JPH08282136A

JPH08282136A - 昇華熱転写インクリボン

Info

Publication number: JPH08282136A
Application number: JP7113683A
Authority: JP
Inventors: Tatsuya Morimitsu; 達也守満; Hirotaka Aizawa; 弘貴相沢
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1995-04-14
Filing date: 1995-04-14
Publication date: 1996-10-29

Abstract

(57)【要約】【目的】昇華熱転写インクリボンで、硬質ポリ塩化ビ
ニルからなるカード類のように離型剤を使用しない被転
写材に対して熱転写を行う場合でも、インクリボンと被
転写材とが融着しないようにする。【構成】昇華性染料又は熱拡散性染料が樹脂バインダ
ー中に分散されてなる昇華転写層２が耐熱性基材１上に
設けられている昇華熱転写インクリボンにおいて、昇華
転写層２に離型剤としてシリコーン変性樹脂を含有さ
せ、そのシリコーン変性樹脂の主鎖を構成する樹脂とし
て、昇華転写層２の樹脂バインダーに対して相溶性の高
いものを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、昇華熱転写インクリボ
ンに関する。より詳しくは、ＩＣカード、ＩＤカード、
証券カードなどの硬質ポリ塩化ビニルからなる被転写材
に対し昇華転写記録を行うための昇華熱転写インクリボ
ンに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、感熱記録方式のうち、フルカラー
表示が可能でしかも優れた階調表現が可能な昇華熱転写
記録方式が広く使用されるようになっている。

【０００３】この昇華熱転写記録方式においては、ポリ
プロピレン合成紙上にポリエステルやポリブチラールな
どの染料染着性樹脂からなる染料受容層が設けられた印
画紙などの被転写材と、耐熱性基材に昇華性染料又は熱
拡散性染料を樹脂バインダーに分散又は溶解させた昇華
転写層が形成された昇華熱転写インクリボンとを、染料
受容層と昇華転写層とが接触するように重ね合せ、イン
クリボンの耐熱基材側から、サーマルヘッドなどの加熱
加圧手段により画像情報に応じて加熱加圧することによ
り、インクリボンの昇華転写層から被転写材の染料受容
層に昇華性染料もしくは熱拡散性染料を移行させること
により画像を形成している。ここで、被転写材上の染料
受容層中には、昇華熱転写インクリボンと被転写材との
熱転写時の融着を防止するために、離型剤としてシリコ
ーンオイルが一般に添加されている。

【０００４】ところで、近年、ＩＣカード、ＩＤカー
ド、証券カードなどの硬質ポリ塩化ビニル製のカード類
が広く使用されるようになっており、それに伴いこれら
のカード類に対しても昇華熱転写記録を行うことが試み
られるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、これらのカ
ード類には、その構成材質である硬質ポリ塩化ビニル自
体が染料受容性を有しており、また、その表面に昇華熱
転写記録に加えて印刷加工やエンボス加工等が施される
ために、わざわざ染料受容層が設けられていない。ま
た、良好な印刷適性を確保するために離型剤が添加され
ていない。

【０００６】従って、これらのカード類に昇華熱転写記
録を行った場合には、熱転写時にカード類と昇華熱転写
インクリボンとの融着が大きな問題となっている。

【０００７】この問題を解決するために、被転写材では
なく昇華熱転写インクリボンの昇華転写層中へシリコー
ンオイルを添加することにより、カード類と昇華熱転写
インクリボンとの融着を防止することが考えられる。

【０００８】しかしながら、シリコーンオイルを昇華転
写層に添加した場合、熱転写時の融着防止に対しては大
きな効果が得られるが、シリコーンオイルは昇華転写層
の樹脂バインダーに対して相溶性が小さいために、シリ
コーンオイルを添加した樹脂バインダーは染料との相溶
性が低下し、それにより昇華転写層中に染料が析出して
転写感度が低下したり、また、シリコーンオイルが昇華
転写層の表面から離脱し、それにより熱転写インクリボ
ンの保存時にインクリボン同士のブロッキングが生じた
りするという問題が生じる。

