JP4764616B2 - 旧塗膜の補修塗装方法 - Google Patents

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本発明は、道路や、橋梁、トンネル等の各種鋼構造物や、プラント、船舶等に塗装され、長期間暴露された、即ち、日光や風雨に曝された塩化ゴム系等の熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜表面の補修塗装方法に関するものである。
従来、屋外の鋼構造物には、その防食や美観対策として、耐水性や耐候性がよく、かつ速乾性で厚膜塗装も可能な、熱可塑性樹脂を結合剤とする塩化ゴム系塗料やビニル系塗料が広く塗装されている。
長期間暴露され、劣化した塩化ゴム系旧塗膜やビニル系旧塗膜等を補修する場合、旧塗膜の劣化していない部分(活膜部)は活かし、劣化している部分(死膜部)は、ケレンにより取り除く、いわゆる3種ケレンを行った後、補修塗料で劣化部を補修し、更に、全面を塗装する補修方法が多用されている。この場合、塩化ゴム系旧塗膜や、ビニル系旧塗膜等は、本質的に架橋成分を持たない熱可塑性樹脂を結合剤としているので、塩化ゴム系塗膜や、ビニル系塗膜等の表面に補修塗料としてエポキシ樹脂系塗料や、ウレタン樹脂系塗料等を塗装すると、補修塗料中の溶剤により塩化ゴム系旧塗膜や、ビニル系旧塗膜等が、一部溶解又は膨潤したり、溶剤の揮発後、塩化ゴム系旧塗膜や、ビニル系旧塗膜等が収縮し、それが原因で補修塗膜にチヂミや、クラック、ハガレ等がしばしば発生する問題があった。
また、耐候性や、耐火性などに優れた無機質系塗料を補修塗料として使用する場合(例えば、特許文献1参照)、無機質系塗膜は柔軟性がないため、被塗物の温冷繰り返し作用による塩化ゴム系旧塗膜やビニル系旧塗膜の膨張、収縮に追従しにくく、無機質系塗膜にクラックが生じやすい問題点があった。
従って、従来は熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜を補修する場合は、旧塗膜表面を同系統の塗料で部分補修又は全面補修するか、あるいは旧塗膜を全面剥離した後、被塗物表面を新規の塗装系で全面塗装している。しかしながら、前者の場合には、その耐久性が短期間であるという問題があり、後者の場合には、多くの工数とコストがかかる問題があった。
特開2000−334375号公報
本発明は、塩化ゴム系旧塗膜やビニル系旧塗膜等を剥離することなく、その上にチヂミや、クラック、ハガレ等の生じない補修塗装が可能で、かつ厚膜型塗料や仕上げ塗料が塗装可能な、旧塗膜の補修塗装方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決するために、鋭意研究を行った結果、熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜の表面を、必要に応じて目荒らしした後、伸び率3〜200%、膜厚50〜300μmの塗膜を形成する下塗塗料を塗装し、次いで、伸び率2〜200%、膜厚200〜2000μmの塗膜を形成する厚膜型塗料を塗装することにより、チヂミや、クラック、ハガレ等が生じにくく、かつ長期耐久性に優れる補修塗膜の形成が可能となるとの知見を得た。本発明は、かかる知見に基づき完成したものである。
本発明の熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜の補修塗装方法により、柔軟性又は内部応力緩和を有する下塗塗料と厚膜型塗料を使用して、チヂミや、クラック、ハガレ等の発生しない補修塗膜を形成することが可能である。
また、厚膜型塗料を使用することにより、長期の耐久性を向上することが出来る。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明が適用される熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜は、塩化ゴム系や、ビニル系などから構成されている。塩化ゴム系旧塗膜を構成する塩化ゴム系塗膜は、JIS K 5639で規定されている塩化ゴムや、塩素化ポリオレフィンなどの塩素化樹脂、あるいはこれらの樹脂にアルキド樹脂やアクリル樹脂などを併用させた樹脂を結合剤とする塗料から形成された旧塗膜である。ビニル系旧塗膜を構成するビニル系塗膜は、例えば、JIS K 5581で規定されているポリ塩化ビニルを主成分とする塗料から形成される旧塗膜である。
なお、本発明が適用される旧塗膜の活膜部は、付着性試験(JIS K 5600−5−7)において、1.0MPa以上の付着力を有する部分であり、死膜部は、それ以下の付着力を有する部分であり、従って、補修する場合には、死膜部は、旧塗膜からケレンにより除去するのが望ましい。
次に、本発明に使用される補修塗料について説明する。
