JP2005178205A - 熱転写記録媒体及び印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】階調性が豊かで高画質な画像を形成し得、また紙等の基材ヘの接着性が十分で、高温環境下での保存特性が良好である熱転写記録媒体を提供すること。
【解決手段】熱転写記録媒体は、支持体(1)と、支持体上に積層される熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)とを備え、この受像層兼接着層は、第1、第2、及び第3の層を含み、第1の層(2)は、支持体及び第2の層の間に配置される層であって、500ないし16000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の条件を満たす樹脂を含み、第2の層(3)は、第1の層及び第3の層の間に配置される層であって、80℃ないし210℃のガラス転移点の条件を満たし、第1の層に含まれる樹脂との相溶性において所定の条件を満たす樹脂を含み、第3の層(4)は、15000ないし30000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の樹脂を含む。
【選択図】 図1
【解決手段】熱転写記録媒体は、支持体(1)と、支持体上に積層される熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)とを備え、この受像層兼接着層は、第1、第2、及び第3の層を含み、第1の層(2)は、支持体及び第2の層の間に配置される層であって、500ないし16000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の条件を満たす樹脂を含み、第2の層(3)は、第1の層及び第3の層の間に配置される層であって、80℃ないし210℃のガラス転移点の条件を満たし、第1の層に含まれる樹脂との相溶性において所定の条件を満たす樹脂を含み、第3の層(4)は、15000ないし30000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の樹脂を含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱溶融性インクを用いた熱転写記録技術に係り、特に、画像を形成し得る熱溶融性インク受像層を備えた熱転写記録媒体、及び熱溶融性インク受像層上に熱溶融性インク画像を記録し、例えば紙あるいはプラスチック等の基材上に熱接着して得られる印刷物に関する。
免許証、従業員証、会員証、クレジットカードなどの個人認証媒体に顔画像を記録する方法としては、例えば昇華型熱転写記録方法及び溶融型熱転写記録方法があげられる。
昇華型熱転写記録方法は、支持シート上に昇華性あるいは熱移行性染料を熱転写可能にコーティングしてなる昇華性インクリボンと、昇華性染料を受容できる熱可塑性樹脂からなるインク受容層とを重ね合わせ、サーマルヘッドなどを用いて、所定の画像データに基づき、昇華性インクリボンを選択的に加熱し、被記録媒体に所望の画像を昇華転写記録することができる。この方式によれば、階調性豊かなカラー画像を手軽に記録できることが、広く一般的に知られている。しかし、昇華型熱転写記録方法では、熱可塑性樹脂層の表面近傍に画像が形成されることから画像に傷が付き易く、染料が再昇華して画像濃度が経時的に低下し易く、紫外線により染料が分解され、画像の色調が変化する等、画像の耐久性に関連する問題を種々有していた。
一方、溶融型熱転写記録方法は、支持シート上に、顔料あるいは染料を樹脂やワックスなどの熱溶融性バインダに分散させて得られた熱溶融性インクをコーティングして得られた転写リボンを使用し、これをサーマルヘッドなどを用いて、所定の画像データに基づき、選択的に加熱し、被記録媒体にバインダごと熱溶融性インクを転写し、所望の画像を記録するものである。この方式によれば、昇華性インクよりも十分に耐光性の良好な無機及び有機顔料を選択できる。またバインダに用いる樹脂やワックス等を工夫することにより、傷が付きにくく、耐溶剤性に優れた画像を提供することができる。また、蛍光顔料や磁性体等の機能性材料を熱溶融性インク中に混入することが可能であり、これにより、セキュリティ性が高い特殊インクを得ることができる。昇華性熱転写記録法の場合、被記録媒体と昇華性インクに適切なインク受容層とを組み合わせて使用しなければならないが、溶融型熱転写記録方法では、その表面にバインダに対する接着性を有する被記録媒体であれば、何でも使用することが可能であり、幅広く被記録媒体を選択することができる。しかし、溶融型熱転写記録方法は、基本的にインクの接着を行っており、転写したドットのサイズを変化させて階調記録を行うドット面積階調法を用いているため、転写すべき記録媒体の凹凸に非常に敏感であり、凹凸があると転写不良を起こし、ドットサイズをうまく制御できないことから、階調性が乏しいという欠点があった。
このような課題を解決するため、種々の提案がなされている。
例えば多孔質受像層を有する被記録媒体を用いる方法が提案されている。これは、被記録媒体の受像層中に微小孔を設け、その微小孔に熱溶融性インクを浸透、転写させるというものである。この方式によれば、階調性豊かな画像を得ることができるが、多孔質受像層は一般的に機械的強度が低く、印刷装置内の各種ローラー、搬送路などとの接触により表面に傷が付いてしまい、画像欠陥の原因となる。
また、フィルム基材上に透明な受像層兼接着層を設けた記録媒体を用いる方法が提案されている(特許文献1、2、3参照)。
特許第2579061号公報
特許第3105005号公報
特許第3155440号公報
上記提案されている方法によれば、受像層兼接着層上に画像を形成し、得られた画像と受像層兼接着層を、紙またはプラスチック等の基材に熱圧着または熱転写して印刷物が得られる。これら方法によれば、受容層に微小孔を設けないので、表面の機械的強度が高く、さらに樹脂層表面の平滑度を向上させ、インク層との親和性が良くなるように調整すれば、溶融型熱転写方式においても、階調性豊かな画像を形成することができる。
しかしながら、受像層兼接着層として、基材ヘの接着性に優れた軟化温度の低い樹脂を用いると、同一記録条件下における記録画像濃度の再現性が安定しないという問題があった。これは、転写されたインク画像を構成する画点いわゆるドットの中央部にインクが存在しない状態すなわち中央抜けが発生するためである。
この中央抜けを防ぐために受像層兼接着層に軟化温度の高い樹脂を用いると、基材ヘの接着性が低下するという問題があった。このように受像層兼接着層を用いると、接着性と記録画像濃度の再現性の両立が困難であった。
また、受像層兼接着層として、基材ヘの接着性に優れた軟化温度の低い樹脂や平均分子量の低い樹脂を用いると、ロール状態での高温環境下での保存時に、受像兼接着層と基材が貼り付いてしまうという問題もあった。
本発明の第1の目的は、階調性が豊かで高画質な画像を形成し得、また、紙またはプラスチック等の基材ヘの接着性が十分で、高温環境下での保存特性が良好である熱転写記録媒体を提供することにある。
本発明の第2の目的は、紙またはプラスチック等の基材ヘの接着性が十分である熱転写記録媒体が用いられ、階調性が豊かで高画質な画像を有する印刷物を提供することにある。
この発明の熱転写記録媒体及び印刷物は、以下のように構成されている。
(1)この発明の熱転写記録媒体は、熱溶融性インクを用いて記録するための熱転写記録媒体であって、支持体と、前記支持体上に積層される熱溶融性インク受像層兼接着層とを備え、前記熱溶融性インク受像層兼接着層は、第1、第2、及び第3の層を含み、前記第1の層は、前記支持体及び前記第2の層の間に配置される層であって、500ないし16000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の条件を満たす樹脂を含み、前記第2の層は、前記第1の層及び第3の層の間に配置される層であって、80℃ないし210℃のガラス転移点の条件を満たし、前記第1の層に含まれる樹脂との相溶性において所定の条件(両層の塗布液を混合したとき白濁する)を満たす樹脂を含み、前記第3の層は、15000ないし30000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の樹脂を含む。
