JP2000160037A - エラストマー組成物およびそれを用いる電子写真装置用弾性部材 - Google Patents

エラストマー組成物およびそれを用いる電子写真装置用弾性部材

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JP2000160037A
JP2000160037A JP10337921A JP33792198A JP2000160037A JP 2000160037 A JP2000160037 A JP 2000160037A JP 10337921 A JP10337921 A JP 10337921A JP 33792198 A JP33792198 A JP 33792198A JP 2000160037 A JP2000160037 A JP 2000160037A
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elastomer composition
polymer
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halogen group
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Shunichi Yabushita
俊一 籔下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子写真装置の感光体に接触する部分の用い
る、難燃性で低汚染性の弾性部材用エラストマー組成物
を提供する。 【解決手段】電子写真装置の感光体に接触する部分に用
いられる弾性部材用エラストマー組成物であって、該エ
ラストマーがハロゲン基を有するポリマーと炭酸塩鉱物
とを含有することを特徴とするエラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置の感
光体に接触する部分に用いられる弾性部材用エラストマ
ー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真装置の小型化・環境対策
として接触帯電転写方式が採用されるよになってきてお
り、それらの部材の材料としてゴムやプラスチックなど
のエラストマーが用いられている。その材質としては、
一般にウレタンゴムやEPDMなどが使用されている。
これらエラストマーには、加工性向上や低硬度化のため
に可塑剤、老化防止剤などの添加剤が配合されているこ
とが多い。ところが、これら可塑剤、老化防止剤などの
添加剤、ポリマー中の低分子量分などが接触帯電部材の
表面に滲みだしてくると、接触帯電部材が感光体に接触
した際に感光体表面に移り、最悪の場合その部分を変質
させ感光体の機能を失うことになる。そこで、このよう
なブリードやブルーム防止のために、従来、塗膜を設け
ることが考えられている(特開平8−211699号公
報)。しかし、この防止膜によって、初期のブリードや
ブルームの防止は期待できるが、長期使用によって防止
膜の劣化、すなわち防止膜にクラックやピンホールが発
生し、その部分からブリードやブルームを生じ、感光体
を汚染する恐れが出てくる。
【0003】一方、電子写真複写装置においては数千ボ
ルトの電圧を使用することもあり、該装置の高性能化の
一つとして該装置自体およびそれに用いられて部材を難
燃化することが要望されている。ところが、従来の電子
写真複写装置において使用されている部材の中には、例
えば特開平5−281830号公報に開示されているよ
うなポリウレタンを材料とした部材のように、難燃性を
全く有していないものがある。ウレタンゴムやEPDM
は、難燃性を有しない材質である。この難燃性を付与す
るために、ポリマーに難燃剤を添加することが考えられ
るが、液状難燃剤を使用するとブルームの恐れがあり、
また粉状難燃剤の場合大量に添加する必要があることか
ら物性の低下を招くことになる。エラストマー組成物の
ポリマーとして難燃性を有するもの、例えばハロゲン基
を有するポリマーを使用すると、難燃性が確保できる。
しかし、ハロゲン基を有するポリマー、例えばクロロプ
レンゴムは難燃性ではあるものの、電子写真装置の部材
に用いると、感光体を汚染するという欠点がみられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、電子写真装置の弾性部材用であって難燃性かつ低汚