本発明に使用する下塗塗料は、被塗物や旧塗膜の膨張、収縮に追従し、旧塗膜のチヂミや、クラック等に追従する必要があるため、塗膜の伸び率が、3〜200%、好ましくは、50〜100%、乾燥膜厚が、50〜300μm、好ましくは、100〜300μmの塗膜を形成することが必要である。
なお、塗膜の伸び率は、例えば、引張り強度試験器(島津製作所製のオートグラフAG2000B)で測定した破断伸び率として表すことができる。
下塗塗膜の伸び率が3%より小さいと、被塗物や、旧塗膜の膨張、収縮に追従しにくく、後にクラックや割れの原因となり、200%を越えると、塗膜の架橋密度が小さくなり溶剤の浸透性が大きくなり、チヂミの原因となる。また、下塗塗膜の膜厚が50μmより小さいと、耐久性(防食性)が悪くなり、300μmを越えると、乾燥性や、作業性、付着性が悪くなる。
このような下塗塗料に使用される塗膜形成樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂系や、ウレタン樹脂系、油変性アルキド樹脂等が好適に挙げられる。特に、エポキシ樹脂系又はウレタン樹脂系は、旧塗膜との密着性が優れているため好ましい。
エポキシ樹脂系の合成樹脂でも、柔軟性に優れたものが好ましく、例えば、市販品としては、例えば、東レチオコール(株)製の「FLEP−50」や「FLEP−60」、旭電化工業(株)製のアデカレジン「EPU−4−75」などが好適に挙げられる。また、そのエポキシ樹脂の硬化剤としては、代表的なものとして、脂肪族ポリアミンや、芳香族ポリアミン、脂環式ポリアミン、ポリアミドアミン化合物、及び、これらの変性物等の公知のエポキシ樹脂硬化剤である。具体的には、三和化学工業(株)製の「サンマイド308D−65」や、「サンマイド301D」、「サンマイドi−544」などが好適に挙げられる。
ウレタン樹脂系の合成樹脂としては、柔軟性に優れたものが好ましく、例えば、市販品として、主剤として、大日本インキ化学工業(株)製の「アクリディックA−801」などのアクリルポリオールや、ハリマ化成(株)の「ハリポールF−209」などのポリエステルポリオール、その硬化剤として旭化成工業(株)製の「デュラネートE−405−80T」や「デュラネートE−402−90T」などが好適に挙げられる。
本発明に使用される下塗塗料には、塗膜形成樹脂とともに、溶剤及び、必要に応じて配合される着色顔料や体質顔料、防錆顔料などの顔料、充填剤、硬化剤、更には硬化促進剤や湿潤剤、分散剤、増粘剤などの各種添加剤等から構成される。
下塗塗料に配合される溶剤は、使用する合成樹脂を溶解又は膨潤しない溶剤である。溶剤が、旧塗膜を溶解するか又は膨潤するかを評価する場合には、例えば、旧塗膜に対して、使用しようとする溶剤を指先に付着させ、その指を旧塗膜に接触させることにより、評価することができる。例えば、旧塗膜と接触した時に、指先が旧塗膜に付着すれば、その溶剤は旧塗膜を溶解するものと評価することができる。また、旧塗膜と接触した時に、指先が旧塗膜に付着することはないが、旧塗膜に指の後が残れば、その溶剤は旧塗膜を膨潤するものと評価することができる。このような溶剤は、旧塗膜に使用される熱可塑性樹脂の種類に応じて当業者には容易に選択することができる。
旧塗膜が塩化ゴム系又はビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から構成されている場合には、例えば、ミネラルスピリットや、ナフサ、石油ベンジン等の弱溶剤や水が代表的なものとして挙げられる。
例えば、ミネラルスピリットは、塩化ゴムに対しては、溶解も膨潤もしない溶剤である。また、キシレンは、塩化ゴムに対しては、溶解及び膨潤させる溶剤である。更に、イソブチルアルコールは、塩化ゴムに対して、溶解はしないが、膨潤させる溶剤である。
なお、上記溶剤の他に、エステル系溶剤や、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等の強溶剤を、旧塗膜が溶解又は膨潤しない程度の量であれば、弱溶剤や水とともに、併用することができる。強溶剤の量は、例えば、15質量%以下、好ましくは、10質量%以下で使用することが適当である。
本発明において使用する下塗塗料は、特に顔料として鱗片状顔料を含有することが好ましい。鱗片状顔料は、後述する下塗塗膜の上に塗装される厚膜型塗料を塗装した際、厚膜型塗料中の溶剤の浸透を遮断し、旧塗膜まで含浸するのを防止するとともに、被塗物や旧塗膜の膨張、収縮の動きを緩和させ、厚膜塗膜への収縮等の動きの伝播を少なくし、塗膜に対するクラックの発生を防止するために配合するものである。
鱗片状顔料の大きさは、前述の効果を発揮するとともに、その強度、塗装作業性等を考慮して、通常、その平均厚さが0.3〜10μm、好ましくは、2〜8μmであり、平均長径(面方向の最大長さ)が、例えば、1〜1700μm、好ましくは、2〜500μmであることが適当である。鱗片状顔料としては、鱗片状酸化鉄(MIO)や、鱗片状タルク、ガラスフレークなどが好適に挙げられる。