(2)この発明の印刷物は、熱溶融性インクにより画像が形成された印刷物であって、基材と、前記基材上に積層される熱溶融性インク受像層兼接着層と、前記熱溶融性インク受像層兼接着層により受像された熱溶融性インク画像層とを備え、前記熱溶融性インク受像層兼接着層は、第1、第2、及び第3の層を含み、前記第3の層は、前記基材及び前記第2の層の間に配置される層であって、15000ないし30000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の樹脂を含み、前記第2の層は、前記第1の層及び第3の層の間に配置される層であって、80℃ないし210℃のガラス転移点の条件を満たし、前記第1の層に含まれる樹脂との相溶性において所定の条件(両層の塗布液を混合したとき白濁する)を満たす樹脂を含み、前記第1の層は、500ないし16000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の条件を満たす樹脂を含む。
(3)この発明の熱転写記録媒体は、昇華型熱転写性インクを用いて記録するための熱転写記録媒体であって、支持体と、前記支持体上に積層される昇華型熱転写性インク受像層兼接着層とを備え、前記昇華型熱転写性インク受像層兼接着層は、第1、第2、及び第3の層を含み、前記第1の層は、前記支持体及び前記第2の層の間に配置される層であって、500ないし16000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の条件を満たす樹脂を含み、前記第2の層は、前記第1の層及び第3の層の間に配置される層であって、80℃ないし210℃のガラス転移点の条件を満たし、前記第1の層に含まれる樹脂との相溶性において所定の条件(両層の塗布液を混合したとき白濁する)を満たす樹脂を含み、前記第3の層は、15000ないし30000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の樹脂を含む。
(4)この発明の印刷物は、昇華型熱転写性インクにより画像が形成された印刷物であって、基材と、前記基材上に積層される昇華型熱転写性インク受像層兼接着層と、前記昇華型熱転写性インク受像層兼接着層により受像された昇華型熱転写性インク画像層とを備え、前記昇華型熱転写性インク受像層兼接着層は、第1、第2、及び第3の層を含み、前記第3の層は、前記基材及び前記第2の層の間に配置される層であって、15000ないし30000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の樹脂を含み、前記第2の層は、前記第1の層及び第3の層の間に配置される層であって、80℃ないし210℃のガラス転移点の条件を満たし、前記第1の層に含まれる樹脂との相溶性において所定の条件(両層の塗布液を混合したとき白濁する)を満たす樹脂を含み、前記第1の層は、500ないし16000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の条件を満たす樹脂を含む。
本発明によれば、階調性が豊かで高画質な画像を形成し得、また、紙またはプラスチック等の基材ヘの接着性が十分で、高温環境下での保存特性が良好である熱転写記録媒体を提供できる。
また、本発明によれば、紙またはプラスチック等の基材ヘの接着性が十分である熱転写記録媒体が用いられ、階調性が豊かで高画質な画像を有する印刷物を提供できる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本発明の熱転写記録媒体の構成の一例を表す概略断面図を示す。
図示するように、この熱転写記録媒体10は、支持体シート1及び前記支持体上に積層される熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)を備えている。支持体シート1は、例えばポリエステルフィルムで構成されている。熱溶融性インク受像層兼接着層は、第1の樹脂層2、第2の樹脂層3、第3の樹脂層4を含む。
第1の樹脂層2は、支持体シート1及び第2の樹脂層3の間に配置される層である。この第1の樹脂層2は、数平均分子量が16,000以下の数平均分子量、及び紙あるいはプラスチック等の被着体(基材6)に熱接着するときの樹脂層の温度をTpとするとき、Tp−20℃以下のガラス転移点を有する樹脂を含む。より具体的には、第1の樹脂層2は、500ないし16,000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の条件を満たす樹脂を含む。
第2の樹脂層3は、第1の樹脂層2及び第3の樹脂層4の間に配置される層である。この第2の樹脂層3は、Tp−20℃以上のガラス転移点を有し、第1層の樹脂と相溶性が悪い樹脂を含む。より具体的には、第2の樹脂層3は、80℃ないし210℃のガラス転移点の条件を満たし、第1の樹脂層2に含まれる樹脂との相溶性において所定の条件(第1及び第2の樹脂層の塗布液を混合したとき白濁する)を満たす樹脂を含む。
第3の樹脂層4は、数平均分子量が15,000以上、かつ熱溶融性インクのガラス転移点をTgとするときTg−50℃以上のガラス転移点を有する樹脂を含む。より具体的には、15,000ないし30,000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の樹脂を含む。
この熱溶融性インク受像層兼接着層には、ガラス転移点Tgを有する熱溶融性インクを用いて画像層を形成することができる。
これら第1の樹脂層2、第2の樹脂層3、第3の樹脂層4は、例えば上記した樹脂と好適な溶剤とを含む樹脂塗布液を調製し、この樹脂塗布液を、グラビアコート、リバースコート、ダイコート、ワイヤーバーコート、及びホットメルトコート等により塗布及び乾燥する方法等を用いて、塗布液を塗布、乾燥することにより形成し得る。
この熱転写記録媒体10は、その上に熱溶融性インクにより画像を形成した後、例えば紙またはプラスチック等の被着体に熱接着し得る。
図2に、図1に示す熱転写記録媒体10を用いて得られた印刷物の構成の一例を表す概略断面図を示す。
図示するように、この印刷物11は、基材(被着体)6と、基材6上に積層される熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)と、熱溶融性インク受像層兼接着層により受像された熱溶融性インク画像層5とを備えている。基材6は、例えば紙またはプラスチック等である。熱溶融性インク受像層兼接着層は、第1の樹脂層2、第2の樹脂層3、第3の樹脂層4を含む。見方を変えると、第3の樹脂層4は、基材6及び第2の樹脂層3の間に配置される層である。第2の樹脂層3は、第1の樹脂層2及び第3の樹脂層4の間に配置される層である。
熱溶融性インク画像層5は、熱転写記録媒体10の熱溶融性インク受像層兼接着層4表面に、熱溶融性インクリボンを適用し、例えばサーマルヘッド等の加熱記録手段を用いて熱転写記録を行うことにより形成することができる。画像層5の形成後、画像層5上に紙またはプラスチック等からなる基材6を配置し、例えば熱と圧力を同時に加えることができるヒートローラ等に通し、熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)を全体に加熱することにより、または例えばホットスタンプ機等により所望のパターンで選択的に加熱することにより、基材6上に熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)全体或いは部分的に熱接着することができる。その後、支持体シート1を剥離することにより、図2に示す印刷物11が得られる。
