JP2000144019A - 耐チッピング性に優れた高硬度、高耐食性塗装鋼板 - Google Patents

耐チッピング性に優れた高硬度、高耐食性塗装鋼板

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JP2000144019A
JP2000144019A JP31558398A JP31558398A JP2000144019A JP 2000144019 A JP2000144019 A JP 2000144019A JP 31558398 A JP31558398 A JP 31558398A JP 31558398 A JP31558398 A JP 31558398A JP 2000144019 A JP2000144019 A JP 2000144019A
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Tomonori Kaga
友規 加賀
Nobuzo Tamura
暢三 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、耐チッピング性に優れかつ高硬
度、耐汚染性、高視感反射性に優れ、しかも過酷な腐食
環境下でも耐蝕性のある塗装鋼板を提供すること。 【解決手段】 鋼板の少なくとも片面上に、下層として
塗膜Tgが40℃以下を有する有機被覆塗膜2μm以上
を形成し、中間層として塗膜Tgが20〜60℃を有す
る有機被覆塗膜2μm以上を、さらに上層として鉛筆硬
度6H以上を有する有機被覆塗膜5μm以上を有するこ
とを特徴とする耐チッピング性に優れた高硬度、高耐食
性塗装鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルの内装板
や外装建材に好適な耐チッピング性に優れた高硬度、高
耐食性塗装鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車車体等の上塗塗料に対して
は、耐すり傷性や耐摩耗性と耐チッピング性の要求が特
に高まっている。一方、交通量の急激な増加に伴って、
道路整備の必要性が年々高まり、トンネル内の安全性と
快適性というニーズに的確に応えるためのトンネルの内
装板等においても、塗膜が路上の砂、小石などのはね
(チッピング)によって塗膜が損傷を受けることで、そ
こから素地金属が錆びることなく、高い視感反射率、優
れた洗浄回復性を発揮する特殊塗料が要求されている。
【0003】これらのトンネル内装板として塗膜に種々
の特性を付与させることによって使用されている。例え
ば、特公平7−94638号公報のように耐チッピング
塗料組成物としてポリエステル樹脂とシクロヘキサン環
を有する脂肪族ポリエステル樹脂と硬化剤および溶剤の
混合物を用いた塗料や、特開平8−165452号公報
のようにラクトン変性水酸基含有ポリエステル樹脂と特
定のオニウム塩と特定の架橋剤による上塗塗料により、
特に耐チッピング性、耐スリ傷性および耐摩耗性を改善
した上塗塗料組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような、塗料
組成物が開示されているが、高い視感反射率、優れた洗
浄回復性はあるものの、いずれも過酷な腐食環境下であ
る、例えば道路の凍結防止のための塩化物を散布したト
ンネル内等では耐食性が充分でなかった。すなわち、塗
膜が路上の砂、小石などのハネ(チッピング)によって
塗膜が損傷を受けると、そこを起点として素地金属が錆
びる問題があった。そこで、本発明は耐チッピング性に
優れ、その結果として過酷な腐食環境下でも耐食性が充
分に優れ、かつ高硬度、耐汚染性、高視感反射率にも優
れた塗装鋼板を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成する本
発明の塗装鋼板は、鋼板の少なくとも片面上に、下層と
して塗膜Tgが40℃以下を有する有機被覆塗膜2μm
以上を形成し、中間層として塗膜Tgが20〜60℃を
有する有機被覆塗膜2μm以上を、さらに上層として鉛
筆硬度6H以上を有する有機被覆塗膜5μm以上を有す
ることを特徴とする耐チッピング性に優れた高硬度、高
耐食性塗装鋼板にある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面に従っ
て詳細に説明する。図1は本発明に係る塗装鋼板の断面
図を示す図である。図1に示すように、本発明の塗装鋼
板に用いる母材の鋼板1は、ステンレス鋼板、溶融亜鉛
めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板、
溶融アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム板等を適用
するのが好ましい。また、鋼板1の少なくとも片面に、
通常はまず化成処理層2を設ける。化成処理層2として
は、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、複合酸化皮膜処
