JP2006347057A - 熱転写媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】印字の定着性が良好で、且つ高速印字を行っても印字流れ及び印字つぶれが発生しない熱転写媒体を提供することである。
【解決手段】基材上に、少なくとも着色層を有し、該着色層が、ASTM D−1238改によるメルトフローレートが10〜150dg/minであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂100質量部に対してテルペン系樹脂100〜300質量部及び着色剤150〜250質量部を含有する熱溶融転写インク組成物からなることを特徴とする熱転写媒体である。
【選択図】図1
【解決手段】基材上に、少なくとも着色層を有し、該着色層が、ASTM D−1238改によるメルトフローレートが10〜150dg/minであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂100質量部に対してテルペン系樹脂100〜300質量部及び着色剤150〜250質量部を含有する熱溶融転写インク組成物からなることを特徴とする熱転写媒体である。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱転写媒体に関し、詳しくは各種包装、特に食品包装又は薬品包装に印字するのに好適な熱転写媒体に関する。
従来から、熱転写媒体は、食品包装及び薬品包装などに用いられる各種包装材をはじめとする種々の材料からなる包装材などの被転写体への転写記録に使用されてきた。熱転写媒体の一例として、低エネルギーでラフ紙に印字ができ且つ連続印刷でも地汚れの生じない熱転写媒体として、基材上に熱溶融性インク層を有し、この熱溶融性インク層が、酢酸ビニル含量が19重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体と融点が70〜90℃のワックス物質、ガラス転移点が50〜140℃の樹脂(ワックス物質又は樹脂のいずれか一つは必ず含有される)及び着色剤を含有する熱転写媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、基材上に熱溶融層を2層以上積層した熱転写媒体の一例として、その熱溶融層のうち最表面に位置する表面層がテルペン系樹脂60〜90重量%とエチレン−酢酸ビニル共重合体10〜40重量%とからなる熱転写媒体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、図1に示すような、食品包装のラインに用いられるプリンターでは、包装食品の賞味期限、製造管理番号、製造年月日、バーコードなど、場合によっては、グラフィックパターンなどが印字される。このような包装ラインでは、常に連続印刷することが可能であって且つラインスピードの向上が求められているが、現状の包装ラインのラインスピードはプリンターによる印字工程部分が律速となっている。
このような高速度化が求められている包装ラインに用いられるプリンターに上記文献に提案されている熱転写媒体を適用しても、必ずしも満足のいくものではなく、以下のような問題が発生する場合がある。例えば、二軸延伸ポリプロピレンやキャストポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂やナイロン系樹脂からなる包装材などの被転写体に高速印字を行うと、印字時に印字流れや印字つぶれが発生する。また、包装材(被転写体)への定着性が悪く、特に擦過性に劣った印字となりやすく、連続して印字を行うと印字後に通過するローラ等を汚し、結果として包装材を汚すこととなる。このような包装材の汚れは、特に、食品包装及び薬品包装といった厳しい衛生管理を必要とする包装システムにおいては、是非とも回避しなければならない重要な問題である。このように、従来から提案されている熱転写媒体を各種包装、特に食品包装及び薬品包装材に対する印刷に用いても、優れた印字品質を保ちつつ印字速度を向上させることは困難であった。
特開平7−61143号公報
特開2001−191652号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、印字の定着性が良好で、且つ高速印字(20m/min以上)を行っても印字流れ及び印字つぶれが発生しない熱転写媒体を提供することを目的とする。
上記の目的は以下に説明する本発明によって達成される。本発明は、基材上に、少なくとも着色層を有し、着色層が、ASTM D−1238改によるメルトフローレートが10〜150dg/minであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂100質量部に対してテルペン系樹脂100〜300質量部及び着色剤150〜250質量部を含有する熱溶融転写インク組成物からなることを特徴とする熱転写媒体を提供する。
上記の熱転写媒体の好ましい態様として下記のものが挙げられる。
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の酢酸ビニル含量が10〜35重量%である熱転写媒体。
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の、JIS K 6863に準じて測定した環球法軟化点が90〜160℃である熱転写媒体。
前記テルペン系樹脂の、JIS K 6863に準じて測定した環球法軟化点が90〜130℃である熱転写媒体。
前記テルペン系樹脂が芳香族変性テルペン樹脂及び/又はテルペンフェノール樹脂である熱転写媒体。
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の酢酸ビニル含量が10〜35重量%である熱転写媒体。
