JPH0999656A

JPH0999656A - 熱転写リボン

Info

Publication number: JPH0999656A
Application number: JP7260010A
Authority: JP
Inventors: Tatsuya Morimitsu; 達也守満; Hirotaka Aizawa; 弘貴相沢
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1995-10-06
Filing date: 1995-10-06
Publication date: 1997-04-15

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は、塩ビカード等の硬質ポリ塩化ビニル
表面への転写を目的とした熱転写リボンに関し、昇華転
写性と熱溶融転写性の両方に優れた熱転写リボンを提供
することにある。【解決手段】耐熱性基材上に、熱溶融転写層と、昇華又
は熱溶融移行性染料を含む複数色の昇華転写層とが、リ
ボンの長手方向に交互に設けられている熱転写リボンに
おいて、昇華転写層の部分の構成が、上記耐熱性基材よ
り易接着処理層、昇華転写層の順に設けられ、また、熱
溶融転写層の部分の構成が、上記耐熱性基材より易接着
処理層、離型層、熱溶融転写層の順に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は熱転写リボンに関
し、更に詳しくは塩ビカード等の硬質ポリ塩化ビニル表
面に対する階調画像、２値画像の形成に適する熱転写リ
ボンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、昇華型熱転写方式で使用する熱転
写リボンは、耐熱性基材上に昇華又は熱溶融移行性染料
とバインダー樹脂とからなる昇華転写層を形成したもの
が一般的である。この様な熱転写リボンの昇華転写層面
をポリエステル樹脂、塩ビ系樹脂等からなる受像層を有
する被転写材に重ね、熱転写リボンの背面からサーマル
ヘッドにより加熱することで、昇華転写層中の染料が被
転写材上の受像層中に移行して画像が形成される。

【０００３】近年、ＩＤカード等に代表されるように、
塩ビカード等の硬質ポリ塩化ビニル表面へ画像を形成さ
せる用途が拡大し、画像形成の簡便さ等の理由から昇華
転写方式が用いられることが多くなっている。この場
合、顔写真等の情報は、昇華転写方式でカード表面に階
調画像として形成されるが、名前、住所、バーコード等
の個人情報は、画像形成後の機械読み取り等の点で熱溶
融転写方式での形成が望ましい。このように、カードに
対して昇華転写方式と熱溶融転写方式の両者の方式で画
像を形成する場合、２種類のリボンに分かれているとサ
ーマルヘッドユニットが２つ必要となり、プリンタサイ
ズが大きくなってしまうという問題が生じる。そのた
め、昇華転写層と熱溶融転写層が１本のリボン上に交互
に設けられていることが望ましい。この昇華転写層を耐
熱性基材上に設ける場合、昇華転写層と耐熱性基材との
接着性が不十分であると、カード基材表面に昇華転写し
た場合、昇華転写層中の染料のみが移行せずに昇華転写
層中のバインダー樹脂も移行してしまい、階調画像が得
られないという問題が生じる。そこで、耐熱性基材上に
易接着処理層を設け、上記問題点を解決するのが一般的
である。その場合、易接着処理層は、耐熱性基材を成膜
する際に同時に設けるのが一般的である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場
合、本来易接着処理層を必要とする昇華転写層部分だけ
でなく、熱溶融転写層部分にも易接着処理層が設けられ
てしまい、熱溶融転写層が全く転写しない、あるいは転
写し難くなるといった問題が生じる。

【０００５】そこで本発明は、以上のような事情に鑑み
なされたものであり、塩ビカード等の硬質ポリ塩化ビニ
ル表面への転写を目的とした熱転写リボンに関し、昇華
転写性と熱溶融転写性の両方に優れた熱転写リボンを提
供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項１に記載の発明は、耐熱性基材上に、熱溶融
転写層と、昇華又は熱溶融移行性染料を含むＹ，Ｍ，Ｃ
インキによる昇華転写層とを、リボンの長手方向に交互
に設けた熱転写リボンにおいて、昇華転写層の部分の構
成が、上記耐熱性基材より易接着処理層、昇華転写層の
順に設けられ、また、熱溶融転写層の部分の構成が、上
記耐熱性基材より易接着処理層、離型層、熱溶融転写層
の順に設けられていることを特徴とする熱転写リボンで
ある。

