JP2015145064A - 感熱転写印刷用粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】基材としてのOPPフィルム(延伸ポリプロピレンフィルム)に対する十分な定着性と粘着層に対する良好な離型性とを兼ね備えた離型層を有するとともに、当該離型層の表面である被印刷面に感熱転写される着色層の接着性にも優れた感熱転写印刷用粘着シートを提供する。【解決手段】基材としてのOPPの表面に、酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルを含み、その表面が感熱転写媒体による被印刷面とされた離型層を形成した。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の少なくとも一部を炭素数2以上のアルキル基、アラルキル基、ポリエーテル基、および高級アルコールエステル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の非反応性の基で変性した変性シリコーンオイルが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、基材の裏面に粘着層が形成されるとともに当該基材の表面側が感熱転写媒体による被印刷面とされた感熱転写印刷用粘着シートに関するものである。
オンデマンドで小ロットの印刷が可能な印刷法として、感熱転写可能な着色層を備えた感熱転写媒体による感熱転写印刷が、様々な分野で様々な被印刷体に対して広く普及している。
例えば基材の裏面に粘着層が形成されるとともに表面に上記粘着層に対する離型層が形成され、剥離紙を介さず直接にロール状に巻回されるテープ状のいわゆるセパレスラベルの、離型層の表面を被印刷面として文字や画像等の印刷をするために、上記感熱転写媒体を用いた感熱転写印刷を適用することが検討されている。
例えば基材の裏面に粘着層が形成されるとともに表面に上記粘着層に対する離型層が形成され、剥離紙を介さず直接にロール状に巻回されるテープ状のいわゆるセパレスラベルの、離型層の表面を被印刷面として文字や画像等の印刷をするために、上記感熱転写媒体を用いた感熱転写印刷を適用することが検討されている。
セパレスラベル用の基材としては、寸法安定性や耐水性、耐摩耗性、透明性に優れ、しかも安価な延伸ポリプロピレンフィルム(以下「OPPフィルム」と略記する場合がある。)が好適に使用される。
しかしOPPフィルムの表面に良好に定着できる造膜成分は、ポリオレフィン系樹脂に限られる。
しかしOPPフィルムの表面に良好に定着できる造膜成分は、ポリオレフィン系樹脂に限られる。
そこでOPPフィルムを基材として用いたセパレスラベル等の感熱転写印刷用粘着シートの離型層として、特許文献1に記載された、ポリオレフィン系樹脂を造膜成分とし、離型処理剤を含有させて、粘着層に対する離型性と感熱転写媒体の着色層に対する定着性とを兼ね備えた離型層の構成を採用することが考えられる。
かかる離型層はOPPフィルムからなる基材の表面に良好に定着するだけでなく、その表面である被印刷面に感熱転写印刷した着色層の定着性もある程度は向上できる。すなわち着色層の上に感圧粘着テープを貼り付けたのち引き剥がすいわゆるセロピック試験をしても当該着色層を剥がれにくくできる上、耐擦過性も向上して着色層を摩擦によってかすれにくくできる。
かかる離型層はOPPフィルムからなる基材の表面に良好に定着するだけでなく、その表面である被印刷面に感熱転写印刷した着色層の定着性もある程度は向上できる。すなわち着色層の上に感圧粘着テープを貼り付けたのち引き剥がすいわゆるセロピック試験をしても当該着色層を剥がれにくくできる上、耐擦過性も向上して着色層を摩擦によってかすれにくくできる。
しかし特許文献1に記載の離型層はセパレスラベル用としての使用を考慮したものではないため、特にあらかじめ離型層の表面である被印刷面に感熱転写印刷をしたセパレスラベルをロール状に巻回した状態で保管したのち必要な長さを繰り出して使用する用途に使用する場合は、着色層の接着性が不十分である。
すなわち被印刷面に感熱転写した着色層が、セパレスラベルを繰り出す際に当該着色層の上に巻き重ねられて粘着していた粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移(裏写り)したりしやすいという問題がある。
すなわち被印刷面に感熱転写した着色層が、セパレスラベルを繰り出す際に当該着色層の上に巻き重ねられて粘着していた粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移(裏写り)したりしやすいという問題がある。
これは通常のセロピック試験であれば、感圧粘着テープを貼り付けたほぼ直後に引き剥がして定着性を評価するのに対し、セパレスラベルの粘着層は、当該セパレスラベルをロール状に巻回した状態で長期間に亘って保管している間、着色層に粘着し続けていることや、セパレスラベルをロール状に巻回する際の巻き付けによる粘着層の被印刷面への接触圧が、セロピック試験の際の手動による感圧粘着テープの貼り付け時の接触圧より大幅に大きいことなどが原因と考えられる。
特許文献2には、アルキルペンダント系離型剤を含む着色層を備えた感熱転写媒体と、同じアルキルペンダント系離型剤からなる離型層を備えた感熱転写用粘着シートとを組み合わせることが提案されている。
かかる組み合わせの場合、感熱転写媒体の着色層は、感熱転写用粘着シートの離型層の表面である被印刷面に対してある程度は良好な定着性を示す。
かかる組み合わせの場合、感熱転写媒体の着色層は、感熱転写用粘着シートの離型層の表面である被印刷面に対してある程度は良好な定着性を示す。
しかし、やはり着色層の接着性は不十分であり、あらかじめ被印刷面に感熱転写印刷をしたセパレスラベルをロール状に巻回した状態で保管したのち必要な長さを繰り出して使用する用途では、着色層が粘着層の粘着力によって剥離して粘着層側に転移しやすいという問題は解消されない。
しかもアルキルペンダント系離型剤はOPPフィルムに対する定着性を有しないため、基材としてOPPフィルムを採用した場合には離型層を形成することすら困難である。
しかもアルキルペンダント系離型剤はOPPフィルムに対する定着性を有しないため、基材としてOPPフィルムを採用した場合には離型層を形成することすら困難である。
特許文献3には、あらかじめ被印刷面に印刷をしたセパレスラベルをロール状に巻回した状態で保管したのち必要な長さを繰り出して使用する用途に使用する被印刷層を、非晶性ポリエステルと非シリコーン系離型性ポリマーとの混合物で形成した粘着テープが記載されている。
また印刷法としては、ゴム印を用いたスタンプ、インクジェット印刷、そして感熱転写印刷が記載されている。
また印刷法としては、ゴム印を用いたスタンプ、インクジェット印刷、そして感熱転写印刷が記載されている。
しかし特許文献3の実施例においても確認されているように、上記の被印刷層を備えた粘着テープにおいて、印刷が粘着層側に転移(裏写り)しないのは、被印刷層中に浸透してしまう染料インクを用いた場合のみに限られる。
感熱転写印刷では、顔料インクを用いた印刷と同様に、転写された着色層が被印刷層上に密着しているだけなので、着色層が粘着層の粘着力によって剥離して粘着層側に転移しやすいという問題は解消されない。
感熱転写印刷では、顔料インクを用いた印刷と同様に、転写された着色層が被印刷層上に密着しているだけなので、着色層が粘着層の粘着力によって剥離して粘着層側に転移しやすいという問題は解消されない。
また顔料インクを用いた印刷や感熱転写印刷による着色層の転移を防止するために、粘着テープの被印刷層や、組み合わせる感熱転写媒体の着色層をどのような構成とすればよいかについて、特許文献3には一切記載されていない。
本発明の目的は、基材としてのOPPフィルムに対する十分な定着性と粘着層に対する良好な離型性とを兼ね備えた離型層を有するとともに、当該離型層の表面である被印刷面に感熱転写される着色層の接着性にも優れた感熱転写印刷用粘着シートを提供することにある。
本発明は、基材としてのOPPフィルム、当該基材の裏面に形成した粘着層、および前記基材の表面に形成した、酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルを含み、その表面が感熱転写媒体による被印刷面とされた離型層を備える感熱転写印刷用粘着シートである。
本発明によれば、離型層の形成材料として、通常の未変性のポリオレフィン樹脂に代えて酸変性ポリオレフィン樹脂を用いることにより、当該離型層の、基材としてのOPPフィルムに対する良好な定着性を維持しながら、かかる離型層の表面である被印刷面に対する着色層の接着性をも向上できる。
また、かかる酸変性ポリオレフィン樹脂からなる離型層にシリコーンオイルを含有させることで、当該酸変性ポリオレフィン樹脂による着色層の接着性を向上する効果を良好に維持しながら、離型層に、粘着層に対する良好な離型性を付与できる。
また、かかる酸変性ポリオレフィン樹脂からなる離型層にシリコーンオイルを含有させることで、当該酸変性ポリオレフィン樹脂による着色層の接着性を向上する効果を良好に維持しながら、離型層に、粘着層に対する良好な離型性を付与できる。
そのため、例えばあらかじめセパレスラベルの被印刷面に印刷をし、ロール状に巻回した状態で保管したのち必要な長さを繰り出して使用する用途に使用しても、被印刷面に感熱転写した着色層が粘着層の粘着力によって剥離して粘着層側に転移したりするのを防止できる。
よって本発明によれば、OPPフィルムに対する十分な定着性と粘着層に対する良好な離型性とを兼ね備えた離型層を有するとともに、当該離型層の表面である被印刷面に感熱転写される感熱転写媒体の着色層の接着性にも優れた感熱転写印刷用粘着シートを提供できる。
よって本発明によれば、OPPフィルムに対する十分な定着性と粘着層に対する良好な離型性とを兼ね備えた離型層を有するとともに、当該離型層の表面である被印刷面に感熱転写される感熱転写媒体の着色層の接着性にも優れた感熱転写印刷用粘着シートを提供できる。