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の、JIS K 6863に準じて測定した環球法軟化点が90〜160℃である熱転写媒体。
前記テルペン系樹脂の、JIS K 6863に準じて測定した環球法軟化点が90〜130℃である熱転写媒体。
前記テルペン系樹脂が芳香族変性テルペン樹脂及び/又はテルペンフェノール樹脂である熱転写媒体。
本発明によれば、基材上に設ける着色層を、所定の割合でエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、テルペン系樹脂及び着色剤を含有する熱溶融転写インク組成物から形成することにより、印字の定着性が良好で、且つ高速印字を行っても印字流れ及び印字つぶれが発生しない熱転写媒体を提供することができる。本発明の熱転写媒体は、各種包装に対して、特に食品包装及び薬品包装に対して優れた印刷を可能とする。
次に、本発明の熱転写媒体をより詳細に説明する。本発明者等は、各種包装、特に食品包装及び薬品包装に対する印字に適切な熱転写媒体であって、印字の定着性が良好で、且つ高速印字を行っても印字流れ及び印字つぶれが発生しない熱転写媒体を開発するため、熱転写媒体の層構成について検討するとともに、着色層を構成する熱溶融転写インク組成物の材料について検討を重ねてきた。その結果、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、テルペン系樹脂及び着色剤を、一定の割合で含有する熱溶融転写インク組成物を用いて着色層を形成すると所望の効果が達成できることを発見し、本発明に至った。
本発明の熱転写媒体は、基材上に、少なくとも着色層を有する。この着色層はエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、テルペン系樹脂及び着色剤からなる熱溶融転写インク組成物により構成される。この熱溶融転写インク組成物はエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂100質量部に対してテルペン系樹脂100〜300質量部及び着色剤150〜250質量部を含有する。
この熱溶融転写インク組成物を構成するエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は、包装材などの被転写体に対して強い定着性を発揮し、特に、ポリプロピレン系樹脂又はナイロン系樹脂からなる被転写体のいずれに対しても、定着性良く着色層を被転写体へ転写することを可能とする。
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂としては、ASTM D−1238改によるメルトフローレート(以下、必要に応じMFRと略称する)が10〜150dg/minのもの、好ましくは10〜100dg/minのもの、さらに好ましくは10〜30dg/minのもの、最も好ましくは10〜19dg/minのものを用いる。これらのエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を用いると、得られた印字は擦過に対して良好な結果となる。一方、10dg/min未満の場合は、得られるインクは分離、沈殿し易く保存性が非常に劣ったものとなる。
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂としては、その酢酸ビニル含量が10〜35重量%であるものを用いるのが好ましい。酢酸ビニル含量が10重量%未満であると、得られる印字は保存性に劣ったものとなる。一方、酢酸ビニル含量が35重量%を超えると、印字流れや印字つぶれが発生する場合がある。
また、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は、JIS K 6863に準じて測定した環球法軟化点が90〜160℃であるものを用いるのが好ましい。環球法軟化点が90℃未満の場合は得られるインクが分離、沈殿し易く保存性が劣ったものとなる。一方、環球法軟化点が160℃を超える場合は高速転写での印字感度が悪くなる。
次に、着色層を構成する熱溶融転写インク組成物を構成するもう一つの成分であるテルペン系樹脂は、被転写体、特にポリプロピレンフィルム等無極性包装材に対して非常に良好な接着性を発揮する。本発明では、テルペン系樹脂を、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂100質量部に対して100〜300質量部用いる。テルペン系樹脂の含有量が100質量未満である場合には印字性が低下してしまう。一方、テルペン系樹脂の含有量が300質量部を超える場合には印字の擦過性及び定着性が劣ったものとなる。
本発明は、特に高速でのポリプロピレンフィルム等に対する接着性を発揮させるためにエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂に対して、比率を上げてテルペン系樹脂を配合することに特徴がある。そのため、通常より擦過性、定着性に劣った熱転写媒体となる恐れがあるが、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂として、MFRが10〜100dg/min、より好ましくは10〜30dg/min、最も好ましくは10〜19dg/minであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂に対して配合すれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の良好な耐擦過性、定着性に補完され、より高速化を図ることが可能となる。