【０００７】また、請求項２に記載の発明は、前記熱溶
融転写層部分の離型層が、ニトロセルロースからなるこ
とを特徴とするものである。

【０００８】さらに、前記熱溶融転写層のバインダー樹
脂が、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーを主成分とす
ることを特徴とする熱転写リボンである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を説
明する。図１は本発明に係わる熱転写リボンの断面図で
ある。昇華転写層部分の構成は、耐熱性基材（１）より
易接着処理層（２）、昇華転写層（３）、その反対側
に、バックコート層（６）、また、熱溶融転写層部分の
構成は、耐熱性基材（１）より易接着処理層（２）、離
型層（４）、熱溶融転写層（５）と、その耐熱性基材
（１）の反対側にバックコート層（６）を設けて、熱転
写リボン（７）を形成する。易接着処理層（２）とバッ
クコート層（６）は、昇華転写層（３）部分と熱溶融転
写層（５）部分とで同一種であり、連続層である。

【００１０】本発明に係わる耐熱性基材（１）として
は、ある程度の耐熱性と強度を有するものであり、公知
のものとして、例えば、１〜５０μｍ程度のポリエステ
ルフィルム、ポリスチレンフィルム、セロファン等が挙
げられる。特に好ましいものとしては、２．５〜１２μ
ｍ程度のポリエステルフィルムである。

【００１１】易接着処理層（２）は、上記耐熱性基材
（１）上に形成される。この易接着処理層（２）は、昇
華転写層（３）と耐熱性基材（１）との接着性を向上さ
せるためのものであり、耐熱性基材の成膜時に連続層と
して形成される。よって、本発明の場合、接着性を向上
させるため設けられた易接着処理層（２）から熱溶融転
写層（５）を剥離させるのがポイントとなる。また、易
接着処理層（２）としては、アクリル・ポリエステル混
合物が良好であり、形成される厚みは１μｍ以下であ
る。

【００１２】昇華転写層（３）は、上記易接着処理層
（２）上に形成される。この昇華転写層（３）は、染料
を任意のバインダー樹脂で担持させた層である。使用さ
れる染料としては、従来公知の熱転写リボンに使用され
ている染料を用いることができる。この様な染料として
は、イエロー（Ｙと記す）としては、カヤセットイエロ
ーＡＧ、カヤセットイエローＴＤＮ、ＰＹＴ５２、プラ
ストイエロー８０４０、ホロンブリリアントイエローＳ
６ＧＬＰＩ等が例示できる。マゼンタ（Ｍと記す）とし
ては、カヤセットレッドＢ、カヤセットレッド１３０、
セレスレッド７Ｂ、マクロレックスレッドバイオレット
Ｒ等を挙げることができる。シアン（Ｃと記す）として
は、カヤセットブルー７１４、セレスブルーＧＮ、ＭＳ
ブルー５０等が例示できる。上記染料を担持するバイン
ダー樹脂としては、従来公知のものが使用でき、好まし
いものを例示すると、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ
樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合樹脂、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の耐熱性、
染料移行性等に優れた樹脂が使用できる。このバインダ
ー樹脂のＴｇ（ガラス転移温度）としては、５０℃以上
が望ましく、Ｔｇが５０℃以下であると、昇華転写時に
昇華転写層（３）が被転写材である硬質ポリ塩化ビニル
表面に融着しやすくなったり、熱転写リボンの保存性に
問題が生じたりするため好ましくない。さらに、昇華転
写層（３）中の染料とバインダー樹脂の比率は、１０
０：５０〜１００：３００が望ましい。

【００１３】また、塩ビカード等の硬質ポリ塩化ビニル
表面に昇華転写する場合、昇華転写層（３）と硬質ポリ
塩化ビニル表面との熱時の融着を防止するために、昇華
転写層（３）中に離型剤を添加することが望ましい。添
加する離型剤としては、シリコン系のものが好ましく、
シリコンオイル、シリコン樹脂を用いることができ、よ
り好ましくは、主鎖にシリコンを変性したシリコン変性
樹脂が望ましい。このようなシリコン変性樹脂を離型剤
として昇華転写用インキに添加し成膜すると、シリコン
変性樹脂の離型成分であるシリコン部分が、昇華転写用
インキとの相溶性が低さから、表面にブリードする。ま
た、主鎖は昇華転写用インキと相溶性が高いため、一体
化されている。この結果、昇華転写層（３）の表面には
離型成分であるシリコン部分がリッチとなり、熱時の良
好な離型性を有することが可能となる。また、このシリ
コン部分は主鎖と結合しているため、この主鎖と昇華転
写用インキとの相溶性によりシリコン部分が昇華転写層
（３）から離脱することが無く、保存性にも優れてい
る。このような離型剤に用いられる主鎖としては、アク
リル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられるが、昇
華転写インキ中のバインダー樹脂との相溶性の点から、
アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が望ましい。

