JP2014136390A - 感熱転写媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱感度を適度に抑制して、フィルム系の被印字体に印字した際に尾引きや掠れ等の問題を生じることがなく印字の鮮明性に優れる上、貼り付きやブロッキングも生じにくい感熱転写媒体を提供する。
【解決手段】基材2上に、剥離層3を介して第一着色層6、および第二着色層7をこの順に積層するとともに、前記第一着色層6には、テルペン系、ロジン系、合成石油樹脂(C5)系からなる群より選ばれた少なくとも1種の粘着付与剤、エチレン酢酸ビニル樹脂、および着色剤を含有させるとともに、第二着色層7には、少なくともスチレン系樹脂を含む粘着付与剤、エチレン酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、および着色剤を含有させた感熱転写媒体1である。
【選択図】図1
【解決手段】基材2上に、剥離層3を介して第一着色層6、および第二着色層7をこの順に積層するとともに、前記第一着色層6には、テルペン系、ロジン系、合成石油樹脂(C5)系からなる群より選ばれた少なくとも1種の粘着付与剤、エチレン酢酸ビニル樹脂、および着色剤を含有させるとともに、第二着色層7には、少なくともスチレン系樹脂を含む粘着付与剤、エチレン酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、および着色剤を含有させた感熱転写媒体1である。
【選択図】図1
Description
本発明は、感熱転写媒体に関するものである。
いわゆる感熱方式のプリンタのインクリボンとして、樹脂のフィルム等からなる基材の片面に、加熱によって溶融または軟化する剥離層を介して着色層を積層した感熱転写媒体が広く用いられてきた。
しかし近年、前記感熱転写媒体を用いると、
例えば合成紙等のフィルム系の被印字体などの、普通紙以外の種々の被印字体にも印字をすることができる、
印字の耐水性を向上することができる、
任意の厚みを有する印字をすることができる、
等の利点があるため、その用途は、従来の、通常の紙等への印字には留まらず、様々な用途に拡がりつつある。
しかし近年、前記感熱転写媒体を用いると、
例えば合成紙等のフィルム系の被印字体などの、普通紙以外の種々の被印字体にも印字をすることができる、
印字の耐水性を向上することができる、
任意の厚みを有する印字をすることができる、
等の利点があるため、その用途は、従来の、通常の紙等への印字には留まらず、様々な用途に拡がりつつある。
感熱転写媒体を用いて印字をするためには、前記着色層を被印字体の表面に接触させた状態で、プリンタのサーマルヘッドを用いて、記録する文字等のパターンに合わせて、基材の背面側から感熱転写媒体を選択的に加熱する。そうすると、加熱された領域の剥離層、および着色層が選択的に溶融または軟化することで前記着色層が基材から離型されるとともに被印字体の表面に転写されて、前記被印字体の表面に、前記文字等のパターンが印字される。
かかる感熱転写媒体を用いて高速で印字をするためには、当該感熱転写媒体の熱感度を高めることが重要である。つまり印字速度が高くなるほど、感熱転写媒体がサーマルヘッドによって加熱される時間が短くなるため、前記熱感度が低い場合には、特に前記フィルム系の被印字体等の平滑な表面において、印字のうち、特に細線印字が掠れて切れてしまったり、網点印字のドットが掠れたり欠けを生じたりする、いわゆる掠れを生じやすくなる。
そのため熱感度を高めて、できるだけ短時間の加熱で剥離層を速やかに溶融または軟化させて着色層を離型、転写させることが求められる。
そこで、着色層を第一着色層と第二着色層の2層構造にして熱感度を向上することが検討されている。
すなわち着色層が1層である場合、所定の印字濃度を確保するためには、基材上に形成した剥離層上に、前記着色層のもとになる塗剤を厚塗りしなければならない。
そこで、着色層を第一着色層と第二着色層の2層構造にして熱感度を向上することが検討されている。
すなわち着色層が1層である場合、所定の印字濃度を確保するためには、基材上に形成した剥離層上に、前記着色層のもとになる塗剤を厚塗りしなければならない。
ところが塗剤を厚塗りすると、前記塗剤中に含まれる多量の溶剤によって剥離層が侵されて、剥離層としての機能が損なわれるおそれがある。そのため、剥離層としての機能を維持するべく前記剥離層をも厚塗りする必要が生じる。
しかし、剥離層の厚みが大きいほど感熱転写媒体の熱感度は低下する。熱感度を向上するためには、剥離層の厚みをできるだけ小さくして、サーマルヘッドからの熱が、基材の裏面側から最表面の着色層までできるだけ効率よく伝えられるようにする必要がある。
しかし、剥離層の厚みが大きいほど感熱転写媒体の熱感度は低下する。熱感度を向上するためには、剥離層の厚みをできるだけ小さくして、サーマルヘッドからの熱が、基材の裏面側から最表面の着色層までできるだけ効率よく伝えられるようにする必要がある。
これに対し、前記のように着色層を2層構造にすると、剥離層上に直接に塗布される第一着色層のもとになる塗剤の量を少なくできる。そのため、前記塗剤中に含まれる溶剤の量も少なくでき、結果的に、剥離層の厚みを小さくして感熱転写媒体の熱感度を向上できる。
例えば特許文献1には、基材上に、剥離層を介して、スチレン系樹脂等の、比較的溶融粘度の低い樹脂を含む第1熱転写層(第一着色層)、およびエチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)等の、前記第一着色層に含まれる樹脂よりも溶融粘度の高い樹脂を含む第2熱転写層(第二着色層)を、この順に積層した感熱転写媒体が記載されている。
例えば特許文献1には、基材上に、剥離層を介して、スチレン系樹脂等の、比較的溶融粘度の低い樹脂を含む第1熱転写層(第一着色層)、およびエチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)等の、前記第一着色層に含まれる樹脂よりも溶融粘度の高い樹脂を含む第2熱転写層(第二着色層)を、この順に積層した感熱転写媒体が記載されている。
しかし発明者の検討によると、前記特許文献1の感熱転写媒体は、普通紙の中でも表面の凹凸の大きいラフ紙に、ボイドのない印字をすることを狙ったものであり、逆に表面が平滑なフィルム系の被印字体に良好な印字をすることは考慮されていない。
しかも特許文献1の感熱転写媒体は熱感度が高すぎるため、例えば環境温度が高い高温時やベタ印字をした際に、特に前記フィルム系の被印字体等の表面において、印字の、サーマルヘッドに対する相対移動方向の後方に、尾を引くように着色層が転写されてしまういわゆる尾引きを生じて、印字の鮮明性が低下しやすいという問題がある。
しかも特許文献1の感熱転写媒体は熱感度が高すぎるため、例えば環境温度が高い高温時やベタ印字をした際に、特に前記フィルム系の被印字体等の表面において、印字の、サーマルヘッドに対する相対移動方向の後方に、尾を引くように着色層が転写されてしまういわゆる尾引きを生じて、印字の鮮明性が低下しやすいという問題がある。
また、特に高温高湿環境下で前記フィルム系の被印字体に感熱転写媒体が貼り付いてスムースに剥離されない、いわゆる貼り付きを生じやすいという問題もある。
さらに、長尺の感熱転写媒体を通常通りロール状に捲回して、例えば高温高湿環境下で保管した際に、巻き重ねた第二着色層が基材の背面側に接着して感熱転写媒体をロールから正常に繰り出せなくなる、いわゆるブロッキングを生じやすいという問題もある。
さらに、長尺の感熱転写媒体を通常通りロール状に捲回して、例えば高温高湿環境下で保管した際に、巻き重ねた第二着色層が基材の背面側に接着して感熱転写媒体をロールから正常に繰り出せなくなる、いわゆるブロッキングを生じやすいという問題もある。
特許文献2には、基材上に、熱溶融して低粘度液体となるように調製された第1の層と、熱により粘着性を示すが溶融して低粘度液体となることのないように調製された第2の層とを、この順に積層した感熱転写媒体が記載されている。
また特許文献2には、前記第2の層の上に、さらに必要に応じて、熱により粘着性を示すが溶融して低粘度液体となることのないように調製された接着層を設けること、前記第2の層、および/または接着層に、数平均分子量1000〜5000のスチレン樹脂を含有させることが記載されている。
また特許文献2には、前記第2の層の上に、さらに必要に応じて、熱により粘着性を示すが溶融して低粘度液体となることのないように調製された接着層を設けること、前記第2の層、および/または接着層に、数平均分子量1000〜5000のスチレン樹脂を含有させることが記載されている。
前記のうち第1の層は剥離層、第2の層は着色層に相当する。また特許文献2には、前記剥離層を着色してもよい旨の記載がある。
しかし、前記第2の層と接着層の両方を同時に着色することは、前記特許文献2には記載されていない。そのため特許文献2に記載の感熱転写媒体は、従来の、着色層が1層であるものに相当し、所定の印字濃度を確保するためには、基材上に形成した第1の層(剥離層)上に、前記第2の層のもとになる塗剤を厚塗りしなければならず、かかる厚塗りに伴う前述した種々の問題を生じる。
しかし、前記第2の層と接着層の両方を同時に着色することは、前記特許文献2には記載されていない。そのため特許文献2に記載の感熱転写媒体は、従来の、着色層が1層であるものに相当し、所定の印字濃度を確保するためには、基材上に形成した第1の層(剥離層)上に、前記第2の層のもとになる塗剤を厚塗りしなければならず、かかる厚塗りに伴う前述した種々の問題を生じる。
また発明者の検討によると、前記のように第2の層と接着層の両方にスチレン樹脂を含有させた場合には、感熱転写媒体の熱感度が低下する。そして前述したように、特にフィルム系の被印字体に転写した際に掠れを生じやすいという問題もある。
特許文献3には、基材上に、熱溶融性インキ層、および軟化点または融点が50〜180℃であるスチレン系樹脂等を含む樹脂接着層をこの順に積層した感熱転写媒体が記載されている。