本発明は、特に高速でのポリプロピレンフィルム等に対する接着性を発揮させるためにエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂に対して、比率を上げてテルペン系樹脂を配合することに特徴がある。そのため、通常より擦過性、定着性に劣った熱転写媒体となる恐れがあるが、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂として、MFRが10〜100dg/min、より好ましくは10〜30dg/min、最も好ましくは10〜19dg/minであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂に対して配合すれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の良好な耐擦過性、定着性に補完され、より高速化を図ることが可能となる。
また、前記テルペン系樹脂としては、JIS K 6863に準じて測定した環球法軟化点が90〜130℃の範囲内のものが、ポリプロピレン系樹脂等を含む種々の材料からなる包装材に対して良好な接着性を示すことから、好ましい。環球法軟化点が90℃未満であると得られるインクが分離、沈殿し易く保存性が劣ったものとなるおそれがある。一方、環球法軟化点が130℃を超えると高速印字での感度が悪くなる。
前記テルペン系樹脂としては、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂及びテルペンフェノール樹脂等が挙げられるが、これらの中でも芳香族変性テルペン樹脂及びテルペンフェノール樹脂はポリプロピレン樹脂からなる包装材等に対して接着性が高いため好ましい。これらテルペン系樹脂は、それぞれ単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
着色層を構成する熱溶融転写インク組成物に含まれる着色剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂100質量部に対して150〜250質量部が用いられる。着色剤の含有量がエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂100質量部に対して100質量部未満であると所望の印字濃度が得られず、一方、着色剤の含有量がエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂100質量部に対して250質量部を超えると相対的にバインダー樹脂の量が減少し、結果として印字の定着性が悪くなり、また印字つぶれや印字流れが起こる可能性がある。
前記着色剤としては、従来から用いられている熱溶融転写インク用の着色剤を用いることができ、これには各種の顔料及び染料が含まれ、具体的には、カーボンブラック、酸化鉄、群青、レーキレッド、酸化チタン、塩基性ベース系、ネオザポン系、ジスアゾ系、アゾ系、アントラキノン系、インジゴイド系、可溶性染料系、硫化系、フタロシアニン系、キノンイミン系、シアニン系、ニトロソ系、ニトロ系、スチルベン系、キノリン系、ピラゾロン系、金属錯塩系、ベンゾキノン系、ナフトキノン系の顔料及び染料が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の熱転写媒体の着色層には、本発明の目的を損ねない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を含めることができる。例えば、クロマン系化合物、フェノール系化合物等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、4−チアゾリドン系化合物、紫外線吸収性ポリマー等の紫外線吸収剤等を含有させてもよい。また、この他に、有機及び/又は無機の充填材等の微粒子、離型剤、可塑剤、分散剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、消泡剤、レベリング剤等を含んでもよい。
前記の着色層は、その塗布量が一般的には0.5〜2g/m2であることが好ましいが、染料及び顔料の着色剤の比重や添加量によって適宜決定してよい。
次に、本発明の熱転写媒体を構成する基材としては、例えばポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、アラミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンフィルム、セロファン等の合成樹脂フィルム、或いはコンデンサー紙、グラシン紙、トレーシング紙のような薄葉紙等が挙げられる。基材としては耐熱性フィルムが好ましく、特にポリエステルフィルムが価格、機械的強度、寸法安定性、耐熱性等の総合的見地から好ましい。
これらの基材は、厚さが一般的には1〜30μm、好ましくは2〜15μmのものが使用される。
また、基材の、着色層が積層される面とは反対側の面には、転写時の加熱から基材等を保護するために、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂とイソシアネート樹脂との反応生成物、または耐熱粒子を含むアクリル樹脂等を含む、いわゆる耐熱保護層を形成することが好ましい。この耐熱保護層は、シリコーン樹脂等を含有する塗布液を0.1〜0.8g/m2の塗布量となるように塗布し、乾燥させて形成するのが好ましい。
