JP4855643B2 - 耐酸性に優れた加硫用ゴム組成物およびその加硫ゴム材料 - Google Patents

耐酸性に優れた加硫用ゴム組成物およびその加硫ゴム材料 Download PDF

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Description

本発明は、耐酸性の改良されたエピハロヒドリン系ゴムをベ−スとする加硫用ゴム組成物および該組成物を加硫してなる加硫ゴム材料、ならびに該加硫ゴム材料よりなる自動車用ゴム部品に関する。本発明において、耐酸性に優れるとは、酸性水溶液に浸漬時の体積増加率△V(%)が小さいことを言う。
エピハロヒドリン系ゴム材料はその耐熱性、耐油性、耐オゾン性等を活かして、自動車用途では燃料ホースやエアー系ホース等チューブ材料として幅広く使用されている。
エピハロヒドリン系ゴムの受酸剤としては、酸化マグネシウム、鉛化合物、酸化亜鉛、合成ハイドロタルサイト、消石灰、生石灰などが知られている。これらの中で加硫ゴムの耐水性が最も良いとされているのは鉛化合物である。ところが、近年、自動車産業においては環境負荷物質である鉛化合物の低減、全廃などの自主規制や法規制が行われており、実質的に鉛化合物は使用が制限されつつある。
しかしながら受酸剤としてマグネシウム系化合物やカルシウム系化合物を使用すれば、耐水性は相当劣る。このため、含ハロゲンエラストマーの耐水性を改良する手段として、受酸剤としてハイドロタルサイト類を用いる方法が提案されているが、マグネシウム、カルシウム系に比べて相対的に良くはなっているものの、まだ不充分であり、更なる改良が望まれている(特開昭57−151652号公報)。
非鉛配合ゴムの耐水性改善方法としては、クロロプレンゴムについては、湿式法シリカの添加により耐水性(耐水膨潤性))向上を図った例、また湿式法シリカとジエチレンングリコールとの併用により更に耐水性(耐水膨潤性)向上を図った例(H.H.Klever著 、Du Pont社 技術資料 BL−353、April 1959)がある。しかし湿式法シリカまたは湿式法シリカとジエチレングリコールの併用によってそのような効果が発現する機構については記載がなく、さらに他の高分子においても同様の効果が得られるとの示唆もなされてない。
またエピクロロヒドリンゴムについて乾式法シリカを配合し、酸性のエンジン凝縮水に対する耐膨潤性を改善した例(Peter J.Abraham等 著 ラバーワールド(RUBBER WORLD)Feb 2003,p25−p43)があるが、乾式法シリカと湿式法シリカとでは製法において全く異なり、調製されたシリカの特性も異なることが良く知られている。したがって乾式法シリカにおいて発現した効果が、湿式法シリカの配合物についても同様に発現すると予測することは一般的に困難である。
また、乾式法シリカまたは湿式法焼成シリカをエピクロルヒドリンゴムに配合しマイクロ波加硫用組成物とした例として、特公H7−64974及び特公H7−68448があり、耐水性が向上したとの記載はあるが、耐酸性については何等触れられておらず特に湿式法シリカについては耐水性も、耐酸性も不明である。
特開昭57−151652号公報 H.H.Klever著 、Du Pont社 技術資料 BL−353、April 1959 Peter J.Abraham等 著 ラバーワールド(RUBBER WORLD)Feb 2003,p25−p43 特公H7−64974(実施例2,3、比較例1,2,3) 特公H7−68448(実施例2,3、比較例1,2,3)
本発明の目的は、上記実情に鑑み、鉛化合物を使用せず、エピハロヒドリン系ゴム加硫物の耐酸性を向上せしめる方法を提供するところにある。
本発明者等はエピクロロヒドリンゴムに湿式法シリカを配合した加硫用組成物は加工性に優れており、該加硫組成物は耐酸性および圧縮永久歪性、とりわけに耐酸性優れていることを見出し本発明を完成させるに至った。本発明において、耐酸性に優れるとは、加硫物を酸性水溶液に浸漬した時の体積増加率△V(%)が小さいことを言う。
すなわち本発明は、(a)エピハロヒドリン系ゴム、(b)湿式法シリカ、(c)非鉛系受酸剤、および(d)加硫剤からなり、
(b)湿式法シリカの配合量が、エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して、15〜35重量部であることを特徴とする耐酸性に優れた加硫用ゴム組成物、あるいは更に(e)多価アルコールを配合することを特徴とする耐酸性に優れた加硫用ゴム組成物、これらの組成物を加硫してなる加硫ゴム材料、ならびに該加硫ゴム材料よりなる自動車用ゴム部品に関する。
本発明の加硫用組成物は加工性に優れ、該加硫物は通常のエピハロヒドリン系ゴムの基本的な特徴を有し、かつ耐酸性および圧縮永久歪性、とりわけに耐酸性に優れている。
