JPH07108797A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JPH07108797A
JPH07108797A JP5277329A JP27732993A JPH07108797A JP H07108797 A JPH07108797 A JP H07108797A JP 5277329 A JP5277329 A JP 5277329A JP 27732993 A JP27732993 A JP 27732993A JP H07108797 A JPH07108797 A JP H07108797A
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thermal transfer
heat
layer
transfer sheet
transferred
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JP5277329A
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Masafumi Hayashi
雅史 林
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱転写フィルムと被転写材とを仮接着し一体
化した、枚葉あるいは、ロール状の熱転写シートにおい
て、耐水性に優れた被転写材をもち、屋外での使用に適
する耐久性に優れた熱転写シートを提供する。 【構成】 基材フィルム10の一方の面に熱溶融性イン
キ層20を形成してなる熱転写フィルム1とプラスチッ
クを基材とする耐水性紙である被転写材2とを剥離でき
るように仮接着した熱転写シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写シートに係わ
り、更に、詳しくは熱溶融性インキ層を備えた熱転写フ
ィルムと、耐水性に優れた被転写体とが予め仮接着され
ている共巻き熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、サーマルプリンター、ファクシミ
リ等に用いる熱転写記録媒体は、基材フイルムの一方の
面に熱溶融性インキ層を設けた熱転写フィルムを使用さ
れている。これらの熱転写フィルムを用いて被転写シー
トに印字する場合は、ロール状態の熱転写フィルムと、
連続、又は枚葉の被転写材とを供給し、両者をプラテン
上で重ねた状態で、熱転写フィルムの背面からサーマル
ヘッドで加熱、印加して、熱溶融性インキ層を熱転写し
て、所望の画像を形成するものである。しかしながら、
これらの熱転写フィルムを、例えば従来の感熱記録紙の
みを、巻取あるいはシート形状で供給するファクシミリ
のプリンターに転用することは、該ファクシミリプリン
ターは、熱転写フィルムを供給する部位を備えていない
ため、使用することができなかった。上記のような問題
を解決するために、熱転写フイルムと被転写材とを、予
め仮接着した共巻き熱転写シートを、巻取り、あるいは
枚葉状でファクシミリ、プロッター、プリンター等の記
録紙を供給する方法が考案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
共巻き熱転写シートに用いる被転写材は、天然パルプを
主体とする紙が主体であり耐水性に劣るため水にぬれた
場合、パルプが膨潤して繊維の絡みがほぐれて紙が破れ
るというものであった。したがって、その印字物の用途
は屋内に限定されるという問題点があった。
【0004】本発明は、共巻き熱転写シートから得られ
た画像が屋外における、ポスター、のれん、垂れ幕等の
表示に用いられるように耐水性、耐久性のある共巻き熱
転写シートを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の共巻き熱転写シートは、基材フイルムの一
方の面に熱溶融性インキ層を設けた熱転写フィルムと剥
離できるように構成された被転写材とよりなる熱転写シ
ートにおいて、該被転写材が耐水性紙とするものであ
る。そして、熱溶融性インキ層と被転写材とのあいだに
仮接着剤層を設けるとともに、被転写材の熱転写フイル
ムとの貼合面に熱溶融性インキの受容層を設けるもので
ある。
【0006】
【作用】共巻き熱転写シートの被転写材に耐水性紙を用
いることにより、該耐水性紙は、屋外における雨水、日
光等により伸び縮みもなく、また強度の低下もなく安定
しているので、その面に形成した画像は耐候性、耐久性
があるように働くものである。
【0007】本発明の熱転写シートは、図1、図2及び
図3の概念図に示すとおりのものである。すなわち、図
1に示すとおり基材フイルム10に熱溶融性インキ層2