さらに、本発明の熱転写媒体においては、必要に応じて剥離層を着色層と基材との間に形成してもよい。剥離層は、主に、着色層と基材との間の接着力を調節し、鮮明な転写パターンを得るために設けられる。サーマルヘッドなどにより基材の、着色層が形成された面とは反対側の面から加熱した場合に、着色層が基材から均一に剥離し易くする役割を果たす。剥離層の材料としては、通常はワックスを主成分とするが、必要に応じて熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂を添加してもよい。ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、ビーズワックス、サゾールワックス、モンタンワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、リアスワックス、オーリキュリーワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等が使用できるが、これらに限定されるものではない。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂が用いられ、また、熱硬化性樹脂としては熱硬化性アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等が用いられるが、これらに限定されない。
剥離層は、その塗布液の塗布量が0.1〜5.0g/m2となるようにして形成するのが好ましい。
なお、本発明の目的を損ねない範囲で、剥離層、アンカー層、金属蒸着層等その他の層を設けてもよい。
本発明の熱転写媒体は、以下のようにして製造することができる。厚さが1〜30μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の基材の一方の面にトルエン、メチルエチルケトンなどの溶媒にシリコーン樹脂を溶解させた塗布液を0.1〜0.8g/m2の塗布量となるように塗布し乾燥させて耐熱保護層を形成する。次いで、この耐熱保護層とは反対側の基材の他方の面にポリエチレンワックス、カルナバワックス等のワックスを主成分とする塗布液を0.1〜5.0g/m2の塗布量となるように塗布し乾燥させて剥離層を形成する。次に、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、テルペン系樹脂及び着色剤を前述した所定の割合で使用することにより熱溶融転写インク組成物を調製し、これを適当な溶媒に溶解させて塗布液を調製し、これを上記剥離層上に0.5〜2g/m2の塗布量となるように塗布し乾燥させて着色層を形成する。このようにして、基材の一方の面上に耐熱保護層を有し、基材の他方の面上に剥離層及び着色層を順次設けた本発明の熱転写媒体を製造することができる。
上記着色層を含む各層の形成方法としては、これら各層に用いられる樹脂等の構成材料は、例えばソルベントコーティング法により、水又はトルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸ブチル、ジオキサン等の溶媒に加えられ、必要に応じて、ボールミル、バスケットミル、アトライター等を用いて均一に分散、溶解された後基材など塗布面に塗布、乾燥される。なお、塗布に際してはダイレクトグラビアコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、各種ブレードコーター、カーテンコーター等の従来使用されている各種塗布装置を使用することができる。
本発明の熱転写媒体は、例えば、図1に示すような構成を有する食品包装印刷ラインに組み込まれた熱転写プリンターに用いる。図1に示す食品包装印刷ラインは、例えば、菓子パン等の食品8をポリプロピレン製の包装材1からなる袋体に包装する装置であって、食品情報を包装材に印字するための熱転写プリンター6及び、コンベア7で搬送されてくる食品を、食品情報を印字した包装材からなる袋体で包装するための包装機3を具備している。包装機3は製袋機4と熱シール装置5とから構成されている。本発明の熱転写媒体は熱転写プリンター6に用いられる。図1の装置では、包装材としての連続するポリプロピレンフィルムが包装材ドラムに巻かれている。このポリプロピレンフィルムは数個の案内ローラ2により包装手段である包装機3へ送られる。包装機3へ送られる途中に設置された食品情報等を印字する手段である熱転写プリンター6にて包装材に賞味期間の日付や個別品種情報等が印字される。その際の印字速度、即ちポリプロピレンフィルムが包装機へ送られるラインスピードは現状で最大15m/min程度であるが、本発明の目的は、印字速度、即ちラインスピードを20m/min以上、より望ましくは30m/min以上に上げることである。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例及び比較例中、「部」とあるのは、特に断りがない限り質量基準である。
(実施例1)
厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に下記組成(I)の塗布液を塗布量が0.3g/m2となるようにダイレクトグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥させて耐熱保護層を形成した。
組成(I):
シリコーン樹脂 10部
トルエン 45部
MEK 45部
厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に下記組成(I)の塗布液を塗布量が0.3g/m2となるようにダイレクトグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥させて耐熱保護層を形成した。
組成(I):
シリコーン樹脂 10部
トルエン 45部
MEK 45部
上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の面に下記組成(II)の塗布液を塗布量が0.5g/m2となるようにダイレクトグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥させて剥離層を形成した。
