボ)、トラッキング制御機能、及びピット信号(情報信号)検出機能に大別される。
近年、光ディスク媒体の記録密度を一層高密度化するため、光ディスク媒体上に光ビームを収束させて回折限界の微小スポットを形成する対物レンズの開口数(NA)を拡大することが検討されている。しかし、光ディスク媒体の記録層を保護する基材厚みの誤差に起因する球面収差はNAの4乗に比例するため、例えばNAを0.8や0.85等に大きくする場合には、球面収差が飛躍的に大きくなってしまう。従って、開口数を大きくする場合、光学系に球面収差を補正する手段を設けることが不可欠になる。
このような球面収差を補正する方法としては、例えば特許文献1に示した方法がある。図19は、特許文献1に示す従来の光ディスク装置の構成を示す図である。図19で収差補正量切替手段614には、基準厚みを100μmとして、球面収差補正量が0mλである収差補正量(a)、基準厚みに対して基材厚が薄い光ディスク媒体の球面収差を補正するための収差補正量(b)、及び基準厚みに対して基材厚が厚い光ディスク媒体の球面収差を補正するための収差補正量(c)からなる3種類の球面収差補正量がフォーカス制御を行う光ディスク媒体の情報面ごとに予め設定されている。収差補正量切替手段614は、これらの収差補正量のうちから、ディスク判別手段612からのディスク判別信号613に応じて適切な球面収差補正量を選択し、切り替える。これにより、NAの大きな対物レンズを用いて高密度の光ディスク媒体に対して記録又は再生する場合に、フォーカス制御を行う光ディスク媒体の情報面に適した球面収差補正が行われるので、安定してフォーカス制御を行うことができる。
ところで、近年、光ディスク媒体の片面に2つの情報面を有した光ディスク媒体(2層光ディスク媒体)として、8.5GBの容量をもつ2層DVD−Rのような追記型光ディスク媒体や、青色レーザ光源を用いて記録再生を行う50GBの容量をもつ2層Blu−rayディスク媒体のような書き換え可能な光ディスク媒体等が商品化されている。このような2層光ディスク媒体は、単層光ディスク媒体に比べて2倍近く記憶容量を増大することができる。このような2層以上の情報面をもつ多層光ディスク媒体のディスクフォーマットに関して、例えば特許文献2に示したフォーマットがある。
特許文献2に示されたフォーマットによると、情報面がレーザ入射側から1層である単層光ディスク媒体と、2層以上の複数層光ディスク媒体とにおいて、第1層となる情報面L0はディスク厚み方向において、レーザ光が入射されるカバー層表面からの距離を同一とする。また複数層光ディスク媒体においては、第2の情報面L1以降の情報面は、第1の情報面L0よりもカバー層表面に近づく位置に形成される。このため、単層光ディスク媒体と、2層、3層、或いは更に多数層の複数層光ディスク媒体のそれぞれにおいて、第1層としての記録層(例えば相変化記録膜の記録層)はポリカーボネート基板上に同様に形成することができ、製造工程の共通化が図られると共に、1層光ディスク媒体、複数層光ディスク媒体とも同様の記録再生特性を得ることができる。
また、複数層光ディスク媒体においては、第2層以降の記録層は、第1層よりもカバー層表面に近づく位置に形成されているため、第2層以降の記録層は、それぞれ各記録層からカバー層表面までの距離が短くなる。つまり、各層からみてカバー層の厚さが薄くなる。これにより光ディスク媒体と光ビームのチルト(傾き)許容角度が拡大する。即ち、第2層以降の記録層のチルトマージンを、第1層の記録膜に比較して緩めることができるため、記録再生特性の向上、ディスク生産性の向上、及びコストダウンを促進できる。
また、前述の2層光ディスク媒体にフォーカス制御する方法に関して、例えば特許文献3に示した方法がある。特許文献3によると多層光ディスク媒体のようにそれぞれの情報面からの全反射光量のレベルが低くなる場合であっても、情報面に対するフォーカス引き込みを確実にするための方法が開示されている。
さらに、特許文献4には、BDフォーマットに対応する記録面と、DVDフォーマットに対応する記録面とを有する光記録媒体が開示されている。特許文献4における光記録媒体は、異なるフォーマットに対応した光記録再生装置に対して装着可能な互換性を有している。
上記の特許文献1に記載の従来の球面収差補正方法は、ディスク判別手段を用いて光ディスク媒体の種類を判別し、フォーカス制御の対象である記録面の厚みに対応した球面収差補正量を収差補正量切替手段で予め補正する方法である。しかしながら、記録面が2層までの光ディスク媒体を想定した光ディスク装置では、当初設定範囲外の光ディスク媒体、例えばレーザ入射面から片側4層の情報記録面を持った光ディスク媒体などが挿入された場合、エラー処理を実施して光ディスク媒体を排出するなどして、挿入された光ディスク媒体に対するアクセス制御を中止し、光ディスク媒体に対して記録または再生動作ができない。あるいは、動作したとしても、最適な条件で光ディスク媒体を起動することができないという課題があった。
また、特許文献2に記載の従来の多層光ディスク媒体は、情報面がレーザ入射側からディスク厚み方向において、カバー層表面に近づく位置に形成されている。この場合、多層光ディスク媒体を設計、開発すると同時に、その多層光ディスク媒体を記録/再生することができる光ディスク装置が設計、開発されれば問題ない。しかしながら、多層光ディスク媒体の全ての種類のフォーマットがあらかじめ決まる前に発売されているレガシードライブにおいて、旧来のフォーマットの光ディスク媒体に記録あるいは再生する場合には制限がある。例えば、既に発売済の2層光ディスク媒体に対応の光ディスク装置において、4層光ディスク媒体のように情報面が片側2層を超えるような光ディスク媒体が挿入された場合、正しく4層光ディスク媒体と判別することは不可能である。
また、複数の情報面のうち第1の情報面L0の厚みと第2の情報面L1の厚みとが、従来の発売済の2層光ディスク媒体と同一の厚みであったとしても、ディスク判別時に2層光ディスク媒体でないと判断された場合には、4層光ディスク媒体に記録あるいは再生を行うことができない。例えば、情報面が4層であるディスクのフォーマットが開示される前に発売された、情報面が2層であるディスクを光ディスク装置に挿入した場合、光ディスク装置の起動時に行われる起動手順によっては、4層光ディスク媒体を排出してしまい、新フォーマットの4層光ディスク媒体に対して記録あるいは再生することはできない。
特開2002−373441号公報
特開2003−346379号公報
国際公開第02/067250号パンフレット
特開2006−236509号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保することができ、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生することができる多層情報記録媒体、情報記録再生装置及び多層情報記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る多層情報記録媒体は、積層された複数の情報面を有し、光によって情報を記録又は再生する多層情報記録媒体であって、前記複数の情報面は、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含む。
本発明の他の局面に係る情報記録再生装置は、積層された複数の情報面を有する多層記録媒体から情報を記録又は再生する情報記録再生装置であって、前記複数の情報面は、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含み、前記多層情報記録媒体が有する信号トラックに対して、信号の記録または再生を行うためのレーザ光を照射するレーザ光照射部と、前記レーザ光の球面収差を補正する球面収差補正部と、前記レーザ光を照射する情報面に応じて、前記レーザ光の焦点位置を制御する制御部と、前記多層情報記録媒体の前記第1の反射面にレーザ光を照射し、情報面の数を判別する媒体判別部とを備える。
本発明の他の局面に係る多層情報記録媒体の製造方法は、積層された複数の情報面を有する多層情報記録媒体の製造方法であって、片面に情報面が形成された基板上に、反射層を形成する第1の工程と、前記反射層の上に、情報面を有する透光性の中間層を形成する第2の工程と、前記中間層の前記情報面側に反射層を形成する第3の工程と、前記第2の工程と前記第3の工程とを複数回繰り返して複数の情報面を形成した後、透光性の保護層を形成する第4の工程と、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射層を少なくとも1つの情報面に形成するとともに、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を他の情報面に形成する第5の工程とを含む。
本発明によれば、既に発売されている情報記録媒体の情報面と一致する少なくとも1つの情報面へのフォーカス引き込みを確実に実行することができるので、既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保することができ、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る多層情報記録媒体について図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態では多層情報記録媒体として追記型の相変化光ディスク媒体を例に説明するが、これは多層情報記録媒体を特に限定するものではなく、多層情報記録媒体にエネルギーを注入して未記録部とは物理的性質の異なるマークを形成することによって情報を記録する多層情報記録媒体(BD−REなどの書き換え型記録媒体やBD−Rなどの追記型記録媒体)あるいは、凹凸のピット等の物理形状の違いによって情報を記録する再生専用の光ディスク媒体に共通の技術である。
主な光学条件は、波長405nmのレーザと、NA=0.85の対物レンズとを用いる。ディスク構造は、トラックピッチが0.32μmであり、レーザ入射面から情報面までの厚みが25μm〜130μmである。光ディスク媒体上には0.138μmから0.160μmの最短マーク長(2T)をもつ信号がマークあるいはピットとして記録され、1層当たりの記録容量が23.3GBから27GBの多層光ディスク媒体を例として説明する。また、書き込み時の速度としては、66MHz(Tw=15.15ns)のチャネルレートを1倍速とするBD(Blu−rayディスク)において、チャネルレートが132MHz(Tw=7.58ns)であるBD2倍速の場合を例に説明する。この場合、記録線速度は9.83m/sである。
まず、本実施の形態における多層情報記録媒体である多層光ディスク媒体について説明する。図1は、本実施の形態における光学的情報記録媒体の構成について説明するための図である。図1では、多層光ディスク媒体の平面上の領域構成を示している。光ディスク媒体内の平面領域としては、内周側から、リードイン領域1006と、データ領域1001と、リードアウト領域1005とが配置されている。リードイン領域1006は、BCA(Burst Cutting Area)1002、初期記録領域(Pre−recorded area)1003、及び学習領域及びDMA領域1004を含む。
次に、参考例として従来の2層光ディスク媒体の各層のトラックレイアウトについて説明する。図2は、従来の2層光ディスク媒体の各層のトラックレイアウトを説明するための図である。
図2においてリードイン領域は、第1の情報面L0の半径およそ24mmより内側に位置している。半径21〜22.2mmの位置に媒体固有のユニークIDを情報面を焼ききる形式等で予め記録したBCA(Burst Cutting Area)がある。BCAは、記録マークを同心円状に並べるように形成することで、バーコード状の記録データが形成される。
半径22.2〜23.1mmが初期記録領域(Pre−recorded area)とされる。初期記録領域は、あらかじめ、記録パワーや記録パルス条件の推奨値、記録線速度の条件等のディスク情報や、コピープロテクションに用いる情報等を、HFMグルーブとよばれるスパイラル状に形成されたグルーブ(案内溝)をウォブリング(蛇行)させることによって記録している(プリレコーデッド情報)。これらのプリレコーデッド情報は書換不能な再生専用の情報であり、ディスク出荷時に予め記録されている。つまりBCAと初期記録領域とが再生専用領域となる。
リードイン領域において半径23.1〜24mmには、試し記録を行う学習領域及びディフェクトマネジメントエリア(DMA)が設けられている。学習領域は、光ディスク装置に光ディスク媒体が挿入された起動時や、動作中に温度変動が大きく生じた際に、記録パワーや記録パルス条件の変動分をキャリブレーションするために、試し記録が行われる。ディフェクトマネジメントエリア(DMA)は、光ディスク媒体上のディフェクト情報を管理するための領域である。
半径24.0〜58.0mmには、データ領域が設けられている。データ領域は、実際にユーザが希望するデータが書き込まれる領域である。データ領域には、PCユース等において、ディフェクト等により記録再生できない部分が存在した場合、記録再生できない部分(セクタ、クラスタ)を交替する交替エリアとして、ユーザデータを記録再生するデータエリアの前後にISA(Inner Spare Area)、OSA(Outer Spare Area)を設定する。ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録では、交替エリアを設定しない場合もある。
半径58.0〜58.5mmには、リードアウト領域が設けられている。リードアウト領域は、リードイン領域と同様のディフェクトマネジメントエリアが設けられたり、また、シークの際、オーバーランしてもよいようにバッファエリアとして使われる。なお記録再生の終了領域としての意味でのリードアウトは、複数層光ディスク媒体の場合は内周側となることもある。半径23.1mm、つまり学習領域から、外周のアウターゾーンあるいはリードアウト領域までが、相変化マークが記録再生されるデータ領域(記録可能領域)とされる。
従来の2層光ディスク媒体において、第1の情報面L0以外の情報面にはBCAに相当するエリアは設けられているが、ユニークIDの記録は行わない。第1の情報面L0のBCAには、高出力のレーザで記録層を焼ききる記録方式により、半径方向にバーコード状の信号が記録される。この際、第1の情報面L0のBCAと厚み方向に同じ位置にある、第2の情報面L1にユニークID等のBCA情報を新たに記録しても、信頼性のある記録ができない可能性があるからである。また、逆にいえば、第2の情報面L1にはBCA記録を行わないことにより、第1の情報面L0のBCAの信頼性を高めるものとなる。
また、初期記録領域については、少なくとも第1の情報面L0に初期値情報を記録してある。また、第1の情報面L0の内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第1の情報面L0のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。第2の情報面L1では、内周側がリードアウト領域となり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第2の情報面L1のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。このような記録再生の進行が行われることで、外周から内周へのフルシークを必要とせず、第1の情報面L0は内周側から外周側に向かって、第2の情報面L1は外周側から内周側に向かって順次記録再生することができ、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
図3は、本実施の形態においてレーザ入射側から4つの情報面を有する4層光ディスク媒体のスタック構成を示す概略図である。4層光ディスク媒体は、基板905、第1の情報面L0、第2の情報面L1、第3の情報面L2、第4の情報面L3及びカバー層909を備える。レーザ光は、カバー層909側から入射する。基板905の厚みは概略1.1mmであり、カバー層909の厚みは少なくとも25μm以上である。各情報面は、透明なスペース層906〜908で隔てられている。本実施の形態においては、具体例として、カバー層909の厚みは60μmであり、第4の情報面L3と第3の情報面L2との間の厚みは10μmであり、第3の情報面L2と第2の情報面L1との間の厚みは17μmであり、第2の情報面L1と第1の情報面L0との間の厚みは13μmであるが、スペース層で隔てられた各情報面の間隔は、4層光ディスク媒体の場合6μm〜30μmの間であればよい。スペース層で隔てられた情報面の間隔は、各情報面からの回折光の干渉(層間干渉)が少なくなるよう最適化されており、上述のスペース間距離に限定されるわけではない。
次に、4つの情報面を有する4層光ディスク媒体の各層のトラックレイアウトについて説明する。図4は、本実施の形態における4層光ディスク媒体の各層のトラックレイアウトを説明するための図である。
図4において、4層光ディスク媒体の第1の情報面L0は、情報面が1つの単層光ディスク媒体の情報面あるいは、図2で示した情報面が2つの2層光ディスク媒体の第1の情報面L0と同様のトラックレイアウトである。同様に4層光ディスク媒体の第2の情報面L1は、図2で示した情報面が2つの2層光ディスク媒体の第2の情報面L1と同様のトラックレイアウトである。ただし、第2の情報面L1における内周側となったリードアウトゾーンは、3層以上の情報面をもった多層光ディスク媒体では記録再生終端ではないためインナーゾーンとなる。
第3の情報面L2と第4の情報面L3の内周部は、第1及び第2の情報面L0,L1の内周部のトラックレイアウトと異なっている。通常、各情報面における初期記録領域は、同一の半径位置に並ぶよう配置されるが、本実施の形態の多層光ディスク媒体においては、第3の情報面L2の初期記録領域は図4で示すとおり第1の情報面L0のBCAや初期記録領域の半径位置と大きく重ならないように配置されている。これにより、第1の情報面L0のBCA及び初期記録領域を再生する際、第4の情報面L3及び第3の情報面L2を通過する光ビームが散乱や回折を受けて、再生信号品質の低下を少なくする構成がなされている。
第3の情報面L2では、初期記録領域に対応するトラックの蛇行で形成されたHFMグルーブは半径23.1mmの位置から開始され、ユーザデータ領域が開始される24.0mmの位置までの間に形成されている。初期記録領域の外側には、学習領域とDMA領域とが配置されている。同様に第4の情報面L3では、半径23.1mmの位置から外側に学習領域とDMA領域とが配置されている。4層光ディスク媒体において、第1の情報面L0以外の情報面にはBCAに対する記録は行わない。
また、初期記録領域は、第1の情報面L0と、第3の情報面L2及び第4の情報面L3の内の少なくとも1つとに設けられ、記録媒体全体で合計少なくとも2面にディスク管理情報が記録されている。第1の情報面L0の初期記録領域には、第1の情報面L0及び第2の情報面L1の記録パワー、記録パルス条件、ディスクバージョン及びレイヤー番号などの情報が記録されており、さらに従来リザーブ領域として使われていなかった管理領域内の所定の領域に、第3の情報面L2及び第4の情報面L3のディスク管理情報を記録している。こうすることで、ディスク管理情報を従来の光ディスク装置で読み出すことができるだけでなく、新しい多層光ディスク媒体用の光ディスク装置においては、第1の情報面L0から第4の情報面L3までの全ての情報面のディスク管理情報を一括して読み出すことができ、起動時間を短縮できる。
また、第3の情報面L2には、少なくとも第3の情報面L2及び第4の情報面L3に関する記録パワー及び記録パルス条件等の情報が記録されている。第3の情報面L2には、従来の2層光ディスク媒体で記録されている第1の情報面L0及び第2の情報面L1に関する記録パワー及び記録パルス条件等の情報を省略することにより、第3の情報面L2の記録スペースを節約することができる。
また、第3の情報面L2のインナーゾーンの追記可能な記録エリアには、第3の情報面L2及び第4の情報面L3のユーザデータ領域への記録の可否を示すフラグ情報が記録される。フラグ情報が第3の情報面L2及び第4の情報面L3への記録不可状態になっている場合は、第3の情報面L2及び第4の情報面L3にデータを記録することはできず、第1の情報面L0及び第2の情報面L1のみにデータを記録することとなる。フラグ情報は、従来の2層光ディスク媒体対応ドライブでは読み出すことができないが、4層対応の光ディスク装置においては、読み出し、書き込みあるいは書き換えをすることが可能である。4層対応光ディスク装置は、本フラグ情報を用いることにより、2層対応光ディスク装置で読み出し可能な状態になるよう4層光ディスク媒体にデータを記録することができる。即ち、4層対応光ディスク装置は、4層光ディスク媒体において、2層光ディスク媒体と同じ領域にのみ同一フォーマットでデータを記録することで、既に発売済で広く市場に存在する2層対応光ディスク装置を使ってデータの読み出しが可能となる。
また、4層対応光ディスク装置は、第3の情報面L2及び第4の情報面L3へデータの記録を禁止する状態にフラグ情報を設定し、2層光ディスク媒体と同じ領域にデータを記録した後、第3の情報面L2及び第4の情報面L3へデータの記録を許可する状態にフラグ情報を設定し、4層光ディスク媒体全体へデータを記録することもできる。こうすることで、ユーザは、2層対応光ディスク装置と4層対応光ディスク装置との間で1枚の光ディスク媒体を共有することができ、データを自由にやり取りすることが可能となる。
また、第3の情報面L2及び第4の情報面L3の半径23.1mmより内周側は、スパイラル状の溝を持ったトラックを形成する他に、溝を形成せずに鏡面を形成してもよい。このように、第3の情報面L2及び第4の情報面L3の初期記録領域及びBCAに相当する領域を鏡面状にすることで、溝による回折光を低減し、第1の情報面L0及び第2の情報面L1へのフォーカス引き込みを容易にすることが可能となる。
また、図4において、領域201と領域202とはそれぞれ第3の情報面L2及び第4の情報面L3の内周部における低反射率領域(LRA;Low Reflectivity Area)となっており、これらの領域でのレーザ光の反射や散乱をできるだけ少なくし、第1の情報面L0及び第2の情報面L1にレーザ光を効率よく集光するための構造になっている。低反射率領域の反射率は概略0にするか、あるいは、低反射率領域とそれ以外の領域とで反射率に差をつけた条件として設計する。例えば、レーザ出射光に対する戻り光量の比である戻り光量比をRとしたとき、低反射率領域での戻り光量比Rdの範囲は0≦Rd<3.5%となるように設計し、それ以外の領域での戻り光量比Rbの範囲は3.5%≦Rb≦8%となるように設計する。あるいは、低反射率領域での戻り光量比Rdと、低反射率領域以外の領域での戻り光量比Rbとの関係が2×Rd<Rbとなるように設計してもよい。
ディスク表面(厚み0μm)からの反射率は理論的に約4%であり、この表面反射率を下回る反射高レベルに戻り光量比Rdを設定する。レーザ光が光ディスク表面へ入射する際には、カバー層を透過して情報面に集光される。このカバー層樹脂の屈折率nは、およそ1.5±0.1である。一般に、光が空気中から媒質へ垂直入射した場合の表面からの反射率は、媒質の屈折率をnとすると、R=(1−n)2/(1+n)2で表される。これにより、カバー層樹脂表面からの反射率Rは3%〜5%と計算される。ただし、本実施の形態における多層光ディスク媒体のように、100μmの入射厚みを有する情報面に光学系が収差補正されている場合、ディスク表面ではカバー層厚み分の球面収差が生じるため、表面からの戻り光量が約70%に減衰する。表面反射率に球面収差の減衰量を掛け合わせた値が実際の表面からの戻り光量となり、表面反射率は、2%〜3.5%程度となる。
カバー層樹脂の屈折率の値が予め決まっていることから、光ディスク装置には、表面反射率は約3%の値であることが予め記憶されている。表面反射によるRF信号の振幅値よりも、低反射率領域からの戻り光量が小さい場合、ディスク表面からの反射光であると誤検出する可能性が低くなる。そこで、低反射率領域の反射率は、この表面からの戻り光(表面反射)よりも小さくすることが望まれる。
表面からのS字波形の検出を確実にするためには、表面S字波形の半分をスライスレベルにして検出するのが一番確実な方法である。したがって、低反射率領域での戻り光量比Rdは、表面反射率の1/2以下にするのが最も効果が高くなる。このように、情報記録再生装置に記憶されている値より小さい反射光量となるように、低反射率領域での戻り光量比Rdを設計することで、2層対応情報記録再生装置で多層情報記録媒体を利用することができる。
また、第3の情報面L2及び第4の情報面L3からの反射光や散乱光を低減することによって、ディスク起動時に第1の情報面L0あるいは第2の情報面L1へのフォーカス引き込みを容易にすることが可能である。ディスク挿入時又は光ディスク装置の起動時のシーケンスとしては、第1の情報面L0の内周部にあるBCAが再生される。レーザ光のフォーカス引き込みの実行処理は、BCAがある内周部で行われるのが一般的である。第1の情報面L0のBCAを含む半径位置である第3の情報面L2の領域201及び第4の情報面L3の領域202は、第1の情報面L0及び第2の情報面L1の同一半径位置における領域に比べて反射率が低く設定されており、第3の情報面L2及び第4の情報面L3からの反射光を少なくする。これにより、第1の情報面L0のBCAへのフォーカス引き込みを確実に実行することができる。
なお、本実施の形態において、第1及び第2の情報面におけるBCA及び初期記録領域が第1の反射面に相当し、第3及び第4の情報面における低反射率領域が第2の反射面に相当する。
前述の第3の情報面L2及び第4の情報面L3の内周部の低反射率領域(LRA)の形成方法としては、ディスク出荷前のディスク製造工程において、情報面の成膜後、レーザ初期化装置によって、第3の情報面L2及び第4の情報面L3のそれぞれの記録層に対して記録パワーのレーザ光を照射してあらかじめ強制的にマークを形成するプリ記録を行うことによって、低反射状態を実現する方法がある。また、レーザ初期化装置だけでなく、BCAライターの照射パワーを下げるなどして、マークが形成される記録パワーでプリ記録を行う方法でもよい。これらの方法を用いた場合、光ディスク媒体を通常の成膜プロセスで製作することができ、ディスク製造工程に特殊な設備を付加することが必要なく、容易に多層光ディスク媒体を量産することができる。
また、別の方法として、BCAライターなどが備える高出力レーザの集光ビームを使って所望の情報面の反射層を焼ききるなどして、低反射率領域を形成する方法もある。または、例えばスパッタ装置を使って反射層を成膜する際、内周部の低反射率領域にマスクをすることで、内周部に反射層を成膜しない方法もある。この場合、マスクの径を変更することで容易に低反射率領域を形成することができるため、ディスク製造後、レーザ光によりプリ記録する工程や、反射層を焼ききって低反射率領域を形成する工程が不要となり、従来のディスク製造工程をそのまま利用することができる。