酸性水溶液の酸の種類は特に限定されるものではないが、例えば蟻酸、酢酸、クエン酸などの有機酸や、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、炭酸などの無機酸、あるいはこれらの酸の2種以上の混合物が挙げられる。また酸性水溶液としては例えば、濃度1N以下の有機酸及び/または無機酸の水溶液で温度40〜90℃の酸水溶液である。したがってこのエピハロヒドリン系ゴム製品は酸性水溶液と接液するようなゴム部材、例えば各種ホース、異形押出製品、型物製品、ガスケット、パッキンなどの用途に極めて有用である。
本発明組成物において、(a)エピハロヒドリン系ゴムとは、エピハロヒドリン単独重合体またはエピハロヒドリンと共重合可能な他のエポキシド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル等との共重合体をいう。これらを例示すれば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピブロムヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピブロムヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピブロムヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピブロムヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体、エピブロムヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等を四元共重合体等を挙げることができる。好ましくはエピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体であり、さらに好ましくはエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体である。
共重合体の場合、それら共重合割合は、例えば、エピクロルヒドリン5mol〜95mol%、好ましくは10mol%〜75mol%、さらに好ましくは10〜65mol%、エチレンオキサイド5mol%〜95mol%、好ましくは25mol%〜90mol%、さらに好ましくは35mol%〜90mol%、アリルグリシジルエーテル0mol%〜10mol%、好ましくは0mol%〜8mol%、さらに好ましくは0mol%〜7mol%である。これら単独重合体または共重合体の分子量は特に制限されないが、通常ムーニー粘度表示でML1+4(100℃)=30〜150程度である。
本発明に用いられる(b)湿式法シリカとは、ケイ酸ナトリウム水溶液をまたはアルカリ土類金属ケイ酸塩を、酸分解する等により製造される含水ケイ酸の微粒子で、二酸化ケイ素を主体としたゴム用充填材である。湿式法シリカの市販品を例示すると、カープレックス、トクシール、ニップシール、シルトンなどが挙げられる。一方で、アエロジルなどの乾式法シリカは見掛け比重が小さいため、加硫用ゴム組成物の混合作業が非常に困難である。また、コンパウンド粘度が増大する傾向があり、加工性に問題がある。更に乾式法シリカは湿式法シリカを配合した場合に比べ加硫物の圧縮永久歪性が増大する傾向がある。
湿式法シリカの配合量はエピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して、15〜35重量部である。湿式法シリカの量が少な過ぎると、ゴム製品の耐酸性向上効果が小さく多過ぎると、コンパウンド粘度が増大し加工性が困難になる。
(比較例3参照)
本発明で用いられる非鉛系受酸剤(c)としては、加硫剤に応じて公知の非鉛系受酸剤を使用できるが、好ましくは非鉛系の金属化合物および/または無機マイクロポーラス・クリスタルである。金属化合物としては、周期表第II族(2族および12族)金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩、周期表第IV族(4族および14族)の非鉛系金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩、三塩基性硫酸塩等の金属化合物が挙げられる。
前記、金属化合物の具体例としては、マグネシア、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ナトリウム、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、亜鉛華、酸化錫、ステアリン酸錫、塩基性亜リン酸錫、等を挙げることができる。特に好ましい受酸剤としてはマグネシア、炭酸カルシウム、消石灰、生石灰が挙げられる。
前記、無機マイクロポーラス・クリスタルとは、結晶性の多孔体を言い、無定型の多孔体、例えばシリカゲル、アルミナ等とは明瞭に区別できるものである。このような無機マイクロポーラス・クリスタルの例としては、ゼオライト類、アルミノホスフェート型モレキュラーシーブ、層状ケイ酸塩、合成ハイドロタルサイト、チタン酸アルカリ金属塩等が挙げられる。特に好ましい受酸剤としては、合成ハイドロタルサイトが挙げられる。
