JP2007237516A - 熱転写記録媒体、及びこれを用いた印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望する画像濃度領域で豊かな階調性を容易に得ることができ、また紙等の基材ヘの接着性が十分で、画像の耐光性や耐熱性が優れた熱転写記録を行う。
【解決手段】熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、架橋剤は、該熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ架橋可能な樹脂と、接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有する。
【選択図】 図1
【解決手段】熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、架橋剤は、該熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ架橋可能な樹脂と、接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、溶融型あるいは昇華型の熱転写インクを用いた熱転写記録技術に係り、特に、熱転写インク画像を形成し得る熱転写インク受像層を備えた熱転写記録媒体、及び熱転写インク受像層上に熱転写インク画像を記録し、例えば紙あるいはプラスチック等の基材上に熱接着して得られる印刷物に関する。
免許証、従業員証、会員証、クレジットカードなどの個人認証媒体に顔画像を記録する方法としては、例えば溶融型熱転写記録方法及び昇華型熱転写記録方法があげられる。
昇華型熱転写記録方法は、支持シート上に昇華性あるいは熱移行性染料を熱転写可能にコーティングしてなる昇華型熱転写インクリボンと、昇華性染料を受容できる熱可塑性樹脂からなるインク受容層とを重ね合わせ、サーマルヘッドなどを用いて、所定の画像データに基づき、昇華型熱転写インクリボンを選択的に加熱し、被記録媒体に所望の画像を昇華転写記録することができる。この方式によれば、階調性豊かなカラー画像を手軽に記録できることが、広く一般的に知られている。しかし、昇華型熱転写記録方法では、インクリボンのバインダー樹脂や染料により決定される記録感度、熱可塑性樹脂層の熱的特性により決定される記録感度により、豊かな階調性を表現し得る記録画像濃度領域が限定されてしまい、主に記録に使用される画像濃度領域と、豊かな階調性を表現し得る記録画像濃度領域を合わせにくいという問題を有していた。
一方、溶融型熱転写記録方法は、支持シート上に、顔料あるいは染料を樹脂やワックスなどの熱溶融性バインダに分散させて得られた溶融型熱転写インクをコーティングして得られた転写リボンを使用し、これをサーマルヘッドなどを用いて、所定の画像データに基づき、選択的に加熱し、被記録媒体にバインダごと溶融型熱転写インクを転写し、所望の画像を記録するものである。この方式によれば、昇華型熱転写インクよりも十分に耐光性の良好な無機及び有機顔料を選択できる。また、バインダに用いる樹脂やワックス等を工夫することにより、傷が付きにくく、耐溶剤性に優れた画像を提供することができる。また、蛍光顔料や磁性体等の機能性材料を溶融型熱転写インク中に混入することが可能であり、これにより、セキュリティ性が高い特殊インクを得ることができる。また、昇華性熱転写記録法の場合、被記録媒体と昇華型熱転写インクに適切なインク受容層とを組み合わせて使用しなければならないが、溶融型熱転写記録方法では、その表面にバインダに対する接着性を有する被記録媒体であれば、何でも使用することが可能であり、幅広く被記録媒体を選択することができる。しかし、溶融型熱転写記録方法は、基本的にインクの接着を行っており、転写したドットのサイズを変化させて階調記録を行うドット面積階調法を用いているため、転写すべき記録媒体の凹凸に非常に敏感であり、凹凸があると転写不良を起こし、ドットサイズをうまく制御できないことから、階調性が乏しいという問題があった。
このような問題を解決するため、例えば多孔質受像層を有する被記録媒体を用いる方法が提案されている。これは、被記録媒体の受像層中に微小孔を設け、その微小孔に溶融型熱転写インクを浸透、転写させるというものである。この方式によれば、階調性豊かな画像を得ることができるが、多孔質受像層は一般的に機械的強度が低く、印刷装置内の各種ローラー、搬送路などとの接触により表面に傷が付いてしまい、画像欠陥の原因となる。
また、フィルム基材上に透明な受像層を設けた記録媒体を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方式によれば、受像層上に画像を形成し、得られた画像と受像層を、プラスチック等の基材に熱圧着または熱転写して印刷物が得られる。この方式によれば、受像層に微小孔を設けないので、表面の機械的強度が高く、さらに樹脂層表面の平滑度を向上させ、インク層との親和性が良くなるように調整すれば、溶融型熱転写方式においても、階調性豊かな画像を形成することができる。
しかしながら、このような溶融型熱転写記録方法では、インクリボンのバインダー樹脂や顔料により決定される記録感度、受像層の熱的特性により決定される記録感度により、豊かな階調性を表現し得る記録画像濃度領域が限定されてしまい、主に、文字記録等に使用される画像濃度領域と、豊かな階調性を表現し得る記録画像濃度領域を合わせにくいという問題を有していた。
また、昇華型熱転写記録方法、溶融型熱転写記録方法ともに、基材へ接着させるために、基材側に熱可塑性樹脂層を設ける必要があるが、使用する熱可塑性樹脂によっては接着力が十分でなかったり、染料や顔料との相互作用によって、画像の耐光性や耐熱性が著しく低下するという問題が発生することがあった。
特願平4−182166号公報
本発明は、所望する画像濃度領域で豊かな階調性を容易に得ることができ、また基材ヘの接着性が十分で、画像の耐光性や耐熱性が優れた熱転写記録を行うことにある。
本発明の熱転写記録媒体は、支持体、及び該支持体上に設けられた溶融型熱転写インク受像層を含み、該溶融型熱転写インク受像層上に溶融型熱転写インクを用いて画像層を形成した後、接着層が形成された基材を適用し、該接着層を該画像層を介して溶融型熱転写インク受像層と熱接着することにより、印刷物を形成するための熱転写記録媒体であって、