なお、本実施の形態では、複数の情報面のうち、従来の光ディスク媒体、例えば2層構造の光ディスク媒体と互換性のある情報面の内周部(BCA及び初期記録領域)の反射率を、他の情報面の内周部の反射率よりも高くしているが、本発明は特にこれに限定されず、従来の光ディスク媒体と互換性のある情報面以外の情報面のデータ領域の反射率を、互換性のある情報面の反射率より下げてもよい。例えば、第3の情報面L2及び第4の情報面L3のデータ領域の反射率を、第1の情報面L0及び第2の情報面L2のデータ領域の反射率よりも低く設定する。この場合、第3の情報面L2及び第4の情報面L3の内周部及びデータ領域等の全ての領域の反射率を、第1の情報面L0及び第2の情報面L2の全ての領域の反射率よりも低く設定してもよい。なお、この場合、第1及び第2の情報面におけるBCA、初期記録領域及びデータ領域が第1の反射面に相当し、第3及び第4の情報面における低反射率領域及びデータ領域が第2の反射面に相当する。
次に多層光ディスク媒体の情報面へのフォーカス引き込み時の動作について説明する。フォーカスエラー信号に非点収差法を用いる場合、フォーカスエラー信号のS字特性を使ってフォーカス引き込みを実行する。図5は、低反射率領域が形成されていない4層光ディスク媒体を用いた場合の各情報面のディスク表面からの厚みとフォーカスエラー信号との関係を示す図である。図5の直線41は、紙面の左から右にいくにつれて、レーザ光の集光点がディスク表面から奥側にある情報面に向かって徐々に移動していることを表している。このとき、フォーカスエラー信号には光ディスク媒体の反射面(情報面)に応じて図5に示すようなS字波形42が現れる。
球面収差補正部によってディスク入射面の厚みが第1の情報面L0に最適化されている場合、ディスク表面のS字波形、第4情報面L3のS字波形、第3情報面L2のS字波形、第2情報面L1のS字波形、及び第1情報面L0のS字波形の順に徐々にS字波形の振幅が大きくなる。これらの5つのS字波形42がフォーカスエラー信号として現れることとなる。このような4層光ディスク媒体を、例えば既に発売されている2層対応の光ディスク装置でフォーカス引き込みを実施しようとすると、想定されているよりも多くのS字信号を検出してしまうこととなり、正確に所望の情報面へのフォーカス引き込みを実行することが困難となる。そこで、本実施の形態では、上述の通り、第3の情報面L2及び第4の情報面L3のフォーカスエラー信号を検出する位置に低反射率領域を設けている。
図6は、本実施の形態における4層光ディスク媒体を用いた場合の各情報面のディスク表面からの厚みとフォーカスエラー信号との関係を示す図である。図6の直線51は、ディスク表面からのレーザビームスポットの焦点位置の変化を表し、図6のS字波形52は、フォーカスエラー信号を表す。直線51は、紙面の左から右にいくにつれて、レーザ光の集光点がディスク表面から奥側にある情報面に向かって徐々に移動していることを表している。このとき、フォーカスエラー信号には光ディスク媒体の反射面(情報面)に応じて図6に示すようなS字波形52が現れる。
球面収差補正部によってディスク厚みが第1の情報面L0に最適化されている場合、図6に示す3つのS字波形52が現れる。レーザ入射方向から順に、ディスク表面のS字波形、第2の情報面L1のS字波形、及び第1情報面L0のS字波形が現れる。低反射率領域が形成された4層光ディスク媒体では、これらの3つのS字波形がフォーカスエラー信号として現れる。これは、情報面が2つの2層光ディスク媒体のS字波形とほぼ同様のS字波形となる。よって、既に発売されている2層対応の光ディスク装置を使った場合、あたかも2層光ディスク媒体であるかのごとくフォーカス処理を実行することができ、容易に第1の情報面L0へのフォーカス引き込みが可能となりBCAを再生することが可能となる。
また、本実施の形態では、多層光ディスク媒体として、4層の情報面をもつ4層光ディスク媒体を例に説明したが、低反射率領域を備えた5層以上の多層光ディスク媒体に応用できることはいうまでもない。
また、本実施の形態では、2層光ディスク媒体のトラックレイアウトを含む4層光ディスク媒体のトラックレイアウトを例に説明したが、単層光ディスク媒体のトラックレイアウトを含む3層光ディスク媒体としてもよい。この場合、3層光ディスク媒体の第1の情報面L0のトラックレイアウトは単層光ディスク媒体のトラックレイアウトと同一であり、3層光ディスク媒体の第2、第3の情報面L1、L2は内周部に低反射率領域を含むトラックレイアウトとなる。
さらに、多層情報記録媒体は、2層光ディスク媒体のトラックレイアウトを含む3層光ディスク媒体としてもよい。この場合、3層光ディスク媒体の第1及び第2の情報面L0,L1のトラックレイアウトは2層光ディスク媒体の第1及び第2の情報面L0,L1のトラックレイアウトと同一であり、3層光ディスク媒体の第3の情報面L2は内周部に低反射率領域を含むトラックレイアウトとなる。
さらにまた、多層情報記録媒体は、単層光ディスク媒体のトラックレイアウトを含む2層光ディスク媒体としてもよい。この場合、2層光ディスク媒体の第1及び第2の情報面L0のトラックレイアウトは単層光ディスク媒体の第1の情報面L0のトラックレイアウトと同一であり、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1は内周部に低反射率領域を含むトラックレイアウトとなる。このとき、内周部の反射率は、データを記録するデータ領域の反射率よりも低い。
次に、本実施の形態の4層光ディスク媒体への情報記録再生システムについて説明する。図7は、本実施の形態における多層光ディスク媒体を記録再生する情報記録再生装置(光ディスク装置)の全体構成の一例を示す図である。
図7において、光ディスク装置は、球面収差補正部108、光ピックアップ111、ディスク判別部112、センサ113、FE(フォーカスエラー)信号演算部114、RF信号演算部115、記憶部116及び制御部117を備える。光ピックアップ111は、回折素子102、コリメートレンズ103,104、対物レンズ105、レーザ光源106、アクチュエータ107及び光検出器109,110を備える。
ここで、図7に示す光ディスク装置の動作について説明する。まず、レーザ光源106は、光ビームを出射する。レーザ光源106から出射された光ビームは、回折素子102を透過し、コリメートレンズ103,104によって平行光に変換され、対物レンズ105に入射する。対物レンズ105は、多層光ディスク媒体101の情報記録面上に光ビームを収束させる。多層光ディスク媒体101で反射された光ビームは、もとの光路を逆にたどってコリメートレンズ103,104によって集光され、回折素子102によって分岐され、光検出器109,110へ入射する。フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を含むサーボ信号と情報信号(RF信号)とは、光検出器109,110の出力信号より生成される。
ここで、対物レンズ105のNAは0.8以上の大きなものである。アクチュエータ107は、対物レンズ105の光軸方向の位置制御であるフォーカス制御と、光軸に垂直な方向の位置制御であるトラッキング制御とを制御部117からの信号に基づいて行う。アクチュエータ107は、コイルや磁石などの駆動手段により構成される。また、FE信号演算部114は、光検出器109,110からの信号に基づいてFE信号を生成し、RF信号演算部115は、光検出器109,110からの信号に基づいてRF信号を生成する。
センサ113は、ディスクカートリッジのホールを検出し、検出信号を出力する。ディスク判別部112は、記憶部116に格納されているFE振幅FE0及びRF振幅RF0と、FE信号演算部114及びRF信号演算部115によって生成されたFE振幅FE1及びRF振幅RF1と、センサ113からの検出信号とのうちのいずれかあるいは複数の信号を組み合わせて得たディスク判別情報を用いて多層光ディスク媒体101の種類を判別する。球面収差補正部108は、ディスク判別部112によって判別した光ディスク媒体の種別に応じてコリメートレンズ104を駆動し、各情報面の表面からの厚みに応じた最適な球面収差補正を行う。
なお、制御部117は、情報面単位でユーザデータ領域へのデータ記録を禁止する書き込み禁止フラグを設定する。また、制御部117は、書き込み禁止フラグが設定された情報面へのデータ記録を禁止する。本実施の形態において、レーザ光源106がレーザ光照射部の一例に相当し、球面収差補正部108が球面収差補正部の一例に相当し、制御部117が制御部、フラグ設定部及び記録禁止部の一例に相当し、ディスク判別部112が媒体判別部の一例に相当する。
本実施の形態における多層光ディスク媒体101が装填された際の、2層対応光ディスク装置における処理手順について説明する。図8及び図9は、2層対応光ディスク装置における処理手順について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、制御部117は、多層光ディスク媒体101が光ディスク装置に挿入されたか否かを判断する。ここで、光ディスク媒体が挿入されていないと判断された場合(ステップS1でNO)、光ディスク媒体が挿入されるまで所定の時間間隔でステップS1の判断処理が実行される。
一方、2層対応光ディスク装置に多層光ディスク媒体101が装填され、光ディスク媒体が挿入されたと判断された場合(ステップS1でYES)、ステップS2において、制御部117は、多層光ディスク媒体101の第1の情報面L0に合わせて球面収差を補正するように、球面収差補正部108に指示する。球面収差補正部108は、コリメートレンズ104を駆動することにより、第1の情報面L0に合わせて球面収差を補正する。図7のような光学系においてコリメートレンズ104はレーザ光の径を可変する機能を持つ。即ち、コリメートレンズ104が光軸方向に移動することで、多層光ディスク媒体101に照射されるレーザ光の径が調整される。つまり、光ディスク装置は、液晶等の収差補正素子の替わりに、コリメートレンズ104を光軸方向に移動させる球面収差補正部108を備えることで、第1の情報面L0に最適な球面収差補正を行うことが可能である。
また、このような球面収差補正方法の他に、コリメートレンズ103,104に代えて液晶パネル等を備えることで球面収差を補正する方法も可能であるが、本方式の球面収差補正方法では、液晶パネル等を不要とし、光ディスク装置の部品点数削減、コスト及び調整工程の節減、及び小型化の面で優れている。
次に、ステップS3において、制御部117は、レーザ光源106を制御し、レーザを単層光ディスク媒体の設定パワーで照射する。一般的に単層光ディスク媒体からの戻り光量は、第2の情報面L1の透過率を50%とすると2層光ディスク媒体の戻り光量に比べて4倍程度多く、制御部117はレーザパワーを2層光ディスク媒体に比べて低く設定する。また高い照射パワーで記録されたマークを誤消去してしまわないように、制御部117は、読み取り時に照射するレーザパワーを2層光ディスク媒体に比べて1/2程度低く設定する。
次に、ステップS4において、ディスク判別部112は、光ディスク媒体の種別を判別し、単層光ディスク媒体であるか否かを判別する。ここで、ディスク判別部112による光ディスク媒体の種別を判別する方法について説明する。
第1のディスク種別判別方法は、光ディスク媒体が入っているカートリッジを使って判別する方法である。まず、図7のセンサ113は、赤外線あるいはその他の波長の光をカートリッジ方向に照射する。ディスク判別部112は、光ディスク媒体による反射光からの情報に基づいて、挿入された光ディスク媒体がカートリッジに入っているかの有無を判別する。光ディスク媒体がカートリッジに入っている場合、ディスク判別部112は、カートリッジに設けられたセンサホールを用いて光ディスク媒体の種別を判別する。なお、ディスク判別部112は、2層光ディスク媒体であるか、単層光ディスク媒体であるか、ROM光ディスク媒体であるか、書き換え可能光ディスク媒体であるか、追記型光ディスク媒体であるかを判別する。
第2のディスク種別判別方法は、光ディスク媒体がカートリッジに入っていない場合に、光ディスク媒体からの戻り光から判別する方法である。ディスク判別部112は、図7のRF信号演算部115によって生成されるRF信号の信号レベルと、FE信号演算部114によって生成されるFE信号の振幅レベルとに基づいて、単層光ディスク媒体であるか、2層光ディスク媒体であるかを判別する。単層光ディスク媒体と2層光ディスク媒体とは、光ディスク媒体からの戻り光量の差で区別される。ディスク判別部112は、記憶部116に予め記憶されているRF信号の基準信号レベル及びFE信号の基準振幅レベルと、実際の光ディスク媒体からの戻り光から生成されるRF信号の信号レベル及びFE信号の振幅レベルとを比較し判別する。なお、当初設定されている範囲のいずれのグループにも属さない光ディスク媒体、例えば反射光量が0あるいは、制限を越えるものは、異常ディスクとしてエラー処理が行われる。
また、第3のディスク種別判別方法は、フォーカスエラー信号のS字波形の数を用いて判別する方法である。フォーカスサーボがOFFになった状態で、レーザの焦点位置をディスク表面から徐々に光ディスク媒体の厚み方向に移動させることによって、フォーカスエラー信号に図5あるいは図6のようなS字波形が現れる。ディスク判別部112は、このS字波形の閾値振幅が規定値より超える個数をカウントすることによって、単層光ディスク媒体であるか、2層光ディスク媒体であるかを判別する。
このように、本実施の形態では、光ディスク媒体からの戻り光量、FE信号のS字波形、又はRF信号の信号レベルを用いて光ディスク媒体の種別を判別している。これらのディスク種別判別方法によるとフォーカス引き込み実施前に光ディスク媒体の種別を判別することが可能なため、光ディスク媒体に既に書き込まれている記録マークを誤消去することや、記録パワーを照射して誤記録することなく、光ディスク媒体の種別を判別することができる。また、光ディスク媒体にあらかじめ記録されているBCAや管理情報の読み出し前に光ディスク媒体の種別を判別することができるため、ディスク判別にかかる時間を短縮し、起動時間を早めることができる。
次に、ディスク判別部112によって、単層光ディスク媒体であると判別された際の動作について説明する。単層光ディスク媒体であると判別された場合(ステップS4でYES)、ステップS5の処理へ移行する。
第1の情報面L0に対応する球面収差補正を実行させたら、ステップS5において、制御部117は、アクチュエータ107を駆動して対物レンズ105を移動させ、レーザ光のフォーカス状態を第1の情報面L0に合焦させる。次に、ステップS6において、制御部117は、光ディスク媒体の内周部のBCA1002に光ピックアップ111をアクセスさせ、BCA1002に記録されているユニークIDの読み出しを実行させる。
続いて、ステップS7において、制御部117は、初期記録領域1003に光ピックアップ111をアクセスさせ、初期記録領域1003内の管理情報の読み出しを実行させる。次に、ステップS8において、制御部117は、初期記録領域の管理情報の再生ができたか否かを判別する。ここで、管理情報の再生ができたと判別された場合(ステップS8でYES)、ステップS9において、制御部117は、光ディスク媒体の種別に応じて順次各情報面における学習領域1004(テストライトエリア)を用いて試し記録(テストライト)を行い、レーザパワーのキャリブレーションや、記録パルス条件のキャリブレーションを行う。即ち、単層光ディスク媒体であった場合、制御部117は、第1の情報面L0の学習領域1004でテストライトを行う。
テストライトを終えた後、ステップS10において、制御部117は、記録又は再生動作を実行する。制御部117は、球面収差補正及びフォーカス制御を行いつつ、情報の記録又は再生を実行する。
次にディスク判別部112によって、2層光ディスク媒体であると判別された際の動作について説明する。単層光ディスク媒体でないと判別された場合、すなわち、2層光ディスク媒体であると判別された場合(ステップS4でNO)、図9のステップS11の処理へ移行する。
ステップS11において、制御部117は、レーザ光源106を制御し、レーザを2層光ディスク媒体の設定パワーで照射する。次に、ステップS12において、制御部117は、多層光ディスク媒体101の第1の情報面L0に合わせて球面収差を補正するように、球面収差補正部108に指示する。球面収差補正部108は、コリメートレンズ104を駆動することにより、第1の情報面L0に合わせて球面収差を補正する。
第1の情報面L0に対応する球面収差補正を実行させたら、ステップS13において、制御部117は、アクチュエータ107を駆動して対物レンズ105を移動させ、レーザ光のフォーカス状態を第1の情報面L0に合焦させる。次に、ステップS14において、制御部117は、第1の情報面L0のBCA1002に光ピックアップ111をアクセスさせ、BCA1002に記録されているユニークIDの読み出しを実行させる。
続いて、ステップS15において、制御部117は、第1の情報面L0の初期記録領域1003に光ピックアップをアクセスさせ、初期記録領域1003内の管理情報の読出しを実行させる。次に、ステップS16において、制御部117は、第1の情報面L0の初期記録領域1003から管理情報を再生することができたか否かを判別する。ここで、第1の情報面L0から管理情報の再生ができたと判別された場合(ステップS16でYES)、ステップS17において、制御部117は、順次各情報面における学習領域1004(テストライトエリア)を用いて試し記録(テストライト)を行い、レーザパワーのキャリブレーションや、記録パルス条件のキャリブレーションを行う。
即ち、制御部117は、第1の情報面L0及び第2の情報面L1のそれぞれにおいて、学習領域1004でテストライトを行い、各情報面のそれぞれについて最適なレーザパワーを設定する。ここで、各情報面でテストライトを実行する際、その都度、必要に応じてテストライトを実行しようとする情報面に対して球面収差補正及びフォーカス制御が行われる。
次に、ステップS18において、制御部117は、球面収差補正及びフォーカス制御を行いつつ、第1の情報面L0への情報の記録又は第1の情報面L0からの情報の再生を実行する。次に、ステップS19において、制御部117は、球面収差補正及びフォーカス制御を行いつつ、第2の情報面L1への情報の記録又は第2の情報面L1からの情報の再生を実行する。
ここで、実際にデータの記録又は再生を行う前には、初期記録領域から管理情報を読み出す必要がある。第1の情報面L0の初期記録領域から両方の情報面に関する管理情報が読み出せればよいが、何らかの原因で管理情報が読み出せなかった場合は、記録又は再生することができない光ディスク媒体となってしまう。
上述したように2層光ディスク媒体の場合、第2の情報面L1の初期記録領域にも、第1の情報面L0の初期記録領域と同一の管理情報が記録されている。そこで本実施の形態では、第1の情報面L0で管理情報を読み出せなかった場合は、他の情報面から管理情報を読み出すようにしてもよい。
すなわち、第1の情報面L0から管理情報の再生ができないと判別された場合(ステップS16でNO)、ステップS20において、制御部117は、多層光ディスク媒体101の第2の情報面L1に合わせて球面収差を補正するように、球面収差補正部108に指示する。球面収差補正部108は、コリメートレンズ104を駆動することにより、第2の情報面L1に合わせて球面収差を補正する。
次に、ステップS21において、制御部117は、アクチュエータ107を駆動して対物レンズ105を移動させ、レーザ光のフォーカス状態を第2の情報面L1に合焦させる。次に、ステップS22において、制御部117は、第2の情報面L1のBCA1002に光ピックアップ111をアクセスさせ、BCA1002に記録されているユニークIDの読み出しを実行させる。
次に、ステップS23において、制御部117は、第2の情報面L1の初期記録領域1003に光ピックアップをアクセスさせ、初期記録領域1003内の管理情報の読出しを実行させる。次に、ステップS24において、制御部117は、初期記録領域1003の管理情報の再生ができたか否かを判別する。ここで、第2の情報面L1から管理情報の再生ができたと判別された場合(ステップS24でYES)、ステップS17の処理へ移行する。
一方、第2の情報面L1から管理情報の再生ができないと判別された場合(ステップS24でNO)、ステップS25において、制御部117は、エラー通知を行い、処理を終了する。すなわち、第1の情報面L0及び第2の情報面L1の両方から管理情報を読み出すことができない場合、光ディスク媒体への情報の記録又は再生ができない。なお、ステップS8において、第1の情報面L0から管理情報の再生ができないと判別された場合(ステップS8でNO)、ステップS25の処理へ移行する。
次に、本実施の形態における4層光ディスク媒体及び8層光ディスク媒体のエリア構成について説明する。図10は、図4に示すトラックレイアウトに対応する4層光ディスク媒体の半径方向のエリア構成を説明するための図である。尚、BCA、初期記録領域(PR)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)、データ領域、及びリードアウト領域の配置は、図1及び図4で説明した通りである。
4層光ディスク媒体では、第1の情報面L0は、単層光ディスク媒体あるいは2層光ディスク媒体の第1の情報面L0と同様のエリア構成である。ただし、単層光ディスク媒体におけるリードアウトゾーンに相当する部分は4層光ディスク媒体では記録再生終端ではないためアウターゾーンとなる。4層光ディスク媒体の第2の情報面L1は、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1と同様のエリア構成である。但し、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1における内周側となったリードアウトゾーンは、4層光ディスク媒体では記録再生終端ではないためインナーゾーンとしてある。
第3の情報面L2は、内周部に低反射率領域(LRA)、初期記録領域(PR)、及び学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第3の情報面L2のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行われる。
第4の情報面L3は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がリードアウトゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第4の情報面L3のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。このような記録再生の進行が行われることで、上述した2層光ディスク媒体の場合と同様、外周から内周へのフルシークを必要とせず、第1の情報面L0の内周から外周、第2の情報面L1の外周から内周、第3の情報面L2の内周から外周、第4の情報面L3の外周から内周へと順次記録再生することができ、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、アドレスは第1及び第3の情報面L0,L2では内周から外周へカウントアップされ、第2及び第4の情報面L1,L3では、外周から内周へカウントアップされる。偶数番目の情報面(第2及び第4の情報面)では、奇数番目の情報面(第1及び第3の情報面)のアドレスの補数をとって用いることにより、レイヤー内アドレスは、1つの情報面のレイヤー内アドレスのビット数で表すことができる。また、第1及び第2の情報面L0,L1と、第3及び第4の情報面L2,L3の、アドレスに対する半径の位置関係も知ることができ高速アクセスが可能となる。
次に、本実施の形態における8層光ディスク媒体の半径方向のエリア構成について説明する。図11は、本実施の形態における8層光ディスク媒体の半径方向のエリア構成を説明するための図である。図11に示す8層光ディスク媒体における第1の情報面L0は、先に述べた単層光ディスク媒体、2層光ディスク媒体、4層光ディスク媒体の第1の情報面L0と同様のエリア構成である。ただし、単層光ディスク媒体におけるリードアウトゾーンに相当する部分はアウターゾーンとなる。8層光ディスク媒体の第3の情報面L2は、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1、及び図10で示す4層光ディスク媒体の第2の情報面L1と同様のディスクレイアウトである。ただし、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1における内周側となったリードアウトゾーンは、8層光ディスク媒体では記録再生終端ではないためインナーゾーンとなる。8層光ディスク媒体の第5の情報面L4は、図10で示す4層光ディスク媒体の第3の情報面L2と同様のエリア構成である。8層光ディスク媒体の第7の情報面L6は、図10で示す4層光ディスク媒体の第4の情報面L3と同様のエリア構成である。但し4層光ディスク媒体におけるリードアウトイン領域に相当する部分はインナーゾーンとなる。
8層光ディスク媒体の第2、第4、第6、第8の各情報面L1,L3,L5,L7は8層光ディスク媒体で新たに追加された情報面である。第2の情報面L1は、内周部に低反射率領域(LRA)、初期記録領域(PR)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第2の情報面L1のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。
第4の情報面L3は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第4の情報面L3のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。
第6の情報面L5は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第6の情報面L5のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。
第8の情報面L7は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がリードアウトゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第8の情報面L7のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。