本発明は図1に示す熱転写記録媒体10だけに限定されるものではなく、例えば図3に示す熱転写記録媒体20であってもよい。つまり、支持体シート1と熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)との間、即ち支持体シート1と第1の樹脂層2との間に、中間層としての剥離層7をさらに設けるようにしてもよい。剥離層7は、例えばワックス、及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等からなる。この剥離層7が設けられている以外は、図1に示す熱転写記録媒体と同様の構成を有する。剥離層7は、例えばグラビアコート、リバースコート、ダイコート、ワイヤーバーコート、ホットメルトコート等により形成することができる。
上述のように、熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)を基材6上に熱接着し、その上に設けられた支持体シート1を剥離して除去する場合には、さらに剥離層7を設けることにより、支持体シート1と熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)との剥離をより良好にすることができる。
図4に、図3に示す熱転写記録媒体20を用いて得られた印刷物の構成の一例を表す概略断面図を示す。図示するように、この印刷物21は、熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)の第1の樹脂層2上に剥離層7が設けられている以外は、図2に示す印刷物11と同様の構成を有する。
なお、ここでは、剥離層7が熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)の第1の樹脂層2上に設けられているが、この剥離層7は、熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)の第1の樹脂層2上に部分的に残留しても、支持体シート1と共に剥離除去されても良い。除去される場合に得られる印刷物は、図2に示す印刷物11と同様の構成を有する。
また、本発明は、例えば図5に示す熱転写記録媒体30であってもよい。つまり、支持体シート1と熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)との間、即ち支持体シート1と第1の樹脂層2との間に、中間層としての易接着層8をさらに設けるようにしてもよい。易接着層8は、例えば酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂等からなる。この易接着層8が設けられている以外は、図1に示す熱転写記録媒体と同様の構成を有する。易接着層8は、例えばグラビアコート、リバースコート、ダイコート、ワイヤーバーコート、ホットメルトコート等により形成することができる。
支持体シート1を保護層として使用する場合には、さらに易接着層8を設けることにより、支持体シート1と熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)との接着をより良好にすることができる。なお、易接着層8とは、例えば熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)の形成時に、好ましくは、塗布液の溶剤による溶解あるいは乾燥温度で、支持体シート1を熱溶融性インク受像層兼接着層の第1の樹脂層2に十分に接着し得る層をいう。
図6に、図5に示す熱転写記録媒体30を用いて得られた印刷物の構成の他の一例を表す概略断面図を示す。図示するように、この印刷物31は、熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)の第1の樹脂層2上に、易接着層8及び支持体シート1が順に設けられている以外は、図2に示す印刷物11と同様の構成を有する。
次に、上記した剥離層7の詳細について説明する。
剥離層7に用いる樹脂は、支持体シート1との接着力が適度に調節されていることが望ましい。接着力が過度に大きいと、熱接着後に支持体シート1を剥離しにくくなる。また、接着力が過度に小さいと、支持体シート1は容易に剥離できるが、熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)に熱接着されない不所望な樹脂層が残る傾向がある。
剥離層7に適した適度な接着力を持つ樹脂としては、ワックス、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの各樹脂の混合物等があげられる。
剥離層7に用いられるワックスとしては、例えばポリエチレンワックスやカルナバワックス等が好ましく使用できる。具体的には、日本精蝋(株)製Hi−Mic−2065、Hi−Mic−1045、Hi−Mic−2045、PALVAX−1230、PALVAX−1330、PALVAX−1335、PALVAX−1430、BONTEX−0011、BONTEX−0100、BONTEX−2266等があげられる。
剥離層7に用いられる酢酸ビニル樹脂としては、具体的には、電気化学工業(株)製サクノールSN−04、サクノールSN−04S、サクノールSN−04D、サクノールSN−09A、サクノールSN−09T、サクノールSN−10、サクノールSN−10N、サクノールSN−17A、ASR CH−09、ASR CL−13、クラリアントポリマー(株)製モビニールDC、ダイセル化成品(株)製セビアンA530、セビアンA700、セビアンA707、セビアンA710、セビアンA712、セビアンA800等があげられる。
剥離層7に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂としては、具体的には、三井デュポンポリケミカル(株)製エバフレックス45X、エバフレックス40、エバフレックス150、エバフレックス210、エバフレックス220、エバフレックス250、エバフレックス260、エバフレックス310、エバフレックス360、エバフレックス410、エバフレックス420、エバフレックス450、エバフレックス460、エバフレックス550、エバフレックス560、クラリアントポリマー(株)製モビニール081F、住友化学工業(株)製エバテートD3022、D3012、D4032、CV8030、ヒロダイン工業(株)製ヒロダイン1800−5、ヒロダイン1800−6、ヒロダイン1800−8、ヒロダイン3706、ヒロダイン4309、コニシ(株)製ボンドCZ250、ボンドCV3105等があげられる。
剥離層7に用いられるアクリル樹脂としては、具体的には、ダイセル化成品(株)製セビアンA45000、セビアンA45610、セビアンA46777、セビアンA4635、三菱レイヨン(株)製ダイヤナールBR−80、ダイヤナールBR−83、ダイヤナールBR−85、ダイヤナールBR−87、ダイヤナールBR−101、ダイヤナールBR−102、ダイヤナールBR−105、ダイヤナールBR−106等があげられる。
剥離層7に用いられるシリコーン樹脂としては、具体的には、東芝シリコーン(株)製トスガード510等があげられる。
剥離層7に用いられるポリエステル樹脂としては、具体的には、東洋紡績(株)製バイロン200、バイロン220、バイロン240、バイロン245、バイロン280、バイロン296、バイロン530、バイロン560、バイロン600、バイロナールMD1100、バイロナールMD1200、バイロナールMD1245、バイロナールMD1400、バイロナールGX−W27、ユニチカ(株)製エリーテルUE−3300、エリーテルUE−3320、エリーテルUE−3350、エリーテルUE−3370、エリーテルUE−3380等があげられる。
次に、上記した易接着層8の詳細について説明する。
易接着層8には、支持体シート1と熱溶融性インク受像層兼接着層の第1の樹脂層2との双方との十分な接着力が要求される。この要求を満足する樹脂は、支持体シート1と熱溶融性インク受像層兼接着層の第1の樹脂層2の材質に応じて選択され、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの各樹脂の混合物等が挙げられる。