0を設けた熱転写フィルム1と、被転写材2が剥離でき
るように仮接着した共巻き熱転写シートである。上記の
熱転写フィルム1は、基材フィルム10上に色材とバイ
ンダーとよりなる熱溶融性インキ層20が形成されたも
のである。図2に示すものは、本発明の熱転写シートの
応用例であり、熱溶融性インキ層20と被転写材2との
間には仮接着剤層30が形成されたものである。また、
図3に示すものも応用例であり、基材フイルムにスリッ
プ層40、及びマット層11を設け、被転写材2に熱溶
融性インキの受容層25を設けたものである。
【0008】本発明で用いられる耐水性紙は、水に浸漬
された場合でも、伸縮あるいは溶解・分離して破れない
ものがよく、プラスチックを基材としたシート状のもの
が好ましい。例えば、次のような合成紙またはシートが
使用される。 王子油化合成紙(株) ユポ、ユポコート 日清紡(株) ピーチコート 阿波製紙(株) アルト 阿波製紙(株) ピュアリー 三井ゼラバック(株) SWP 東洋紡(株) クリスパー Dupont社 タイベック 東海パルプ(株) イレブン タツノ化学(株) タフパー プラスチックシートとしては、ポリエステル、塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、
エチレン・アクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ
ー等の、透明あるいは着色不透明シートが使用される。
更に、耐水紙、及び、これらの貼合紙や布、並びに不織
布も使用することができる。これらのシートの厚さは、
その材質、製法によって異なるが25〜500μmのも
のが使用できる。
【0009】これらの、被転写材用の基材シートの熱溶
融性インキの受理性をよくするために受容層を設けるこ
とができる。受容層は耐水性に優れ、被転写材と熱溶融
性インキとの接着を強固にするものである。例えば、ポ
リエステル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、スチレ
ン・ブタジエンゴム、アクリロニトリルゴム、ポリビニ
ルアルコール、セルロース誘導体、ポリウレタン、ポリ
エチレンワックス、マレイン酸変性ロジン誘導体、エス
テルガム等が挙げられるがこれらに限定されるものでは
ない。そして、粉塵の付着を防止するために界面活性剤
等の添加剤により表裏面の帯電防止処理を必要に応じて
行うことや、表面光沢を改善する目的で、シリカ、酸化
チタン、炭酸カルシウム、クレー、アルミナ、カオリン
等の無機充填剤、アクリル樹脂粒子、メラミン樹脂粒
子、エポキシ樹脂粒子等の有機充填剤や、蛍光増白剤を
使用することもできる。これら、受容層の塗布は、その
塗布液の種類、状態、塗布量と、基材シートの物性とに
よって、通常の方法から選択できるものである。そし
て、グラビアコート、ロールコート、ナイフコート、ス
ライドコート等いずれの方法でもできる。また、塗布量
は、単なる接着の場合は塗布できる最低量でよいが、蛍
光性等の特性をもたせる場合は、必要に応じた量を塗布
する。通常は、0.5μm〜50μmである。
【0010】本発明の熱転写シートで用いられる基材フ
ィルムは、従来の熱転写フィルムに使用されているもの
と同じ材質のフィルムをそのまま用いることができ、特
に制限されるものではない。好ましい基材フィルムの具
体例は、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポ
リカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹
脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラスチックの延伸あ
るいは無延伸フイルムや、コンデンサー紙、パラフィン
紙等の紙類、不織布等であり、また、これらを複合した
ものであってもよい。この基材フィルムの厚さは、その
強度及び熱伝導性が適切になるよう材料に応じて適宜変
更することができるが、その厚さは、2〜25μmが好
ましく使用される。
【0011】基材フィルムの背面に、サーマルヘッドの
粘着を防止し、且つ、滑り性を良くするスリップ層を設
けることもできる。このスリップ層は、基本的には、耐
熱性のある樹脂と離型剤、又は滑剤の働きをする物質と
より構成するものである。耐熱性のある樹脂は、ガラス
転移点が60℃以上の合成樹脂、−OH基、又は−CO
OH基をもつ熱可塑性樹脂にアミノ基を2個以上もつも
つ化合物、又は、ジイソシアネートもしくはトリイソシ
アネートを加えて架橋硬化させたものが好適である。離
型剤、及び滑剤は、ワックス類、高級脂肪酸のアミド、
エステル及び塩のように、加熱により溶融してその作用
をするものと、フッ素樹脂や無機粉末のように固体のま