第1の情報面L0の内周から外周、第3の情報面L2の外周から内周、第5の情報面L4の内周から外周、第7の情報面L6の外周から内周、第2の情報面L1の内周から外周、第4の情報面L3の外周から内周、第6の情報面L5の内周から外周、第8の情報面L7の外周から内周へと順次記録再生が行われる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、アドレスは第1、第2、第5、第6の各情報面では内周から外周へカウントアップされ、第3、第4、第7、第8の各情報面では、外周から内周へカウントアップされる。第1の情報面と第3の情報面との間、第5の情報面と第7の情報面との間、第2の情報面と第4の情報面との間、第6の情報面と第8の情報面との間では、それぞれの情報面のアドレスの補数をとって用いることにより、レイヤー内アドレスは、1つの層のレイヤー内アドレスのビット数で表すことができる。
また、それぞれの情報面のアドレスに対する半径の位置関係も知ることができ高速アクセスが可能となる。すなわち、第1から第8の複数の情報面において、MOD(n/4)=1,2となる情報面は光ディスク媒体の内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。但し、MOD(n/4)は情報面の数nを除数4で割ったときの剰余を表している。
次に、本実施の形態の8層光ディスク媒体の半径方向の別のエリア構成について説明する。図12は、本実施の形態の8層光ディスク媒体の半径方向の別のエリア構成を説明するための図である。図12に示す8層光ディスク媒体では、第1の情報面L0は、単層光ディスク媒体、2層光ディスク媒体及び4層光ディスク媒体の第1の情報面L0と同様のエリア構成である。ただし、単層光ディスク媒体におけるリードアウトゾーンに相当する部分はアウターゾーンとなる。
8層光ディスク媒体の第3の情報面L2は、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1、及び図10で示す4層光ディスク媒体の第2の情報面L1と同様のエリア構成である。ただし、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1における内周側となったリードアウトゾーンは、8層光ディスク媒体では記録再生終端ではないためインナーゾーンとなる。
8層光ディスク媒体の第5の情報面L4は、図10で示す4層光ディスク媒体の第3の情報面L2と同様のエリア構成である。8層光ディスク媒体の第7の情報面L6は、図10で示す4層光ディスク媒体の第4の情報面L3と同様のエリア構成である。但し4層光ディスク媒体におけるリードアウト領域に相当する部分はインナーゾーンとなる。
8層光ディスク媒体の第2、第4、第6、第8の情報面L1,L3,L5,L7は8層光ディスク媒体で新たに追加された情報面である。8層光ディスク媒体の第2の情報面L1は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がリードインゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第2の情報面L1のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。8層光ディスク媒体の第4の情報面L3は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第4の情報面L3のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。
8層光ディスク媒体の第6の情報面L5は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第6の情報面L5のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。8層光ディスク媒体の第8の情報面L7は、内周部に低反射率領域(LRA)、初期記録領域(PR)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第8の情報面L7のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。
第1の情報面L0の内周から外周、第3の情報面L2の外周から内周、第5の情報面L4の内周から外周、第7の情報面L6の外周から内周、第8の情報面L7の内周から外周、第6の情報面L5の外周から内周、第4の情報面L3の内周から外周、第2の情報面L1の外周から内周へと順次記録再生が行われる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、アドレスは第1、第4、第5、第8の情報面L0,L3,L4,L7では内周から外周へカウントアップされ、第2、第3、第6、第7の情報面L1,L2,L5,L6では、外周から内周へカウントアップされる。第1の情報面と第3の情報面との間、第5の情報面と第7の情報面との間、第2の情報面と第4の情報面との間、第6の情報面と第8との間では、それぞれの情報面のアドレスの補数をとって用いることにより、レイヤー内アドレスは、1つの層のレイヤー内アドレスのビット数で表すことができる。
また、各情報面のアドレスに対する半径の位置関係も知ることができ高速アクセスが可能となる。すなわち、第1から第8の複数の情報面において、MOD(n/4)=0,1となる情報面はディスク内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、MOD(n/4)=2,3となる情報面は、ディスク外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
次に、本実施の形態の別の4層光ディスク媒体の半径方向のエリア構成について説明する。図13は、図10のエリア構成とは別の4層光ディスク媒体の半径方向のエリア構成を説明するための図である。図10と異なる点は、図10の第2の情報面L1と第3の情報面L2とのエリア構成が入れ替わっている点である。図13のエリア構成にすることにより2層光ディスク媒体と同様のエリア構成である第1の情報面L0と第3の情報面L2との間に新たに情報面を挿入でき、ディスク全体での層間の厚みの合計を小さくすることができ、ディスク表面を厚くすることができる。
このようなエリア構成にすることで、外周から内周へのフルシークを必要とせず、第1の情報面L0の内周から外周、第3の情報面L2の外周から内周、第2の情報面L1の内周から外周、第4の情報面L3の外周から内周へと順次記録再生することができる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。また、アドレスは第1及び第2の情報面L0,L1では内周から外周へカウントアップされ、第3及び第4の情報面L2,L3では、外周から内周へカウントアップされる。第1の情報面と第3の情報面との間、第2の情報面と第4の情報面との間では、それぞれ情報面のアドレスの補数をとって用いることにより、レイヤー内アドレスは、1つの情報面のレイヤー内アドレスのビット数で表すことができる。また第1及び第3の情報面L0,L2と、第2及び第4の情報面L1,L3とのアドレスに対する半径の位置関係も知ることができ高速アクセスが可能となる。
次に、本実施の形態における8層光ディスク媒体の半径方向のさらに別のエリア構成について説明する。図14は、本実施の形態における8層光ディスク媒体の半径方向のさらに別のエリア構成を説明するための図である。図14に示す8層光ディスク媒体では、第1の情報面L0は、単層光ディスク媒体、2層光ディスク媒体及び4層光ディスク媒体のL0と同様のディスクレイアウトである。ただし、単層光ディスク媒体におけるリードアウトゾーンに相当する部分はアウターゾーンとなる。
第5の情報面L4は、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1、及び図13で示す4層光ディスク媒体の第3の情報面L2と同様のエリア構成である。ただし、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1における内周側となったリードアウトゾーンは、8層光ディスク媒体では記録再生終端ではないためインナーゾーンとなる。また、8層光ディスク媒体の第3の情報面L2は、及び図13で示す4層光ディスク媒体の第2の情報面L1と同様のエリア構成である。
8層光ディスク媒体の第7の情報面L6は、図13で示す4層光ディスク媒体の第4の情報面L3と同様のエリア構成である。但し4層光ディスク媒体におけるリードアウトゾーンに相当する部分はインナーゾーンとなる。
第2、第4、第6、第8の各情報面L1,L3,L5,L7は8層光ディスク媒体で新たに追加された情報面である。第2の情報面L1は、内周部に低反射率領域(LRA)、初期記録領域(PR)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第2の情報面L1のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。第4の情報面L3は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第4の情報面L3のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。
第6の情報面L5は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第6の情報面L5のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。第8の情報面L7は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がリードアウトゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第8の情報面L7のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。
第1の情報面L0の内周から外周、第5の情報面L4の外周から内周、第3の情報面L2の内周から外周、第7の情報面L6の外周から内周、第2の情報面L1の内周から外周、第6の情報面L5の外周から内周、第4の情報面L3の内周から外周、第8の情報面L7の外周から内周へと順次記録再生が行われる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。また、アドレスは第1〜第4の情報面L0〜L3では内周から外周へカウントアップされ、第5〜第8の情報面L4〜L7では、外周から内周へカウントアップされる。第1の情報面と第5の情報面との間、第3の情報面と第7の情報面との間、第2の情報面と第6の情報面との間、第4の情報面と第8の情報面との間では、それぞれの情報面のアドレスの補数をとって用いることにより、レイヤー内アドレスは、1つの層のレイヤー内アドレスのビット数で表すことができる。また、それぞれの情報面のアドレスに対する半径の位置関係も知ることができ高速アクセスが可能となる。すなわち、第1から第n(n=8)の複数の情報面において、第1から第n/2の情報面はディスク内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、第n/2+1から第nの情報面はディスク外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
次に、前述したエリア構成を有する本実施の形態における多層情報記録媒体の製造方法について説明する。
図15は、本実施の形態における多層情報記録媒体を作製するための基板作製用金型であるスタンパの製造方法を説明するための図である。まず、ガラス板1601上にフォトレジスト等の感光材料が塗布されて感光膜1602が形成され(図15の第1工程参照)、その後レーザ光1603による光記録により、ピットや案内溝等のパターンの露光が行われる(図15の第2工程参照)。図15の第2工程において、感光膜1602aが露光された部分を示している。露光部分の感光材料は現像工程を経ることにより除去され、ピットや案内溝等のパターン1604が形成された光記録原盤1605が作製される(図15の第3工程参照)。感光膜1602に形成されたピットや案内溝等のパターン1604の形状は、スパッタリングや蒸着等の方法によって膜付けされた導電膜1606に転写される(図15の第4工程参照)。さらに、導電膜1606の剛性及び厚みを増加させるために、めっき膜1607が形成される(図15の第5工程参照)。次に、感光膜1602と導電膜1606との界面から導電膜1606及びめっき膜1607が剥離されることにより、スタンパ1608が作製される(図15の第6工程参照)。
図16は、本実施の形態における多層情報記録媒体の断面図である。この多層情報記録媒体は、片面に凹凸形状からなるピットや案内溝の情報面が転写形成された第1信号基板1701と、第1信号基板1701の凹凸形状が設けられた面上に配置された第1薄膜層1702と、第1薄膜層1702と接着している面とは反対の面に凹凸形状からなるピットや案内溝の情報面が転写形成された第2信号基板1703と、第2信号基板1703の凹凸形状が設けられた面上に配置された第2薄膜層1704と、第2信号基板1703に対向配置された透明基板1706と、第2薄膜層1704と透明基板1706とを貼り合わせるために設けられた透明層1705により構成されている。
第1信号基板1701には、図15の第6工程に示したスタンパ1608を用いて、射出圧縮成形等により片面にピットや案内溝が凹凸形状として転写形成されている。このように、情報面に薄膜層が形成されることで情報記録層が形成されている。第1信号基板1701の厚みは例えば1.1mm程度である。第1薄膜層1702及び第2薄膜層1704は、記録膜や反射膜を含んでいる。第1薄膜層1702及び第2薄膜層1704は、第1信号基板1701及び第2信号基板1703のピットや案内溝が形成された面側にスパッタリングや蒸着等の方法により形成される。
第2信号基板1703は、光硬化性樹脂のスピンコート法によって形成され、図15の第6工程に示したスタンパ1608や第1信号基板1701のように片面にピットや案内溝が凹凸形状として形成された転写基板を、情報面が第1信号基板1701と対向するように光硬化性樹脂を介して貼り合わせる。そして、光硬化性樹脂の光硬化後に転写基板を光硬化性樹脂との界面から剥離することによって第2信号基板1703が形成されている。透明基板1706は、記録再生光に対して透明な(透過性を有する)材料からなり、厚みが例えば0.1mm程度である。透明層1705は、2枚の基板1706、1707を互いに接着するために設けられており、光硬化性樹脂や感圧接着剤等の接着剤から形成されている。このような多層情報記録媒体の記録再生は、透明基板1706からレーザ光を入射することによって行われる。
次に、本実施の形態における多層情報記録媒体の製造方法について説明する。図17は、本実施の形態における多層情報記録媒体の製造方法について説明するための図である。
まず、第1信号基板801は、ピットや案内溝の信号面が形成された面にスパッタリングや蒸着等の方法により記録膜材料や反射膜材料を含んだ第1薄膜層802が形成されることにより情報記録層が形成される。信号面に形成する第1薄膜層802の領域は、スパッタリングや蒸着時に基板をマスクする領域によって決定される。
図18は、スパッタ装置の構造を示す断面図である。まず、スパッタ装置内に搬送された基板1801は、インナーマスク1802とアウターマスク1803とがほぼ接するところに設置される。インナーマスク1802は、基板の中心孔を含む内径に薄膜層が形成されないように、基板の内周部を全面覆いかぶさった構造を有している。アウターマスク1803は、特定の基板の外径に薄膜層が形成されないように、また、基板裏面へスパッタ膜の回り込みを防ぐように構成されている。真空ポンプなどで真空雰囲気とした空間1804はアルゴンなどのガスの導入と、放電によってプラズマが発生する。そして、プラズマ中にできたイオン(ここではアルゴンイオン)をインナーマスク1802及びアウターマスク1803の根元に設置されたターゲット1805の材料に衝突させ、ターゲット1805を構成する材料の原子や分子を基板上に飛ばし、基板表面に薄膜を形成する。
第1薄膜層802を形成する領域は、インナーマスク1802の径や、アウターマスク1803の径を変更することにより、容易に変更が可能である。第1信号基板801は、第1薄膜層802が形成された面とは反対側の面でバキューム等の手段によって回転テーブル803上に固定される(図17の第1工程参照)。回転テーブル803に固定された第1信号基板801上の第1薄膜層802には、ディスペンサーによって光硬化性樹脂804が所望の半径上に同心円状に塗布される(図17の第2工程参照)。
そして、回転テーブル803をスピン回転させることにより光硬化性樹脂804の延伸が行われる(図17の第3工程参照)。延伸された光硬化性樹脂804は、遠心力によって余分な樹脂と気泡を除去することができる。このとき、延伸される光硬化性樹脂804の厚みは、光硬化性樹脂804の粘度やスピン回転の回転数、時間、及びスピン回転をさせている周りの温度や湿度などの雰囲気を任意に設定することにより、所望の厚みに制御することができる。スピン回転停止後、延伸された光硬化性樹脂804は光照射機805の光照射によって硬化される。このようにして、第1信号基板801、第1薄膜層802及び光硬化性樹脂804で構成される第1の基板811が作成される。
次に、第1信号基板801の上に第2の情報面が形成される。まず、図15の第6工程に示したスタンパ1608や図16に示した第1信号基板1701のように片面にピットや案内溝が凹凸形状として形成された転写基板806が回転テーブル807上に固定される(図17の第4工程参照)。回転テーブル807に固定された転写基板806の上には、ディスペンサーによって光硬化性樹脂808が所望の半径上に同心円状に塗布される(図17の第5工程参照)。そして、回転テーブル807をスピン回転させることにより光硬化性樹脂808の延伸が行われる(図17の第6工程参照)。延伸される光硬化性樹脂808は光硬化性樹脂804と同様に、所望の厚みに制御することができる。スピン回転停止後、延伸された光硬化性樹脂808は光照射機809の光照射によって硬化される。このようにして、転写基板806及び光硬化性樹脂808で構成される第2の基板810が作成される。
2枚の基板810,811は、1つの回転テーブル803の上で、双方の光硬化性樹脂層が対向するように光硬化性樹脂812を介して重ね合わされ(図17の第7工程参照)、一体化させた状態で回転テーブル803によってスピン回転させられる。光硬化性樹脂812はスピン回転によって所望の厚みに制御された後に光照射機805の光照射によって硬化される(図17の第8工程参照)。光硬化性樹脂812によって基板810,811が一体化された後に、転写基板806と光硬化性樹脂808の界面より、転写基板806を剥離することによって、第1信号基板801の上に第2の情報面が形成される(図17の第9工程参照)。
ここで用いられている光硬化性樹脂804は第1薄膜層802と光硬化性樹脂812との接着性が良好なものを選定している。また、光硬化性樹脂808は転写基板806との剥離性が良く、且つ光硬化性樹脂812との接着性が良好なものを選定している。また、各々の光硬化性樹脂は出来るだけ薄く形成するために、粘度は約150Pa・s程度としている。
第1信号基板801の上に形成された第2の情報面には、スパッタリングや蒸着等の方法により記録膜材料や反射膜材料を含んだ第2薄膜層813が形成される。第2薄膜層813と透明基板814とを貼り合わせるときに形成される透明層815は、記録再生光に対してほぼ透明で(ほぼ透過し)、第2薄膜層813に光硬化性樹脂を塗布した後にスピン回転させることによって光硬化性樹脂に混入する気泡の除去や厚み制御を行い、延伸された後に光照射されることによって硬化することで形成される。
なお、本実施の形態では、基材厚が0.1mmであるBDの多層化について説明しているが、本発明は特にこれに限定されず、基材厚が0.6mmであるHD DVDの多層化にも適用可能であり、種類が同じである多層光ディスク媒体に適用可能である。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る多層情報記録媒体は、積層された複数の情報面を有し、光によって情報を記録又は再生する多層情報記録媒体であって、前記複数の情報面は、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含む。
この構成によれば、多層情報記録媒体が有する複数の情報面は、光が入射したときに、光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、光を第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含んでいる。
したがって、既に発売されている情報記録媒体の情報面と一致する少なくとも1つの情報面へのフォーカス引き込みを確実に実行することができるので、既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保することができ、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生することができる。また、広く一般に流通している情報記録再生装置を有効活用することが可能であり、ユーザは、既存の情報記録再生装置を使って新たに発売された多層規格の光ディスク媒体を利用することができる。
即ち、多層情報記録媒体は、3層以上の情報記録面を有し、3番目以上の情報記録面の内周部あるいは外周部に、2番目までの情報記録面とは異なる物理特性(反射率、透過率、溝特性、ピット特性等)を持たせることにより、従来の2層情報記録媒体にのみ対応する情報記録再生装置において、情報を記録あるいは再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第1の反射面には、ディスク管理情報が記録されていることが好ましい。この構成によれば、第1の反射面に光を照射することによりディスク管理情報を再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記多層情報記録媒体は、光ディスク媒体を含み、前記第2の反射面は、前記光ディスク媒体の内周部を含み、前記内周部の反射率は、データを記録するデータ領域の反射率よりも低いことが好ましい。
この構成によれば、多層情報記録媒体は、光ディスク媒体を含んでおり、第2の反射面は、光ディスク媒体の内周部を含んでおり、内周部の反射率は、データを記録するデータ領域の反射率よりも低い。したがって、内周部の反射率がデータ領域の反射率よりも低く設定されているので、既に発売されている情報記録媒体の情報面と一致する情報面の内周部へのフォーカス引き込みを確実に実行することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記多層情報記録媒体は、光ディスク媒体を含み、前記第1の反射面及び前記第2の反射面は、前記光ディスク媒体の内周部と、データを記録するデータ領域とを含み、前記第2の反射面の内周部及びデータ領域の反射率は、前記第1の反射面の内周部及びデータ領域の反射率よりも低いことが好ましい。
この構成によれば、第2の反射面の内周部及びデータ領域の反射率が、第1の反射面の内周部及びデータ領域の反射率よりも低いので、第1の反射面のデータ領域に記録されているデータを確実に再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記複数の情報面は、4つの情報面を含み、前記4つの情報面のうちの2つの情報面は、前記第1の反射面に光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させ、残りの2つの情報面は、前記第2の反射面に光が入射したときに、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報面は、4つの情報面を含んでおり、4つの情報面のうちの2つの情報面は、第1の反射面に光が入射したときに、光を所定の第1の戻り光量で反射させる。また、残りの2つの情報面は、第2の反射面に光が入射したときに、光を第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる。
したがって、2層の情報記録媒体に対応した情報記録装置を用いて、4層の多層情報記録媒体を記録再生する場合、4層のうちの2層の情報面に対して確実にフォーカス引き込みを実行することができるので、既に発売されている2層の情報記録媒体と、4層の多層情報記録媒体との互換性を確保することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記複数の情報面は、8つの情報面を含み、前記8つの情報面のうちの4つの情報面は、前記第1の反射面に光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させ、残りの4つの情報面は、前記第2の反射面に光が入射したときに、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報面は、8つの情報面を含んでおり、8つの情報面のうちの4つの情報面は、第1の反射面に光が入射したときに、光を所定の第1の戻り光量で反射させる。また、残りの4つの情報面は、第2の反射面に光が入射したときに、光を第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる。
したがって、4層の情報記録媒体に対応した情報記録装置を用いて、8層の多層情報記録媒体を記録再生する場合、8層のうちの4層の情報面に対して確実にフォーカス引き込みを実行することができるので、既に発売されている4層の情報記録媒体と、8層の多層情報記録媒体との互換性を確保することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第1の反射面において、出射光量に対する前記第1の戻り光量の比を高戻り光量比Rbとし、前記第2の反射面において、出射光量に対する前記第2の戻り光量の比を低戻り光量比Rdとしたとき、前記低戻り光量比Rdは、0≦Rd<3.5%の範囲であり、前記高戻り光量比Rbは、3.5%≦Rb≦8%の範囲であることが好ましい。
この構成によれば、第1の反射面において、出射光量に対する第1の戻り光量の比を高戻り光量比Rbとし、第2の反射面において、出射光量に対する第2の戻り光量の比を低戻り光量比Rdとしたとき、低戻り光量比Rdは、0≦Rd<3.5%の範囲であり、高戻り光量比Rbは、3.5%≦Rb≦8%の範囲である。
