JP2003109217A - 光記録媒体および光記録方法 - Google Patents

光記録媒体および光記録方法

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JP2003109217A
JP2003109217A JP2001296659A JP2001296659A JP2003109217A JP 2003109217 A JP2003109217 A JP 2003109217A JP 2001296659 A JP2001296659 A JP 2001296659A JP 2001296659 A JP2001296659 A JP 2001296659A JP 2003109217 A JP2003109217 A JP 2003109217A
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Jiro Yoshinari
次郎 吉成
Tetsuo Mizushima
哲郎 水島
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2層の記録層を積層した多層光記録媒体にお
いて、記録マーク形成により反射率が低下するHigh to
Lowタイプとした上で、光入射側から見て手前側に存在
する記録層の記録状態にかかわらず、奥側の記録層への
安定した記録を実現する。 【解決手段】 第1記録層および第2記録層を有し、す
べての記録層は、記録マーク形成により反射率が低下
し、かつ、未記録領域における記録波長での反射率が8
%以上であり、第1記録層の記録済領域を通して照射さ
れたレーザービームにより第2記録層に記録を行ったと
きの最適記録パワーPAと、第1記録層の未記録領域を
通して照射されたレーザービームにより第2記録層に記
録を行ったときの最適記録パワーPCとの関係が、2|
A−PC|/(PA+PC)≦0.1となる光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方の側から照射
されるレーザービームによって少なくとも2層の記録層
に記録が行われる多層光記録媒体と、この多層光記録媒
体に記録する方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクに対する高密度化およ
び大容量化の要求が著しい。現在、コンパクトディスク
の約7倍に相当する片面約4.7GBの記録容量をもつD
VD(Digital Versatile Disk)が発売されているが、
より多くの情報を記録できる技術の開発が盛んに行われ
ている。
【0003】光ディスクの記録容量を高める技術として
は、記録/再生に用いるレーザービームの短波長化、レ
ーザービーム照射光学系における対物レンズの高NA
(開口数)化、記録層や再生専用情報層等の情報層の多
層化、多値記録などが挙げられる。これらのうち記録層
や再生専用層等の情報層の多層化による3次元記録は、
短波長化や高NA化に比べ、低コストで飛躍的な高容量
化が可能である。3次元情報媒体は、例えば特許第29
97512号公報、特開平9−44898号公報に記載
されている。
【0004】例えば2層の相変化型記録層を積層した多
層記録媒体において、レーザービームの入射側から見て
奥側に存在する記録層を記録再生する際には、レーザー
ビームはその手前側に存在する記録層を透過して奥側の
記録層に到達することになる。一方、相変化型記録層に
おける反射率は、非晶質からなる記録マークと結晶質で
ある未記録領域とで大きく異なる。そのため、手前側の
記録層の記録状態が、奥側の記録層に到達するレーザー
ビームの強度に影響し、その結果、記録再生特性も影響
を受ける。
【0005】このような事情から、特開2000−28
5469号公報では、手前側の記録層に記録した後、奥
側の記録層に記録することを提案している。また、特開
平10−269575号公報および特開平3−1578
16号公報では、手前側の記録層への記録が奥側の記録
層への記録の際に影響を及ぼすとして、奥側の記録層に
先に記録することを提案している。また、特開2000
−36130号公報では、手前側の記録層にあらかじめ
ダミー信号を記録しておくことを提案している。
【0006】多層記録媒体の利点としては、例えば複数
の記録層への同時記録が挙げられる。しかし、多層記録
媒体において記録層の記録順序が制限されると、このよ
うな利点が減殺されるため好ましくない。また、手前側
の記録層に製造者があらかじめダミー信号を記録してお
く方法では、製造コストが高くなってしまう。
【0007】一方、特開2000−235733号公報
には、多層構造の相変化型媒体において、第1記録層
(手前側の記録層)への記録によって生じる透過率変動
を、第2記録層(奥側の記録層)の記録パワーマージン
内に抑えることにより、奥側の記録層への記録を、手前
側の記録層の記録状態によらず常に安定して行うことが
できる旨が記載されている。同公報では、これにより、
製造者側であらかじめ情報を記録しておく必要がなくな
るので製造コストを低減でき、また、記録順序に規制を