前記溶融型熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤は、該溶融型熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ前記架橋可能な樹脂と、前記接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有することを特徴とする。
前記溶融型熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤は、該溶融型熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ前記架橋可能な樹脂と、前記接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有することを特徴とする。
本発明の印刷物は、溶融型熱転写インク受像層、該溶融型熱転写インク受像層上に溶融型熱転写インクを用いて形成された画像層、該画像層を介して該溶融型熱転写インク受像層上に設けられた接着層、及び該接着層上に設けられた基材を含み、
前記溶融型熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤は、該溶融型熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ前記架橋可能な樹脂と、前記接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有することを特徴とする。
前記溶融型熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤は、該溶融型熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ前記架橋可能な樹脂と、前記接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有することを特徴とする。
本発明の他の熱転写記録媒体は、支持体、及び該支持体上に設けられた昇華型熱転写インク受像層を含み、該昇華型熱転写インク受像層上に昇華型熱転写インクを用いて画像層を形成した後、接着層が形成された基材を適用し、該接着層を該画像層を介して昇華型熱転写インク受像層と熱接着することにより、印刷物を形成するための熱転写記録媒体であって、
前記昇華型熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤は、該昇華型熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ前記架橋可能な樹脂と、前記接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有することを特徴とする。
前記昇華型熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤は、該昇華型熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ前記架橋可能な樹脂と、前記接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有することを特徴とする。
本発明の印刷物は、昇華型熱転写インク受像層、該昇華型熱転写インク受像層上に昇華型熱転写インクを用いて形成された画像層、該画像層を介して該昇華型熱転写インク受像層上に設けられた接着層、及び該接着層上に設けられた基材を含み、
前記昇華型熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤は、該昇華型熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ前記架橋可能な樹脂と、前記接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有することを特徴とする。
前記昇華型熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤は、該昇華型熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ前記架橋可能な樹脂と、前記接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有することを特徴とする。
本発明を用いると、所望する画像濃度領域で豊かな階調性を容易に得ることができる。
本発明の熱転写記録媒体は、支持体と、その上に形成された熱転写インク受像層を有し、熱転写インクを用いて熱転写インク受像層上に画像層を形成した後、画像層が形成された熱転写インク受像層上に、接着層が形成された基材を適用し、この接着層を、画像層を介して熱転写インク受像層と熱接着することにより、印刷物を形成するための熱転写記録媒体であり、支持体と、支持体上に設けられた熱転写インク受像層を含み、熱転写インク受像層は、少なくとも架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、かつ接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有する。
ここで、同じ樹脂とは、同じ繰り返し単位を有する樹脂成分を主成分として含むことをいう。また、ここで、主成分とは、樹脂を構成する樹脂成分のうち、その含有量が一番多いものをいう。
熱転写インクとしては、溶融型熱転写インクまたは昇華型熱転写インクを使用することができる。
受像層は、溶融型熱転写インクを用いる場合は、溶融型熱転写インク受像層、昇華型熱転写インクを用いる場合は昇華型熱転写インク受像層を用いることができる。
また、本発明の印刷物は、上記熱転写記録媒体を用いた印刷物であって、熱転写インクからなる画像層が形成された上記熱転写インク受像層を、この画像層を介し基材上に熱接着した印刷物である。