【０００９】また、カード類には、昇華熱転写により階
調画像を形成することに加えて、文字やバーコード等の
二値画像を保存安定性高く形成するために、これらを熱
溶融転写により形成することが要請されているが、従来
の昇華熱転写インクリボンでは、そのような二値画像を
形成することができないという問題がある。

【００１０】本発明は、以上のような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、硬質ポリ塩化ビニルから
なるカード類のように、離型剤を使用しない被転写材に
対して熱転写を行った場合でも、被転写材と融着しない
昇華熱転写インクリボンを提供することを第一の目的と
する。また、そのような昇華熱転写インクリボンにおい
て、熱溶融転写による文字等の二値画像を形成できるよ
うにすることを第二の目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明者は、昇華熱転写
インクリボンの昇華転写層中に、昇華転写層の樹脂バイ
ンダーに対して相溶性の高い樹脂をシリコーン変性した
ものを離型剤として添加することにより第一の目的が達
成でき、また、基材上に昇華転写層と並列的に熱溶融転
写層を設けることにより第二の目的が達成できることを
見出し、本発明を完成させるに至った。

【００１２】即ち、本発明は、第一の目的を達成するた
めに、昇華性染料又は熱拡散性染料が樹脂バインダー中
に分散されてなる昇華転写層が耐熱性基材上に設けられ
ている昇華熱転写インクリボンにおいて、昇華転写層に
離型剤としてシリコーン変性樹脂が含有され、そのシリ
コーン変性樹脂の主鎖を構成する樹脂として、昇華転写
層の樹脂バインダーに対して相溶性の高いものが使用さ
れている昇華熱転写インクリボンを提供する。

【００１３】また、本発明は、第二の目的を達成するた
めに、第１の目的を達成するための昇華熱転写インクリ
ボンの基材上に、着色顔料が熱溶融移行性樹脂バインダ
ー中に分散されてなる熱溶融転写層を昇華転写層と並列
的に設けた昇華熱転写インクリボンを提供する。

【００１４】以下、本発明を図面を参照しながら詳細に
説明する。

【００１５】図１は、本発明の昇華熱転写インクリボン
の断面図である。このインクリボンは、耐熱性基材１上
に、昇華性染料又は熱拡散性染料が樹脂バインダーに分
散した昇華転写層２（イエローインク層２ｙ、マゼンタ
インク層２ｍ及びシアンインク層２ｃ）が形成されてい
る構造を有する。

【００１６】ここで、昇華転写層２には、更に離型剤と
してシリコーン変性樹脂が含有され、そして、そのシリ
コーン変性樹脂の主鎖を構成する樹脂として、昇華転写
層の樹脂バインダーに対して相溶性の高い樹脂が使用さ
れている。このような離型剤が添加された昇華転写層２
においては、シリコーン変性樹脂のシリコーン部分が、
昇華転写層２の樹脂バインダーに対するその相溶性の低
さのために、昇華転写層２の表面に配向する傾向があ
る。また、シリコーン変性樹脂の主鎖を構成する樹脂
は、昇華転写層２の樹脂バインダーに対して良好な相溶
性を有するために、昇華転写層２の内部に配向する傾向
がある。このため、昇華転写層２の表面には離型成分で
あるシリコーン部分がリッチとなり、熱転写時にインク
リボンの良好な離型性を実現する。また、このシリコー
ン部分は、昇華転写層２の樹脂バインダーに対し相溶す
る性質を有する樹脂に化学的に結合しているために、シ
リコーン部分が昇華転写層２の表面から離脱することが
ない。従って、本発明の昇華熱転写インクリボンを用い
て、離型剤を使用しない被転写材、特に、硬質ポリ塩化
ビニルからなるカード類に対して熱転写を行った場合で
も、インクリボンと被転写材との融着を防止することが
できる。また、インクリボンの保存時にブロッキングが
生じるおそれもなくなる。

