JPH07314931A - 熱転写記録媒体 - Google Patents
熱転写記録媒体Info
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- JPH07314931A JPH07314931A JP6131249A JP13124994A JPH07314931A JP H07314931 A JPH07314931 A JP H07314931A JP 6131249 A JP6131249 A JP 6131249A JP 13124994 A JP13124994 A JP 13124994A JP H07314931 A JPH07314931 A JP H07314931A
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Abstract
使用して、バーコードパターン等の情報を種々の性状の
ラベル紙やタグ紙に対して、任意の印字方向に、良好な
転写性で、しかも面状剥離なく鮮明に記録できるように
し、また、転写した画像の耐擦過性を向上させる。 【構成】 基材1上に、プライマー層2、熱溶融性イン
ク層3及びオーバーコート層4を順次積層してなる熱転
写記録媒体において、オーバーコート層の表面のJIS
−Z8741に準拠するグロス値を60%以上とする。
また、プライマー層2を、ワックスとそのワックスに非
相溶な熱可塑性樹脂とから構成する。
Description
の情報を、種々のラベル紙やタグ紙に対して、任意の印
字方向に、良好な転写性で記録することができ、更に、
面状剥離がなく、しかも耐擦過性に優れた記録画像を形
成することのできる熱転写記録媒体に関する。
は、装置をコンパクトにでき、保守も容易であり、低騒
音であることなどの利点を有するため、近年、ラベルプ
リンター、ワードプロセッサー等において広く使用され
るようになっている。このような熱転写記録方式におい
ては、熱溶融性インク層を基材上に設けた熱溶融型の熱
転写記録媒体が広く使用されている。このような熱転写
記録媒体を使用して画像記録する場合、記録時にこの記
録媒体の熱溶融性インク層を記録紙等の被転写体に重ね
合わせ、熱転写記録媒体の基材側からサーマルヘッドな
どの加熱手段により画像情報に応じて選択加熱して熱溶
融性インク層を溶融させ、その溶融部分を被転写体に転
写させている。
格段に向上し、そのため、このような熱溶融型の熱転写
記録媒体に対し、高速化したプリンターにも対応できる
ようにし、しかも得られる画像の品質を更に向上させる
ことが求められている。具体的には、熱転写記録媒体に
対しては、プリンターの高速化に応じて比較的低い記録
エネルギーで表面の平滑度が異なる種々の被転写体に優
れた転写性で、即ち、ボイド(白抜け)を生ずることな
く記録できるようにし、しかも、意図した画像情報に応
じて正確に記録できるようにし、更に、記録画像が高い
耐擦過性を有するようにすることが要請されている。
されたときに熱溶融して低粘度液体となるワックスを主
成分とする剥離層(プライマー層)、加熱されたときに
低粘度液体とならずに粘着性を示す熱可塑性樹脂を含有
するインク層(熱溶融性インク層)、及び加熱されたと
きに熱溶融せず粘着性を示す熱軟化性樹脂を主成分とす
る密着層(オーバーコート層)が順次積層された熱転写
記録媒体が提案されている(特開昭63−296984
号公報、特開平1−27992号公報)。これらの公報
によれば、熱転写記録媒体においては、剥離層は比較的
低い印字エネルギーで溶融して基材との界面で剥離する
ので、熱転写時の熱溶融性インク層に好ましい切れ性を
付与しており、また、密着層は、低い平滑性の被転写体
に対しても、また、高い平滑性の被転写体に対しても、
優れた転写性で記録画像が得られるようにしている。
写記録媒体を用いて、バーコードをラベルプリンターを
用いて記録しようとする場合、熱転写記録媒体に対して
は、上述したようにプリンターの高速化に応じて比較的
低い印字エネルギーで表面の平滑度が異なる種々のラベ
ル紙に優れた転写性で印字できるようにし、しかも、バ
ーコードの黒バーを所定の幅と長さとに正確に記録でき
るようにし、更に、記録されたバーコードパターンの耐
擦過性を高めることが要請されている。
着層は、通常のラベルプリンターのサーマルヘッドによ
り加えられる熱量では、軟化はするものの溶融するまで
には至らない。そのため、被転写体がポリエステルなど