この印刷物は、画像層が形成された熱転写記録媒体を基材上に転写し、支持体を剥離することにより、基材と、基材上に設けられ、熱転写インク受像層と同じ樹脂を含有する接着層と、熱転写インクにより形成された画像層と、画像層が受像され、かつ画像層とともに接着層上に接着された、熱転写インク受像層とを有する印刷物が得られる。
また、上記支持体を剥離しない場合には、基材と、基材上に設けられ、受像層と同じ樹脂含有する接着層と、熱転写インクにより形成された画像層と、画像層が受像され、かつ画像層とともに接着層上に接着された、熱転写インク受像層と、支持体とを有する印刷物が得られる。この支持体は、例えば保護層として機能し得る。
溶融型熱転写インク受像層では、架橋可能な樹脂と架橋剤で樹脂を架橋させ、架橋剤の添加量を調整することにより、この樹脂を用いた受像層の熱的特性が制御可能となる。この熱的特性としては、例えば画像形成時、あるいは熱転写時等に、溶融型熱転写インク受像層が加熱された際の熱溶融特性、及び熱転写特性等が、架橋剤の含有量が多いほど、より高温で溶融及び転写すること等があげられる。このような特性を制御することにより、所望の記録感度を得ることができる。
これにより、所望する画像濃度領域で豊かな階調性を容易に得ることができる。
なお、この画像濃度領域とは、反射濃度計で測定し、顔画像等では0.2ないし1.2、文字等では1.5以上のことをいう。
また、基材上に設けられた、熱転写インク受像層と同じ樹脂を含有する接着層は、基材単独の接着作用だけでは得られない十分な接着力を確保すると同時に、溶融型熱転写インク受像層と溶融型熱転写インクとの親和性に影響を与えないため、画像の耐光性や耐熱性にも影響を与えないようにすることができる。
また、本発明は、基材ヘの接着性が十分で、画像の耐光性や耐熱性が優れた熱転写記録を行うことができる。
昇華型熱転写インク受像層では、架橋可能な樹脂と架橋剤で樹脂を架橋させ、架橋剤の添加量を調整することにより、樹脂層の熱的特性が制御可能となる。この熱的特性としては、例えば画像形成時、あるいは熱転写時等に、昇華型熱転写インク受像層が加熱された際の熱溶融特性、及び熱転写特性等が、架橋剤の含有量が多いほど、より高温で、溶融及び転写すること等があげられる。このような特性を制御することにより、所望の記録感度、及び画像層を形成するためのインクリボンとの貼り付きも制御可能となる。
また、基材上に設けられた、受像層と同じ樹脂を含有する接着層は、基材単独の接着作用だけでは得られない十分な接着力を確保すると同時に、受像層と昇華型熱転写インクの染料との親和性に影響を与えないため、画像の耐光性や耐熱性にも影響を与えないようにすることができる。
本発明によれば、上記架橋可能な樹脂と架橋剤で架橋された溶融型熱転写インク受像層、または昇華型熱転写インク受像層に、架橋可能な樹脂を基材側に主成分として使用することにより、所望の記録感度が容易に得られ、溶融型熱転写インク受像層、または昇華型熱転写インク受像層の接着層に対する接着性が良好な印刷物を得ることができる。
架橋可能な樹脂が架橋剤で架橋されていないと、熱転写インク受像層の熱的特性の制御が一律となり、所望の記録感度が得られなくなる。また、昇華型熱転写インクを用いた場合には、インクに含まれる樹脂と昇華型熱転写インク受像層に含まれる樹脂が貼り付いて、正常な画像が得られなくなることがある。
また、基材側に設けられた接着層が、熱転写インク受像層に含まれる架橋可能な樹脂成分と同一でないと、基材と熱転写インク受像層とを十分に接着させることができず、印刷物を屈曲させると、基材と受像層間で剥離が発生する。
以下、図面を参照し、本発明を具体的に説明する。
図1に、本発明の熱転写記録媒体の構成の一例を表す概略断面図を示す。
図示するように、この熱転写記録媒体10は、例えばポリエステルフィルムからなる支持体シート1上に、架橋可能な樹脂と架橋剤を主成分とする樹脂層2が積層された構成を有する。
この溶融型熱転写インク受像層2は、例えばこの樹脂と好適な溶剤とを含む樹脂塗布液を調製し、この樹脂塗布液を、グラビアコート、リバースコート、ダイコート、ワイヤーバーコート、及びホットメルトコート等により塗布及び乾燥する方法等を用いて、塗布液を塗布、乾燥することにより形成し得る。
この熱転写記録媒体10は、その上に溶融型熱転写インクにより画像を形成した後、例えば紙、プラスチック等の基材に熱接着し得る。
図2に、図1に示す熱転写記録媒体10を用いて得られた印刷物の構成の一例を表す概略断面図を示す。
図示するように、この印刷物11は、例えば紙からなる基材5上に、溶融型熱転写インクにより形成された画像層4、及び溶融型熱転写インク受像層2が順に積層された構成を有する。
画像層4は、熱転写記録媒体10の溶融型熱転写インク受像層2表面に、溶融型熱転写インクリボンを適用し、例えばサーマルヘッド等の加熱記録手段を用いて熱転写記録を行うことにより形成することができる。画像層4の形成後、画像層4上に、その一表面に接着層3が形成された基材5を配置し、例えば熱と圧力を同時に加え得るヒートローラ等に通し、溶融型熱転写インク受像層2を全体に加熱することにより、または例えばホットスタンプ機等により所望のパターンで選択的に加熱することにより、接着層3付き基材5上に溶融型熱転写インク受像層2全体或いは部分的に熱接着することができる。その後、支持体1を剥離することにより、図2に示す印刷物11が得られる。
本発明に係る熱転写記録媒体において、支持体と溶融型熱転写インク受像層との間に、易接着層及び剥離層のうち1つの中間層をさらに設けることができる。
上述のように、溶融型熱転写インク受像層を基材上に熱接着し、その上に設けられた支持体を剥離して除去する場合には、さらに剥離層を設けることにより、支持体と溶融型熱転写インク受像層との剥離をより良好にすることができる。
また、支持体は剥離せずに保護層として使用することができる。支持体を保護層として使用する場合には、さらに易接着層を設けることにより、支持体と溶融型熱転写インク受像層との接着をより良好にすることができる。
なお、易接着層とは、例えば溶融型熱転写インク受像層形成時に、好ましくは、塗布液の溶剤による溶解あるいは乾燥温度で、支持体1を溶融型熱転写インク受像層2に十分に接着し得る層をいう。
図3は、本発明の熱転写記録媒体の他の例の構成を表す概略断面図である。