加える必要がなくなることを効果として挙げている。同
公報記載の発明では、手前側に存在する第1記録層にお
いて、結晶時の光透過率(T1c)および光吸収率(A
1c)と、アモルファス時の光透過率(T1a)および
光吸収率(A1a)とが、 0.8≦T1c/T1a≦1.2、 70%≧T1c≧40%、 70%≧T1a≧40%、 A1c/A1a≧1.0 という条件を満足する必要があることが記載されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】光記録媒体には、記録
マーク形成により反射率が上昇するLow to Highタイプ
(以下、L−Hタイプ)と、記録マーク形成により反射
率が低下するHigh to Lowタイプ(以下、H−Lタイ
プ)とがある。L−Hタイプでは、未記録部での反射率
が低いため、未記録部ではトラッキングサーボ信号およ
びフォーカシングサーボ信号の強度が低い。また、プリ
ピットにおける反射率はさらに低いため、プリピットが
保持する信号を再生することが困難である。したがっ
て、H−Lタイプがより好ましい。
【0009】上記特開2000−235733号公報に
は、L−HとH−Lの両タイプについての記述が存在す
る。同公報の段落0031に示されるように、記録再生
波長が650nmである場合には、第1記録層をH−Lタ
イプとする設計が可能である。しかし、同公報の段落0
036には、記録再生波長を400nmとし、かつ、記録
層をGe2Sb2Te5から構成した場合には、H−Lタ
イプでは上記条件を満足する層構成が不可能である旨が
記載されている。
【0010】下記表1に、上記特開2000−2357
33号公報に記載された多層媒体における第1記録層の
構成例を示す。
【0011】
【表1】
【0012】同公報には、上記表1に示すRc、Ra、
Tc、Ta、AcおよびAaの明確な定義はないが、同
公報の記載から推定して、RcおよびRaはそれぞれ結
晶時およびアモルファス時の反射率、TcおよびTaは
それぞれ結晶時およびアモルファス時の透過率、Acお
よびAaはそれぞれ結晶時およびアモルファス時の吸収
率であると考えられる。なお、表1において、H−Lタ
イプ、8%以上のRc、5%以下のTc−Taには、下
線を付してある。
【0013】H−Lタイプであっても、未記録時(結晶
時)の記録層の反射率が低いとサーボ信号を安定して読
みとることはできない。本発明の発明者らの研究によれ
ば、安定したサーボを行うためには、従来の媒体との互
換性も考慮すると、結晶時の記録層の反射率は8%以上
必要である。しかし、同公報記載のH−Lタイプにおい
て結晶時の反射率が8%以上となるのは、記録再生波長
650nmで設計されたものだけである。また、反射率が
8%以上であってもL−Hタイプであると、従来の光デ
ィスクドライブは媒体がH−Lタイプであることを前提
としているため互換性が問題となる。
【0014】また、本発明の発明者らの研究によれば、
奥側の記録層への記録に大きく影響するのは、同公報に
記載されているような透過率比Tc/Taではなく透過
率差の絶対値|Tc−Ta|であり、|Tc−Ta|が
5%を超えていると、奥側の記録層への記録を安定して
行えなくなることがわかった。しかし、同公報には、H
−Lタイプであって、結晶時の反射率が8%以上、か
つ、|Tc−Ta|が5%以下のものは記載されていな
い。
【0015】本発明は、2層の記録層を積層した多層光
記録媒体において、記録マーク形成により反射率が低下
するHigh to Lowタイプとした上で、光入射側から見て
手前側に存在する記録層の記録状態にかかわらず、奥側
の記録層への安定した記録を実現することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。 (1) それぞれレーザービームによって記録が行われ
る第1記録層および第2記録層を有し、第1記録層およ
び第2記録層は、記録マーク形成により反射率が低下
し、かつ、未記録領域における記録波長での反射率が8
%以上であり、第1記録層の記録済領域を通して照射さ
れたレーザービームにより第2記録層に記録を行ったと
きの最適記録パワーPAと、第1記録層の未記録領域を
通して照射されたレーザービームにより第2記録層に記
録を行ったときの最適記録パワーPCとの関係が、 2|PA−PC|/(PA+PC)≦0.1 となる光記録媒体。 (2) 第1記録層は、記録済領域における記録波長で
の透過率TAと、未記録領域における記録波長での透過
率TCとの差の絶対値が1.5%以下である上記(1)
の光記録媒体。 (3) 波長500nm以下のレーザービームにより記録
が行われる上記(1)または(2)の光記録媒体。 (4) 30Mbps以上の転送レートで記録が行われる上
記(1)〜(3)のいずれかの光記録媒体。 (5) 上記(1)〜(4)のいずれかの光記録媒体に
記録する方法であって、第2記録層に記録する際に照射
するレーザービームのパワーを、第1記録層に記録する
際に照射するレーザービームのパワーの1.5〜2.5
倍に設定する光記録方法。
【0017】
【発明の実施の形態】多層光記録媒体は、2層の記録層
