JP2001002834A - ホース用ゴム組成物およびホース - Google Patents

ホース用ゴム組成物およびホース

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JP2001002834A
JP2001002834A JP11177970A JP17797099A JP2001002834A JP 2001002834 A JP2001002834 A JP 2001002834A JP 11177970 A JP11177970 A JP 11177970A JP 17797099 A JP17797099 A JP 17797099A JP 2001002834 A JP2001002834 A JP 2001002834A
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hose
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epihalohydrin
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Koichi Nishimura
浩一 西村
Shigeru Fujita
茂 藤田
Toshio Okawa
敏男 大川
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    • C08L33/20Homopolymers or copolymers of acrylonitrile
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08L9/02Copolymers with acrylonitrile

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐燃料油透過性と耐寒性のバランスに優れる
ホース用ゴム組成物、および、自動車の燃料油用に好適
なホースを提供する。 【解決手段】 α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量
体単位45〜55重量%及び共役ジエン単量体単位55
〜45重量%を含有するニトリル系ゴム(A)と、エピ
ハロヒドリン系ゴム(B)と、ニトリル系ゴムの架橋剤
及びエピハロヒドリン系ゴムの架橋剤から選ばれる少な
くとも1種の架橋剤(C)とを含有するゴム組成物であ
って、(A)と(B)との総量に対する(A)の比率が
25〜80重量%であるホース用ゴム組成物、および、
それを架橋してなる層を有するホース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニトリル系ゴムと
エピハロヒドリン系ゴムとを含有するゴム組成物に関す
る。さらに詳しくは、本発明は特定のニトリル系ゴム、
エピハロヒドリン系ゴム及び特定の架橋剤を含有して成
る耐燃料油透過性と耐寒性とのバランスに優れるホース
用ゴム組成物に関する。また、本発明はこのホース用ゴ
ム組成物を架橋してなる層を有するホースに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃料油用ホースは、ガソリン等
の燃料油が大気中に放散することを抑制する耐燃料油透
過性と、−30℃程度以下の厳寒下でのホース特性を保
持する耐寒性とに優れている必要がある。このような特
性を要求される燃料油用ホースのゴム材料としては、耐
燃料油透過性と耐寒性とのバランスに優れた、ニトリル
系ゴム、ポリブレンド(ニトリル系ゴムと塩化ビニル樹
脂(PVC)とのブレンド)、エピハロヒドリン系ゴム
などが使用されている。
【0003】近年、自動車の燃料排出規制の強化に伴
い、さらに優れた耐燃料油透過性を有するホースが求め
られるようになっている。ホースの耐燃料油透過性を高
める方法としては、ホースを厚くする方法や、より耐燃
料油透過性に優れたゴム材料を使用する方法などが挙げ
られる。しかし、ホースを厚くすることは、自動車の軽
量化の動向に逆行するものであり好ましくない。そこ
で、より耐燃料油透過性に優れたゴム材料が求められて
いる。
【0004】この要求に対応するために、ニトリル系ゴ
ムにおいては、ニトリル系ゴム中のα,β−エチレン性
不飽和ニトリル単量体単位含有量を増加する方法が考え
られる。しかし、この方法では耐燃料油透過性は向上す
るものの、一方では耐寒性が低下する問題がある。
【0005】また、ポリブレンドにおいては、ニトリル
系ゴム中のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単
位含有量を増加したり、ポリブレンド中のPVC比率を
増加したりすると、耐燃料油透過性は向上するものの、
耐寒性が低下する問題がある。さらに、PVCは、焼却
処分の際、焼却温度によってはダイオキシンを発生する
場合があるので、その使用を差し控える動きがある。
【0006】また、エピハロヒドリン系ゴムにおいて
は、エピハロヒドリン単独重合体が耐燃料油透過性に優
れているものの、さらに耐燃料油透過性を向上させるの
は困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
事情に鑑み、耐燃料油透過性と耐寒性とのバランスに優
れたホース、および、その為のゴム材料を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、特定のニトリル系ゴム(A)、エピハロ
ヒドリン系ゴム(B)及び特定の架橋剤(C)を含有す
るゴム組成物であって、(A)と(B)との比率が特定
範囲にあるゴム組成物が耐燃料油透過性と耐寒性とのバ
ランスに優れることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】かくして、本発明によれば、α,β−エチ