図示するように、この熱転写記録媒体20は、支持体1と溶融型熱転写インク受像層2との間に、例えばワックス、及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等からなる剥離層6が設けられている以外は、図1に示す熱転写記録媒体と同様の構成を有する。
剥離層6は、例えばグラビアコート、リバースコート、ダイコート、ワイヤーバーコート、ホットメルトコート等により形成することができる。
図4に、図3に示す熱転写記録媒体20を用いて得られた印刷物の構成の他の一例を表す概略断面図を示す。
図示するように、この印刷物21は、溶融型熱転写インク受像層2上に剥離層6が設けられている以外は、図2に示す印刷物11と同様の構成を有する。
なお、ここでは、剥離層6が溶融型熱転写インク受像層2上に設けられているが、この剥離層6は、溶融型熱転写インク受像層2上に部分的に残留しても、支持体1と共に剥離除去されても良い。除去される場合には、得られる印刷物は、図2に示す印刷物11と同様の構成を有する。
図5は、本発明の熱転写記録媒体のさらに他の例の構成を表す概略断面図である。
図示するように、この熱転写記録媒体30は、支持体1と溶融型熱転写インク受像層2との間に、例えば酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂等からなる易接着層7が設けられている以外は、図1に示す熱転写記録媒体と同様の構成を有する。
易接着層7は、例えばグラビアコート、リバースコート、ダイコート、ワイヤーバーコート、ホットメルトコート等により形成することができる。
図6に、図3に示す熱転写記録媒体20を用いて得られた印刷物の構成の他の一例を表す概略断面図を示す。
図示するように、この印刷物31は、溶融型熱転写インク受像層2上に、易接着層7及び支持体1が順に設けられている以外は、図2に示す印刷物11と同様の構成を有する。
剥離層に用いる樹脂は、支持体との接着力が適度に調節されていることが望ましい。接着力が過度に大きいと、熱接着後に支持体を剥離しにくくなる。また、接着力が過度に小さいと、支持体は容易に剥離できるが、溶融型熱転写インク受像層層に熱接着されない不所望な樹脂層が残る傾向がある。
剥離層に適した適度な接着力を持つ樹脂としては、ワックス、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの各樹脂の混合物等があげられる。
剥離層に用いられるワックスとしては、例えばポリエチレンワックスやカルナバワックス等が好ましく使用できる。具体的には、日本精蝋(株)製Hi−Mic−2065、Hi−Mic−1045、Hi−Mic−2045、PALVAX−1230、PALVAX−1330、PALVAX−1335、PALVAX−1430、BONTEX−0011、BONTEX−0100、BONTEX−2266等があげられる。
剥離層に用いられる酢酸ビニル樹脂としては、具体的には、電気化学工業(株)製サクノールSN−04、サクノールSN−04S、サクノールSN−04D、サクノールSN−09A、サクノールSN−09T、サクノールSN−10、サクノールSN−10N、サクノールSN−17A、ASR CH−09、ASR CL−13、クラリアントポリマー(株)製モビニールDC、ダイセル化成品(株)製セビアンA530、セビアンA700、セビアンA707、セビアンA710、セビアンA712、セビアンA800等があげられる。
剥離層に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂としては、具体的には、三井デュポンポリケミカル(株)製エバフレックス45X、エバフレックス40、エバフレックス150、エバフレックス210、エバフレックス220、エバフレックス250、エバフレックス260、エバフレックス310、エバフレックス360、エバフレックス410、エバフレックス420、エバフレックス450、エバフレックス460、エバフレックス550、エバフレックス560、クラリアントポリマー(株)製モビニール081F、住友化学工業(株)製エバテートD3022、D3012、D4032、CV8030、ヒロダイン工業(株)製ヒロダイン1800−5、ヒロダイン1800−6、ヒロダイン1800−8、ヒロダイン3706、ヒロダイン4309、コニシ(株)製ボンドCZ250、ボンドCV3105等があげられる。
剥離層に用いられるアクリル樹脂としては、具体的には、ダイセル化成品(株)製セビアンA45000、セビアンA45610、セビアンA46777、セビアンA4635、三菱レイヨン(株)製ダイヤナールBR−80、ダイヤナールBR−83、ダイヤナールBR−85、ダイヤナールBR−87、ダイヤナールBR−101、ダイヤナールBR−102、ダイヤナールBR−105、ダイヤナールBR−106等があげられる。
剥離層に用いられるシリコーン樹脂としては、具体的には、東芝シリコーン(株)製トスガード510等があげられる。
剥離層に用いられるポリエステル樹脂としては、具体的には、東洋紡績(株)製バイロン200、バイロン220、バイロン240、バイロン245、バイロン280、バイロン296、バイロン530、バイロン560、バイロン600、バイロナールMD1100、バイロナールMD1200、バイロナールMD1245、バイロナールMD1400、バイロナールGX−W27、ユニチカ(株)製エリーテルUE−3300、エリーテルUE−3320、エリーテルUE−3350、エリーテルUE−3370、エリーテルUE−3380等があげられる。
易接着層には、基材フィルムと、支持体と樹脂層の双方との十分な接着力が要求される。この要求を満足する樹脂は、支持体と溶融型熱転写インク受像層層の材質に応じて選択され、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの各樹脂の混合物等が挙げられる。