【００１７】このようなシリコーン変性樹脂としては、
例えば、シリコーン変性アクリル系樹脂、シリコーン変
性セルロース系樹脂、シリコーン変性ビニル系樹脂、シ
リコーン変性ポリエステル系樹脂、シリコーン変性ポリ
アミド系樹脂等を挙げることができる。中でも、シリコ
ーン変性アクリル系樹脂、シリコーン変性ポリエステル
樹脂を好ましく挙げることができる。

【００１８】離型剤としてのシリコーン変性樹脂の昇華
転写層２中の添加量は、少な過ぎると加熱時の融着防止
の効果が乏しく、多過ぎると昇華転写層２の皮膜強度が
低下したり、樹脂バインダーとの相溶性が低下するの
で、好ましくは０．１〜１０重量％、より好ましくは
０．２〜５重量％とする。

【００１９】昇華転写層２に使用する樹脂バインダーと
しては、従来の昇華熱転写インクリボンの昇華転写層に
おいて用いられているような耐熱性、染料移行性等に優
れた樹脂と同様なものを使用することができる。この場
合、樹脂バインダーとしては、そのガラス転移点Ｔｇが
低過ぎるとインクリボンと被転写材とが融着しやすくな
り、また、保存時のブロッキングが生じやすくなるの
で、Ｔｇが５０℃以上のものを使用することが好まし
い。このような、樹脂バインダーとしては、例えば、ポ
リビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、
ポリエステル樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース等の樹脂を好ましく使用することができ
る。

【００２０】昇華性又は熱拡散性染料としては、従来公
知の昇華熱転写インクリボンに使用されている染料を用
いることができる。このような染料のうちイエロー
（Ｙ）系の染料としては、カヤセットイエローＡＧ、カ
ヤセットイエローＴＤＮ、ＰＹＴ５２、プラストイエロ
ー８０４０、ホロンブリリアントイエローＳ６ＧＬＰＩ
等を挙げることができる。また、マゼンタ（Ｍ）系染料
としては、カヤセットレッドＢ、カヤセットレッド１３
０、セレスレッド７Ｂ、マクロレックスレッドバイオレ
ットＲ等を挙げることができる。シアン（Ｃ）系染料と
しては、カヤセットブルー７１４、セレスブルーＧＮ、
ＭＳブルー５０等を挙げることができる。

【００２１】なお、昇華転写層２中の染料と樹脂バイン
ダーとの比率は、使用する染料や樹脂バインダーの種類
などにより異なるが、通常１００／５０〜１００／３０
０とすることが好ましい。

【００２２】なお、昇華転写層２の層厚は、一般に０．
１〜５μｍの厚さとする。

【００２３】本発明において、耐熱性基材１としては、
サーマルヘッドの加熱加圧に少なくとも耐える耐熱性と
強度とを有する材料を使用する。例えば、約１〜５０μ
ｍ厚のポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、
セロファン、アラミドフィルム、各種加工紙等を挙げら
れる。中でも、約２．５〜１０μｍ厚のポリエステルフ
ィルムを使用することが好ましい。

【００２４】なお、耐熱性基材１としては、上述する昇
華転写層２との接着性を向上させるために、予め易接着
処理を施したものや、表面にウレタン樹脂などのアンカ
ーコート層が形成されたものを使用することもできる。

【００２５】本発明の昇華熱転写インクリボンで、熱溶
融転写による文字等の二値画像を形成する場合には、図
２に示すように、着色顔料が熱溶融移行性樹脂バインダ
ー中に分散されてなる熱溶融転写層３を、昇華転写層２
と並列的に基材１上に形成する。

【００２６】このような熱溶融転写層３としては、公知
の熱溶融転写インクリボンのインク層と同様の材料から
構成することができる。

【００２７】例えば、着色顔料としては、酸化チタン、
炭酸カルシウム、フタロシアニンブルー、カーボンブラ
ック、ベンガラ、オイルレッド、アルミニウム粉末、磁
性粉末等を挙げることができる。ここで、着色顔料の熱
溶融転写層３中の含有量は、通常１０〜５０重量％とす
る。