まで作用するものとがある。
【0012】上記の基材フィルム上に設ける熱溶融性イ
ンキ層は、色材とワックス等の熱溶融性のバインダー及
びゴム弾性をもつ熱可塑性エラストマーとからなり、更
に必要に応じて種々の添加剤を加えたものである。色材
は、ブラックの単色印字用には、化学的に安定したカー
ボンブラックが好ましく、多色印字用には、シアン、マ
ゼンタ、イエロー等の色材のうち耐候性に優れたものを
使用してもよい。例えば、シアンは、シアニンブルー、
グリーンは、シアニングリーン、マゼンターは、キナク
リドンレッド、ウッチャングレッド、又は、ジアゾ成分
に次の基をもつ色材が耐候性に優れている。「−CO−
NH−CH5 、−SO2 N−(C2 5 )、−CF3
そして、イエローは、例えば、パーマネントイエロー
(Sulfamide Azo Yellow (CI
BA))等が挙げられる これらの色材の使用量は、そ
の種類、バインダー、設定する濃度によって決められる
ものであるが、一般的にはインキ層中で約5〜70重量
%の割合を占めるものである。
【0013】熱溶融性インキ層のバインダーは、ワック
スを主成分とし、その他ワックスと乾性油、ロジン誘導
体、鉱油、セルロース誘導体、及びゴムの誘導体等との
混合物が用いられる。代表的ワックスは、マイクロクリ
スタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワッ
クス等である。更に、フィッシャートロプシュワック
ス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨
ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャ
ンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワッ
クス、部分変性ワックス、高級脂肪酸エステル、高級脂
肪酸アミド等、種々の天然あるいは合成ワックスが用い
られる。又、エチレンー酢酸ビニル共重合体などの熱可
塑性樹脂を1種又は2種以上配合することもできる。本
発明では、上記熱溶融性インキ層内にゴム弾性をもつ熱
可塑性エラストマーを含ませることにより、熱溶融性イ
ンキ層と被転写材との仮接着性をもたせ、更に、熱溶融
性インキ層の凝集力を高くすることもできる。
【0014】これらゴム弾性をもつ熱可塑性エラストマ
ーは、ブタジエンゴム、スチレンーブタジエンゴム、ニ
トリルゴム、ニトリルーブタジエンゴム、アクリルゴム
等の合成ゴムや天然ゴム、又はエチレン・酢酸ビニル共
重合体がある。これらエラストマーは、熱溶融性インキ
層のワックスに対して1〜50重量%含ませることによ
り、仮接着性をもたせることができる。特に5〜40重
量%の範囲のものが良好な結果を示す。熱可塑性エラス
トマーの量が少ないと必要な接着性を示さず、印字不良
を発生しやすい。また、多すぎた場合は印字濃度を低下
させることがある。
【0015】上記ゴム弾性をもつ熱可塑性エラストマー
は、その引張強度(JIS K6301)が1Kg/c
2 以上100Kg/cm2 未満が好ましい。そして、
熱可塑性エラストマーの引張強度が1Kg/cm2 以下
及び100Kg/cm2 以上では印字品質が低下する。
更に、ゴム弾性を有する熱可塑性エラストマーのTgは
ー10℃から40℃の範囲のものが好ましい。Tgがー
10℃以下のものを用いると基材フィルムとの密着性が
強く印字後剥離しにくい。また、Tgが40℃以上のも
のを用いると被膜強度が弱くなり、非印字部においてイ
ンキ層が被転写材にとられて、地汚れを生じる等の問題
を発生する。
【0016】基材フィルム上に熱溶融性インキ層を形成
する方法は、上記のワックスを主体とするバインダーと
色材とを他の必要成分とともに溶融混練して熱溶融性イ
ンキを作成する。そして、このインキは加熱して、ホッ
トメルトコートすることにより塗布できる。しかし、塗
布量の均一化と、材料をより広く使用できる、より好ま
しい方法は、ワックスを主体とするバインダーをアルコ
ール等を含む水性媒体中に乳化、又は分散させたエマル
ジョンと、色材及び熱可塑性エラストマーの水性分散体
とを混合したエマルジョンインキを塗布、乾燥して形成
する方法である。熱溶融性インキ層の厚さは、通常1〜
20μmに設けることが好ましい。
【0017】また、上記の熱溶融性インキ層を形成する
に際しては、基材フィルム面に厚さ0.1〜10μm程
度のマット層を設けて、その上に熱溶融性インキ層を塗
布して構成した熱転写シートは、印字物にマット感を与
えることができる。
【0018】上記のマット層は、適当なバインダーとカ
ーボンブラック及び有機、又は無機の粒子よりなる塗布
液を基材フイルムの表面に塗布して形成する。バインダ
