JP5534890B2 - 塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な塗装方法に関するものである。
建築物の壁や屋根、あるいは土木構造物の表面等において、汚れ防止機能、大気浄化機能等を発揮させること目的として、光触媒活性を有する材料を用いることが提案されている。例えば、特開平10−251558号公報(特許文献1)には、下地処理を施した基材に、加水分解性ケイ素化合物または溶剤可溶性フッ素樹脂と、光触媒活性を有する酸化チタン等を含む塗料を塗付し、塗膜を形成することが記載されている。また、特開平10−265713号公報(特許文献2)には、アルコキシル基含有樹脂成分と、光触媒活性を有する粉末等を含有する塗料組成物を用いることが記載されている。
特開平10−251558号公報 特開平10−265713号公報
しかしながら、上記特許文献に記載されるような材料で形成された光触媒塗膜においては、経時的に割れが生じたり、光沢が低下するといった不具合が生じやすい傾向がある。また、塗装対象となる基材に対し、均一な塗膜を形成することが難しく、部分的にムラを生じるおそれがある。このような塗装ムラが生じた場合は、汚れ具合の状況にもムラが生じ、美観性を著しく損うこととなってしまう。
このような不具合が生じた光触媒塗膜に対しては、改装が必要となってくる。ところが、ただ単に一般的な被覆材で改装を行うのみでは、光触媒塗膜への密着性を十分に確保することが難しく、剥れ、膨れ等を生じるおそれがある。
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたもので、光触媒塗膜への密着性に優れた塗膜を形成することができ、光触媒塗膜の改装に適した塗装方法を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の官能基を有する結合材成分を含有する被覆材を用いること、さらには、光触媒塗膜における光触媒が光励起を生じる紫外ないし可視領域の光に対し、反射性または吸収性を有する塗膜を形成する被覆材を用いることに想到し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.基材上に設けられた既存塗膜に対し、被覆材を塗付して改装を行う塗装方法であって、
前記既存塗膜は、光触媒を含む光触媒塗膜であり、
前記被覆材は、
エポキシ基、アミノ基、及び加水分解性シリル基から選ばれる1種以上の官能基を有する結合材成分、並びに光反射性粉粒体を含有し、
前記光触媒塗膜における光触媒が光励起を生じる紫外ないし可視領域の光に対し、反射性または吸収性を有する塗膜を形成するものである
ことを特徴とする塗装方法。
2.基材上に設けられた既存塗膜に対し、2種以上の被覆材を塗付して改装を行う塗装方法であって、
前記既存塗膜は、光触媒を含む光触媒塗膜であり、
前記被覆材のうち、前記光触媒塗膜に接する第1被覆材は、
エポキシ基、アミノ基、及び加水分解性シリル基から選ばれる1種以上の官能基を有する結合材成分を含有するものであり、
前記第1被覆材の塗膜を介して、
光反射性粉粒体を含有し、前記光触媒塗膜における光触媒が光励起を生じる紫外ないし可視領域の光に対し、反射性または吸収性を有する塗膜を形成する第2被覆材を塗付する
ことを特徴とする塗装方法。
3.前記第1被覆材は、
光反射性粉粒体を含有し、前記光触媒塗膜における光触媒が光励起を生じる紫外ないし可視領域の光に対し、反射性または吸収性を有する塗膜を形成するものである2.記載の塗装方法。
4.前記光触媒塗膜に接する被覆材は、有機珪素化合物を含むものである1.〜3.のいずれかに記載の塗装方法。
5.前記光触媒塗膜に接する被覆材は、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、及びマンガンから選ばれる金属化合物を含むものである1.〜4.のいずれかに記載の塗装方法。
6.前記光触媒塗膜に接する被覆材は、ピペリジン化合物を含むものである1.〜5.のいずれかに記載の塗装方法。
7.前記光反射性粉粒体が、表面被覆処理を行ったものである1.〜6.のいずれかに記載の塗装方法。

本発明は、光触媒塗膜の改装に適した塗装方法である。本発明によれば、光触媒塗膜への密着性に優れた塗膜を形成することができる。
本発明で得られる塗膜の断面図である。 本発明で得られる塗膜の断面図である。 本発明で得られる塗膜の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、基材上に設けられた既存塗膜に対し、被覆材を塗付して改装を行う塗装方法に関するものである。
このうち、基材は、建築物、土木構造物等において使用可能なものであればよい。このような基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、スレート板、珪酸カルシウム板、ALC板、押出成型板、スレート瓦、セメント瓦、新生瓦、磁器タイル、サイディングボード、金属板、合板等が挙げられる。
本発明では、上記基材上に、既存塗膜として光触媒を含む光触媒塗膜を有するものを塗装対象とする。このような光触媒塗膜は、太陽光等の照射によって光励起を生じるものであればよい。具体的には、二酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化第二鉄、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン等の光触媒を有する塗膜が挙げられる。