下塗塗料に任意に配合される顔料は、下塗塗膜の厚膜化や、着色、防食性向上等のために配合される。具体的には、二酸化チタンや、酸化鉄、カーボンブラック等の着色顔料、シリカや、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの体質顔料、リン酸亜鉛や、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ハイドロカルマイト等の防錆顔料が代表的なものとして挙げられる。本発明で使用される下塗塗料は、塗料固形分中、結合剤(硬化剤を使用する場合には、硬化剤も含む)、通常、20〜80質量%、好ましくは、30〜60質量%、顔料1〜50質量%、好ましくは、5〜40質量%、このうち鱗片状顔料としては、5〜50質量%、好ましくは、10〜40質量%含むことが適当である。
本発明において、下塗塗膜を形成した後、その上に塗装される厚膜型塗料は、下塗塗膜の膨張や収縮に追従する必要があるため、伸び率が、2〜200%、好ましくは、5〜100%、乾燥膜厚が、200〜2000μm、好ましくは、200〜1500μmの塗膜を形成することが必要である。
厚膜型塗膜の伸び率が2%より小さいと、下塗塗膜の伸びに追従しにくく、後にクラックや割れの原因となり、200%を越えると、塗膜の架橋密度が小さくなり、溶剤の浸透性が大きくなり、チヂミの原因となる。また、厚膜型塗膜の膜厚が200μmより小さいと、耐久性(防食性)が悪くなり、2000μmを越えると、乾燥性や、作業性、付着性が悪くなる。
このような厚膜型塗料に使用される塗膜形成樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、ビニル樹脂系、ポリエステル樹脂系、フッ素樹脂系、無機質系などが好適に挙げられる。
本発明で使用される厚膜型塗料は、上記塗膜形成樹脂とともに、溶剤や、必要に応じて配合される顔料、充填剤、硬化剤、更には、硬化促進剤や、湿潤剤、分散剤、増粘剤などの各種添加剤等から構成される。必要に応じて配合される顔料等の添加剤は、上記下塗塗料に関連して説明したものと同様のものが好適に使用することができる。
厚膜型塗料に配合される溶剤は、旧塗膜に直接接触しないので、弱溶剤や水以外に、通常塗料用に使用されるエステル系溶剤や、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤等の強溶剤も使用可能である。
厚膜型塗料は、塗料固形分中、結合剤(硬化剤を使用する場合には、硬化剤も含む)、通常、20〜80質量%、好ましくは、30〜60質量%、顔料、1〜50質量%、好ましくは、5〜30質量%含むことが適当である。
次に、本発明の旧塗膜の補修塗装方法について説明する。
まず、旧塗膜に発錆や、フクレ、割れといった劣化部がある場合や、旧塗膜の付着力が著しく低くなっている劣化部(死膜部)は、ケレンにより除去する。表面にチョーキングが発生している場合、あるいは旧塗膜表面に汚物が付着している場合は、予めサンドペーパーなどにより研磨処理等による目荒らしすることが好ましい。このようにして表面処理した旧塗膜表面に前述の下塗塗料を、スプレー塗装や、ローラー塗装、ハケ塗装等の手段により、乾燥膜厚50〜300μmになるように塗装し、自然乾燥させ、下塗塗膜を形成する。
次いで、厚膜型塗料を下塗塗膜表面に、スプレー塗装や、ローラー塗装、ハケ塗装等の手段により、膜厚200〜2000μmになるように塗装し、自然乾燥させ、厚膜塗膜を形成する。
(実施例)
以下、本発明について、更に実施例により説明する。なお、実施例中の「部」や、「%」は、特に断らない限り質量基準で示す。
補修塗料の下塗塗料、厚膜型塗料の配合
実施例で用いた下塗塗料及び厚膜型塗料の組成を表−1に示す。また、比較例で用いた塗料の配合を、表−2に示す。




表−1
(単位:部)
Figure 0004764616

表−2
(単位:部)
Figure 0004764616
1)東レチオコール(株)製、FLEP−50(エポキシ当量330、固形分100%)
2)旭電化工業(株)製、アデカレジンEPU−4−75(エポキシ当量600、固形分75%)
3)東レチオコール(株)製、FLEP−60(エポキシ当量280、固形分100%)
4)ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート1001×75(エポキシ当量475、固形分75%)
5)ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828(エポキシ当量190、固形分100%)
