JP3144433B2 - 対候性塗膜及びそれを形成したアルミニウムホイール - Google Patents

対候性塗膜及びそれを形成したアルミニウムホイール

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム又はその
合金からなる自動車用のアルミニウムホイール上に形成
する耐候性塗膜、及びかかる耐候性塗膜を形成してなる
アルミニウムホイールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
のホイールは、従来からスチールで形成されているが、
最近になって自動車重量の低減及び外観や意匠性の向上
を目的として、アルミニウム製のホイールを装着する割
合が益々増大してきている。アルミニウムホイールの場
合、その耐性や耐腐食性等を改善するために、表面に
塗装を施すのが普通である。
【0003】アルミニウムホイールの耐性塗装は種々
の方法で形成することができるが、塗膜表面の平坦度及
び透明性を向上するために、従来は有機溶剤を用いるい
わゆる溶剤型塗料により塗膜形成を行っていた。しかし
ながら、近年の環境問題の深刻化にともなって、有機溶
剤の排出規制が厳しくなってきており、従来の溶剤型塗
料の使用が困難になってきた。
【0004】このような状況下において、アルミニウム
ホイールの塗装として粉体塗装が注目され、特に米国に
おいて塗装方法の主流となってきた。米国においては、
粉体塗装用塗料として、トリグリシジルイソシアヌレー
ト系ポリエステルのようなポリエステル樹脂粉末が広く
使用されている。
【0005】しかしながら、最近アルミニウムホイール
の塗装に関して、耐腐食性、耐性、塗装性等の要求レ
ベルが益々高くなり、上記ポリエステル系粉体塗料では
これらの要求を十分に満たすことができないことがわか
った。
【0006】中でもいわゆるメタリック塗装の場合、塗
膜中にアルミニウムの微粉末が含まれるため変色が起き
やすく、ソリッドカラーに比べて耐候性に劣るという問
題がある。そこで、メタリック塗装の場合でも、良好な
耐候性を示すようなアルミニウムホイール用塗膜が望ま
れている。
【0007】従って本発明の目的は、溶剤系塗料を使用
することなくアルミニウムホイール上に形成した、優れ
た耐腐食性、耐候性、塗装性等を有するメタリック塗膜
を提供することである。
【0008】本発明のもう1つの目的は、優れた耐腐食
性、耐候性等を有するメタリック塗膜を形成したアルミ
ニウムホイールを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、エポキシポリエステル系粉体塗料
よりプライマーコートを形成するアルミニウムホイール
の塗膜において、アクリルハイソリッドメタリック塗料
からなるベースコート層の上にアクリルハイソリッド塗
料からなるクリアコート層を形成することにより、上記
要求を満たすことができることを発見し、本発明を完成
した。
【0010】すなわち、本発明のアルミニウムホイール
の耐候性塗膜は、 (a) アルミニウムホイール上に形成されたエポキシポリ
エステル系ハイブリッド粉体塗料からなるプライマー層
と、 (b) 前記プライマー層上に形成されたアクリルハイソリ
ッドメタリック塗料からなるベースコート層と、 (c) 前記ベースコート層上に形成されたアクリルハイソ
リッド塗料からなるクリアコート層とを有することを特
徴とする。
【0011】本発明の塗膜の層構成及びその形成方法に
ついて説明する。
【0012】[1] 下地処理 本発明の塗膜を形成する前に、アルミニウムホイール
アルカリ脱脂、及び化成処理を施す。化成処理として
は、クロメート処理をするのが好ましい。クロメート処
理は、クロム酸と、硫酸、硝酸、フッ化水素酸、燐酸等
の無機酸と、適当な添加剤とを含有する水溶液を用いて
行うことができる。クロメート処理の方法は、2通りに
大別することができる。すなわち、第一の方法は無機酸
として燐酸を用いる燐酸クロメート処理法であり、第二
の方法は燐酸以外の酸を用いるクロミウムクロメート処
理法である。いずれの方法も、アルミニウムホイール
クロメート処理液に浸漬するか、処理液をスプレーする
ことにより行うことができる。クロメート処理により得