易接着層8に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂としては、三井・デュポン・ポリケミカル(株)製エバフレックス45X、エバフレックス40、エバフレックス150、エバフレックス210、エバフレックス220、エバフレックス250、エバフレックス260、エバフレックス310、エバフレックス360、エバフレックス410、エバフレックス420、エバフレックス450、エバフレックス460、エバフレックス550、エバフレックス560、クラリアントポリマー(株)製モビニール081F、住友化学工業(株)製エバテートD3022、D3012、D4032、CV8030、ヒロダイン工業(株)製ヒロダイン1800−5、ヒロダイン1800−6、ヒロダイン1800−8、ヒロダイン3706、ヒロダイン4309、コニシ(株)製ボンドCZ250、ボンドCV3105等のがあげられる。
易接着層8に用いられるアクリル樹脂としては、三菱レイヨン(株)製ダイヤナールBR−53、ダイヤナールBR−64、ダイヤナールBR−77、ダイヤナールBR−79、ダイヤナールBR−90、ダイヤナールBR−93、ダイヤナールBR−101、ダイヤナールBR−102、ダイヤナールBR−105、ダイヤナールBR−106、ダイヤナールBR−107、ダイヤナールBR−112、ダイヤナールBR−115、ダイヤナールBR−116、ダイヤナールBR−117、ダイヤナールBR−118等があげられる。
易接着層8に用いられるポリエステル樹脂としては、東洋紡績(株)製バイロン103、バイロン220、バイロン240、バイロン245、バイロン270、バイロン280、バイロン300、バイロン500、バイロン530、バイロン550、バイロン560、バイロン600、バイロン630、バイロン650、ユニチカ(株)製エリーテルUE−3300、エリーテルUE−3320、エリーテルUE−3350、エリーテルUE−3370、エリーテルUE−3380等があげられる。
次に、上記した熱溶融性インク受像層兼接着層の第1の樹脂層2、第2の樹脂層3、及び第3の樹脂層4の樹脂成分について説明する。
第1の樹脂層2及び第3の樹脂層4の樹脂成分は、ポリエステル樹脂及び酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂のうち少なくとも1つの材料を含むことが好ましい。第2の樹脂層3の樹脂成分は、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂及びアクリル樹脂、フェノキシ樹脂のうち少なくとも1つの材料を含むことが好ましい。
より好ましくは、第1の樹脂層2の樹脂成分がポリエステル樹脂、第2の樹脂層3の樹脂成分がアクリル樹脂、第3の樹脂層4の樹脂成分が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂である。
特に好ましくは、第1の樹脂層2の樹脂成分がバイロン240、第2の樹脂層3の樹脂成分がダイヤナールBR−77、第3の樹脂層4の樹脂成分がダウケミカル製VAGHである。
上記したように熱溶融性インク受像層兼接着層の第1の樹脂層2の樹脂成分の材料としては、例えば、ポリエステル樹脂が挙げられる。
第1の樹脂層2の樹脂成分に用いられるポリエステル樹脂としては、具体的には、東洋紡績(株)製バイロン220、バイロン240、バイロン296、バイロン600、バイロンGK110、バイロンGK130、バイロンGK140、バイロンGK150、バイロンGK180、バイロンGK190、バイロンGK250、バイロンGK590、バイロンGK680、バイロンGK780、バイロンGK810、バイロンGK890、バイロンGM−415、バイロンGM−440、バイロンGA−1200、バイロンGA−3200、バイロンGA−5200、バイロナールMD−1200、バイロナールMD−1220、バイロナールMD−1250、バイロナールMD−1335、バイロナールMD−1400、バイロナールMD−1480、バイロナールMD−1500、ユニチカ(株)製エリーテルUE−3320、エリーテルUE−3370、エリーテルUE−3380、エリーテルUE−3350、エリーテルUE−3300、エリーテルUE−3200、エリーテルUE−9200、エリーテルUE−3690、エリーテルUE−3215、エリーテルUE−3620等があげられる。
上記したように第2の樹脂層3の樹脂成分に用いられる樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
第2層の樹脂成分に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂としては、具体的には、三井・デュポン・ポリケミカル(株)製エバフレックス45X、エバフレックス40、エバフレックス150、エバフレックス210、エバフレックス220、エバフレックス250、エバフレックス260、エバフレックス310、エバフレックス360、エバフレックス410、エバフレックス420、エバフレックス450、エバフレックス460、エバフレックス550、エバフレックス560、クラリアントポリマー(株)製モビニール081F、住友化学工業(株)製エバテートD3022、D3012、D4032、CV8030、ヒロダイン工業(株)製ヒロダイン1800−5、ヒロダイン1800−6、ヒロダイン1800−8、ヒロダイン3706、ヒロダイン4309、コニシ(株)製ボンドCZ250、ボンドCV3105等があげられる。
第2の樹脂層3の樹脂成分に用いられるアクリル樹脂としては、三菱レイヨン(株)製ダイヤナールBR−50、ダイヤナールBR−52、ダイヤナールBR−73、ダイヤナールBR−75、ダイヤナールBR−77、ダイヤナールBR−80、ダイヤナールBR−82、ダイヤナールBR−83、ダイヤナールBR−85、ダイヤナールBR−87、ダイヤナールBR−88、ダイヤナールBR−100、ダイヤナールBR−108等があげられる。
第2の樹脂層3の樹脂成分に用いられるフェノキシ樹脂としては、具体的には、ユニオンカーバイド製PKHH、PKHJ、PKHW−35、PKHW−35R、PXKS−6994、PXKS−7000、東都化成(株)製YP−50、YP−50S、YP−40ASM40、YP−50EK35、YPB−40AM40等があげられる。
上記したように第3の樹脂層4の樹脂成分に用いられる樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等が挙げられる。
第3の樹脂層4の樹脂成分に用いられるポリエステル樹脂としては、具体的には、東洋紡績(株)製バイロン200、バイロン245、バイロン270、バイロン280、バイロン290、バイロンGK640、バイロンGK880、バイロンSI−173、バイロンRN−9300、バイロンRN−9600、バイロナールMD−1245、ユニチカ(株)製エリーテルUE−3200、エリーテルUE−3201、エリーテルUE−3203、エリーテルUE−3600、エリーテルUE−9600、エリーテルUE−3660等があげられる。
第3の樹脂層4の樹脂成分に用いられる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂としては、具体的には、ダウケミカル製VYNS−3、VYHH、VYHD、VMCH、VMCC、VMCA、VERR−40、VAGH、VAGD、VAGF、VROH、日信化学工業(株)製ソルバインC、ソルバインCL、ソルバインCH、ソルバインCN、ソルバインC5、ソルバインM、ソルバインML、ソルバインTA5R、ソルバインTAO、ソルバインMK6、ソルバインTA2等があげられる。
図7を参照して、本発明の実施例1と比較例1ないし6について説明する。