また粘着層に対する高い離型性ゆえに、例えば巻回したロールから必要な長さ分の感熱転写印刷用粘着シートを繰り出す際の巻き戻し力が過剰に重くなるのを防止することもできる。
《感熱転写印刷用粘着シート》
〈基材〉
基材としては、先に説明したようにOPPフィルムを用いる。OPPフィルムとしては、ポリプロピレンフィルムを例えば二軸延伸等の延伸処理をするとともに熱固定して製造される種々のフィルムが使用可能である。
〈基材〉
基材としては、先に説明したようにOPPフィルムを用いる。OPPフィルムとしては、ポリプロピレンフィルムを例えば二軸延伸等の延伸処理をするとともに熱固定して製造される種々のフィルムが使用可能である。
基材としてのOPPフィルムの厚みは、感熱転写印刷用粘着シートの用途や、その用途において求められる各種の特性等に応じて任意の範囲に設定できる。
例えばセパレスラベル用の基材として使用する場合は、裏面に粘着層、表面に離型層をコーティングして感熱転写印刷用粘着シートを製造し、離型層の表面に感熱転写印刷したのちロール状に巻回する際や、ロールから粘着層の粘着力に抗して感熱転写印刷用粘着シートを繰り出す際等にしわになったり切れたりしない十分なコシを付与することを考慮すると、OPPフィルムの厚みは10μm以上、特に30μm以上であるのが好ましい。
例えばセパレスラベル用の基材として使用する場合は、裏面に粘着層、表面に離型層をコーティングして感熱転写印刷用粘着シートを製造し、離型層の表面に感熱転写印刷したのちロール状に巻回する際や、ロールから粘着層の粘着力に抗して感熱転写印刷用粘着シートを繰り出す際等にしわになったり切れたりしない十分なコシを付与することを考慮すると、OPPフィルムの厚みは10μm以上、特に30μm以上であるのが好ましい。
また感熱転写印刷用粘着シートをロール状に巻回する際やロールから繰り出した感熱転写印刷用粘着シートを例えば立体表面に貼り付ける際などに良好な柔軟性を発現させることを考慮すると、OPPフィルムの厚みは100μm以下、特に50μm以下であるのが好ましい。
OPPフィルムの特に離型層を形成する表面には、当該離型層の定着性を向上するために、あらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、紫外線照射処理等の表面処理を施しておいてもよい。
OPPフィルムの特に離型層を形成する表面には、当該離型層の定着性を向上するために、あらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、紫外線照射処理等の表面処理を施しておいてもよい。
〈離型層〉
OPPフィルムの表面に形成する離型層は、先に説明したように酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルを含んでいる。
離型層の形成材料として、通常のポリオレフィン樹脂に代えて酸変性ポリオレフィン樹脂を用いることにより、当該離型層の、OPPフィルムに対する良好な定着性を維持しながら、かかる離型層の表面である被印刷面に対する着色層の接着性をも向上できる。
OPPフィルムの表面に形成する離型層は、先に説明したように酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルを含んでいる。
離型層の形成材料として、通常のポリオレフィン樹脂に代えて酸変性ポリオレフィン樹脂を用いることにより、当該離型層の、OPPフィルムに対する良好な定着性を維持しながら、かかる離型層の表面である被印刷面に対する着色層の接着性をも向上できる。
また、かかる酸変性ポリオレフィン樹脂からなる離型層にシリコーンオイルを含有させることで、当該酸変性ポリオレフィン樹脂による着色層の接着性を向上する効果を良好に維持しながら、離型層に、粘着層に対する良好な離型性をも付与できる。
(酸変性ポリオレフィン樹脂)
酸変性ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂をアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸等の不飽和酸単量体の1種または2種以上によって変性することでカルボキシル基等の極性基を導入して着色層の接着性を向上したもの等が挙げられる。変性方法としては共重合法、グラフト重合法、およびこれらの併用等が挙げられる。
(酸変性ポリオレフィン樹脂)
酸変性ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂をアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸等の不飽和酸単量体の1種または2種以上によって変性することでカルボキシル基等の極性基を導入して着色層の接着性を向上したもの等が挙げられる。変性方法としては共重合法、グラフト重合法、およびこれらの併用等が挙げられる。
かかる酸変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば日本製紙(株)製のアウローレン(登録商標)シリーズ、三菱化学(株)製のサーフレン(登録商標)P−1000、モディック(登録商標)S525、三井化学(株)製のアドマー(登録商標)QF551、NF550等の1種または2種以上が挙げられる。
また日本製紙(株)製のアウローレン(登録商標)シリーズとしては100S〔融点:75〜85℃、極性基含有量:高〕、150S〔融点:105〜135℃、極性基含有量:高〕、200S〔融点:60〜70℃、極性基含有量:高〕、250S〔融点:50〜150℃、極性基含有量:高〕、350S〔融点:65〜75℃、極性基含有量:中〕、351S〔融点:65〜75℃、極性基含有量:極低〕、353S〔融点:65〜75℃、極性基含有量:低〕、359S〔融点:60〜150℃、極性基含有量:中〕等の1種または2種以上が挙げられる。
また日本製紙(株)製のアウローレン(登録商標)シリーズとしては100S〔融点:75〜85℃、極性基含有量:高〕、150S〔融点:105〜135℃、極性基含有量:高〕、200S〔融点:60〜70℃、極性基含有量:高〕、250S〔融点:50〜150℃、極性基含有量:高〕、350S〔融点:65〜75℃、極性基含有量:中〕、351S〔融点:65〜75℃、極性基含有量:極低〕、353S〔融点:65〜75℃、極性基含有量:低〕、359S〔融点:60〜150℃、極性基含有量:中〕等の1種または2種以上が挙げられる。
特に極性基に基づく着色層の良好な接着性を確保しながら、当該接着性に基づいて離型層に対する粘着層の粘着が強くなりすぎるのを抑制して、例えばロールから感熱転写印刷用粘着シートを繰り出す際の巻き戻し力が過剰に重くなるのを防止することを考慮すると、これらの製品の中でも、相対的な極性基の含有量が中程度に分類されるアウローレン350S、359Sが好ましい。
(シリコーンオイル)
シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖が全てメチル基であるジメチルシリコーンオイル(いわゆるストレートシリコーンオイル)も使用可能であるが、かかるジメチルシリコーンオイルでは離型層の離型性が強くなりすぎて、着色層の接着性が低下する傾向がある。
シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖が全てメチル基であるジメチルシリコーンオイル(いわゆるストレートシリコーンオイル)も使用可能であるが、かかるジメチルシリコーンオイルでは離型層の離型性が強くなりすぎて、着色層の接着性が低下する傾向がある。
そのためシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の少なくとも一部を炭素数2以上のアルキル基、アラルキル基、ポリエーテル基、高級アルコールエステル基等の非反応性の基の少なくとも1種で変性して離型性を抑制した変性シリコーンオイルが好ましい。
また変性シリコーンオイルとしては、非反応性の基の鎖長や変性割合等の指標となる25℃での動粘度が800mm2/s以上、特に900mm2/s以上で、かつ3000mm2/s以下、特に1500mm2/s以下であるものを用いるのが好ましい。
また変性シリコーンオイルとしては、非反応性の基の鎖長や変性割合等の指標となる25℃での動粘度が800mm2/s以上、特に900mm2/s以上で、かつ3000mm2/s以下、特に1500mm2/s以下であるものを用いるのが好ましい。
かかる動粘度の範囲を満たす変性シリコーンオイルによれば、離型層の離型性を粘着層のスムースな離型に影響しない範囲で抑制しながら、当該離型層の表面である被印刷面への着色層の接着性を向上できる。
これに対し、動粘度が上記の範囲未満の変性シリコーンオイルでは、未変性のジメチルシリコーンオイルを使用した場合と同様に離型層の離型性が強くなりすぎて、着色層の接着性が低下するおそれがある。
これに対し、動粘度が上記の範囲未満の変性シリコーンオイルでは、未変性のジメチルシリコーンオイルを使用した場合と同様に離型層の離型性が強くなりすぎて、着色層の接着性が低下するおそれがある。
一方、動粘度が上記の範囲を超える変性シリコーンオイルでは離型層に十分な離型性を付与することができず、例えば巻回したロールから必要な長さ分の感熱転写印刷用粘着シートを繰り出す際の巻き戻し力が過剰に重くなるおそれがある。
上記動粘度の範囲を満たす変性シリコーンオイルとしては、例えば下記の変性シリコーンオイル等の1種または2種以上が挙げられる。
上記動粘度の範囲を満たす変性シリコーンオイルとしては、例えば下記の変性シリコーンオイル等の1種または2種以上が挙げられる。
東レ・ダウコーニング(株)製のSF8416〔動粘度:950mm2/s(25℃)、比重:0.88、屈折率:1.454、アルキル変性〕、SH203〔動粘度:1000mm2/s(25℃)、比重:0.91、屈折率:1.464、アルキル・アラルキル変性〕、230FLUID〔動粘度:1300mm2/s(25℃)、比重:1.01、屈折率:1.462、アルキル・アラルキル変性〕、SF8422〔動粘度:1300mm2/s(25℃)、比重:0.90、屈折率:1.454、アルキル・高級アルコールエステル変性〕、SF8410〔動粘度:2900mm2/s(25℃)、比重:1.03、ポリエーテル変性〕等。