特許文献3には、基材上に、熱溶融性インキ層、および軟化点または融点が50〜180℃であるスチレン系樹脂等を含む樹脂接着層をこの順に積層した感熱転写媒体が記載されている。
このうち熱溶融性インキ層は剥離層および着色層を兼ねた層に相当する。しかし特許文献3には、前記熱溶融性インキ層を剥離層と着色層に分けるとともに、樹脂接着層を着色して第二の着色層として機能させることについては一切記載されていない。
そして発明者の検討によると、前記特許文献3の感熱転写媒体は、特にフィルム系の被印字体に対する接着層の熱接着性が不十分であり、剥離しやすいという問題がある。
そして発明者の検討によると、前記特許文献3の感熱転写媒体は、特にフィルム系の被印字体に対する接着層の熱接着性が不十分であり、剥離しやすいという問題がある。
本発明の目的は、適度な熱感度を有し、特にフィルム系の被印字体に印字した際に尾引きや掠れ等の問題を生じることがなく印字の鮮明性に優れる上、貼り付きやブロッキングも生じにくい感熱転写媒体を提供することにある。
本発明は、基材上に、剥離層、第一着色層、および第二着色層をこの順に積層した感熱転写媒体であって、前記第一着色層は、テルペン系、ロジン系、合成石油樹脂(C5)系からなる群より選ばれた少なくとも1種の粘着付与剤、EVA、および着色剤を少なくとも含み、かつ前記第二着色層は、少なくともスチレン系樹脂を含む粘着付与剤、EVA、エポキシ樹脂、および着色剤を少なくとも含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、着色層を前記第一着色層と第二着色層の2層構造としたことにより剥離層の厚みを小さくできることと、前記両着色層の両方に、EVAと粘着付与剤とを含有させるとともに、前記第一着色層の粘着付与剤として、テルペン系、ロジン系、合成石油樹脂(C5)系からなる群より選ばれた少なくとも1種を選択的に用いることとによって、感熱転写媒体の熱感度、および感熱時の粘着力を向上して、特にフィルム系の被印字体であっても掠れが生じるのを防止することができる。
また第二着色層の粘着付与剤として、前記テルペン系、ロジン系、および合成石油樹脂(C5)系の粘着付与剤よりも熱感度の低いスチレン系樹脂を選択的に用いるとともに、熱感度は前記スチレン系樹脂と同程度で、なおかつ感熱時の粘着力がスチレン系樹脂よりも高いエポキシ樹脂を併用することによって、前記第二着色層の感熱時の粘着力が低下するのを防止しながら、その熱感度を、第一着色層より若干抑制する方向で微調整して、特に前記フィルム系の被印字体において尾引きが生じるのを防止することができる。
さらにエポキシ樹脂は極性が強く湿度の影響を受けやすいが、スチレン系樹脂は前記エポキシ樹脂ほど湿度の影響を受けづらいことから、前記両者を併用することによって、高温高湿環境下で貼り付きが生じたり、前記高温高湿環境下で保管した際にブロッキングが生じたりするのを防止することもできる。
また第一着色層と第二着色層の両方にEVAを含有させることで、前記両層の相溶性、親和性を向上することもできる。またEVAは印字のキレを向上するためにも機能することから、特に前記フィルム系の被印字体において尾引きが発生するのをより一層確実に防止することもできる。
また第一着色層と第二着色層の両方にEVAを含有させることで、前記両層の相溶性、親和性を向上することもできる。またEVAは印字のキレを向上するためにも機能することから、特に前記フィルム系の被印字体において尾引きが発生するのをより一層確実に防止することもできる。
なお、前記相溶性、親和性をさらに向上することを考慮すると、前記両着色層に含有させるEVAは同じものであるのが好ましい。
前記第二着色層におけるエポキシ樹脂の配合割合は、スチレン系樹脂1質量部あたり10質量部以上、26質量部以下であるのが好ましい。
前記範囲よりエポキシ樹脂が多く、スチレン系樹脂が少ない場合には、当該スチレン系樹脂による、第二着色層の熱感度を抑制する効果が不十分になって、特にフィルム系の被印字体において印字の尾引きを生じやすくなるおそれがある。また湿度の影響を受けやすくなって、高温高湿環境下で貼り付きが生じたり、前記高温高湿環境下で保管した際にブロッキングが生じたりしやすくなるおそれもある。
前記第二着色層におけるエポキシ樹脂の配合割合は、スチレン系樹脂1質量部あたり10質量部以上、26質量部以下であるのが好ましい。
前記範囲よりエポキシ樹脂が多く、スチレン系樹脂が少ない場合には、当該スチレン系樹脂による、第二着色層の熱感度を抑制する効果が不十分になって、特にフィルム系の被印字体において印字の尾引きを生じやすくなるおそれがある。また湿度の影響を受けやすくなって、高温高湿環境下で貼り付きが生じたり、前記高温高湿環境下で保管した際にブロッキングが生じたりしやすくなるおそれもある。
一方、前記範囲よりスチレン系樹脂が多く、エポキシ樹脂が少ない場合には、当該エポキシ樹脂による、感熱時の粘着力が低下するのを防止する効果が不十分になって、特にフィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれがある。
これに対し、エポキシ樹脂とスチレン系樹脂の配合割合を前記範囲内とすることで、当該両樹脂の機能をいずれも有効に発現させて、より一層適度な熱感度を有し、特にフィルム系の被印字体に印字した際に尾引きや掠れ等の問題を生じることがなく印字の鮮明性に優れる上、貼り付きやブロッキングも生じにくい感熱転写媒体を得ることができる。
これに対し、エポキシ樹脂とスチレン系樹脂の配合割合を前記範囲内とすることで、当該両樹脂の機能をいずれも有効に発現させて、より一層適度な熱感度を有し、特にフィルム系の被印字体に印字した際に尾引きや掠れ等の問題を生じることがなく印字の鮮明性に優れる上、貼り付きやブロッキングも生じにくい感熱転写媒体を得ることができる。
前記第二着色層は、着色剤として少なくとも導電性カーボンブラックを含んでいるのが好ましい。
特にフィルム系の被印字体に低温低湿環境下で転写をすると静電気が発生し、前記被印字体に感熱転写媒体が貼り付いてスムースに剥離されない、いわゆる貼り付きを生じやすい。通常は、基材と剥離層との間に導電層を設けて静電気を逃がすようにしているが、前記フィルム系の被印字体の場合は、それでもなお貼り付きが発生する場合がある。
特にフィルム系の被印字体に低温低湿環境下で転写をすると静電気が発生し、前記被印字体に感熱転写媒体が貼り付いてスムースに剥離されない、いわゆる貼り付きを生じやすい。通常は、基材と剥離層との間に導電層を設けて静電気を逃がすようにしているが、前記フィルム系の被印字体の場合は、それでもなお貼り付きが発生する場合がある。
これに対し、前記のように第二着色層に導電性カーボンブラックを含有させると、当該第二着色層に適度な導電性を付与して静電気をさらに確実に逃がすことができ、前記静電気による低温低湿時の貼り付きをより一層良好に防止することができる。
本発明によれば、適度な熱感度を有し、特にフィルム系の被印字体に印字した際に尾引きや掠れ等の問題を生じることがなく印字の鮮明性に優れる上、貼り付きやブロッキングも生じにくい感熱転写媒体を提供することができる。
図1は、本発明の感熱転写媒体の、実施の形態の一例の層構成を示す拡大断面図である。
図1を参照して、この例の感熱転写媒体1は、基材2、前記基材2の表面(図では上側の面)に積層された剥離層3、および着色層4、ならびに前記基材2の背面(図では下側の面)に積層された背面層5を備えている。また着色層4は、剥離層3側の第一着色層6、および前記第一着色層6上に積層した第二着色層7の2層構造とされている。
図1を参照して、この例の感熱転写媒体1は、基材2、前記基材2の表面(図では上側の面)に積層された剥離層3、および着色層4、ならびに前記基材2の背面(図では下側の面)に積層された背面層5を備えている。また着色層4は、剥離層3側の第一着色層6、および前記第一着色層6上に積層した第二着色層7の2層構造とされている。
《基材2》
基材2としては、従来同様に、例えばポリスルホン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエステル、トリアセテート等の樹脂のフィルム、コンデンサー紙、グラシン紙等の薄葉紙、あるいはセロファン等が挙げられる。
基材2としては、従来同様に、例えばポリスルホン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエステル、トリアセテート等の樹脂のフィルム、コンデンサー紙、グラシン紙等の薄葉紙、あるいはセロファン等が挙げられる。
中でもポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルのフィルムが、価格、機械的強度、寸法安定性、耐熱性等の見地から好ましい。
基材2の強度(引張強度等)を確保しながら、サーマルヘッドから剥離層3にできるだけ効率よく熱伝達することを考慮すると、前記基材2の厚みは1μm以上、特に2μm以上であるのが好ましく、30μm以下、特に15μm以下であるのが好ましい。
基材2の強度(引張強度等)を確保しながら、サーマルヘッドから剥離層3にできるだけ効率よく熱伝達することを考慮すると、前記基材2の厚みは1μm以上、特に2μm以上であるのが好ましく、30μm以下、特に15μm以下であるのが好ましい。
《剥離層3》
剥離層3としては、従来同様に、感熱転写媒体1を印字に使用するまでの間、着色層4を基材2の表面に固定し、サーマルヘッドによる基材2の背面側からの加熱によって溶融または軟化して前記着色層4を剥離させて被印字体の表面に転写させる機能を有する種々の材料からなる層が挙げられる。
剥離層3としては、従来同様に、感熱転写媒体1を印字に使用するまでの間、着色層4を基材2の表面に固定し、サーマルヘッドによる基材2の背面側からの加熱によって溶融または軟化して前記着色層4を剥離させて被印字体の表面に転写させる機能を有する種々の材料からなる層が挙げられる。