易接着層8が形成された厚さ25μmの透明ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、商品型番:ルミラーQ27)を用意し、その透明ポリエステルフィルム表面に、下記組成の熱溶融性インク受像層兼接着層塗布液101(第1層、つまり第1の樹脂層2に相当)、熱溶融性インク受像層兼接着層塗布液102(第2層、つまり第2の樹脂層3に相当)、熱溶融性インク受像層兼接着層塗布液103(第3層、つまり第3の樹脂層4に相当)を、グラビアコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚みがそれぞれ3μmになるよう順次塗布し、それぞれ120℃で2分間、加熱・乾燥して、熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)を形成し、実施例1に係る熱転写記録媒体30を得た。
熱溶融性インク受像層兼接着層塗布液101
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
図7に記載の樹脂 20重量部
熱溶融性インク受像層兼接着層塗布液102
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
図7に記載の樹脂 20重量部
熱溶融性インク受像層兼接着層塗布液103
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
図7に記載の樹脂 20重量部
得られた熱転写記録媒体30の熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)上に、市販の熱溶融性インクリボンを適用し、600dpiのサーマルヘッドで、カラー画像を記録を行い、熱溶融性インク画像層5を得た。
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
図7に記載の樹脂 20重量部
熱溶融性インク受像層兼接着層塗布液102
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
図7に記載の樹脂 20重量部
熱溶融性インク受像層兼接着層塗布液103
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
図7に記載の樹脂 20重量部
得られた熱転写記録媒体30の熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)上に、市販の熱溶融性インクリボンを適用し、600dpiのサーマルヘッドで、カラー画像を記録を行い、熱溶融性インク画像層5を得た。
その後、この熱溶融性インク画像層5上に市販のPPC用紙(基材6)を適用し、ローラー温度180度、ローラー回転速度1m/分に調整したフジプラ(株)製ラミネーターLPD2306Cityに通して、熱転写記録媒体30とPPC用紙とを熱接着し、この実施例1に係る印刷物31を得た。熱接着時の樹脂層の温度を市販のサーモラベルを用いて測定したところ、約100℃であった。
第1の樹脂層(第1層)と第2の樹脂層(第2層)の相溶性については、それぞれの塗布液を混合し、図7に示すように、透明が保たれている場合を○、混合液が白濁した場合を×とした。
得られた印刷物31について、画点形状、熱転写記録媒体30とPPC用紙との接着強度、保存安定性を試験、評価した。その結果は、図7に示す通りである。
画点形状試験
得られた画像について、画点の形状を実体顕微鏡で観察し、画点の中央抜けの有無を調べた。図7に示すように、中央抜けがない場合を○、ある場合を×として評価した。
得られた画像について、画点の形状を実体顕微鏡で観察し、画点の中央抜けの有無を調べた。図7に示すように、中央抜けがない場合を○、ある場合を×として評価した。
接着強度試験
熱接着後、強制的に支持体シート1を剥離するピーリング試験を行うことにより、接着強度を測定した。ピーリング試験では、図7に示すように、剥離したフィルムにPPC用紙が付着している場合を○、付着していない場合を×と評価した。
熱接着後、強制的に支持体シート1を剥離するピーリング試験を行うことにより、接着強度を測定した。ピーリング試験では、図7に示すように、剥離したフィルムにPPC用紙が付着している場合を○、付着していない場合を×と評価した。
なお、本実施例では易接着層8により支持体シート1を接着して印刷物31を得ているけれども、支持体シート1を剥離して印刷物を得る場合には、粘着テープによるテープ剥離試験を代用することができる。テープ剥離試験では、剥離したテープに熱溶融性インク受像層兼接着層とPPC用紙が付着している場合を○、熱溶融性インク受像層兼接着層のみ付着している場合を×とすることができる。
保存安定性試験
熱転写記録媒体30をリボン状に紙管に巻き取り、55℃の環境下で10日間放置した。図7に示すように、放置後に異状がない場合を○、重なったフィルムが貼り付いたり、剥離が発生している等異状がある場合を×と評価した。
熱転写記録媒体30をリボン状に紙管に巻き取り、55℃の環境下で10日間放置した。図7に示すように、放置後に異状がない場合を○、重なったフィルムが貼り付いたり、剥離が発生している等異状がある場合を×と評価した。
図8を参照して、本発明の実施例2と比較例7ないし12について説明する。
厚さが25μmの透明ポリエステルフィルム(東レ(株)製、商品型番:ルミラーS10)を用意し、その片面に下記組成の剥離層塗布液をグラビアコーターを用いて乾燥後の塗膜厚みが1μmになるように塗布し、120℃で2分間、加熱・乾燥して、剥離層7を形成した。
剥離層塗布液組成
メチルエチルケトン 35重量部
トルエン 35重量部
酢酸ビニル樹脂(ダイセル化成品(株)製商品名:セビアンA700)
20重量部
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製商品名:バイロン220)
10重量部
次に、この剥離層7の上に、各々実施例1と同様にして熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)を形成し、熱転写記録媒体20を得た。また、この剥離層7の上に、比較例1ないし6と同様にして熱溶融性インク受像層兼接着層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
メチルエチルケトン 35重量部
トルエン 35重量部
酢酸ビニル樹脂(ダイセル化成品(株)製商品名:セビアンA700)
20重量部
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製商品名:バイロン220)
10重量部
次に、この剥離層7の上に、各々実施例1と同様にして熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)を形成し、熱転写記録媒体20を得た。また、この剥離層7の上に、比較例1ないし6と同様にして熱溶融性インク受像層兼接着層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
得られた熱転写記録媒体20を用いて、実施例1と同様にして印刷物21を得た。
得られた画像について、実施例1と同様にして、画点形状、接着強度、保存安定性を試験、評価した。その結果は、図8に示す通りである。
図7及び図8から明らかなように、熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)に用いられる第1の樹脂層2(第1層)の樹脂及び第2の樹脂層3(第2層)の樹脂、第3の樹脂層4(第3層)の樹脂のガラス転移点と分子量、第1の樹脂層2の樹脂と第2の樹脂層3の樹脂の相溶性が本発明の範囲内であると、画点形状に中抜けを生じないので、記録画像濃度の再現性が良好となり、十分な接着強度が得られ且つ高温環境下での保存安定性が良好である。
しかしながら、例えば比較例1及び7に示すように、第1層の分子量が高すぎると接着強度が低下し、比較例2及び8に示すように第1のガラス転移点が高すぎると接着強度が低下した。
また、比較例3及び9のように第2層のガラス転移点が低すぎると保存安定性が低下した。
また、比較例4及び10のように第3層の分子量が低すぎると画点に中抜けを生じて記録画像濃度の再現性が悪化し、比較例5及び11のように第3層のガラス転移点が低すぎると保存安定性が悪化した。