レン性不飽和ニトリル単量体単位45〜55重量%及び
共役ジエン単量体単位55〜45重量%を含有するニト
リル系ゴム(A)と、エピハロヒドリン系ゴム(B)
と、ニトリル系ゴムの架橋剤及びエピハロヒドリン系ゴ
ムの架橋剤から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(C)
とを含有するゴム組成物であって、(A)と(B)との
総量に対する(A)の比率が25〜80重量%であるホ
ース用ゴム組成物、および、それを架橋してなる層を有
するホースが提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。ゴム組成物 本発明のホース用ゴム組成物は、α,β−エチレン性不
飽和ニトリル単量体単位45〜55重量%及び共役ジエ
ン単量体単位55〜45重量%を含有するニトリル系ゴ
ム(A)と、エピハロヒドリン系ゴム(B)と、ニトリ
ル系ゴムの架橋剤及びエピハロヒドリン系ゴムの架橋剤
から選ばれる少なくともひとつの架橋剤(C)とを含有
するゴム組成物であって、(A)と(B)との総量に対
する(A)の比率が25〜80重量%である。
【0011】ニトリル系ゴム(A) 本発明で使用するニトリル系ゴム(A)は、α,β−エ
チレン性不飽和ニトリル単量体単位と共役ジエン単量体
単位とを含有する重合体である。α,β−エチレン性不
飽和ニトリル単量体単位を構成する為のα,β−エチレ
ン性不飽和ニトリル単量体は、特に限定されないが、そ
の具体例としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ルなどが挙げられる。中でもアクリロニトリルが、耐燃
料油透過性の点から好ましい。
【0012】ニトリル系ゴム(A)中のα,β−エチレ
ン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量の下限は45重
量%、好ましくは47%重量、上限は55重量%、好ま
しくは53重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニ
トリル単量体単位の含有量が過度に少ない場合は耐燃料
油透過性が低下し、過度に多い場合は耐寒性が低下す
る。
【0013】共役ジエン単量体単位を構成する為の共役
ジエン単量体は、特に限定されないが、その具体例とし
ては1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジ
エン、1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−ブ
タジエンなどが挙げられる。中でも1,3−ブタジエン
が、耐寒性の点から好ましい。
【0014】ニトリル系ゴム(A)中の共役ジエン単量
体単位の含有量の下限は45重量%、好ましくは47重
量%、上限は55重量%、好ましくは53重量%であ
る。共役ジエン単量体単位の含有量が過度に少ないと耐
寒性が低下し、過度に多いと耐燃料油透過性が低下す
る。
【0015】本発明で使用するニトリル系ゴムには、そ
の他の単量体単位が含有されていてもよい。その他の単
量体単位を構成する単量体としては、α−オレフィン単
量体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体、
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体、ビ
ニル芳香族単量体、α,β−エチレン性不飽和アルコー
ルのカルボン酸エステル単量体、α,β−エチレン性不
飽和ケトン単量体、α,β−エチレン性不飽和エーテル
単量体などが挙げられる。
【0016】α−オレフィン単量体としては、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテンなどが挙げられる。
【0017】α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸などのモノカル
ボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの多
価カルボン酸類;フマル酸モノブチルエステル、マレイ
ン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノエチルエステ
ルなどの多価カルボン酸の部分エステル類;が挙げられ
る。
【0018】α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エス
テル単量体としては、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、ラウリルメタクリレートなどのアルキルエ
ステル類;メトキシエチルアクリレート、メトキエトキ
シエチルアクリレートなどのアルコキシ置換アルキルエ
ステル類; シアノメチルアクリレート、2−シアノエ
チルアクリレート、2−エチル−6−シアノヘキシルア
クリレートなどのシアノ置換アルキルエステル類;2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタアクリレートなどのヒドロキシ置換アルキルエステ
ル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ートなどのエポキシ置換アルキルエステル類;N,N’
−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアミノ置換
アルキルエステル類;1,1,1−トリフルオロエチル
アクリレートなどのハロゲン置換アルキルエステル類;
マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸ジブチルエステ
ル、イタコン酸ジブチルエステルなどの多価カルボン酸