上記既存塗膜に対し、本発明では特定の要素を具備する被覆材を塗付する。本発明における被覆材は、エポキシ基、アミノ基、及び加水分解性シリル基から選ばれる1種以上の官能基を有する結合材成分を含有し(以下「要素(A)」ともいう)、前記光触媒塗膜における光触媒が光励起を生じる紫外ないし可視領域の光に対し、反射性または吸収性を有する塗膜を形成する(以下「要素(B)」ともいう)ものである。
本発明では、このような被覆材を用いることにより、光触媒塗膜への密着性を十分に確保することができ、剥れ、膨れ等の発生を防止することが可能となる。この効果が奏される理由は明らかではないが、被覆材に含まれる上記特定官能基が、光触媒塗膜表面の親水性官能基等との相互作用によって密着性を高めること、さらには、被覆材の光遮断性能によって既存塗膜の光触媒作用が十分に抑制されることにより、長期にわたり密着性が保持されるものと考えられる。
要素(A)における結合材成分のうち、エポキシ基を有するものとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂等の各種エポキシ樹脂;グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が共重合されたビニル系樹脂;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等のエポキシ基含有化合物等が挙げられる。
結合材成分のうち、アミノ基を有するものとしては、例えば、脂肪族ジアミン類、アルキレンポリアミン類、ポリメチレンジアミン類、ポリアルキレンポリアミン類等のポリアミン;重合脂肪酸とポリアミンとの縮合反応生成物からなるポリアミドアミン;アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が共重合されたビニル系樹脂等が挙げられる。
結合材成分のうち、加水分解性シリル基を有するものとしては、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のアルコキシシラン類;イソシアネート官能性シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシラン等が共重合されたビニル系樹脂等が挙げられる。
被覆材中の結合材成分としては、上記官能基を1種以上含むものを使用するが、とりわけ2種以上含むものが好適である。この場合、上述のような成分を2種以上組み合わせて使用してもよいし、1分子中に上記官能基を2種以上含むものを使用することもできる。1分子中に上記官能基を2種以上含む化合物の具体例としては、例えば、アミノ基及び加水分解性シリル基を有する化合物、エポキシ基及び加水分解性シリル基を有する化合物等が使用できる。このうちアミノ基及び加水分解性シリル基を有する化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン等が挙げられる。エポキシ基及び加水分解性シリル基を有する化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルシラン等が挙げられる。
本発明における被覆材の要素(B)は、前記光触媒塗膜における光触媒が光励起を生じる紫外ないし可視領域の光に対し、反射性または吸収性を有する塗膜を形成することである。
既存塗膜における各種光触媒は、それぞれ固有の波長の光によって光励起を生じる特性を有している。本発明における被覆材は、このような波長の光に対し、反射性または吸収性を示すものであることが必要である。反射性、吸収性の程度は、既存塗膜における光触媒の光励起が抑制される範囲内で設定すればよい。具体的に、要素(B)を具備する被覆材は、光触媒が光励起を生じる波長領域において、光の透過率を低下させる塗膜が形成できるものであればよい。このような被覆材としては、光触媒が光励起を生じる波長領域における光の透過率が、当該波長領域全域において50%以下(好ましくは20%以下)であるものが好適である。この光の透過率は、分光光度計によって測定できる。
このような性能は、紫外ないし可視領域の光に対し反射性または吸収性を有する成分(例えば、粉粒体、結合材、添加剤等)を被覆材に含むことで付与することができる。本発明では、塗装対象となる既存塗膜における光触媒の種類等に応じて、このような成分を適宜選定すればよい。
上記性能を有する成分としては、光反射性粉粒体、光吸収性結合材、光吸収性添加剤等が好適である。このうち、光反射性粉粒体としては、例えば、アルミナ、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、リン酸亜鉛、雲母、寒水石、タルク、珪藻土、白土、カオリン、クレー、陶土、バライト粉、珪砂、珪石粉、ホワイトカーボン、金属粉、有機樹脂粉体等が挙げられる。このうち、酸化チタン等は元来光触媒活性を有するものであるが、表面被覆処理を行ったものであれば、被覆材における光反射性粉粒体として好適に使用できる。表面被覆処理は、公知の方法で行うことができる。具体的には、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア等による表面被覆処理が挙げられる。
光吸収性結合材としては、例えば、フェニル基、ベンゾフェノン基、ベンゾトリアゾール基、トリアジン基、シュウ酸アニリド基等の紫外線吸収基を有する樹脂等が使用できる。光吸収性添加剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤等が使用できる。
被覆材としては、少なくとも光反射性粉粒体を含有するものが好適である。具体的には、結合材成分及び光反射性粉粒体を含有し、結合材成分に対する光反射性粉粒体の固形分重量比率が100:10〜1000(好ましくは100:20〜500、より好ましくは100:30〜200)であるものが好適である。
