JP5403419B2 - バイオディーゼル燃料と直接接触する成型部品を製造するための加硫用ゴム組成物 - Google Patents

バイオディーゼル燃料と直接接触する成型部品を製造するための加硫用ゴム組成物 Download PDF

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本発明は、耐バイオディーゼル性の改良されたエピハロヒドリン系ゴムをベースとする加硫用ゴム組成物および同組成物を加硫してなる加硫ゴム材料に関する。
エピクロルヒドリン系ゴム材料はその耐熱性、耐油性、耐オゾン性等を活かして、自動車用途では燃料ホースやエアー系ホース、チューブ材料として幅広く使用されている。しかしながら、近年におけるカーボンニュートラルの考えや、石油燃料枯渇問題、CO排出規制等により植物油や動物油由来のバイオディーゼル燃料が燃料油として使用されたり、既存の軽油に混合されたりしている。
しかしながら、これらのバイオディーゼル燃料は通常の軽油と比べてゴムの膨潤・劣化を激しくする傾向があった。(非特許文献1参照)
このため、ホース、チューブ用途ではさらに耐熱・耐油性に優れたフッ素系ゴムまたはフッ素系樹種を内層材とした構成のホースが開発されてきた。(特許文献1参照)
しかしながら、一般的にフッ素系ゴムは非常に高価であり、またフッ素樹脂ではシール性を確保することが難しく、それらの解消のために耐油性に優れたゴムであるエピクロルヒドリン系ゴムの耐バイオディーゼル性の向上が求められてきた。
特開2009−84301
日本ゴム協会誌 2008年 第81巻 第9号 P376大武義人 プラスチック、金属、ゴム材料に新燃料が及ぼす影響
本発明は耐バイオディーゼル性に優れたエピハロヒドリン系ゴムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討を重ねたところ、エピハロヒドリン系ゴム、加硫剤、受酸剤を含有する加硫用ゴム組成物において、ジチオカルバミン酸の銅塩を配合することにより耐バイオディーゼル性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明はすなわち、(a)エピハロヒドリン系ゴムの100重量部に対し、(b)ジチオカルバミン酸の銅塩0.01〜0.5重量部を含有し、(c)受酸剤、および(d)加硫剤を含有することを特徴とする、バイオディーゼル燃料と直接接触する成型部品を製造するための加硫用ゴム組成物、加硫ゴム材料、ならびに自動車用ゴム部品に関する。
本発明により、エピハロヒドリン系ゴムをベースとした耐バイオディーゼル性の改良された加硫用ゴム組成物およびその加硫ゴム材料を提供することができる。
以下、本発明につき詳細に説明する。本発明の加硫用ゴム組成物は、加硫前のゴム組成物を指し、少なくともエピハロヒドリン系ゴム、ジチオカルバミン酸の銅塩、受酸剤、加硫剤を含有する。
本発明における(a)エピハロヒドリン系ゴムとは、エピハロヒドリン単独重合体またはエピハロヒドリンと共重合可能な他のエポキシド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル等との共重合体をいう。これらを例示すれば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピブロムヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピブロムヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピブロムヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピブロムヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体、エピブロムヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等を挙げることができる。好ましくはエピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体等のエピクロルヒドリン系重合体であり、さらに好ましくはエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体である。
エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体の場合、それら共重合割合は、例えば、エピクロルヒドリン5mol〜95mol%、好ましくは10mol%〜75mol%、さらに好ましくは10〜65mol%、エチレンオキサイド5mol%〜95mol%、好ましくは25mol%〜90mol%、さらに好ましくは35mol%〜90mol%、アリルグリシジルエーテル0mol%〜10mol%、好ましくは1mol%〜8mol%、さらに好ましくは1mol%〜7mol%である。 これら単独重合体または共重合体の分子量は特に制限されないが、通常ムーニー粘度表示でML1+4(100℃)=30〜150程度である。