【００２８】また、熱溶融移行性樹脂バインダーとして
は、そのＴｇが低過ぎると昇華熱転写インクリボンの保
存性が低下し、また、転写画像の強度や薬品等に対する
耐性が低下する。更に、インクリボンの表面強度が低い
ために、転写時に擦れによる画像汚れが発生しやすくな
る。逆に高過ぎると可撓性が低下し、また、高い印字エ
ネルギーを必要とするようになる。従って、好ましくは
Ｔｇが５０〜１２０℃の樹脂を使用する。具体的には、
このような熱溶融移行性樹脂バインダーとして、ポリエ
ステル樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂
等を挙げることができる。

【００２９】なお、熱溶融転写画像の耐摩耗性や印字時
の切れを向上させるために、熱溶融転写層３に、ワック
ス、ポリエチレンフィラー、テフロンフィラー、ステア
リン酸亜鉛等を添加してもよい。

【００３０】また、熱溶融転写層３の厚みは、通常０．
３〜５μｍとする。

【００３１】本発明の昇華熱転写インクリボンには、サ
ーマルヘッド等による印画時に、サーマルヘッド等が耐
熱性基材１に貼着して昇華熱転写インクリボンのスムー
ズな走行性を妨害するのを防止するために、図２に示す
ように、耐熱性基材１の昇華転写層２の反対面にバック
コート層４を設けることが好ましい。このようなバック
コート層４に用いられる材料としては、ニトロセルロー
ス、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂等に
シリコーンオイルを含有させたもの、あるいは、それら
のシリコーン変性体等が挙げられる。また、熱溶融転写
層３の耐熱性を向上させるために、イソシアネート化合
物などの架橋剤を含有させてもよい。

【００３２】なお、バックコート層４の厚みは、通常
０．１〜２μｍとする。

【００３３】本発明の昇華熱転写インクリボンは常法に
より製造することができる。例えば図１のインクリボン
は、まず、昇華性染料又は熱拡散性染料と離型剤として
のシリコーン変性樹脂と樹脂バインダーとを適当な溶媒
に均一に分散又は溶解させて昇華転写層形成用組成物を
調製する。また、着色顔料と熱溶融移行性樹脂バインダ
ーとを適当な溶媒に均一に分散又は溶解して熱溶融転写
層形成用組成物を調製する。そして、これらの組成物を
基材の長手方向に交互に塗布し乾燥することにより製造
することができる。

【００３４】本発明の昇華熱転写インクリボンを使用し
て、硬質ポリ塩化ビニルからなるカードに熱転写を行う
例を以下に説明する。

【００３５】即ち、図３に示すように、サーマルヘッド
５によりカード６の表面に昇華熱転写インクリボンのイ
エローインク層２ｙを押圧し、その状態で階調画像信号
に従いサーマルヘッド５の発熱体を発熱させ、イエロー
インク層２ｙ中に含有されている染料をカード６に移行
させる。同じ操作をマゼンタインク層２ｍ及びシアンイ
ンク層２ｃに対しても行うことによりカードにフルカラ
ー画像を形成する。次に、サーマルヘッド５によりカー
ド６表面に昇華熱転写インクリボンの溶融転写層３を押
圧し、二値画像信号に従いサーマルヘッド５の発熱体を
発熱させ、熱溶融転写層をカード６に移行させる。これ
により、一つのインクリボンを使用して階調画像及び二
値画像の両方をカード表面に形成することができる。

【００３６】

【作用】本発明の昇華熱転写インクリボンにおいては、
昇華転写層に離型剤としてシリコーン変性樹脂が含有さ
れている。このため、硬質ポリ塩化ビニルからなるカー
ド類のように、離型剤を使用しない被転写材に対して熱
転写を行った場合でも、被転写材と融着しないようにす
ることが可能となる。

【００３７】また、昇華熱転写インクリボンに熱溶融転
写層を更に設けることにより、文字やバーコード等の二
値画像を保存安定性高く形成することが可能となる。

【００３８】

【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。

【００３９】実施例１５．４μｍ厚の易接着処理を施したポリエステルフィル
ム基材上に、表１に示す組成のＹ、Ｍ、Ｃの昇華転写層
形成用インキを、フィルム基材の長手方向に、乾燥厚で
１μｍとなるように、それぞれ交互に塗布し乾燥させて
昇華転写層を形成することにより昇華熱転写インクリボ
ンを得た。