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のXF42−334〔動粘度:1300mm2/s(25℃)、比重:1.00、屈折率:1.490、アルキル・アラルキル変性〕、XF42−B3629〔動粘度:800mm2/s(25℃)、比重:0.92、屈折率:1.468、アルキル・アラルキル変性〕等。
信越化学工業(株)製のKF−410〔動粘度:900mm2/s(25℃)、比重:1.02、屈折率:1.480、アラルキル変性〕、X−22〔動粘度:850mm2/s(25℃)、比重:0.92、屈折率:1.466、アルキル・アラルキル変性〕等。
信越化学工業(株)製のKF−410〔動粘度:900mm2/s(25℃)、比重:1.02、屈折率:1.480、アラルキル変性〕、X−22〔動粘度:850mm2/s(25℃)、比重:0.92、屈折率:1.466、アルキル・アラルキル変性〕等。
(その他の成分)
離型層には、酸変性ポリオレフィン樹脂、およびシリコーンオイルに加えて、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分としては、例えば離型性をコントロールするための、シリカ粒子等の無機フィラーやテフロン(登録商標)粒子等の有機フィラーなどの1種または2種以上が挙げられる。
離型層には、酸変性ポリオレフィン樹脂、およびシリコーンオイルに加えて、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分としては、例えば離型性をコントロールするための、シリカ粒子等の無機フィラーやテフロン(登録商標)粒子等の有機フィラーなどの1種または2種以上が挙げられる。
ただし酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルを併用することによる先に説明した効果をできるだけ良好に発現させることを考慮すると、離型層は、酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分のみで形成するのが好ましい。なおこの「2成分のみ」には、2種以上の酸変性ポリオレフィン樹脂を併用する場合および/または2種以上のシリコーンオイルを併用する場合を含むこととする。
シリコーンオイルの配合割合は、酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルとを含み、離型層を形成する固形分の総量中の0.1質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、3質量%以下、特に2質量%以下であるのが好ましい。
シリコーンオイルの配合割合がこの範囲未満では、離型層にシリコーンオイルを含有させることによる先に説明した効果、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂による着色層の接着性を向上する効果を良好に維持しながら、離型層に、粘着層に対する良好な離型性を付与する効果が得られないおそれがある。その結果、例えば巻回したロールから必要な長さ分の感熱転写印刷用粘着シートを繰り出す際の巻き戻し力が過剰に重くなるおそれがある。
シリコーンオイルの配合割合がこの範囲未満では、離型層にシリコーンオイルを含有させることによる先に説明した効果、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂による着色層の接着性を向上する効果を良好に維持しながら、離型層に、粘着層に対する良好な離型性を付与する効果が得られないおそれがある。その結果、例えば巻回したロールから必要な長さ分の感熱転写印刷用粘着シートを繰り出す際の巻き戻し力が過剰に重くなるおそれがある。
またシリコーンオイルの配合割合が上記の範囲を超える場合には、離型層の離型性が強くなりすぎて、着色層の接着性が低下するおそれがある。
離型層の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して0.1g/m2以上であるのが好ましく、0.5g/m2以下であるのが好ましい。
〈粘着層〉
OPPフィルムの裏面に形成する粘着層は、従来同様に、適宜の粘着剤によって形成することができる。
離型層の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して0.1g/m2以上であるのが好ましく、0.5g/m2以下であるのが好ましい。
〈粘着層〉
OPPフィルムの裏面に形成する粘着層は、従来同様に、適宜の粘着剤によって形成することができる。
かかる粘着剤としては、例えばゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤、エポキシ系粘着剤等の1種または2種以上が挙げられる。
粘着層の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して10g/m2以上であるのが好ましく、20g/m2以下であるのが好ましい。
粘着層の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して10g/m2以上であるのが好ましく、20g/m2以下であるのが好ましい。
〈セパレスラベル〉
本発明の感熱転写印刷用粘着シートをセパレスラベルとして用いる場合には、例えば粘着層上に離型紙を積層するとともに所定幅にスリットして長尺帯状に形成する。
次いでこの長尺帯状の感熱転写印刷用粘着シートの、離型層の表面である被印刷面に、感熱転写印刷によって、着色層からなる所定の画像や文字等を連続的に印刷する。
本発明の感熱転写印刷用粘着シートをセパレスラベルとして用いる場合には、例えば粘着層上に離型紙を積層するとともに所定幅にスリットして長尺帯状に形成する。
次いでこの長尺帯状の感熱転写印刷用粘着シートの、離型層の表面である被印刷面に、感熱転写印刷によって、着色層からなる所定の画像や文字等を連続的に印刷する。
次いで印刷後の感熱転写印刷用粘着シートを、離型紙を剥離しながら例えばボール紙製の筒状の芯等にロール状に巻回することで、任意の画像や文字等が印刷されたセパレスラベルを製造することができる。
《感熱転写媒体》
上記本発明の感熱転写印刷用粘着シートの離型層の表面である被印刷面に感熱転写印刷をするための感熱転写媒体としては、当該用途に使用される従来公知の種々の感熱転写媒体がいずれも使用可能である。
《感熱転写媒体》
上記本発明の感熱転写印刷用粘着シートの離型層の表面である被印刷面に感熱転写印刷をするための感熱転写媒体としては、当該用途に使用される従来公知の種々の感熱転写媒体がいずれも使用可能である。
ただし感熱転写媒体としては、基材上にアルキルペンダント系離型剤を含む剥離層と着色層をこの順に積層した感熱転写媒体を用いるのが好ましい。
かかる感熱転写媒体によれば、剥離層と着色層との積層体である感熱転写層を基材から離型させて、被印刷面上に着色層および剥離層の順に積層された状態で感熱転写させることができる。
かかる感熱転写媒体によれば、剥離層と着色層との積層体である感熱転写層を基材から離型させて、被印刷面上に着色層および剥離層の順に積層された状態で感熱転写させることができる。
この状態では、被印刷面への接着性を着色層によって確保しながら、当該着色層をその上の剥離層によって保護することができる。そのため両層の機能分離により被印刷面への接着性、および粘着層などに対する離型性をともに現状よりも向上できる。
特に着色層を保護して感熱転写層の最表面を構成する剥離層に離型性に優れたアルキルペンダント系離型剤を集中的に存在させることでその離型性を向上して、例えばあらかじめセパレスラベルの被印刷面に印刷をし、ロール状に巻回した状態で保管したのち必要な長さを繰り出して使用する用途に使用しても、被印刷面に感熱転写した少なくとも着色層が粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移したりするのを防止できる。
特に着色層を保護して感熱転写層の最表面を構成する剥離層に離型性に優れたアルキルペンダント系離型剤を集中的に存在させることでその離型性を向上して、例えばあらかじめセパレスラベルの被印刷面に印刷をし、ロール状に巻回した状態で保管したのち必要な長さを繰り出して使用する用途に使用しても、被印刷面に感熱転写した少なくとも着色層が粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移したりするのを防止できる。
すなわち剥離層がそれ自体のもつ良好な離型性によって粘着層との間で離型して、着色層を含む感熱転写層の全体を被印刷面側に残留させたり、剥離層は粘着層側に移行しても着色層との間で層分離して当該着色層を被印刷面側に残留させたりするために機能する。
また剥離層で保護することで感熱転写層の全体での耐擦過性を向上して、摩擦によってかすれたりするのも防止できる。
また剥離層で保護することで感熱転写層の全体での耐擦過性を向上して、摩擦によってかすれたりするのも防止できる。
さらに上記機能分離によって着色層の接着性を高め、感熱転写層の感度を向上して転写不良によるかすれを防止することもできる。
〈基材〉
基材としては、従来同様に例えばポリスルホン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエステル、トリアセテート等の樹脂のフィルム、コンデンサー紙、グラシン紙等の薄葉紙、あるいはセロファン等が挙げられる。
〈基材〉
基材としては、従来同様に例えばポリスルホン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエステル、トリアセテート等の樹脂のフィルム、コンデンサー紙、グラシン紙等の薄葉紙、あるいはセロファン等が挙げられる。
中でもポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルのフィルムが機械的強度、寸法安定性、耐熱性、価格等の見地から好ましい。