前記剥離層3を形成する材料としては、従来同様に、例えばポリエチレンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックスや、あるいはポリエチレン系共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、塩化ビニル系(共)重合体、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂などの1種または2種以上が挙げられる。
特にワックスが好ましい。またワックスには、印字前の着色層4が基材2から剥離するいわゆるコボレを防止するため、EVA等の熱可塑性樹脂を、バインダとして添加してもよい。
特にワックスが好ましい。またワックスには、印字前の着色層4が基材2から剥離するいわゆるコボレを防止するため、EVA等の熱可塑性樹脂を、バインダとして添加してもよい。
剥離層3は、感熱転写媒体1を印字に使用するまでの間、着色層4を基材2の表面に確実に固定し続けることができ、しかもサーマルヘッドによる基材2の背面側からの加熱によって速やかに溶融または軟化して着色層4を剥離させることを考慮すると、その融点または軟化点が50℃以上、特に60℃以上であるのが好ましく、150℃以下、特に120℃以下であるのが好ましい。
融点または軟化点が前記範囲内にある剥離層3を形成するためには、前記例示のワックスや熱可塑性樹脂のうち、融点または軟化点が前記範囲内にあるものを選択して使用したり、2種以上を併用して融点または軟化点が前記範囲内に入るように調整したりすればよい。
剥離層3には、前記ワックスや熱可塑性樹脂に加えて、さらに他の成分を含有させてもよい。かかる他の成分としては、例えば有機また無機の充てん剤、熱硬化性樹脂、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、アミド類、高級アミン、オイル、界面活性剤等の1種または2種以上が挙げられる。
剥離層3には、前記ワックスや熱可塑性樹脂に加えて、さらに他の成分を含有させてもよい。かかる他の成分としては、例えば有機また無機の充てん剤、熱硬化性樹脂、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、アミド類、高級アミン、オイル、界面活性剤等の1種または2種以上が挙げられる。
このうち界面活性剤は、剥離層3の剥離性を調整するためのもので、かかる界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン鎖含有化合物等が挙げられる。
剥離層3は、そのもとになるワックス等の固形分を溶剤に溶解または分散した塗剤を基材2の表面に塗布したのち乾燥させて形成したり、前記固形分を加熱して溶融させた状態で前記基材2の表面に塗布したのち、冷却して固化させるいわゆるホットメルト塗工によって形成したりすることができる。
剥離層3は、そのもとになるワックス等の固形分を溶剤に溶解または分散した塗剤を基材2の表面に塗布したのち乾燥させて形成したり、前記固形分を加熱して溶融させた状態で前記基材2の表面に塗布したのち、冷却して固化させるいわゆるホットメルト塗工によって形成したりすることができる。
剥離層3の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して0.1g/m2以上、特に0.3g/m2以上であるのが好ましく、1.0g/m2以下、特に0.8g/m2以下であるのが好ましい。
厚みが前記範囲未満では、基材2の表面に、剥離層3として良好に機能する連続した層を形成できないおそれがある。一方、厚みが前記範囲を超える厚みの大きい剥離層3では、先に説明したようにサーマルヘッドからの熱を、基材2の裏面側から着色層4まで効率よく伝えることができず、感熱転写媒体1の熱感度が低下するおそれがある。
厚みが前記範囲未満では、基材2の表面に、剥離層3として良好に機能する連続した層を形成できないおそれがある。一方、厚みが前記範囲を超える厚みの大きい剥離層3では、先に説明したようにサーマルヘッドからの熱を、基材2の裏面側から着色層4まで効率よく伝えることができず、感熱転写媒体1の熱感度が低下するおそれがある。
《着色層4》
着色層4は、前記のように剥離層3側の第一着色層6、および前記第一着色層6上に積層した第二着色層7の2層構造とされる。
〈第一着色層6〉
第一着色層6は、粘着付与剤、EVA、および着色剤を少なくとも含んでいる。
着色層4は、前記のように剥離層3側の第一着色層6、および前記第一着色層6上に積層した第二着色層7の2層構造とされる。
〈第一着色層6〉
第一着色層6は、粘着付与剤、EVA、および着色剤を少なくとも含んでいる。
(粘着付与剤)
粘着付与剤としては、感熱時に粘着力を発現して、着色層4の、被印字体への転写を補助する働きをする種々の粘着付与剤の中から、テルペン系、ロジン系、合成石油樹脂(C5)系からなる群より選ばれた少なくとも1種の粘着付与剤が用いられる。
このうちテルペン系粘着付与剤としては、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変成テルペン樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
粘着付与剤としては、感熱時に粘着力を発現して、着色層4の、被印字体への転写を補助する働きをする種々の粘着付与剤の中から、テルペン系、ロジン系、合成石油樹脂(C5)系からなる群より選ばれた少なくとも1種の粘着付与剤が用いられる。
このうちテルペン系粘着付与剤としては、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変成テルペン樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
またロジン系粘着付与剤としては、例えば天然樹脂ロジンや各種変性ロジンの1種または2種以上が挙げられる。また変性ロジンとしては、例えば重合ロジン、水添ロジン、ロジンエステルやその水添物、重合物等が挙げられる。
さらに合成石油樹脂(C5)系粘着付与剤としては、例えばイソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1−ペンテン、2−ペンテン、ジシクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン等の、ナフサクラッカーから生成するC5留分の1種または2種以上からなる種々の石油樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
さらに合成石油樹脂(C5)系粘着付与剤としては、例えばイソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1−ペンテン、2−ペンテン、ジシクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン等の、ナフサクラッカーから生成するC5留分の1種または2種以上からなる種々の石油樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
特に熱感度を向上する効果の点で、テルペン系粘着付与剤が好ましい。
前記粘着付与剤の配合割合は、前記第一着色層6を構成する固形分の総量の35質量%以上であるのが好ましく、50質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では感熱時の粘着力が不足して、特にフィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には粘着力が強くなりすぎて、特に前記フィルム系の被印字体において尾引きを生じやすくなるおそれがある。
前記粘着付与剤の配合割合は、前記第一着色層6を構成する固形分の総量の35質量%以上であるのが好ましく、50質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では感熱時の粘着力が不足して、特にフィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には粘着力が強くなりすぎて、特に前記フィルム系の被印字体において尾引きを生じやすくなるおそれがある。
(EVA)
EVAは、第一着色層6のバインダとして機能するとともに、高い溶融粘度を示し、印字のキレを向上して尾引きの発生を防止するために寄与する。すなわち、着色層4のうち、サーマルヘッドを用いて選択的に加熱して被印字体の表面に転写させる領域と、それ以外の領域との境界線をできるだけ明瞭に分離することができる。
EVAは、第一着色層6のバインダとして機能するとともに、高い溶融粘度を示し、印字のキレを向上して尾引きの発生を防止するために寄与する。すなわち、着色層4のうち、サーマルヘッドを用いて選択的に加熱して被印字体の表面に転写させる領域と、それ以外の領域との境界線をできるだけ明瞭に分離することができる。
前記EVAとしては、エチレンと酢酸ビニルの共重合体であって、なおかつ前記機能を有する種々のEVAが使用可能である。
特にEVAとしては、日本工業規格JIS K7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」所載の試験方法により、試験温度:190℃、荷重:2.16kgの条件で測定されたメルトフローレートが0.5〜30g/10min、特に5〜25g/10minで、かつJIS K7192:1999「プラスチック−エチレン・酢酸ビニル樹脂(EVAC)−酢酸ビニル含有量の測定方法」に則って測定された酢酸ビニル含量が10〜50%、特に15〜35%であるものが好適に使用される。