ゼオライト類は、天然ゼオライトの外、A型、X型、Y型の合成ゼオライト、ソーダライト類、天然ないしは合成モルデナイト、ZSM−5などの各種ゼオライトおよびこれらの金属置換体であり、これらは単独で用いても2種以上の組み合わせで用いても良い。また金属置換体の金属はナトリウムであることが多い。ゼオライト類としては酸受容能が大きいものが好ましく、A型ゼオライトが好ましい。
合成ハイドロタルサイトは下記一般式(3)
MgXZnYAlZ(OH)(2(X+Y)+3Z-2)CO3・wH2O (3)
[式中、xとy はそれぞれx+y=1〜10の関係を有する0〜10の実数、zは1〜5の実数、wは0〜10の実数をそれぞれ示す]で表わされる。一般式(5)で表されるハイドロタルサイト類の例として、
Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2
Mg4.5 Al2 (OH)13CO3
Mg4 Al2 (OH)12CO3 ・3.5H2
Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2
Mg5 Al2 (OH)14CO3 ・4H2
Mg3 Al2 (OH)10CO3 ・1.7H2
Mg3 ZnAl2 (OH)12CO3 ・wH2
Mg3 ZnAl2 (OH)12CO3
等を挙げることができる。
受酸剤の配合量は、エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して好ましくは0.2〜50重量部、例えば0.5〜50重量部、特に1〜20重量部である。この範囲未満の配合量では架橋が不十分となり、一方この範囲を超えると加硫物が剛直になりすぎてエピハロヒドリン系ゴム加硫物として通常期待される物性が得られなくなる恐れがある。
本発明で用いられる加硫剤(d)としては、エピハロヒドリン系ゴムを架橋できるものであれば特に限定されないが、塩素原子の反応性を利用する公知の加硫剤、即ちポリアミン類、チオウレア類、チアジアゾール類、メルカプトトリアジン類、キノキサリン類、ビスフェノール類等が、また、側鎖二重結合の反応性を利用する公知の加硫剤、例えば、有機過酸化物、硫黄、モルホリンポリスルフィド類、チウラムポリスルフィド類等が適宜使用される。特に好ましい加硫剤はチオウレア類、キノキサリン類、メルカプトトリアジン類、ビスフェノール類が挙げられる。
加硫剤を例示すれば、ポリアミン類としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、p-フェニレンジアミン、クメンジアミン、N,N'−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、エチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミンカーバメート等が挙げられ、チオウレア類としては、2−メルカプトイミダゾリン、1,3−ジエチルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等が挙げられ、チアジアゾール類としては、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−5−チオベンゾエート等が挙げられ、メルカプトトリアジン類としては、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、1−ヘキシルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ジエチルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−シクロヘキシルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ジブチルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、1−フェニルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン等が挙げられ、キノキサリン類としては、2,3−ジメルカプトキノキサリン、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチカーボネート等が挙げられ、ビスフェノール類としてはビスフェノールAF、ビスフェノールS等が挙げられ、有機過酸化物としては、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられ、モルホリンポリスルフィド類としては、モルホリンジスルフィドが挙げられ、チウラムポリスルフィド類としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド等が挙げられる。