られる化成皮膜は、3mg/m2 以上、好ましくは5〜20
mg/m2 の付着量を有する。
【0013】化成皮膜を施したアルミニウムホイール
次いで水洗するが、洗浄水として脱イオン水を用いるの
が好ましい。
【0014】[2]プライマー層 プライマー用塗料としては、エポキシポリエステル系ハ
イブリッド粉体塗料を用いる。エポキシポリエステル系
ハイブリッド粉体塗料としては、例えばH.Bフュラー
社のIF2506等が好ましい。
【0015】プライマー層用塗料の粉体塗装は静電塗装
法により行う。アルミニウムホイール上に付着したエポ
キシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料は、150 〜20
0 ℃で10〜40分間焼付る。このようにして得られるプラ
イマー層の厚さは、一般に20〜40μm程度である。
【0016】[3]ベースコート層 ベースコート層を形成する塗料は、例えばアルミニウム
の微粉末を含有するアクリルハイソリッドメタリック塗
料である。この塗料中の樹脂成分は、メラミンを架橋剤
とした硬化性アクリル樹脂を主成分とするものである。
また、アルミニウム微粉末としては、平均径が5〜15
μm程度の鱗片状のものが好ましい。
【0017】アクリルハイソリッドメタリック塗料中の
樹脂固形分の濃度は一般に40〜50重量%程度であ
り、またアルミニウムハイソリッドメタリック塗料から
なる塗膜の焼付温度は120〜140℃程度である。ベ
ースコート層の厚さは10〜30μm程度であるのが好
ましい。
【0018】[4]クリアコート層 ベースコート層上に塗布するクリアコート用塗料は、ア
クリルハイソリッド塗料である。このアクリルハイソリ
ッド塗料の樹脂分としては、メラミンを架橋剤とした硬
化性アクリル樹脂を使用することができる。
【0019】このアクリルハイソリッド塗料の固形分濃
度は一般に40〜50重量%程度であり、焼付温度は1
30〜180℃程度である。クリアコート層の厚さは2
0〜50μm程度であるのが好ましい。
【0020】なお、アクリルハイソリッド系塗料からな
るクリアコート層の塗膜は、塗膜密着性及び塗装性を向
上するために、硬化後に比較的低い硬度を示すものでな
ければならない。好ましい塗膜硬度は鉛筆硬度テストで
測定したときにF以上、特に1H〜2H程度である。塗
膜硬度がFより低い場合は、塗膜の耐スクラッチ性が十
分でない。一方、塗膜硬度が3Hより高い場合、良好な
塗装性が得られない。また同時に膜厚は20μm以上で
なければならない。膜厚が20μmを満たさない場合、
耐酸性試験で塗膜の軟化、しみ等を生じる。
【0021】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例によりさらに詳
細に説明する。
【0022】実施例1 アルミニウム板(125mm×75mm×0.7mm)
をアルカリ脱脂した後、水洗し、クロミウムクロメート
処理(5〜20mg/m程度)を施し、さらに純水で
水洗し、乾燥した。このアルミニウム板に、プライマー
用にエポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料(I
F2506、H.Bフューラー社製)を塗布し、190
℃で10分間焼付け、厚さ40μmのプライマー層を得
た。その後空研ぎをせずに、アルミニウム微粉末(平均
径10μm)を含有し、樹脂固形分が50重量%のアク
リルハイソリッドメタリック塗料(W48848、PP
G社製)を塗布し、140℃で20分間焼付し、厚さ2
0μmのベースコート層を得た。
【0023】次いで、その上に樹脂固形分が50重量%
のアクリルハイソリッドクリア塗料(W48970、P
PG社製)を塗布し、厚さ40μmのクリアコート層を
得た。このようにして得られた塗膜(全厚さ100μ
m)の層構成を表1に示す。また、各試験片に対して以
下のテストを行った。
【0024】(1)鉛筆硬度試験 各試験片の塗膜を種々の硬度の鉛筆でスクラッチするこ
とにより、塗膜硬度を測定した。
【0025】(2)塗膜厚さ 各試験片の塗膜の厚さを、高周波膜厚計により測定し
た。
【0026】(3)密着性試験 各試験片の塗膜に、カッターにより1mmの間隔で縦横
10本ずつの切れ目を入れ、その上にセロハンテープを