【００４０】つぎに、この昇華熱転写インクリボンのポ
リエステルフィルム基材の裏面に、シリコーン樹脂から
なるバックコート層を乾燥膜厚が１μｍとなるように形
成した。

【００４１】

【表１】成分使用量（重量部）（Ｙインキ）カヤセットイエロー AG（日本化薬社製）５ホ゜リヒ゛ニルフ゛チラール樹脂（エスレックBX-1、積水化学工業社製）５シリコーン変性ホ゜リエステル樹脂（X24-8301、信越化学工業社製）０．０５メチルエチルケトン４５トルエン４５（Ｍインキ）カヤセットレット゛ B（日本化薬社製）５ホ゜リヒ゛ニルフ゛チラール樹脂（エスレックBX-1、積水化学工業社製５シリコーン変性ホ゜リエステル樹脂（X24-8301、信越化学工業社製）０．０５メチルエチルケトン４５トルエン４５（Ｃインキ）カヤセットフ゛ルー 714（日本化薬社製）５ホ゜リヒ゛ニルフ゛チラール樹脂（エスレックBX-1、積水化学工業社製）５シリコーン変性ホ゜リエステル樹脂（X24-8301、信越化学工業社製）０．０５メチルエチルケトン４５トルエン４５

【００４２】得られた昇華熱転写インクリボンとサーマ
ルヘッドとを用いて、硬質塩化ビニルからなるカード
（０．７６ｍｍ厚）に昇華転写により階調画像を形成し
たところ、印字時の熱による融着は見られず、良好な画
像が形成された。また、この昇華熱転写インクリボンを
５０℃に保存しておいたが、ブロッキングの発生も見ら
れず、保存性は良好であった。

【００４３】実施例２５．４μｍ厚の易接着処理を施したポリエステルフィル
ム基材上に、表２に示す組成のＹ、Ｍ、Ｃの昇華転写層
形成用インキ及び熱溶融転写層形成用インキを、フィル
ム基材の長手方向に、昇華熱転写層については乾燥厚で
１μｍとなるように、そして熱溶融転写層については乾
燥厚で１．５μｍとなるように、それぞれ交互に塗布し
乾燥させて昇華転写層及び熱溶融転写層を形成すること
により昇華熱転写インクリボンを得た。

【００４４】つぎに、この昇華熱転写インクリボンのポ
リエステルフィルム基材の裏面に、シリコーン樹脂から
なるバックコート層を乾燥膜厚が１μｍとなるように形
成した。

【００４５】

【表２】成分使用量（重量部）（Ｙインキ）カヤセットイエロー AG（日本化薬社製）５ホ゜リヒ゛ニルフ゛チラール樹脂（エスレックBX-1、積水化学工業社製）５シリコーン変性アクリル樹脂（サイマックUS270、東亜合成社製）１メチルエチルケトン４５トルエン４５（Ｍインキ）カヤセットレット゛ B（日本化薬社製）５ホ゜リヒ゛ニルフ゛チラール樹脂（エスレックBX-1、積水化学工業社製）５シリコーン変性アクリル樹脂（サイマックUS270、東亜合成社製）１メチルエチルケトン４５トルエン４５（Ｃインキ）カヤセットフ゛ルー 714（日本化薬社製）５ホ゜リヒ゛ニルフ゛チラール樹脂（エスレックBX-1、積水化学工業社製）５シリコーン変性アクリル樹脂（サイマックUS270、東亜合成社製）１メチルエチルケトン４５トルエン４５（熱溶融転写層形成用インキ）カーボンブラック１０アクリル樹脂（ダイヤナールＢＲ６０、三菱レーヨン社製）２０メチルエチルケトン３５トルエン３５