加硫剤の配合量は、エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.3〜5重量部である。この範囲未満の配合量では架橋が不十分となり、一方この範囲を超えると加硫物が剛直になりすぎてエピハロヒドリン系ゴム加硫物として通常期待される物性が得られなくなる恐れがある。特に好ましい加硫剤としては、2−メルカプトイミダゾリン(エチレンチオウレア)、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、トリメルカプト−S−トリアジンなどが挙げられる。加硫剤は一種を単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いても良い。
また、通常これらの加硫剤と共に用いられる公知の促進剤(即ち、加硫促進剤)、遅延剤等を本発明の加硫用ゴム組成物にもそのまま用いることができる。これらの加硫促進剤の例としては、硫黄、チウラムスフィド類、モルホリンスルフィド類、アミン類、アミンの弱酸塩類、塩基性シリカ、四級アンモニウム塩類、四級ホスホニウム塩類、多官能ビニル化合物、メルカプトベンゾチアゾール類、スルフェンアミド類、ジメチオカーバメート類等を挙げることができる。遅延剤としてはN−シクロヘキサンチオフタルイミド、有機亜鉛化合物、酸性シリカ等を挙げることができる。特に好ましい促進剤として1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7(以下DBUと略)塩、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5(以下DBNと略)塩およびホワイトカーボンが挙げられる。DBU塩としては、DBU−炭酸塩、DBU−ステアリン酸塩、DBU−2−エチルヘキシル酸塩、DBU−安息香酸塩、DBU−サリチル酸塩、DBU−3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、DBU−フェノール樹脂塩、DBU−2−メルカプトベンゾチアゾール塩、DBU−2−メルカプトベンズイミダゾール塩等であり、DBN塩としては、DBN−炭酸塩、DBN−ステアリン酸塩、DBN−2−エチルヘキシル酸塩、DBN−安息香酸塩、DBN−サリチル酸塩、DBN−3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、DBN−フェノール樹脂塩、DBN−2−メルカプトベンゾチアゾール塩、DBN−2−メルカプトベンズイミダゾール塩等が挙げられる。促進剤または遅延剤の配合量は、エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して0〜10重量部、例えば0.1〜5重量部である。
本発明においては(a)、(b)、(c)、(d)の各成分からなる組成物に更に(e)多価アルコールを配合することにより更に耐酸性が向上する。即ち特に水及び酸水溶液に対する体積増加率が低下する。本発明に用いられる(e)多価アルコールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどグリコール誘導体、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどのグリセリン誘導体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのペンタエリスリトール誘導体からなる群より選ばれた誘導体であり、より好ましくはグリコール誘導体である。
多価アルコールの配合量は、エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して0.5〜10重量部であり、好ましくは0.5〜5重量部である。多価アルコールの割合が低過ぎると、ゴム製品の耐酸性向上効果が小さく、高過ぎると、得られたゴム製品の圧縮永久歪みなどの物性が低下し、ブリードが生じる恐れもある。
本発明の加硫用ゴム組成物には、本発明の効果を損なわない限り、上記以外の配合剤、例えば、滑剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填剤、補強剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤、発泡助剤、導電剤、帯電防止剤等を任意に配合できる。さらに本発明の特性が失われない範囲で、当該技術分野で通常行われている、ゴム、樹脂等のブレンドを行うことも可能である。ブレンドに用いられるゴムの例としては、エピハロヒドリン系ゴムとの相溶性の点から、ニトリルゴムやアクリルゴム等が挙げられ、また、ブレンドに用いられる樹脂の例としては、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂、PUR(ポリウレタン)樹脂、EVAC(エチレン/酢酸ビニル)樹脂、AS(スチレン/アクリロニトリル)樹脂等が挙げられる。