からなるOHPシートやポリプロピレンからなる合成紙
等のように表面が平滑な場合には、密着層の軟化による
ある程度の粘着性によって転写が可能であるが、被転写
体がバーコード印刷用に一般に使用されるグロス紙(塗
工量50g/m2)、コート紙(塗工量10〜25g/
m2)、軽量コート紙(塗工量5〜10g/m2)等の
ように表面が平滑でない場合には、依然としてボイドの
発生を十分に抑制することが困難であるという問題があ
った。
プライマー層、熱溶融性インク層及びオーバーコート層
を設けた熱転写記録媒体においては、記録すべき本来の
部分に加えて、それ以外の部分が箔状に熱転写性インク
層から脱落して転写されるという面状剥離(所謂、尾引
き)の問題があった。例えば、図3に示したように、コ
ート紙31にバーコードを記録した場合、得られるバー
コードの各バー32は、本来のバー32a以外に尾引き
部32bも有するものとなる。
して生じる。即ち、図4に示したように、基材41、プ
ライマー層42、熱溶融性インク層43、オーバーコー
ト層44が順次積層された熱転写記録媒体45の当該オ
ーバーコート層44をコート紙等の被転写体40に接す
るように重ね、基材41側からプリンターのサーマルヘ
ッド46で加熱し、熱転写記録媒体45と被転写体40
とをサーマルヘッド46に対して矢印の方向に移動させ
ながらプライマー層の一部42aと熱溶融性インク層4
3の一部43aとオーバーコート層44の一部44aを
転写する場合(図4(a))、サーマルヘッド46への
発熱印加信号を切った後もそのサーマルヘッド46には
相当の余熱が残存するため、熱転写記録媒体45の移動
方向の後方に位置するそれらの層の本来転写すべきでな
い部分42b、43b及び44bにも熱が伝わり、特
に、余分に加熱されたプライマー層部分42bは半溶融
もしくは溶融状態になる(図4(b))。この半溶融も
しくは溶融状態のプライマー層部分42bは、基材41
に対する接着力が弱くなっている。そのため、熱転写記
録媒体45が被転写体40から引き剥がされると、本来
の転写すべきプライマー層部分42aに加えて転写すべ
きでないプライマー層部分42bも基材41から剥離
し、更にその剥離に追随して熱溶融性インク層部分43
bも剥離し被転写体40に転写する。その結果、転写す
べき熱溶融性インク層43aからなる転写画像に加えて
ギザギザの面状剥離部(尾引き部)43bが形成される
(図4(c))。
解決しようとするものであり、基材上に、プライマー
層、熱溶融性インク層及びオーバーコート層を順次積層
してなる熱転写記録媒体を使用して、バーコードパター
ン等の情報をOHPシート等の平滑性の良好な被転写体
に対してだけでなく、バーコード用のラベル紙やタグ紙
などの平滑性に低い被転写体に対しても優れた転写性で
記録できるようにすることを第1の目的とする。また、
本発明は、更に、バーコードの黒バーを所定の幅と長さ
とに正確に記録できるように、記録画像の面状剥離を防
止し、記録画像に高い耐擦過性を付与することを第2の
目的とする。
プライマー層、熱溶融性インク層及びオーバーコート層
が順次積層してなる熱転写記録媒体において、オーバー
コート層のグロス値を特定の値以上に設定することによ
り第1の目的が達成できること、更に、プライマー層
を、ワックスと当該ワックスに非相溶な熱可塑性樹脂と
から構成することにより第2の目的も達成できることを
見出し、本発明を完成させるに至った。
材上に、プライマー層、熱溶融性インク層及びオーバー
コート層を順次積層してなる熱転写記録媒体において、
該オーバーコート層の表面のJIS−Z8741に準拠
するグロス値が60%以上であることを特徴とする熱転
写記録媒体を提供する。
おけるプライマー層を、ワックスとそのワックスに非相
溶な熱可塑性樹脂とから構成することにより第2の目的
を達成する熱転写記録媒体を提供する。
照しながら詳細に説明する。なお、各図中同一符号は同
一又は同等の要素を表している。
録媒体10の断面図である。この熱転写記録媒体10
は、基材1上に、プライマー層2、熱溶融性インク層
3、オーバーコート層4が順次積層され、更にプライマ
ー層2と反対側の基材1の面には耐熱滑性層5が設けら
れている。
は、その表面のJIS−Z8741に準拠するグロス値
が60%以上、好ましくは75%以上のものを使用す
る。これにより、平滑性が十分ではないグロス紙、コー
ト紙、軽量コート紙などに対しする密着性を向上させる