また、本発明中の(b)ジチオカルバミン酸の銅塩とは、一般的にはジエン系ゴムの加硫促進剤として用いられているものであるが、本発明の組成物においては老化防止剤としての作用を示す。ジチオカルバミン酸の銅塩の例としてはジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸銅、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ジベンジルジチオカルバミン酸銅等を例示することができる。前記ジチオカルバミン酸の銅塩は、アルキルジチオカルバミン酸の銅塩であることが更に好ましく、前記アルキルジチオカルバミン酸の銅塩は、ジアルキルジチオカルバミン酸の銅塩であることが特に好ましい。なお、アルキル基の炭素数は1〜10であることが好ましい。
これらジチオカルバミン酸の銅塩の配合割合はエピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して0.01〜0.5重量部、好ましくは0.02〜0.4重量部、さらに好ましくは0.05〜0.3重量部である。この配合量がこの範囲未満であると耐バイオディーゼル性を改良する効果が少なく、また、多量に配合することは経済上好ましくない。
本発明で用いられる(c)受酸剤としては、公知の受酸剤を使用できるが、好ましくは金属化合物および/または無機マイクロポーラス・クリスタルである。金属化合物としては、周期表第II族(2族および12族)金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩、周期表III族(3族および13族)金属の酸化物、水酸化物、カルボン酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、周期表第IV族(4族および14族)金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩、三塩基性硫酸塩等の金属化合物が挙げられる。
前記金属化合物の具体例としては、マグネシア、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、亜鉛華、酸化錫、リサージ、鉛丹、鉛白、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性炭酸鉛、ステアリン酸錫、塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜リン酸錫、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛等を挙げることができ、炭酸ナトリウム、マグネシア、水酸化マグネシウム、生石灰、消石灰、ケイ酸カルシウム、亜鉛華などが好ましい。
前記無機マイクロポーラス・クリスタルとは、結晶性の多孔体を意味し、無定型の多孔体、例えばシリカゲル、アルミナ等とは明瞭に区別できるものである。このような無機マイクロポーラス・クリスタルの例としては、ゼオライト類、アルミノホスフェート型モレキュラーシーブ、層状ケイ酸塩、合成ハイドロタルサイト、チタン酸アルカリ金属塩等が挙げられる。特に好ましい受酸剤としては、合成ハイドロタルサイトが挙げられる。
前記ゼオライト類は、天然ゼオライトの外、A型、X型、Y型の合成ゼオライト、ソーダライト類、天然ないしは合成モルデナイト、ZSM−5などの各種ゼオライトおよびこれらの金属置換体であり、これらは単独で用いても2種以上の組み合わせで用いても良い。また金属置換体の金属はナトリウムであることが多い。ゼオライト類としては酸受容能が大きいものが好ましく、A型ゼオライトが好ましい。
前記合成ハイドロタルサイトは下記一般式(1)で表される。
MgZnAl(OH)(2(X+Y)+3Z−2)CO・wHO (1)
[式中、xとyはそれぞれx+y=1〜10の関係を有する0〜10の実数、zは1〜5の実数、wは0〜10の実数をそれぞれ示す。]
前記一般式(1)で表されるハイドロタルサイト類の例として、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、Mg4.5Al(OH)13CO、MgAl(OH)12CO・3.5HO、MgAl(OH)16CO・4HO、MgAl(OH)14CO・4HO、MgAl(OH)10CO・1.7HO、MgZnAl(OH)12CO・3.5HO、MgZnAl(OH)12CO等を挙げることができる。
前記(c)受酸剤の配合量は、(a)エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して好ましくは0.2〜50重量部、更に好ましくは0.5〜50重量部、特に1〜20重量部である。これらの範囲であれば、十分に架橋し、且つ加硫物が剛直になりすぎることがなく、エピハロヒドリン系ゴム加硫物として通常期待される物性が得られるため好ましい。
本発明の(d)加硫剤としては、キノキサリン系加硫剤、チオウレア系加硫剤、トリアジン系加硫剤、ビスフェノール系加硫剤からなる群より選択される少なくとも1種が使用される。