基材の強度(引張強度等)を確保しながら感熱転写プリンタのサーマルヘッドにより感熱転写層にできるだけ効率よく熱伝達することを考慮すると、当該基材の厚みは1μm以上、特に2μm以上であるのが好ましく、30μm以下、特に15μm以下であるのが好ましい。
基材の強度(引張強度等)を確保しながら感熱転写プリンタのサーマルヘッドにより感熱転写層にできるだけ効率よく熱伝達することを考慮すると、当該基材の厚みは1μm以上、特に2μm以上であるのが好ましく、30μm以下、特に15μm以下であるのが好ましい。
〈感熱転写層〉
(剥離層)
感熱転写層を構成する剥離層は、先に説明したように少なくともアルキルペンダント系離型剤を含んでいる。より具体的にはアルキルペンダント系離型剤、および炭化水素系ワックスを含んでいるのが好ましく、特にこの2種のみからなるのがさらに好ましい。
(剥離層)
感熱転写層を構成する剥離層は、先に説明したように少なくともアルキルペンダント系離型剤を含んでいる。より具体的にはアルキルペンダント系離型剤、および炭化水素系ワックスを含んでいるのが好ましく、特にこの2種のみからなるのがさらに好ましい。
−アルキルペンダント系離型剤−
アルキルペンダント系離型剤としては、例えばビニル系連鎖やエチレンイミン系連鎖等からなる主鎖に対して必要に応じ官能基を介して炭素数が10〜30、中でも12〜28、特に14〜24の長鎖アルキル基を側鎖としてペンダント状に導入したものなどの1種または2種以上が挙げられる。
アルキルペンダント系離型剤としては、例えばビニル系連鎖やエチレンイミン系連鎖等からなる主鎖に対して必要に応じ官能基を介して炭素数が10〜30、中でも12〜28、特に14〜24の長鎖アルキル基を側鎖としてペンダント状に導入したものなどの1種または2種以上が挙げられる。
アルキルペンダント系離型剤の具体例としては、例えばアシオ産業(株)製のアシオレジン(登録商標)シリーズのうちRA−45A〔PVA系、融点:85±5℃〕、RA−95H〔PVA系、融点:90±5℃〕、RA−80〔EVA系、融点:92±5℃〕、RA−585S〔PVA系、融点:95±5℃〕、RA−95HS〔PVA系、融点:100±5℃〕等の1種または2種以上が挙げられる。
アルキルペンダント系離型剤の配合割合は、剥離層を形成する固形分の総量の5質量%以上であるのが好ましく、20質量%以下であるのが好ましい。
アルキルペンダント系離型剤の配合割合がこの範囲未満では、当該アルキルペンダント系離型剤による離型効果が不十分になって、剥離とそれに伴う粘着層側への転移とを防止する効果が不十分になるおそれがある。
アルキルペンダント系離型剤の配合割合がこの範囲未満では、当該アルキルペンダント系離型剤による離型効果が不十分になって、剥離とそれに伴う粘着層側への転移とを防止する効果が不十分になるおそれがある。
また範囲を超える場合には相対的に炭化水素系ワックスの割合が少なくなるため、当該炭化水素系ワックスによる造膜性を向上する効果が不十分になり、剥離層の耐擦過性が低下して摩擦によってかすれたりしやすくなるおそれがある。
−炭化水素系ワックス−
炭化水素系ワックスとしては、天然あるいは合成の種々の炭化水素系ワックスがいずれも使用可能である。かかる炭化水素系ワックスとしては、例えばパラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の1種または2種以上が挙げられる。
−炭化水素系ワックス−
炭化水素系ワックスとしては、天然あるいは合成の種々の炭化水素系ワックスがいずれも使用可能である。かかる炭化水素系ワックスとしては、例えばパラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の1種または2種以上が挙げられる。
炭化水素系ワックスの融点は85℃以上であるのが好ましい。
融点がこの範囲以上の高融点、高分子量で、ワックスの中では凝集力、造膜性に優れた炭化水素系ワックスを選択して用いることにより耐擦過性を向上できる。
また剥離層が感熱転写時に溶けすぎるのを抑制して、例えば感熱転写領域に隣接する非転写領域の感熱転写層まで基材から剥離するいわゆる余剥離の発生を防止でき、印刷の鮮明性も向上できる。また余剥離の部分をなくすることで、感熱転写領域の感熱転写層が余剥離の領域とともに粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移してしまうのを防止できる。
融点がこの範囲以上の高融点、高分子量で、ワックスの中では凝集力、造膜性に優れた炭化水素系ワックスを選択して用いることにより耐擦過性を向上できる。
また剥離層が感熱転写時に溶けすぎるのを抑制して、例えば感熱転写領域に隣接する非転写領域の感熱転写層まで基材から剥離するいわゆる余剥離の発生を防止でき、印刷の鮮明性も向上できる。また余剥離の部分をなくすることで、感熱転写領域の感熱転写層が余剥離の領域とともに粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移してしまうのを防止できる。
ただし融点が高すぎる場合には感熱転写層の全体の感度が低下して転写不良によるかすれを生じるおそれがあるため、炭化水素系ワックスの融点は100℃以下、特に95℃以下であるのが好ましい。
−厚み−
剥離層の厚みは0.5μm以上であるのが好ましく、1.2μm以下であるのが好ましい。
−厚み−
剥離層の厚みは0.5μm以上であるのが好ましく、1.2μm以下であるのが好ましい。
厚みがこの範囲未満では、剥離層による着色層を保護する効果が不十分になり、また範囲を超える場合には剥離層の凝集力が低下して、やはり着色層を保護する効果が不十分になるおそれがある。そしていずれの場合にも粘着層の粘着力によって少なくとも着色層が被印刷面から剥離して粘着層側に転移したり、感熱転写層の全体での耐擦過性が低下して摩擦によってかすれたりするおそれがある。
また厚みが範囲を超える場合には、感熱転写層の全体の感度が低下して転写不良によるかすれを生じるおそれもある。
(着色層)
着色層は炭化水素系ワックス、バインダ樹脂、および着色剤を含んでいるのが好ましく、特にこの3種のみからなるのがさらに好ましい。
(着色層)
着色層は炭化水素系ワックス、バインダ樹脂、および着色剤を含んでいるのが好ましく、特にこの3種のみからなるのがさらに好ましい。
−炭化水素系ワックス−
炭化水素系ワックスとしては、天然あるいは合成の種々の炭化水素系ワックスがいずれも使用可能である。かかる炭化水素系ワックスとしては、例えばパラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の1種または2種以上が挙げられる。
炭化水素系ワックスとしては、天然あるいは合成の種々の炭化水素系ワックスがいずれも使用可能である。かかる炭化水素系ワックスとしては、例えばパラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の1種または2種以上が挙げられる。
炭化水素系ワックスの融点は90℃以上であるのが好ましく、115℃以下であるのが好ましい。
また感熱転写時に着色層が溶けすぎるのを抑制して余剥離の発生をより確実に防止したり、耐擦過性を向上したりすることを考慮すると、当該着色層の炭化水素系ワックスとしては、剥離層の炭化水素系ワックスより融点が5℃以上の範囲で高い高分子量のものを用いるのが好ましい。
また感熱転写時に着色層が溶けすぎるのを抑制して余剥離の発生をより確実に防止したり、耐擦過性を向上したりすることを考慮すると、当該着色層の炭化水素系ワックスとしては、剥離層の炭化水素系ワックスより融点が5℃以上の範囲で高い高分子量のものを用いるのが好ましい。
ただし着色層の炭化水素系ワックスの融点が高すぎる場合には感熱転写層の感度が低下して転写不良によるかすれを生じるおそれがあるため、当該着色層の炭化水素系ワックスとしては、剥離層の炭化水素系ワックスより融点が15℃以下の範囲で高いものを用いるのが好ましい。
炭化水素系ワックスの配合割合は、着色層を形成する固形分の総量の3質量%以上、特に5質量%以上であるのが好ましく、15質量%以下、特に12質量%以下であるのが好ましい。
炭化水素系ワックスの配合割合は、着色層を形成する固形分の総量の3質量%以上、特に5質量%以上であるのが好ましく、15質量%以下、特に12質量%以下であるのが好ましい。
炭化水素系ワックスは、エポキシ樹脂等のバインダ樹脂よりも造膜性が低いため着色層のキレをよくして余剥離の防止に寄与する成分であるが、その配合割合が上記の範囲未満ではかかる効果が十分に得られないため余剥離を生じやすくなるおそれがある。
一方、炭化水素系ワックスの配合割合が上記の範囲を超える場合には着色層の凝集力が低くなりすぎて当該着色層、ひいては感熱転写層が粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移したり、耐擦過性が低下して摩擦によってかすれたりしやすくなるおそれがある。
一方、炭化水素系ワックスの配合割合が上記の範囲を超える場合には着色層の凝集力が低くなりすぎて当該着色層、ひいては感熱転写層が粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移したり、耐擦過性が低下して摩擦によってかすれたりしやすくなるおそれがある。
−バインダ樹脂−
バインダ樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。特にエポキシ樹脂が好ましい。
被印刷面に対する接着性に優れるとともに凝集力の高いエポキシ樹脂を主体とする着色層は、造膜に寄与しない顔料等の着色剤を含んでいるにも拘らず、当該着色剤の配合割合を小さくして印刷の濃度を低下させることなしに、その厚みを小さくできる。
バインダ樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。特にエポキシ樹脂が好ましい。
被印刷面に対する接着性に優れるとともに凝集力の高いエポキシ樹脂を主体とする着色層は、造膜に寄与しない顔料等の着色剤を含んでいるにも拘らず、当該着色剤の配合割合を小さくして印刷の濃度を低下させることなしに、その厚みを小さくできる。