ことができ、ボイドの発生のない優れた転写性で画像を
形成することが可能となる。
上とする方法としては、公知の手段を採用することがで
きる。例えば、イソプロパノールなどの溶媒に溶解した
オーバーコート層形成用組成物を熱溶融性インク層3上
に塗工した場合には、層厚や濃度などにより異なるが、
乾燥炉の温度や乾燥風量をコントロールすることにより
グロス値をコントロールすることができる。溶媒として
イソプロパノールを使用する場合には、一般に80〜1
00℃程度の温度で乾燥(炉長5m)すると目的のグロ
ス値を実現することができる。この場合、乾燥温度が高
い方が高いグロス値を実現することができる。
は、凝集力の点からJIS−K2531に準拠する軟化
点が80℃〜145℃のテルペン−フェノール樹脂を使
用することが好ましい。この場合、軟化点が80℃を下
回るとブロッキングが発生しやすく、145℃を超える
と転写性が低下しボイドが発生しやすくなる。また、テ
ルペン−フェノール樹脂は、他の樹脂と併用すると耐擦
過性が低下する傾向があるので、単独で使用することが
好ましい。
ノール樹脂は、通常のプリンターの記録エネルギーで十
分溶融するので、従って、オーバーコート層4の転写性
も良好となる。
は、α又はβ−ピネン、テレピン油などの不飽和テルペ
ン類とフェノール類とをフリーデルクラフト型触媒を用
いて重合して得られるものを使用することができる。こ
の場合、樹脂中のフェノール類モノマーユニットの含有
量などに特に制限はない。
て種々の添加剤を添加することができる。例えば、画像
の光学濃度や隠蔽性を向上させるためにカーボンブラッ
ク、黒鉛、マイカ、シリカなどの充填剤を添加すること
ができる。
低い記録エネルギーにより溶融して基材1から剥離し、
それにより後述する熱溶融性インク層3の基材1からの
切れ性を向上させる層である。これにより、例えば、バ
ーコードの黒バーを所定の幅と長さとに正確に記録でき
るようになる。また、プライマー層2は、記録画像の表
面上に位置することになる。従って、バーコードの黒バ
ーなどの記録画像の耐擦過性も向上させることができ
る。
から構成すると、記録時のサーマルヘッドの余熱などに
より必要以外の部分も基材1から剥離する傾向があり、
熱溶融性インク層3はその余分に剥離したプライマー層
2の形状に応じて余分に転写される傾向がある。このた
め、本発明においては、プライマー層2をワックスとそ
のワックスに非相溶な熱可塑性樹脂とから構成すること
が好ましく、この場合、ミクロ的には、分散媒(マトリ
ックス)としてのワックスに熱可塑性樹脂の分散質(ド
メイン)が分散している構造とすることが好ましい。
スは、記録時の加熱により溶融して基材1からプライマ
ー層2を剥離させやすくするために、従来より利用され
ているものを使用することができる。例えば、キャンデ
リラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木
ロウ、蜜ロウ等の天然ワックス、パラフィンワックス、
ペトロラタム、セレシン等の石油ワックス、モンタンワ
ックス、ポリエチレンワックス、脂肪酸、酸アミド等の
合成ワックスを単独又は二種以上を配合して使用するこ
とができる。この場合、過度に軟質のワックスを使用す
ると、記録時にプライマー層2と熱溶融性インク層3と
が熱混合して画像の鮮明性が低下し、しかも画像の耐擦
過性が損なわれるので、プライマー層2を構成するワッ
クスとしては、JIS−K2235に準拠した針入度が
好ましくは10以下、より好ましくは2以下の硬質のワ
ックス、例えばカルナバワックス、キャンデリラワック
ス、ポリエチレンワックスなどを使用することが好まし
い。
樹脂は、プライマー層2の面状剥離を防止するために、
記録時の余熱によるプライマー層2の基材1からの剥離
を防止して、プライマー層2の基材1への接着力を高め
るために用いられている。即ち、図2(a)及びその部
分拡大部図2(b)に示すように、記録時にプライマー
層2(マトリックス:ワックスW、ドメイン:熱可塑性
樹脂D)の本来転写すべき部分以外の部分2bがサーマ
ルヘッド6により加熱されても、ワックスに非相溶な熱
可塑性樹脂のドメインが基材1への接着力を確保するの
で、余分に加熱された部分2bが剥離しないようにな
る。よって、熱溶融性インク層3も面状剥離することな
く被記録体に転写させることが可能となる。
る熱可塑性樹脂としては、サーマルヘッドの余熱で溶融