前記キノキサリン系加硫剤としては、2,3−ジメルカプトキノキサリン、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチカーボネート等が挙げられ、好ましくは6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネートである。
前記チオウレア系加硫剤としては、2−メルカプトイミダゾリン(エチレンチオウレア)、1,3−ジエチルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等が挙げられ、好ましくは、2−メルカプトイミダゾリン(エチレンチオウレア)である。
前記トリアジン系加硫剤としては、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−シクロヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン等を挙げられ、好ましくは2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジンである。
前記ビスフェノール系加硫剤としては、ビスフェノールAF、ビスフェノールS等が挙げられる。
これらの加硫剤は本発明の効果をそこなわない限り、2種以上を併用しても良い。
前記(c)加硫剤の配合量は、(a)エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部である。これらの範囲であれば、十分に架橋し、且つ加硫物が剛直になりすぎることがなく、エピハロヒドリン系ゴム加硫物として通常期待される物性が得られるため好ましい。
また、本発明においては、通常これらの加硫剤と共に使用される公知の加硫促進剤、遅延剤等を用いることができる。
本発明に用いられる前記加硫促進剤としては、例えば、硫黄、モルホリンスルフィド類、アミン類、アミンの弱酸塩類、塩基性シリカ、四級アンモニウム塩類、四級ホスホニウム塩類、脂肪酸のアルカリ金属塩、チウラムスフィド類、多官能ビニル化合物、メルカプトベンゾチアゾール類、スルフェンアミド類、ジメチオカーバメート類等を挙げることができる。キノキサリン系加硫剤を本発明の組成物に適用した場合の特に好ましい促進剤として1, 8−ジアザビシクロ(5, 4, 0)ウンデセン−7(以下DBUと略)塩、1, 5−ジアザビシクロ(4, 3, 0)ノネン−5(以下DBNと略)塩、塩基性シリカ、脂肪酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
前記DBU塩としては、DBU−炭酸塩、DBU−ステアリン酸塩、DBU−2−エチルヘキシル酸塩、DBU−安息香酸塩、DBU−サリチル酸塩、DBU−3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、DBU−フェノール樹脂塩、DBU−2−メルカプトベンゾチアゾール塩、DBU−2−メルカプトベンズイミダゾール塩等が挙げられる。また、前記DBN塩としては、DBN−炭酸塩、DBN−ステアリン酸塩、DBN−2−エチルヘキシル酸塩、DBN−安息香酸塩、DBN−サリチル酸塩、DBN−3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、DBN−フェノール樹脂塩、DBN−2−メルカプトベンゾチアゾール塩、DBN−2−メルカプトベンズイミダゾール塩等が挙げられる。これらDBU塩および/またはDBN塩を促進剤として用いた場合の配合量は、(a)エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、より好ましくは、0.5〜3重量部である。
前記塩基性シリカとは、pHが9〜13のナトリウムを含有するシリカであり、前記塩基性シリカを促進剤として用いる場合、(a)エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して2〜30重量部が好ましく、より好ましくは5〜20重量部である。
前記脂肪酸のアルカリ金属塩とは、高級脂肪酸、樹脂酸、ナフテン酸などのアルカリ金属塩(好ましくはナトリウム塩、カリウム塩)を挙げることができ、より好ましくは炭素数6以上の高級脂肪酸のアルカリ金属塩である。更に具体的には、半硬化牛脂脂肪酸、ステアリン酸、オレイン酸、セバシン酸、ひまし油等のナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。好ましい塩として、半硬化牛脂脂肪酸のナトリウム塩、ステアリン酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸のカリウム塩、ステアリン酸カリウムが挙げられ、さらに好ましくはステアリン酸ナトリウム及び/又はステアリン酸カリウムが挙げられる。特に、半硬化牛脂脂肪酸のナトリウム塩、ステアリン酸ナトリウム等のナトリウム塩を使用する場合は保存安定性が良好であり好ましい。これら脂肪酸のアルカリ金属塩を促進剤として用いた場合、(a)エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して、0.2〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜7重量部である。