【００１４】この離型剤の添加量は、昇華転写用インキ
の固形分に対して０．１％〜１０％程度が望ましい。離
型剤の添加量が０．１％を下回ると、熱時の融着防止の
効果が乏しく、また１０％以上であると、昇華転写層
（３）の皮膜強度が低下したり、昇華転写用インキ中の
バインダー樹脂が離型剤の主鎖を担持しきれなくなるた
め、熱転写リボンの保存性等に問題が生じるため好まし
くない。また、昇華転写層（３）は、易接着処理層
（２）上に、上記構成の昇華転写用インキを適当な有機
溶剤、水に溶解又は分散させたものを０．１〜５μｍの
厚さに塗布、乾燥し形成される。

【００１５】熱溶融転写層（５）は、上記易接着処理層
（２）上に、離型層（４）を介して設けられる。熱溶融
転写層（５）と、昇華又は熱溶融移行性染料を含むＹ，
Ｍ，Ｃインキによる昇華転写層（３）とを、リボンの長
手方向に交互に設けることで、画像形成と同時にモノク
ロの文字、バーコード等の印字が可能となる。

【００１６】離型層（４）は、易接着処理層（２）上に
設けられるが、このような離型層（４）としては、耐熱
性、後述する熱溶融転写層（５）の剥離性の点でニトロ
セルロースが好ましい。さらに、熱溶融転写層（５）と
の剥離性を向上させる目的で、前記離型層中にシリコン
オイル、シリコン樹脂、フィラー等を添加することも良
い。この離型層（４）は、前記昇華転写層（３）が塗布
されている側に、昇華転写層（３）とリボンの長手方向
に交互になるように塗布するが、その塗布厚は、０．１
〜３μｍが好ましい。離型層（４）を設ける方法として
は、上記構成の離型層用インキを適当な有機溶剤、水に
溶解又は分散させたものを塗布、乾燥し、得ることが可
能となる。

【００１７】熱溶融転写層（５）は、離型層（４）上に
設けられるが、このような熱溶融転写層（５）として
は、熱溶融転写層のバインダー樹脂が塩化ビニル・酢酸
ビニルコポリマーを主成分とすることが離型層（４）と
の剥離性、塩ビカード等の硬質ポリ塩化ビニルとの接着
性の点から好ましい。この塩化ビニル・酢酸ビニルコポ
リマーは、サーマルヘッドの熱により硬質ポリ塩化ビニ
ル表面に接着させるため、Ｔｇが５０〜１２０℃である
ことが望ましい。Ｔｇが５０℃以下の場合、熱転写リボ
ンの保存性が悪くなる他、印字後の画像の強度、耐性が
弱く、画像汚れが発生しやすくなる。また、１２０℃以
上であると通常の印字条件では印字することができず、
印字するためにはサーマルヘッド等の負荷が大きくなり
好ましくない。また、熱溶融転写層（５）中に塩化ビニ
ル・酢酸ビニルコポリマーと併用できる樹脂としては特
に制限はないが、一例としては、ポリエステル樹脂、ビ
ニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げること
ができる。また、転写後の機能に応じ、熱溶融転写層
（５）中に、酸化チタン、炭酸カルシウム、フタロシア
ニンブルー、カーボンブラック、ベンガラ、オイルレッ
ド、アルミニウム粉末、磁性粉末等を適宜添加すること
ができる。添加量としては、１〜５０％が望ましい。ま
た、転写画像の耐摩耗性、印字時の切れを向上させるた
めに、ワックス、ポリエチレンフィラー、テフロンフィ
ラー、ステアリン酸亜鉛等を添加しても良い。この熱溶
融転写層（５）は、前記離型層（４）上に塗布される
が、その塗布厚は、０．３〜５μｍが好ましい。着色熱
溶融転写層を設ける方法としては、上記構成の熱溶融転
写用インキを適当な有機溶剤、水に溶解又は分散させた
ものを塗布、乾燥し、得ることが可能となる。

【００１８】また、熱転写リボンのサーマルヘッド等に
よる印画時に、サーマルヘッド等が耐熱性基材（１）に
付着して熱転写リボンのスムーズな走行性を妨害するの
を防ぐために、耐熱性基材（１）の昇華転写層（３）や
熱溶融転写層（５）の塗布していない側に、バックコー
ト層（６）を設けることが望ましい。このようなバック
コート層（６）に用いられる材料としては、ニトロセル
ロース、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂
等にシリコンオイルを含有させたもの、または、シリコ
ン変性したもの等が挙げられる。また、耐熱性を向上さ
せる目的で、架橋剤を併用しても良い。このバックコー
ト層（６）を設ける際の塗布厚は、０．１〜４μｍ程度
が好ましい。このようにして得られた熱転写リボンを用
いて、被転写材である塩ビカード等の硬質ポリ塩化ビニ
ル表面に画像、文字等を形成する。