理等であり、これを単独または組み合わせる。これらの
条件は適宜選択すれば良い。また、用途によっては化成
処理層がなくとも良い。
【0007】次いで、下層3としては、塗膜のガラス転
移点温度Tgが40℃以下、好ましくは20〜40℃を
有する有機被覆塗膜、例えばポリエステル樹脂塗膜、エ
ポキシ樹脂塗膜、およびポリウレタン樹脂塗膜など2μ
m以上、好ましくは10〜20μmを形成する。図2は
下塗りの塗膜のガラス転移点温度TgとT−CCT評点
との関係を示す図である。T−CCT評点とは、トンネ
ルの内装板の耐食性を評価するテストで、チッピングを
想定し、デュポン衝撃を与えたサンプルを特殊CCTで
腐食させ、発錆したデュポン衝撃ランクで、耐食性能を
評価する。すなわち、試験条件としては、35℃10%
CaCl2 ,0.02%H2 SO3 、4時間の溶液噴霧
→60℃、湿度25%の8時間乾燥→40℃、湿度95
%、4時間の湿潤→再度60℃、湿度25%の8時間乾
燥を繰り返し7サイクル実施する。その結果、発錆があ
ったデュポン衝撃ランクにより表1に示す耐食評点を付
した。
【0008】
【表1】
【0009】図2に示すように、下塗りのTgが低い
程、中塗りの塗料を変えてみた場合にT−CCTの良好
のことが判る。しかも下塗り塗料としてはガラス転移点
温度Tgが40℃以下を有する樹脂を使用する必要のあ
ることを示している。すなわち、ガラス転移点温度Tg
が40℃を超えると良好な柔軟性が得られず耐食性が劣
る。従って、下塗り塗料のガラス転移点温度Tgを40
℃以下とした。さらにその塗膜は2μm以上、好ましく
は10〜20μmを形成する必要がある。2μm未満で
は耐食性を維持することが出来ない。この塗料に使用す
る樹脂としては、ポリエステル樹脂塗膜、エポキシ樹脂
塗膜、およびポリウレタン樹脂塗膜などが好ましい。
【0010】中間層4としては塗膜Tg20〜60℃、
好ましくは20〜40℃を有する樹脂塗膜2μm以上、
好ましくは10〜25μmを形成する。図3は中間層と
しての中塗りの塗膜のガラス転移点温度TgとT−CC
T評点との関係を示す図である。図3に示すように、各
種の下塗り塗料を用いて中塗りの塗膜Tgを調べた結
果、中塗りの塗膜Tgも低い程、T−CCT評点の良好
なことが確認された。Tgが60℃以下で良好な柔軟性
と耐食性が得られる。しかし、ガラス転移点温度Tgが
20℃未満では中塗りの塗膜としては柔らか過ぎて硬度
が得られない。従って、中塗りの塗料のガラス転移点温
度Tgを20〜60℃とした。さらにその塗膜は2μm
以上、好ましくは10〜25μmを形成する必要があ
る。2μm未満では耐食性を維持することが出来ない。
このようにT−CCTにおいては、下塗り、中塗りの効
果が大きく、Tgが低く、加工性の良い柔軟な塗膜を使
用することにより、T−CCT性能、すなわち、耐食性
能を向上させることが出来る。
【0011】上層5としては、鉛筆硬度6H以上の高硬
度を有する樹脂塗膜5μm以上、好ましくは10〜30
μmを形成する。図4はブラシ洗浄サイクリ数と上層の
膜厚減量との関係を示す図である。この図に示すように
鉛筆硬度5H以下ではブラシ洗浄によって膜厚減量は極
めて大きくトンネル内での洗浄による膜厚減量により、
上層を保持することが出来ない。従って、上層の硬さは
鉛筆硬度6H以上が必要である。また、この上塗りとし
ては上層膜厚5μm未満ではブラシ洗浄による膜厚減量
により高耐汚染性のある上層塗膜を保持するには不充分
である。
【0012】
【実施例】本発明の塗装鋼板の実施例によって具体的に
説明する。原板としては、ステンレス鋼板YUS220
を用い、アルカリ脱脂後にクロメート処理を施した。次
に下層としてガラス転移点温度Tg25℃のポリエステ
ル系の高分子樹脂塗膜13μmを用い、中間層としては
Tg27℃のアクリル系樹脂塗膜20μmを用い、上層
としては鉛筆硬度6Hのアクリル系樹脂塗膜を14μm
を形成させた。
【0013】次に、以下の耐チッピング後の耐食性評価
試験を行った。ポンチ径3.2mmデュポン衝撃試験を
用いて、500gのおもりを表1に示すように25mm
から500mmまで、25mm間隔の高さから各々落と
し、塗装面に衝撃を与えた。全部で7水準の衝撃を与え
たことになる。その後複合サイクル試験の条件として、
前述したように、35℃10%CaCl2 、0.02%
2 SO3 、4時間の溶液噴霧→60℃、湿度25%の
8時間乾燥→40℃、湿度95%、4時間の湿潤→再度
60℃、湿度25%の8時間乾燥を繰り返し7サイクル
実施した。その評価として、○印は発錆なし、×印は発
錆ありで耐食性を試験した結果、6〜7点と良好な耐食
性評価を得ることが出来た。また、その他として、視感
反射率85以上、付着性は碁盤目試験にて剥離なし、不
燃材基準に合格する優れたトンネル内装板を得ることが
出来た。
【0014】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によりトンネ
ル内装板は、優れた耐食性能と汚染回復性能を発揮し、