の完全エステル類;などが挙げられる。
【0019】α,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミ
ド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、 N,N’−ジメチルアクリルアミド、 N−ブトキ
シメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N’−
ジメチロールアクリルアミドなどが挙げられる。
【0020】ビニル芳香族単量体としては、スチレン、
α−メチルスチレン、エチルスチレン、ブチルスチレ
ン、フェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアン
トラセン、ブトキシスチレン、フェノキシスチレン、ビ
ニル安息香酸、ビニルサリチル酸、アミノスチレン、シ
アノスチレン、ニトロスチレン、クロロスチレン、クロ
ロメチルスチレンなどが挙げられる。
【0021】α,β−エチレン性不飽和アルコールのカ
ルボン酸エステル単量体としては、酢酸ビニル、イソプ
ロペニルアセテート、ビニルベンゾエート、クロロ酢酸
ビニルなどが挙げられる。
【0022】α,β−エチレン性不飽和ケトン単量体と
しては、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトンな
どが挙げられる。
【0023】α,β−エチレン性不飽和エーテル単量体
としては、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテ
ル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェ
ニルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリ
シジルエーテルなどが挙げられる。
【0024】上記の他、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
ビニルピリジンなどの単量体が挙げられる。
【0025】ニトリル系ゴム(A)中の、その他の単量
体単位の含有量の上限は好ましくは10重量%、より好
ましくは6重量%である。この含有量が過度に多い場合
は、ホースの高温での長期使用において、伸びが低下し
て、亀裂が発生したり破断したりする。
【0026】ニトリル系ゴム(A)のムーニー粘度(M
1+4,100℃)は、特に限定されないが、好まし
くは25以上、より好ましくは35以上、特に好ましく
は45以上、好ましくは140以下、より好ましくは1
20以下、特に好ましくは100以下である。ムーニー
粘度が過度に高い場合や過度に低い場合、加工性が低下
する。
【0027】エピハロヒドリン系ゴム(B) 本発明で使用されるエピハロヒドリン系ゴム(B)は、
エピハロヒドリン単量体単位からなる単独又は共重合
体、または、エピハロヒドリン単量体単位とエピハロヒ
ドリン単量体単位以外のその他の単量体単位からなる共
重合体である。エピハロヒドリン系ゴム(B)は、不飽
和エポキシド単量体単位を含有した共重合体であること
が、機械的強度などの点から好ましい。
【0028】エピハロヒドリン単量体単位を構成する為
のエピハロヒドリン単量体は、エチレンオキサイドの水
素原子をハロメチル基で置換した化合物であり、その具
体例としてはエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリ
ン、β−メチルエピクロロヒドリンなどが挙げられる。
エピハロヒドリン単量体は2種以上を組み合わせて使用
してもよい。中でも、エピクロロヒドリンが入手の容易
さなどの点から好ましい。エピハロヒドリン系ゴム
(B)中のエピハロヒドリン単量体単位の含有量は、通
常、40モル%以上である。
【0029】エピハロヒドリン単量体単位以外のその他
の単量体単位を構成する為の単量体としては、アルキレ
ンオキシドや不飽和エポキシドなどが挙げられる。アル
キレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキ
シイソブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポ
キシオクタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エ
ポキシデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2
−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカ
ン、1,2−エポキシエイコサン、1,2−エポキシシ
クロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,
2−エポキシシクロドデカン、スチレンオキシドなどが
挙げられる。アルキレンオキシドは2種以上を組み合わ
せて使用してもよい。中でも、エチレンオキシドとプロ
ピレンオキシドが入手の容易さなどの点から好ましい。
【0030】不飽和エポキシドとしては、ジエンモノエ
ポキシド類、α,β−エチレン性不飽和化合物のグリシ
ジルエーテル類、カルボン酸含有α,β−エチレン性不
飽和化合物のグリシジルエステル類などが挙げられる。
【0031】ジエンモノエポキシド類としては、ブタジ
エンモノエポキシド、クロロプレンモノエポキシド、
4,5−エポキシ−2−ペンテン、エポキシ−1−ビニ
ルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−5,9−シクロ
ドデカジエンなどが挙げられる。
【0032】α,β−エチレン性不飽和化合物のグリシ
ジルエーテル類としては、ビニルグリシジルエーテル、
アリルグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキサングリ
シジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテ
ルなどが挙げられる。
【0033】カルボン酸含有α,β−エチレン性不飽和
化合物のグリシジルエステル類としては、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルク
ロトネート、グリシジル−4−ヘプテネート、グリシジ
ルソルベート、グリシジルリノレート、3−シクロヘキ
センカルボン酸のグリジジルエステル、4−メチル−3
−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステルなど
が挙げられる。
【0034】これらの不飽和エポキシドは、2種以上を
組み合わせて使用してもよい。これらの中では、アリル
グリシジルエーテルとグリシジルメタクリレートが入手
の容易さなどの点から好ましい。
【0035】エピハロヒドリン系ゴムのムーニー粘度
(ML1+4,100℃)は、特に限定されないが、好
ましくは30以上、より好ましくは40以上、好ましく
は140以下、より好ましくは90以下である。ムーニ
ー粘度が過度に高い場合や過度に低い場合は、加工性が
低下する。
【0036】本発明のホース用ゴム組成物におけるニト
リル系ゴム(A)の比率は、ニトリル系ゴム(A)とエ
ピハロヒドリン系ゴム(B)の総量に対して、下限が2
5重量%、好ましくは35重量%、より好ましくは45
重量%、上限が80重量%、好ましくは75重量%、よ
り好ましくは70重量%である。ニトリル系ゴム(A)
の比率が過度に少ない場合は耐燃料油透過性が低下し、
過度に多い場合は耐寒性が低下する。
【0037】本発明のホース用ゴム組成物は、必須成分
として、ニトリル系ゴムの架橋剤及びエピハロヒドリン
系ゴムの架橋剤から選ばれる少なくとも1種の架橋剤
(C)を使用する。ニトリル系ゴムの架橋剤を使用する
ことが、機械的強度の点から好ましい。ニトリル系ゴム
の架橋剤とエピハロヒドリン系ゴムの架橋剤とを併用す
ることがより好ましい。
【0038】ニトリル系ゴムの架橋剤 ニトリル系ゴムの架橋剤としては、硫黄系架橋剤及び有
機過酸化物系架橋剤などが挙げられる。中でも、硫黄系
架橋剤がゴム組成物の貯蔵安定性や成形加工性などの点
から好ましい。
【0039】硫黄系架橋剤としては、特に限定されない
が、硫黄や硫黄供与性化合物が挙げられる。硫黄供与性
化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムジスル
フィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタ
メチレンチウラムテトラスルフィド、モルホリンジスル
フィド、アルキルフェノールジスルフィドなどが挙げら
れる。中でも、硫黄が好ましい。
【0040】硫黄系架橋剤の使用量は、(A)及び
(B)の総量100重量部に対する使用量(以下におけ
る配合剤の使用量についても同様であり、phrと記
す。)として、下限が0.1phr、好ましくは0.3
phr、上限が10phr、好ましくは7phrであ
る。
【0041】硫黄系架橋剤には、架橋促進剤や架橋助剤
を併用できる。架橋促進剤としては、ニトリル系ゴムに
おいて従来から使用されている架橋促進剤を使用でき
る。好ましい架橋促進剤としては、チウラム系促進剤、
チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤などが
挙げられる。
【0042】チウラム系促進剤としては、テトラメチル
チウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスル
フィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラ
エチルチウラムジスルフィドなど挙げられる。チアゾー
ル系促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、ジベンゾチアジルジスルフィドなどが挙げられる。
スルフェンアミド系促進剤としては、N−シクロヘキシ
ル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシ
ジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなど
が挙げられる。これらの架橋促進剤は2種以上を組み合
わせて使用してもよい。架橋促進剤の使用量は好ましく
は12phr以下,より好ましくは10phr以下であ
る。
【0043】架橋助剤としては、脂肪酸、脂肪酸金属
塩、金属酸化物などが挙げられる。脂肪酸としては、ス
テアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸などが挙げられ
る。脂肪酸金属塩としては、前記脂肪酸の亜鉛塩などが
挙げられる。脂肪酸及び脂肪酸金属塩の使用量は、好ま
しくは5phr以下、より好ましくは3phr以下であ
る。金属酸化物としては、酸化亜鉛や酸化マグネシウム
などが挙げられる。金属酸化物の使用量は、好ましくは
15phr以下、より好ましくは10phr以下であ
る。
【0044】有機過酸化物系架橋剤としては、特に限定
されないが、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、1,1−ジ−(t
−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、1,3−ジ(t−ブチルパーオキシイソプロ
ピル)ベンゼン、5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイ
ルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾ
エートなどが挙げられる。
【0045】これらの有機過酸化物系架橋剤を2種類以
上組み合わせて使用することもできる。有機過酸化物系
架橋剤の使用量の下限は0.1phr、好ましくは0.
2phrであり、上限は10phr、好ましくは5ph
rである。
【0046】有機過酸化物系架橋剤には、架橋助剤とし
て、分子内に少なくとも2つの架橋性の不飽和結合を有
する化合物を使用できる。その具体例としては、エチレ
ンジメタクリレート、ジアリルフタレート、N,N−m
−フェニレンジマレイミド、ジビニルベンゼン、トリア
リルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、液状ビニルポリブタジエンなどが挙げら
れる。これらの架橋助剤を2種類以上組み合わせて使用
することもできる。有機過酸化物系架橋剤と共に使用す
る架橋助剤の使用量の上限は好ましくは10phr、よ
り好ましくは5phrである。
【0047】エピハロヒドリン系ゴムの架橋剤 エピハロヒドリン系ゴムの架橋剤としては、チオウレア
類、トリアジン類、キノキサリン類、アミン類などが挙
げられる。中でも、チオウレア類及びトリアジン類が、
架橋特性の点から好ましい。
【0048】チオウレア類としては、エチレンチオウレ
ア、ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア、ジラウ
リルチオウレア、トリメチルチオウレア、ジフェニルチ
オウレアなどが挙げられる。中でも、エチレンチオウレ
アが好ましい。
【0049】トリアジン類は、少なくとも2つのメルカ
プト基で置換されたトリアジン化合物であり、又、炭素
数1〜10よりなるアルキル基、アルキルアミノ基、ジ
アルキルアミノ基などの置換基を有することができる。
トリアジン類としては、2,4,6−トリメルカプト−
s−トリアジン、2−メチル−4,6−ジメルカプト−
s−トリアジン、2−エチルアミノ−4,6−ジメルカ
プト−s−トリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−
ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。中で
も、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンが好
ましい。
【0050】キノキサリン類は、2,3−ジメルカプト
キノキサリン化合物、または、キノキサリン−2,3−
ジチオカーボネート化合物であり、炭素数1〜4よりな
るアルキル基の置換基を有することができる。キノキサ
リン類としては、2,3−ジメルカプトキノキサリン、
キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチ
ルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−イ
ソプロピルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネー
ト、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカ
ーボネートなどが挙げられる。
【0051】アミン類は、炭素数2〜20を有する多価
アミン化合物であり、具体例として、ヘキサメチレンジ
アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペン
タミン、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、
4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)カー
バメイトなどが挙げられる。
【0052】エピハロヒドリン系ゴムの架橋剤の使用量
の下限は0.1phr、好ましくは0.2phrであ
り、上限は8phr、好ましくは5phrである。
【0053】エピハロヒドリン系ゴムの架橋剤には、受
酸剤や架橋促進剤を併用することができる。受酸剤とし
ては、周期律表第II族金属の酸化物、水酸化物、炭酸
塩、カルボン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、メタ硼酸塩、亜燐
酸塩;周期律表第IVA族金属の酸化物、塩基性炭酸
塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜燐酸塩、塩基性亜硫
酸塩、三塩基性硫酸塩;一般式MgAl(OH)
2X+3Y−2CO・wHO(但し、Xは1〜10
の数、Yは1〜5の数、wは実数を表す。)で示される
ハイドロタルサイト類;などが挙げられる。
【0054】受酸剤の具体例としては、特に限定されな
いが、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化
バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、生石灰、
消石灰、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、メタ硼酸マ
グネシウム、メタ硼酸カルシウム、メタ硼酸バリウム、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸錫、フタル酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、酸化
亜鉛、酸化錫、塩基性亜燐酸錫、 Mg4.5Al
(OH)13CO・3.5HO、 Mg4.5
(OH)13CO3、 MgAl(OH)16
CO・4HOなどが挙げられる。受酸剤の使用量の
上限は好ましくは20phr、より好ましくは15ph
rである。
【0055】架橋促進剤は、解離恒数PKa〔小竹無二
雄監修、大有機化学 別巻2(有機化学定数便覧)、第