従来の2層の情報記録媒体の戻り光量比は、3.5%以上8%以下に規定されており、この範囲より低戻り光量比Rdの範囲を低くすることにより、フォーカス引き込みを確実に実行することができ、例えば2層の情報記録媒体に対応した情報記録装置を用いて、4層以上の多層情報記録媒体を記録再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記低戻り光量比Rdと前記高戻り光量比Rbとの関係が2×Rd<Rbであることが好ましい。この構成によれば、低戻り光量比Rdと高戻り光量比Rbとの関係が2×Rd<Rbであるので、高戻り光量比Rbを低戻り光量比Rdの2倍よりも大きく設定することにより、フォーカス引き込みを確実に実行することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記低戻り光量比Rdは前記高戻り光量比Rbに対して十分小さく、前記低戻り光量比Rdは概略0であることが好ましい。この構成によれば、低戻り光量比Rdは高戻り光量比Rbに対して十分小さく、低戻り光量比Rdは概略0であるので、フォーカス引き込みを確実に実行することができる。なお、例えば、低戻り光量比Rdは高戻り光量比Rbに対して十分小さいとは、低戻り光量比Rdが、情報を記録したときの戻り光(反射光)のレベル以下になる場合を意味する。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記多層情報記録媒体は光ディスク媒体を含み、前記第1の反射面及び前記第2の反射面は、前記光ディスク媒体の回転中心から24mm以内の範囲に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、多層情報記録媒体は光ディスク媒体を含んでおり、第1の反射面及び第2の反射面は、光ディスク媒体の回転中心から24mm以内の範囲に設けられているので、光ディスク媒体の回転中心から24mm以内の範囲に相当する内周部に対するフォーカス引き込みを確実に実行することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第1の反射面は、多層情報記録媒体に固有の識別情報を反射層を焼ききることにより記録するBCA領域を含むことが好ましい。
この構成によれば、第1の反射面には、多層情報記録媒体に固有の識別情報を反射層を焼ききることにより記録するBCA領域が含まれるので、既に発売されている情報記録再生装置であっても、多層情報記録媒体のBCA領域から識別情報を確実に再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第2の反射面は、レーザ光によってあらかじめ初期記録がなされていることが好ましい。この構成によれば、第2の反射面が、レーザ光によってあらかじめ初期記録がなされているので、他の情報面の第2の反射面における第2の戻り光量を第1の戻り光量よりも小さくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第2の反射面は、反射層を焼ききることで形成されていることが好ましい。この構成によれば、第2の反射面が、反射層を焼ききることで形成されているので、他の情報面の第2の反射面における第2の戻り光量を第1の戻り光量よりも小さくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第2の反射面は、反射層が形成されていないことが好ましい。この構成によれば、第2の戻り光量で反射させる第2の反射面には、反射層が形成されていないので、他の情報面の第2の反射面における第2の戻り光量を第1の戻り光量よりも小さくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記複数の情報面の間隔は6μm〜30μmであることが好ましい。この構成によれば、複数の情報面の間隔を6μm〜30μmとすることにより、各情報面からの回折光の干渉(層間干渉)を少なくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第1の反射面のうちの少なくとも2箇所以上にディスク管理情報が記録されていることが好ましい。この構成によれば、光軸方向に並んだ第1の反射面のうちの少なくとも2箇所以上にディスク管理情報が記録されているので、1の情報面からディスク管理情報を読み出すことができない場合であっても、他の情報面からディスク管理情報を読み出すことができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記ディスク管理情報が記録されている領域は、上下の情報面で重ならないように配置されていることが好ましい。この構成によれば、ディスク管理情報が記録されている領域は、上下の情報面で重ならないように配置されているので、1の情報面からディスク管理情報を読み出すことができない場合であっても、他の情報面からディスク管理情報を確実に読み出すことができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、情報面単位でユーザデータ領域へのデータ記録を禁止する書き込み禁止フラグが記録され、前記書き込み禁止フラグにより禁止された情報面へのデータ記録が禁止されることが好ましい。
この構成によれば、情報面単位でユーザデータ領域へのデータ記録を禁止する書き込み禁止フラグが記録され、書き込み禁止フラグにより禁止された情報面へのデータ記録が禁止される。したがって、多層情報記録媒体の複数の情報面のうちの他の情報面へのデータ記録を禁止することにより、層数の少ない情報記録媒体との互換性を確保することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記複数の情報面は、第1から第nの情報面を含み、MOD(n/4)=1,2(但し、MODは数値nを除数4で割ったときの剰余)となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報面は、第1から第nの情報面を含み、MOD(n/4)=1,2(但し、MODは数値nを除数4で割ったときの剰余)となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われる。また、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われる。
したがって、例えば、4層の多層情報記録媒体の場合、第1の情報面と第2の情報面とは、内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、第3の情報面と第4の情報面とは、外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われるので、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、MOD(n/4)=1,2となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが記録されており、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが記録されていることが好ましい。
この構成によれば、MOD(n/4)=1,2となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが記録されており、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが記録されている。
したがって、例えば、4層の多層情報記録媒体の場合、第1の情報面と第2の情報面とは、内周側から外周側に向かって、情報を記録又は再生することができ、第3の情報面と第4の情報面とは、外周側から内周側に向かって、情報を記録又は再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記複数の情報面は、第1から第n(nは偶数)の情報面を含み、第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報面は、第1から第n(nは偶数)の情報面を含んでおり、第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われる。また、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われる。
したがって、例えば、8層の多層情報記録媒体の場合、第1〜第4の情報面は、内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、第5〜第8の情報面は、外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われるので、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが記録されており、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが記録されていることが好ましい。
この構成によれば、第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが記録されている。また、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが記録されている。
したがって、例えば、8層の多層情報記録媒体の場合、第1〜第4の情報面は、内周側から外周側に向かって、情報を記録又は再生することができ、第5〜第8の情報面は、外周側から内周側に向かって、情報を記録又は再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第1から第nの情報面は、第1から第nの情報面に向かってレーザ入射面に近づくよう形成されていることが好ましい。この構成によれば、第1から第nの情報面をレーザ入射面に近づくように形成することができる。
本発明の他の局面に係る情報記録再生装置は、積層された複数の情報面を有する多層記録媒体から情報を記録又は再生する情報記録再生装置であって、前記複数の情報面は、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含み、前記多層情報記録媒体が有する信号トラックに対して、信号の記録または再生を行うためのレーザ光を照射するレーザ光照射部と、前記レーザ光の球面収差を補正する球面収差補正部と、前記レーザ光を照射する情報面に応じて、前記レーザ光の焦点位置を制御する制御部と、前記多層情報記録媒体の前記第1の反射面にレーザ光を照射し、情報面の数を判別する媒体判別部とを備える。
この構成によれば、多層情報記録媒体の複数の情報面は、光が入射したときに、光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、光を第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含んでいる。多層情報記録媒体が有する信号トラックに対して、信号の記録または再生を行うためのレーザ光が照射され、レーザ光の球面収差が補正される。そして、レーザ光を照射する情報面に応じて、レーザ光の焦点位置が制御され、多層情報記録媒体の第1の反射面にレーザ光が照射され、情報面の数が判別される。
したがって、既に発売されている情報記録媒体の情報面と一致する少なくとも1つの情報面へのフォーカス引き込みを確実に実行し、情報面の数を判別することができるので、既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保することができ、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生することができる。
また、上記の情報記録再生装置において、前記媒体判別部は、フォーカスエラー信号の波形情報から情報面の数を判別することが好ましい。この構成によれば、フォーカスエラー信号の波形情報から情報面の数を正確に判別することができる。
また、上記の情報記録再生装置において、情報面単位でユーザデータ領域へのデータ記録を禁止する書き込み禁止フラグを設定するフラグ設定部と、前記フラグ設定部によって前記書き込み禁止フラグが設定された情報面へのデータ記録を行わない記録部とをさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、情報面単位でユーザデータ領域へのデータ記録を禁止する書き込み禁止フラグが設定され、書き込み禁止フラグが設定された情報面へのデータ記録が行われない。したがって、多層情報記録媒体の複数の情報面のうちの他の情報面へのデータ記録が行われないので、層数の少ない情報記録媒体との互換性を確保することができる。
本発明の他の局面に係る多層情報記録媒体の製造方法は、積層された複数の情報面を有する多層情報記録媒体の製造方法であって、片面に情報面が形成された基板上に、反射層を形成する第1の工程と、前記反射層の上に、情報面を有する透光性の中間層を形成する第2の工程と、前記中間層の前記情報面側に反射層を形成する第3の工程と、前記第2の工程と前記第3の工程とを複数回繰り返して複数の情報面を形成した後、透光性の保護層を形成する第4の工程と、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射層を少なくとも1つの情報面に形成するとともに、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を他の情報面に形成する第5の工程とを含む。
この構成によれば、第1の工程において、片面に情報面が形成された基板上に、反射層が形成される。次に、第2の工程において、反射層の上に、情報面を有する透光性の中間層が形成される。次に、第3の工程において、中間層の情報面側に反射層が形成される。次に、第4の工程において、第2の工程と第3の工程とが複数回繰り返されて複数の情報面が形成された後、透光性の保護層が形成される。次に、第5の工程において、光が入射したときに、光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面が少なくとも1つの情報面に形成されるとともに、光を第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面が他の情報面に形成される。
したがって、既に発売されている情報記録媒体の情報面と一致する少なくとも1つの情報面へのフォーカス引き込みを確実に実行することができるので、既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保することができ、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、前記第5の工程は、前記他の情報面に対して、レーザ光によってあらかじめ初期記録することにより第2の反射面を形成することが好ましい。
この構成によれば、第5の工程において、他の情報面に対して、レーザ光によってあらかじめ初期記録することにより第2の反射面が形成されるので、他の情報面の第2の反射面における第2の戻り光量を第1の戻り光量よりも小さくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、前記第5の工程は、前記他の情報面に対して、レーザ光によってあらかじめ反射層を焼ききることにより第2の反射面を形成することが好ましい。
この構成によれば、第5の工程において、他の情報面に対して、レーザ光によってあらかじめ反射層を焼ききるにより第2の反射面が形成されるので、他の情報面の第2の反射面における第2の戻り光量を第1の戻り光量よりも小さくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、前記第1及び第3の工程は、反射層を形成する際に、前記他の情報面に対してマスク処理を行うことにより第2の反射面を形成することが好ましい。
この構成によれば、第1及び第3の工程において、反射層を形成する際に、他の情報面に対してマスク処理を行うことにより第2の反射面が形成されるので、他の情報面の第2の反射面には反射層が形成されず、他の情報面の第2の反射面における第2の戻り光量を第1の戻り光量よりも小さくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、前記複数の情報面は、第1から第nの情報面を含み、MOD(n/4)=1,2(但し、MODは数値nを除数4で割ったときの剰余)となる情報面と、MOD(n/4)=3,0となる情報面とは、スパイラルの方向がそれぞれ反対となるように形成されることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報面は、第1から第nの情報面を含み、MOD(n/4)=1,2(但し、MODは数値nを除数4で割ったときの剰余)となる情報面と、MOD(n/4)=3,0となる情報面とは、スパイラルの方向がそれぞれ反対となるように形成される。
したがって、例えば、4層の多層情報記録媒体の場合、第1の情報面と第2の情報面とにおけるトラッキング方向と、第3の情報面と第4の情報面とにおけるトラッキング方向とが反対となり、内周から外周又は外周から内周へとシークする必要がなくなり、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、MOD(n/4)=1,2となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが順番に形成され、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが順番に形成されることが好ましい。
この構成によれば、MOD(n/4)=1,2となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが順番に形成される。また、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが順番に形成される。
したがって、例えば、4層の多層情報記録媒体の場合、第1の情報面と第2の情報面とは、内周側から外周側に向かって、情報を記録又は再生することができ、第3の情報面と第4の情報面とは、外周側から内周側に向かって、情報を記録又は再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、前記複数の情報面は、前記第1から第n(nは偶数)の情報面を含み、第1から第n/2の情報面と、第(n/2)+1から第nの情報面とは、スパイラルの方向がそれぞれ反対となるように形成されることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報面は、第1から第n(nは偶数)の情報面を含んでおり、第1から第n/2の情報面と、第(n/2)+1から第nの情報面とは、スパイラルの方向がそれぞれ反対となるように形成される。
したがって、例えば、8層の多層情報記録媒体の場合、第1〜第4の情報面におけるトラッキング方向と、第5〜第8の情報面とにおけるトラッキング方向とが反対となり、内周から外周又は外周から内周へとシークする必要がなくなり、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが順番に形成され、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが順番に形成されることが好ましい。
この構成によれば、第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが順番に形成される。また、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが順番に形成される。
したがって、例えば、8層の多層情報記録媒体の場合、第1〜第4の情報面は、内周側から外周側に向かって、情報を記録又は再生することができ、第5〜第8の情報面は、外周側から内周側に向かって、情報を記録又は再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、前記第1から第nの情報面は、第1から第nの情報面に向かってレーザ入射面に近づくよう形成されることが好ましい。この構成によれば、第1から第nの情報面をレーザ入射面に近づくように形成することができる。
本発明に係る多層情報記録媒体、情報記録再生装置及び多層情報記録媒体の製造方法は、既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保することができ、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生することができ、積層された複数の情報面を有し、光によって情報を記録又は再生する多層情報記録媒体、その多層情報記録媒体の製造方法、及びその多層情報記録媒体を記録再生する情報記録再生装置として有用である。
本発明は、積層された複数の情報面を有し、光によって情報を記録又は再生する多層情報記録媒体、その多層情報記録媒体の製造方法、及びデジタルビデオ情報などの情報を高密度で多層情報記録媒体に記録するとともに、多層情報記録媒体に記録された情報を再生する情報記録再生装置に関するものである。
高密度・大容量の記憶媒体として、ピット状パターンを有する光ディスク媒体を用いる光メモリ技術は、ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、ビデオディスク、文書ファイルディスク、さらにはデータファイルと用途を拡張しつつ、実用化されてきている。例えば、直径1μm以下の微小に絞られた光ビームを介して、光ディスク媒体に対して高い信頼性のもとに情報の記録・再生が首尾よく遂行されるために要求される機能は、回折限界の微小スポットを形成する集光機能、光学系の焦点制御機能(フォーカスサーボ)、トラッキング制御機能、及びピット信号(情報信号)検出機能に大別される。
近年、光ディスク媒体の記録密度を一層高密度化するため、光ディスク媒体上に光ビームを収束させて回折限界の微小スポットを形成する対物レンズの開口数(NA)を拡大することが検討されている。しかし、光ディスク媒体の記録層を保護する基材厚みの誤差に起因する球面収差はNAの4乗に比例するため、例えばNAを0.8や0.85等に大きくする場合には、球面収差が飛躍的に大きくなってしまう。従って、開口数を大きくする場合、光学系に球面収差を補正する手段を設けることが不可欠になる。
このような球面収差を補正する方法としては、例えば特許文献1に示した方法がある。図19は、特許文献1に示す従来の光ディスク装置の構成を示す図である。図19で収差補正量切替手段614には、基準厚みを100μmとして、球面収差補正量が0mλである収差補正量(a)、基準厚みに対して基材厚が薄い光ディスク媒体の球面収差を補正するための収差補正量(b)、及び基準厚みに対して基材厚が厚い光ディスク媒体の球面収差を補正するための収差補正量(c)からなる3種類の球面収差補正量がフォーカス制御を行う光ディスク媒体の情報面ごとに予め設定されている。収差補正量切替手段614は、これらの収差補正量のうちから、ディスク判別手段612からのディスク判別信号613に応じて適切な球面収差補正量を選択し、切り替える。これにより、NAの大きな対物レンズを用いて高密度の光ディスク媒体に対して記録又は再生する場合に、フォーカス制御を行う光ディスク媒体の情報面に適した球面収差補正が行われるので、安定してフォーカス制御を行うことができる。
ところで、近年、光ディスク媒体の片面に2つの情報面を有した光ディスク媒体(2層光ディスク媒体)として、8.5GBの容量をもつ2層DVD−Rのような追記型光ディスク媒体や、青色レーザ光源を用いて記録再生を行う50GBの容量をもつ2層Blu−rayディスク媒体のような書き換え可能な光ディスク媒体等が商品化されている。このような2層光ディスク媒体は、単層光ディスク媒体に比べて2倍近く記憶容量を増大することができる。このような2層以上の情報面をもつ多層光ディスク媒体のディスクフォーマットに関して、例えば特許文献2に示したフォーマットがある。
特許文献2に示されたフォーマットによると、情報面がレーザ入射側から1層である単層光ディスク媒体と、2層以上の複数層光ディスク媒体とにおいて、第1層となる情報面L0はディスク厚み方向において、レーザ光が入射されるカバー層表面からの距離を同一とする。また複数層光ディスク媒体においては、第2の情報面L1以降の情報面は、第1の情報面L0よりもカバー層表面に近づく位置に形成される。このため、単層光ディスク媒体と、2層、3層、或いは更に多数層の複数層光ディスク媒体のそれぞれにおいて、第1層としての記録層(例えば相変化記録膜の記録層)はポリカーボネート基板上に同様に形成することができ、製造工程の共通化が図られると共に、1層光ディスク媒体、複数層光ディスク媒体とも同様の記録再生特性を得ることができる。
また、複数層光ディスク媒体においては、第2層以降の記録層は、第1層よりもカバー層表面に近づく位置に形成されているため、第2層以降の記録層は、それぞれ各記録層からカバー層表面までの距離が短くなる。つまり、各層からみてカバー層の厚さが薄くなる。これにより光ディスク媒体と光ビームのチルト(傾き)許容角度が拡大する。即ち、第2層以降の記録層のチルトマージンを、第1層の記録膜に比較して緩めることができるため、記録再生特性の向上、ディスク生産性の向上、及びコストダウンを促進できる。
また、前述の2層光ディスク媒体にフォーカス制御する方法に関して、例えば特許文献3に示した方法がある。特許文献3によると多層光ディスク媒体のようにそれぞれの情報面からの全反射光量のレベルが低くなる場合であっても、情報面に対するフォーカス引き込みを確実にするための方法が開示されている。
さらに、特許文献4には、BDフォーマットに対応する記録面と、DVDフォーマットに対応する記録面とを有する光記録媒体が開示されている。特許文献4における光記録媒体は、異なるフォーマットに対応した光記録再生装置に対して装着可能な互換性を有している。
特開2002−373441号公報
特開2003−346379号公報
国際公開第02/067250号パンフレット
特開2006−236509号公報
上記の特許文献1に記載の従来の球面収差補正方法は、ディスク判別手段を用いて光ディスク媒体の種類を判別し、フォーカス制御の対象である記録面の厚みに対応した球面収差補正量を収差補正量切替手段で予め補正する方法である。しかしながら、記録面が2層までの光ディスク媒体を想定した光ディスク装置では、当初設定範囲外の光ディスク媒体、例えばレーザ入射面から片側4層の情報記録面を持った光ディスク媒体などが挿入された場合、エラー処理を実施して光ディスク媒体を排出するなどして、挿入された光ディスク媒体に対するアクセス制御を中止し、光ディスク媒体に対して記録または再生動作ができない。あるいは、動作したとしても、最適な条件で光ディスク媒体を起動することができないという課題があった。