易接着層に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂としては、三井・デュポン・ポリケミカル(株)製エバフレックス45X、エバフレックス40、エバフレックス150、エバフレックス210、エバフレックス220、エバフレックス250、エバフレックス260、エバフレックス310、エバフレックス360、エバフレックス410、エバフレックス420、エバフレックス450、エバフレックス460、エバフレックス550、エバフレックス560、クラリアントポリマー(株)製モビニール081F、住友化学工業(株)製エバテートD3022、D3012、D4032、CV8030、ヒロダイン工業(株)製ヒロダイン1800−5、ヒロダイン1800−6、ヒロダイン1800−8、ヒロダイン3706、ヒロダイン4309、コニシ(株)製ボンドCZ250、ボンドCV3105等のがあげられる。
易接着層に用いられるアクリル樹脂としては、三菱レイヨン(株)製ダイヤナールBR−53、ダイヤナールBR−64、ダイヤナールBR−77、ダイヤナールBR−79、ダイヤナールBR−90、ダイヤナールBR−93、ダイヤナールBR−101、ダイヤナールBR−102、ダイヤナールBR−105、ダイヤナールBR−106、ダイヤナールBR−107、ダイヤナールBR−112、ダイヤナールBR−115、ダイヤナールBR−116、ダイヤナールBR−117、ダイヤナールBR−118等があげられる。
易接着層に用いられるポリエステル樹脂としては、東洋紡績(株)製バイロン103、バイロン220、バイロン240、バイロン245、バイロン270、バイロン280、バイロン300、バイロン500、バイロン530、バイロン550、バイロン560、バイロン600、バイロン630、バイロン650、ユニチカ(株)製エリーテルUE−3300、エリーテルUE−3320、エリーテルUE−3350、エリーテルUE−3370、エリーテルUE−3380等があげられる。
溶融型熱転写インク受像層に使用される架橋可能な樹脂としては、例えばポリエステル樹脂及びフェノキシ樹脂等が使用できる。
溶融型熱転写インク受像層に用いられるポリエステル樹脂としては、具体的には、例えば東洋紡績(株)製バイロン200、バイロン220、バイロン240、バイロン245、バイロン280、バイロン296、バイロン530、バイロン560、バイロン600、バイロナールMD1100、バイロナールMD1200、バイロナールMD1245、バイロナールMD1400、バイロナールGX−W27、ユニチカ(株)製エリーテルUE−3300、エリーテルUE−3320、エリーテルUE−3350、エリーテルUE−3370、及びエリーテルUE−3380等があげられる。
溶融型熱転写インク受像層に用いられるフェノキシ樹脂としては、具体的には、ユニオンカーバイド製PKHH、PKHJ、PKHW−35、PKHW−35R、PXKS−6994、PXKS−7000、東都化成(株)製YP−50、YP−50S、YP−40ASM40、YP−50EK35、YPB−40AM40等があげられる。
また、溶融型熱転写インク受像層に使用される架橋剤は、イソシアネート化合物であることが好ましい。具体的には、例えば日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL、コロネート2030、コロネート2031、コロネート330、コロネート340、コロネート3240、コロネート3340、コロネート2014、コロネート1350、コロネート2170、コロネート2280、コロネート2067、コロネートEH、コロネートHK、コロネート2094、コロネートN、及びコロネートHL等があげられる。
溶融型熱転写インク受像層に使用される架橋可能な樹脂に対する架橋剤の添加量は、1ないし20重量%であることが好ましく、より好ましくは、2ないし10重量%である。5重量%未満であると、記録感度が高すぎて、制御しにくくなる傾向があり、20重量%を超えると、記録感度が低すぎて、高濃度が出せなくなる傾向がある。
また、溶融型熱転写インク受像層に使用される架橋可能な樹脂と架橋剤との好適な組み合わせとしては、バイロン200とコロネート2031、バイロン240とコロネートHLがあげられる。
特に好適な例として、バイロン200とコロネートHL等があげられ、このとき、架橋可能な樹脂に対する架橋剤の添加量は、3ないし8重量%であることが好ましい。
昇華型熱転写インク受像層に使用される架橋可能な樹脂としては、例えばポリエステル樹脂及びフェノキシ樹脂等が使用できる。
昇華型熱転写インク受像層に用いられるポリエステル樹脂としては、具体的には、例えば東洋紡績(株)製バイロン200、バイロン220、バイロン240、バイロン245、バイロン280、バイロン296、バイロン530、バイロン560、バイロン600、バイロナールMD1100、バイロナールMD1200、バイロナールMD1245、バイロナールMD1400、バイロナールGX−W27、ユニチカ(株)製エリーテルUE−3300、エリーテルUE−3320、エリーテルUE−3350、エリーテルUE−3370、及びエリーテルUE−3380等があげられる。
昇華型熱転写インク受像層に用いられるフェノキシ樹脂としては、具体的には、ユニオンカーバイド製PKHH、PKHJ、PKHW−35、PKHW−35R、PXKS−6994、PXKS−7000、東都化成(株)製YP−50、YP−50S、YP−40ASM40、YP−50EK35、YPB−40AM40等があげられる。
また、昇華型熱転写インク受像層に使用される架橋剤としては、例えばイソシアネート化合物が好ましい。具体的には、例えば日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL、コロネート2030、コロネート2031、コロネート330、コロネート340、コロネート3240、コロネート3340、コロネート2014、コロネート1350、コロネート2170、コロネート2280、コロネート2067、コロネートEH、コロネートHK、コロネート2094、コロネートN、及びコロネートHL等があげられる。
昇華型熱転写インク受像層に使用される架橋可能な樹脂に対する架橋剤の添加量は、5ないし20重量%であることが好ましく、より好ましくは、2ないし10重量%である。5重量%未満であると、インクリボンとの熱融着を起こしやすくなる傾向があり、30重量%を超えると、記録感度が低すぎて、高濃度が出せなくなる傾向がある。
また、昇華型熱転写インク受像層に使用される架橋可能な樹脂と架橋剤との好適な組み合わせとしては、があげられる。