585〜613頁(朝倉書店)〕が7以上の有機塩基、
PKaが7以上の有機塩基を発生し得るこれら有機塩
基の塩、PKaが7以上の有機酸塩などが挙げられる。
【0056】有機塩基としては、炭素数1〜20よりな
る脂肪族、芳香族炭化水素のアミン類、炭素数1〜10
よりなるアルキル基、アリール基などの置換基を有する
ことができるグアニジン類及び炭素数3〜20よりなる
含窒素環状化合物などが挙げられる。
【0057】有機塩基の具体例としては、特に限定され
ないが、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、グアニジ
ン、ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジ
ン、ピペリジン、ピロリジン、1,8−ジアザ−ビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、 N−メ
チルモルホリンなどが挙げられる。中でも、ジフェニル
グアニジンや1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7が好ましい。有機塩基の塩としては、前
記有機塩基の炭酸塩、フェノール塩、塩酸塩、硫酸塩、
シュウ酸塩などが挙げられる。
【0058】有機酸塩としては、ジチオカルバミン酸類
のナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、ピペリジン塩な
どが挙げられる。ジチオカルバミン酸類は、炭素数1〜
10よりなるアルキル基、アリール基などで置換された
ジチオカルバミン酸化合物であり、具体例として、ジメ
チルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン
酸、ジブチルジチオカルバミン酸、エチルフェニルジチ
オカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などが
挙げられる。架橋促進剤の使用量の上限は好ましくは8
phr、より好ましくは5phrである。
【0059】その他配合物 本発明のホース用ゴム組成物には、前記成分以外に、補
強性充填剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、架橋遅延剤
および加工助剤などを添加することができる。補強性充
填剤としては、カーボンブラック、シリカなどが挙げら
れる。充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タル
クなどが挙げられる。可塑剤としては、ジ−(ブトキシ
−エトキシエチル)アジペート、ジ−(2−エチルヘキ
シル)アジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレ
ートなどが挙げられる。老化防止剤としては、2−メル
カプトベンズイミダゾール、2,2,4−トリメチル−
1,2−ジヒドロキノリンの重合物、ジブチルジチオカ
ルバミン酸ニッケルなどが挙げられる。架橋遅延剤とし
ては、N−シクロヘキシルチオフタルイミド、無水フタ
ル酸、アセチルサリチル酸などが挙げられる。加工助剤
としては、ソルビタンモノステアレートなどが挙げられ
る。これらの使用量は、加工条件、架橋物に要求される
種々の性能を満足させるよう適宜選定される。
【0060】本発明のホース用ゴム組成物の調製方法
は、特に限定されないが、例えば、ニトリル系ゴム
(A)と、エピハロヒドリン系ゴム(B)と、ニトリル
系ゴムの架橋剤及びエピハロヒドリン系ゴムの架橋剤か
ら選ばれる少なくとも1種の架橋剤(C)と、その他の
配合剤とを、オープンロール、バンバリーミキサー、イ
ンターナルミキサーなどの混練機を用いて混合する方法
が挙げられる。
【0061】本発明のホース用ゴム組成物における各成
分の混合順序は、特に限定されないが、予めニトリル系
ゴム(A)とエピハロヒドリン系ゴム(B)を混合した
後、各配合成分を適宜添加して混合する方法、各ゴム成
分に各種配合成分を適宜添加して、それぞれ混合した
後、得られた各ゴム組成物を混合する方法などが挙げら
れる。
【0062】本発明のホース用ゴム組成物は、架橋した
際に、適度なゴムの硬さを有することが好ましい。架橋
した際のゴムの硬さは、JIS A硬さで、好ましくは
40°以上、より好ましくは50°以上、特に好ましく
は60°以上、好ましくは95°以下、より好ましくは
90°以下、特に好ましくは85°以下である。ゴムの
硬さが過度に低い場合、ホースと継手金具との接続不
良、ホースの屈曲部で折れ曲がることによるホース内の
流体の流れの閉塞などの問題が生ずる場合がある。ゴム
の硬さが過度に高い場合、ホースの剛性が高まることに
よる装着性の悪化などの問題が生ずる場合がある。ゴム
の硬さは、ゴム組成物に使用する架橋剤、架橋助剤、補
強性充填剤、充填剤や可塑剤などの種類や使用量を適宜
選定して調整することができる。
【0063】ホース 本発明のホースは、本発明のホース用ゴム組成物を架橋
してなる層を有する。本発明のホースは、ホース全体が
本発明のホース用ゴム組成物を架橋してなる層で構成さ
れるか、又は、ホースを構成する層の少なくとも1層が
本発明のホース用ゴム組成物を架橋してなる層で構成さ
れる。
【0064】本発明のホースを本発明のホース用ゴム組
成物を架橋してなる層で構成するには、本発明のホース
用ゴム組成物をホース状に成形した後、架橋を行う。
【0065】本発明のホース用ゴム組成物をホース状に
成形する為には、ホースの構造や形状にあわせて、種々
の成形方法が採用される。ホースの成形方法としては、
特に限定されないが、例えば、1軸や多軸の押出機を使
用して直接ホース状に成形する方法や、射出成形機、押
出ブロー成形機、トランスファー成形機、プレス成形機
などを使用して金型で成形する方法などが挙げられる。