また、特許文献2に記載の従来の多層光ディスク媒体は、情報面がレーザ入射側からディスク厚み方向において、カバー層表面に近づく位置に形成されている。この場合、多層光ディスク媒体を設計、開発すると同時に、その多層光ディスク媒体を記録/再生することができる光ディスク装置が設計、開発されれば問題ない。しかしながら、多層光ディスク媒体の全ての種類のフォーマットがあらかじめ決まる前に発売されているレガシードライブにおいて、旧来のフォーマットの光ディスク媒体に記録あるいは再生する場合には制限がある。例えば、既に発売済の2層光ディスク媒体に対応の光ディスク装置において、4層光ディスク媒体のように情報面が片側2層を超えるような光ディスク媒体が挿入された場合、正しく4層光ディスク媒体と判別することは不可能である。
また、複数の情報面のうち第1の情報面L0の厚みと第2の情報面L1の厚みとが、従来の発売済の2層光ディスク媒体と同一の厚みであったとしても、ディスク判別時に2層光ディスク媒体でないと判断された場合には、4層光ディスク媒体に記録あるいは再生を行うことができない。例えば、情報面が4層であるディスクのフォーマットが開示される前に発売された、情報面が2層であるディスクを光ディスク装置に挿入した場合、光ディスク装置の起動時に行われる起動手順によっては、4層光ディスク媒体を排出してしまい、新フォーマットの4層光ディスク媒体に対して記録あるいは再生することはできない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保することができ、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生することができる多層情報記録媒体、情報記録再生装置及び多層情報記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る多層情報記録媒体は、積層された複数の情報面を有し、光によって情報を記録又は再生する多層情報記録媒体であって、前記複数の情報面は、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含む。
本発明の他の局面に係る情報記録再生装置は、積層された複数の情報面を有する多層記録媒体から情報を記録又は再生する情報記録再生装置であって、前記複数の情報面は、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含み、前記多層情報記録媒体が有する信号トラックに対して、信号の記録または再生を行うためのレーザ光を照射するレーザ光照射部と、前記レーザ光の球面収差を補正する球面収差補正部と、前記レーザ光を照射する情報面に応じて、前記レーザ光の焦点位置を制御する制御部と、前記多層情報記録媒体の前記第1の反射面にレーザ光を照射し、情報面の数を判別する媒体判別部とを備える。
本発明の他の局面に係る多層情報記録媒体の製造方法は、積層された複数の情報面を有する多層情報記録媒体の製造方法であって、片面に情報面が形成された基板上に、反射層を形成する第1の工程と、前記反射層の上に、情報面を有する透光性の中間層を形成する第2の工程と、前記中間層の前記情報面側に反射層を形成する第3の工程と、前記第2の工程と前記第3の工程とを複数回繰り返して複数の情報面を形成した後、透光性の保護層を形成する第4の工程と、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を少なくとも1つの情報面に形成するとともに、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を他の情報面に形成する第5の工程とを含む。
本発明によれば、既に発売されている情報記録媒体の情報面と一致する少なくとも1つの情報面へのフォーカス引き込みを確実に実行することができるので、既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保することができ、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る多層情報記録媒体について図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態では多層情報記録媒体として追記型の相変化光ディスク媒体を例に説明するが、これは多層情報記録媒体を特に限定するものではなく、多層情報記録媒体にエネルギーを注入して未記録部とは物理的性質の異なるマークを形成することによって情報を記録する多層情報記録媒体(BD−REなどの書き換え型記録媒体やBD−Rなどの追記型記録媒体)あるいは、凹凸のピット等の物理形状の違いによって情報を記録する再生専用の光ディスク媒体に共通の技術である。
主な光学条件は、波長405nmのレーザと、NA=0.85の対物レンズとを用いる。ディスク構造は、トラックピッチが0.32μmであり、レーザ入射面から情報面までの厚みが25μm〜130μmである。光ディスク媒体上には0.138μmから0.160μmの最短マーク長(2T)をもつ信号がマークあるいはピットとして記録され、1層当たりの記録容量が23.3GBから27GBの多層光ディスク媒体を例として説明する。また、書き込み時の速度としては、66MHz(Tw=15.15ns)のチャネルレートを1倍速とするBD(Blu−rayディスク)において、チャネルレートが132MHz(Tw=7.58ns)であるBD2倍速の場合を例に説明する。この場合、記録線速度は9.83m/sである。
まず、本実施の形態における多層情報記録媒体である多層光ディスク媒体について説明する。図1は、本実施の形態における光学的情報記録媒体の構成について説明するための図である。図1では、多層光ディスク媒体の平面上の領域構成を示している。光ディスク媒体内の平面領域としては、内周側から、リードイン領域1006と、データ領域1001と、リードアウト領域1005とが配置されている。リードイン領域1006は、BCA(Burst Cutting Area)1002、初期記録領域(Pre−recorded area)1003、及び学習領域及びDMA領域1004を含む。
次に、参考例として従来の2層光ディスク媒体の各層のトラックレイアウトについて説明する。図2は、従来の2層光ディスク媒体の各層のトラックレイアウトを説明するための図である。
図2においてリードイン領域は、第1の情報面L0の半径およそ24mmより内側に位置している。半径21〜22.2mmの位置に媒体固有のユニークIDを情報面を焼ききる形式等で予め記録したBCA(Burst Cutting Area)がある。BCAは、記録マークを同心円状に並べるように形成することで、バーコード状の記録データが形成される。
半径22.2〜23.1mmが初期記録領域(Pre−recorded area)とされる。初期記録領域は、あらかじめ、記録パワーや記録パルス条件の推奨値、記録線速度の条件等のディスク情報や、コピープロテクションに用いる情報等を、HFMグルーブとよばれるスパイラル状に形成されたグルーブ(案内溝)をウォブリング(蛇行)させることによって記録している(プリレコーデッド情報)。これらのプリレコーデッド情報は書換不能な再生専用の情報であり、ディスク出荷時に予め記録されている。つまりBCAと初期記録領域とが再生専用領域となる。
リードイン領域において半径23.1〜24mmには、試し記録を行う学習領域及びディフェクトマネジメントエリア(DMA)が設けられている。学習領域は、光ディスク装置に光ディスク媒体が挿入された起動時や、動作中に温度変動が大きく生じた際に、記録パワーや記録パルス条件の変動分をキャリブレーションするために、試し記録が行われる。ディフェクトマネジメントエリア(DMA)は、光ディスク媒体上のディフェクト情報を管理するための領域である。
半径24.0〜58.0mmには、データ領域が設けられている。データ領域は、実際にユーザが希望するデータが書き込まれる領域である。データ領域には、PCユース等において、ディフェクト等により記録再生できない部分が存在した場合、記録再生できない部分(セクタ、クラスタ)を交替する交替エリアとして、ユーザデータを記録再生するデータエリアの前後にISA(Inner Spare Area)、OSA(Outer Spare Area)を設定する。ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録では、交替エリアを設定しない場合もある。
半径58.0〜58.5mmには、リードアウト領域が設けられている。リードアウト領域は、リードイン領域と同様のディフェクトマネジメントエリアが設けられたり、また、シークの際、オーバーランしてもよいようにバッファエリアとして使われる。なお記録再生の終了領域としての意味でのリードアウトは、複数層光ディスク媒体の場合は内周側となることもある。半径23.1mm、つまり学習領域から、外周のアウターゾーンあるいはリードアウト領域までが、相変化マークが記録再生されるデータ領域(記録可能領域)とされる。
従来の2層光ディスク媒体において、第1の情報面L0以外の情報面にはBCAに相当するエリアは設けられているが、ユニークIDの記録は行わない。第1の情報面L0のBCAには、高出力のレーザで記録層を焼ききる記録方式により、半径方向にバーコード状の信号が記録される。この際、第1の情報面L0のBCAと厚み方向に同じ位置にある、第2の情報面L1にユニークID等のBCA情報を新たに記録しても、信頼性のある記録ができない可能性があるからである。また、逆にいえば、第2の情報面L1にはBCA記録を行わないことにより、第1の情報面L0のBCAの信頼性を高めるものとなる。
また、初期記録領域については、少なくとも第1の情報面L0に初期値情報を記録してある。また、第1の情報面L0の内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第1の情報面L0のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。第2の情報面L1では、内周側がリードアウト領域となり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第2の情報面L1のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。このような記録再生の進行が行われることで、外周から内周へのフルシークを必要とせず、第1の情報面L0は内周側から外周側に向かって、第2の情報面L1は外周側から内周側に向かって順次記録再生することができ、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
図3は、本実施の形態においてレーザ入射側から4つの情報面を有する4層光ディスク媒体のスタック構成を示す概略図である。4層光ディスク媒体は、基板905、第1の情報面L0、第2の情報面L1、第3の情報面L2、第4の情報面L3及びカバー層909を備える。レーザ光は、カバー層909側から入射する。基板905の厚みは概略1.1mmであり、カバー層909の厚みは少なくとも25μm以上である。各情報面は、透明なスペース層906〜908で隔てられている。本実施の形態においては、具体例として、カバー層909の厚みは60μmであり、第4の情報面L3と第3の情報面L2との間の厚みは10μmであり、第3の情報面L2と第2の情報面L1との間の厚みは17μmであり、第2の情報面L1と第1の情報面L0との間の厚みは13μmであるが、スペース層で隔てられた各情報面の間隔は、4層光ディスク媒体の場合6μm〜30μmの間であればよい。スペース層で隔てられた情報面の間隔は、各情報面からの回折光の干渉(層間干渉)が少なくなるよう最適化されており、上述のスペース間距離に限定されるわけではない。
次に、4つの情報面を有する4層光ディスク媒体の各層のトラックレイアウトについて説明する。図4は、本実施の形態における4層光ディスク媒体の各層のトラックレイアウトを説明するための図である。
図4において、4層光ディスク媒体の第1の情報面L0は、情報面が1つの単層光ディスク媒体の情報面あるいは、図2で示した情報面が2つの2層光ディスク媒体の第1の情報面L0と同様のトラックレイアウトである。同様に4層光ディスク媒体の第2の情報面L1は、図2で示した情報面が2つの2層光ディスク媒体の第2の情報面L1と同様のトラックレイアウトである。ただし、第2の情報面L1における内周側となったリードアウトゾーンは、3層以上の情報面をもった多層光ディスク媒体では記録再生終端ではないためインナーゾーンとなる。
第3の情報面L2と第4の情報面L3の内周部は、第1及び第2の情報面L0,L1の内周部のトラックレイアウトと異なっている。通常、各情報面における初期記録領域は、同一の半径位置に並ぶよう配置されるが、本実施の形態の多層光ディスク媒体においては、第3の情報面L2の初期記録領域は図4で示すとおり第1の情報面L0のBCAや初期記録領域の半径位置と大きく重ならないように配置されている。これにより、第1の情報面L0のBCA及び初期記録領域を再生する際、第4の情報面L3及び第3の情報面L2を通過する光ビームが散乱や回折を受けて、再生信号品質の低下を少なくする構成がなされている。
第3の情報面L2では、初期記録領域に対応するトラックの蛇行で形成されたHFMグルーブは半径23.1mmの位置から開始され、ユーザデータ領域が開始される24.0mmの位置までの間に形成されている。初期記録領域の外側には、学習領域とDMA領域とが配置されている。同様に第4の情報面L3では、半径23.1mmの位置から外側に学習領域とDMA領域とが配置されている。4層光ディスク媒体において、第1の情報面L0以外の情報面にはBCAに対する記録は行わない。
また、初期記録領域は、第1の情報面L0と、第3の情報面L2及び第4の情報面L3の内の少なくとも1つとに設けられ、記録媒体全体で合計少なくとも2面にディスク管理情報が記録されている。第1の情報面L0の初期記録領域には、第1の情報面L0及び第2の情報面L1の記録パワー、記録パルス条件、ディスクバージョン及びレイヤー番号などの情報が記録されており、さらに従来リザーブ領域として使われていなかった管理領域内の所定の領域に、第3の情報面L2及び第4の情報面L3のディスク管理情報を記録している。こうすることで、ディスク管理情報を従来の光ディスク装置で読み出すことができるだけでなく、新しい多層光ディスク媒体用の光ディスク装置においては、第1の情報面L0から第4の情報面L3までの全ての情報面のディスク管理情報を一括して読み出すことができ、起動時間を短縮できる。
また、第3の情報面L2には、少なくとも第3の情報面L2及び第4の情報面L3に関する記録パワー及び記録パルス条件等の情報が記録されている。第3の情報面L2には、従来の2層光ディスク媒体で記録されている第1の情報面L0及び第2の情報面L1に関する記録パワー及び記録パルス条件等の情報を省略することにより、第3の情報面L2の記録スペースを節約することができる。
また、第3の情報面L2のインナーゾーンの追記可能な記録エリアには、第3の情報面L2及び第4の情報面L3のユーザデータ領域への記録の可否を示すフラグ情報が記録される。フラグ情報が第3の情報面L2及び第4の情報面L3への記録不可状態になっている場合は、第3の情報面L2及び第4の情報面L3にデータを記録することはできず、第1の情報面L0及び第2の情報面L1のみにデータを記録することとなる。フラグ情報は、従来の2層光ディスク媒体対応ドライブでは読み出すことができないが、4層対応の光ディスク装置においては、読み出し、書き込みあるいは書き換えをすることが可能である。4層対応光ディスク装置は、本フラグ情報を用いることにより、2層対応光ディスク装置で読み出し可能な状態になるよう4層光ディスク媒体にデータを記録することができる。即ち、4層対応光ディスク装置は、4層光ディスク媒体において、2層光ディスク媒体と同じ領域にのみ同一フォーマットでデータを記録することで、既に発売済で広く市場に存在する2層対応光ディスク装置を使ってデータの読み出しが可能となる。
また、4層対応光ディスク装置は、第3の情報面L2及び第4の情報面L3へデータの記録を禁止する状態にフラグ情報を設定し、2層光ディスク媒体と同じ領域にデータを記録した後、第3の情報面L2及び第4の情報面L3へデータの記録を許可する状態にフラグ情報を設定し、4層光ディスク媒体全体へデータを記録することもできる。こうすることで、ユーザは、2層対応光ディスク装置と4層対応光ディスク装置との間で1枚の光ディスク媒体を共有することができ、データを自由にやり取りすることが可能となる。
また、第3の情報面L2及び第4の情報面L3の半径23.1mmより内周側は、スパイラル状の溝を持ったトラックを形成する他に、溝を形成せずに鏡面を形成してもよい。このように、第3の情報面L2及び第4の情報面L3の初期記録領域及びBCAに相当する領域を鏡面状にすることで、溝による回折光を低減し、第1の情報面L0及び第2の情報面L1へのフォーカス引き込みを容易にすることが可能となる。
また、図4において、領域201と領域202とはそれぞれ第3の情報面L2及び第4の情報面L3の内周部における低反射率領域(LRA;Low Reflectivity Area)となっており、これらの領域でのレーザ光の反射や散乱をできるだけ少なくし、第1の情報面L0及び第2の情報面L1にレーザ光を効率よく集光するための構造になっている。低反射率領域の反射率は概略0にするか、あるいは、低反射率領域とそれ以外の領域とで反射率に差をつけた条件として設計する。例えば、レーザ出射光に対する戻り光量の比である戻り光量比をRとしたとき、低反射率領域での戻り光量比Rdの範囲は0≦Rd<3.5%となるように設計し、それ以外の領域での戻り光量比Rbの範囲は3.5%≦Rb≦8%となるように設計する。あるいは、低反射率領域での戻り光量比Rdと、低反射率領域以外の領域での戻り光量比Rbとの関係が2×Rd<Rbとなるように設計してもよい。
ディスク表面(厚み0μm)からの反射率は理論的に約4%であり、この表面反射率を下回る反射高レベルに戻り光量比Rdを設定する。レーザ光が光ディスク表面へ入射する際には、カバー層を透過して情報面に集光される。このカバー層樹脂の屈折率nは、およそ1.5±0.1である。一般に、光が空気中から媒質へ垂直入射した場合の表面からの反射率は、媒質の屈折率をnとすると、R=(1−n)2/(1+n)2で表される。これにより、カバー層樹脂表面からの反射率Rは3%〜5%と計算される。ただし、本実施の形態における多層光ディスク媒体のように、100μmの入射厚みを有する情報面に光学系が収差補正されている場合、ディスク表面ではカバー層厚み分の球面収差が生じるため、表面からの戻り光量が約70%に減衰する。表面反射率に球面収差の減衰量を掛け合わせた値が実際の表面からの戻り光量となり、表面反射率は、2%〜3.5%程度となる。
カバー層樹脂の屈折率の値が予め決まっていることから、光ディスク装置には、表面反射率は約3%の値であることが予め記憶されている。表面反射によるRF信号の振幅値よりも、低反射率領域からの戻り光量が小さい場合、ディスク表面からの反射光であると誤検出する可能性が低くなる。そこで、低反射率領域の反射率は、この表面からの戻り光(表面反射)よりも小さくすることが望まれる。
表面からのS字波形の検出を確実にするためには、表面S字波形の半分をスライスレベルにして検出するのが一番確実な方法である。したがって、低反射率領域での戻り光量比Rdは、表面反射率の1/2以下にするのが最も効果が高くなる。このように、情報記録再生装置に記憶されている値より小さい反射光量となるように、低反射率領域での戻り光量比Rdを設計することで、2層対応情報記録再生装置で多層情報記録媒体を利用することができる。
また、第3の情報面L2及び第4の情報面L3からの反射光や散乱光を低減することによって、ディスク起動時に第1の情報面L0あるいは第2の情報面L1へのフォーカス引き込みを容易にすることが可能である。ディスク挿入時又は光ディスク装置の起動時のシーケンスとしては、第1の情報面L0の内周部にあるBCAが再生される。レーザ光のフォーカス引き込みの実行処理は、BCAがある内周部で行われるのが一般的である。第1の情報面L0のBCAを含む半径位置である第3の情報面L2の領域201及び第4の情報面L3の領域202は、第1の情報面L0及び第2の情報面L1の同一半径位置における領域に比べて反射率が低く設定されており、第3の情報面L2及び第4の情報面L3からの反射光を少なくする。これにより、第1の情報面L0のBCAへのフォーカス引き込みを確実に実行することができる。
なお、本実施の形態において、第1及び第2の情報面におけるBCA及び初期記録領域が第1の反射面に相当し、第3及び第4の情報面における低反射率領域が第2の反射面に相当する。
前述の第3の情報面L2及び第4の情報面L3の内周部の低反射率領域(LRA)の形成方法としては、ディスク出荷前のディスク製造工程において、情報面の成膜後、レーザ初期化装置によって、第3の情報面L2及び第4の情報面L3のそれぞれの記録層に対して記録パワーのレーザ光を照射してあらかじめ強制的にマークを形成するプリ記録を行うことによって、低反射状態を実現する方法がある。また、レーザ初期化装置だけでなく、BCAライターの照射パワーを下げるなどして、マークが形成される記録パワーでプリ記録を行う方法でもよい。これらの方法を用いた場合、光ディスク媒体を通常の成膜プロセスで製作することができ、ディスク製造工程に特殊な設備を付加することが必要なく、容易に多層光ディスク媒体を量産することができる。
また、別の方法として、BCAライターなどが備える高出力レーザの集光ビームを使って所望の情報面の反射層を焼ききるなどして、低反射率領域を形成する方法もある。または、例えばスパッタ装置を使って反射層を成膜する際、内周部の低反射率領域にマスクをすることで、内周部に反射層を成膜しない方法もある。この場合、マスクの径を変更することで容易に低反射率領域を形成することができるため、ディスク製造後、レーザ光によりプリ記録する工程や、反射層を焼ききって低反射率領域を形成する工程が不要となり、従来のディスク製造工程をそのまま利用することができる。
なお、本実施の形態では、複数の情報面のうち、従来の光ディスク媒体、例えば2層構造の光ディスク媒体と互換性のある情報面の内周部(BCA及び初期記録領域)の反射率を、他の情報面の内周部の反射率よりも高くしているが、本発明は特にこれに限定されず、従来の光ディスク媒体と互換性のある情報面以外の情報面のデータ領域の反射率を、互換性のある情報面の反射率より下げてもよい。例えば、第3の情報面L2及び第4の情報面L3のデータ領域の反射率を、第1の情報面L0及び第2の情報面L2のデータ領域の反射率よりも低く設定する。この場合、第3の情報面L2及び第4の情報面L3の内周部及びデータ領域等の全ての領域の反射率を、第1の情報面L0及び第2の情報面L2の全ての領域の反射率よりも低く設定してもよい。なお、この場合、第1及び第2の情報面におけるBCA、初期記録領域及びデータ領域が第1の反射面に相当し、第3及び第4の情報面における低反射率領域及びデータ領域が第2の反射面に相当する。
次に多層光ディスク媒体の情報面へのフォーカス引き込み時の動作について説明する。フォーカスエラー信号に非点収差法を用いる場合、フォーカスエラー信号のS字特性を使ってフォーカス引き込みを実行する。図5は、低反射率領域が形成されていない4層光ディスク媒体を用いた場合の各情報面のディスク表面からの厚みとフォーカスエラー信号との関係を示す図である。図5の直線41は、紙面の左から右にいくにつれて、レーザ光の集光点がディスク表面から奥側にある情報面に向かって徐々に移動していることを表している。このとき、フォーカスエラー信号には光ディスク媒体の反射面(情報面)に応じて図5に示すようなS字波形42が現れる。
球面収差補正部によってディスク入射面の厚みが第1の情報面L0に最適化されている場合、ディスク表面のS字波形、第4情報面L3のS字波形、第3情報面L2のS字波形、第2情報面L1のS字波形、及び第1情報面L0のS字波形の順に徐々にS字波形の振幅が大きくなる。これらの5つのS字波形42がフォーカスエラー信号として現れることとなる。このような4層光ディスク媒体を、例えば既に発売されている2層対応の光ディスク装置でフォーカス引き込みを実施しようとすると、想定されているよりも多くのS字信号を検出してしまうこととなり、正確に所望の情報面へのフォーカス引き込みを実行することが困難となる。そこで、本実施の形態では、上述の通り、第3の情報面L2及び第4の情報面L3のフォーカスエラー信号を検出する位置に低反射率領域を設けている。
図6は、本実施の形態における4層光ディスク媒体を用いた場合の各情報面のディスク表面からの厚みとフォーカスエラー信号との関係を示す図である。図6の直線51は、ディスク表面からのレーザビームスポットの焦点位置の変化を表し、図6のS字波形52は、フォーカスエラー信号を表す。直線51は、紙面の左から右にいくにつれて、レーザ光の集光点がディスク表面から奥側にある情報面に向かって徐々に移動していることを表している。このとき、フォーカスエラー信号には光ディスク媒体の反射面(情報面)に応じて図6に示すようなS字波形52が現れる。
球面収差補正部によってディスク厚みが第1の情報面L0に最適化されている場合、図6に示す3つのS字波形52が現れる。レーザ入射方向から順に、ディスク表面のS字波形、第2の情報面L1のS字波形、及び第1情報面L0のS字波形が現れる。低反射率領域が形成された4層光ディスク媒体では、これらの3つのS字波形がフォーカスエラー信号として現れる。これは、情報面が2つの2層光ディスク媒体のS字波形とほぼ同様のS字波形となる。よって、既に発売されている2層対応の光ディスク装置を使った場合、あたかも2層光ディスク媒体であるかのごとくフォーカス処理を実行することができ、容易に第1の情報面L0へのフォーカス引き込みが可能となりBCAを再生することが可能となる。
また、本実施の形態では、多層光ディスク媒体として、4層の情報面をもつ4層光ディスク媒体を例に説明したが、低反射率領域を備えた5層以上の多層光ディスク媒体に応用できることはいうまでもない。
また、本実施の形態では、2層光ディスク媒体のトラックレイアウトを含む4層光ディスク媒体のトラックレイアウトを例に説明したが、単層光ディスク媒体のトラックレイアウトを含む3層光ディスク媒体としてもよい。この場合、3層光ディスク媒体の第1の情報面L0のトラックレイアウトは単層光ディスク媒体のトラックレイアウトと同一であり、3層光ディスク媒体の第2、第3の情報面L1、L2は内周部に低反射率領域を含むトラックレイアウトとなる。
さらに、多層情報記録媒体は、2層光ディスク媒体のトラックレイアウトを含む3層光ディスク媒体としてもよい。この場合、3層光ディスク媒体の第1及び第2の情報面L0,L1のトラックレイアウトは2層光ディスク媒体の第1及び第2の情報面L0,L1のトラックレイアウトと同一であり、3層光ディスク媒体の第3の情報面L2は内周部に低反射率領域を含むトラックレイアウトとなる。