染性のエラストマー組成物を提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の状況に鑑みて、本
発明者はハロゲン基を有するポリマーを対象にその低汚
染化を図るべくクロロプレンゴムを対象に鋭意検討した
結果、従来、このゴムには受酸剤として酸化マグネシウ
ムが添加されていることから、この酸化マグネシウムと
クロロプレンから発生する塩素とが反応して塩化マグネ
シウムが生成され、この生成物が感光体汚染の主原因で
あることを究明するに至った。この知見を下に種々検討
したところ、クロロプレンに炭酸塩鉱物の一つであるハ
イドロタルサイトを添加することにより、難燃性でしか
も低汚染性の高性能弾性材料を得ることに成功し、さら
に引き続き研究して本発明を完成したものである。
【0006】すなわち、本願は次の発明を包含する。 1)電子写真装置の感光体に接触する部分に用いられる
弾性部材用エラストマー組成物であって、該エラストマ
ーがハロゲン基を有するポリマーと炭酸塩鉱物とを含有
することを特徴とするエラストマー組成物。 2)前記ハロゲン基を有するポリマーがクロロプレンゴ
ムであることを特徴とする上項1)記載のエラストマー
組成物。 3)前記炭酸塩鉱物が一般式 Mgh2(OH)iCO3・nH2O (式中、RはAl,CrまたはFeを、hは4〜8を,
iは10〜20を、nは任意の数をそれぞれ示す。)で
表されるハイドロタルサイトである上項1)または2)
記載のエラストマー組成物。 4)ハイドロタルサイトがMg6Al2(OH)16CO3
・4H2Oである上項3)記載のエラストマー組成物。 5)電子写真装置の感光体に接触する部分の弾性部材用
エラストマーが上項1)、2)、3)または4)のいず
れかに記載のエラストマー組成物であることを特徴とす
る電子写真装置用弾性部材。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明でいう電子写真装置は、電
子写真方式による画像形成装置であって,例えば静電式
複写機、ファクシミリ、プリンタなどを包含する。ま
た、この装置の感光体に接触する部分としては、帯電ロ
ーラ、転写ローラあるいは転写ベルトなどが挙げられ
る。
【0008】本発明において、主材料ポリマーであるハ
ロゲン基を有するポリマーとしては、ハロゲン原子(フ
ッ素、塩素、臭素、)を有し、通常、エラストマー組成
物に使用できるポリマーであれば特に限定されない。例
えばクロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレ
ン、エピクロヒドリンゴム、臭化ブチルゴムまたはフッ
素ゴム等が挙げられるが、とりわけクロロプレンゴムが
好ましく使用できる。本発明においては、ハロゲン基を
有するポリマーを主材料ポリマーとして使用するもので
あるが、その難燃性を阻害しない限度においてそれ以外
の弾性ポリマーを添加混合してもよく、その添加量は原
料ポリマー100重量部に対して約10重量部以下であ
ることが好ましい。ハロゲン基を有するポリマー以外の
弾性ポリマーとしては、例えばイソプレンゴム、アクリ
ロニトリル-ブタジエン共重合ゴム(NBR),エチレ
ン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM),エチレ
ン-プロピレンゴム(EPM),天然ゴム(IR),ス
チレン-ブタジエン共重合ゴム(SBR),アクリロニ
トリル-ブタジエン共重合ゴムの水素化物(HNB
R),スチレン-ブタジエン共重合ゴムの水素化物(H
SBR)、多硫化ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、
ポリノルボーネンゴム、ブチルゴム(IIR)等の合成
ゴム、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、ビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、メタア
クリル樹脂、ポリシアノアクリレート、エチレン-酢酸
ビニル共重合樹脂、ポリエーテル樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、ポリカーボネート、6−ナイロン、6,6−
ナイロン,ポリウレタン樹脂などの合成樹脂が挙げられ
る。
【0009】次に、炭酸塩鉱物は、炭酸の塩類の組成を
もつ鉱物の総称であり、うすい酸に溶けて二酸化炭素を