ーは、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹
脂、ポリアセタール系樹脂、セルロース系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等いずれのバインダーで
もよい。また、カーボンブラックは、導電性プラスチッ
クやプラスチックの帯電防止に従来より使用されている
いずれの導電性カーボンでも使用することができる。特
に好ましい例は、多孔性カーボンブラックであり、DB
P給油量が400ml/100g以上、好ましくは45
0〜600ml/100gのものである。例えば、ケッ
チェンブラックEC600JD等の名称で市場から入手
できるものが挙げられる。これらの多孔性導電性カーボ
ンを使用することによって少量で高い導電性をもたせる
ことができる。上記のマット層は、この導電性カーボン
を60重量%以下の量で用いるが、熱溶融性インキ層に
多孔性導電カーボンを使用すれば、更に少ない量で、良
好な結果をえることができる。また、マット剤に使用す
る粒子は、カーボンブラックの他にシリカ、アルミナ、
クレー、炭酸カルシゥム等の無機の粒子や、アクリル樹
脂粒子、エポキシ樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾ
グアナミン樹脂粒子等のプラスチックフィラー等を任意
に使用できる。上記のマット剤はマット層の30重量%
以下、好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは、1
0〜20重量%の量で使用する。導電性マット層を形成
する上記の材料を、アセトン、メチルエチルケトン、ト
ルエン、キシレン等の中から選定した適当な溶剤に溶
解、又は分散させ、必要に応じてポリイソシアネート等
の架橋剤を加えて塗布液を調製する。この塗布液をグラ
ビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーコート等
の慣用の塗布方法により設けることができる。上記の帯
電防止層の表面電気抵抗値は、1×109 Ω(25℃、
50%RH)以下になることが好ましい。この結果、印
字後の熱転写シートを剥離する際、静電気による貼り付
きを防ぐことができる。更に、熱転写フィルムと被転写
材とを貼合わせる工程において、帯電を防止することが
できる。
【0019】本発明において仮接着剤層は、必要に応じ
て設けられるものであり、上記熱転写フィルムと被転写
材とを仮接着させるものである。そしてその材料は、ガ
ラス転移温度の低い粘着性樹脂とワックスとから構成さ
れる。この仮接着層の接着力(g)は、25mm(幅)
×55mm(長さ)のサンプルを切り取り、表面性摩擦
測定機(HEIDONー17、新東科学製)にて180
0mm/min.の引っ張り速度で測定した際に300
〜2000gの範囲のものが好ましい。接着力が上記の
範囲以下である場合は、熱転写シートと被転写材との接
着が弱く、両者が剥離し易く、貼合された状態の熱転写
シートに皺が入り易い。また、接着力が上記の範囲を越
えると、接着は十分ではあるが、非印字部においてもイ
ンキ層が被転写材に転写され易く、被転写材の地汚れが
発生する。
【0020】上記の粘着性樹脂のガラス転移温度は、ー
90℃〜ー50℃の範囲であることが好ましく、このよ
うな粘着性樹脂の例はゴム系の粘着性樹脂、アクリル系
の粘着性樹脂及びシリコーン系の粘着性樹脂などがあ
り、形態的には有機溶剤の溶液型、水溶液型、ホットメ
ルト型、水性又は油性エマルジョン型等、いずれのもの
も使用することができる。上記の粘着性樹脂を単独で使
用する場合は、優れた粘着性が得られるが、被転写材の
剥離性が不十分、且つ不均一であり、製造、保管、輸送
時などにおける、熱転写前に衝撃的な力が加わった場
合、熱転写シートの熱溶融性インキ層が、被転写材に転
写され地汚れを起こすという問題がある。又、熱転写時
にはインキ層の膜切れが悪く、例えば、サーマルヘッド
による熱印加領域の周辺にまで、インキ層が転写し、転
写画像の解像性が劣ることとなる。これらの問題は、上
記の粘着性樹脂と、熱溶融性インキ層に使用したワック
スとを混合することにより、粘着性を好ましい範囲に調
整することができ、上記の地汚れ問題が解決され、転写
画像の解像性を向上できるものである。そして、粘着性
樹脂とワックスとの重量比は、1:0.5〜4であるの
が好ましい。
【0021】上記の成分からなる仮接着剤層は、被転写
材の表面に設けてもよいが、このような場合、印字物に
粘着性が残ることがあるため、熱転写フィルムの熱溶融
性インキ層の表面に設けることが好ましい。この場合、
仮接着剤層組成物を水分散性のエマルジョンとして使用