特にEVAとしては、日本工業規格JIS K7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」所載の試験方法により、試験温度:190℃、荷重:2.16kgの条件で測定されたメルトフローレートが0.5〜30g/10min、特に5〜25g/10minで、かつJIS K7192:1999「プラスチック−エチレン・酢酸ビニル樹脂(EVAC)−酢酸ビニル含有量の測定方法」に則って測定された酢酸ビニル含量が10〜50%、特に15〜35%であるものが好適に使用される。
前記EVAの配合割合は、前記第一着色層6を構成する固形分の総量の15質量%以上であるのが好ましく、25質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、EVAを配合することによる前記効果が十分に得られないおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、溶融粘度が高くなりすぎて、特にフィルム系の被印字体において転写不良を生じやすくなるおそれがある。
配合割合が前記範囲未満では、EVAを配合することによる前記効果が十分に得られないおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、溶融粘度が高くなりすぎて、特にフィルム系の被印字体において転写不良を生じやすくなるおそれがある。
(着色剤)
着色剤としては、第一着色層6の色味に応じた1種または2種以上の、顔料等の着色剤を含有させる。例えば第一着色層6を黒色に着色する場合、着色剤としては、着色顔料として機能しうる種々のカーボンブラックが好ましい。前記カーボンブラックとしては、例えばカーボンブラックHCF、MCF、LFF、RCF、LCF等の1種または2種以上が挙げられる。
着色剤としては、第一着色層6の色味に応じた1種または2種以上の、顔料等の着色剤を含有させる。例えば第一着色層6を黒色に着色する場合、着色剤としては、着色顔料として機能しうる種々のカーボンブラックが好ましい。前記カーボンブラックとしては、例えばカーボンブラックHCF、MCF、LFF、RCF、LCF等の1種または2種以上が挙げられる。
着色剤の配合割合は、前記第一着色層6を構成する固形分の総量の30質量%以上であるのが好ましく、45質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、特に印字の色濃度が低下したり、フィルム系の被印字体において尾引きを生じたりするおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、特にフィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれがある。
配合割合が前記範囲未満では、特に印字の色濃度が低下したり、フィルム系の被印字体において尾引きを生じたりするおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、特にフィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれがある。
(第一着色層6の形成、および厚み)
第一着色層6は、そのもとになる前記各成分(固形分)を溶剤に溶解または分散した塗剤を剥離層3の上に塗布したのち乾燥させて形成することができる。
前記第一着色層6の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して0.5g/m2以上であるのが好ましく、1.2g/m2以下であるのが好ましい。
第一着色層6は、そのもとになる前記各成分(固形分)を溶剤に溶解または分散した塗剤を剥離層3の上に塗布したのち乾燥させて形成することができる。
前記第一着色層6の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して0.5g/m2以上であるのが好ましく、1.2g/m2以下であるのが好ましい。
厚みが前記範囲未満では、印字濃度が不足するおそれがある。また熱感度が不足して、特にフィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、特に前記フィルム系の被印字体において尾引きを生じやすくなるおそれがある。
〈第二着色層7〉
第二着色層7は、粘着付与剤、EVA、エポキシ樹脂、および着色剤を少なくとも含んでいる。
〈第二着色層7〉
第二着色層7は、粘着付与剤、EVA、エポキシ樹脂、および着色剤を少なくとも含んでいる。
(粘着付与剤)
粘着付与剤としては、感熱時に粘着力を発現して、着色層4の、被印字体への転写を補助する働きをする種々の粘着付与剤の中から、少なくともスチレン系樹脂が用いられる。
またスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体(スチレン樹脂)や、スチレンと他の単量体との共重合体の中から、粘着付与剤として機能しうる種々のスチレン系樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
粘着付与剤としては、感熱時に粘着力を発現して、着色層4の、被印字体への転写を補助する働きをする種々の粘着付与剤の中から、少なくともスチレン系樹脂が用いられる。
またスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体(スチレン樹脂)や、スチレンと他の単量体との共重合体の中から、粘着付与剤として機能しうる種々のスチレン系樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
前記スチレン系樹脂は、粘着付与剤として機能させながら、なおかつ第二着色層7の熱感度を適度に抑制する効果をも得ることを考慮すると、軟化点が90℃以上、特に95℃以上であるのが好ましく、110℃以下、特に105℃以下であるのが好ましい。また重量平均分子量Mwが1500以上、特に2000以上であるのが好ましく、3500以下、特に3000以下であるのが好ましい。
また粘着付与剤としては、前記第二着色層7の熱感度を適度に抑制する効果を阻害しない範囲で、スチレン系樹脂と、その他の粘着付与剤とを併用してもよい。
当該他の粘着付与剤としては、例えば前述したテルペン系、ロジン系、合成石油樹脂(C5)系等の種々の粘着付与剤が挙げられる。
ただし前記効果の点で、粘着付与剤としては、スチレン系樹脂のみを単独で(2種以上のスチレン系樹脂を併用する場合を含む)使用するのが好ましい。
当該他の粘着付与剤としては、例えば前述したテルペン系、ロジン系、合成石油樹脂(C5)系等の種々の粘着付与剤が挙げられる。
ただし前記効果の点で、粘着付与剤としては、スチレン系樹脂のみを単独で(2種以上のスチレン系樹脂を併用する場合を含む)使用するのが好ましい。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、種々のエポキシ樹脂がいずれも使用可能である。
かかるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールAD型エポキシ樹脂;プロピレングリコールグリコキシエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族系エポキシ樹脂;脂肪族もしくは芳香族アミンとエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂;脂肪族もしくは芳香族カルボン酸とエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂;複素環エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂;エポキシ変性樹脂;ブロム化エポキシ樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、種々のエポキシ樹脂がいずれも使用可能である。
かかるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールAD型エポキシ樹脂;プロピレングリコールグリコキシエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族系エポキシ樹脂;脂肪族もしくは芳香族アミンとエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂;脂肪族もしくは芳香族カルボン酸とエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂;複素環エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂;エポキシ変性樹脂;ブロム化エポキシ樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
エポキシ樹脂は、第二着色層7の熱感度を適度に抑制しつつ、感熱時の粘着力が低下するのを防止することを考慮すると、そのエポキシ当量が1500以上であるのが好ましく、2500以下であるのが好ましい。また軟化点は110℃以上であるのが好ましく、140℃以下であるのが好ましい。
(スチレン系樹脂とエポキシ樹脂の配合割合)
前記第二着色層7におけるエポキシ樹脂の配合割合は、スチレン系樹脂1質量部あたり10質量部以上、26質量部以下であるのが好ましい。
(スチレン系樹脂とエポキシ樹脂の配合割合)
前記第二着色層7におけるエポキシ樹脂の配合割合は、スチレン系樹脂1質量部あたり10質量部以上、26質量部以下であるのが好ましい。
前記範囲よりエポキシ樹脂が多く、スチレン系樹脂が少ない場合には、当該スチレン系樹脂による、第二着色層7の熱感度を抑制する効果が不十分になって、特にフィルム系の被印字体において印字の尾引きを生じやすくなるおそれがある。また湿度の影響を受けやすくなって、高温高湿環境下で貼り付きが生じたり、前記高温高湿環境下で保管した際にブロッキングが生じたりしやすくなるおそれもある。