特に好適な例として、バイロン200とコロネート2031、バイロン240とコロネートHLがあげられる。
特に好適な例として、PKHHとコロネートHL等があげられ、このとき、架橋可能な樹脂に対する架橋剤の添加量は、3ないし8重量%であることが好ましい。
また、本発明に用いられる基材上に形成する接着層の樹脂は、例えば上記昇華型熱転写インク受像層または溶融型熱転写インク受像層に使用される架橋可能な樹脂と同じものを、架橋剤を加えないで使用することができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
実施例1−3、比較例1及び2
易接着層が形成された厚さ25μmの透明ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、商品型番:ルミラーQ27)を用意し、そのポリエステルフィルム表面に、下記組成の溶融型熱転写インク受像層塗布液を用意し、グラビアコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚みがそれぞれ3μmになるよう塗布し、それぞれ120℃で2分間、加熱・乾燥して、溶融型熱転写インク受像層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
易接着層が形成された厚さ25μmの透明ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、商品型番:ルミラーQ27)を用意し、そのポリエステルフィルム表面に、下記組成の溶融型熱転写インク受像層塗布液を用意し、グラビアコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚みがそれぞれ3μmになるよう塗布し、それぞれ120℃で2分間、加熱・乾燥して、溶融型熱転写インク受像層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
溶融型熱転写インク受像層塗布液
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
下記表1に記載の架橋可能な樹脂 20重量部
下記表1に記載の架橋剤 2重量部
得られた熱転写記録媒体の溶融型熱転写インク受像層上に、市販の溶融型熱転写カラーインクリボンを適用し、600dpiのサーマルヘッドで、カラー画像を記録を行い、画像層を得た。
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
下記表1に記載の架橋可能な樹脂 20重量部
下記表1に記載の架橋剤 2重量部
得られた熱転写記録媒体の溶融型熱転写インク受像層上に、市販の溶融型熱転写カラーインクリボンを適用し、600dpiのサーマルヘッドで、カラー画像を記録を行い、画像層を得た。
次に、PET製のカード表面に下記組成の接着層塗布液を用意し、グラビアコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚みがそれぞれ3μmになるよう塗布し、それぞれ120℃で2分間、加熱・乾燥して、接着層を形成し、接着層付きカード基材を得た。
基材用接着層塗布液
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
下記表1に記載の樹脂 20重量部
その後、この画像層上に接着層付きカード基材を適用し、ヒートローラー温度170℃に調整したフジプラ(株)製ラミネーターLPD2306Cityに通して、熱転写記録媒体と基材とを設定した熱接着速度で熱接着し、図2と同様の構成を有するカード形状の印刷物を得た。
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
下記表1に記載の樹脂 20重量部
その後、この画像層上に接着層付きカード基材を適用し、ヒートローラー温度170℃に調整したフジプラ(株)製ラミネーターLPD2306Cityに通して、熱転写記録媒体と基材とを設定した熱接着速度で熱接着し、図2と同様の構成を有するカード形状の印刷物を得た。
得られた印刷物について、熱転写記録媒体と基材との接着強度、階調性、耐光性を試験、評価した。
接着強度試験
熱接着後、カードを折り曲げる試験を行うことにより、接着強度を測定した。折り曲げ試験で熱転写受像層が剥離しなかった場合を○、剥離した場合を×と評価した。
熱接着後、カードを折り曲げる試験を行うことにより、接着強度を測定した。折り曲げ試験で熱転写受像層が剥離しなかった場合を○、剥離した場合を×と評価した。
その結果を下記表2に示す。
階調性試験
得られた画像について、記録画像濃度をグレタグ・マクベス社製反射濃度計RD−19Aを用いて測定し、階調性を評価した。人物の顔を記録するのに重要な、記録画像濃度0.5〜1.0の範囲がほぼ等間隔で変化している場合を○、そうでない場合を×とした。
得られた画像について、記録画像濃度をグレタグ・マクベス社製反射濃度計RD−19Aを用いて測定し、階調性を評価した。人物の顔を記録するのに重要な、記録画像濃度0.5〜1.0の範囲がほぼ等間隔で変化している場合を○、そうでない場合を×とした。
その結果を下記表2に示す。
耐光性試験
得られた画像について、記録画像濃度をグレタグ・マクベス社製反射濃度計RD−19Aを用いて測定し、スガ試験機(株)製ロングライフキセノンウェザーメーターWEL−75X−HC−BEC型内に7日間放置し、記録画像濃度の残存率を測定した。記録画像濃度の残存率は次式より求めた。
得られた画像について、記録画像濃度をグレタグ・マクベス社製反射濃度計RD−19Aを用いて測定し、スガ試験機(株)製ロングライフキセノンウェザーメーターWEL−75X−HC−BEC型内に7日間放置し、記録画像濃度の残存率を測定した。記録画像濃度の残存率は次式より求めた。
残存率=(試験後の記録画像濃度)/(試験前の記録画像濃度)×100
このようにして、得られた試験結果が70%以上であれば○、70%未満であれば×とした。
このようにして、得られた試験結果が70%以上であれば○、70%未満であれば×とした。
その結果を下記表2に示す。
実施例4
架橋可能な樹脂に対する架橋剤の添加量を下記表1のように変更すること以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を得た。