貼付してはがし、100個のます目のうちの残存したま
す目をカウントした(碁盤目試験)。
【0027】(4)温水浸漬試験 各試験片を60℃の温水中に72時間浸漬した後、24
時間放置し、次いで上記(3)と同じ碁盤目試験を行っ
た。
【0028】(5)塩水噴霧試験 各試験片の表面をカッターナイフによりクロスカット
し、5重量%のNaCl水溶液を用いて、35℃で12
00時間塩水噴霧を行い、24時間放置後カット部の周
辺2mm以内における腐食の度合いを測定した。 ○:異常なし。 ×:塗膜のふくれ、錆等の異常を認める。
【0029】(6)耐性試験 各試験片に対して、サンシャインウエザオメータにより
600時間暴露試験を行った。その後、50℃、相対湿
度98%において240時間保持し、24時間放置した
後で、碁盤目試験(1mm×1mmの碁盤目100個)
を行い、各試験片について碁盤目の剥離及び変色を調べ
た。 ○:異常なし。 ×:外観に著しい変化を認める。
【0030】(7)糸錆試験 表面にクロスカットした各試験片に対して、5重量%の
NaCl水溶液を用いて35℃で24時間塩水噴霧を行
い、40℃で相対湿度82%に240時間保持するサイ
クルを3回繰り返し(全部で792時間)、上記(5)
と同様に腐食の度合いを調べた。 ○:異常なし。 ×:糸錆長さ2mmを超える。
【0031】(8)複合腐食試験 上記(5)と同じ塩水噴霧試験を4時間行い、60℃で
2時間乾燥し、50℃で相対湿度95%に2時間保持す
るサイクルを100繰り返した。その後24時放置して
から、腐食の度合いを測定した。 ○:異常なし。 ×:一般面及びエッジ部にふくれ及び錆を認めるか、ま
たはクロスカット部にふくれ及び錆が2mmを超える。
【0032】(9)熱サイクル試験 各試験片に対して、90℃で4時間、−40℃で1.5
時間、70℃、相対湿度95%で3時間、及び−40℃
で1.5時間からなるサイクルを2回繰り返し、その後
24時間放置した。その後碁盤目試験を行った。 ○:異常なし。 ×:外観に著しい変化を認めるか、または碁盤目試験結
果が80/100未満。
【0033】(10)耐衝撃性試験 各試験片を−40℃に保持した直後、30cm上方から
500gの錘を落下させ、塗膜の割れ、はがれを調べ
た。 ○:異常なし。 ×:塗膜の割れ、はがれあり。
【0034】(11)耐アルカリ性試験 各試験片上に5重量%のNaOH水溶液を滴下し、常温
にて4時間放置後塗膜表面の状態を評価した。 ○:異常なし ×:外観に変色、しみ、ふくれ、軟化等を認める。
【0035】(12)耐酸性 各試験片上に10重量%のHSO水溶液を滴下し、
常温にて24時間放置後塗膜表面の状態を評価した。 ○:異常なし ×:外観に変色、しみ、ふくれ、軟化等を認める。
【0036】以上の試験(1)〜(12)の結果を表2
に示す。
【0037】比較例1 実施例1と同様の処理を施したアルミニウム板に、プラ
イマー用塗料としてエポキシ系粉体塗料(153E13
6、グリデン社製)、ベース用塗料としてアクリルハイ
ソリッドメタリック塗料(W48848、PPG社製)
を塗布し、140℃で20分間焼付した。その後、静電
塗装法によりアクリル粉体クリヤー塗料(PC1010
3、PPG社製)を塗布し、170℃で20分間焼付し
た。得られた塗膜の層構成を表1に示す。また、試験
(1)〜(12)を行った結果を表2に示す。
【0038】比較例2 実施例1においてベースコート用塗料としてアルキッド
水性メタリック塗料(WPB−3813−1、スプレイ
ラット社製)を用い及びトップコート用塗料としてトリ
グリシジルイソシアヌレートポリエステル系粉体クリヤ
ー塗料(6C−105、グリデン社製)を用いた以外、
実施例1と同様にして、アルミニウム板上に塗膜を形成
した。得られた塗膜の層構成を表1に示す。また、試験
(1)〜(12)を行った結果を表2に示す。
【0039】比較例3 比較例2においてトップコート用塗料としてトリグリシ
ジルイソシアヌレートポリエステル系粉体クリヤー塗料
(VP−184、フェロ社製)を用いた以外、比較例2
と同様にして、アルミニウム板上に塗膜を形成した。得
られた塗膜の層構成を表1に示す。また、試験(1)〜
(12)を行った結果を表2に示す。
【0040】比較例4 比較例3においてベースコート用塗料としてアルキッド