せず接着力を確保できるような凝集力の良好なものを使
用する必要があり、即ち、ワックスに非相溶な熱可塑性
樹脂、特にワックスよりも高い溶融粘度を有するものを
使用する。このような熱可塑性樹脂としては、ワックス
に非相溶なものの中から適宜選択して使用することがで
きるが、特にポリエステル樹脂を使用することが基材と
の接着力を向上させる点で好ましい。このようなポリエ
ステル樹脂としては、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪
族二塩基酸やイソフタル酸、フタル酸などの芳香族二塩
基酸と、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール
等のジアルコールとの重縮合物を例示することができ
る。ただし、ポリエステル樹脂が芳香族二塩基酸残基を
含有する場合、ポリエステル樹脂中にその含有量が40
重量%以下となるようにするのが、トルエンなどの溶媒
に対する溶解性の点で好ましい。
とそのワックスに非相溶な熱可塑性樹脂との配合割合
は、面状剥離を効果的に防止する点から好ましくは9
5:5〜80:20とする。
樹脂をワックス中にドメインとして存在させる方法は、
特に制限はなく、常法によることができる。
来より熱転写記録媒体において使用されているものと同
様な構成とすることができるが、面状剥離の発生を有効
に抑制するために、そのミクロ構造をプライマー層2と
同様にすることが好ましい。即ち、熱溶融性インク層3
を、ワックス、そのワックスに非相溶な熱溶融性樹脂、
柔軟剤及び着色剤から構成し、熱溶融性樹脂をワッスク
中にドメインとして存在させた構造とすることが好まし
い。
ては、プライマー層2で説明したものと同様のワックス
を使用することができるが、特に、融点が80℃以下の
ものを使用することが好ましい。ワックスの融点が80
℃以下であれば、印字エネルギーが14mJ/mm2程
度の通常のプリンターで良好に転写させることができ
る。
ク層3を構成する熱溶融性樹脂としては、好ましくは1
00℃における溶融粘度が1000cps以上のものを
使用することができる。このような溶融粘度のものを使
用することにより、オーバーコート層4との熱混合を抑
制し、鮮明な記録画像を形成することができる。このよ
うな100℃における溶融粘度が1000cps以上の
熱溶融性樹脂としては、α−アルキルスチレン系樹脂を
好ましく例示することができる。
しては、α−メチルスチレン等のα−低級アルキルスチ
レンの単独重合体や、α−低級アルキルスチレンと他の
モノマーとの共重合体を使用することができ、例えば、
α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合体を好
適に使用することができる。この場合、α−アルキルス
チレン系樹脂として、単独又は二種以上の樹脂を配合し
て使用することができる。
は、その重合度を適宜選択することにより軟化点が環球
法(JIS−K2531)で90℃以上、特に100〜
140℃のものを使用することが好ましい。α−アルキ
ルスチレン系樹脂の使用量は、熱溶融性インク層3全体
に対して5〜45重量%含有されるようにすることが好
ましい。α−アルキルスチレン系樹脂が熱溶融性インク
層に過剰に含有されると転写性が低下し、一方、少なす
ぎると転写時に面状剥離が発生し、転写画像の耐擦過性
も低下したものとなる。
融性樹脂を、熱溶融性インク層3中でワックスを媒体と
してドメインとして存在させる方法には特に制限はな
く、常法によることができる。
しては、DOP、アマニ油、オレイン酸等のオイル状の
ものや、EVA、EEA(エチレン−エチルアクリレー
ト)、SBR等のゴム状のものを使用することができ
が、特に、ワックスと相溶性の良好なEVA、EEA等
を使用することが好ましい。
融性インク層の着色材として一般に使用されているもの
を使用することができ、カーボンブラックその他の無機
顔料、有機顔料、染料等の種々の着色剤を使用すること
ができる。また、必要に応じて、シリカ、マイカ等の充
填剤を併用してもよい。
録媒体の基材として一般に使用されているものを使用す
ることができ、例えば、ポリエステルフィルム、ポリイ
ミドフィルム、ポリカーボネートフィルム等のフィルム
シートあるいはコンデンサーペーパー等のペーパー類を
使用することができる。
のスティッキングを防止し、熱転写記録媒体の走行性を