さらにまた、多層情報記録媒体は、単層光ディスク媒体のトラックレイアウトを含む2層光ディスク媒体としてもよい。この場合、2層光ディスク媒体の第1の情報面L0のトラックレイアウトは単層光ディスク媒体の第1の情報面L0のトラックレイアウトと同一であり、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1は内周部に低反射率領域を含むトラックレイアウトとなる。このとき、内周部の反射率は、データを記録するデータ領域の反射率よりも低い。
次に、本実施の形態の4層光ディスク媒体への情報記録再生システムについて説明する。図7は、本実施の形態における多層光ディスク媒体を記録再生する情報記録再生装置(光ディスク装置)の全体構成の一例を示す図である。
図7において、光ディスク装置は、球面収差補正部108、光ピックアップ111、ディスク判別部112、センサ113、FE(フォーカスエラー)信号演算部114、RF信号演算部115、記憶部116及び制御部117を備える。光ピックアップ111は、回折素子102、コリメートレンズ103,104、対物レンズ105、レーザ光源106、アクチュエータ107及び光検出器109,110を備える。
ここで、図7に示す光ディスク装置の動作について説明する。まず、レーザ光源106は、光ビームを出射する。レーザ光源106から出射された光ビームは、回折素子102を透過し、コリメートレンズ103,104によって平行光に変換され、対物レンズ105に入射する。対物レンズ105は、多層光ディスク媒体101の情報記録面上に光ビームを収束させる。多層光ディスク媒体101で反射された光ビームは、もとの光路を逆にたどってコリメートレンズ103,104によって集光され、回折素子102によって分岐され、光検出器109,110へ入射する。フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を含むサーボ信号と情報信号(RF信号)とは、光検出器109,110の出力信号より生成される。
ここで、対物レンズ105のNAは0.8以上の大きなものである。アクチュエータ107は、対物レンズ105の光軸方向の位置制御であるフォーカス制御と、光軸に垂直な方向の位置制御であるトラッキング制御とを制御部117からの信号に基づいて行う。アクチュエータ107は、コイルや磁石などの駆動手段により構成される。また、FE信号演算部114は、光検出器109,110からの信号に基づいてFE信号を生成し、RF信号演算部115は、光検出器109,110からの信号に基づいてRF信号を生成する。
センサ113は、ディスクカートリッジのホールを検出し、検出信号を出力する。ディスク判別部112は、記憶部116に格納されているFE振幅FE0及びRF振幅RF0と、FE信号演算部114及びRF信号演算部115によって生成されたFE振幅FE1及びRF振幅RF1と、センサ113からの検出信号とのうちのいずれかあるいは複数の信号を組み合わせて得たディスク判別情報を用いて多層光ディスク媒体101の種類を判別する。球面収差補正部108は、ディスク判別部112によって判別した光ディスク媒体の種別に応じてコリメートレンズ104を駆動し、各情報面の表面からの厚みに応じた最適な球面収差補正を行う。
なお、制御部117は、情報面単位でユーザデータ領域へのデータ記録を禁止する書き込み禁止フラグを設定する。また、制御部117は、書き込み禁止フラグが設定された情報面へのデータ記録を禁止する。本実施の形態において、レーザ光源106がレーザ光照射部の一例に相当し、球面収差補正部108が球面収差補正部の一例に相当し、制御部117が制御部、フラグ設定部及び記録禁止部の一例に相当し、ディスク判別部112が媒体判別部の一例に相当する。
本実施の形態における多層光ディスク媒体101が装填された際の、2層対応光ディスク装置における処理手順について説明する。図8及び図9は、2層対応光ディスク装置における処理手順について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、制御部117は、多層光ディスク媒体101が光ディスク装置に挿入されたか否かを判断する。ここで、光ディスク媒体が挿入されていないと判断された場合(ステップS1でNO)、光ディスク媒体が挿入されるまで所定の時間間隔でステップS1の判断処理が実行される。
一方、2層対応光ディスク装置に多層光ディスク媒体101が装填され、光ディスク媒体が挿入されたと判断された場合(ステップS1でYES)、ステップS2において、制御部117は、多層光ディスク媒体101の第1の情報面L0に合わせて球面収差を補正するように、球面収差補正部108に指示する。球面収差補正部108は、コリメートレンズ104を駆動することにより、第1の情報面L0に合わせて球面収差を補正する。図7のような光学系においてコリメートレンズ104はレーザ光の径を可変する機能を持つ。即ち、コリメートレンズ104が光軸方向に移動することで、多層光ディスク媒体101に照射されるレーザ光の径が調整される。つまり、光ディスク装置は、液晶等の収差補正素子の替わりに、コリメートレンズ104を光軸方向に移動させる球面収差補正部108を備えることで、第1の情報面L0に最適な球面収差補正を行うことが可能である。
また、このような球面収差補正方法の他に、コリメートレンズ103,104に代えて液晶パネル等を備えることで球面収差を補正する方法も可能であるが、本方式の球面収差補正方法では、液晶パネル等を不要とし、光ディスク装置の部品点数削減、コスト及び調整工程の節減、及び小型化の面で優れている。
次に、ステップS3において、制御部117は、レーザ光源106を制御し、レーザを単層光ディスク媒体の設定パワーで照射する。一般的に単層光ディスク媒体からの戻り光量は、第2の情報面L1の透過率を50%とすると2層光ディスク媒体の戻り光量に比べて4倍程度多く、制御部117はレーザパワーを2層光ディスク媒体に比べて低く設定する。また高い照射パワーで記録されたマークを誤消去してしまわないように、制御部117は、読み取り時に照射するレーザパワーを2層光ディスク媒体に比べて1/2程度低く設定する。
次に、ステップS4において、ディスク判別部112は、光ディスク媒体の種別を判別し、単層光ディスク媒体であるか否かを判別する。ここで、ディスク判別部112による光ディスク媒体の種別を判別する方法について説明する。
第1のディスク種別判別方法は、光ディスク媒体が入っているカートリッジを使って判別する方法である。まず、図7のセンサ113は、赤外線あるいはその他の波長の光をカートリッジ方向に照射する。ディスク判別部112は、光ディスク媒体による反射光からの情報に基づいて、挿入された光ディスク媒体がカートリッジに入っているかの有無を判別する。光ディスク媒体がカートリッジに入っている場合、ディスク判別部112は、カートリッジに設けられたセンサホールを用いて光ディスク媒体の種別を判別する。なお、ディスク判別部112は、2層光ディスク媒体であるか、単層光ディスク媒体であるか、ROM光ディスク媒体であるか、書き換え可能光ディスク媒体であるか、追記型光ディスク媒体であるかを判別する。
第2のディスク種別判別方法は、光ディスク媒体がカートリッジに入っていない場合に、光ディスク媒体からの戻り光から判別する方法である。ディスク判別部112は、図7のRF信号演算部115によって生成されるRF信号の信号レベルと、FE信号演算部114によって生成されるFE信号の振幅レベルとに基づいて、単層光ディスク媒体であるか、2層光ディスク媒体であるかを判別する。単層光ディスク媒体と2層光ディスク媒体とは、光ディスク媒体からの戻り光量の差で区別される。ディスク判別部112は、記憶部116に予め記憶されているRF信号の基準信号レベル及びFE信号の基準振幅レベルと、実際の光ディスク媒体からの戻り光から生成されるRF信号の信号レベル及びFE信号の振幅レベルとを比較し判別する。なお、当初設定されている範囲のいずれのグループにも属さない光ディスク媒体、例えば反射光量が0あるいは、制限を越えるものは、異常ディスクとしてエラー処理が行われる。
また、第3のディスク種別判別方法は、フォーカスエラー信号のS字波形の数を用いて判別する方法である。フォーカスサーボがOFFになった状態で、レーザの焦点位置をディスク表面から徐々に光ディスク媒体の厚み方向に移動させることによって、フォーカスエラー信号に図5あるいは図6のようなS字波形が現れる。ディスク判別部112は、このS字波形の閾値振幅が規定値より超える個数をカウントすることによって、単層光ディスク媒体であるか、2層光ディスク媒体であるかを判別する。
このように、本実施の形態では、光ディスク媒体からの戻り光量、FE信号のS字波形、又はRF信号の信号レベルを用いて光ディスク媒体の種別を判別している。これらのディスク種別判別方法によるとフォーカス引き込み実施前に光ディスク媒体の種別を判別することが可能なため、光ディスク媒体に既に書き込まれている記録マークを誤消去することや、記録パワーを照射して誤記録することなく、光ディスク媒体の種別を判別することができる。また、光ディスク媒体にあらかじめ記録されているBCAや管理情報の読み出し前に光ディスク媒体の種別を判別することができるため、ディスク判別にかかる時間を短縮し、起動時間を早めることができる。
次に、ディスク判別部112によって、単層光ディスク媒体であると判別された際の動作について説明する。単層光ディスク媒体であると判別された場合(ステップS4でYES)、ステップS5の処理へ移行する。
第1の情報面L0に対応する球面収差補正を実行させたら、ステップS5において、制御部117は、アクチュエータ107を駆動して対物レンズ105を移動させ、レーザ光のフォーカス状態を第1の情報面L0に合焦させる。次に、ステップS6において、制御部117は、光ディスク媒体の内周部のBCA1002に光ピックアップ111をアクセスさせ、BCA1002に記録されているユニークIDの読み出しを実行させる。
続いて、ステップS7において、制御部117は、初期記録領域1003に光ピックアップ111をアクセスさせ、初期記録領域1003内の管理情報の読み出しを実行させる。次に、ステップS8において、制御部117は、初期記録領域の管理情報の再生ができたか否かを判別する。ここで、管理情報の再生ができたと判別された場合(ステップS8でYES)、ステップS9において、制御部117は、光ディスク媒体の種別に応じて順次各情報面における学習領域1004(テストライトエリア)を用いて試し記録(テストライト)を行い、レーザパワーのキャリブレーションや、記録パルス条件のキャリブレーションを行う。即ち、単層光ディスク媒体であった場合、制御部117は、第1の情報面L0の学習領域1004でテストライトを行う。
テストライトを終えた後、ステップS10において、制御部117は、記録又は再生動作を実行する。制御部117は、球面収差補正及びフォーカス制御を行いつつ、情報の記録又は再生を実行する。
次にディスク判別部112によって、2層光ディスク媒体であると判別された際の動作について説明する。単層光ディスク媒体でないと判別された場合、すなわち、2層光ディスク媒体であると判別された場合(ステップS4でNO)、図9のステップS11の処理へ移行する。
ステップS11において、制御部117は、レーザ光源106を制御し、レーザを2層光ディスク媒体の設定パワーで照射する。次に、ステップS12において、制御部117は、多層光ディスク媒体101の第1の情報面L0に合わせて球面収差を補正するように、球面収差補正部108に指示する。球面収差補正部108は、コリメートレンズ104を駆動することにより、第1の情報面L0に合わせて球面収差を補正する。
第1の情報面L0に対応する球面収差補正を実行させたら、ステップS13において、制御部117は、アクチュエータ107を駆動して対物レンズ105を移動させ、レーザ光のフォーカス状態を第1の情報面L0に合焦させる。次に、ステップS14において、制御部117は、第1の情報面L0のBCA1002に光ピックアップ111をアクセスさせ、BCA1002に記録されているユニークIDの読み出しを実行させる。
続いて、ステップS15において、制御部117は、第1の情報面L0の初期記録領域1003に光ピックアップをアクセスさせ、初期記録領域1003内の管理情報の読出しを実行させる。次に、ステップS16において、制御部117は、第1の情報面L0の初期記録領域1003から管理情報を再生することができたか否かを判別する。ここで、第1の情報面L0から管理情報の再生ができたと判別された場合(ステップS16でYES)、ステップS17において、制御部117は、順次各情報面における学習領域1004(テストライトエリア)を用いて試し記録(テストライト)を行い、レーザパワーのキャリブレーションや、記録パルス条件のキャリブレーションを行う。
即ち、制御部117は、第1の情報面L0及び第2の情報面L1のそれぞれにおいて、学習領域1004でテストライトを行い、各情報面のそれぞれについて最適なレーザパワーを設定する。ここで、各情報面でテストライトを実行する際、その都度、必要に応じてテストライトを実行しようとする情報面に対して球面収差補正及びフォーカス制御が行われる。
次に、ステップS18において、制御部117は、球面収差補正及びフォーカス制御を行いつつ、第1の情報面L0への情報の記録又は第1の情報面L0からの情報の再生を実行する。次に、ステップS19において、制御部117は、球面収差補正及びフォーカス制御を行いつつ、第2の情報面L1への情報の記録又は第2の情報面L1からの情報の再生を実行する。
ここで、実際にデータの記録又は再生を行う前には、初期記録領域から管理情報を読み出す必要がある。第1の情報面L0の初期記録領域から両方の情報面に関する管理情報が読み出せればよいが、何らかの原因で管理情報が読み出せなかった場合は、記録又は再生することができない光ディスク媒体となってしまう。
上述したように2層光ディスク媒体の場合、第2の情報面L1の初期記録領域にも、第1の情報面L0の初期記録領域と同一の管理情報が記録されている。そこで本実施の形態では、第1の情報面L0で管理情報を読み出せなかった場合は、他の情報面から管理情報を読み出すようにしてもよい。
すなわち、第1の情報面L0から管理情報の再生ができないと判別された場合(ステップS16でNO)、ステップS20において、制御部117は、多層光ディスク媒体101の第2の情報面L1に合わせて球面収差を補正するように、球面収差補正部108に指示する。球面収差補正部108は、コリメートレンズ104を駆動することにより、第2の情報面L1に合わせて球面収差を補正する。
次に、ステップS21において、制御部117は、アクチュエータ107を駆動して対物レンズ105を移動させ、レーザ光のフォーカス状態を第2の情報面L1に合焦させる。次に、ステップS22において、制御部117は、第2の情報面L1のBCA1002に光ピックアップ111をアクセスさせ、BCA1002に記録されているユニークIDの読み出しを実行させる。
次に、ステップS23において、制御部117は、第2の情報面L1の初期記録領域1003に光ピックアップをアクセスさせ、初期記録領域1003内の管理情報の読出しを実行させる。次に、ステップS24において、制御部117は、初期記録領域1003の管理情報の再生ができたか否かを判別する。ここで、第2の情報面L1から管理情報の再生ができたと判別された場合(ステップS24でYES)、ステップS17の処理へ移行する。
一方、第2の情報面L1から管理情報の再生ができないと判別された場合(ステップS24でNO)、ステップS25において、制御部117は、エラー通知を行い、処理を終了する。すなわち、第1の情報面L0及び第2の情報面L1の両方から管理情報を読み出すことができない場合、光ディスク媒体への情報の記録又は再生ができない。なお、ステップS8において、第1の情報面L0から管理情報の再生ができないと判別された場合(ステップS8でNO)、ステップS25の処理へ移行する。
次に、本実施の形態における4層光ディスク媒体及び8層光ディスク媒体のエリア構成について説明する。図10は、図4に示すトラックレイアウトに対応する4層光ディスク媒体の半径方向のエリア構成を説明するための図である。尚、BCA、初期記録領域(PR)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)、データ領域、及びリードアウト領域の配置は、図1及び図4で説明した通りである。
4層光ディスク媒体では、第1の情報面L0は、単層光ディスク媒体あるいは2層光ディスク媒体の第1の情報面L0と同様のエリア構成である。ただし、単層光ディスク媒体におけるリードアウトゾーンに相当する部分は4層光ディスク媒体では記録再生終端ではないためアウターゾーンとなる。4層光ディスク媒体の第2の情報面L1は、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1と同様のエリア構成である。但し、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1における内周側となったリードアウトゾーンは、4層光ディスク媒体では記録再生終端ではないためインナーゾーンとしてある。
第3の情報面L2は、内周部に低反射率領域(LRA)、初期記録領域(PR)、及び学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第3の情報面L2のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行われる。
第4の情報面L3は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がリードアウトゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第4の情報面L3のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。このような記録再生の進行が行われることで、上述した2層光ディスク媒体の場合と同様、外周から内周へのフルシークを必要とせず、第1の情報面L0の内周から外周、第2の情報面L1の外周から内周、第3の情報面L2の内周から外周、第4の情報面L3の外周から内周へと順次記録再生することができ、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、アドレスは第1及び第3の情報面L0,L2では内周から外周へカウントアップされ、第2及び第4の情報面L1,L3では、外周から内周へカウントアップされる。偶数番目の情報面(第2及び第4の情報面)では、奇数番目の情報面(第1及び第3の情報面)のアドレスの補数をとって用いることにより、レイヤー内アドレスは、1つの情報面のレイヤー内アドレスのビット数で表すことができる。また、第1及び第2の情報面L0,L1と、第3及び第4の情報面L2,L3の、アドレスに対する半径の位置関係も知ることができ高速アクセスが可能となる。
次に、本実施の形態における8層光ディスク媒体の半径方向のエリア構成について説明する。図11は、本実施の形態における8層光ディスク媒体の半径方向のエリア構成を説明するための図である。図11に示す8層光ディスク媒体における第1の情報面L0は、先に述べた単層光ディスク媒体、2層光ディスク媒体、4層光ディスク媒体の第1の情報面L0と同様のエリア構成である。ただし、単層光ディスク媒体におけるリードアウトゾーンに相当する部分はアウターゾーンとなる。8層光ディスク媒体の第3の情報面L2は、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1、及び図10で示す4層光ディスク媒体の第2の情報面L1と同様のディスクレイアウトである。ただし、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1における内周側となったリードアウトゾーンは、8層光ディスク媒体では記録再生終端ではないためインナーゾーンとなる。8層光ディスク媒体の第5の情報面L4は、図10で示す4層光ディスク媒体の第3の情報面L2と同様のエリア構成である。8層光ディスク媒体の第7の情報面L6は、図10で示す4層光ディスク媒体の第4の情報面L3と同様のエリア構成である。但し4層光ディスク媒体におけるリードアウトイン領域に相当する部分はインナーゾーンとなる。
8層光ディスク媒体の第2、第4、第6、第8の各情報面L1,L3,L5,L7は8層光ディスク媒体で新たに追加された情報面である。第2の情報面L1は、内周部に低反射率領域(LRA)、初期記録領域(PR)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第2の情報面L1のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。
第4の情報面L3は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第4の情報面L3のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。
第6の情報面L5は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第6の情報面L5のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。
第8の情報面L7は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がリードアウトゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第8の情報面L7のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。
第1の情報面L0の内周から外周、第3の情報面L2の外周から内周、第5の情報面L4の内周から外周、第7の情報面L6の外周から内周、第2の情報面L1の内周から外周、第4の情報面L3の外周から内周、第6の情報面L5の内周から外周、第8の情報面L7の外周から内周へと順次記録再生が行われる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、アドレスは第1、第2、第5、第6の各情報面では内周から外周へカウントアップされ、第3、第4、第7、第8の各情報面では、外周から内周へカウントアップされる。第1の情報面と第3の情報面との間、第5の情報面と第7の情報面との間、第2の情報面と第4の情報面との間、第6の情報面と第8の情報面との間では、それぞれの情報面のアドレスの補数をとって用いることにより、レイヤー内アドレスは、1つの層のレイヤー内アドレスのビット数で表すことができる。
また、それぞれの情報面のアドレスに対する半径の位置関係も知ることができ高速アクセスが可能となる。すなわち、第1から第8の複数の情報面において、MOD(n/4)=1,2となる情報面は光ディスク媒体の内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。但し、MOD(n/4)は情報面の数nを除数4で割ったときの剰余を表している。
次に、本実施の形態の8層光ディスク媒体の半径方向の別のエリア構成について説明する。図12は、本実施の形態の8層光ディスク媒体の半径方向の別のエリア構成を説明するための図である。図12に示す8層光ディスク媒体では、第1の情報面L0は、単層光ディスク媒体、2層光ディスク媒体及び4層光ディスク媒体の第1の情報面L0と同様のエリア構成である。ただし、単層光ディスク媒体におけるリードアウトゾーンに相当する部分はアウターゾーンとなる。
8層光ディスク媒体の第3の情報面L2は、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1、及び図10で示す4層光ディスク媒体の第2の情報面L1と同様のエリア構成である。ただし、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1における内周側となったリードアウトゾーンは、8層光ディスク媒体では記録再生終端ではないためインナーゾーンとなる。
8層光ディスク媒体の第5の情報面L4は、図10で示す4層光ディスク媒体の第3の情報面L2と同様のエリア構成である。8層光ディスク媒体の第7の情報面L6は、図10で示す4層光ディスク媒体の第4の情報面L3と同様のエリア構成である。但し4層光ディスク媒体におけるリードアウト領域に相当する部分はインナーゾーンとなる。
8層光ディスク媒体の第2、第4、第6、第8の情報面L1,L3,L5,L7は8層光ディスク媒体で新たに追加された情報面である。8層光ディスク媒体の第2の情報面L1は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がリードインゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第2の情報面L1のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。8層光ディスク媒体の第4の情報面L3は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第4の情報面L3のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。
8層光ディスク媒体の第6の情報面L5は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第6の情報面L5のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。8層光ディスク媒体の第8の情報面L7は、内周部に低反射率領域(LRA)、初期記録領域(PR)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第8の情報面L7のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。
第1の情報面L0の内周から外周、第3の情報面L2の外周から内周、第5の情報面L4の内周から外周、第7の情報面L6の外周から内周、第8の情報面L7の内周から外周、第6の情報面L5の外周から内周、第4の情報面L3の内周から外周、第2の情報面L1の外周から内周へと順次記録再生が行われる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、アドレスは第1、第4、第5、第8の情報面L0,L3,L4,L7では内周から外周へカウントアップされ、第2、第3、第6、第7の情報面L1,L2,L5,L6では、外周から内周へカウントアップされる。第1の情報面と第3の情報面との間、第5の情報面と第7の情報面との間、第2の情報面と第4の情報面との間、第6の情報面と第8との間では、それぞれの情報面のアドレスの補数をとって用いることにより、レイヤー内アドレスは、1つの層のレイヤー内アドレスのビット数で表すことができる。