そして厚みを小さくすることで凝集力を向上して着色層、ひいては感熱転写層が粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移したり、耐擦過性が低下して摩擦によってかすれたりするのを防止できる。
またエポキシ樹脂は溶融粘度が小さいため、当該エポキシ樹脂等よりは凝集力、造膜性が低い炭化水素系ワックスや造膜に寄与しない着色剤とともに着色層を形成していることと相まって、当該着色層のキレをよくして余剥離の発生を防止でき、印刷の鮮明性を向上できる。また余剥離の部分をなくすることで、感熱転写領域の感熱転写層が余剥離の領域とともに粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移してしまうのを防止できる。
またエポキシ樹脂は溶融粘度が小さいため、当該エポキシ樹脂等よりは凝集力、造膜性が低い炭化水素系ワックスや造膜に寄与しない着色剤とともに着色層を形成していることと相まって、当該着色層のキレをよくして余剥離の発生を防止でき、印刷の鮮明性を向上できる。また余剥離の部分をなくすることで、感熱転写領域の感熱転写層が余剥離の領域とともに粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移してしまうのを防止できる。
エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールAD型エポキシ樹脂;プロピレングリコールグリコキシエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族系エポキシ樹脂;脂肪族もしくは芳香族アミンとエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂;脂肪族もしくは芳香族カルボン酸とエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂;複素環エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂;エポキシ変性樹脂;ブロム化エポキシ樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
エポキシ樹脂の具体例としては、例えば常温で固形状を呈する、三菱化学(株)製の基本固形タイプのエポキシ樹脂のうちグレード1001〔軟化点(環球法):64℃、分子量:約900〕、1002〔軟化点(環球法):78℃、分子量:約1200〕、1003〔軟化点(環球法):89℃、分子量:約1300〕、1055〔軟化点(環球法):93℃、分子量:約1600〕、1004〔軟化点(環球法):97℃、分子量:約1650〕、1004AF〔軟化点(環球法):97℃、分子量:約1650〕、1003F〔軟化点(環球法):96℃〕等の1種または2種以上が挙げられる。
−着色剤−
着色剤としては、着色層の色味に応じた1種または2種以上の、顔料等の種々の着色剤を用いることができる。特に印刷の耐候性等を考慮すると顔料が好ましい。
着色剤の配合割合は、着色層を形成する固形分の総量の40質量%以上、特に45質量%以上であるのが好ましく、70質量%以下、特に65質量%以下であるのが好ましい。
着色剤としては、着色層の色味に応じた1種または2種以上の、顔料等の種々の着色剤を用いることができる。特に印刷の耐候性等を考慮すると顔料が好ましい。
着色剤の配合割合は、着色層を形成する固形分の総量の40質量%以上、特に45質量%以上であるのが好ましく、70質量%以下、特に65質量%以下であるのが好ましい。
着色剤の配合割合がこの範囲未満では印刷の濃度が不十分になるおそれがある。また着色剤は、造膜性を有しないため着色層のキレをよくして余剥離の防止に寄与する成分であるが、その配合割合が上記の範囲未満ではかかる効果が十分に得られないため余剥離を生じやすくなるおそれもある。
一方、着色剤の配合割合が上記の範囲を超える場合には着色層の凝集力が低くなりすぎて当該着色層、ひいては感熱転写層が粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移したり、耐擦過性が低下して摩擦によってかすれたりしやすくなるおそれがある。
一方、着色剤の配合割合が上記の範囲を超える場合には着色層の凝集力が低くなりすぎて当該着色層、ひいては感熱転写層が粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移したり、耐擦過性が低下して摩擦によってかすれたりしやすくなるおそれがある。
なお着色剤の配合割合は、その色味や種類、隠ぺい力等に応じて上記の範囲で適宜変更できる。例えばカーボンブラック(黒)を50質量%程度の配合割合で含有させた場合と同程度の隠ぺい力を得るために必要な配合割合は、酸化チタン(白)が70質量%程度、フタロシアニン(青)は50質量%程度、マゼンタ(赤)は55質量%程度である。
−厚み−
着色層の厚みは0.2μm以上であるのが好ましく、0.7μm以下であるのが好ましい。
−厚み−
着色層の厚みは0.2μm以上であるのが好ましく、0.7μm以下であるのが好ましい。
厚みがこの範囲未満では印刷の濃度が不十分になるおそれがある。
一方、厚みが上記の範囲を超える場合には、着色層の凝集力が低くなりすぎて当該着色層、ひいては感熱転写層が粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移したり、耐擦過性が低下して摩擦によってかすれたりしやすくなるおそれがある。また感熱転写層の全体の感度が低下して転写不良によるかすれを生じるおそれもある。
一方、厚みが上記の範囲を超える場合には、着色層の凝集力が低くなりすぎて当該着色層、ひいては感熱転写層が粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移したり、耐擦過性が低下して摩擦によってかすれたりしやすくなるおそれがある。また感熱転写層の全体の感度が低下して転写不良によるかすれを生じるおそれもある。
(オーバー層)
着色層の上、すなわち感熱転写層の最表面にはオーバー層を形成してもよい。かかるオーバー層はポリオレフィン系樹脂、およびカルナバワックスを含んでいるのが好ましく、特にこの2種のみからなるのがさらに好ましい。
−ポリオレフィン系樹脂−
ポリオレフィン系樹脂としては、本発明の感熱転写印刷用粘着シートの、酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルを含む離型層の表面である被印刷面に対する接着性に優れた種々のポリオレフィン系樹脂がいずれも使用可能である。
着色層の上、すなわち感熱転写層の最表面にはオーバー層を形成してもよい。かかるオーバー層はポリオレフィン系樹脂、およびカルナバワックスを含んでいるのが好ましく、特にこの2種のみからなるのがさらに好ましい。
−ポリオレフィン系樹脂−
ポリオレフィン系樹脂としては、本発明の感熱転写印刷用粘着シートの、酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルを含む離型層の表面である被印刷面に対する接着性に優れた種々のポリオレフィン系樹脂がいずれも使用可能である。
ただしオーバー層用の塗材は、下地となる着色層を侵さないために水性であるのが好ましいことから、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば変性により水分散性を付与した変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体の状態で提供されるものを用いるのが好ましい。
かかる水性分散体状として供給される変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えばユニチカ(株)製のアローベース(登録商標)シリーズのうちSA−1200〔融点:100℃、固形分濃度:25質量%〕、SB−1200〔融点:83℃、固形分濃度:25質量%〕、SE−1200〔融点:93℃、固形分濃度:20質量%〕、SB−1010〔融点:83℃、固形分濃度:25質量%〕等の1種または2種以上が挙げられる。
かかる水性分散体状として供給される変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えばユニチカ(株)製のアローベース(登録商標)シリーズのうちSA−1200〔融点:100℃、固形分濃度:25質量%〕、SB−1200〔融点:83℃、固形分濃度:25質量%〕、SE−1200〔融点:93℃、固形分濃度:20質量%〕、SB−1010〔融点:83℃、固形分濃度:25質量%〕等の1種または2種以上が挙げられる。
−カルナバワックス−
カルナバワックスとしては、ヤシ科の植物の葉の分泌物から採取される種々のグレードのカルナバワックスがいずれも使用可能である。
かかるカルナバワックスは溶融曲線がシャープで感熱転写前の感熱転写媒体をロール状に巻回して保管している間にブロッキング等を生じにくいため、かかる保管時の保存性(ブロッキング防止性)を向上できる。
カルナバワックスとしては、ヤシ科の植物の葉の分泌物から採取される種々のグレードのカルナバワックスがいずれも使用可能である。
かかるカルナバワックスは溶融曲線がシャープで感熱転写前の感熱転写媒体をロール状に巻回して保管している間にブロッキング等を生じにくいため、かかる保管時の保存性(ブロッキング防止性)を向上できる。
−配合割合−
オーバー層をポリオレフィン系樹脂とカルナバワックスの2種のみで形成する場合、ポリオレフィン系樹脂の配合割合は上記2種の成分、すなわちオーバー層を形成する固形分の総量の40質量%以上であるのが好ましく、60質量%以下であるのが好ましい。
配合割合がこの範囲未満では、相対的にカルナバワックスの割合が少なくなるため、当該カルナバワックスを配合することによる、保管時の保存性(ブロッキング防止性)を向上効果が十分に得られないおそれがある。
オーバー層をポリオレフィン系樹脂とカルナバワックスの2種のみで形成する場合、ポリオレフィン系樹脂の配合割合は上記2種の成分、すなわちオーバー層を形成する固形分の総量の40質量%以上であるのが好ましく、60質量%以下であるのが好ましい。