が、記録/再生用レーザービームに対し透明性を有する
中間層を介して積層された構造をもち、一方の記録層を
通して照射されるレーザービームによって他方の記録層
の記録/再生が行われる媒体である。
【0018】図1に、多層光記録媒体の構成例を示す。
この媒体は、支持基体20上に、反射層5、第2記録層
DL−2、透明中間層TL、第1記録層DL−1および
樹脂保護層2を有し、レーザービームは樹脂保護層2を
通して各記録層に入射する。各記録層は、レーザービー
ム入射側から見て、第1誘電体層31、相変化層4、第
2誘電体層32をこの順に有する。相変化層において、
未記録領域は結晶質であり、記録マークは非晶質であ
る。
【0019】本発明の媒体において第1記録層DL−1
および第2記録層DL−2は、記録マーク形成により反
射率が低下するH−Lタイプである。また、第1記録層
DL−1および第2記録層DL−2において、記録マー
クの存在しない領域での反射率が8%以上である。H−
Lタイプとし、かつ、未記録領域の反射率を8%以上と
する理由は、前述したとおりである。
【0020】本発明では、第2記録層DL−2について
最適記録パワーを求めたとき、以下の関係が成立する。
まず、第1記録層DL−1の記録済領域(記録マーク形
成領域)を通して照射されたレーザービームにより第2
記録層DL−2に記録を行ったときの最適記録パワー
を、PAとする。また、第1記録層DL−1の未記録領
域(記録マークが形成されていない領域)を通して照射
されたレーザービームにより第2記録層DL−2に記録
を行ったときの最適記録パワーを、PCとする。このと
き本発明では、 2|PA−PC|/(PA+PC)≦0.1 が成立し、好ましくは 2|PA−PC|/(PA+PC)≦0.05 が成立する。なお、最適記録パワーとは、ジッタが最小
となる記録パワーである。
【0021】すなわち本発明は、PAとPCとの平均値に
対するPAとPCとの差の絶対値の比が、10%以下に収
まることを特徴とする。このように本発明の媒体では、
レーザービーム入射側から見て相対的に奥側に存在する
第2記録層DL−2の最適記録パワーが、レーザービー
ム入射側から見て相対的に手前側に存在する第1記録層
DL−1の記録状態に大きくは影響されない。多層記録
媒体では、手前側の記録層の記録状態によらず、奥側の
記録層における記録パワーは一定値に固定する。2|P
A−PC|/(PA+PC)が上記範囲を外れて大きいと、
奥側にある第2記録層DL−2における記録パワーをど
のように設定しても、手前側にある第1記録層DL−1
が記録済であるときと未記録であるときとの両方でジッ
タを小さくすることができなくなる。
【0022】次に、消去パワーについて説明する。消去
パワーは、相変化型媒体にオーバーライトをする際に設
定される。オーバーライトによる書き換えが可能な相変
化型媒体では、結晶質記録層に記録パワーレベルのレー
ザービームを照射して溶融させ、溶融状態から急冷する
ことにより非晶質記録マークを形成する。消去に際して
は、消去パワーレベルのレーザービームを照射して記録
層をその結晶化温度以上融点未満の温度まで昇温し、次
いで徐冷することにより、非晶質記録マークを結晶化す
る。したがって、相変化型媒体では、少なくとも記録パ
ワーレベルと消去パワーレベルとをもつように強度変調
されたレーザービームによってオーバーライトが可能で
ある。
【0023】本発明では、第2記録層DL−2について
最適消去パワーを求めたとき、以下の関係が成立するこ
とが好ましい。まず、第1記録層DL−1の記録済領域
を通して照射されたレーザービームにより第2記録層D
L−2に記録(オーバーライト)を行ったときの最適消
去パワーを、EAとする。また、第1記録層DL−1の
未記録領域を通して照射されたレーザービームにより第
2記録層DL−2に記録(オーバーライト)を行ったと
きの最適消去パワーを、ECとする。このとき本発明で
は、好ましくは 2|EA−EC|/(EA+EC)≦0.1 が成立し、より好ましくは 2|EA−EC|/(EA+EC)≦0.05 が成立することが望ましい。なお、最適消去パワーと
は、ジッタが最小となる消去パワーである。
【0024】このように本発明の媒体では、レーザービ
ーム入射側から見て相対的に奥側に存在する第2記録層
DL−2の最適消去パワーが、レーザービーム入射側か
ら見て相対的に手前側に存在する第1記録層DL−1の
記録状態に大きくは影響されないことが好ましい。第2
記録層DL−2における最適消去パワーのずれを表す2
|EA−EC|/(EA+EC)が大きいと、最適記録パワ
ーのずれよりは影響は小さいものの、第1記録層DL−
1が記録済であるときと未記録であるときとの両方でジ
ッタを小さくすることが難しくなる。
【0025】なお、2|PA−PC|/(PA+PC)およ
び2|EA−EC|/(EA+EC)は小さいほど好ましい
が、ゼロに近づけようとすると媒体の光学設計が困難と
なるので、通常、 0.01≦2|PA−PC|/(PA+PC)、 0.01≦2|EA−EC|/(EA+EC) とすればよい。
【0026】本発明では、第2記録層DL−2の記録/
再生に用いるレーザービームが透過する第1記録層DL