架橋可能な樹脂に対する架橋剤の添加量を下記表1のように変更すること以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を得た。
得られた熱転写記録媒体を用いて、実施例1と同様にしてカード状の印刷物を得た。
得られた印刷物について、実施例1と同様にして、熱接着強度と階調性、耐光性を試験、評価した。
上記評価結果を下記表2に示す
実施例5−7、比較例5及び6
厚さが25μmの透明ポリエステルフィルム(東レ(株)製、商品型番:ルミラーS10)を用意し、その片面に下記組成の剥離層塗布液をグラビアコーターを用いて乾燥後の塗膜厚みが1μmになるように塗布し、120℃で2分間、加熱・乾燥して、剥離層を形成した。
実施例5−7、比較例5及び6
厚さが25μmの透明ポリエステルフィルム(東レ(株)製、商品型番:ルミラーS10)を用意し、その片面に下記組成の剥離層塗布液をグラビアコーターを用いて乾燥後の塗膜厚みが1μmになるように塗布し、120℃で2分間、加熱・乾燥して、剥離層を形成した。
剥離層塗布液組成
メチルエチルケトン 35重量部
トルエン 35重量部
酢酸ビニル樹脂(ダイセル化成品(株)製商品名:セビアンA700)
20重量部
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製商品名:バイロン220)
10重量部
次に、この剥離層の上に、架橋可能な樹脂及び架橋剤の添加量を下記表3に示すように変更すること以外は実施例1と同様にして、昇華型熱転写インク受像層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
メチルエチルケトン 35重量部
トルエン 35重量部
酢酸ビニル樹脂(ダイセル化成品(株)製商品名:セビアンA700)
20重量部
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製商品名:バイロン220)
10重量部
次に、この剥離層の上に、架橋可能な樹脂及び架橋剤の添加量を下記表3に示すように変更すること以外は実施例1と同様にして、昇華型熱転写インク受像層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
得られた熱転写記録媒体を用いて、実施例1と同様にしてカード状の印刷物を得た。
得られた印刷物について、印画時の昇華型熱転写リボンとの貼り付き、実施例1と同様にして、熱接着強度と階調性、耐光性を試験、評価した。
上記評価結果を下記表4に示す。
実施例8
架橋可能な樹脂に対する架橋剤の添加量を下記表3のように変更すること以外は、実施例5と同様にして、熱転写記録媒体を得た。
架橋可能な樹脂に対する架橋剤の添加量を下記表3のように変更すること以外は、実施例5と同様にして、熱転写記録媒体を得た。
得られた印刷物について、印画時の昇華型熱転写リボンとの貼り付き、実施例1と同様にして、熱接着強度と階調性、耐光性を試験、評価した。
上記表1及び表2から明らかなように、溶融型熱転写インク受像層に用いられる樹脂組成と、基材上の接着剤が、本発明の範囲内であると、求める階調性を容易に得られ、十分な接着強度が得られ、耐光性が良好であった。
しかしながら、例えば比較例1に示すように、溶融型熱転写インク受像層に架橋剤を含まないと、階調性が悪化することがわかった。
また、比較例2に示すように、基材上の接着剤が異なる樹脂であると、十分な接着力が得られず、耐光性が悪化することがわかった。
また、実施例2及び3に示すように、溶融型熱転写インク受像層の架橋可能な樹脂と架橋剤の比率が最適な範囲を外れると、階調性が多少劣ることがわかった。
上記表3及び表4から明らかなように、昇華型熱転写インク受像層に用いられる樹脂組成と、基材上の接着剤が、本発明の範囲内であると、インクリボンとの貼り付きがなく、求める階調性を容易に得られ、十分な接着強度が得られ、耐光性が良好であった。
しかしながら、例えば比較例3に示すように、昇華型熱転写インク受像層に架橋剤を含まないと、階調性が悪化することがわかった。
また、比較例4に示すように、基材上の接着剤が異なる樹脂であると、十分な接着力が得られず、耐光性が悪化することがわかった。
また、実施例6及び7に示すように、溶融型熱転写インク受像層の架橋可能な樹脂と架橋剤の比率が最適な範囲を外れると、階調性が劣ることがわかった。
以上の実施例及び比較例から、溶融型熱転写インク受像層の樹脂組成と、基材上の接着剤が本発明の範囲外であると、所望する階調性、十分な接着強度、耐光性が得られないことが分かった。
また、昇華型熱転写インク受像層の樹脂組成と、基材上の接着剤が本発明の範囲外であると、インクリボンとの貼り付きが発生し、所望する階調性、十分な接着強度、耐光性が得られないことが分かった。
実施例9
実施例1と同様の透明ポリエステルフィルム上に、実施例1と同様の溶融型熱転写インク受像層塗布液を使用して、カラー画像を形成する領域のみに第1の溶融型熱転写インク受像層を形成した。その後、架橋可能な樹脂に対する架橋剤の添加量を1重量部に変更すること以外は同様の溶融型熱転写インク受像層塗布液を使用して、カラー画像を形成する領域以外の領域に第1の溶融型熱転写インク受像層よりも記録感度が高い第2の溶融型熱転写インク受像層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
実施例1と同様の透明ポリエステルフィルム上に、実施例1と同様の溶融型熱転写インク受像層塗布液を使用して、カラー画像を形成する領域のみに第1の溶融型熱転写インク受像層を形成した。その後、架橋可能な樹脂に対する架橋剤の添加量を1重量部に変更すること以外は同様の溶融型熱転写インク受像層塗布液を使用して、カラー画像を形成する領域以外の領域に第1の溶融型熱転写インク受像層よりも記録感度が高い第2の溶融型熱転写インク受像層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
得られた熱転写記録媒体の第1の溶融型熱転写インク受像層上に、実施例1と同様にカラー画像を記録し、カラー画像層を得た。