組成(II):
ポリエチレンワックス 9部
エチレン−酢酸ビニル共重合体 1部
トルエン 10部
組成(II):
ポリエチレンワックス 9部
エチレン−酢酸ビニル共重合体 1部
トルエン 10部
この剥離層上に下記組成(III)の塗布液を塗布量が1.0g/m2となるようにダイレクトグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥させて着色層を形成し、熱転写媒体を得た。
組成(III):
エチレン−酢酸ビニル共重合体(MFR:15dg/min、酢酸ビニル含量:28重量%、環球法軟化点:135℃)#1 10部
テルペンフェノール樹脂(環球法軟化点115℃)#2 30部
カーボンブラック 10部
トルエン 100部
(#1:エバフレックス250(商品名)三井・デュポンケミカル社製)
(#2:YSポリスターT115(商品名)ヤスハラケミカル社製)
組成(III):
エチレン−酢酸ビニル共重合体(MFR:15dg/min、酢酸ビニル含量:28重量%、環球法軟化点:135℃)#1 10部
テルペンフェノール樹脂(環球法軟化点115℃)#2 30部
カーボンブラック 10部
トルエン 100部
(#1:エバフレックス250(商品名)三井・デュポンケミカル社製)
(#2:YSポリスターT115(商品名)ヤスハラケミカル社製)
(実施例2〜9)
実施例1において着色層を構成する成分のうちエチレン−酢酸ビニル共重合体及びテルペン系樹脂を表1に示す配合とし、それ以外は実施例1と同様にして熱転写媒体を得た。
実施例1において着色層を構成する成分のうちエチレン−酢酸ビニル共重合体及びテルペン系樹脂を表1に示す配合とし、それ以外は実施例1と同様にして熱転写媒体を得た。
(比較例1〜6)
実施例1において着色層を構成する成分のうちエチレン−酢酸ビニル共重合体及びテルペン系樹脂を表1に示す配合とし、それ以外は実施例1と同様にして熱転写媒体を得た。
実施例1において着色層を構成する成分のうちエチレン−酢酸ビニル共重合体及びテルペン系樹脂を表1に示す配合とし、それ以外は実施例1と同様にして熱転写媒体を得た。
(評価)
(印字特性)
実施例1〜9及び比較例1〜6で得られた各熱転写媒体に対して、図1に示す構成からなる模擬包装印刷ラインを用いポリプロピレン包装材を15m/min、20m/min、30m/minの各速度でコンベア上を移動させながら、熱転写プリンター(製品名:SmartDate−3c、EDM社製)を用いて印字を行い、ポリプロピレン包装材上に印字パターンを形成し印字サンプルを得た。
得られた印字サンプルを、印字品位(印字流れ、印字つぶれ)、基本印字性能(感度、高速印字性)及び擦過性、定着性の観点から、次の方法で評価した。
(印字特性)
実施例1〜9及び比較例1〜6で得られた各熱転写媒体に対して、図1に示す構成からなる模擬包装印刷ラインを用いポリプロピレン包装材を15m/min、20m/min、30m/minの各速度でコンベア上を移動させながら、熱転写プリンター(製品名:SmartDate−3c、EDM社製)を用いて印字を行い、ポリプロピレン包装材上に印字パターンを形成し印字サンプルを得た。
得られた印字サンプルを、印字品位(印字流れ、印字つぶれ)、基本印字性能(感度、高速印字性)及び擦過性、定着性の観点から、次の方法で評価した。
(印字品位−印字流れ、印字つぶれ)
得られた印字サンプルを目視で印字流れ、印字つぶれの有無を確認することで評価した。評価基準を以下のとおりとした。評価結果を表2に示す。
◎:印字流れ、印字つぶれが確認されなかった。
△:実用上問題はないが多少の印字流れ、印字つぶれが確認された。
×:ひどい印字流れ、印字つぶれが確認された。
得られた印字サンプルを目視で印字流れ、印字つぶれの有無を確認することで評価した。評価基準を以下のとおりとした。評価結果を表2に示す。
◎:印字流れ、印字つぶれが確認されなかった。
△:実用上問題はないが多少の印字流れ、印字つぶれが確認された。
×:ひどい印字流れ、印字つぶれが確認された。
(基本印字性能−感度、高速印字性))
各速度での印字サンプルの印字の状態を目視で確認した。以下の評価基準で評価した。その評価結果を表2に示す。
◎:印字に全く問題がなかった。
○:印字として実用上問題がなかった。
×:印字として、所望濃度がでない、ボイド等が多数存在する、印字として文字等を形成していない等の問題があった。
各速度での印字サンプルの印字の状態を目視で確認した。以下の評価基準で評価した。その評価結果を表2に示す。
◎:印字に全く問題がなかった。
○:印字として実用上問題がなかった。
×:印字として、所望濃度がでない、ボイド等が多数存在する、印字として文字等を形成していない等の問題があった。
(擦過性、定着性)
JIS L−0823に準拠した擦過試験機(電動式ロックメータNo.416−TMI、安田精機製作所社製)の摩擦子の先端に貼り付けた直径10.9mmのスチールボールを印字面表面と接触させ、荷重レバーの端子荷重88.2kPaで該表面上を往復摺動させた。スチールボールの30回往復中の印字状態の変化を目視で観察した。以下の評価基準で評価した。その評価結果を表2に示す。
◎:印字に全く問題がなかった。
○:印字に問題はないがかすかに擦過された跡があった。
△:印字は判読可能であるが擦過により削り取られ薄くなっていた。
×:印字の判読不能。
JIS L−0823に準拠した擦過試験機(電動式ロックメータNo.416−TMI、安田精機製作所社製)の摩擦子の先端に貼り付けた直径10.9mmのスチールボールを印字面表面と接触させ、荷重レバーの端子荷重88.2kPaで該表面上を往復摺動させた。スチールボールの30回往復中の印字状態の変化を目視で観察した。以下の評価基準で評価した。その評価結果を表2に示す。