また、比較例6及び12のように第1層と第2層の相溶性が良好だと、保存安定性が悪化した。
以上の実施例及び比較例から、熱溶融性インク受像層兼接着層の第1層・第2層・第3層の樹脂成分の分子量、ガラス転移点及び第1層の樹脂と第2層の樹脂の相溶性のいずれか1つでも本発明の範囲外であると、良好な画点形状、記録画像の再現性及び十分な接着強度、十分な保存安定性が得られないことが分かった。
上記説明したこの発明の熱転写記録媒体及び印刷物は、熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)を備えているが、この熱溶融性インク受像層兼接着層(2、3、4)の替わりに昇華型熱転写性インク受像層兼接着層を用いることもできる。熱溶融性インク受像層兼接着層は、第1の樹脂層2、第2の樹脂層3、第3の樹脂層4を含んでいるが、同様にこの昇華型熱転写性インク受像層兼接着層も、第1の樹脂層2、第2の樹脂層3、第3の樹脂層4を含む。即ち、図1〜図6は、熱溶融性インク受像層兼接着層を備えた熱転写記録媒体及び印刷物の一例を示す図であり、また昇華型熱転写性インク受像層兼接着層を備えた熱転写記録媒体及び印刷物の一例を示す図でもある。
図9を参照して、本発明の実施例3と比較例13ないし18について説明する。
易接着層8が形成された厚さ25μmの透明ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、商品型番:ルミラーQ27)を用意し、その透明ポリエステルフィルム表面に、下記組成の昇華型熱転写性インク受像層兼接着層塗布液201(第1層、つまり第1の樹脂層2に相当)、昇華型熱転写性インク受像層兼接着層塗布液202(第2層、つまり第2の樹脂層3に相当)、昇華型熱転写性インク受像層兼接着層塗布液203(第3層、つまり第3の樹脂層4に相当)を、グラビアコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚みがそれぞれ3μmになるように順次塗布し、120℃で2分間、加熱・乾燥して、昇華型熱転写性インク受像層兼接着層(2、3、4)を形成し、熱転写記録媒体30を得た。
昇華型熱転写性インク受像層兼接着層塗布液201
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
図9に記載の樹脂 20重量部
昇華型熱転写性インク受像層兼接着層塗布液202
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
図9に記載の樹脂 20重量部
昇華型熱転写性インク受像層兼接着層塗布液203
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
図9に記載の樹脂 20重量部
得られた熱転写記録媒体30の昇華型熱転写性インク受像層兼接着層(2、3、4)上に、市販の昇華型熱転写性インクリボンを適用し、400dpiのサーマルヘッドで、カラー画像を記録を行い、熱溶融性インク画像層5を得た。
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
図9に記載の樹脂 20重量部
昇華型熱転写性インク受像層兼接着層塗布液202
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
図9に記載の樹脂 20重量部
昇華型熱転写性インク受像層兼接着層塗布液203
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
図9に記載の樹脂 20重量部
得られた熱転写記録媒体30の昇華型熱転写性インク受像層兼接着層(2、3、4)上に、市販の昇華型熱転写性インクリボンを適用し、400dpiのサーマルヘッドで、カラー画像を記録を行い、熱溶融性インク画像層5を得た。
その後、この熱溶融性インク画像層5上に市販のPPC用紙(基材6)を適用し、ローラー温度180度、ローラー回転速度1m/分に調整したフジプラ(株)製ラミネーターLPD2306Cityに通して、熱転写記録媒体30とPPC用紙とを熱接着し、この実施例3に係る印刷物31を得た。熱接着時の樹脂層の温度を市販のサーモラベルを用いて測定したところ、約100℃であった。
得られた印刷物31について、階調性、熱転写記録媒体とPPC用紙との接着強度、保存安定性を試験、評価した。その結果は図9に示す通りである。
階調性試験
得られた画像について、記録画像濃度をグレタグ・マクベス社製反射濃度計RD−19Aを用いて測定し、階調性を評価した。図9に示すように、記録画像濃度がほぼ等間隔で変化している場合を○、そうでない場合を×とした。
得られた画像について、記録画像濃度をグレタグ・マクベス社製反射濃度計RD−19Aを用いて測定し、階調性を評価した。図9に示すように、記録画像濃度がほぼ等間隔で変化している場合を○、そうでない場合を×とした。
接着強度試験
熱接着後、強制的に支持体シート1を剥離するピーリング試験を行うことにより、接着強度を測定した。ピーリング試験では、図9に示すように、剥離したフィルムにPPC用紙が付着している場合を○、付着していない場合を×と評価した。
熱接着後、強制的に支持体シート1を剥離するピーリング試験を行うことにより、接着強度を測定した。ピーリング試験では、図9に示すように、剥離したフィルムにPPC用紙が付着している場合を○、付着していない場合を×と評価した。
なお、本実施例では易接着層8により支持体シート1を接着して印刷物31を得ているけれども、支持体シート1を剥離して印刷物を得る場合には、粘着テープによるテープ剥離試験を代用することができる。テープ剥離試験では、剥離したテープに熱溶融性インク受像層兼接着層とPPC用紙が付着している場合を○、熱溶融性インク受像層兼接着層のみ付着している場合を×とすることができる。
保存安定性試験
熱転写記録媒体30をリボン状に紙管に巻き取り、55℃の環境下で10日間放置した。図9に示すように、放置後に異状がない場合を○、重なったフィルムが貼り付いたり、剥離が発生している等異状がある場合を×と評価した。
熱転写記録媒体30をリボン状に紙管に巻き取り、55℃の環境下で10日間放置した。図9に示すように、放置後に異状がない場合を○、重なったフィルムが貼り付いたり、剥離が発生している等異状がある場合を×と評価した。
図10を参照して、本発明の実施例4と比較例19ないし24について説明する。
厚さが25μmの透明ポリエステルフィルム(東レ(株)製、商品型番:ルミラーS10)を用意し、その片面に下記組成の剥離層塗布液をグラビアコーターを用いて乾燥後の塗膜厚みが1μmになるように塗布し、120℃で2分間、加熱・乾燥して、剥離層7を形成した。
剥離層塗布液組成
メチルエチルケトン 35重量部
トルエン 35重量部
酢酸ビニル樹脂(ダイセル化成品(株)製商品名:セビアンA800)
20重量部
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製商品名:ダイヤナールBR−87)
10重量部
次に、この剥離層7の上に、各々実施例3と同様にして昇華型熱転写性インク受像層兼接着層(2、3、4)を形成し、熱転写記録媒体20を得た。また、この剥離層7の上に、比較例13ないし18と同様にして昇華型熱転写性インク受像層兼接着層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
メチルエチルケトン 35重量部
トルエン 35重量部
酢酸ビニル樹脂(ダイセル化成品(株)製商品名:セビアンA800)
20重量部
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製商品名:ダイヤナールBR−87)
10重量部
次に、この剥離層7の上に、各々実施例3と同様にして昇華型熱転写性インク受像層兼接着層(2、3、4)を形成し、熱転写記録媒体20を得た。また、この剥離層7の上に、比較例13ないし18と同様にして昇華型熱転写性インク受像層兼接着層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