−1において、記録済領域における透過率TAと、記録
マークが存在しないときの透過率TCとの差の絶対値|
C−TA|が、1.5%以下、特に1%以下であること
が好ましい。|TC−TA|をこの範囲内に収めることに
より、前記2|PA−PC|/(PA+PC)を前記した限
定範囲内に収めることが容易にできる。なお、|TC
A|は小さいほど好ましいが、ゼロに近づけようとす
ると媒体の光学設計が困難となるので、通常、0.15
%未満とする必要はない。
【0027】なお、本明細書において、反射率、吸収率
および透過率は、いずれも記録波長、すなわち記録に用
いるレーザービームの波長、における値である。
【0028】また、本明細書において記録済(記録マー
クが形成されている状態)とは、光学特性測定に用いる
ビームのスポット内の1/4の面積を非晶質記録マーク
が占めている状態を意味する。全面が非晶質であるとき
の透過率と全面が結晶質であるときの透過率との差が5
%である記録層では、記録済のときの透過率と未記録時
の透過率との差が1.5%となる。すなわち、前記特開
2000−235733号公報において透過率差の絶対
値|Tc−Ta|が5%以下となる場合、本発明で定義
する|TC−TA|は1.5%以下となる。
【0029】前記表1に示されるように、前記特開20
00−235733号公報では、記録再生波長が400
nmであるとき、透過率差の絶対値|Tc−Ta|が小さ
くかつ反射率が高い媒体は、L−Hタイプでしか実現さ
れていない。これは、相変化層をGe2Sb2Te5金属
間化合物から構成しているために、H−Lタイプにおい
て|Tc−Ta|を小さくかつ反射率を高くすることが
困難であるためと考えられる。これに対し本発明では、
相変化層を、少なくともSbおよびTeを含有し、か
つ、共融混合物を含有し得る組成とすることにより、記
録波長が500nm以下であっても、H−Lタイプにおい
て反射率を8%以上かつ|TC−TA|を1.5%以下と
することが容易である。金属間化合物を主成分とする相
変化層は、組成設計の自由度がきわめて低いが、共融混
合物を含有し得る相変化層は、後述するように組成設計
の自由が高いため、相変化層の光学特性を比較的自由に
設定できる。また、相変化層の光学特性を比較的自由に
設定できれば、相変化層に接して設ける誘電体層の組成
も比較的自由に選択できるので、媒体全体の光学設計お
よび熱設計が容易となる。
【0030】500nm以下の短波長で記録を行えば、デ
ータ転送レートを30Mbps以上とすることが容易にでき
る。このように高転送レートで記録を行う場合、トラッ
キングサーボの安定性が高いことが要求されるが、本発
明ではH−Lタイプにおいて未記録部の反射率を十分に
高くできるので、安定したトラッキングサーボが可能で
ある。そのため本発明は、短波長のレーザービームを用
いて高転送レートで記録を行う場合に特に有利である。
【0031】なお、本明細書において記録層が共融混合
物を含有し得るとは、記録層の結晶質領域中に共融混合
物が存在し得ることがあることを意味する。この場合、
記録層の全体組成が共融混合物の組成と一致している必
要はない。SbおよびTeがつくる共融混合物としては
Sb70Te30(原子比)が挙げられるが、この共融混合
物を含有し得る記録層は、全体組成がSb70Te30であ
る必要はない。
【0032】SbおよびTeだけからなる記録層は、結
晶化温度が130℃程度と低く、保存信頼性が不十分な
ので、結晶化温度を向上させるために他の元素を添加す
ることが好ましい。この場合の添加元素としては、I
n、Ag、Au、Bi、Se、Al、P、Ge、H、S
i、C、V、W、Ta、Zn、Ti、Sn、Pb、Pd
および希土類元素(Sc、Yおよびランタノイド)から
選択される少なくとも1種が好ましい。これらのうちで
は、保存信頼性向上効果が特に高いことから、希土類元
素、Ag、InおよびGeから選択される少なくとも1
種が好ましい。
【0033】SbおよびTeを含有し、かつ、共融混合
物を含有し得る組成としては、 式I (SbxTe1-x1-yy で表されるものが好ましい。上記式Iにおいて、元素M
はSbおよびTeをそれぞれ除く元素を表し、xおよび
yは原子比を表し、好ましくは 0.2≦x≦0.90、 0≦y≦0.25 であり、より好ましくは 0.55≦x≦0.85、 0.01≦y≦0.20 である。このような組成とすることにより、記録再生波
長が500nm以下であっても、H−Lタイプにおいて反
射率を8%以上かつ|TC−TA|を5%以下にすること
が容易にできる。
【0034】上記式Iにおいて、Sbの含有量を表すx
が小さすぎると、結晶化速度が遅くなりすぎる。また、
記録層の結晶質領域での反射率が低くなるため、再生信
号出力が低くなる。また、xが著しく小さいと、記録も
困難となる。一方、xが大きすぎると、結晶状態と非晶
質状態との間での反射率差が小さくなってしまう。
【0035】元素Mは特に限定されないが、保存信頼性
向上効果を示す上記元素のなかから少なくとも1種を選
択することが好ましい。元素Mの含有量を表すyが大き
すぎると結晶化速度が低下してしまうので、yは上記範
囲内であることが好ましい。