一方、前記範囲よりスチレン系樹脂が多く、エポキシ樹脂が少ない場合には、当該エポキシ樹脂による、感熱時の粘着力が低下するのを防止する効果が不十分になって、特にフィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれがある。
これに対し、エポキシ樹脂とスチレン系樹脂の配合割合を前記範囲内とすることで、当該エポキシ樹脂とスチレン系樹脂の機能をいずれも有効に発現させて、より一層適度な熱感度を有し、特にフィルム系の被印字体に印字した際に尾引きや掠れ等の問題を生じることがなく印字の鮮明性に優れる上、貼り付きやブロッキングも生じにくい感熱転写媒体を得ることができる。
これに対し、エポキシ樹脂とスチレン系樹脂の配合割合を前記範囲内とすることで、当該エポキシ樹脂とスチレン系樹脂の機能をいずれも有効に発現させて、より一層適度な熱感度を有し、特にフィルム系の被印字体に印字した際に尾引きや掠れ等の問題を生じることがなく印字の鮮明性に優れる上、貼り付きやブロッキングも生じにくい感熱転写媒体を得ることができる。
またスチレン系樹脂の配合割合は、前記第二着色層7を構成する固形分の総量の0.5質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、当該スチレン系樹脂を粘着付与剤として用いることによる、第二着色層7の熱感度を抑制する効果が不十分になって、特にフィルム系の被印字体において印字の尾引きを生じやすくなるおそれがある。
配合割合が前記範囲未満では、当該スチレン系樹脂を粘着付与剤として用いることによる、第二着色層7の熱感度を抑制する効果が不十分になって、特にフィルム系の被印字体において印字の尾引きを生じやすくなるおそれがある。
一方、配合割合が前記範囲を超える場合には、第二着色層の熱感度が低くなりすぎて、特に前記フィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれがある。
またエポキシ樹脂の配合割合は、前記第二着色層7を構成する固形分の総量の10質量%以上であるのが好ましく、55質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、当該エポキシ樹脂を配合することによる、粘着力の低下を抑制する効果が不十分になって、特に前記フィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれがある。
またエポキシ樹脂の配合割合は、前記第二着色層7を構成する固形分の総量の10質量%以上であるのが好ましく、55質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、当該エポキシ樹脂を配合することによる、粘着力の低下を抑制する効果が不十分になって、特に前記フィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれがある。
一方、配合割合が前記範囲を超える場合に粘着力が強くなりすぎて、特に前記フィルム系の被印字体において印字の尾引きを生じやすくなるおそれがある。
また湿度の影響を受けやすくなって、高温高湿環境下で貼り付きが生じたり、前記高温高湿環境下で保管した際にブロッキングが生じたりしやすくなるおそれもある。
(EVA)
EVAは、第二着色層7のバインダとして機能するとともに、前述したように高い溶融粘度を示し、前述したように印字のキレを向上して尾引きが発生するのを防止するために寄与する。すなわち、着色層4のうち、サーマルヘッドを用いて選択的に加熱して被印字体の表面に転写させる領域と、それ以外の領域との境界線をできるだけ明瞭に分離することができる。
また湿度の影響を受けやすくなって、高温高湿環境下で貼り付きが生じたり、前記高温高湿環境下で保管した際にブロッキングが生じたりしやすくなるおそれもある。
(EVA)
EVAは、第二着色層7のバインダとして機能するとともに、前述したように高い溶融粘度を示し、前述したように印字のキレを向上して尾引きが発生するのを防止するために寄与する。すなわち、着色層4のうち、サーマルヘッドを用いて選択的に加熱して被印字体の表面に転写させる領域と、それ以外の領域との境界線をできるだけ明瞭に分離することができる。
また第二着色層7にもEVAを含有させることで、第一着色層6との間の相溶性、親和性を向上することもできる。
前記EVAとしては、エチレンと酢酸ビニルの共重合体であって、なおかつ前記機能を有する種々のEVAが使用可能である。
ただし、前記相溶性、親和性をさらに向上するとともに、第一および第二着色層6、7の、感熱時の挙動を揃えることを考慮すると、前述した方法によって測定されるメルトフローレート、および酢酸ビニル含量が、先の第一着色層6において使用したのと同じ範囲内であるEVAを使用するのが好ましく、中でも特に、前記第一着色層6で使用したのと同じEVAを使用するのが好ましい。
前記EVAとしては、エチレンと酢酸ビニルの共重合体であって、なおかつ前記機能を有する種々のEVAが使用可能である。
ただし、前記相溶性、親和性をさらに向上するとともに、第一および第二着色層6、7の、感熱時の挙動を揃えることを考慮すると、前述した方法によって測定されるメルトフローレート、および酢酸ビニル含量が、先の第一着色層6において使用したのと同じ範囲内であるEVAを使用するのが好ましく、中でも特に、前記第一着色層6で使用したのと同じEVAを使用するのが好ましい。
前記EVAの配合割合は、前記第二着色層7を構成する固形分の総量の1質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、特に印字のキレが低下して尾引きが発生するおそれがある。一方、配合割合が前記範囲を超える場合には溶融粘度が高くなりすぎて、特にフィルム系の被印字体において貼り付きを生じやすくなるおそれがある。
配合割合が前記範囲未満では、特に印字のキレが低下して尾引きが発生するおそれがある。一方、配合割合が前記範囲を超える場合には溶融粘度が高くなりすぎて、特にフィルム系の被印字体において貼り付きを生じやすくなるおそれがある。
(着色剤)
着色剤としては、第二着色層7の色味に応じた1種または2種以上の、顔料等の着色剤を含有させる。例えば第二着色層7を黒色に着色する場合、着色剤としては、着色顔料として機能しうる種々のカーボンブラックが好ましい。
特にカーボンブラックとして、少なくとも導電性カーボンブラックを用いると、先に説明したように第二着色層7に適度な導電性を付与して、特に低温低湿環境下で転写をした際に発生する静電気を確実に逃がすことができ、前記静電気による低温低湿時の貼り付きを良好に防止することができる。
着色剤としては、第二着色層7の色味に応じた1種または2種以上の、顔料等の着色剤を含有させる。例えば第二着色層7を黒色に着色する場合、着色剤としては、着色顔料として機能しうる種々のカーボンブラックが好ましい。
特にカーボンブラックとして、少なくとも導電性カーボンブラックを用いると、先に説明したように第二着色層7に適度な導電性を付与して、特に低温低湿環境下で転写をした際に発生する静電気を確実に逃がすことができ、前記静電気による低温低湿時の貼り付きを良好に防止することができる。
導電性カーボンブラックとしては、例えばキャボット社製のVULCAN(登録商標)XC72R、デグサ社製のプリンテックス(登録商標)L、ライオン(株)製のケッチェンブラック(登録商標)EC300J、EC600JD等の1種または2種以上が挙げられる。
なお導電性カーボンブラックは黒色としての色濃度が低いため、第二着色層7を黒色に着色する場合は、前記導電性カーボンブラックと、第一着色層6において例示した、着色顔料として機能しうるカーボンブラックとを併用するのが好ましい。
なお導電性カーボンブラックは黒色としての色濃度が低いため、第二着色層7を黒色に着色する場合は、前記導電性カーボンブラックと、第一着色層6において例示した、着色顔料として機能しうるカーボンブラックとを併用するのが好ましい。
着色剤の配合割合は、前記第二着色層7を構成する固形分の総量の35質量%以上であるのが好ましく、60質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、特に高温高湿環境下でブロッキングを生じたり、印字の色濃度が低下したりするおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、特にフィルム系の被印字体と第二着色層7の表面同士がこすれた際に、過剰の着色剤が被印字体の表面を汚す、いわゆる字汚れを生じやすくなるおそれがある。また、特に前記フィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれもある。
配合割合が前記範囲未満では、特に高温高湿環境下でブロッキングを生じたり、印字の色濃度が低下したりするおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、特にフィルム系の被印字体と第二着色層7の表面同士がこすれた際に、過剰の着色剤が被印字体の表面を汚す、いわゆる字汚れを生じやすくなるおそれがある。また、特に前記フィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれもある。
また着色剤として、前記のように導電性カーボンブラックと、着色顔料としてのカーボンブラックを併用する場合、前記導電性カーボンブラックの配合割合は、両カーボンブラックの総量中の5質量%以上であるのが好ましく、20質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、導電性カーボンブラックを配合することによる効果が得られず、特に低温低湿環境下で貼り付きを生じやすくなるおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には印字の色濃度が低下するおそれがある。