【００１９】転写方法の一例を以下に示す。図２に示す
ように、サーマルヘッド（１１）によりカード（１２）
表面に熱転写リボン（７）のＹ部分（３Ｙ）を押圧し、
階調画像信号に従いサーマルヘッド（１１）の発熱体を
発熱させ、Ｙ部分（３Ｙ）の染料を塩ビカード（１２）
上に転写させる。次に、熱転写リボン（７）のＭ部分
（３Ｍ）を塩ビカード（１２）表面に押圧し、１色目と
同様に転写させる。以下同様にＣ部分（３Ｃ）を転写さ
せ、フルカラー画像を形成させる。その後、熱溶融転写
層部分（５）を塩ビカード（１２）表面に押圧し、２値
画像信号に従いサーマルヘッド（１１）の発熱体を発熱
させ、熱溶融転写層部分（５）を塩ビカード（１２）上
に転写させる。このようにして、一工程にて階調画像、
２値画像の両方を形成させることが可能となる。

【００２０】

【作用】本発明の熱転写リボンは、耐熱性基材上に、熱
溶融転写層と、昇華又は熱溶融移行性染料を含むＹ，
Ｍ，Ｃインキによる昇華転写層とを、リボンの長手方向
に交互に設けた熱転写リボンで、この昇華転写層の部分
の構成が、上記耐熱性基材より易接着処理層、昇華転写
層の順に設けられ、また、熱溶融転写層の部分の構成
が、上記耐熱性基材より易接着処理層、離型層、熱溶融
転写層の順に設けらていることにより、転写させる場合
に、一工程にて階調画像、２値画像の両方を形成させる
ことができる。

【００２１】

【実施例】以下、具体的実施例を説明する。

【００２２】＜実施例１＞厚さ５．４μｍの易接着処理
を施したポリエステルフィルムの易接着処理表面上に、
以下に示す組成のＹ、Ｍ、Ｃの昇華転写用インキと離型
層インキをフィルムの長手方向にそれぞれ交互になるよ
うに塗布、乾燥させた後、熱溶融転写用インキをすでに
形成されている離型層上に塗布、乾燥させた。塗布厚
は、乾燥膜厚で、Ｙ、Ｍ、Ｃのインキ層が１μｍであ
り、離型層は０．５μｍ、熱溶融転写層は２μｍであっ
た。次に、ポリエステルフィルムの反対の側に、シリコ
ン樹脂からなるバックコート層を乾燥膜厚が１μｍとな
るように設け、熱転写リボンを得た。得られた熱転写リ
ボンを、サーマルヘッドを用いて、塩ビカードに昇華転
写による階調画像を形成させたところ、昇華転写による
階調画像、熱溶融転写による２値画像とも良好な画像が
形成された。下記に各インキ組成を示す。Ｙインキ組成カヤセットイエローＡＧ（日本化薬（株）製）５重量部ポリビニルブチラール樹脂（積水化学（株）製、エスレックＢＸ−１）５重量部シリコン変性ポリエステル樹脂（信越化学（株）製、Ｘ２４−８３０１）０．０５重量部メチルエチルケトン４５重量部トルエン４５重量部Ｍインキ組成カヤセットレッドＢ（日本化薬（株）製）５重量部ポリビニルブチラール樹脂（積水化学（株）製、エスレックＢＸ−１）５重量部シリコン変性ポリエステル樹脂（信越化学（株）製Ｘ２４−８３０１）０．０５重量部メチルエチルケトン４５重量部トルエン４５重量部Ｃインキ組成カヤセットブルー７１４（日本化薬（株）製）５重量部ポリビニルブチラール樹脂（積水化学（株）製エスレックＢＸ−１）５重量部シリコン変性ポリエステル樹脂（信越化学（株）製Ｘ２４−８３０１）０．０５重量部メチルエチルケトン４５重量部トルエン４５重量部離型層用インキ組成ニトロセルロース（旭化成（株）製ＨＩＧ１／２）２０重量部メチルエチルケトン８０重量部熱溶融転写用インキ組成カーボンブラック５重量部塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂（ユニオンカーバイド製ＶＹＨＨ）１５重量部メチルエチルケトン４０重量部トルエン４０重量部