水性メタリック塗料(WPB−3813−1、スプレイ
ラット社製)及びトップコート層としてアクリルハイソ
リッドクリヤー塗料(W48970、PPG社製)を用
いた以外、比較例3と同様にして、アルミニウム板上に
塗膜を形成した。得られた塗膜の層構成を表1に示す。
また、試験(1)〜(12)を行った結果を表2に示
す。
【0041】 表1層 構 成 実施例1 プライマー層 エポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料(1) ベースコート層 アクリルハイソリッドメタリック塗料(2) クリアコート層 アクリルハイソリッドクリヤー塗料(3) 比較例1 プライマー層 エポキシ系粉体塗料(4) ベースコート層 アクリルハイソリッドメタリック塗料(2) トップコート層 アクリル粉体クリヤー塗料(5) 比較例2 プライマー層 エポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料(1) ベースコート層 アルキッド水性メタリック塗料(6) トップコート層 TGICポリエステル系粉体クリヤー塗料(7) 比較例3 プライマー層 エポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料(1) ベースコート層 アルキッド水性メタリック塗料(6) トップコート層 TGICポリエステル系粉体クリヤー塗料(8) 比較例4 プライマー層 エポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料(1) ベースコート層 アルキッド水性メタリック塗料(6) トップコート層 アクリルハイソリッドクリヤー塗料(3) 注:(1)IR2506、H.B.フューラー社製 (2)W48848、PPG社製 (3)W48970、PPG社製 (4)153E136、グリデン社製 (5)PC10103、PPG社製 (6)WPB−3813−1、スプレイラット社製 (7)6C−105、グリデン社製 (8)VP−184、フェロ社製
【0042】
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のアルミニ
ウムホイールの耐候性塗膜は、耐腐食性、耐候性、塗装
性等に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−281009(JP,A) 特開 昭62−45382(JP,A) 特開 平5−202319(JP,A) 特開 平5−209140(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/38 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムホイールの耐候性塗膜にお
    いて、前記耐候性塗膜が、(a) アルミニウムホイール
    に形成されたエポキシポリエステル系ハイブリッド粉体
    塗料からなるプライマー層と、(b) 前記プライマー層上
    に形成されたアクリルハイソリッドメタリック塗料から
    なるベースコート層と、(c) 前記ベースコート層上に形
    成されたアクリルハイソリッド塗料からなるクリアコー
    ト層とを有することを特徴とする耐候性塗膜。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアルミニウムホイール
    の耐候性塗膜において、前記アクリルハイソリッドメタ
    リック塗料は、アクリルメラミン系樹脂をベースとする
    ことを特徴とする耐候性塗膜。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のアルミニウムホ
    イールの耐候性塗膜において、前記アクリルハイソリッ
    ド塗料は、アクリルメラミン系樹脂をベースとすること
    を特徴とする耐候性塗膜。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の耐候
    性塗膜を形成してなるアルミニウムホイール
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