配合割合が前記範囲未満では、導電性カーボンブラックを配合することによる効果が得られず、特に低温低湿環境下で貼り付きを生じやすくなるおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には印字の色濃度が低下するおそれがある。
(第二着色層7の形成、および厚み)
第二着色層7は、そのもとになる前記各成分(固形分)を溶剤に溶解または分散した塗剤を第一着色層6の上に塗布したのち乾燥させて形成することができる。
前記第二着色層7の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して0.1g/m2以上であるのが好ましく、0.5g/m2以下であるのが好ましい。
第二着色層7は、そのもとになる前記各成分(固形分)を溶剤に溶解または分散した塗剤を第一着色層6の上に塗布したのち乾燥させて形成することができる。
前記第二着色層7の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して0.1g/m2以上であるのが好ましく、0.5g/m2以下であるのが好ましい。
厚みが前記範囲未満では、当該第二着色層7による、熱感度を抑制する効果が不十分になって、特にフィルム系の被印字体において尾引きを生じやすくなるおそれがある。また、特に高温高湿環境下で貼り付きが生じたり、前記高温高湿環境下で保管した際にブロッキングが生じたりしやすくなるおそれもある。一方、前記範囲を超える場合には、特に前記フィルム系の被印字体において掠れを生じやすくなるおそれがある。
〈背面層5〉
背面層5は、サーマルヘッドと接触する基材2の背面の耐熱性、滑り性、耐擦過性等を向上するための層である。
前記背面層5は、従来同様に形成できる。
すなわち背面層5は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン・フッ素共重合樹脂、ニトロセルロース樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂等によって形成することができる。
背面層5は、サーマルヘッドと接触する基材2の背面の耐熱性、滑り性、耐擦過性等を向上するための層である。
前記背面層5は、従来同様に形成できる。
すなわち背面層5は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン・フッ素共重合樹脂、ニトロセルロース樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂等によって形成することができる。
また背面層5には、必要に応じて滑剤を含有させても良い。
背面層5は、前記各成分を溶剤に溶解または分散した塗剤を基材2の背面に塗布したのち乾燥させて形成することができる。
背面層5の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して0.05g/m2以上、特に0.1g/m2以上であるのが好ましく、0.5g/m2以下、特に0.4g/m2以下であるのが好ましい。
背面層5は、前記各成分を溶剤に溶解または分散した塗剤を基材2の背面に塗布したのち乾燥させて形成することができる。
背面層5の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して0.05g/m2以上、特に0.1g/m2以上であるのが好ましく、0.5g/m2以下、特に0.4g/m2以下であるのが好ましい。
厚みが前記範囲未満では、当該背面層5を設けることによる前記の効果が十分に得られないおそれがある。一方、厚みが前記範囲を超える場合には、サーマルヘッドからの熱伝達の効率が低下して、感熱転写媒体1の熱感度が低下するおそれがある。
前記各層を備えたこの例の感熱転写媒体1によれば、着色層4を第一着色層6と第二着色層7の2層構造としたことにより剥離層3の厚みを小さくできることと、前記両着色層6、7の両方にEVAと粘着付与剤とを含有させるとともに、前記第一着色層6の粘着付与剤として、テルペン系、ロジン系、合成石油樹脂(C5)系からなる群より選ばれた少なくとも1種を選択的に用いることとによって、その熱感度、および感熱時の粘着力を向上して、特にフィルム系の被印字体であっても掠れが生じるのを防止することができる。
前記各層を備えたこの例の感熱転写媒体1によれば、着色層4を第一着色層6と第二着色層7の2層構造としたことにより剥離層3の厚みを小さくできることと、前記両着色層6、7の両方にEVAと粘着付与剤とを含有させるとともに、前記第一着色層6の粘着付与剤として、テルペン系、ロジン系、合成石油樹脂(C5)系からなる群より選ばれた少なくとも1種を選択的に用いることとによって、その熱感度、および感熱時の粘着力を向上して、特にフィルム系の被印字体であっても掠れが生じるのを防止することができる。
また第二着色層7の粘着付与剤として、前記テルペン系、ロジン系、および合成石油樹脂(C5)系の粘着付与剤よりも熱感度の低いスチレン系樹脂を選択的に用いるとともに、熱感度は前記スチレン系樹脂と同程度で、なおかつ感熱時の粘着力がスチレン系樹脂よりも高いエポキシ樹脂を併用することによって、前記第二着色層7の感熱時の粘着力が低下するのを防止しながら、その熱感度を、第一着色層6より若干抑制する方向で微調整して、特に前記フィルム系の被印字体において尾引きが生じるのを防止することができる。
さらにエポキシ樹脂は極性が強く湿度の影響を受けやすいが、スチレン系樹脂は前記エポキシ樹脂ほど湿度の影響を受けづらいことから、前記両者を併用することによって、高温高湿環境下で貼り付きが生じたり、前記高温高湿環境下で保管した際にブロッキングが生じたりするのを防止することもできる。
また第一着色層6と第二着色層7の両方にEVAを含有させることで、前記両層の相溶性、親和性を向上することもできる。またEVAは印字のキレを向上するためにも機能することから、特に前記フィルム系の被印字体において尾引きが発生するのをより一層確実に防止することもできる。
また第一着色層6と第二着色層7の両方にEVAを含有させることで、前記両層の相溶性、親和性を向上することもできる。またEVAは印字のキレを向上するためにも機能することから、特に前記フィルム系の被印字体において尾引きが発生するのをより一層確実に防止することもできる。
〈導電層〉
図示していないが、低温低湿環境下で、静電気の発生による貼り付きが生じるのを防止するため、基材2と剥離層3との間には、従来同様に導電層を介在させてもよい。
前記導電層は、基材2の、剥離層3を積層する側の面に一体に、すなわち基材2とは剥離不能に形成される。
図示していないが、低温低湿環境下で、静電気の発生による貼り付きが生じるのを防止するため、基材2と剥離層3との間には、従来同様に導電層を介在させてもよい。
前記導電層は、基材2の、剥離層3を積層する側の面に一体に、すなわち基材2とは剥離不能に形成される。
当該導電層は、例えばバインダ樹脂中に導電材料を分散させる等して、導電性を付与することで形成される。
例えば基材2がPET等のポリエステルのフィルムである場合、当該基材2との密着性に優れ、剥離不能の導電層を形成するためには、前記バインダ樹脂としてポリエステルを用いるのが好ましい。
例えば基材2がPET等のポリエステルのフィルムである場合、当該基材2との密着性に優れ、剥離不能の導電層を形成するためには、前記バインダ樹脂としてポリエステルを用いるのが好ましい。
また導電材料としては、例えば導電性カーボンブラック;チタン酸ランタン、酸化スズ、酸化亜鉛、インジウム・亜鉛酸化物、アンチモン・スズ酸化物、酸化インジウム、インジウム・スズ酸化物、亜鉛・スズ・インジウム酸化物、アルミニウム・亜鉛酸化物、ガリウム・亜鉛酸化物等の金属酸化物の粉末;金、銀、銅等の金属の粉末などの1種または2種以上が挙げられる。
前記剥離不能の導電層を設けることにより、当該導電層が印字の色味に影響を及ぼすのを防止しながら、前記導電層を通して静電気を逃がして基材2の帯電を抑制することができ、帯電に伴う貼り付きの問題が生じるのを防止することができる。
前記導電層は、剥離層3を形成する前の基材2の表面に、前記バインダ樹脂や導電材料等を溶剤に溶解または分散した塗剤を塗布したのち乾燥させて形成したり、前記各成分の混合物をフィルム状に成形するとともに基材2の表面側に積層するいわゆるラミネート法によって形成したりすることができる。
前記導電層は、剥離層3を形成する前の基材2の表面に、前記バインダ樹脂や導電材料等を溶剤に溶解または分散した塗剤を塗布したのち乾燥させて形成したり、前記各成分の混合物をフィルム状に成形するとともに基材2の表面側に積層するいわゆるラミネート法によって形成したりすることができる。
導電層の厚みは、単位面積あたりの固形分量で表して0.05g/m2以上、特に0.1g/m2以上であるのが好ましく、0.8g/m2以下、特に0.6g/m2以下であるのが好ましい。
厚みが前記範囲未満では、当該導電層を設けることによる前記の効果が十分に得られないおそれがある。一方、厚みが前記範囲を超える場合には、サーマルヘッドからの熱伝達の効率が低下して、感熱転写媒体1の熱感度が低下するおそれがある。
厚みが前記範囲未満では、当該導電層を設けることによる前記の効果が十分に得られないおそれがある。一方、厚みが前記範囲を超える場合には、サーマルヘッドからの熱伝達の効率が低下して、感熱転写媒体1の熱感度が低下するおそれがある。
〈実施例1〉
(基材2、および背面層5)
基材2としては、厚み5μmのPETフィルムを用いた。前記基材2の背面には、シリコーン・フッ素共重合樹脂〔大日精化工業(株)製の商品名ダイアロマーSP712〕20質量部をメチルエチルケトン(MEK)80質量部に溶解して調製した塗剤を塗布したのち乾燥させて、単位面積あたりの固形分量が0.2g/m2である背面層5を形成した。
(基材2、および背面層5)
基材2としては、厚み5μmのPETフィルムを用いた。前記基材2の背面には、シリコーン・フッ素共重合樹脂〔大日精化工業(株)製の商品名ダイアロマーSP712〕20質量部をメチルエチルケトン(MEK)80質量部に溶解して調製した塗剤を塗布したのち乾燥させて、単位面積あたりの固形分量が0.2g/m2である背面層5を形成した。