また、各情報面のアドレスに対する半径の位置関係も知ることができ高速アクセスが可能となる。すなわち、第1から第8の複数の情報面において、MOD(n/4)=0,1となる情報面はディスク内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、MOD(n/4)=2,3となる情報面は、ディスク外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
次に、本実施の形態の別の4層光ディスク媒体の半径方向のエリア構成について説明する。図13は、図10のエリア構成とは別の4層光ディスク媒体の半径方向のエリア構成を説明するための図である。図10と異なる点は、図10の第2の情報面L1と第3の情報面L2とのエリア構成が入れ替わっている点である。図13のエリア構成にすることにより2層光ディスク媒体と同様のエリア構成である第1の情報面L0と第3の情報面L2との間に新たに情報面を挿入でき、ディスク全体での層間の厚みの合計を小さくすることができ、ディスク表面を厚くすることができる。
このようなエリア構成にすることで、外周から内周へのフルシークを必要とせず、第1の情報面L0の内周から外周、第3の情報面L2の外周から内周、第2の情報面L1の内周から外周、第4の情報面L3の外周から内周へと順次記録再生することができる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。また、アドレスは第1及び第2の情報面L0,L1では内周から外周へカウントアップされ、第3及び第4の情報面L2,L3では、外周から内周へカウントアップされる。第1の情報面と第3の情報面との間、第2の情報面と第4の情報面との間では、それぞれ情報面のアドレスの補数をとって用いることにより、レイヤー内アドレスは、1つの情報面のレイヤー内アドレスのビット数で表すことができる。また第1及び第3の情報面L0,L2と、第2及び第4の情報面L1,L3とのアドレスに対する半径の位置関係も知ることができ高速アクセスが可能となる。
次に、本実施の形態における8層光ディスク媒体の半径方向のさらに別のエリア構成について説明する。図14は、本実施の形態における8層光ディスク媒体の半径方向のさらに別のエリア構成を説明するための図である。図14に示す8層光ディスク媒体では、第1の情報面L0は、単層光ディスク媒体、2層光ディスク媒体及び4層光ディスク媒体のL0と同様のディスクレイアウトである。ただし、単層光ディスク媒体におけるリードアウトゾーンに相当する部分はアウターゾーンとなる。
第5の情報面L4は、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1、及び図13で示す4層光ディスク媒体の第3の情報面L2と同様のエリア構成である。ただし、2層光ディスク媒体の第2の情報面L1における内周側となったリードアウトゾーンは、8層光ディスク媒体では記録再生終端ではないためインナーゾーンとなる。また、8層光ディスク媒体の第3の情報面L2は、図13で示す4層光ディスク媒体の第2の情報面L1と同様のエリア構成である。
8層光ディスク媒体の第7の情報面L6は、図13で示す4層光ディスク媒体の第4の情報面L3と同様のエリア構成である。但し4層光ディスク媒体におけるリードアウトゾーンに相当する部分はインナーゾーンとなる。
第2、第4、第6、第8の各情報面L1,L3,L5,L7は8層光ディスク媒体で新たに追加された情報面である。第2の情報面L1は、内周部に低反射率領域(LRA)、初期記録領域(PR)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第2の情報面L1のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。第4の情報面L3は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第4の情報面L3のアドレスのオーダーは、内周から外周の方向に記録されており、記録再生は内周から外周の方向に行う。
第6の情報面L5は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がインナーゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第6の情報面L5のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。第8の情報面L7は、内周部に低反射率領域(LRA)、学習領域及びDMA領域(OPC、DMA)が配置され、内周側がリードアウトゾーンとなり、外周側がアウターゾーンとなる。その場合、第8の情報面L7のアドレスのオーダーは、外周から内周の方向に記録されており、記録再生は外周から内周の方向に行う。
第1の情報面L0の内周から外周、第5の情報面L4の外周から内周、第3の情報面L2の内周から外周、第7の情報面L6の外周から内周、第2の情報面L1の内周から外周、第6の情報面L5の外周から内周、第4の情報面L3の内周から外周、第8の情報面L7の外周から内周へと順次記録再生が行われる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。また、アドレスは第1〜第4の情報面L0〜L3では内周から外周へカウントアップされ、第5〜第8の情報面L4〜L7では、外周から内周へカウントアップされる。第1の情報面と第5の情報面との間、第3の情報面と第7の情報面との間、第2の情報面と第6の情報面との間、第4の情報面と第8の情報面との間では、それぞれの情報面のアドレスの補数をとって用いることにより、レイヤー内アドレスは、1つの層のレイヤー内アドレスのビット数で表すことができる。また、それぞれの情報面のアドレスに対する半径の位置関係も知ることができ高速アクセスが可能となる。すなわち、第1から第n(n=8)の複数の情報面において、第1から第n/2の情報面はディスク内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、第n/2+1から第nの情報面はディスク外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われる。これにより、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
次に、前述したエリア構成を有する本実施の形態における多層情報記録媒体の製造方法について説明する。
図15は、本実施の形態における多層情報記録媒体を作製するための基板作製用金型であるスタンパの製造方法を説明するための図である。まず、ガラス板1601上にフォトレジスト等の感光材料が塗布されて感光膜1602が形成され(図15の第1工程参照)、その後レーザ光1603による光記録により、ピットや案内溝等のパターンの露光が行われる(図15の第2工程参照)。図15の第2工程において、感光膜1602aが露光された部分を示している。露光部分の感光材料は現像工程を経ることにより除去され、ピットや案内溝等のパターン1604が形成された光記録原盤1605が作製される(図15の第3工程参照)。感光膜1602に形成されたピットや案内溝等のパターン1604の形状は、スパッタリングや蒸着等の方法によって膜付けされた導電膜1606に転写される(図15の第4工程参照)。さらに、導電膜1606の剛性及び厚みを増加させるために、めっき膜1607が形成される(図15の第5工程参照)。次に、感光膜1602と導電膜1606との界面から導電膜1606及びめっき膜1607が剥離されることにより、スタンパ1608が作製される(図15の第6工程参照)。
図16は、本実施の形態における多層情報記録媒体の断面図である。この多層情報記録媒体は、片面に凹凸形状からなるピットや案内溝の情報面が転写形成された第1信号基板1701と、第1信号基板1701の凹凸形状が設けられた面上に配置された第1薄膜層1702と、第1薄膜層1702と接着している面とは反対の面に凹凸形状からなるピットや案内溝の情報面が転写形成された第2信号基板1703と、第2信号基板1703の凹凸形状が設けられた面上に配置された第2薄膜層1704と、第2信号基板1703に対向配置された透明基板1706と、第2薄膜層1704と透明基板1706とを貼り合わせるために設けられた透明層1705により構成されている。
第1信号基板1701には、図15の第6工程に示したスタンパ1608を用いて、射出圧縮成形等により片面にピットや案内溝が凹凸形状として転写形成されている。このように、情報面に薄膜層が形成されることで情報記録層が形成されている。第1信号基板1701の厚みは例えば1.1mm程度である。第1薄膜層1702及び第2薄膜層1704は、記録膜や反射膜を含んでいる。第1薄膜層1702及び第2薄膜層1704は、第1信号基板1701及び第2信号基板1703のピットや案内溝が形成された面側にスパッタリングや蒸着等の方法により形成される。
第2信号基板1703は、光硬化性樹脂のスピンコート法によって形成され、図15の第6工程に示したスタンパ1608や第1信号基板1701のように片面にピットや案内溝が凹凸形状として形成された転写基板を、情報面が第1信号基板1701と対向するように光硬化性樹脂を介して貼り合わせる。そして、光硬化性樹脂の光硬化後に転写基板を光硬化性樹脂との界面から剥離することによって第2信号基板1703が形成されている。透明基板1706は、記録再生光に対して透明な(透過性を有する)材料からなり、厚みが例えば0.1mm程度である。透明層1705は、2枚の基板1706、1707を互いに接着するために設けられており、光硬化性樹脂や感圧接着剤等の接着剤から形成されている。このような多層情報記録媒体の記録再生は、透明基板1706からレーザ光を入射することによって行われる。
次に、本実施の形態における多層情報記録媒体の製造方法について説明する。図17は、本実施の形態における多層情報記録媒体の製造方法について説明するための図である。
まず、第1信号基板801は、ピットや案内溝の信号面が形成された面にスパッタリングや蒸着等の方法により記録膜材料や反射膜材料を含んだ第1薄膜層802が形成されることにより情報記録層が形成される。信号面に形成する第1薄膜層802の領域は、スパッタリングや蒸着時に基板をマスクする領域によって決定される。
図18は、スパッタ装置の構造を示す断面図である。まず、スパッタ装置内に搬送された基板1801は、インナーマスク1802とアウターマスク1803とがほぼ接するところに設置される。インナーマスク1802は、基板の中心孔を含む内径に薄膜層が形成されないように、基板の内周部を全面覆いかぶさった構造を有している。アウターマスク1803は、特定の基板の外径に薄膜層が形成されないように、また、基板裏面へスパッタ膜の回り込みを防ぐように構成されている。真空ポンプなどで真空雰囲気とした空間1804はアルゴンなどのガスの導入と、放電によってプラズマが発生する。そして、プラズマ中にできたイオン(ここではアルゴンイオン)をインナーマスク1802及びアウターマスク1803の根元に設置されたターゲット1805の材料に衝突させ、ターゲット1805を構成する材料の原子や分子を基板上に飛ばし、基板表面に薄膜を形成する。
第1薄膜層802を形成する領域は、インナーマスク1802の径や、アウターマスク1803の径を変更することにより、容易に変更が可能である。第1信号基板801は、第1薄膜層802が形成された面とは反対側の面でバキューム等の手段によって回転テーブル803上に固定される(図17の第1工程参照)。回転テーブル803に固定された第1信号基板801上の第1薄膜層802には、ディスペンサーによって光硬化性樹脂804が所望の半径上に同心円状に塗布される(図17の第2工程参照)。
そして、回転テーブル803をスピン回転させることにより光硬化性樹脂804の延伸が行われる(図17の第3工程参照)。延伸された光硬化性樹脂804は、遠心力によって余分な樹脂と気泡を除去することができる。このとき、延伸される光硬化性樹脂804の厚みは、光硬化性樹脂804の粘度やスピン回転の回転数、時間、及びスピン回転をさせている周りの温度や湿度などの雰囲気を任意に設定することにより、所望の厚みに制御することができる。スピン回転停止後、延伸された光硬化性樹脂804は光照射機805の光照射によって硬化される。このようにして、第1信号基板801、第1薄膜層802及び光硬化性樹脂804で構成される第1の基板811が作成される。
次に、第1信号基板801の上に第2の情報面が形成される。まず、図15の第6工程に示したスタンパ1608や図16に示した第1信号基板1701のように片面にピットや案内溝が凹凸形状として形成された転写基板806が回転テーブル807上に固定される(図17の第4工程参照)。回転テーブル807に固定された転写基板806の上には、ディスペンサーによって光硬化性樹脂808が所望の半径上に同心円状に塗布される(図17の第5工程参照)。そして、回転テーブル807をスピン回転させることにより光硬化性樹脂808の延伸が行われる(図17の第6工程参照)。延伸される光硬化性樹脂808は光硬化性樹脂804と同様に、所望の厚みに制御することができる。スピン回転停止後、延伸された光硬化性樹脂808は光照射機809の光照射によって硬化される。このようにして、転写基板806及び光硬化性樹脂808で構成される第2の基板810が作成される。
2枚の基板810,811は、1つの回転テーブル803の上で、双方の光硬化性樹脂層が対向するように光硬化性樹脂812を介して重ね合わされ(図17の第7工程参照)、一体化させた状態で回転テーブル803によってスピン回転させられる。光硬化性樹脂812はスピン回転によって所望の厚みに制御された後に光照射機805の光照射によって硬化される(図17の第8工程参照)。光硬化性樹脂812によって基板810,811が一体化された後に、転写基板806と光硬化性樹脂808の界面より、転写基板806を剥離することによって、第1信号基板801の上に第2の情報面が形成される(図17の第9工程参照)。
ここで用いられている光硬化性樹脂804は第1薄膜層802と光硬化性樹脂812との接着性が良好なものを選定している。また、光硬化性樹脂808は転写基板806との剥離性が良く、且つ光硬化性樹脂812との接着性が良好なものを選定している。また、各々の光硬化性樹脂は出来るだけ薄く形成するために、粘度は約150Pa・s程度としている。
第1信号基板801の上に形成された第2の情報面には、スパッタリングや蒸着等の方法により記録膜材料や反射膜材料を含んだ第2薄膜層813が形成される。第2薄膜層813と透明基板814とを貼り合わせるときに形成される透明層815は、記録再生光に対してほぼ透明で(ほぼ透過し)、第2薄膜層813に光硬化性樹脂を塗布した後にスピン回転させることによって光硬化性樹脂に混入する気泡の除去や厚み制御を行い、延伸された後に光照射されることによって硬化することで形成される。
なお、本実施の形態では、基材厚が0.1mmであるBDの多層化について説明しているが、本発明は特にこれに限定されず、基材厚が0.6mmであるHD DVDの多層化にも適用可能であり、種類が同じである多層光ディスク媒体に適用可能である。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る多層情報記録媒体は、積層された複数の情報面を有し、光によって情報を記録又は再生する多層情報記録媒体であって、前記複数の情報面は、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含む。
この構成によれば、多層情報記録媒体が有する複数の情報面は、光が入射したときに、光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、光を第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含んでいる。
したがって、既に発売されている情報記録媒体の情報面と一致する少なくとも1つの情報面へのフォーカス引き込みを確実に実行することができるので、既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保することができ、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生することができる。また、広く一般に流通している情報記録再生装置を有効活用することが可能であり、ユーザは、既存の情報記録再生装置を使って新たに発売された多層規格の光ディスク媒体を利用することができる。
即ち、多層情報記録媒体は、3層以上の情報記録面を有し、3番目以上の情報記録面の内周部あるいは外周部に、2番目までの情報記録面とは異なる物理特性(反射率、透過率、溝特性、ピット特性等)を持たせることにより、従来の2層情報記録媒体にのみ対応する情報記録再生装置において、情報を記録あるいは再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第1の反射面には、ディスク管理情報が記録されていることが好ましい。この構成によれば、第1の反射面に光を照射することによりディスク管理情報を再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記多層情報記録媒体は、光ディスク媒体を含み、前記第2の反射面は、前記光ディスク媒体の内周部を含み、前記内周部の反射率は、データを記録するデータ領域の反射率よりも低いことが好ましい。
この構成によれば、多層情報記録媒体は、光ディスク媒体を含んでおり、第2の反射面は、光ディスク媒体の内周部を含んでおり、内周部の反射率は、データを記録するデータ領域の反射率よりも低い。したがって、内周部の反射率がデータ領域の反射率よりも低く設定されているので、既に発売されている情報記録媒体の情報面と一致する情報面の内周部へのフォーカス引き込みを確実に実行することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記多層情報記録媒体は、光ディスク媒体を含み、前記第1の反射面及び前記第2の反射面は、前記光ディスク媒体の内周部と、データを記録するデータ領域とを含み、前記第2の反射面の内周部及びデータ領域の反射率は、前記第1の反射面の内周部及びデータ領域の反射率よりも低いことが好ましい。
この構成によれば、第2の反射面の内周部及びデータ領域の反射率が、第1の反射面の内周部及びデータ領域の反射率よりも低いので、第1の反射面のデータ領域に記録されているデータを確実に再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記複数の情報面は、4つの情報面を含み、前記4つの情報面のうちの2つの情報面は、前記第1の反射面に光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させ、残りの2つの情報面は、前記第2の反射面に光が入射したときに、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報面は、4つの情報面を含んでおり、4つの情報面のうちの2つの情報面は、第1の反射面に光が入射したときに、光を所定の第1の戻り光量で反射させる。また、残りの2つの情報面は、第2の反射面に光が入射したときに、光を第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる。
したがって、2層の情報記録媒体に対応した情報記録装置を用いて、4層の多層情報記録媒体を記録再生する場合、4層のうちの2層の情報面に対して確実にフォーカス引き込みを実行することができるので、既に発売されている2層の情報記録媒体と、4層の多層情報記録媒体との互換性を確保することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記複数の情報面は、8つの情報面を含み、前記8つの情報面のうちの4つの情報面は、前記第1の反射面に光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させ、残りの4つの情報面は、前記第2の反射面に光が入射したときに、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報面は、8つの情報面を含んでおり、8つの情報面のうちの4つの情報面は、第1の反射面に光が入射したときに、光を所定の第1の戻り光量で反射させる。また、残りの4つの情報面は、第2の反射面に光が入射したときに、光を第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる。
したがって、4層の情報記録媒体に対応した情報記録装置を用いて、8層の多層情報記録媒体を記録再生する場合、8層のうちの4層の情報面に対して確実にフォーカス引き込みを実行することができるので、既に発売されている4層の情報記録媒体と、8層の多層情報記録媒体との互換性を確保することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第1の反射面において、出射光量に対する前記第1の戻り光量の比を高戻り光量比Rbとし、前記第2の反射面において、出射光量に対する前記第2の戻り光量の比を低戻り光量比Rdとしたとき、前記低戻り光量比Rdは、0≦Rd<3.5%の範囲であり、前記高戻り光量比Rbは、3.5%≦Rb≦8%の範囲であることが好ましい。
この構成によれば、第1の反射面において、出射光量に対する第1の戻り光量の比を高戻り光量比Rbとし、第2の反射面において、出射光量に対する第2の戻り光量の比を低戻り光量比Rdとしたとき、低戻り光量比Rdは、0≦Rd<3.5%の範囲であり、高戻り光量比Rbは、3.5%≦Rb≦8%の範囲である。
従来の2層の情報記録媒体の戻り光量比は、3.5%以上8%以下に規定されており、この範囲より低戻り光量比Rdの範囲を低くすることにより、フォーカス引き込みを確実に実行することができ、例えば2層の情報記録媒体に対応した情報記録装置を用いて、4層以上の多層情報記録媒体を記録再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記低戻り光量比Rdと前記高戻り光量比Rbとの関係が2×Rd<Rbであることが好ましい。この構成によれば、低戻り光量比Rdと高戻り光量比Rbとの関係が2×Rd<Rbであるので、高戻り光量比Rbを低戻り光量比Rdの2倍よりも大きく設定することにより、フォーカス引き込みを確実に実行することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記低戻り光量比Rdは前記高戻り光量比Rbに対して十分小さく、前記低戻り光量比Rdは概略0であることが好ましい。この構成によれば、低戻り光量比Rdは高戻り光量比Rbに対して十分小さく、低戻り光量比Rdは概略0であるので、フォーカス引き込みを確実に実行することができる。なお、例えば、低戻り光量比Rdは高戻り光量比Rbに対して十分小さいとは、低戻り光量比Rdが、情報を記録したときの戻り光(反射光)のレベル以下になる場合を意味する。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記多層情報記録媒体は光ディスク媒体を含み、前記第1の反射面及び前記第2の反射面は、前記光ディスク媒体の回転中心から24mm以内の範囲に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、多層情報記録媒体は光ディスク媒体を含んでおり、第1の反射面及び第2の反射面は、光ディスク媒体の回転中心から24mm以内の範囲に設けられているので、光ディスク媒体の回転中心から24mm以内の範囲に相当する内周部に対するフォーカス引き込みを確実に実行することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第1の反射面は、多層情報記録媒体に固有の識別情報を反射層を焼ききることにより記録するBCA領域を含むことが好ましい。
この構成によれば、第1の反射面には、多層情報記録媒体に固有の識別情報を反射層を焼ききることにより記録するBCA領域が含まれるので、既に発売されている情報記録再生装置であっても、多層情報記録媒体のBCA領域から識別情報を確実に再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第2の反射面は、レーザ光によってあらかじめ初期記録がなされていることが好ましい。この構成によれば、第2の反射面が、レーザ光によってあらかじめ初期記録がなされているので、他の情報面の第2の反射面における第2の戻り光量を第1の戻り光量よりも小さくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第2の反射面は、反射層を焼ききることで形成されていることが好ましい。この構成によれば、第2の反射面が、反射層を焼ききることで形成されているので、他の情報面の第2の反射面における第2の戻り光量を第1の戻り光量よりも小さくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第2の反射面は、反射層が形成されていないことが好ましい。この構成によれば、第2の戻り光量で反射させる第2の反射面には、反射層が形成されていないので、他の情報面の第2の反射面における第2の戻り光量を第1の戻り光量よりも小さくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記複数の情報面の間隔は6μm〜30μmであることが好ましい。この構成によれば、複数の情報面の間隔を6μm〜30μmとすることにより、各情報面からの回折光の干渉(層間干渉)を少なくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第1の反射面のうちの少なくとも2箇所以上にディスク管理情報が記録されていることが好ましい。この構成によれば、光軸方向に並んだ第1の反射面のうちの少なくとも2箇所以上にディスク管理情報が記録されているので、1の情報面からディスク管理情報を読み出すことができない場合であっても、他の情報面からディスク管理情報を読み出すことができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記ディスク管理情報が記録されている領域は、上下の情報面で重ならないように配置されていることが好ましい。この構成によれば、ディスク管理情報が記録されている領域は、上下の情報面で重ならないように配置されているので、1の情報面からディスク管理情報を読み出すことができない場合であっても、他の情報面からディスク管理情報を確実に読み出すことができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、情報面単位でユーザデータ領域へのデータ記録を禁止する書き込み禁止フラグが記録され、前記書き込み禁止フラグにより禁止された情報面へのデータ記録が禁止されることが好ましい。