得られた熱転写記録媒体20を用いて、実施例3と同様にして印刷物21を得た。
得られた画像について、実施例7と同様にして、階調性、接着強度、保存安定性を試験、評価した。その結果は、図10に示す通りである。
図9及び図10から明らかなように、昇華型熱転写性インク受像層兼接着層(2、3、4)に用いられる第1の樹脂層2(第1層)の樹脂及び第2の樹脂層3(第2層)の樹脂、第3の樹脂層(第3層)の樹脂のガラス転移点と分子量、第1の樹脂層2の樹脂と第2の樹脂層3の樹脂の相溶性が本発明の範囲内であると、階調性が良好となり、十分な接着強度が得られ且つ高温環境下での保存安定性が良好である。
しかしながら、例えば比較例13及び19に示すように、第1層の分子量が高すぎると接着強度が低下し、比較例14及び20に示すように第1のガラス転移点が高すぎると接着強度が低下した。
また、比較例15及び21のように第2層のガラス転移点が低すぎると保存安定性が低下した。
また、比較例16及び22のように第3層の分子量が低すぎると階調性が悪化し、比較例17及び23のように第3層のガラス転移点が低すぎると保存安定性が悪化した。
また、比較例18及び24のように第1層と第2層の相溶性が良好だと、保存安定性が悪化した。
以上の実施例及び比較例から、昇華型熱転写性インク受像層兼接着層の第1層・第2層・第3層の樹脂成分の分子量、ガラス転移点及び第1層の樹脂と第2層の樹脂の相溶性のいずれか1つでも本発明の範囲外であると、良好な階調性及び十分な接着強度、十分な保存安定性が得られないことが分かった。
以下、この発明の熱転写記録媒体及び印刷物についてまとめる。
本発明の熱転写記録媒体は、支持体シートと、支持体シート上に設けられ、少なくとも支持体側から第1の樹脂層、第2の樹脂層、及び第3の樹脂層の3層からなる熱溶融性インク受像層兼接着層または昇華型熱転写性インク受像層兼接着層とを具備する。
第1の樹脂層の樹脂成分は、16000以下の数平均分子量、及び紙あるいはプラスチック等の被着体に熱接着するときの樹脂層の温度をTpとするとき、Tp−20℃以上のガラス転移点を有する。
第2の樹脂層の樹脂成分は、Tp−20℃以上のガラス転移点を有すると同時に該第1の層の樹脂と相溶性が悪い樹脂からなる。
第3の樹脂層の樹脂成分は、15000以上の数平均分子量、及び該熱溶融性インクのガラス転移点をTgとするときTg−50℃以上のガラス転移点を有する。
この熱溶融性インク受像層兼接着層には、上記ガラス転移点Tgを有する熱溶融性インクを用いて画像層を形成することができる。
画像層が形成された熱転写記録媒体を基材上に転写し、支持体シートを剥離することにより、基材と、基材上に設けられ、ガラス転移点Tgを有する熱溶融性インクにより形成された画像層と、画像層が受像され、かつ画像層とともに基材上に接着された、熱溶融性インク受像層兼接着層とを有する印刷物が得られる。
また、上記支持体シートを剥離しない場合には、基材と、基材上に設けられ、ガラス転移点Tgを有する熱溶融性インクにより形成された画像層と、画像層が受像され、かつ画像層とともに基材上に接着された、熱溶融性インク受像層兼接着層と、支持体シートとを有する印刷物が得られる。この支持体シートは、例えば保護層として機能し得る。
熱溶融性インク受像層兼接着層では、第1の樹脂層の樹脂成分は熱接着時には接着作用に寄与する。このため、第3の樹脂層の樹脂成分単独の接着作用だけでは得られない十分な接着性が確保できる。第3の樹脂層の樹脂成分は、熱溶融性インクを受容する機能に優れる。ただし、第1の樹脂層の樹脂成分が第3の樹脂層の樹脂成分と相溶性が良好な場合、50℃以上の高温環境下で保存すると、第1の樹脂層の樹脂成分が表面に析出する。第1の樹脂層の樹脂成分は数平均分子量が小さいため、50℃以上の高温環境下における保存安定性を悪化させる。そこで、第2の樹脂層を設けることにより第1の樹脂層の樹脂と第3の樹脂層の樹脂が相溶することを防ぎ、保存安定性を向上させることができる。
昇華型熱転写性インク受像層兼接着層では、第1の樹脂層の樹脂成分は熱接着時には接着作用に寄与する。第3の樹脂層の樹脂は昇華型熱転写性インク内の染料を受容する機能に優れる。ただし、第1の樹脂層の樹脂成分が第3の樹脂層の樹脂成分と相溶性が良好な場合、50℃以上の高温環境下で保存すると、第1の樹脂層の樹脂成分が表面に析出する。第1の樹脂層の樹脂成分は数平均分子量が小さいため、50℃以上の高温環境下における保存安定性を悪化させる。そこで、第2の樹脂層を設けることにより第1の樹脂層の樹脂と第3の樹脂層の樹脂が相溶することを防ぎ、保存安定性を向上させることができる。
本発明によれば、上記第1の樹脂層の樹脂と上記第2の樹脂層の樹脂と上記第3の樹脂層の樹脂を所定の厚みで積層する熱溶融性インク受像層兼接着層、昇華型熱転写性インク受像層兼接着層を用いることにより、熱溶融性インク受像層兼接着層、昇華型熱転写性インク受像層兼接着層の紙等の基材に対する接着性が良好となり、かつ画点の中央抜けやバインダとの熱融着等を発生することがなく、記録毎に画像濃度が安定し、階調性が豊かで高画質な画像を形成することができる。
なお、第1の樹脂層の樹脂成分の数平均分子量が16000を超え、ガラス転移点がTp−20℃を超えると、紙等の基材に対する十分な接着性が得られなくなる。第1の樹脂層の樹脂成分は、その数平均分子量が500ないし16000であることが好ましい。数平均分子量が16000を超えると、十分な接着強度が確保できなくなる傾向がある。また、第1の樹脂層の樹脂成分は、そのガラス転移点が50℃ないし1800℃であることが好ましい。ガラス転移点が50℃未満であると、画点形状、及び階調特性が悪くなる傾向がある。
第2の樹脂層の樹脂成分がTp−20℃未満のガラス転移点を有すると、50℃以上の高温環境下における保存安定性を悪化させる。また、第2の樹脂層の樹脂成分は、そのガラス転移点が50℃以上であることが好ましい。ガラス転移点が50℃未満であると、50℃未満の環境下における保存安定性も悪化する傾向がある。
第3の樹脂層の樹脂成分の数平均分子量が15000未満であり、Tg−50℃未満のガラス転移点を有すると、50℃以上の高温環境下における保存安定性を悪化させる。また、第3層の樹脂成分は、その数平均分子量が15000ないし30000であることが好ましい。数平均分子量が、15000未満であると十分な保存安定性が確保できなくなる傾向がある。
本発明によれば、熱溶融性インクでは記録した画像の画点の中央抜けを生じることがなく、昇華型熱転写性インクではインクリボンと受像層兼接着層との熱融着がなく、安定した記録画像濃度の再現が可能で、階調性が豊かで高画質な画像を形成し得、また、被着体ヘの接着性が十分且つ高温環境下における保存安定性が十分である熱転写記録媒体が得られる。
また、この熱転写記録媒体を用いることにより、熱溶融性インクでは記録した画像の画点の中央抜けを生じることがなく、昇華型熱転写性インクではインクリボンと受像層兼接着層との熱融着がなく、安定した記録画像濃度の再現が可能で、階調性が豊かで高画質な画像を有する印刷物が得られる。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…支持体シート、2…第1の樹脂層(熱溶融性インク受像層兼接着層/昇華型熱転写性インク受像層兼接着層)、3…第2の樹脂層(熱溶融性インク受像層兼接着層/昇華型熱転写性インク受像層兼接着層)、4…第3の樹脂層(熱溶融性インク受像層兼接着層/昇華型熱転写性インク受像層兼接着層)、5…画像層、6…基材(被着体)、7…剥離層、8…易接着層、10、20、30…熱転写記録媒体、11、21、31…印刷物
Claims (16)
- 熱溶融性インクを用いて記録するための熱転写記録媒体であって、
支持体と、
前記支持体上に積層される熱溶融性インク受像層兼接着層と、
を備え、
前記熱溶融性インク受像層兼接着層は、順に積層される第1、第2、及び第3の層を含み、
