JP2000154353A - 感圧修正テープ - Google Patents
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Abstract
面の非光沢性が優れたコンパクトタイプの感圧修正テー
プを低コストで提供する。 【解決手段】 有機高分子からなるフィルム基材上に、
隠蔽層と感圧接着層とがこの順に積層された感圧転写層
が設けられた感圧修正テープにおいて、該基材の転写層
側の、被転写体の表面に対する動摩擦係数が、該基材の
背面側の、転写具のヘッドに対する動摩擦係数よりも大
きく、その差が0.01以上であり、さらに好ましくは
前記基材が両面に離型層を有しており、前記隠蔽層と接
する側の離型層が平均粒径0.3〜5μmの無機または
有機の粒子を1重量%以上含有していることを特徴とす
る感圧修正テープ。
Description
によって紙面などに押しつけられることにより感圧転写
層が紙面などに転写されて、当該箇所にある像を隠蔽し
て消去すると共に、転写された前記転写層の表面にボー
ルペンあるいは鉛筆などの筆記具を使用して筆記するこ
とができる感圧修正テープに関する。
直ちに筆記できるなどの利点から修正液に替わって感圧
修正テープが注目を集めている。
片面に白色顔料を含有する隠蔽層と感圧接着層とからな
る感圧転写層を設けた構造のものが知られており、前記
基材としては離型処理したグラシン紙などの紙基材が一
般に用いられている。この感圧修正テープは手持ち型の
転写具に装着して使用されている。
の転写具の1例を示す概略図であり、図2はその要部拡
大図である。1は感圧修正テープであり、基材2上に隠
蔽層と感圧接着層からなる感圧転写層3を設けたもので
ある。転写具の主要構成要素は感圧修正テープ1の供給
リール10と、基材2の巻き取りリール11と、感圧修
正テープ1を紙などの被転写体13に押圧するヘッド1
2とからなる。なお図1〜2においては、供給リール1
0、巻き取りリール11を駆動するためのギヤ機構、供
給リール10、巻き取りリール11をセットして転写具
に装着するためのカートリッジ、ケース本体などは省略
されている。
移動させると、感圧修正テープ1が引き出されヘッド1
2で押圧されることにより、感圧転写層3が基材2より
剥離されるとともに被転写体13上に接着されていく。
一方、感圧転写層3と分離した基材2は巻き取りリール
11に巻き取られる。
れている。そのためには感圧修正テープの薄膜化、細幅
化が必要である。しかし従来の紙基材を使用する感圧修
正テープではこれらの要求に対応するのが困難である。
フィルムを使用することが提案された。しかし有機高分
子フィルム基材を用いると次のような問題があった。そ
の一つは、基材がフィルム状であることに起因して、感
圧修正テープの走行時にスリップが生じることである。
すなわち、図2に示すように、ヘッド12の部位の基材
2上に感圧転写層3がない場合に転写具にて感圧修正テ
ープ1を引き出そうとすると、フィルムが高平滑である
ことから、一般的な被転写体(普通紙等)に対して所望
の摩擦力が得られず、通常の圧力ではスリップが生じ、
その結果感圧修正テープ1を引き出すことができない。
以下、基材がスリップしない特性を基材の走行性が良い
という。次の問題は、フィルムが高平滑なので転写した
感圧転写層の表面が光沢を有することである。すなわち
該フィルムに塗設された離型剤上に塗布された隠蔽層の
界面も当然のことながら高平滑となる。この隠蔽層が紙
に転写された場合、転写される紙の低平滑な表面は光沢
がないのに対し、転写した該隠蔽層表面が光沢を有する
ことになるので、本来目立つべきではない修正部分が際
だって見えるという問題が発生する。以下、転写した隠
蔽層の表面が光沢を有さない特性を非光沢性という。
基材の中に粒子を練り込む、あるいはフィルムの片面を
サンドマット加工するなどの手段によって被転写体への
摩擦力向上ならびに非光沢性対策も考えられるが、いず
れも高コスト化を招く結果となる。
に鑑み、基材の走行性に優れたコンパクトタイプの感圧
修正テープを低コストで提供することを課題とする。