この構成によれば、情報面単位でユーザデータ領域へのデータ記録を禁止する書き込み禁止フラグが記録され、書き込み禁止フラグにより禁止された情報面へのデータ記録が禁止される。したがって、多層情報記録媒体の複数の情報面のうちの他の情報面へのデータ記録を禁止することにより、層数の少ない情報記録媒体との互換性を確保することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記複数の情報面は、第1から第nの情報面を含み、MOD(n/4)=1,2(但し、MODは数値nを除数4で割ったときの剰余)となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報面は、第1から第nの情報面を含み、MOD(n/4)=1,2(但し、MODは数値nを除数4で割ったときの剰余)となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われる。また、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われる。
したがって、例えば、4層の多層情報記録媒体の場合、第1の情報面と第2の情報面とは、内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、第3の情報面と第4の情報面とは、外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われるので、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、MOD(n/4)=1,2となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが記録されており、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが記録されていることが好ましい。
この構成によれば、MOD(n/4)=1,2となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが記録されており、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが記録されている。
したがって、例えば、4層の多層情報記録媒体の場合、第1の情報面と第2の情報面とは、内周側から外周側に向かって、情報を記録又は再生することができ、第3の情報面と第4の情報面とは、外周側から内周側に向かって、情報を記録又は再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記複数の情報面は、第1から第n(nは偶数)の情報面を含み、第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報面は、第1から第n(nは偶数)の情報面を含んでおり、第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われる。また、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われる。
したがって、例えば、8層の多層情報記録媒体の場合、第1〜第4の情報面は、内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、第5〜第8の情報面は、外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われるので、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが記録されており、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが記録されていることが好ましい。
この構成によれば、第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが記録されている。また、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが記録されている。
したがって、例えば、8層の多層情報記録媒体の場合、第1〜第4の情報面は、内周側から外周側に向かって、情報を記録又は再生することができ、第5〜第8の情報面は、外周側から内周側に向かって、情報を記録又は再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体において、前記第1から第nの情報面は、第1から第nの情報面に向かってレーザ入射面に近づくよう形成されていることが好ましい。この構成によれば、第1から第nの情報面をレーザ入射面に近づくように形成することができる。
本発明の他の局面に係る情報記録再生装置は、積層された複数の情報面を有する多層記録媒体から情報を記録又は再生する情報記録再生装置であって、前記複数の情報面は、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含み、前記多層情報記録媒体が有する信号トラックに対して、信号の記録または再生を行うためのレーザ光を照射するレーザ光照射部と、前記レーザ光の球面収差を補正する球面収差補正部と、前記レーザ光を照射する情報面に応じて、前記レーザ光の焦点位置を制御する制御部と、前記多層情報記録媒体の前記第1の反射面にレーザ光を照射し、情報面の数を判別する媒体判別部とを備える。
この構成によれば、多層情報記録媒体の複数の情報面は、光が入射したときに、光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、光を第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含んでいる。多層情報記録媒体が有する信号トラックに対して、信号の記録または再生を行うためのレーザ光が照射され、レーザ光の球面収差が補正される。そして、レーザ光を照射する情報面に応じて、レーザ光の焦点位置が制御され、多層情報記録媒体の第1の反射面にレーザ光が照射され、情報面の数が判別される。
したがって、既に発売されている情報記録媒体の情報面と一致する少なくとも1つの情報面へのフォーカス引き込みを確実に実行し、情報面の数を判別することができるので、既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保することができ、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生することができる。
また、上記の情報記録再生装置において、前記媒体判別部は、フォーカスエラー信号の波形情報から情報面の数を判別することが好ましい。この構成によれば、フォーカスエラー信号の波形情報から情報面の数を正確に判別することができる。
また、上記の情報記録再生装置において、情報面単位でユーザデータ領域へのデータ記録を禁止する書き込み禁止フラグを設定するフラグ設定部と、前記フラグ設定部によって前記書き込み禁止フラグが設定された情報面へのデータ記録を行わない記録部とをさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、情報面単位でユーザデータ領域へのデータ記録を禁止する書き込み禁止フラグが設定され、書き込み禁止フラグが設定された情報面へのデータ記録が行われない。したがって、多層情報記録媒体の複数の情報面のうちの他の情報面へのデータ記録が行われないので、層数の少ない情報記録媒体との互換性を確保することができる。
本発明の他の局面に係る多層情報記録媒体の製造方法は、積層された複数の情報面を有する多層情報記録媒体の製造方法であって、片面に情報面が形成された基板上に、反射層を形成する第1の工程と、前記反射層の上に、情報面を有する透光性の中間層を形成する第2の工程と、前記中間層の前記情報面側に反射層を形成する第3の工程と、前記第2の工程と前記第3の工程とを複数回繰り返して複数の情報面を形成した後、透光性の保護層を形成する第4の工程と、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を少なくとも1つの情報面に形成するとともに、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を他の情報面に形成する第5の工程とを含む。
この構成によれば、第1の工程において、片面に情報面が形成された基板上に、反射層が形成される。次に、第2の工程において、反射層の上に、情報面を有する透光性の中間層が形成される。次に、第3の工程において、中間層の情報面側に反射層が形成される。次に、第4の工程において、第2の工程と第3の工程とが複数回繰り返されて複数の情報面が形成された後、透光性の保護層が形成される。次に、第5の工程において、光が入射したときに、光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面が少なくとも1つの情報面に形成されるとともに、光を第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面が他の情報面に形成される。
したがって、既に発売されている情報記録媒体の情報面と一致する少なくとも1つの情報面へのフォーカス引き込みを確実に実行することができるので、既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保することができ、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、前記第5の工程は、前記他の情報面に対して、レーザ光によってあらかじめ初期記録することにより第2の反射面を形成することが好ましい。
この構成によれば、第5の工程において、他の情報面に対して、レーザ光によってあらかじめ初期記録することにより第2の反射面が形成されるので、他の情報面の第2の反射面における第2の戻り光量を第1の戻り光量よりも小さくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、前記第5の工程は、前記他の情報面に対して、レーザ光によってあらかじめ反射層を焼ききることにより第2の反射面を形成することが好ましい。
この構成によれば、第5の工程において、他の情報面に対して、レーザ光によってあらかじめ反射層を焼ききることにより第2の反射面が形成されるので、他の情報面の第2の反射面における第2の戻り光量を第1の戻り光量よりも小さくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、前記第1及び第3の工程は、反射層を形成する際に、前記他の情報面に対してマスク処理を行うことにより第2の反射面を形成することが好ましい。
この構成によれば、第1及び第3の工程において、反射層を形成する際に、他の情報面に対してマスク処理を行うことにより第2の反射面が形成されるので、他の情報面の第2の反射面には反射層が形成されず、他の情報面の第2の反射面における第2の戻り光量を第1の戻り光量よりも小さくすることができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、前記複数の情報面は、第1から第nの情報面を含み、MOD(n/4)=1,2(但し、MODは数値nを除数4で割ったときの剰余)となる情報面と、MOD(n/4)=3,0となる情報面とは、スパイラルの方向がそれぞれ反対となるように形成されることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報面は、第1から第nの情報面を含み、MOD(n/4)=1,2(但し、MODは数値nを除数4で割ったときの剰余)となる情報面と、MOD(n/4)=3,0となる情報面とは、スパイラルの方向がそれぞれ反対となるように形成される。
したがって、例えば、4層の多層情報記録媒体の場合、第1の情報面と第2の情報面とにおけるトラッキング方向と、第3の情報面と第4の情報面とにおけるトラッキング方向とが反対となり、内周から外周又は外周から内周へとシークする必要がなくなり、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、MOD(n/4)=1,2となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが順番に形成され、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが順番に形成されることが好ましい。
この構成によれば、MOD(n/4)=1,2となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが順番に形成される。また、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが順番に形成される。
したがって、例えば、4層の多層情報記録媒体の場合、第1の情報面と第2の情報面とは、内周側から外周側に向かって、情報を記録又は再生することができ、第3の情報面と第4の情報面とは、外周側から内周側に向かって、情報を記録又は再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、前記複数の情報面は、前記第1から第n(nは偶数)の情報面を含み、第1から第n/2の情報面と、第(n/2)+1から第nの情報面とは、スパイラルの方向がそれぞれ反対となるように形成されることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報面は、第1から第n(nは偶数)の情報面を含んでおり、第1から第n/2の情報面と、第(n/2)+1から第nの情報面とは、スパイラルの方向がそれぞれ反対となるように形成される。
したがって、例えば、8層の多層情報記録媒体の場合、第1〜第4の情報面におけるトラッキング方向と、第5〜第8の情報面とにおけるトラッキング方向とが反対となり、内周から外周又は外周から内周へとシークする必要がなくなり、ビデオ記録再生等の、高転送レートのリアルタイム記録を長時間行うことができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが順番に形成され、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが順番に形成されることが好ましい。
この構成によれば、第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが順番に形成される。また、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが順番に形成される。
したがって、例えば、8層の多層情報記録媒体の場合、第1〜第4の情報面は、内周側から外周側に向かって、情報を記録又は再生することができ、第5〜第8の情報面は、外周側から内周側に向かって、情報を記録又は再生することができる。
また、上記の多層情報記録媒体の製造方法において、前記第1から第nの情報面は、第1から第nの情報面に向かってレーザ入射面に近づくよう形成されることが好ましい。この構成によれば、第1から第nの情報面をレーザ入射面に近づくように形成することができる。
本発明に係る多層情報記録媒体、情報記録再生装置及び多層情報記録媒体の製造方法は、既に発売されている、あるいはフォーマットが既知の情報記録媒体との下位互換性を確保することができ、新フォーマットの多層情報記録媒体を既に広まっている情報記録再生装置を使って記録再生することができ、積層された複数の情報面を有し、光によって情報を記録又は再生する多層情報記録媒体、その多層情報記録媒体の製造方法、及びその多層情報記録媒体を記録再生する情報記録再生装置として有用である。
Claims (35)
- 積層された複数の情報面を有し、光によって情報を記録又は再生する多層情報記録媒体であって、
前記複数の情報面は、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含むことを特徴とする多層情報記録媒体。 - 前記第1の反射面には、ディスク管理情報が記録されていることを特徴とする請求項1に記載の多層情報記録媒体。
- 前記多層情報記録媒体は、光ディスク媒体を含み、
前記第2の反射面は、前記光ディスク媒体の内周部を含み、
前記内周部の反射率は、データを記録するデータ領域の反射率よりも低いことを特徴とする請求項1記載の多層情報記録媒体。 - 前記多層情報記録媒体は、光ディスク媒体を含み、
前記第1の反射面及び前記第2の反射面は、前記光ディスク媒体の内周部と、データを記録するデータ領域とを含み、
前記第2の反射面の内周部及びデータ領域の反射率は、前記第1の反射面の内周部及びデータ領域の反射率よりも低いことを特徴とする請求項1記載の多層情報記録媒体。 - 前記複数の情報面は、4つの情報面を含み、
前記4つの情報面のうちの2つの情報面は、前記第1の反射面に光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させ、
残りの2つの情報面は、前記第2の反射面に光が入射したときに、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させることを特徴とする請求項1記載の多層情報記録媒体。 - 前記複数の情報面は、8つの情報面を含み、
前記8つの情報面のうちの4つの情報面は、前記第1の反射面に光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させ、
残りの4つの情報面は、前記第2の反射面に光が入射したときに、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させることを特徴とする請求項1記載の多層情報記録媒体。 - 前記第1の反射面において、出射光量に対する前記第1の戻り光量の比を高戻り光量比Rbとし、前記第2の反射面において、出射光量に対する前記第2の戻り光量の比を低戻り光量比Rdとしたとき、前記低戻り光量比Rdは、0≦Rd<3.5%の範囲であり、前記高戻り光量比Rbは、3.5%≦Rb≦8%の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の多層情報記録媒体。
- 前記低戻り光量比Rdと前記高戻り光量比Rbとの関係が2×Rd<Rbであることを特徴とする請求項7記載の多層情報記録媒体。
- 前記低戻り光量比Rdは前記高戻り光量比Rbに対して十分小さく、前記低戻り光量比Rdは概略0であることを特徴とする請求項7記載の多層情報記録媒体。
- 前記多層情報記録媒体は光ディスク媒体を含み、
前記第1の反射面及び前記第2の反射面は、前記光ディスク媒体の回転中心から24mm以内の範囲に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の多層情報記録媒体。 - 前記第1の反射面は、多層情報記録媒体に固有の識別情報を反射層を焼ききることにより記録するBCA領域を含むことを特徴とする請求項10に記載の多層情報記録媒体。
- 前記第2の反射面は、レーザ光によってあらかじめ初期記録がなされていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の多層情報記録媒体。
- 前記第2の反射面は、反射層を焼ききることで形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の多層情報記録媒体。
- 前記第2の反射面は、反射層が形成されていないことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の多層情報記録媒体。
- 前記複数の情報面の間隔は6μm〜30μmであることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の多層情報記録媒体。
- 前記第1の反射面のうちの少なくとも2箇所以上にディスク管理情報が記録されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の多層情報記録媒体。
- 前記ディスク管理情報が記録されている領域は、上下の情報面で重ならないように配置されていることを特徴とする請求項16記載の多層情報記録媒体。
- 情報面単位でユーザデータ領域へのデータ記録を禁止する書き込み禁止フラグが記録され、前記書き込み禁止フラグにより禁止された情報面へのデータ記録が禁止されることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の多層情報記録媒体。
- 前記複数の情報面は、第1から第nの情報面を含み、
MOD(n/4)=1,2(但し、MODは数値nを除数4で割ったときの剰余)となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、
MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の多層情報記録媒体。 - MOD(n/4)=1,2となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが記録されており、
MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが記録されていることを特徴とする請求項19記載の多層情報記録媒体。 - 前記複数の情報面は、第1から第n(nは偶数)の情報面を含み、
第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かって記録又は再生が行われ、
第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かって記録又は再生が行われることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の多層情報記録媒体。 - 第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが記録されており、
第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが記録されていることを特徴とする請求項21記載の多層情報記録媒体。 - 前記第1から第nの情報面は、第1から第nの情報面に向かってレーザ入射面に近づくよう形成されていることを特徴とする請求項19〜22のいずれかに記載の多層情報記録媒体。
- 積層された複数の情報面を有する多層記録媒体から情報を記録又は再生する情報記録再生装置であって、
前記複数の情報面は、光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を有する少なくとも1つの情報面と、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を有する他の情報面とを含み、
前記多層情報記録媒体が有する信号トラックに対して、信号の記録または再生を行うためのレーザ光を照射するレーザ光照射部と、
前記レーザ光の球面収差を補正する球面収差補正部と、
前記レーザ光を照射する情報面に応じて、前記レーザ光の焦点位置を制御する制御部と、
前記多層情報記録媒体の前記第1の反射面にレーザ光を照射し、情報面の数を判別する媒体判別部とを備えることを特徴とする情報記録再生装置。 - 前記媒体判別部は、フォーカスエラー信号の波形情報から情報面の数を判別することを特徴とする請求項24記載の情報記録再生装置。
- 情報面単位でユーザデータ領域へのデータ記録を禁止する書き込み禁止フラグを設定するフラグ設定部と、
前記フラグ設定部によって前記書き込み禁止フラグが設定された情報面へのデータ記録を行わない記録部とをさらに備えることを特徴とする請求項24又は25記載の情報記録再生装置。 - 積層された複数の情報面を有する多層情報記録媒体の製造方法であって、
片面に情報面が形成された基板上に、反射層を形成する第1の工程と、
前記反射層の上に、情報面を有する透光性の中間層を形成する第2の工程と、
前記中間層の前記情報面側に反射層を形成する第3の工程と、
前記第2の工程と前記第3の工程とを複数回繰り返して複数の情報面を形成した後、透光性の保護層を形成する第4の工程と、
光が入射したときに、前記光を所定の第1の戻り光量で反射させる第1の反射面を少なくとも1つの情報面に形成するとともに、前記光を前記第1の戻り光量よりも小さい第2の戻り光量で反射させる第2の反射面を他の情報面に形成する第5の工程とを含むことを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。 - 前記第5の工程は、前記他の情報面に対して、レーザ光によってあらかじめ初期記録することにより第2の反射面を形成することを特徴とする請求項27記載の多層情報記録媒体の製造方法。
- 前記第5の工程は、前記他の情報面に対して、レーザ光によってあらかじめ反射層を焼ききることにより第2の反射面を形成することを特徴とする請求項27記載の多層情報記録媒体の製造方法。
- 前記第1及び第3の工程は、反射層を形成する際に、前記他の情報面に対してマスク処理を行うことにより第2の反射面を形成することを特徴とする請求項27記載の多層情報記録媒体の製造方法。
- 前記複数の情報面は、第1から第nの情報面を含み、
MOD(n/4)=1,2(但し、MODは数値nを除数4で割ったときの剰余)となる情報面と、MOD(n/4)=3,0となる情報面とは、スパイラルの方向がそれぞれ反対となるように形成されることを特徴とする請求項27〜30のいずれかに記載の多層情報記録媒体の製造方法。 - MOD(n/4)=1,2となる情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが順番に形成され、MOD(n/4)=3,0となる情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが順番に形成されることを特徴とする請求項31記載の多層情報記録媒体の製造方法。
- 前記複数の情報面は、前記第1から第n(nは偶数)の情報面を含み、
第1から第n/2の情報面と、第(n/2)+1から第nの情報面とは、スパイラルの方向がそれぞれ反対となるように形成されることを特徴とする請求項27〜30のいずれかに記載の多層情報記録媒体の製造方法。 - 第1から第n/2の情報面は、光ディスク媒体の内周側から外周側に向かってアドレスが順番に形成され、第(n/2)+1から第nの情報面は、光ディスク媒体の外周側から内周側に向かってアドレスが順番に形成されることを特徴とする請求項33記載の多層情報記録媒体の製造方法。
- 前記第1から第nの情報面は、第1から第nの情報面に向かってレーザ入射面に近づくよう形成されることを特徴とする請求項31〜34のいずれかに記載の多層情報記録媒体の製造方法。
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