本発明の具体的な態様を図示する。
図1は、基材4の上に形成された既存塗膜3に対し、要素(A)及び要素(B)を具備する第1被覆材11を塗付して塗膜を形成したものである。すなわち、第1被覆材11は、既存塗膜3に接するように塗付されている。この態様では、第1被覆材11が上記2つの要素を兼ね備えるため、1種の被覆材によって本発明の効果を得ることができる。また、図1の態様では、第1被覆材11の塗膜の上に、必要に応じ別の被覆材による塗膜を形成することもできる。
図2は、既存塗膜3に対し、要素(A)を具備する第1被覆材12を塗付して塗膜を形成した後、その上に、要素(B)を具備する第2被覆材21を塗付して塗膜を形成したものである。このような態様では、第1被覆材12は、既存塗膜3に接するように塗付される。なお、図2において、第2被覆材21は、第1被覆材12の塗膜に接するように塗付されているが、本発明の効果が損われなければ、第1被覆材12と第2被覆材21の間には別の被覆材による塗膜が介在していてもよい。
図3は、既存塗膜3に対し、要素(A)及び要素(B)を具備する第1被覆材11を塗付して塗膜を形成した後、その上に、要素(B)を具備する第2被覆材21を塗付して塗膜を形成したものである。図3の態様では、第1被覆材11と第2被覆材21がいずれも要素(B)を有することにより、本発明の効果をいっそう高めることができる。
本発明では、光触媒塗膜に接する被覆材(第1被覆材)として、有機珪素化合物を含むものが好適である。このような有機珪素化合物を含むことにより、既存塗膜に対する密着性をいっそう高めることが可能となる。この効果は、有機珪素化合物が、既存塗膜における光触媒の活性を抑えることにより奏されるものと考えられる。
有機珪素化合物としては、例えば、ポリシロキサン化合物が好適である。このようなポリシロキサン化合物は、(RSiO)で示される主鎖を有する(Rはアルキル基等の有機基)ものであり、具体的にはポリジメチルシロキサン化合物等が挙げられる。ポリシロキサン化合物は、結合材と化学的に結合したものであってもよい。
このような有機珪素化合物は、固形分重量比率において結合材:有機珪素化合物が、好ましくは100:0.1〜50(より好ましくは100:0.2〜30)となるように調製すればよい。
また、本発明では、光触媒塗膜に接する被覆材(第1被覆材)として、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、及びマンガンから選ばれる金属化合物を含むものも好適である。とりわけ、鉄、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる金属化合物を含むものが好適である。このような金属化合物を含むことにより、既存塗膜に対する密着性をいっそう高めることが可能となる。この効果についても、上記有機珪素化合物と同様に、金属化合物が光触媒の活性を抑えることにより奏されるものであると考えられる。
金属化合物としては、例えば、上記金属元素を含む塩化物、臭化物、酢酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩、硝酸塩、硝酸塩、硫酸塩等が使用できる。
このような金属化合物は、固形分重量比率において結合材:金属化合物が、好ましくは100:0.1〜10(より好ましくは100:0.2〜5)となるように調製すればよい。
また、本発明では、光触媒塗膜に接する被覆材(第1被覆材)として、ピペリジン化合物を含むものも好適である。このようなピペリジン化合物を含むことにより、既存塗膜に対する密着性をいっそう高めることが可能となる。この効果は、光触媒より生じるラジカルがピペリジン化合物によって捕捉されることにより奏されるものであると考えられる。
ピペリジン化合物としては、ピペリジル基を有する化合物が使用でき、具体的には、例えば、ビス(2,2,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。ピペリジン化合物は、結合材と化学的に結合したものであってもよい。
このようなピペリジン化合物は、固形分重量比率において結合材:ピペリジン化合物が、好ましくは100:0.1〜20(より好ましくは100:0.2〜5)となるように調製すればよい。
上記各被覆材は、本発明の効果が損われない限り、例えば顔料、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、撥水剤、架橋剤、酸化防止剤、触媒等を含むものであってもよい。
上記各被覆材を塗付する際には、スプレー塗り、刷毛塗り、ローラー塗り等の塗装手段を適宜採用することができる。被覆材の塗付け量は、本発明の効果が奏される範囲内で適宜設定すればよい。具体的には、被覆材の形態にもよるが、通常は0.1〜5kg/m程度である。被覆材の乾燥は、通常常温で行えばよい。
第1被覆材、第2被覆材を順に塗付する場合は、第1被覆材の乾燥後に第2被覆材を塗付すればよい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(実施例1)
既存塗膜としてアナターゼ酸化チタン含有光触媒塗膜(励起波長:200〜380nm)を有するスレート板を試験基材として用いた。この試験基材に対し、第1被覆材として、エポキシ樹脂60重量部、ポリアミン40重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部を含む被覆材を塗付け量0.2kg/mでスプレー塗りし、標準状態(温度23℃、相対湿度50%)にて2時間乾燥後、第2被覆材として、アクリル樹脂100重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部を含む被覆材を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗りし、標準状態で7日間養生することにより、試験体を作製した。なお、実施例1における第1被覆材、第2被覆材の光透過率(200〜380nmの全領域における光透過率。以下同様。)は、いずれも20%以下であった。