本発明による加硫用ゴム組成物を製造するには、従来ポリマー加工の分野において用いられている任意の混合手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を用いることができる。本発明の加硫ゴム材料は、本発明の加硫用ゴム組成物を通常100〜200℃に加熱することで得られる。加硫時間は温度により異なるが、通常0.5〜300分の間である。加硫成型の方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、スチーム缶、エアーバス、赤外線或いはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
本発明の加硫物は、通常エピハロヒドリン系ゴムが使用される分野に広く応用することができる。例えば、自動車用途などの各種燃料系積層ホース、エアー系積層ホース、チューブ、ベルト、ダイヤフラム、シール類等ゴム材料や、一般産業用機器・装置等のゴム材料として使用できるが、特に酸性水溶液と接触する自動車用排気ガスドレン用ホースなどの用途に好適である。
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例10〜12が本発明に属する実施例であり、実施例1〜9及び13は本発明に属さない参考例である。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
下記表1に示す配合で各材料をニーダーおよびオープンロールで混練し、未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを用い、JIS K6300に定めるムーニースコーチ試験を行った。また同じく得られた未加硫ゴムシートを170℃で15分プレス加硫し、2mm厚の一次加硫物を得た。さらにこれをエア・オーブンで150℃で2時間加熱し、二次加硫物を得た。得られた二次加硫物を用い、JIS K 6251に準じて引張試験(常態物性)を、JIS K 6258に準じて耐酸性試験の評価を行った。
各試験方法より得られた実施例および比較例の試験結果を表2に示す。各表中、Vmは最低粘度、t5はJIS K6300のムーニースコーチ試験に定めるムーニースコーチ時間、M100はJIS K6251の引張試験試験に定める100%伸び時の引張応力、M300はJIS K6251の引張試験に定める300%伸び時の引張応力、TbはJIS K6251の引張試験試験に定める引張強さ、EbはJIS K6251の引張試験試験に定める伸び、HsはJIS K6253の硬さ試験に定める硬さをそれぞれ意味する。
(実施例7〜9、比較例4)
表3の配合により実施例1と同様にして各試験を行い得られた結果を表4に示す。
なお圧縮永久歪試験は、得られた未加硫ゴムシートを試験片作製用金型を用いて170℃で20分プレス加硫し、直径約29mm、高さ約12.5mmの円柱状試験片一次加硫物を得た。さらにこれをエア・オーブンで150℃で2時間加熱し二次加硫物を得た。得られた二次加硫物を用い、JIS K 6262記載の方法に準じて試験を行った。
(実施例10〜13、比較例5、6)
表5の配合により実施例1と同様にして各試験を行い、得られた結果を表6に示す。耐水性試験で使用した酸水溶液の組成は下記の通りである。
蟻酸14ml、酢酸15ml、塩酸1ml、硝酸11ml、硫酸1mlに純水を加えて1000mlとした酸水溶液を原液とし、この原液12.5mlを純水で1000mlに希釈したものを耐酸性試験用の酸水溶液とした。
Figure 0004855643
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表1〜6より、湿式法シリカを含有する各実施例は、湿式法シリカを含有しない比較例5、6に比べて、明らかに耐酸性が改良されていることが判る。また、実施例4〜6は湿式法シリカに多価アルコールを併用する例であるが、更に耐酸性が改良されていることが判る。比較例1は受酸剤に鉛化合物を使用する例であるが、本願実施例は非鉛配合でありながら、耐酸性その他の物性も鉛配合と同様である。
比較例2は湿式法シリカの割合が本発明の請求範囲未満の10重量部配合する例であるが、耐酸性向上効果は全く見られない。一方、比較例3は湿式法シリカの割合量が本発明の請求範囲を超える40重量部配合する例であるが、耐酸性は改良されているもののコンパウンド粘度(Vm)が増大しており、加工性に難がある。
比較例4は乾式法シリカを用いた例であるが、耐酸性は改良されてはいるが、コンパウンド粘度(Vm)が増大して加工性に難があり、また圧縮永久歪が大きいため好ましくない。

Claims (3)

  1. (a)エピハロヒドリン系ゴム、(b)湿式法シリカ、(c)合成ハイドロタルサイトおよびマグネシア、および(d)キノキサリン類からなり、
    (b)湿式法シリカの配合量が、エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して、15〜35重量部であることを特徴とする耐酸性に優れた加硫用ゴム組成物。
  2. 請求項1に記載の加硫用ゴム組成物を加硫してなる耐酸性に優れた加硫ゴム材料。
  3. 請求項2に記載の加硫ゴム材料よりなる耐酸性に優れた自動車用ゴム部品。
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