【0036】次に、図1に示す2層構造の媒体におい
て、各記録層の反射率を8%以上とするために必要な光
学特性を調べる。
【0037】まず、第1記録層DL−1において反射率
をR1、透過率をT1、吸収率をA1とし、第2記録層D
L−2において反射率をR2、吸収率をA2、透過率をT
2とする。なお、反射率R2、吸収率A2および透過率T2
は、第2記録層DL−2単独での反射率、吸収率および
透過率である。したがって、図1に示す媒体内における
第2記録層DL−2の反射率は、レーザービームが第1
記録層DL−1を2回通過することを考慮すると、R2
×T1 2となる。また、図1に示す媒体内における第2記
録層DL−2の吸収率(媒体に入射したエネルギー量に
対する第2記録層DL−2に吸収されたエネルギー量の
比)は、レーザービームが第1記録層DL−1を通過す
ることを考慮すると、A2×T1となる。ここで、α=A
1/(A2×T1)とする。このαは、媒体中の各記録層
に同じ強度のレーザービームを照射したときの、第2記
録層DL−2の吸収エネルギーに対する第1記録層DL
−1の吸収エネルギーの比である。本明細書では、この
αを感度比と呼ぶ。
【0038】図2は、透過率T2がゼロである場合にお
いて、R1およびR2×T1 2をいずれも8%に固定したと
きの、T1とR2およびαとの関係を示すグラフである。
図3は、結晶時の第1記録層DL−1について、厚さと
反射率RC1および透過率TC1との関係をそれぞれ示すグ
ラフである。図3に示す関係は、相変化層をAg4Ge2
In3Sb67Te24(原子%)から構成し、相変化層を
挟む誘電体層をZnS−SiO2層から構成したときの
一例である。
【0039】相変化型媒体において、再生出力を高くす
るためには結晶時とアモルファス時との反射率差を大き
くする必要があり、そのためには相変化層の厚さは少な
くとも5nm必要である。しかし、図3に示されるよう
に、相変化層の厚さが5nmを超えると、透過率は50%
以下となる。第1記録層DL−1の透過率T1が50%
以下であって、かつ、両記録層の反射率がいずれも8%
となるためには、図2に示されるように第2記録層DL
−2単独での反射率を30%を超える値にする必要があ
る。また、そのとき感度比αは、約1.25以上とな
る。
【0040】本発明では、図2に示されるような関係を
考慮した上で、前記2|PA−PC|/(PA+PC)およ
び|TC−TA|が所定範囲内に収まるように媒体設計を
行う。
【0041】上記した感度比αは、両記録層に吸収され
るエネルギーの比を表すが、実際に記録する際に、第1
記録層DL−1の記録パワーに対する第2記録層DL−
2の記録パワーの比をαに設定することは好ましくな
い。通常の多層媒体では、例えば図1に示すように、レ
ーザービーム入射側から見て最も奥に存在する第2記録
層DL−2に接して反射層5が設けられる。反射層5
は、金属から構成されることが一般的であり、金属は熱
伝導率が高いため、第2記録層DL−2は、第1記録層
DL−1に比べ、レーザービーム照射時に熱が逃げやす
い。そのため、各記録層に実際に記録する際の記録パワ
ー比は、αより大きくすることが好ましい。
【0042】また、第2記録層DL−2の記録パワーマ
ージンを広くする意味からも、前記記録パワー比をαよ
り大きくすることが好ましい。
【0043】まず、前記記録パワー比と記録パワーマー
ジンとの関係について説明する。前記記録パワー比を小
さくするためには、第2記録層DL−2の記録パワーを
下げる必要がある。そのためには、第2記録層DL−2
の記録感度を高くする必要がある。記録感度を高くする
ためには、レーザービーム照射時に第2記録層DL−2
から熱が逃げにくくなるように、第2記録層DL−2付
近を徐冷構造とする必要がある。しかし、徐冷構造であ
ると、記録パワーの変動に対して敏感となる。すなわち
記録パワーマージンが狭くなる。具体的には、第2記録
層DL−2において、記録パワー変動に依存してジッタ
が大きく変動することになる。逆に、前記記録パワー比
が大きくなる設計では、記録パワーマージンが広くな
る。
【0044】一方、前述したように、第1記録層DL−
1の記録マークの有無によって第2記録層DL−2に到
達するレーザービームのパワーが影響を受けるため、第
2記録層DL−2の記録パワーマージンは広いほど好ま
しい。したがって本発明では、第2記録層DL−2の記
録パワーマージンを広くする意味からも、記録パワー比
をαより大きくすることが好ましい。
【0045】第1記録層DL−1の透過率T1が50%
以下であって、かつ、両記録層の反射率がいずれも8%
以上である場合における好ましい記録パワー比を実験的
に求めたところ、第1記録層DL−1の記録パワーに対
する第2記録層DL−2の記録パワーの比を1.5以上
にすることが好ましいことがわかった。また、前記2|
A−PC|/(PA+PC)が0.1以下となるように設
計された媒体に対し、前記記録パワー比が1.5以上と
なる条件で第2記録層DL−2に記録することにより、
第1記録層DL−1が記録済の場合および未記録の場合
のいずれにおいても、第2記録層DL−2においてジッ
タを著しく小さくできる。