安全性、メンテナンスの簡易性を有する極めて優れた効
果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗装鋼板の断面図を示す図であ
る。
【図2】下塗りの塗膜のガラス転移点温度TgとT−C
CT評点との関係を示す図である。
【図3】中間層としての中塗りの塗膜のガラス転移点温
度TgとT−CCT評点との関係を示す図である。
【図4】ブラシ洗浄サイクル数と上層の膜厚減量との関
係を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 化成処理層 3 下層 4 中間層 5 上層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/00 C09D 163/00 167/00 167/00 175/04 175/04 183/04 183/04 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA04 CA33 CA34 DA06 DB02 DC01 EB22 EB33 EB35 EB38 EB43 4F100 AB03A AB04 AK01B AK01C AK01D AK25C AK25D AK41B AK41C AK41D AK51B AK51C AK51D AK52D AK53B AK53C AK53D BA04 BA05 BA10A BA10D BA25B BA25C BA25D CC00B CC00C CC00D EH46B EH46C EH46D GB07 GB08 JA05B JA05C JB02 JK12 JK12D JK14 YY00B YY00C YY00D 4J038 DB001 DD001 DG001 EA011 MA13 NA03 NA11 PA07 PC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の少なくとも片面上に、下層として
    塗膜Tgが40℃以下を有する有機被覆塗膜2μm以上
    を形成し、中間層として塗膜Tgが20〜60℃を有す
    る有機被覆塗膜2μm以上を、さらに上層として鉛筆硬
    度6H以上を有する有機被覆塗膜5μm以上を有するこ
    とを特徴とする耐チッピング性に優れた高硬度、高耐食
    性塗装鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼板の少なくとも片面上に、下層として
    塗膜Tgが20〜40℃を有する有機被覆塗膜10〜2
    0μmを形成し、中間層として塗膜Tgが20〜40℃
    を有する有機被覆塗膜10〜25μmを、さらに上層と
    して鉛筆硬度6H以上を有する有機被覆塗膜10〜30
    μmを有することを特徴とする耐チッピング性に優れた
    高硬度、高耐食性塗装鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の下層としての塗
    膜がポリエステル樹脂塗膜、エポキシ樹脂塗膜、および
    ポリウレタン樹脂塗膜であることを特徴とする耐チッピ
    ング性に優れた高硬度、高耐食性塗装鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の中間層としての
    塗膜がポリエステル樹脂塗膜、エポキシ樹脂塗膜、ポリ
    ウレタン樹脂塗膜、およびアクリル樹脂塗膜であること
    を特徴とする耐チッピング性に優れた高硬度、高耐食性
    塗装鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の上層としての塗
    膜がポリエステル樹脂塗膜、エポキシ樹脂塗膜、ポリウ
    レタン樹脂塗膜、アクリル樹脂塗膜、およびシリコン樹
    脂塗膜であることを特徴とする耐チッピング性に優れた
    高硬度、高耐食性塗装鋼板。
JP31558398A 1998-11-06 1998-11-06 耐チッピング性に優れた高硬度、高耐食性塗装鋼板 Withdrawn JP2000144019A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100773603B1 (ko) * 2000-12-29 2007-11-08 주식회사 케이씨씨 강관피복용 복층 분체도막
JP5975197B1 (ja) * 2015-04-28 2016-08-23 新日鐵住金株式会社 プレコート金属板

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100773603B1 (ko) * 2000-12-29 2007-11-08 주식회사 케이씨씨 강관피복용 복층 분체도막
JP5975197B1 (ja) * 2015-04-28 2016-08-23 新日鐵住金株式会社 プレコート金属板
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