た感圧転写層表面の非光沢性がともに優れたコンパクト
タイプの感圧修正テープを低コストで提供することを課
題とする。
発明は、有機高分子からなるフィルム基材上に、隠蔽層
と感圧接着層とがこの順に積層された感圧転写層が設け
られた感圧修正テープにおいて、該基材の転写層側の、
被転写体の表面に対する動摩擦係数が、該基材の背面側
の、転写具のヘッドに対する動摩擦係数よりも大きく、
その差が0.01以上であることを特徴とする感圧修正
テープに関する。
両面に離型層を有しており、前記隠蔽層と接する側の離
型層が平均粒径0.3〜5μmの無機または有機の粒子
を1重量%以上含有していることを特徴とする請求項1
記載の感圧修正テープに関する。
の引き出し時のスリップを解消するために鋭意研究した
結果、フィルム基材の転写層側の、被転写体の表面に対
する動摩擦係数と、該フィルム基材の背面側の、転写具
のヘッドに対する動摩擦係数の差を0.01以上とする
ことによって、前記スリップを解消できることを見出し
た。
対象物に対し動摩擦係数の差を設ける手段としては、表
裏で離型剤の滑り性に差異を設け動摩擦係数の差を生じ
させる方法が考えられるが、この場合は感圧転写層の非
光沢性を確保するには、フィルム基材そのものをマット
処理する必要があり、基材のコストが上昇し低コストで
の製品提供が困難となる傾向があるので、必ずしも好ま
しい手段ではない。
層と接する側の離型層中に無機または有機の粒子を含有
させて該離型層の表面を凹凸にすることによって、普通
紙に対する動摩擦係数の向上ならびに転写された転写層
の非光沢性の両立が可能となることを見出した。この場
合、基材に対してマット処理を施す必要はないから、低
コストでの製品提供が可能となる。
子フィルムの両面に離型層を設け、隠蔽層と接する側の
離型層に平均粒径が0.3〜5μmの粒子を含有せしめ
たものを用いるのが好ましい。それによって、基材の転
写層側の、被転写体の表面に対する動摩擦係数が、該基
材の背面側の、転写具のヘッドに対する動摩擦係数より
も大きく、その差を0.01以上にすることが容易で、
優れた基材の走行性が得られるとともに、優れた非光沢
性がえられる。なお、基材の転写層側の、被転写体の表
面に対する動摩擦係数と、該基材の背面側の、転写具の
ヘッドに対する動摩擦係数との差の上限値はとくに制限
されないが、通常0.50程度である。
は、0.1〜2.0g/m2程度が好ましい。離型層中
に添加する無機または有機の粒子の平均粒径としては、
0.3〜5μmが好ましい。平均粒径が0.3μm未満
では離型層の表面を凹凸にする効果がほとんど見られ
ず、一方5μmより大きい場合、該効果は著しいもの
の、粒子を均一に離型層中に存在させることが困難とな
ったり、粒子の離型層からの脱落が生じ易くなる。
ではシリカ、ジルコニア、酸化チタンなどが、有機では
メラミン樹脂、高分子量のポリエチレンワックスなどが
あげられ、特に限定するものではない。
量は、1重量%以上が好ましく、より好ましくは1〜4
5重量%の範囲である。粒子の含有量が1重量%未満で
あると離型層の表面を凹凸にする効果が十分に発揮され
ない。一方45重量%より多いと、離型層本来の機能を
損ない、離型層の基材への密着不良や隠蔽層の剥離不良
を引き起こす傾向がある。
ン樹脂、フッ素樹脂、ワックスなどがあげられるが、一
般的にはシリコーン樹脂が好ましい。
ほかは前記隠蔽層と接する側の離型層と同様なものが使
用できる。
約5〜100μm程度のフィルムが用いられる。厚さが
5μm未満ではリボン状に加工した際、強度が弱く実用
上支障をきたす可能性が高く、一方100μmより厚く
なると、コンパクト化に支障を来すうえ、加工上で不都
合を生じる傾向がある。コンパクト化の点からは特に2
0μm以下の厚さのフィルムが好ましい。フィルムの材
質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレ
ートなどが適当であるが、特に限定するものではない。
上には隠蔽層および感圧接着層がこの順に設けられる。
ゴム弾性を有するポリマーとからなるものである。
たとえばスチレン系ポリマー、ポリウレタン系ゴム、フ