【0046】ただし、記録パワー比が著しく大きいと、
第2記録層DL−2に記録するために大パワーのレーザ
ーが必要となり好ましくない。また、記録パワー比を大
きくせざるを得ない場合、すなわち感度比αがかなり大
きくなる設計では、第2記録層DL−2の反射率R2
かなり高くしなければならないため、好ましくない。そ
のため本発明では、前記パワー比が2.5以下となるよ
うに記録を行うことが好ましく、また、この範囲の記録
パワー比で記録が可能となるように媒体を設計すること
が好ましい。
【0047】
【実施例】実施例1 光学シミュレーションにより、2層の記録層を有する媒
体の設計を行った。記録再生用のレーザービーム入射側
からみて手前側を第1記録層とし、奥側を第2記録層と
した。各記録層の光学特性は以下のように表した。
【0048】第1記録層の光学特性: 反射率:RC1(結晶時)、RA1(記録マーク存在時)、 透過率:TC1(結晶時)、TA1(記録マーク存在時)、 吸収率:AC1(結晶時)、AA1(記録マーク存在時)
【0049】第2記録層単独で光学特性: 反射率:RC2(結晶時)、RA2(記録マーク存在時)、 吸収率:AC2(結晶時)、AA2(記録マーク存在時)
【0050】第2記録層(媒体内)の光学特性: 反射率:RC2×TC1 2またはRC2×TA1 2(結晶時)
【0051】感度比α:AC1/(AC2×TC1
【0052】このシミュレーションにおける前提条件は
以下の通りとした。第1に、第1記録層の結晶時の反射
率と、第2記録層(媒体内)の結晶時の反射率とを同一
とした。すなわち、 RC1=RC2×TC1 2 とした。第2に、第1記録層の反射率、透過率および吸
収率の総和を1とした。すなわち、 RC1+TC1+AC1=1、 RA1+TA1+AA1=1 とした。第3に、第2記録層の反射率および吸収率の総
和を1とした。すなわち、第2記録層の透過率をゼロと
し、 RC2+AC2=1、 RA2+AA2=1 とした。
【0053】第1記録層の光学特性と第2記録層の光学
特性とが図2に示されるような関係となることを考慮し
た上で、各記録層の設計を光学シミュレーションによっ
て行った。その結果、各記録層を下記表2に示す設計と
することにより、表2に示すように各記録層において反
射率を8%以上にでき、かつ、第1記録層において記録
前後での透過率差を1.5%以下にできることが確認で
きた。
【0054】
【表2】
【0055】なお、表2に示す各層の屈折率nおよび消
衰係数kは、実測値である。また、表2において、Zn
S−SiO2は、80モル%ZnS−20モル%SiO2
の混合物である。また、Ag−Ge−In−Sb−Te
層は、Ag4Ge2In3Sb6 7Te24(原子%)であ
る。
【0056】次に、上記シミュレーションに基づいて、
光記録ディスクサンプルを以下の手順で作製した。
【0057】ポリカーボネートからなり、射出成形によ
りグルーブ(幅0.19μm、深さ22nm、ピッチ0.
325μm)を同時成形した直径120mm、厚さ1.1m
mのグルーブを設けたディスク基体上に、Ag98Pd1
1(原子%)からなる反射層、80モル%ZnS−2
0モル%SiO2からなる誘電体層、Ag4Ge2In3
67Te24からなる相変化層、80モル%ZnS−20
モル%SiO2からなる誘電体層をスパッタ法により順
次形成し、第2記録層とした。各層の厚さは、上記シミ
ュレーションと一致するように設定した。
【0058】次に、第2記録層上に、紫外線硬化型樹脂
からなる厚さ20μmの樹脂中間層を形成した。この樹
脂中間層には、透明な樹脂スタンパを用いた2P法によ
り、上記ディスク基体のものと同じグルーブパターンを
形成した。
【0059】次に、樹脂中間層上に、80モル%ZnS
−20モル%SiO2からなる誘電体層、Ag4Ge2
3Sb67Te24からなる相変化層、80モル%ZnS
−20モル%SiO2からなる誘電体層をスパッタ法に
より順次形成し、第1記録層とした。各層の厚さは、上
記シミュレーションと一致するように設定した。
【0060】次に、第1記録層上に、紫外線硬化型樹脂
からなる厚さ90μmの樹脂保護層を形成した。
【0061】評価 このサンプルについて、レーザー波長が405nm、開口
数NAが0.85の光ディスク評価装置を用い、樹脂保
護層を通してレーザービームを入射させて特性評価を行
った。
【0062】まず、評価装置により各記録層の測定対象
領域を結晶化し、結晶時の反射率を求めた。その結果、
第1記録層では9.9%であった。また、第2記録層で
は、第1記録層の結晶状態によって異なるが8.6%以
上であった。
【0063】次に、各記録層に 線速度:5.7m/s、 ビット長:0.13μm、 変調方式:1−7変調、 転送レート:35Mbps相当 の条件で、非晶質記録マークを形成した。このときの記
録パルスストラテジとしては、DVD−RWで使用され
ている記録/消去/ボトムの3パワーをもつパワー変調
パターンを用いた。
【0064】次いで、各記録層についてジッタを測定し
た。このジッタはクロックジッタであり、クロックジッ
タは、再生信号をタイムインターバルアナライザ(横河