発生するものである。この炭酸塩鉱物は、1)酸性炭酸
鉱物、2)無水正常炭酸塩鉱物:A(CO3)型、AB
(CO32, 3)含水正炭酸塩鉱物:A(CO32
xH2O型、4)水酸基あるいはハロゲンを含む炭酸塩
鉱物:Am(CO3)pZq型、5)複合炭酸塩鉱物な
どに分類される。
【0010】これらのなかでも、本発明においては、一
般式 Mgh2(OH)iCO3・nH2O (式中、RはAl,CrまたはFeを、hは4〜8を,
iは10〜20を、nは任意の数をそれぞれ示す。)で
表されるハイドロタルサイトが好ましく用いられる。こ
こでnは、通常、0〜4の範囲であるものが好ましい。
【0011】上記の一般式において、RがAlであるも
のがとりわけ好ましく、その具体例としては式:Mg6
Al2(OH)16CO3・4H2Oで表されるハイドロタ
ルサイトが挙げられる。炭酸塩鉱物は、通常、ハロゲン
基を有するポリマー100重量部に対して約4重量部以
上、好ましくは約6〜10重量部の割合で添加される。
添加量が4重量部未満の場合、受酸剤としての作用が満
足ではなく、補足しきれない塩素が感光体汚染を引き起
こすことが多い。
【0012】本発明は、ハロゲン基を有するポリマーを
使用するときに受酸剤として添加される酸化マグネシウ
ムの代えて炭酸塩鉱物を添加するものであるが、本発明
の作用・効果を阻害しない程度において酸化マグネシウ
ムを併用することを妨げるものではない。酸化マグネシ
ウムを添加する場合、その添加量は、原料ポリマー10
0重量部に対し約2重量部以下の割合にするのがよく、
この割合を越えると塩化マグネシウムが多く発生し、感
光体汚染の原因となりやすい。
【0013】本発明のエラストマー組成物は、ハロゲン
基を有するポリマーに炭酸塩鉱物を含有せしめること以
外は、原則的に常法の配合技術と通常の配合剤を適宜添
加することにより調製できる。しかしながら、耐汚染性
の効果をより完全に発揮させるために、配合剤は固体系
成分を主体することが好ましく、液体系成分(例、液状
難燃化剤、液状ゴム)や低分子ゴム成分を実質的に含有
させない方が有利である。
【0014】本発明においては、以下に挙げるような配
合剤を常法により添加することができる。 加硫剤:粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、有機過酸化
物などが挙げられるが、得られるゴム組成物の機械的特
性やコスト、加工性などの面から粉末硫黄が最も好まし
い。 加硫促進剤:テトラメチルチウラムジスルフィドあるい
はテトラエチルチウラムジスルフィド等のチウラム類;
ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカル
バミン酸亜鉛あるいはジエチルジチオカルバミン酸テル
ル等のジチオカルバミン酸塩類;2−メルカプトベンゾ
チアゾールあるいはジベンゾチアジルジスルフィド等の
チアゾール類;N−シクロヘキシルー2−ベンゾチアゾ
リルスルフェンアミドあるいはN−tert−ブチルー
2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェン
アミド類;N,N'−ジフェニルグアニジンあるいはN,
N'−ジーo−トリルグアニジン等のグアニジン類な
ど。 加硫促進助剤:酸化亜鉛等の金属塩;ステアリン酸、オ
レイン酸あるいは綿実脂肪酸等の脂肪酸など。 老化防止剤:2−メルカプトベンゾイミダゾール等のイ
ミダゾール類;フェニルーα―ナフチルアミン、N,N'
−ジーエチルーβ-ナフチルーp−フェニレンジアミン
あるいはN―フェニルーN'−イソプロピルーp−フェ
ニレンジアミン等のアミン類;2、2'メチレンビス
(4−メチルー6−tert−ブチルフェノール)ある
いは2,6―ジーtert−ブチルー4−メチルフェノ
ール等のフェノール類など。 可塑剤:可塑剤は添加しないことが最も好ましいが、ア
ロマ系、ナフテン系、パラフィン系等の可塑剤を5重量
部以下であれば添加してもよい。 充填剤・補強剤:カーボンブラックや炭酸カルシウム、
クレー、ケイ藻土など。
【0015】本エラストマー調製物の製造にあたって
は、所定のポリマーと配合剤を配合し、混練後、加硫に
供する。この場合、プレス加硫が、加硫と同時に使用目
的に合った成形をなし得るので有利に採用できる。成形
にあたっては、電子写真装置の感光体に接触する部分に
用いられる弾性部材用としての機能を有するように、適