向上させるために必要に応じて設けられる。この耐熱滑
性層5は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル−シ
リコーン樹脂、ニトロセルロース樹脂等の耐熱性に優れ
た樹脂、あるいはこれらの樹脂にシリコーンオイル、フ
ッ素パウダー等の滑剤を添加したものから形成すること
ができる。
録媒体10は、常法に従って製造できる。例えば、基材
1の片面に耐熱滑性層用の組成物をワイヤーバー等を用
いて塗布乾燥して耐熱滑性層5を形成し、基材1の他方
の面にワイヤーバー等を用いてプライマー層形成用組成
物を塗布乾燥してプライマー層2を形成し、更にその上
に熱溶融性インク層形成用組成物をグラビアコーターを
用いて塗布乾燥して熱溶融性インク層3を形成し、更
に、オーバーコート層形成用組成物を塗布乾燥してオー
バーコート層4を形成する。これにより本発明の熱転写
記録媒体が得られる。
コート層の表面のJIS−Z8741に準拠するグロス
値を60%以上とする。従って、平面性の劣ったラベル
紙に対しても良好な転写性で画像記録することが可能と
なる。また、プライマー層を、ワックスとそのワックス
に非相溶な熱可塑性樹脂とから構成するので、面状剥離
の発生を抑制することが可能となる。
るが、これらの実施例に限定されるものではない。
リエステルフィルム(帝人(株)製)の他面に、表3に
示す配合(重量部)のワックス(カルナバ2号、野田ワ
ックス(株)製)とポリエステル樹脂とからなるプライ
マー層形成用組成物のトルエン溶液(固形分15重量
%)を乾燥厚が1μmとなるように塗布し乾燥してプラ
インマー層を形成した。
又は表2に示す熱溶融性インク層形成用組成物A又はB
のトルエン溶液(固形分50重量%)を乾燥厚が1.5
μmとなるように塗布し乾燥して熱溶融性インク層を形
成した。
Aの溶融粘度(100℃)は1000〜1500cps
(B型粘度計)であった。また、熱溶融性インク層形成
用組成物Bの溶融粘度(100℃)は1500〜200
0cps(B型粘度計)であった。
量部)のテルペン−フェノール樹脂とカーボンブラック
(MHI−217、御国色素(株)製)とからなるオー
バーコート層形成用組成物のイソプロパノール溶液(固
形分7重量%)を乾燥厚が0.3μmとなるように塗布
し、乾燥温度及び乾燥風量を調整して所望のグロス値の
オーバーコート層を形成して熱転写記録媒体を得た。
コート層のJIS−Z8741に準拠するグロス値
(%)をデジタル変角光沢計(UGV−5D、スガ試験
機株式会社製)を使用して入射角75°で測定した。そ
の結果を表3に示す。
(株)製) (芳香族モノマーユニット含量35%) *2 ポリエステル樹脂(UE−3230、ユニチカ
(株)製) (芳香族モノマーユニット含量30%) *3 エチレン−酢酸ビニル共重合体(HE−10、住友
化学(株)製) *4 テルペン−フェノール共重合体(軟化点80℃) (YSポリスターT80、安原ケミカル(株)製) *5 テルペン−フェノール共重合体(軟化点115℃) (YSポリスターT115、安原ケミカル(株)製) *6 テルペン−フェノール共重合体(軟化点145℃) (YSポリスターT145、安原ケミカル(株)製) *7 テルペン−フェノール共重合体(軟化点70℃) (YSポリスターT70、安原ケミカル(株)製)。
サーマルヘッドを有するプリンター(B−30、TEC
(株)製)を用い、2種の被転写体(プラスチックペー
パー及びコート紙)にそれぞれドット密度7.6dot
/mm、印字速度50.4mm/秒という条件で、図5
に示したようにバーコードパターンの一種であるCod
e39パターンの3:9dotパターン(narrow bar:
wide bar=3:9)をシリアル方向に印字した。なお、
印字エネルギーは、Code39の3:9dotパター
ンをパラレル方向に印字した場合に指定寸法通りにバー
コードの幅が印字できるエネルギーとした。
(i) 転写性、(ii)面状剥離、(iii) 耐擦過性を次のよう
に評価し、さらに(iv)総合評価を次のように行い、これ
らの結果を表4に示した。
して、転写状態が非常に良好な場合を◎、良好な場合を
○、好ましくない場合を△、非常に好ましくない場合を
×で示した。
バー幅及びスペース幅(白バ−幅)のそれぞれの規格幅
からの偏差を測定し、得られた値を平均することにより
バーコードパターン全体の規格値から偏差とした。この