配合割合がこの範囲未満では、相対的にカルナバワックスの割合が少なくなるため、当該カルナバワックスを配合することによる、保管時の保存性(ブロッキング防止性)を向上効果が十分に得られないおそれがある。
一方、上記の範囲を超える場合には、ポリオレフィン系樹脂を配合することによる、離型処理された被印刷面等に対する接着性を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
なおポリオレフィン系樹脂の配合割合は、水性分散体として供給されるものを使用する場合、当該水性分散体中の固形分、すなわちポリオレフィン系樹脂自体の配合割合とする。
なおポリオレフィン系樹脂の配合割合は、水性分散体として供給されるものを使用する場合、当該水性分散体中の固形分、すなわちポリオレフィン系樹脂自体の配合割合とする。
〈背面層〉
基材の背面には背面層を形成してもよい。背面層は、サーマルヘッドと接触する基材の背面の耐熱性、滑り性、耐擦過性等を向上するための層である。かかる背面層は従来同様に形成できる。
すなわち背面層は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン・フッ素共重合樹脂、ニトロセルロース樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂等によって形成できる。また背面層には、必要に応じて滑剤を含有させても良い。
基材の背面には背面層を形成してもよい。背面層は、サーマルヘッドと接触する基材の背面の耐熱性、滑り性、耐擦過性等を向上するための層である。かかる背面層は従来同様に形成できる。
すなわち背面層は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン・フッ素共重合樹脂、ニトロセルロース樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂等によって形成できる。また背面層には、必要に応じて滑剤を含有させても良い。
背面層は、上記の各成分を溶剤に溶解または分散させた塗剤を基材の背面に塗布したのち乾燥させて形成できる。
背面層の厚みは0.05μm以上であるのが好ましく、0.5μm以下であるのが好ましい。
厚みがこの範囲未満では、背面層を設けることによる効果が十分に得られないおそれがある。一方、範囲を超える場合にはサーマルヘッドからの熱伝達の効率が低下して、感熱転写媒体の感度が低下するおそれがある。
背面層の厚みは0.05μm以上であるのが好ましく、0.5μm以下であるのが好ましい。
厚みがこの範囲未満では、背面層を設けることによる効果が十分に得られないおそれがある。一方、範囲を超える場合にはサーマルヘッドからの熱伝達の効率が低下して、感熱転写媒体の感度が低下するおそれがある。
〈感熱転写媒体〉
上記各層を備えたこの例の感熱転写媒体によれば、剥離層、着色層、およびオーバー層の3層からなる感熱転写層を基材から離型させて、被印刷面上にオーバー層、着色層、および剥離層の順に積層された状態で感熱転写させることができる。
この状態では被印刷面への接着性をオーバー層によって確保しながら、感熱転写層の最表面を構成する剥離層に離型性に優れたアルキルペンダント系離型剤を集中的に存在させることでその離型性を向上できる。
上記各層を備えたこの例の感熱転写媒体によれば、剥離層、着色層、およびオーバー層の3層からなる感熱転写層を基材から離型させて、被印刷面上にオーバー層、着色層、および剥離層の順に積層された状態で感熱転写させることができる。
この状態では被印刷面への接着性をオーバー層によって確保しながら、感熱転写層の最表面を構成する剥離層に離型性に優れたアルキルペンダント系離型剤を集中的に存在させることでその離型性を向上できる。
そのため、例えばあらかじめセパレスラベルの被印刷面に印刷をし、ロール状に巻回した状態で保管したのち必要な長さを繰り出して使用する用途に使用しても、被印刷面に感熱転写した少なくとも着色層が粘着層の粘着力によって被印刷面から剥離して粘着層側に転移したりするのを防止できる。
また剥離層で保護することで感熱転写層の全体での耐擦過性を向上して、摩擦によってかすれたりするのも防止できる。
また剥離層で保護することで感熱転写層の全体での耐擦過性を向上して、摩擦によってかすれたりするのも防止できる。
さらにオーバー層の良好な接着性に基づいて感熱転写層の感度を向上して転写不良によるかすれ等を防止することもできる。
なおオーバー層は省略してもよい。その場合、着色層のバインダ樹脂としてエポキシ樹脂を使用することにより、当該着色層自体に良好な接着性を付与してかすれ等を防止することが可能となる。
なおオーバー層は省略してもよい。その場合、着色層のバインダ樹脂としてエポキシ樹脂を使用することにより、当該着色層自体に良好な接着性を付与してかすれ等を防止することが可能となる。
〈実施例1〉
(基材)
基材としては、厚み40μmのOPPフィルムを用いた。
(粘着層)
上記OPPフィルムの裏面に、アクリル系粘着剤用の塗材を塗布し、乾燥させて粘着層を形成した。粘着層の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して15g/m2とした。
(基材)
基材としては、厚み40μmのOPPフィルムを用いた。
(粘着層)
上記OPPフィルムの裏面に、アクリル系粘着剤用の塗材を塗布し、乾燥させて粘着層を形成した。粘着層の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して15g/m2とした。
(離型層)
酸変性ポリオレフィン樹脂〔融点:65〜75℃、極性基含有量:中〕9.9質量部と、変性シリコーンオイル〔動粘度:1300mm2/s(25℃)、比重:0.90、屈折率:1.454、アルキル・高級アルコールエステル変性〕0.1質量部とを、トルエン90質量部に溶解して離型層用の塗材を調製し、先のOPPフィルムの表面に塗布したのち乾燥させて離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
酸変性ポリオレフィン樹脂〔融点:65〜75℃、極性基含有量:中〕9.9質量部と、変性シリコーンオイル〔動粘度:1300mm2/s(25℃)、比重:0.90、屈折率:1.454、アルキル・高級アルコールエステル変性〕0.1質量部とを、トルエン90質量部に溶解して離型層用の塗材を調製し、先のOPPフィルムの表面に塗布したのち乾燥させて離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
離型層の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して0.3g/m2とした。シリコーンオイルの配合割合は、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の1質量%であった。
〈実施例2〉
実施例1で使用した変性シリコーンオイルに代えて、同量の、動粘度が950mm2/s(25℃)である変性シリコーンオイル〔動粘度:950mm2/s(25℃)、比重:0.88、屈折率:1.454、アルキル変性〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして離型層用の塗材を調製し、離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
〈実施例2〉
実施例1で使用した変性シリコーンオイルに代えて、同量の、動粘度が950mm2/s(25℃)である変性シリコーンオイル〔動粘度:950mm2/s(25℃)、比重:0.88、屈折率:1.454、アルキル変性〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして離型層用の塗材を調製し、離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
シリコーンオイルの配合割合は、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の1質量%であった。
〈実施例3〉
実施例1で使用した変性シリコーンオイルに代えて、同量の、動粘度が500mm2/s(25℃)である変性シリコーンオイル〔動粘度:500mm2/s(25℃)、比重:0.90、屈折率:1.451、アルキル変性〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして離型層用の塗材を調製し、離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
〈実施例3〉
実施例1で使用した変性シリコーンオイルに代えて、同量の、動粘度が500mm2/s(25℃)である変性シリコーンオイル〔動粘度:500mm2/s(25℃)、比重:0.90、屈折率:1.451、アルキル変性〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして離型層用の塗材を調製し、離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
シリコーンオイルの配合割合は、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の1質量%であった。
〈実施例4〉
実施例1で使用した変性シリコーンオイルに代えて、同量の、動粘度が2900mm2/s(25℃)である変性シリコーンオイル〔動粘度:2900mm2/s(25℃)、比重:1.03、ポリエーテル変性〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして離型層用の塗材を調製し、離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
〈実施例4〉