電機株式会社製)により測定して「信号の揺らぎ
(σ)」を求め、検出窓幅をTwとして、 σ/Tw (%) により算出した。
【0065】各記録層について、以下の手順で記録/消
去の最適パワーを求めた。なお、ボトムパワーは0.1
mWに固定した。まず、パワー比(記録パワー:消去パワ
ー)を10:3、10:5または10:7のそれぞれに
固定した状態で、ランダムジッタの記録パワー依存性を
測定し、各パワー比のそれぞれにおいてジッタが最小と
なる記録パワーを決定する。各パワー比においてジッタ
が最小となる記録パワーのうち、ジッタが最も小さくな
る記録パワーを最適記録パワーとする。次に、記録パワ
ーを最適記録パワーに固定し、ランダムジッタの消去パ
ワー依存性を測定する。この測定において、消去パワー
は、最適記録パワーが得られた上記パワー比における消
去パワーを中心に変化させる。この測定においてジッタ
が最も小さくなる消去パワーを、最適消去パワーとす
る。
【0066】なお、本発明を書き換え可能な相変化型媒
体に適用する場合には、このようにして最適パワーを求
めるが、消去パワーを使用しない記録方法が適用される
媒体における最適記録パワーも、ジッタが最小となる記
録パワーである。
【0067】このようにして求めた第1記録層における
記録/消去の各最適パワーは、 記録/消去=4.6/2.3(mW) であった。また、第1記録層が未記録のときの第2記録
層における最適パワーは、 記録/消去=8.0/4.0(mW) であった。また、第1記録層にランダム信号を記録した
後の第2記録層における最適パワーは、 記録/消去=8.4/4.2(mW) であった。
【0068】したがって、第1記録層の記録の有無によ
る第2記録層の最適記録パワーのずれは8.4−8.0
=0.4(mW)であり、両最適記録パワーの平均値に対
する前記ずれの比率は0.049であった。また、最適
消去パワーのずれは0.2mWであり、両最適消去パワー
の平均値に対する前記ずれの比率は0.049であっ
た。
【0069】この光記録ディスクサンプルの第2記録層
に対し、記録/消去のパワーを8.2/4.1(mW)に
固定してオーバーライトを行ったところ、第1記録層へ
の記録の有無によらず、クロックジッタは9.8%であ
った。第2記録層における記録パワーをこのように8.
2mWとし、一方、第1記録層における記録パワーを上記
最適パワー(4.6mW)とした場合、記録パワー比は
8.2/4.6=1.78となる。
【0070】また、平坦なディスク状ポリカーボネート
基体上に、非晶質の第1記録層を上記条件で形成し、そ
の上に上記樹脂保護層を形成して、透過率測定用サンプ
ルを作製した。このサンプルについて、(株)日立製作
所の初期化機POP-120により第1記録層を部分的に結晶
化し、結晶質領域および非晶質領域のそれぞれにおい
て、波長405nmでの透過率を分光光度計により測定し
た。この測定により得られた非晶質領域の透過率を、記
録済時の透過率に換算したところ、第1記録層の透過率
は、未記録時(結晶質時)に49%、記録済時に48%
であり、その差は1%であった。
【0071】実施例2 記録層の層構成を下記表3に示すものに変更したほかは
実施例1と同様にして光学シミュレーションを行った。
その結果、各記録層を下記表3に示す設計とすることに
より、各記録層において反射率を8%以上にでき、か
つ、第1記録層において記録前後での透過率差を1.5
%以下にできることが確認できた。
【0072】
【表3】
【0073】なお、表3において、ZnS−SiO
2は、80モル%ZnS−20モル%SiO2の混合物で
ある。また、記録層は、Ag4Ge2In3Sb67Te24
(原子%)である。
【0074】次に、各記録層の構成を表3に示されるも
のとしたほかは実施例1と同様にして、光記録ディスク
サンプルを作製した。なお、AlN層は、Alターゲッ
トを用い、Ar+N2雰囲気中において反応性スパッタ
法により形成した。
【0075】評価 このサンプルについて、実施例1と同様な評価を行っ
た。
【0076】その結果、結晶時の反射率は、第1記録層
では10%、第2記録層では8%以上であった。
【0077】また、第1記録層における記録/消去の各
最適パワーは、 記録/消去=5.0/2.5(mW) であった。また、第1記録層が未記録のときの第2記録
層における最適パワーは、 記録/消去=8.2/4.1(mW) であった。また、第1記録層にランダム信号を記録した
後の第2記録層における最適パワーは、 記録/消去=8.6/4.3(mW) であった。したがって、第1記録層の記録の有無による
第2記録層の最適記録パワーのずれは8.6−8.2=
0.4(mW)であり、両最適記録パワーの平均値に対す
る前記ずれの比率は0.048であった。また、最適消
去パワーのずれは0.2mWであり、両最適消去パワーの
平均値に対する前記ずれの比率は0.048であった。
【0078】この光記録ディスクサンプルの第2記録層
に対し、記録/消去のパワーを8.4/4.2(mW)に
固定してオーバーライトを行ったところ、第1記録層へ
の記録の有無によらず、クロックジッタは9.8%であ
った。第2記録層における記録パワーをこのように8.