(剥離層3)
カルナバワックス(融点:80〜86℃)5質量部、およびポリエチレンワックス(融点:100〜105)5質量部をトルエン90質量部に溶解して、剥離層3用の塗剤を調製した。
次いで前記塗剤を、先の基材2の表面に塗布したのち乾燥させて、単位面積あたりの固形分量が0.5g/m2である剥離層3を形成した。
カルナバワックス(融点:80〜86℃)5質量部、およびポリエチレンワックス(融点:100〜105)5質量部をトルエン90質量部に溶解して、剥離層3用の塗剤を調製した。
次いで前記塗剤を、先の基材2の表面に塗布したのち乾燥させて、単位面積あたりの固形分量が0.5g/m2である剥離層3を形成した。
(第一着色層6)
粘着付与剤としての芳香族変成テルペン樹脂(軟化点:105±5℃)42質量部、およびEVA〔メルトフローレート:15g/10min、酢酸ビニル含量:28%〕21質量部を、トルエンと酢酸エチルの質量比1:1の混合溶媒に溶解させたのち、さらに着色剤としてのカーボンブラック〔種別:LCF、黒色度My値:230〕37質量部を分散させて、固形分濃度が20質量%である第一着色層6用の塗剤を調製した。
粘着付与剤としての芳香族変成テルペン樹脂(軟化点:105±5℃)42質量部、およびEVA〔メルトフローレート:15g/10min、酢酸ビニル含量:28%〕21質量部を、トルエンと酢酸エチルの質量比1:1の混合溶媒に溶解させたのち、さらに着色剤としてのカーボンブラック〔種別:LCF、黒色度My値:230〕37質量部を分散させて、固形分濃度が20質量%である第一着色層6用の塗剤を調製した。
次いで前記塗剤を、先に形成した剥離層3上に塗布したのち乾燥させて、単位面積あたりの固形分量が0.8g/m2の第一着色層6を形成した。
(第二着色層7)
粘着付与剤としてのスチレン樹脂〔スチレンの単独重合体、軟化点:100±5℃、重量平均分子量Mw:2500〕2.5質量部、エポキシ樹脂〔ビスフェノールA型、エポキシ当量:1900〜2150、軟化点:119〜127℃〕40質量部、およびEVA〔メルトフローレート:15g/10min、酢酸ビニル含量:28%〕4.5質量部を、トルエンとメチルエチルケトンの質量比1:10の混合溶媒に溶解させたのち、さらに着色剤としてのカーボンブラック〔種別:LCF、黒色度My値:230〕48.5質量部、および導電性カーボンブラック〔Cabot(キャボット)社製のVULCAN(登録商標)XC72R〕4.5質量部を分散させて、固形分濃度が15質量%である第二着色層7用の塗剤を調製した。
(第二着色層7)
粘着付与剤としてのスチレン樹脂〔スチレンの単独重合体、軟化点:100±5℃、重量平均分子量Mw:2500〕2.5質量部、エポキシ樹脂〔ビスフェノールA型、エポキシ当量:1900〜2150、軟化点:119〜127℃〕40質量部、およびEVA〔メルトフローレート:15g/10min、酢酸ビニル含量:28%〕4.5質量部を、トルエンとメチルエチルケトンの質量比1:10の混合溶媒に溶解させたのち、さらに着色剤としてのカーボンブラック〔種別:LCF、黒色度My値:230〕48.5質量部、および導電性カーボンブラック〔Cabot(キャボット)社製のVULCAN(登録商標)XC72R〕4.5質量部を分散させて、固形分濃度が15質量%である第二着色層7用の塗剤を調製した。
そして前記塗剤を、先に形成した第一着色層6上に塗布したのち乾燥させて、単位面積あたりの固形分量が0.3g/m2の第二着色層7を形成して、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり16.0質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり16.0質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
〈実施例2〉
第二着色層7におけるスチレン樹脂の量を3.8質量部、エポキシ樹脂の量を38.7質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり10.2質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
第二着色層7におけるスチレン樹脂の量を3.8質量部、エポキシ樹脂の量を38.7質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり10.2質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
〈実施例3〉
第二着色層7におけるスチレン樹脂の量を4.7質量部、エポキシ樹脂の量を37.8質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり8.0質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
第二着色層7におけるスチレン樹脂の量を4.7質量部、エポキシ樹脂の量を37.8質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり8.0質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
〈実施例4〉
第二着色層7におけるスチレン樹脂の量を1.6質量部、エポキシ樹脂の量を40.9質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり25.6質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
第二着色層7におけるスチレン樹脂の量を1.6質量部、エポキシ樹脂の量を40.9質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり25.6質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
〈実施例5〉
第二着色層7におけるスチレン樹脂の量を1.3質量部、エポキシ樹脂の量を41.2質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり31.7質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
第二着色層7におけるスチレン樹脂の量を1.3質量部、エポキシ樹脂の量を41.2質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり31.7質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
〈実施例6〉
第二着色層7におけるカーボンブラックLCFの量を53質量部として導電性カーボンブラックを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり16.0質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の0質量%であった。
第二着色層7におけるカーボンブラックLCFの量を53質量部として導電性カーボンブラックを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり16.0質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の0質量%であった。
〈実施例7〉
第一着色層6における粘着付与剤を、芳香族変成テルペン樹脂から、同量の特殊ロジンエステル(軟化点:100±5℃)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
第二着色層7には変更がなく、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり16.0質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
第一着色層6における粘着付与剤を、芳香族変成テルペン樹脂から、同量の特殊ロジンエステル(軟化点:100±5℃)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
第二着色層7には変更がなく、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり16.0質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
〈比較例1〉
第一着色層6上に第二着色層7を積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして、着色層が前記第一着色層6一層のみである感熱転写媒体を製造した。
〈比較例2〉
第二着色層7におけるスチレン樹脂の量を5質量部、エポキシ樹脂の量を89質量部、EVAの量を6質量部とし、着色剤としての2種のカーボンブラックを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
第一着色層6上に第二着色層7を積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして、着色層が前記第一着色層6一層のみである感熱転写媒体を製造した。
〈比較例2〉
第二着色層7におけるスチレン樹脂の量を5質量部、エポキシ樹脂の量を89質量部、EVAの量を6質量部とし、着色剤としての2種のカーボンブラックを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり17.8質量部であった。
〈比較例3〉
第二着色層7にスチレン樹脂を配合せず、かつエポキシ樹脂の量を42.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