前記第1の層は、前記支持体及び前記第2の層の間に配置される層であって、500ないし16000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の条件を満たす樹脂を含み、
前記第2の層は、前記第1の層及び第3の層の間に配置される層であって、80℃ないし210℃のガラス転移点の条件を満たし、前記第1の層に含まれる樹脂との相溶性において所定の条件を満たす樹脂を含み、
前記第3の層は、15000ないし30000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の樹脂を含む、
ことを特徴とする熱転写記録媒体。 - 前記熱溶融性インク受像層兼接着層の厚みが、1ないし50マイクロメートルであることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
- 前記支持体と前記熱溶融性インク受像層兼接着層との間に易接着層を備えたことを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
- 前記支持体と前記熱溶融性インク受像層兼接着層との間に剥離層を備えたことを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
- 前記熱溶融性インク受像層兼接着層は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、及び塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂のうち少なくとも1つの材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
- 熱溶融性インクにより画像が形成された印刷物であって、
基材と、
前記基材上に積層される熱溶融性インク受像層兼接着層と、
前記熱溶融性インク受像層兼接着層により受像された熱溶融性インク画像層と、
を備え、
前記熱溶融性インク受像層兼接着層は、順に積層される第1、第2、及び第3の層を含み、
前記第3の層は、前記基材及び前記第2の層の間に配置される層であって、15000ないし30000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の樹脂を含み、
前記第2の層は、前記第1の層及び第3の層の間に配置される層であって、80℃ないし210℃のガラス転移点の条件を満たし、前記第1の層に含まれる樹脂との相溶性において所定の条件を満たす樹脂を含み、
前記第1の層は、500ないし16000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の条件を満たす樹脂を含む、
ことを特徴とする印刷物。 - 前記第2の層の反対側の前記第1の層上に保護層を備えたことを特徴とする請求項6に記載の印刷物。
- 前記熱溶融性インク受像層兼接着層と保護層との間に易接着層を備えたことを特徴とする請求項7に記載の印刷物。
- 昇華型熱転写性インクを用いて記録するための熱転写記録媒体であって、
支持体と、
前記支持体上に積層される昇華型熱転写性インク受像層兼接着層と、
を備え、
前記昇華型熱転写性インク受像層兼接着層は、順に積層される第1、第2、及び第3の層を含み、
前記第1の層は、前記支持体及び前記第2の層の間に配置される層であって、500ないし16000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の条件を満たす樹脂を含み、
前記第2の層は、前記第1の層及び第3の層の間に配置される層であって、80℃ないし210℃のガラス転移点の条件を満たし、前記第1の層に含まれる樹脂との相溶性において所定の条件を満たす樹脂を含み、
前記第3の層は、15000ないし30000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の樹脂を含む、
ことを特徴とする熱転写記録媒体。 - 前記昇華型熱転写性インク受像層兼接着層の厚みが、1ないし50マイクロメートルであることを特徴とする請求項9に記載の熱転写記録媒体。
- 前記支持体と前記昇華型熱転写性インク受像層兼接着層との間に易接着層を備えたことを特徴とする請求項9に記載の熱転写記録媒体。
- 前記支持体と前記昇華型熱転写性インク受像層兼接着層との間に剥離層を備えたことを特徴とする請求項9に記載の熱転写記録媒体。
- 前記昇華型熱転写性インク受像層兼接着層は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、及び塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂のうち少なくとも1つの材料を含むことを特徴とする請求項9に記載の熱転写記録媒体。
- 昇華型熱転写性インクにより画像が形成された印刷物であって、
基材と、
前記基材上に積層される昇華型熱転写性インク受像層兼接着層と、
前記昇華型熱転写性インク受像層兼接着層により受像された昇華型熱転写性インク画像層と、
を備え、
前記昇華型熱転写性インク受像層兼接着層は、順に積層される第1、第2、及び第3の層を含み、
前記第3の層は、前記基材及び前記第2の層の間に配置される層であって、15000ないし30000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の樹脂を含み、
前記第2の層は、前記第1の層及び第3の層の間に配置される層であって、80℃ないし210℃のガラス転移点の条件を満たし、前記第1の層に含まれる樹脂との相溶性において所定の条件を満たす樹脂を含み、
前記第1の層は、500ないし16000の数平均分子量、及び50℃ないし180℃のガラス転移点の条件を満たす樹脂を含む、
ことを特徴とする印刷物。 - 前記第2の層の反対側の前記第1の層上に保護層を備えたこと特徴とする請求項14に記載の印刷物。
- 前記昇華型熱転写性インク受像層兼接着層と保護層との間に易接着層を備えたことを特徴とする請求項14に記載の印刷物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003423279A JP2005178205A (ja) | 2003-12-19 | 2003-12-19 | 熱転写記録媒体及び印刷物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003423279A JP2005178205A (ja) | 2003-12-19 | 2003-12-19 | 熱転写記録媒体及び印刷物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005178205A true JP2005178205A (ja) | 2005-07-07 |
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JP2003423279A Pending JP2005178205A (ja) | 2003-12-19 | 2003-12-19 | 熱転写記録媒体及び印刷物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005178205A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100796786B1 (ko) * | 2007-05-11 | 2008-01-22 | 주식회사 삼구 | 부조 전사지 및 그 제조방법 |
CN103568617A (zh) * | 2012-08-08 | 2014-02-12 | 佳能株式会社 | 记录介质 |
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- 2003-12-19 JP JP2003423279A patent/JP2005178205A/ja active Pending
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