実施例1で使用した変性シリコーンオイルに代えて、同量の、動粘度が2900mm2/s(25℃)である変性シリコーンオイル〔動粘度:2900mm2/s(25℃)、比重:1.03、ポリエーテル変性〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして離型層用の塗材を調製し、離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
シリコーンオイルの配合割合は、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の1質量%であった。
〈実施例5〉
実施例1で使用した変性シリコーンオイルに代えて、同量の、動粘度が4500mm2/s(25℃)である変性シリコーンオイル〔動粘度:4500mm2/s(25℃)、比重:0.99、ポリエーテル変性〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして離型層用の塗材を調製し、離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
〈実施例5〉
実施例1で使用した変性シリコーンオイルに代えて、同量の、動粘度が4500mm2/s(25℃)である変性シリコーンオイル〔動粘度:4500mm2/s(25℃)、比重:0.99、ポリエーテル変性〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして離型層用の塗材を調製し、離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
シリコーンオイルの配合割合は、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の1質量%であった。
〈実施例6〉
実施例1で使用した変性シリコーンオイルに代えて、同量の未変性のジメチルシリコーンオイル〔動粘度:1000mm2/s(25℃)〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして離型層用の塗材を調製し、離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
〈実施例6〉
実施例1で使用した変性シリコーンオイルに代えて、同量の未変性のジメチルシリコーンオイル〔動粘度:1000mm2/s(25℃)〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして離型層用の塗材を調製し、離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
シリコーンオイルの配合割合は、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の1質量%であった。
〈実施例7〉
離型層用の塗材における酸変性ポリオレフィン樹脂、および変性シリコーンオイルの量を変更して、シリコーンオイルの配合割合を、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の0.5質量%としたこと以外は実施例1と同様にして離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
〈実施例7〉
離型層用の塗材における酸変性ポリオレフィン樹脂、および変性シリコーンオイルの量を変更して、シリコーンオイルの配合割合を、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の0.5質量%としたこと以外は実施例1と同様にして離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
〈実施例8〉
離型層用の塗材における酸変性ポリオレフィン樹脂、および変性シリコーンオイルの量を変更して、シリコーンオイルの配合割合を、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の0.3質量%としたこと以外は実施例1と同様にして離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
離型層用の塗材における酸変性ポリオレフィン樹脂、および変性シリコーンオイルの量を変更して、シリコーンオイルの配合割合を、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の0.3質量%としたこと以外は実施例1と同様にして離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
〈実施例9〉
離型層用の塗材における酸変性ポリオレフィン樹脂、および変性シリコーンオイルの量を変更して、シリコーンオイルの配合割合を、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の2質量%としたこと以外は実施例1と同様にして離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
離型層用の塗材における酸変性ポリオレフィン樹脂、および変性シリコーンオイルの量を変更して、シリコーンオイルの配合割合を、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の2質量%としたこと以外は実施例1と同様にして離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
〈実施例10〉
離型層用の塗材における酸変性ポリオレフィン樹脂、および変性シリコーンオイルの量を変更して、シリコーンオイルの配合割合を、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の3質量%としたこと以外は実施例1と同様にして離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
離型層用の塗材における酸変性ポリオレフィン樹脂、および変性シリコーンオイルの量を変更して、シリコーンオイルの配合割合を、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の3質量%としたこと以外は実施例1と同様にして離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
〈比較例1〉
実施例1で使用した酸変性ポリオレフィン樹脂に代えて、未変性のポリオレフィン樹脂〔融点:110℃、熱トルエン溶解可〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして離型層用の塗材を調製し、離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
シリコーンオイルの配合割合は、離型層を形成する固形分、すなわち未変性のポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の1質量%であった。
実施例1で使用した酸変性ポリオレフィン樹脂に代えて、未変性のポリオレフィン樹脂〔融点:110℃、熱トルエン溶解可〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして離型層用の塗材を調製し、離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
シリコーンオイルの配合割合は、離型層を形成する固形分、すなわち未変性のポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の1質量%であった。
〈比較例2〉
離型層用の塗材に変性シリコーンオイルを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
〈感熱転写媒体I〉
(基材および背面層)
基材としては、厚み6μmのPETフィルムを用いた。基材の背面には、シリコーン変性アクリル樹脂(シリコーンアクリルグラフト共重合樹脂)からなる厚み0.15μmの背面層を形成した。
離型層用の塗材に変性シリコーンオイルを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして離型層を形成し、感熱転写印刷用粘着シートを製造した。
〈感熱転写媒体I〉
(基材および背面層)
基材としては、厚み6μmのPETフィルムを用いた。基材の背面には、シリコーン変性アクリル樹脂(シリコーンアクリルグラフト共重合樹脂)からなる厚み0.15μmの背面層を形成した。
(剥離層)
アルキルペンダント系離型剤〔PVA系、側鎖アルキル基:炭素数18、融点:85±5℃〕10質量部、および炭化水素系ワックスとしてのパラフィンワックス(融点:90℃)90質量部に、トルエンTとイソプロパノールIの質量比T/I=2/1の混合溶剤を加えて剥離層用の塗材(固形分濃度:20質量%)を調製し、当該塗材を先の基材の表面に塗布したのち乾燥させて厚み0.8μmの剥離層を形成した。
アルキルペンダント系離型剤〔PVA系、側鎖アルキル基:炭素数18、融点:85±5℃〕10質量部、および炭化水素系ワックスとしてのパラフィンワックス(融点:90℃)90質量部に、トルエンTとイソプロパノールIの質量比T/I=2/1の混合溶剤を加えて剥離層用の塗材(固形分濃度:20質量%)を調製し、当該塗材を先の基材の表面に塗布したのち乾燥させて厚み0.8μmの剥離層を形成した。
当該剥離層におけるアルキルペンダント系離型剤の配合割合は、剥離層を形成する固形分の総量の10質量%であった。
(着色層)
炭化水素系ワックスとしてのフィッシャー・トロプシュワックス(融点:100℃)10質量部、バインダ樹脂としてのエポキシ樹脂〔軟化点(環球法):78℃、分子量:約1200〕40質量部、および着色剤としてのカーボンブラック50質量部に、トルエンTとメチルエチルケトンMの質量比T/M=7/3の混合溶剤を加えて着色層用の塗材(固形分濃度:25質量%)を調製し、当該塗材を先に形成した剥離層上に塗布したのち乾燥させて厚み0.3μmの着色層を形成した。
(着色層)