〈比較例3〉
第二着色層7にスチレン樹脂を配合せず、かつエポキシ樹脂の量を42.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
〈比較例4〉
第二着色層にエポキシ樹脂を配合せず、かつスチレン樹脂の量を42.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
〈比較例4〉
第二着色層にエポキシ樹脂を配合せず、かつスチレン樹脂の量を42.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、スチレン樹脂1質量部あたり0質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
〈比較例5〉
第二着色層7における粘着付与剤を、スチレン樹脂から、同量の芳香族変成テルペン樹脂(軟化点:105±5℃)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
〈比較例5〉
第二着色層7における粘着付与剤を、スチレン樹脂から、同量の芳香族変成テルペン樹脂(軟化点:105±5℃)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有する感熱転写媒体1を製造した。
前記第二着色層7において、エポキシ樹脂の配合割合は、芳香族変成テルペン樹脂1質量部あたり16.0質量部であった。また導電性カーボンブラックの配合割合は、2種のカーボンブラックの総量中の8.5質量%であった。
〈熱感度評価〉
前記各実施例、比較例で製造した感熱転写媒体1をロール状に捲回してバーコードプリンタ〔東芝テック(株)製のB−474−TS15〕に装填し、温度5℃、相対湿度30%の低温低湿環境下、印字速度200mm/秒、サーマルヘッドの移動方向をバーコードのバーの長さ方向と平行方向としたパラレル仕様で、バーコードを印字した。被印字体としては合成紙ラベルを用いた。
〈熱感度評価〉
前記各実施例、比較例で製造した感熱転写媒体1をロール状に捲回してバーコードプリンタ〔東芝テック(株)製のB−474−TS15〕に装填し、温度5℃、相対湿度30%の低温低湿環境下、印字速度200mm/秒、サーマルヘッドの移動方向をバーコードのバーの長さ方向と平行方向としたパラレル仕様で、バーコードを印字した。被印字体としては合成紙ラベルを用いた。
そして印字中の細線印字を観察して、下記の基準で、各感熱転写媒体1の熱感度を評価した。
○:細線印字の掠れなし。熱感度良好。
△:細線印字が若干掠れ気味であったが、実用可能なレベルであった。熱感度普通。
×:細線印字に掠れが見られた。熱感度不良。
○:細線印字の掠れなし。熱感度良好。
△:細線印字が若干掠れ気味であったが、実用可能なレベルであった。熱感度普通。
×:細線印字に掠れが見られた。熱感度不良。
〈尾引き評価〉
前記各実施例、比較例で製造した感熱転写媒体1をロール状に捲回してバーコードプリンタ〔東芝テック(株)製のB−474−TS15〕に装填し、温度40℃、相対湿度60%の高温高湿環境下、印字速度200mm/秒、サーマルヘッドの移動方向をバーコードのバーの長さ方向と直交方向としたシリアル仕様でバーコードを印字した。被印字体としては合成紙ラベルを用いた。
前記各実施例、比較例で製造した感熱転写媒体1をロール状に捲回してバーコードプリンタ〔東芝テック(株)製のB−474−TS15〕に装填し、温度40℃、相対湿度60%の高温高湿環境下、印字速度200mm/秒、サーマルヘッドの移動方向をバーコードのバーの長さ方向と直交方向としたシリアル仕様でバーコードを印字した。被印字体としては合成紙ラベルを用いた。
そして印字を観察して、下記の基準で、各感熱転写媒体1の尾引きの有無を評価した。
○:尾引きなし。
△:若干尾引き気味であったが、実用可能なレベルであった。
×:尾引きあり。
〈貼り付き評価〉
前記各実施例、比較例で製造した感熱転写媒体1をロール状に捲回してバーコードプリンタ〔東芝テック(株)製のB−474−TS15〕に装填し、温度5℃、相対湿度30%の低温低湿環境下、または温度40℃、相対湿度60%の高温高湿環境下でロールの末端まで使い切った際の貼り付きの有無を、下記の基準で評価した。被印字体としては合成紙ラベルを用いた。
○:尾引きなし。
△:若干尾引き気味であったが、実用可能なレベルであった。
×:尾引きあり。
〈貼り付き評価〉
前記各実施例、比較例で製造した感熱転写媒体1をロール状に捲回してバーコードプリンタ〔東芝テック(株)製のB−474−TS15〕に装填し、温度5℃、相対湿度30%の低温低湿環境下、または温度40℃、相対湿度60%の高温高湿環境下でロールの末端まで使い切った際の貼り付きの有無を、下記の基準で評価した。被印字体としては合成紙ラベルを用いた。
○:全く問題なし。
△:感熱転写媒体と合成紙ラベルが剥離する際の剥離音がしたが、感熱転写媒体が合成紙ラベルに貼り付いてバーコードプリンタから飛び出すことはなかった。
×:感熱転写媒体が合成紙ラベルに貼り付いてバーコードプリンタから飛び出してしまった。
△:感熱転写媒体と合成紙ラベルが剥離する際の剥離音がしたが、感熱転写媒体が合成紙ラベルに貼り付いてバーコードプリンタから飛び出すことはなかった。
×:感熱転写媒体が合成紙ラベルに貼り付いてバーコードプリンタから飛び出してしまった。
〈ブロッキング評価〉
前記各実施例、比較例で製造した感熱転写媒体1をロール状に捲回して、温度50℃、相対湿度90%の高温高湿環境下で96時間静置したのち、ロールから感熱転写媒体1を繰り出した際のブロッキングの有無を、下記の基準で評価した。
○:全く問題なし。
前記各実施例、比較例で製造した感熱転写媒体1をロール状に捲回して、温度50℃、相対湿度90%の高温高湿環境下で96時間静置したのち、ロールから感熱転写媒体1を繰り出した際のブロッキングの有無を、下記の基準で評価した。
○:全く問題なし。
△:繰り出す際に剥離音がしたが、繰り出した後の感熱転写媒体1は使用可能であった。
×:ブロッキングにより、着色層4が背面側に接着して、感熱転写媒体1を正常に繰り出すことができなかった。
以上の結果を表1〜表3に示す。なお各表中の符号は下記のとおり。
×:ブロッキングにより、着色層4が背面側に接着して、感熱転写媒体1を正常に繰り出すことができなかった。
以上の結果を表1〜表3に示す。なお各表中の符号は下記のとおり。
TP:芳香族変成テルペン樹脂
ST:スチレン樹脂
RO:特殊ロジンエステル
またエポキシ樹脂の質量部の欄のカッコ内の数字は、第二着色層における、スチレン系樹脂1質量部あたり、または芳香族変成テルペン樹脂1質量部あたり(比較例5のみ)の、エポキシ樹脂の配合割合(質量部)を示す。
ST:スチレン樹脂
RO:特殊ロジンエステル
またエポキシ樹脂の質量部の欄のカッコ内の数字は、第二着色層における、スチレン系樹脂1質量部あたり、または芳香族変成テルペン樹脂1質量部あたり(比較例5のみ)の、エポキシ樹脂の配合割合(質量部)を示す。
さらに導電性カーボンブラックの欄の「質量%」は、導電性カーボンブラックとカーボンブラックLCFの総量中の、導電性カーボンブラックの配合割合を示す。
表1〜表3の実施例1〜7、比較例1〜5の結果より、着色層4を、第一および第二着色層6、7の2層構造とし、かつ第二着色層に、粘着付与剤としてのスチレン樹脂、エポキシ樹脂、EVA、および着色剤を含ませることにより、熱感度を適度に抑制して、フィルム系の被印字体に印字した際に尾引きや掠れ等の問題を生じることがなく印字の鮮明性に優れる上、貼り付きやブロッキングも生じにくい感熱転写媒体が得られることが判った。
また実施例1〜5の結果より、前記第二着色層における、スチレン系樹脂1質量部あたりのエポキシ樹脂の配合割合は、10質量部以上、26質量部以下であるのが好ましいことが判った。
さらに実施例1、6の結果より、着色剤としては導電性カーボンブラックを配合するのが好ましいこと、実施例1、7の結果より、第一着色層の粘着付与剤としてはテルペン系粘着付与剤が好ましいことが判った。
さらに実施例1、6の結果より、着色剤としては導電性カーボンブラックを配合するのが好ましいこと、実施例1、7の結果より、第一着色層の粘着付与剤としてはテルペン系粘着付与剤が好ましいことが判った。
1 感熱転写媒体
2 基材
3 剥離層
4 着色層
5 背面層
6 第一着色層
7 第二着色層
2 基材
3 剥離層
4 着色層
5 背面層
6 第一着色層
7 第二着色層
Claims (3)
- 基材上に、剥離層、第一着色層、および第二着色層をこの順に積層した感熱転写媒体であって、前記第一着色層は、テルペン系、ロジン系、合成石油樹脂(C5)系からなる群より選ばれた少なくとも1種の粘着付与剤、エチレン酢酸ビニル樹脂、および着色剤を少なくとも含み、かつ前記第二着色層は、少なくともスチレン系樹脂を含む粘着付与剤、エチレン酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、および着色剤を少なくとも含むことを特徴とする感熱転写媒体。
- 前記第二着色層におけるエポキシ樹脂の配合割合は、スチレン系樹脂1質量部あたり10質量部以上、26質量部以下である請求項1に記載の感熱転写媒体。
- 前記第二着色層は、着色剤として少なくとも導電性カーボンブラックを含む請求項1または2に記載の感熱転写媒体。
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JP2020001225A (ja) * | 2018-06-26 | 2020-01-09 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
-
2013
- 2013-01-17 JP JP2013006661A patent/JP2014136390A/ja active Pending
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