また、本発明に用いられる前記遅延剤としてはN−シクロヘキシルチオフタルイミド、無水フタル酸、有機亜鉛化合物、酸性シリカ等を挙げることができ、遅延剤の配合量は、(a)エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して0〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
本発明に用いられる未加硫エピハロヒドリン系ゴム組成物には、当該技術分野において
通常使用される各種配合剤、例えば老化防止剤、充填剤、補強剤、可塑剤、加工助剤、顔料、難燃剤等を任意に配合することができる。
本発明による加硫用ゴム組成物を製造するには、従来ポリマー加工の分野において用いられている任意の混合手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を用いることができる。本発明の加硫ゴム材料は、本発明の加硫用ゴム組成物を通常100〜300℃に加熱することで得られる。加硫時間は温度により異なるが、通常0.5〜300分の間である。加硫成型の方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、スチーム缶、エアーバス、赤外線或いはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
本発明の加硫用ゴム組成物が接触するバイオディーゼルとしては、特に限定されるものではないが、一般的に例示すると、菜種油、パーム油、オリーブ油、ひまわり油、大豆油、コメ油、ヘンプ・オイル(大麻油)などの植物油、魚油や豚脂、牛脂などの獣脂及び廃食用油などをメチルエステル化したものなどが挙げられ、さらに具体的に例示するとCnHmCOOCHで表される炭素数8〜24の高級脂肪酸のメチルエステルが挙げられる。これらの脂肪酸メチルエステルと従来の軽油とを任意に混合されたものもバイオディーゼルとして用いることができる。脂肪酸メチルエステルと従来の軽油との混合されたバイオディーゼルは、バイオディーゼル全体の0.1vol%以上の脂肪酸メチルエステルを含むものであり、一般的には5vol%以上の脂肪酸メチルエステルを含むものが例示される。
以下、本発明を実施例、比較例、参考例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例で使用した配合剤は下記の通りである。
・エピハロヒドリン系ゴム−1:エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合体
ダイソー社製 「エピクロマーC」
・エピハロヒドリン系ゴム−2:エピクロルヒドリン単独重合体
ダイソー社製 「エピクロマーH」
・エピハロヒドリン系ゴム−3:エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体
ダイソー社製 「エピクロマーCG-105」
・カーボンブラック:東海カーボン社製 「シーストSO」
・可塑剤:旭電化工業社製 「アデカサイザーRS−107」
・滑剤:花王社製 「スプレンダーR−300」
・有機ニッケル系老化防止剤:ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル
大内新興化学工業社製 「ノクラックNBC」
・ジチオカルバミン酸の銅塩:ジメチルジチオカルバミン酸銅
大内新興化学工業社製 「ノクセラーTTCu」
・ベンツイミダゾール系老化防止剤:2−メルカプトベンツイミダゾール
大内新興化学工業社製 「ノクラックMB」
・受酸剤 マグネシア:酸化マグネシウム 協和化学工業社製 「キョーワマグ150」
・受酸剤 ハイドロタルサイト:合成ハイドロタルサイト 協和化学工業社製 「DHT−4A」
・受酸剤 炭酸カルシウム:白石工業社製 「炭酸カルシウム赤玉印」
・促進剤 DBU塩:DBUのフェノール樹脂塩 ダイソー社製 「P−152」
・促進剤 TS: テトラメチルチウラムモノスルフィド 大内新興化学工業社製 「ノクセラーTS」
・遅延剤 PVI:N−シクロヘキシルチオフタルイミド
大内新興化学工業社製 「リターダーCTP」
・遅延剤 ZnPDC:N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛
大内新興化学工業社製 「ノクセラーZP」
・遅延剤 CZ:大内新興化学工業社製 「ノクセラーCZ」
・キノキサリン系加硫剤:6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート
ダイソー社製 「ダイソネットXL−21S」
・トリアジン系加硫剤:トリメルカプト-s-トリアジン ダイソー社製 「OF−100」