宜な形状が選択される。
【0016】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて本発明
をさらに具体的に説明する。 実施例1〜4および比較例1〜6 (感光体汚染試験)表1に示すように、実施例1〜4お
よび比較例1〜6のとおりの配合割合で原料成分を混練
し、170℃で30分間の条件でプレス加硫を行い、1
0cm×10cm×厚さ2mmのゴムシートを作製し
た。各ゴムシートの表面をバフ研磨し、次いで複写機
(株式会社リコー社製、SPIRIO 3550)用感
光体に圧接し、室温(約30℃)、湿度90%の雰囲気
下で1週間放置した後、複写機に組み込んでコピーに供
し、コピー何枚目でゴムの圧接跡が消えるかを調べた。
コピー3枚目までに跡が消えたものを良好「○」、4枚
目以降も跡が残ったものを不良「×」と判定した。 (難燃性試験)表1に示すように、実施例1〜4および
比較例1〜6のとおりの配合割合で原料成分を混練し、
170℃で30分間の条件でプレス加硫を行い、10c
m×10cm×厚さ0.5mmのゴムシートを作製し
た。各ゴムシートをUL−94VTM法により難燃性試
験を行い、VTM−2以上の難燃性を示したものを
「○」、VTM−2よりも悪い難燃性を示したものを
「×」と判定した。
【0017】なお、表1における各原料は、次のものを
用いた。 クロロプレン:デュポンダウエラストマージャパン「ネ
オプレンWRT」 イソプレンゴム:JSR[IR2200] ハイドロタルサイト:Mg4.5Al2(OH)13CO3
3.5H2O(協和化学「DHT−4A」) 酸化マグネシウム:協和化学「マグサラット150S
T」 カーボンブラック:三菱化学「ダイヤラックH」 酸化亜鉛:三井金属「酸化亜鉛2種」 粉末硫黄:鶴見化学製 加硫促進剤A:ジーo−トリルグアニジン(大内新興化
学「ノクセラーDT」) 加硫促進剤B:テトラメチルチウラムモノスルフィド
(大内新興化学「ノクセラーTS」)
【0018】
【表1】
【0019】表1の結果のとおり、実施例1〜4の本発
明のエラストマー組成物は、クロロプレンゴムにハイド
ロタルサイトが添加されていることから、いずれも感光
体を汚染することがなくしかも強い難燃性を示し、電子
写真複写装置の感光体に接触する部分の弾性部材用エラ
ストマーとして高性能を有するものである。これに対し
て、比較例に見られるように、クロロプレンゴムを使用
すると難燃性は確保できるもののハイドロタルサイトが
無添加もしくは有効量に達しないときには感光体汚染が
起こり(比較例1、3、5)、また酸化マグネシウムの
併用量が多すぎるときにも同様に汚染が起こる(比較例
4)。また、ハロゲン基を有しないポリマーであるイソ
プレンを単独使用するときまたはクロロプレンゴムとの
併用量が多すぎるときは、難燃性が悪いことがわかる
(比較例2、6)。
【0020】
【発明の効果】本発明のエラストマー組成物は、電子写
真装置の感光体に接触する部分の弾性部材用に使用する
とき、難燃性でしかも感光体の耐汚染性に極めて優れて
おり、有用性の高いものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子写真装置の感光体に接触する部分に用
    いられる弾性部材用エラストマー組成物であって、該エ
    ラストマーがハロゲン基を有するポリマーと炭酸塩鉱物
    とを含有することを特徴とするエラストマー組成物。
  2. 【請求項2】前記ハロゲン基を有するポリマーがクロロ
    プレンゴムであることを特徴とする請求項1記載のエラ
    ストマー組成物。
  3. 【請求項3】前記炭酸塩鉱物が一般式 Mgh2(OH)iCO3・nH2O (式中、RはAl,CrまたはFeを、hは4〜8を,
    iは10〜20を、nは任意の数をそれぞれ示す。)で
    表されるハイドロタルサイトである請求項1または2記
    載のエラストマー組成物。
  4. 【請求項4】ハイドロタルサイトがMg6Al2(OH)
    16CO3・4H2Oである請求項3記載のエラストマー組
    成物。
  5. 【請求項5】電子写真装置の感光体に接触する部分のエ
    ラストマーが請求項1、2、3または4のいずれかに記
    載のエラストマー組成物であることを特徴とする電子写
    真装置用弾性部材。
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