炭化水素系ワックスとしてのフィッシャー・トロプシュワックス(融点:100℃)10質量部、バインダ樹脂としてのエポキシ樹脂〔軟化点(環球法):78℃、分子量:約1200〕40質量部、および着色剤としてのカーボンブラック50質量部に、トルエンTとメチルエチルケトンMの質量比T/M=7/3の混合溶剤を加えて着色層用の塗材(固形分濃度:25質量%)を調製し、当該塗材を先に形成した剥離層上に塗布したのち乾燥させて厚み0.3μmの着色層を形成した。
当該着色層における炭化水素系ワックスの配合割合は、着色層を形成する固形分の総量の10質量%であった。また着色層に配合した炭化水素系ワックスの融点は、剥離層に配合した炭化水素系ワックスの融点+10℃であった。
(オーバー層)
変性ポリオレフィン系樹脂の水性分散体〔融点:100℃、固形分濃度:25質量%〕200質量部(固形分量:50質量部)、およびカルナバワックス50質量部に、イソプロパノールIと水Wの質量比I/W=7/1の混合溶剤を加えてオーバー層用の塗材(固形分濃度5質量%)を調製し、当該塗材を先に形成した着色層上に塗布したのち乾燥させて厚み0.2μmのオーバー層を形成し、剥離層、着色層、およびオーバー層の3層からなる感熱転写層を備えた感熱転写媒体Iを作製した。
(オーバー層)
変性ポリオレフィン系樹脂の水性分散体〔融点:100℃、固形分濃度:25質量%〕200質量部(固形分量:50質量部)、およびカルナバワックス50質量部に、イソプロパノールIと水Wの質量比I/W=7/1の混合溶剤を加えてオーバー層用の塗材(固形分濃度5質量%)を調製し、当該塗材を先に形成した着色層上に塗布したのち乾燥させて厚み0.2μmのオーバー層を形成し、剥離層、着色層、およびオーバー層の3層からなる感熱転写層を備えた感熱転写媒体Iを作製した。
〈感熱転写媒体II〉
粘度平均分子量約8000のポリエチレン100質量部にカーボン粉100質量部を加えて約200℃で混合して均一分散物を調製し、かかる均一分散物をホットメルト方式のグラビア塗工機を用いて厚み6μmのポリエステルフィルムの表面に0.8μmの厚みで塗布して着色層を形成して、感熱転写媒体IIを作製した。
粘度平均分子量約8000のポリエチレン100質量部にカーボン粉100質量部を加えて約200℃で混合して均一分散物を調製し、かかる均一分散物をホットメルト方式のグラビア塗工機を用いて厚み6μmのポリエステルフィルムの表面に0.8μmの厚みで塗布して着色層を形成して、感熱転写媒体IIを作製した。
〈実機試験〉
感熱転写媒体Iをロール状に捲回してラベルプリンタ〔ゼブラテクノロジーズ社製の110Xi〕に装填し、印字速度:5インチ/秒、エネルギー設定:10の条件で、実施例1〜10、比較例1、2で製造した感熱転写印刷用粘着シートの被印刷面に感熱転写印刷をした。
感熱転写媒体Iをロール状に捲回してラベルプリンタ〔ゼブラテクノロジーズ社製の110Xi〕に装填し、印字速度:5インチ/秒、エネルギー設定:10の条件で、実施例1〜10、比較例1、2で製造した感熱転写印刷用粘着シートの被印刷面に感熱転写印刷をした。
また感熱転写媒体IIを用いた以外は上記と同様にして、実施例1で製造した感熱転写印刷用粘着シートの被印刷面に感熱転写印刷をしたものを実施例11とした。
そして各実施例、比較例について下記の特性を評価した。
(接着性評価)
被印刷面に印刷をした各実施例、比較例の感熱転写印刷用粘着シートをロール状に巻回した状態で23℃で24時間保管したのち繰り出して、印刷が被印刷面から剥離したりかすれたり、あるいは粘着層側に転移したりしたかを観察し、下記の基準で着色層の接着性を評価した。
そして各実施例、比較例について下記の特性を評価した。
(接着性評価)
被印刷面に印刷をした各実施例、比較例の感熱転写印刷用粘着シートをロール状に巻回した状態で23℃で24時間保管したのち繰り出して、印刷が被印刷面から剥離したりかすれたり、あるいは粘着層側に転移したりしたかを観察し、下記の基準で着色層の接着性を評価した。
◎:粘着層側に印刷の転移なし。接着性きわめて良好。
○:粘着層側に印刷の転移がごくわずかに見られたが印刷には影響なし。接着性良好。
△:粘着層側に印刷の転移がわずかに見られたものの、接着性通常レベル。
×:粘着層側に印刷の転移が見られ、印刷にもかすれ等の影響が見られた。接着性不良。
○:粘着層側に印刷の転移がごくわずかに見られたが印刷には影響なし。接着性良好。
△:粘着層側に印刷の転移がわずかに見られたものの、接着性通常レベル。
×:粘着層側に印刷の転移が見られ、印刷にもかすれ等の影響が見られた。接着性不良。
(巻き戻し力評価)
日本工業規格JIS Z0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」所載の試験方法に則って180°引きはがし粘着力を測定して、各実施例、比較例の感熱転写印刷用粘着シートの巻き戻し力を評価した。
すなわちステンレス試験板上に所定の長さにカットした1枚の感熱転写印刷用粘着シートを貼り付け、その上にそれより長尺の同じ感熱転写印刷用粘着シートをその一端が下側の感熱転写印刷用粘着シートの端とほぼ揃うように重ねて貼り付けて、重さ2kgの圧着ローラを15cmの距離で30秒間往復させたのち常温で30分間静置した。
日本工業規格JIS Z0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」所載の試験方法に則って180°引きはがし粘着力を測定して、各実施例、比較例の感熱転写印刷用粘着シートの巻き戻し力を評価した。
すなわちステンレス試験板上に所定の長さにカットした1枚の感熱転写印刷用粘着シートを貼り付け、その上にそれより長尺の同じ感熱転写印刷用粘着シートをその一端が下側の感熱転写印刷用粘着シートの端とほぼ揃うように重ねて貼り付けて、重さ2kgの圧着ローラを15cmの距離で30秒間往復させたのち常温で30分間静置した。
次いでステンレス試験板と、上側の感熱転写印刷用粘着シートの他端側とを、それぞれオートグラフ〔(株)島津製作所製のAGS−J〕の固定チャックと可動チャックに取り付けて180°引きはがし粘着力を測定して、下記の基準で巻き戻し力を評価した。
○:180°引きはがし粘着力は3N/25mm未満であった。巻き戻し力良好。
△:180°引きはがし粘着力は3N/25mm以上、5N/25mm未満であった。巻き戻し力通常レベル。
○:180°引きはがし粘着力は3N/25mm未満であった。巻き戻し力良好。
△:180°引きはがし粘着力は3N/25mm以上、5N/25mm未満であった。巻き戻し力通常レベル。
×:180°引きはがし粘着力は5N/25mm以上であった。巻き戻し力不良。
以上の結果を表1〜表3に示す。
以上の結果を表1〜表3に示す。
表1〜表3の実施例1〜11、比較例1の結果より、離型層を形成するポリオレフィン樹脂として酸変性ポリオレフィン樹脂を用いることによって、当該離型層の表面である被印刷面への着色層の接着性を向上して、感熱転写印刷用粘着シートをセパレスラベルとして用いてロール状に巻回した状態で保管したのち繰り出した際に、上記被印刷面に感熱転写した着色層が粘着層の粘着力によって剥離して粘着層側に転移したりするのを防止できることが判った。
また実施例1〜11、比較例2の結果より、酸変性ポリオレフィン樹脂からなる離型層にシリコーンオイルを含有させることによって、当該酸変性ポリオレフィン樹脂による着色層の接着性を向上する効果を良好に維持しながら、離型層に、粘着層に対する良好な離型性を付与して巻き戻し力が過剰に重くなるのを防止できることが判った。
実施例1〜6の結果より、シリコーンオイルを含有させることによる上記の効果をさらに向上することを考慮すると、当該シリコーンオイルとしては、25℃での動粘度が800mm2/s以上、3000mm2/s以下である変性シリコーンオイルを用いるのが好ましいことが判った。
実施例1〜6の結果より、シリコーンオイルを含有させることによる上記の効果をさらに向上することを考慮すると、当該シリコーンオイルとしては、25℃での動粘度が800mm2/s以上、3000mm2/s以下である変性シリコーンオイルを用いるのが好ましいことが判った。
また実施例1、7〜10の結果より、シリコーンオイルを含有させることによる上記の効果をさらに向上することを考慮すると、当該シリコーンオイルの配合割合は、離型層を形成する固形分、すなわち酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルの2成分の総量中の0.5質量%以上であるのが好ましく、2質量%以下であるのが好ましいことが判った。
さらに実施例1、11の結果より、本発明の感熱転写印刷用粘着シートの被印刷面に感熱転写印刷する感熱転写媒体としては、当該被印刷面への着色層の接着性をさらに向上することを考慮すると、基材上にアルキルペンダント系離型剤を含む剥離層と着色層をこの順に積層したものを用いるのが好ましいことが判った。
Claims (4)
- 基材としての延伸ポリプロピレンフィルム、当該基材の裏面に形成した粘着層、および前記基材の表面に形成した、酸変性ポリオレフィン樹脂とシリコーンオイルを含み、その表面が感熱転写媒体による被印刷面とされた離型層を備える感熱転写印刷用粘着シート。
- 前記シリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の少なくとも一部を炭素数2以上のアルキル基、アラルキル基、ポリエーテル基、および高級アルコールエステル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の非反応性の基で変性した変性シリコーンオイルである請求項1に記載の感熱転写印刷用粘着シート。
- 前記変性シリコーンオイルは、25℃での動粘度が800mm2/s以上、3000mm2/s以下である請求項2に記載の感熱転写印刷用粘着シート。
- 基材上にアルキルペンダント系離型剤を含む剥離層と着色層をこの順に積層した感熱転写媒体と組み合わせて用いる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の感熱転写印刷用粘着シート。
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