することにより、熱溶融性インキ層を損なうこともなく
塗布することができる。エマルジョンの塗布方法や乾燥
方法は特に限定されるものではない。上記の仮接着剤層
の塗布量は、固形分で0.05〜5g/m2 が適当であ
る。
【0022】熱転写フィルムと被転写材との接着は、熱
転写フィルムの熱溶融性インキ層、もしくは仮接着剤層
に付与した接着性を利用して、巻取状で面接着あるいは
点接着で行う。そして、これはロール状に巻取られ、そ
の巻面は、被転写材を外側にしても、熱転写フィルムを
外側のいずれにしてもよい。更に、この巻取は使用する
プリンターに適合するように枚葉に断裁したり、必要巾
にスリッターし、ロール状にしたりして製品化されるも
のである。
【0023】
【実施例】次に図を参考にして、実施例及び比較例を挙
げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部又は
%とあるのは特に断りのない限り重量基準である。 〔実施例 1〕裏面にスリップ層40が設けられている
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
を基材フィルム10とし、その一方の面に、下記組成の
マット層用塗布液を0.5g/m2 (固形分)塗布し、
80〜90℃で乾燥してマット層11を設けた。更に、
その表面に下記の熱溶融性インキ組成物Bを固形分で4
g/m2 となるようにグラビアコーティングを行い、熱
溶融インキ層20を形成した。そして、上記インキ層面
に被転写材2として王子油化(株)製:合成紙『ユポF
PG−80』をニップ温度50℃、ニップ圧5Kg/c
2 で貼合して、本発明の熱転写シートAを得た。 「マット層用塗布液」 カーボンブラック 24部 ポリエステルワックス 16部 分散剤 1.5部 硬化剤 3部 MEK/トルエン(1/1) 60部 「熱溶融性インキ組成物 B」 カーボンブラック 15部 カルナバワックス 20部 パラフィンワックス 50部 エチレンー酢酸ビニル共重合体 15部
【0024】〔実施例 2〕実施例1で用いたポリエチ
レンテレフタレートフィルムを基材フィルムに、マット
層を設けずに、直接に設けた実施例1と同様の熱溶融性
インキ組成層20(固形分4g/m2 )の上に下記組成
の仮接着剤組成物をグラビアコート法で、乾燥時の塗工
量が0.5g/m2 となるように塗布して仮接着剤層3
0を設けた面に、被転写材2として王子油化(株)製合
成紙『ユポ FPG−80』をニップ温度50℃、ニッ
プ圧5Kg/cm2 で貼合して、本発明の熱転写シート
Aを得た。 「仮接着剤組成物」 アクリル樹脂エマルジョン 10部 カルナバワックスエマルジョン 20部 イソプロピルアルコール 60部 水 30部
【0025】〔実施例 3〕実施例2で用いた被転写材
ユポのかわりに、下記の被転写材を用いた以外は、実施
例2と同様の方法で熱転写シートAを得た。 「被転写材」基材シート21として、東レ(株)製ルミ
ラー100μmに下記組成の受容層25を、乾燥時の厚
さ20μmになるようにバーコートで塗布し、被転写材
2を作成した。 「受容層塗布液」 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 25.0部 シリカ 6.0部 蛍光増白剤 0.3部 メチルエチルケトン:トルエン=1:1 68.7部
【0026】〔実施例 4〕実施例1で用いた熱溶融性
インキ組成物Bのかわりに、下記の熱溶融性インキ組成
物Gを用いて熱転写フィルム1を形成した以外は、実施
例1と同様の方法で熱転写シートAを得た。 「熱転写フィルム」裏面にスリップ層40が設けられて
いる基材フイルム10の表面に下記の熱溶融性インキ組
成物Gを固形分で4g/m2 となるようにグラビアコー
ティングを行い熱溶融インキ層20を形成した。 「熱溶融性インキ組成物 G」 銅フタロシアニングリーン 15部 カルナバワックス 20部 パラフィンワックス 50部 エチレンー酢酸ビニル共重合体 15部
【0027】〔実施例 5〕実施例1で用いた熱溶融性
インキ組成物Bのかわりに、下記の熱溶融性インキ組成
物Rを用いた以外は、実施例1と同様の方法で熱転写シ
ートAを得た。 「熱転写フィルム」裏面にスリップ層40が設けられて
いる基材フイルム10の表面に下記の熱溶融性インキ組
成物Rを固形分で4g/m2 となるようにグラビアコー
ティングを行い、熱溶融インキ層20を形成した。 「熱溶融性インキ組成物 R」 ウオッチャング レッド Mn 15部 カルナバワックス 20部 パラフィンワックス 50部 エチレンー酢酸ビニル共重合体 15部
【0028】〔実施例 6〕実施例1で用いた熱溶融性
インキ組成物Bのかわりに、下記の熱溶融性インキ組成
物Cを用いた以外は、実施例1と同様の方法で熱転写シ