さらに、市販の溶融型熱転写モノクロインクリボンを適用し、600dpiのサーマルヘッドで、文字画像を記録を行い、文字画像層を得た。
実施例1と同様のカード基材上に、同様にして熱転写記録媒体を熱接着し、カード形状の印刷物を得た。
図7に得られた印刷物の構成を説明するための概略的な断面図を示す。
図示するように、この印刷物41は、カード基材5表面のうち、カラー画像形成領域上に第1の溶融型熱転写インク受像層3,それ以外の領域に第2の溶融型熱転写インク受像層3’が形成されている。さらに、第1の溶融型熱転写インク受像層3上にカラー画像層4,第2の溶融型熱転写インク受像層3’上に文字画像層8が形成されている。
実施例10
実施例1と同様の熱転写記録媒体の溶融型熱転写インク受像層上に、実施例9と同様のパターンでカラー画像を形成した後、実施例9と同様のモノクロインクリボンを用いて、カラー画像形成領域以外の領域に、実施例9と同様のパターンで、文字画像を形成した。
実施例1と同様の熱転写記録媒体の溶融型熱転写インク受像層上に、実施例9と同様のパターンでカラー画像を形成した後、実施例9と同様のモノクロインクリボンを用いて、カラー画像形成領域以外の領域に、実施例9と同様のパターンで、文字画像を形成した。
図8に、得られた印刷物の構成を説明するための概略的な断面図を示す。
図示するよう、この印刷物51は、溶融型熱転写インク受像層3上にカラー画像層4以外に文字画像8が形成されていること以外は、図2に示す印刷物と同様の構成を有する。
実施例9と実施例10で得られた画像を比較したところ、実施例9の方が文字画像が鮮明に転写されることがわかった。
1…支持体、2…熱溶融性インク受像層、3…接着層、4…画像層、5…基材、6…剥離層、7…易接着層、8…文字画像層、10,20,30…熱転写記録媒体、11,21,31,41,51…印刷物
Claims (8)
- 支持体、及び該支持体上に設けられた溶融型熱転写インク受像層を含み、該溶融型熱転写インク受像層上に溶融型熱転写インクを用いて画像層を形成した後、接着層が形成された基材を適用し、該接着層を該画像層を介して溶融型熱転写インク受像層と熱接着することにより、印刷物を形成するための熱転写記録媒体であって、
前記溶融型熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤は、該溶融型熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ前記架橋可能な樹脂と、前記接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有することを特徴とする熱転写記録媒体。 - 前記架橋可能な樹脂中の架橋剤の添加量は、1ないし20重量%である請求項1に記載の熱転写記録媒体。
- 溶融型熱転写インク受像層、該溶融型熱転写インク受像層上に溶融型熱転写インクを用いて形成された画像層、該画像層を介して該溶融型熱転写インク受像層上に設けられた接着層、及び該接着層上に設けられた基材を含み、
前記溶融型熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤は、該溶融型熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ前記架橋可能な樹脂と、前記接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有することを特徴とする印刷物。 - 前記架橋可能な樹脂中の架橋剤の添加量は、1ないし20重量%である請求項3に記載の印刷物。
- 支持体、及び該支持体上に設けられた昇華型熱転写インク受像層を含み、該昇華型熱転写インク受像層上に昇華型熱転写インクを用いて画像層を形成した後、接着層が形成された基材を適用し、該接着層を該画像層を介して昇華型熱転写インク受像層と熱接着することにより、印刷物を形成するための熱転写記録媒体であって、
前記昇華型熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤は、該昇華型熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ前記架橋可能な樹脂と、前記接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有することを特徴とする熱転写記録媒体。 - 前記架橋可能な樹脂中の架橋剤の添加量は、1ないし30重量%である請求項5に記載の熱転写記録媒体。
- 昇華型熱転写インク受像層、該昇華型熱転写インク受像層上に昇華型熱転写インクを用いて形成された画像層、該画像層を介して該昇華型熱転写インク受像層上に設けられた接着層、及び該接着層上に設けられた基材を含み、
前記昇華型熱転写インク受像層は、架橋可能な樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤は、該昇華型熱転写インク受像層に要求される記録感度に応じて、その含有量が調整され、かつ前記架橋可能な樹脂と、前記接着層に使用される樹脂は、同じ樹脂を含有することを特徴とする印刷物。 - 前記架橋可能な樹脂中の架橋剤の添加量は、1ないし30重量%である請求項7に記載の印刷物。
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JP2006061417A JP2007237516A (ja) | 2006-03-07 | 2006-03-07 | 熱転写記録媒体、及びこれを用いた印刷物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10308209B2 (en) | 2014-05-28 | 2019-06-04 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Base fabric for airbag and airbag |
-
2006
- 2006-03-07 JP JP2006061417A patent/JP2007237516A/ja active Pending
Cited By (2)
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