ッ素系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキルアクリ
レート共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、環化
ゴムなどがあげられる。これらは転写性などを考慮し
て、単独でまたは2種以上を組合せて用いる。前記ゴム
弾性を有するポリマーとしては、スチレン系ポリマーが
好ましく、このようなスチレン系ポリマーとしては、た
とえばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレ
ンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエ
ンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体(SIS)、スチレン−エチレン/プロピレンブロ
ック共重合体(SEP)などがあげられる。これらスチ
レン系ポリマーは単独でまたは2種以上を組合せて使用
できる。
性を有するポリマーに加えて、樹脂を併用してもよい。
樹脂を併用することによって、隠蔽層の切れ性の向上や
隠蔽層の硬さの調整をすることができる。このような樹
脂としては、たとえば炭化水素系樹脂、スチレン−アク
リル共重合体、ケトン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレ
フィン樹脂などがあげられる。これら樹脂は単独でまた
は2種以上を組合せて使用できる。
対象物は一般に白色の紙であるから、隠蔽層は通常白色
の隠蔽剤を用いて白色に着色される。しかし対象物が白
色以外の色に着色された紙などのばあいは、隠蔽層を対
象物の地色とほぼ同じ色に着色し、修正部分が地の部分
と見分けられず、目立たないようにするのが好ましい。
蔽力がすぐれている点から主として用いられる。
は、チタンイエロー、酸化鉄系、群青、コバルトブル
ー、酸化クロムグリーン、スピネルグリーン、黄鉛、ク
ロムバーミリオン、カドミウムイエロー、カドミウムレ
ッド、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾレーキ系、
ハンザ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、ジアリ
ライド系、ピラゾロン系、縮合アゾ系、フタロシアニン
系、キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、ジオキ
サジン系、アンスラキノン系、イソインドリノン系など
の有機顔料があげられる。
の添加剤を配合できる。
である。
系、ゴム系、ビニルエーテル樹脂系、ポリイソブチレン
系などの粘着剤の塗工層である。感圧接着層の厚さは
0.8〜3μm程度が適当である。
具に装着して使用に供せられる。使用に際しては、フィ
ルム基材の転写層側の、被転写体の表面に対する動摩擦
係数と、該フィルム基材の背面側の、転写具のヘッドに
対する動摩擦係数の差が0.01以上であることによっ
て、基材のスリップが防止され、感圧修正テープをスム
ースに引き出すことができる。そして転写された感圧転
写層は非光沢性が優れている。転写された感圧転写層の
表面の非光沢性としては、光沢度35以下が好ましい。
光沢度が35以下であれば普通紙などの被転写体上で特
に違和感を与えることがない。
普通紙の表面は、かなりの凹凸になっており高い摩擦を
得るためには、対象物もその表面が平滑よりも凹凸にな
っている方が接触面積を増やせるため有効である。本発
明においては、隠蔽層と接する側の基材の離型層中の無
機または有機の粒子が離型層表面を凹凸面にすること
で、被転写体(普通紙等)との摩擦力を高めることがで
き、良好な基材走行性が得られる。転写具のヘッドの材
質は、通常ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ABS樹脂、
AS樹脂などのプラスチックである。このような被転写
体の材質とヘッドの材質を適切に考慮して基材の両面の