【００２３】＜実施例２＞厚さ５．４μｍの易接着処理
を施したポリエステルフィルムの易接着処理表面上に、
以下に示す組成のＹ、Ｍ、Ｃの昇華転写用インキと離型
層インキをフィルムの長手方向にそれぞれ交互になるよ
うに塗布、乾燥させた後、熱溶融転写用インキをすでに
形成されている離型層上に塗布、乾燥させた。塗布厚
は、乾燥膜厚で、Ｙ、Ｍ、Ｃのインキ層が１μｍであ
り、離型層は０．５μｍ、熱溶融転写層は２μｍであっ
た。次に、ポリエステルフィルムの反対の側に、シリコ
ン樹脂からなるバックコート層を乾燥膜厚が１μｍとな
るように設け、熱転写リボンを得た。得られた熱転写リ
ボンを、サーマルヘッドを用いて、塩ビカードに昇華転
写による階調画像を形成させたところ、昇華転写による
階調画像、熱溶融転写による２値画像とも良好な画像が
形成された。下記に各インキ組成を示す。Ｙインキ組成カヤセットイエローＡＧ（日本化薬（株）製）５重量部ポリビニルブチラール樹脂（積水化学（株）製エスレックＢＸ−１）５重量部シリコン変性ポリエステル樹脂（信越化学（株）製Ｘ２４−８３０１）０．０５重量部メチルエチルケトン４５重量部トルエン４５重量部Ｍインキ組成カヤセットレッドＢ（日本化薬（株）製）５重量部ポリビニルブチラール樹脂（積水化学（株）製エスレックＢＸ−１）５重量部シリコン変性ポリエステル樹脂（信越化学（株）製Ｘ２４−８３０１）０．０５重量部メチルエチルケトン４５重量部トルエン４５重量部Ｃインキ組成カヤセットブルー７１４（日本化薬（株）製）５重量部ポリビニルブチラール樹脂（積水化学（株）製エスレックＢＸ−１）５重量部シリコン変性ポリエステル樹脂（信越化学（株）製Ｘ２４−８３０１）０．０５重量部メチルエチルケトン４５重量部トルエン４５重量部離型層用インキ組成ニトロセルロース（旭化成（株）製ＨＩＧ１／２）２０重量部シリコンオイル０．２重量部メチルエチルケトン８０重量部熱溶融転写用インキ組成カーボンブラック５重量部塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂（ユニオンカーバイド製ＶＹＨＨ）１５重量部アクリル樹脂（三菱レーヨン（株）製ダイヤナールＢＲ−１１３）５重量部メチルエチルケトン４０重量部トルエン３５重量部

【００２４】＜比較例１＞実施例１において、離型層を
設けない以外は、実施例１と全く同様にして熱転写リボ
ンを作成した。得られた熱転写リボンを、サーマルヘッ
ドを用いて、塩ビカードに印字したところ熱溶融転写イ
ンキが耐熱性基材上より剥がれず、リボンが破れてしま
い、印字不良となった。

【００２５】

【発明の効果】本発明は以上の構成により、塩ビカード
等のポリ塩化ビニル表面への画像形成において、易接着
処理層と熱溶融転写層との間に離型層を設けることで、
階調画像及び階調画像と２値画像の形成に適する熱転写
リボンを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の熱転写リボンの積層構成の一例を示す
断面で表した説明図である。

【図２】上記熱転写リボンを用いて、プラスチックカー
ドに転写する一例を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ……耐熱性基材２ ……易接着処理層３ ……昇華転写層３Ｙ …Ｙ昇華転写層３Ｍ …Ｍ昇華転写層３Ｃ …Ｃ昇華転写層４ ……離型層５ ……熱溶融転写層６ ……バックコート層７ ……熱転写リボン１１ …サーマルヘッド１２ …塩ビカード

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】耐熱性基材上に、熱溶融転写層と、昇華又
は熱溶融移行性染料を含むＹ，Ｍ，Ｃインキの昇華転写
層とを、リボンの長手方向に交互に設けた熱転写リボン
において、前記昇華転写層の部分の構成が、上記耐熱性
基材より易接着処理層、昇華転写層の順に設けられ、前
記熱溶融転写層の部分の構成が、上記耐熱性基材より易
接着処理層、離型層、熱溶融転写層の順に設けられてい
ることを特徴とする熱転写リボン。
【請求項２】前記熱溶融転写層部分の離型層が、ニトロ
セルロースからなることを特徴とする請求項１に記載の
熱転写リボン。
【請求項３】前記熱溶融転写層のバインダー樹脂が、塩
化ビニル・酢酸ビニルコポリマーを主成分とすることを
特徴とする請求項１及び請求項２に記載の熱転写リボ
ン。