【００４６】得られた昇華熱転写インクリボンとサーマ
ルヘッドとを用いて硬質塩化ビニルからなるカード
（０．７６ｍｍ厚）に昇華転写によリ階調画像と熱溶融
転写による２値画像を形成したところ、印字時の熱によ
る融着は見られず、良好な画像が形成された。また、こ
の昇華熱転写インクリボンを５０℃に保存しておいた
が、ブロッキングの発生も見られず、保存性は良好であ
った。

【００４７】比較例１シリコーン変性ポリエステル樹脂を使用しない以外は、
実施例１と全く同様にして昇華熱転写インクリボンを作
製した。

【００４８】得られた昇華熱転写インクリボンとサーマ
ルヘッドとを用いて、硬質塩化ビニルからなるカード
（０．７６ｍｍ厚）に昇華転写による階調画像を形成さ
せようとしたところ、高エネルギー印字時に昇華熱転写
インクリボンとカードとの融着が発生し、印字不良とな
った。

【００４９】比較例２シリコーン変性ポリエステル樹脂に代えてシリコーンオ
イル（ＫＦ９６、信越化学工業社製）を使用する以外
は、実施例１と同様に昇華熱転写インクリボンを作製し
た。

【００５０】得られた昇華熱転写インクリボンとサーマ
ルヘッドとを用いて、硬質塩化ビニルからなるカード
（０．７６ｍｍ厚）に昇華転写による階調画像を形成さ
せようとしたところ、インクリボンとカードとの融着は
防止することができたが、この昇華熱転写インクリボン
を５０℃に２週間保存しておいたところ、ブロッキング
が発生してしまった。更に、保存後のインクリボンを用
いて再び印字を行ったところ、昇華熱転写インクリボン
の表面強度の低下が観察され、未印字部分に擦れ汚れが
発生してしまった。

【００５１】

【発明の効果】本発明の昇華熱転写インクリボンは、保
存時にブロッキングを生じずに優れた保存性を示し、し
かも硬質ポリ塩化ビニルからなるカード類のように、離
型剤を使用しない被転写材に対しても融着することなく
熱転写を行うことができる。

【００５２】また、熱溶融転写層を昇華転写層と並列的
に基材上に設けた昇華熱転写インクリボンは、昇華熱転
写により階調画像に加えて、熱溶融転写による文字等の
二値画像を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の昇華熱転写インクリボンの断面図であ
る。

【図２】本発明の昇華熱転写インクリボンの断面図であ
る。

【図３】本発明の昇華熱転写インクリボンにより被転写
材に画像形成する場合の説明図である。

【符号の説明】

１耐熱性基材２昇華転写層２ｙイエローインク層２ｍマゼンタインク層２ｃシアンインク層３熱溶融転写層４バックコート層５サーマルヘッド６カード

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】昇華性染料又は熱拡散性染料が樹脂バイ
ンダー中に分散されてなる昇華転写層が耐熱性基材上に
設けられている昇華熱転写インクリボンにおいて、昇華
転写層に離型剤としてシリコーン変性樹脂が含有され、
そのシリコーン変性樹脂の主鎖を構成する樹脂として、
昇華転写層の樹脂バインダーに対して相溶性の高いもの
が使用されている昇華熱転写インクリボン。
【請求項２】シリコーン変性樹脂の主鎖を構成する樹
脂が、アクリル系樹脂又はポリエステル系樹脂である請
求項１記載の昇華熱転写インクリボン。
【請求項３】昇華転写層中の離型剤の含有量が、０．
１〜１０重量％である請求項１又は２に記載の昇華熱転
写インクリボン。
【請求項４】更に、着色顔料が熱溶融移行性樹脂バイ
ンダー中に分散されてなる熱溶融転写層が、昇華転写層
と並列的に基材上に設けられている請求項１〜３のいず
れかに記載の昇華熱転写インクリボン。
【請求項５】熱溶融移行性樹脂バインダーのガラス転
移点が５０〜１２０℃である請求項４記載の昇華熱転写
インクリボン。
【請求項６】硬質ポリ塩化ビニルからなる被記録媒体
に対して熱転写記録を行うための請求項１〜５のいずれ
かに記載の昇華熱転写インクリボン。