◎:印字に全く問題がなかった。
○:印字に問題はないがかすかに擦過された跡があった。
△:印字は判読可能であるが擦過により削り取られ薄くなっていた。
×:印字の判読不能。
表1に示すエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂として使用したエバフレックス550、450、150、220、420、260、210、40Y(商品名)は、すべて、三井・デュポンケミカル社である。なお、これらエバフレックスについてのMFR、酢酸ビニル含量、環球法軟化点を、表2にまとめて示す。
また、表1に示すテルペン系樹脂として使用したYSレジンTO115、YSレジンTR105、YSポリスターT130、YSポリスターT145及びYSレジンTO85(商品名)は、すべて、ヤスハラケミカル社製であり、これら樹脂の特性は次のとおりである。
YSレジンTO115:芳香族変性テルペン樹脂、環球法軟化点115℃
YSレジンTR105:芳香族変性テルペン樹脂、環球法軟化点105℃
YSポリスターT130:テルペンフェノール樹脂、環球法軟化点130℃
YSポリスターT145:テルペンフェノール樹脂、環球法軟化点145℃
YSレジンTO85:芳香族変性テルペン樹脂、環球法軟化点85℃
YSレジンTO115:芳香族変性テルペン樹脂、環球法軟化点115℃
YSレジンTR105:芳香族変性テルペン樹脂、環球法軟化点105℃
YSポリスターT130:テルペンフェノール樹脂、環球法軟化点130℃
YSポリスターT145:テルペンフェノール樹脂、環球法軟化点145℃
YSレジンTO85:芳香族変性テルペン樹脂、環球法軟化点85℃
本発明の熱転写媒体は従来の熱転写媒体の諸特性をさらに向上させたものであり、高速印字においても、印字特性が優れており、特に、感度、高速印字性、印字の定着性、耐擦過性が良好で、印字流れ及び印字つぶれが発生しない熱転写媒体であり、各種包装、特に食品包装及び薬品包装の分野において利用することができる。
1 包装材
2 案内ローラ
3 包装機
4 製袋機
5 熱シール装置
6 熱転写プリンター
7 コンベア
8 食品
2 案内ローラ
3 包装機
4 製袋機
5 熱シール装置
6 熱転写プリンター
7 コンベア
8 食品
Claims (5)
- 基材上に、少なくとも着色層を有し、該着色層が、ASTM D−1238改によるメルトフローレートが10〜150dg/minであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂100質量部に対してテルペン系樹脂100〜300質量部及び着色剤150〜250質量部を含有する熱溶融転写インク組成物からなることを特徴とする熱転写媒体。
- 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の酢酸ビニル含量が10〜35重量%であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写媒体。
- 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の、JIS K 6863に準じて測定した環球法軟化点が90〜160℃であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写媒体。
- 前記テルペン系樹脂の、JIS K 6863に準じて測定した環球法軟化点が90〜130℃であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写媒体。
- 前記テルペン系樹脂が芳香族変性テルペン樹脂及び/又はテルペンフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1又は4に記載の熱転写媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005177741A JP2006347057A (ja) | 2005-06-17 | 2005-06-17 | 熱転写媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005177741A JP2006347057A (ja) | 2005-06-17 | 2005-06-17 | 熱転写媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006347057A true JP2006347057A (ja) | 2006-12-28 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006347057A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018062147A1 (ja) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
-
2005
- 2005-06-17 JP JP2005177741A patent/JP2006347057A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018062147A1 (ja) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
JPWO2018062147A1 (ja) * | 2016-09-28 | 2019-03-28 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
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