動摩擦係数差を所定値に設定する。
的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定さ
れるものではない。
面に下記に示すシリコーン樹脂液を乾燥後塗布量が約
0.5g/m2になるように塗工し乾燥して離型層を形
成した。
コーン樹脂液からシリカ粒子を除いた組成のものを乾燥
後厚さが約0.5μmになるように塗工し、乾燥して背
面側の離型層を形成した。
有する離型層上に下記に示す白色顔料インクを乾燥後厚
さが約20μmになるように塗工し、乾燥して隠蔽層を
形成し、その上にアクリル系粘着剤を乾燥後厚さが約1
μmになるように塗工し、乾燥して感圧接着層を形成
し、感圧修正テープ原反を得た。
反について、幅5mmにスリットしながら10mの長さ
をコアに巻き取りパンケーキ状のサンプルとした。前記
パンケーキサンプルを市販の手持ち型の転写具(図1〜
2に示す構造を有するもの)に装填し、感圧修正テープ
転写具を得た。
表1に示す値に変えたほかは実施例1と同様にして感圧
修正テープ原反を得、これからパンケーキを作成し、転
写具に装着し感圧修正テープ転写具を得た。なお、比較
例3においては基材として厚さ40μmのグラシン紙を
用いた。
修正テープの性能を評価した。結果を表1に示す。
5mm、長さ約20cmの大きさにサンプリングし、こ
のサンプルを試験機のテーブル上に貼り付けた。対象物
を樹脂でできた直径3mmの筒に貼り付けるか(PPC
用紙の場合)、もしくは対象物で直径3mmの筒を作成
し(ポリアセタールの場合)、このものを基材と水平に
接触するようにして、接触面に荷重500gをかけ30
0mm/minの速度で基材上を滑らせ、その際の抵抗
値から動摩擦係数を算出した。
のヘッドの材質としてポリアセタールを用いた。
にヘッド部分におけるテープから転写層を剥した状態で
PPC用紙上にて転写具を走行させた。転写具を走行さ
せて感圧修正テープを容易に引き出すことができる場合
を◎、転写具を走行させて感圧修正テープを引き出すこ
とができる場合を○、転写具を走行させて感圧修正テー
プを引き出すのにかなりの力を要する場合を×とした。
いほど、良好な基材走行性を得ることができる。
下でPPC用紙上に転写して得られた転写物の表面の光
沢度を測定した。
del GM−26D((株)村上色彩科学研究所製) 測定条件:60度光沢測定(JIS Z 8741に準
ずる)
35以下であることが望ましい。
隠蔽層に接する側の離型層の粒子の含有量が1〜40重
量%の範囲であれば、基材走行性、非光沢性などの要求
特性が確保できた(実施例1〜3)。
材の引き出しにかなりの荷重が必要となり、転写物の非
光沢性も確保できなかった(比較例1〜2)。基材がグ
ラシン紙(厚さ40μm)の場合は基材特性は確保でき
ていたが、材質が紙であることから薄膜(例えば20μ
m程度)にすると強度が確保できなかった。
走行性と非光沢性を両立させた感圧修正テープを低コス
トで提供することが可能となった。これによって、基材
の薄膜化が可能となり、感圧修正テープのコンパクト化
が実現できた。
示す概略図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 有機高分子からなるフィルム基材上に、
隠蔽層と感圧接着層とがこの順に積層された感圧転写層
が設けられた感圧修正テープにおいて、該基材の転写層
側の、被転写体の表面に対する動摩擦係数が、該基材の
背面側の、転写具のヘッドに対する動摩擦係数よりも大
きく、その差が0.01以上であることを特徴とする感
圧修正テープ。 - 【請求項2】 前記基材が両面に離型層を有しており、
前記隠蔽層と接する側の離型層が平均粒径0.3〜5μ
mの無機または有機の粒子を1重量%以上含有している
ことを特徴とする請求項1記載の感圧修正テープ。
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JP4576518B2 (ja) | 2010-11-10 |
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