4mWとし、一方、第1記録層における記録パワーを上記
最適パワー(5.0mW)とした場合、記録パワー比は
8.4/5.0=1.68となる。
【0079】また、波長405nmでの第1記録層の透過
率を実施例1と同様にして求めたところ、未記録時(結
晶質時)に47%、記録済時に46%であり、その差は
1%であった。
【0080】比較例 記録層の層構成を表4に示すものに変更したほかは実施
例1と同様にして光学シミュレーションを行った。その
結果、各記録層を下記表4に示す設計とすると、各記録
層において反射率は8%以上にできるが、第1記録層に
おいて記録前後での透過率差が1.5%を超えてしまう
ことが確認できた。
【0081】
【表4】
【0082】なお、表4において、ZnS−SiO
2は、80モル%ZnS−20モル%SiO2の混合物で
ある。また、記録層は、Ge2Sb2Te5(原子%)で
ある。
【0083】次に、各記録層の構成を表4に示されるも
のとしたほかは実施例1と同様にして、光記録ディスク
サンプルを作製した。
【0084】評価 このサンプルについて、実施例1と同様な評価を行っ
た。
【0085】その結果、結晶時の反射率は、第1記録層
では9%、第2記録層では8%以上であった。
【0086】また、第1記録層における記録/消去の各
最適パワーは、 記録/消去=4.4/2.5(mW) であった。また、第1記録層が未記録のときの第2記録
層における最適パワーは、 記録/消去=8.3/4.3(mW) であった。また、第1記録層にランダム信号を記録した
後の第2記録層における最適パワーは、 記録/消去=9.2/4.8(mW) であった。したがって、第1記録層の記録の有無による
第2記録層の最適記録パワーのずれは9.2−8.3=
0.9(mW)であり、両最適記録パワーの平均値に対す
る前記ずれの比率は0.103であった。また、最適消
去パワーのずれは0.5mWであり、両最適消去パワーの
平均値に対する前記ずれの比率は0.110であった。
【0087】また、波長405nmでの第1記録層の透過
率を実施例1と同様にして求めたところ、未記録時(結
晶質時)に51%、記録済時に49%であり、その差は
2%であった。
【0088】この比較例で作製した光記録ディスクサン
プルについて、第1記録層の記録前後において同一の記
録/消去パワーで第2記録層に記録を行ったところ、第
1記録層の記録前後のいずれかでクロックジッタを10
%以下にすることはできたが、記録前後の両方とも10
%以下にすることはできなかった。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、2層の記録層を積層し
た多層光記録媒体において、記録マーク形成により反射
率が低下するHigh to Lowタイプとした上で、光入射側
から見て手前側に存在する記録層の記録状態にかかわら
ず、奥側の記録層への安定した記録を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される光記録媒体の構成例を示す
部分断面図である。
【図2】第1記録層DL−1の反射率R1および第2記
録層DL−2の反射率R2×T1 2をいずれも8%に固定
したときの、第1記録層DL−1の透過率T1と、第2
記録層DL−2単独での反射率R2および感度比αとの
関係をそれぞれ示すグラフである。
【図3】第1記録層DL−1について、厚さと反射率R
C1および透過率TC1との関係をそれぞれ示すグラフであ
る。
【符号の説明】
2 樹脂保護層 20 支持基体 31 第1誘電体層 32 第2誘電体層 4 相変化層 5 反射層 DL−1、DL−2 記録層 TL 透明中間層
フロントページの続き Fターム(参考) 5D029 JB13 JB14 JB45 JB47 JC04 JC06 5D090 AA01 BB05 BB12 CC01 DD01 EE01 KK02 KK06 5D119 AA23 BA01 BB04 BB13 DA01 HA45 5D789 AA23 BA01 BB04 BB13 DA01 HA45

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれレーザービームによって記録が
    行われる第1記録層および第2記録層を有し、 第1記録層および第2記録層は、記録マーク形成により
    反射率が低下し、かつ、未記録領域における記録波長で
    の反射率が8%以上であり、 第1記録層の記録済領域を通して照射されたレーザービ
    ームにより第2記録層に記録を行ったときの最適記録パ
    ワーPAと、第1記録層の未記録領域を通して照射され
    たレーザービームにより第2記録層に記録を行ったとき
    の最適記録パワーPCとの関係が、 2|PA−PC|/(PA+PC)≦0.1 となる光記録媒体。
  2. 【請求項2】 第1記録層は、記録済領域における記録
    波長での透過率TAと、未記録領域における記録波長で
    の透過率TCとの差の絶対値が1.5%以下である請求
    項1の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 波長500nm以下のレーザービームによ
    り記録が行われる請求項1または2の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 30Mbps以上の転送レートで記録が行わ
    れる請求項1〜3のいずれかの光記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの光記録媒体に
    記録する方法であって、 第2記録層に記録する際に照射するレーザービームのパ
    ワーを、第1記録層に記録する際に照射するレーザービ
    ームのパワーの1.5〜2.5倍に設定する光記録方
    法。
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