本発明のホースを成形する条件としては、構成するゴム
組成物が架橋反応により成形性が悪化しない程度の、成
形温度と成形時間が適宜選定される。
【0066】本発明のホースを構成するゴム組成物を架
橋する条件としては、そのゴム組成物の架橋特性に合わ
せて、適切な架橋温度と架橋時間が選定される。通常、
約100〜250℃の架橋温度で、約数分〜10時間架
橋する。
【0067】ゴム組成物を架橋する為の加熱方法として
は、加圧高温水蒸気加熱、高温空気加熱、高温共溶融塩
加熱や高周波加熱などの方法が挙げられる。また、電熱
などにより金型を加熱してゴム組成物を加熱したり、射
出成形機においては、射出ノズルをゴム組成物が通過す
る際の自己せん断発熱を利用してゴム組成物を加熱する
方法などが採用できる。通常、ホース状成形物を耐圧缶
内に挿入し、加圧高温水蒸気にて加熱する方法が採用さ
れる。
【0068】本発明のホースは、ホースに要求される種
々の性能を満足させる為に、その他のゴム組成物を架橋
してなる層や耐油性の樹脂からなる層を有していてもよ
い。その他のゴム組成物を構成するゴムとしては、ニト
リル系ゴム、水素化ニトリル系ゴム、エピハロヒドリン
系ゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチ
レン、塩素化ポリエチレン、アクリル系ゴム、フッ素系
ゴムなどが挙げられる。その他のゴム組成物は、その他
のゴム組成物を構成するそれぞれのゴムに最適な架橋
剤、架橋助剤やその他の配合物が適宜選定され調製され
る。
【0069】耐油性の樹脂としては、フッ素樹脂、フッ
素系熱可塑性エラストマー、ナイロン樹脂、ポリアミド
系熱可塑性エラストマー、ポリエステル樹脂、ポリエス
テル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性
エラストマーなどが挙げられる。
【0070】本発明のホースは、耐圧性を向上する為
に、天然繊維、化学繊維、金属線などで構成される補強
層を有していてもよい。天然繊維としては、綿や麻など
が挙げられる。化学繊維としては、レーヨン、ビニロ
ン、ナイロン、ポリエステルやポリプロピレンなどが挙
げられる。金属線としては、ステンレス線や鋼鉄線など
が挙げられる。
【0071】本発明のホースが多層構造からなり、異な
る種類の成分で構成される層界面を有する場合、層間の
結合力を向上する為に、層間に特殊な接着剤を塗布した
り、接着改良助剤をゴム組成物に添加することができ
る。
【0072】多層構造からなるホースに成形する為に
は、同じ成形方法を複数回使用したり、各種の成形方法
を組み合わた成形方法を採用することもできる。例え
ば、第1の押出機でマンドレル外周部に円筒状のゴム組
成物最内層を成形した後、ゴム組成物外周面にポリエス
テル繊維からなる補強層を成形し、さらに、第2の押出
機でゴム組成物最外層を被覆して、多層構造ホースを成
形する方法がある。
【0073】本発明のホースは、耐燃料透過性と耐寒性
とのバランスに優れる架橋してなる層を有する。その
為、ガソリン、灯油、軽油などの燃料液体や燃料蒸気が
ホース層を透過して大気中に放散する量を抑制し、低温
での使用に耐え得る特徴を有する。
【0074】本発明のホースは、燃料油用、燃料ガス
用、潤滑油用、エアー用などのホースとして使用でき
る。特に、−30℃程度以下の低温でのホース特性が要
求される、自動車部品として使用されるホースに好適で
ある。
【0075】自動車部品として使用されるホースとして
は、燃料系、ブレーキ系、パワーステアリング系、制御
系、エアコン系、吸気系、オイル冷却系、クラッチ系及
びサスペンション系の部位に使用される各種ホースがあ
る。
【0076】燃料系にはフューエルホースやフューエル
イントレットホースなどが、ブレーキ系には油圧ブレー
キホースやバキュームブレーキホースなどが、パワース
テアリング系には高圧パワーステアリングホースやサク
ションホースなどが、制御系にはベンチレーションホー
スやバキュームセンシングホースなどが使用されてい
る。本発明のホースは、上記のホースの中でも、優れた
耐燃料透過性が要求される、フューエルホースやフュー
エルイントレットホースとして特に好適である。
【0077】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
を具体的に説明する。 (実施例1) 〔ゴム組成物の調製〕ニトリル系ゴムA1を50重量
部、エピハロヒドリン系ゴムB1を50重量部、カーボ
ンブラック(旭カーボン社(株)製、旭#60)30重
量部、ステアリン酸1.0重量部、可塑剤(モートンイ
ンターナショナル製、ThiokolTP−95)10
重量部、酸化亜鉛(堺化学工業製、亜鉛華1号)5重量
部、受酸剤:酸化マグネシウム(協和化学工業(株)
製、キョーワマグ150)1.5重量部をバンバリーミ
キサーを用いて混練した。得られた混練物とニトリル系
ゴムの架橋剤C1(硫黄)1.0重量部、架橋促進剤
(大内新興化学工業(株)製、ノクセラーDM)1.0
重量部、及びエピハロヒドリン系ゴムの架橋剤C2(川
口化学製 アクセル22(エチレンチオウレア))2.
0重量部とを、オープンロールを用いて混合してゴム組
成物を調製した。
【0078】〔架橋ゴムシートの作成と引張り試験〕得
られたゴム組成物を、160℃の熱盤プレス機を用い
て、45分間架橋させて、厚さが2mmの架橋ゴムシー
トを得た。架橋ゴムシートは、 JIS K6301試
験法に従い、引張強度、破断伸び、硬さを測定した。結
果を表1に示す。
【0079】〔架橋ゴムシートの耐燃料油透過性試験〕
架橋ゴムシートの耐燃料油透過性を以下のように測定し
た。空容積100mlのアルミ製カップに、試験用燃料
油C(イソオクタン/トルエン=50/50容積比)5
0mlを入れ、カップ開放端に、直径61mmの円板状
に切り取った架橋ゴムシートを、締め具で固定した。こ