ートAを得た。 「熱転写フィルム」裏面にスリップ層40が設けられて
いる基材フイルム10の表面に下記の熱溶融性インキ組
成物Cを固形分で4g/m2 となるようにグラビアコー
ティングを行い、熱溶融インキ層20を形成した。 「熱溶融性インキ組成物 C」 フタロシアニンブルー 15部 カルナバワックス 20部 パラフィンワックス 50部 エチレンー酢酸ビニル共重合体 15部
【0029】〔比較例〕実施例2で用いた被転写材ユポ
のかわりに、被転写材21として、十条製紙(株)製熱
転写紙TRW−1(66.3 g/m2 )を用いた以外は
実施例2と同様の方法で熱転写シートAを得た。
【0030】これらの熱転写シートをファクシミリプリ
ンターにセットして、25℃、50%RHの環境下で
0.3mJ/dotのエネルギーをサーマルヘッドに与
えて印字後、被転写材を剥離することによって被転写材
面に所望の画像を形成して、印字品質、耐水性及び耐候
性の評価を行った結果を表1に示す。 評価方法 印字品質:25℃、50%RHの環境下でファクシミリ
プリンターで印字後、その品質を目視で評価。 耐水性 :印字した試料を25℃の水に24時間浸漬
後、印字状態及び紙の状態の変化を目視で評価。 耐候性 :印字した試料を1ケ月屋外暴露を行い、印字
状態及び紙の変化を目視で評価。
【0031】
【表1】 評価基準 ◎ :画像が極めて鮮明である。 ○ :画像、被転写材とも殆ど変化なし。 × :被転写材が散逸し、画像が認められず。
【0032】
【効果】本発明は、以上説明したようにプラスチックよ
り形成される耐水性紙を被転写材として、熱溶融インキ
層に熱可塑性エラストマーを含ませることで、該熱溶融
性インキ層と被転写材との仮接着が安定し、鮮明な画像
を印字できるとともに、屋外に暴露しても変化のない耐
久性がある画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共巻き熱転写シートの断面の概念図で
ある。
【図2】本発明の共巻き熱転写シートに仮接着層を設け
た応用例の断面の概念図である。
【図3】本発明の共巻き熱転写シートの熱転写フィルム
にマット層、被転写材に受容層を設けた応用例の断面の
概念図である。
【符号の説明】 熱転写シート 1 熱転写フィルム 2 被転写材 10 基材フィルム 11 マット層 15 受容層 20 熱溶融性インキ層 21 基材シート 25 受容層 30 仮接着剤層 40 スリップ層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フイルムの一方の面に熱溶融性イン
    キ層を設けた熱転写フィルムと、剥離できるように構成
    された被転写材とよりなる熱転写シートにおいて、該被
    転写材が耐水性紙であることを特徴とする熱転写シー
    ト。
  2. 【請求項2】 熱溶融性インキ層と被転写材とのあいだ
    に仮接着剤層を設けたことを特徴とする請求項1記載の
    熱転写シート。
  3. 【請求項3】 被転写材の熱転写フイルムとの貼合面に
    熱溶融性インキの受容層を設けたことを特徴とする請求
    項1又は2記載の熱転写シート。
JP5277329A 1993-10-12 1993-10-12 熱転写シート Pending JPH07108797A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0999658A (ja) * 1995-10-06 1997-04-15 Dainippon Printing Co Ltd 一体型熱転写シートおよび熱転写用受像紙
JPH09295460A (ja) * 1996-04-30 1997-11-18 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート用インキ組成物及び熱転写シート
EP1125900A1 (en) 2000-02-10 2001-08-22 Sony Corporation Glass panel for cathode ray tube, cathode ray tube employing this glass panel and method for producing cathode ray tube
US6607999B2 (en) 2000-02-17 2003-08-19 Hoya Corporation Glass for cathode-ray tube, strengthened glass, method for the production thereof and use thereof

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