数値はバーコードパターンの指定寸法からのずれを示す
もので、面状剥離が大きく生じているほど大きな値とな
る。
プ(セロテープ、ニチバン(株)製)を貼付け、面状剥
離の部分だけをはぎ取るように転写紙から粘着テープを
剥離し、再度、黒バー幅とスペース幅のそれぞれの規格
値からの偏差をバーコード検証機を用いて測定した。
面状剥離値を求めた。
らの偏差値)−(粘着テープ剥離後のバー幅の規格値か
らの偏差値) このようにして得られる面状剥離値は、Code39の
3:9dotパターンの場合、許容可能な規格値からの
偏差値は、次式により±136μmと算出でき、これよ
りも偏差値が大きくなるとバーコードの読取誤差が生じ
るか、読取が不可能になる。
narrow bar幅を表す) 実施例および比較例について得られた面状剥離値を、そ
の大きさによって次の評価基準により4段階に評価し
た。その評価結果を表4に示した。
いて、200gの荷重をかけて綿布と印刷物とを面接触
させ、荷重部分を100回往復させて綿布の汚染度を観
察した。そして、綿布の汚染度が低く非常に良好な場合
を◎、良好な場合を○、好ましくない場合を△、非常に
好ましくない場合を×で示した。
明にしかも転写性、印字物の耐擦過性が良好な場合を
○、そうでない場合を×で示した。なお、(i) 〜(iii)
の評価項目中1つでも×がある場合には、その総合評価
は×となる。
本発明の熱転写記録媒体は、平滑性の良好なプラスチッ
クペーパーに対しても、平滑性が低いコート紙に対して
も優れた転写性を示した。また、面状剥離と耐擦過性に
ついても優れた結果を示したた。一方、比較例の熱転写
記録媒体は、転写性に問題があった。
性にの良好な被転写体と平滑性が被転写体との双方に対
して、良好な転写性で画像記録を行うことができる。ま
た、面状剥離がなく、しかも高い耐擦過性を有する記録
画像を与えることができる。従って、読取り誤差を生じ
ないバーコードパターンを平滑性の異なる種々のラベル
材料に記録することができる。
である。
図である。
ドパターンの説明図である。
である。
である。
Claims (9)
- 【請求項1】 基材上に、プライマー層、熱溶融性イン
ク層及びオーバーコート層を順次積層してなる熱転写記
録媒体において、該オーバーコート層の表面のJIS−
Z8741に準拠するグロス値が60%以上であること
を特徴とする熱転写記録媒体。 - 【請求項2】 オーバーコート層が、JIS−K253
1に準拠する軟化点が80℃〜145℃のテルペン−フ
ェノール樹脂を含有する請求項1記載の熱転写記録媒
体。 - 【請求項3】 プライマー層が、ワックスとそのワック
スに非相溶な熱可塑性樹脂とを含有する請求項1又は2
記載の熱転写記録媒体。 - 【請求項4】 ワックスと熱可塑性樹脂との重量比が9
5:5〜80:20である請求項3記載の熱転写記録媒
体。 - 【請求項5】 熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂である
請求項3又は4記載の熱転写記録媒体。 - 【請求項6】 ワックスのJIS−K2235に準拠す
る針入度が10以下である請求項3〜5のいずれかに記
載の熱転写記録媒体。 - 【請求項7】 熱溶融性インク層が、ワックス、そのワ
ックスに非相溶な熱溶融性樹脂、柔軟剤及び着色剤を含
有してなり、熱溶融性樹脂がワックス中にドメインとし
て存在している請求項1〜6のいずれかに記載の熱転写
記録媒体。 - 【請求項8】 熱溶融性樹脂の100℃における溶融粘
度が1000cps以上である請求項7記載の熱転写記
録媒体。 - 【請求項9】 熱溶融性樹脂が、α−アルキルスチレン
系樹脂である請求項8記載の熱転写記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13124994A JP3578485B2 (ja) | 1994-05-21 | 1994-05-21 | 熱転写記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13124994A JP3578485B2 (ja) | 1994-05-21 | 1994-05-21 | 熱転写記録媒体 |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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