れを、23℃恒温槽内に、架橋ゴムシート側が下になる
ように、カップをふせて放置した。24時間毎に、当該
カップ全体の重量を測定し、単位時間当たりの燃料油減
量が一定になるまで測定を続けた。試験用燃料油が接液
している架橋ゴムシート面積、架橋ゴムシート厚みと単
位時間から燃料油透過量を求めた。架橋ゴムシートで測
定した燃料油透過量を表1に示す。燃料油透過量が小さ
いほど耐燃料油透過性に優れている。
【0080】〔架橋ゴムシートの耐寒性試験〕架橋ゴム
シートの耐寒性は、低温衝撃ぜい化試験によって測定し
た。低温衝撃ぜい化試験は、 JIS K6301試験
法に従い実施した。各架橋ゴムシートの低温衝撃ぜい化
温度を表1に示す。低温衝撃ぜい化温度が低いほど耐寒
性に優れている。
【0081】〔ホースの製造〕単軸押出機を用いて、ゴ
ム組成物を、内径10mm、肉厚2.0mmのチューブ
状に成形した。チューブ状成形物に、外径が10mmの
金属製マンドレルを挿入し、これを耐圧缶内に入れ、加
圧水蒸気加熱により、160℃の温度で45分間架橋し
た。その後、金属製マンドレルを引き抜いて、単層構造
の円筒状ホースを得た。
【0082】〔ホースの耐燃料油透過性試験〕ホースの
耐燃料油透過性は以下のように測定した。まず、200
mmの長さに切断したホースの一方の端部に、径10m
m、長さ20mmの金属棒を挿入しテフロンテープで密
封した。他方の開放端部より、試験用燃料油C12ml
をホース内に注入した後、同様に密封した。これを、2
3℃恒温槽内に48時間放置し、処理前後の重量変化か
ら燃料油透過量を求めた。結果を表1に示す。燃料油透
過量が小さい方が、耐燃料油透過性に優れている。
【0083】〔ホースの耐寒性試験〕ホースの耐寒性は
以下のように測定した。まず、200mm長さに切断し
たホースを、所定温度の低温恒温槽内に2時間放置した
後、所定温度のまま、90°折り曲げを実施した。処理
後、亀裂の発生の有無を調べた。測定温度は、−30℃
と−35℃の2点で実施した。結果を表1に示す。亀裂
の発生がないものを○、亀裂の発生があるものを×で表
示する。より低温で、亀裂の発生がないホースが、耐寒
性に優れている。
【0084】(実施例2〜4、比較例1〜3)表1に示
す配合以外は実施例1と同様に実験を行った。結果を表
1に示す。
【0085】比較例1は、ニトリル系ゴムのアクリロニ
トリル含量が本発明の範囲の下限より少ないニトリル系
ゴムA3を使用した為、実施例1に比べ、耐燃料油透過
性に著しく劣っている。比較例2は、ニトリル系ゴムの
比率を本発明の範囲の上限より多くした為、実施例1に
比べ、耐寒性に著しく劣っている。比較例3は、ニトリ
ル系ゴムの比率を本発明の範囲の下限より少なくした
為、実施例1に比べ、耐燃料油透過性に著しく劣ってい
る。
【0086】これに対して、実施例1〜4の本発明のホ
ース用ゴム組成物及びそれを架橋してなる層を有するホ
ースは、耐燃料油透過性と耐寒性のバランスに優れてい
る。
【0087】
【表1】
【0088】(注) (1)日本ゼオン(株)製 Nipol DN002
(アクリロニトリル含量:53重量%、ML1+4,1
00℃: 50) (2)日本ゼオン(株)製 Nipol DN003
(アクリロニトリル含量:50重量%、ML1+4,1
00℃:78) (3)日本ゼオン(株)製 Nipol DN101L
(アクリロニトリル含量:42.5重量%、M
1+4,100℃:60) (4)日本ゼオン(株)製 Gechron3100
(エピクロロヒドリン−エ チレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重
合体、 ML1+4,100℃:70) (5)日本ゼオン(株)製 Gechron1100
(エピクロロヒドリン−アリルグリシジルエーテル2元
共重合体、 ML1+4,100℃:58) (6)大内新興化学工業(株)製 ノクセラーDM(ジ
ベンゾチアジルジスルフィド) (7)協和化学工業(株)製 キョーワマグ150(酸
化マグネシウム) (8)川口化学(株)製 アクセル22(エチレンチオ
ウレア) (9)三協化成(株)製 (2,4,6−トリメルカプ
ト−s−トリアジン)
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、耐燃料油透過性の耐寒
性のバランスに優れるホース用ゴム組成物と、そのゴム
組成物を架橋してなる層を有するホースが提供される。
本発明のホースは、自動車の燃料油用ホースとして好適
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H111 AA02 BA12 BA34 DA09 DA26 DB08 DB19 4J002 AC07W CH04X DA046 EK036 EK046 EK056 EN036 EN046 EN116 EU146 EU186 EV046 EV126 EV166 FD010 FD020 FD030 FD146 FD150 FD200

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量
    体単位45〜55重量%及び共役ジエン単量体単位55
    〜45重量%を含有するニトリル系ゴム(A)と、エピ
    ハロヒドリン系ゴム(B)と、ニトリル系ゴムの架橋剤
    及びエピハロヒドリン系ゴムの架橋剤から選ばれる少な
    くとも1種の架橋剤(C)とを含有するゴム組成物であ
    って、(A)と(B)との総量に対する(A)の比率が
    25〜80重量%であるホース用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のホース用ゴム組成物を架
    橋してなる層を有するホース。
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