・加硫剤 ETU:エチレンチオウレア 川口化学工業社製 「アクセル22S」
表1および表2に示されるエピハロヒドリン系ゴム組成物をニーダーおよびオープンロールで混練し、厚さ2〜2.3mmの未加硫シートを得た。得られた未加硫ゴムシートを170℃で15分プレス加硫し、2mm厚の一次加硫物を得た。さらにこれをエア・オーブン中150℃で2時間加熱し、二次加硫物を得た。得られた二次加硫物を用い、引張試験(初期物性及び耐油後物性)、硬度試験、耐油性の評価を行った。各評価試験はそれぞれJIS K 6251、JIS K 6258に記載の方法に準じて行った。ただし、試験用油はJIS K 2204に記載の2号軽油、又はJIS K 2204に記載の2号軽油と試薬のオレイン酸メチルを容量比で70vol%/30vol%に混合したものを用いた。
各試験方法より得られた実施例、比較例および参考例の試験結果を表3、4、5に示す。各表中、M100はJIS K6251の引張試験に定める100%伸び時の引張応力、TBはJIS K6251の引張試験に定める引張強さ、EBはJIS K6251の引張試験に定める破断時伸び、HSはJIS K6253の硬さ試験に定める硬さを意味する。
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本発明において、耐油性、耐バイオディーゼル性が良好であるとは、耐油試験後の引張強さTBが大きいことを言う。
表3は参考までに通常の軽油での評価結果を示す。通常の軽油では実施例と比較例であまり差がなく、同程度の耐油性を示していることが分かる。
表4、表5はバイオディーゼルでの評価結果を示す。表4中の本発明の必須成分であるジチオカルバミン酸の銅塩や老化防止剤を全く含まない組成物である比較例1、一般的な老化防止剤を含む組成物である比較例2、3、4を加硫して得られる加硫物は、耐油試験後の引張強さTbが小さく、耐バイオディーゼル性は非常に乏しかった。一方、ジチオカルバミン酸の銅塩を含有する表3中の実施例1〜5の加硫物はいずれも優れた耐バイオディーゼル性を示している。
以上から、耐油性の優れたエピハロヒドリン系ゴムであっても、耐バイオディーゼル性を具備しているわけではないことが明らかであり、優れた耐バイオディーゼル性を有する本発明の加硫物はバイオディーゼル燃料向け用途において非常に有用であることが分かる。
本発明の加硫物は、通常エピハロヒドリン系ゴムが使用される分野に広く応用することができる。特に耐バイオディーゼル性を生かした燃料用のホース、エアー系ホースのゴム材料として有用である。

Claims (7)

  1. (a)エピハロヒドリン系ゴムの100重量部に対し、(b)ジチオカルバミン酸の銅塩0.01〜0.5重量部を含有し、(c)受酸剤、および(d)加硫剤を含有することを特徴とする、バイオディーゼル燃料と直接接触する成型部品を製造するための加硫用ゴム組成物。
  2. (d)加硫剤がキノキサリン系加硫剤、チオウレア系加硫剤、トリアジン系加硫剤、ビスフェノール系加硫剤から選択される少なくとも一種の加硫剤を含有することを特徴とする、バイオディーゼル燃料と直接接触する成型部品を製造するための請求項1に記載の加硫用ゴム組成物。
  3. (d)加硫剤が、2,3−ジメルカプトキノキサリン、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチカーボネートからなるキノキサリン系加硫剤、2−メルカプトイミダゾリン(エチレンチオウレア)、1,3−ジエチルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレアからなるチオウレア系加硫剤、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−シクロヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジンからなるトリアジン系加硫剤、ビスフェノールAF、ビスフェノールSからなるビスフェノール系加硫剤から選択される少なくとも一種の加硫剤を含有することを特徴とする、バイオディーゼル燃料と直接接触する成型部品を製造するための請求項1又は2に記載の加硫用ゴム組成物。
  4. (c)受酸剤が金属化合物および/または無機マイクロポーラス・クリスタルであることを特徴とする、バイオディーゼル燃料と直接接触する成型部品を製造するための請求項1〜3のいずれかに記載の加硫用ゴム組成物。
  5. 接触するバイオディーゼル燃料が脂肪酸メチルエステルを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加硫用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の加硫用ゴム組成物を加硫してなるバイオディーゼル燃料と直接接触する成型部品のための加硫物。
  7. 請求項6に記載の加硫物からなるバイオディーゼル燃料と直接接触する自動車用ゴム部品。
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