6)大日本インキ化学工業(株)製、アクリディックA−801(OH価50、固形分
50%)
7)三和化学工業(株)製、サンマイド308D−65(活性水素当量177、固形分
65%)
8)三和化学工業(株)製、サンマイド301D(活性水素当量380、固形分100%)
9)三和化学工業(株)製、サンマイドi−544(活性水素当量112、固形分100%)
10)旭化成工業(株)製、デュラネートE−405−80T(NCO含有量7.1%、固形分80%)
試験片の作製
実施例及び比較例について、#240サンドペーパーで研磨した1L丸缶の内外面に、エポキシ樹脂系下塗塗料(大日本塗料(株)製「エポオール♯40下塗」)、塩化ゴム中塗塗料(大日本塗料(株)製「ラバータイト♯100中塗」)、塩化ゴム上塗塗料(大日本塗料(株)製「ラバータイト♯100上塗」)を23℃、相対湿度50%の恒温室にて24時間間隔で順次塗り重ね、1週間同室にて乾燥させた後、50℃で5日間強制乾燥し、更に[−20℃×2時間]→[50℃×2時間](移行時間:各1時間、4サイクル/1日)の冷熱サイクル試験を100サイクルしたものを旧塗膜の試験片とした。
該旧塗膜の試験片を#240サンドペーパーで研磨した後、上記各下塗塗料(A〜H)を乾燥膜厚が所定になるように刷毛塗りし、室温23℃、相対湿度50%の恒温室で2日間自然乾燥させた。次いで上記各厚膜型塗料(A〜C)を乾燥膜厚が所定になるように刷毛塗りをし、同室にて2日間乾燥させた。その後仕上げ塗料の必要なものについては、中塗塗料を乾燥膜厚30μmになるように刷毛塗りし、1日間自然乾燥させ、その上に上塗塗料を乾燥膜厚30μmになるように刷毛塗りし、1日間自然乾燥させた。これを更に、室温23℃、相対湿度50%の恒温室にて1週間養生させ、試験片とした。
各試験片に使用した下塗塗料、厚膜型塗料、及び、仕上げ塗料である中塗塗料や上塗塗料の組み合わせと、塗膜の伸び率、膜厚を、表−3に示す。





















表−3
Figure 0004764616
12)比較例1は、下塗塗膜の上に、厚膜型塗料を塗装せずに、中塗塗料(大日本塗料(株)製、VトップH中塗、膜厚30μm、伸び率1%)と、更に上塗塗料(大日本塗料(株)製、VトップH上塗、膜厚30μm、伸び率3%)を塗装したものを用いた。
冷熱サイクル試験
得られた試験片を、[−20℃×2時間]→[50℃×2時間](移行時間:各1時間、4サイクル/1日)の冷熱サイクル試験を行い、試験片の塗膜にクラックやワレが生じるまでのサイクル数を測定した。
各実施例及び比較例について、冷熱サイクル試験の結果を、表−4に示す。









表−4
Figure 0004764616
表−4より明らかな通り、熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜表面に、補修塗装として柔軟性又は内部応力緩和を有する下塗塗料と厚膜型塗料を使用することにより、チヂミやクラック、ハガレ等が発生しにくい補修塗膜を形成することが可能である。
本発明の旧塗膜の補修塗装方法により、熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜表面に、柔軟性又は内部応力緩和を有する下塗塗料と厚膜型塗料を塗装することにより、チヂミやクラック、ハガレ等の発生しない補修塗膜を形成することが可能である。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜の表面に、該旧塗膜を溶解又は膨潤しない溶剤を含有し、かつ、伸び率3〜200%、乾燥膜厚50〜300μmの塗膜を形成する下塗塗料を塗装し、次いで、伸び率40〜200%、乾燥膜厚1000〜2000μmの塗膜を形成する厚膜型塗料を塗装することのみからなり、前記下塗塗料及び厚膜型塗料が、塗膜形成樹脂として、エポキシ樹脂を含有することを特徴とする、旧塗膜の補修塗装方法。
  2. 熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜の表面に、該旧塗膜を溶解又は膨潤しない溶剤を含有し、かつ、伸び率10〜100%、乾燥膜厚100〜300μmの塗膜を形成する下塗塗料を塗装し、次いで、伸び率40〜200%、乾燥膜厚1000〜1500μmの塗膜を形成する厚膜型塗料を塗装することのみからなり、前記下塗塗料及び厚膜型塗料が、塗膜形成樹脂として、エポキシ樹脂を含有することを特徴とする、旧塗膜の補修塗装方法。
  3. 前記下塗塗料が、鱗片状顔料を含有する、請求項1又は2に記載の旧塗膜の補修塗装方法。
  4. 前記鱗片状顔料が、鱗片状酸化鉄(MIO)、鱗片状タルク、又はガラスフレークである、請求項1〜のいずれかに記載の旧塗膜の補修塗装方法。
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