以上の方法で得られた試験体につき、促進耐候性試験機「アイスーパーUVテスター」(岩崎電気株式会社製)にて50時間曝露を行った後、クロスカット法(4×4mm・25マス)により、密着性を評価したところ、22/25となった。なお、この評価では、値が大きいほど密着性に優れていることを示している。
(実施例2)
実施例1と同様の試験基材に対し、第1被覆材として、アミノ基含有アクリル樹脂75重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン25重量部、アルミナ15重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン50重量部を含む被覆材を塗付け量0.2kg/mでスプレー塗りし、標準状態にて2時間乾燥後、第2被覆材として、アクリル樹脂100重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部を含む被覆材を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗りし、標準状態で7日間養生することにより、試験体を作製した。なお、実施例2における第1被覆材、第2被覆材の光透過率は、いずれも20%以下であった。
以上の方法で得られた試験体につき、実施例1と同様の試験を行ったところ、密着性の評価は、23/25となった。
(実施例3)
実施例1と同様の試験基材に対し、第1被覆材として、エポキシ樹脂60重量部、ポリアミン40重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部、ポリジメチルシロキサン化合物1重量部を含む被覆材を塗付け量0.2kg/mでスプレー塗りし、標準状態にて2時間乾燥後、第2被覆材として、アクリル樹脂100重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部を含む被覆材を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗りし、標準状態で7日間養生することにより、試験体を作製した。なお、実施例3における第1被覆材、第2被覆材の光透過率は、いずれも20%以下であった。
以上の方法で得られた試験体につき、実施例1と同様の試験を行ったところ、密着性の評価は、25/25となった。
(実施例4)
実施例1と同様の試験基材に対し、第1被覆材として、エポキシ樹脂60重量部、ポリアミン40重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部、硝酸アルミニウム3重量部を含む被覆材を塗付け量0.2kg/mでスプレー塗りし、標準状態にて2時間乾燥後、第2被覆材として、アクリル樹脂100重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部を含む被覆材を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗りし、標準状態で7日間養生することにより、試験体を作製した。なお、実施例4における第1被覆材、第2被覆材の光透過率は、いずれも20%以下であった。
以上の方法で得られた試験体につき、実施例1と同様の試験を行ったところ、密着性の評価は、24/25となった。
(実施例5)
実施例1と同様の試験基材に対し、第1被覆材として、エポキシ樹脂60重量部、ポリアミン40重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部、ピペリジン化合物(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート)2重量部を含む被覆材を塗付け量0.2kg/mでスプレー塗りし、標準状態にて2時間乾燥後、第2被覆材として、アクリル樹脂100重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部を含む被覆材を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗りし、標準状態で7日間養生することにより、試験体を作製した。なお、実施例5における第1被覆材、第2被覆材の光透過率は、いずれも20%以下であった。
以上の方法で得られた試験体につき、実施例1と同様の試験を行ったところ、密着性の評価は、24/25となった。
(実施例6)
実施例1と同様の試験基材に対し、第1被覆材として、エポキシ樹脂60重量部、ポリアミン40重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部を含む被覆材を塗付け量0.2kg/mでスプレー塗りし、標準状態にて2時間乾燥後、第2被覆材として、アクリル樹脂100重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤2重量部を含む被覆材を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗りし、標準状態で7日間養生することにより、試験体を作製した。なお、実施例6における第1被覆材、第2被覆材の光透過率は、いずれも20%以下であった。
以上の方法で得られた試験体につき、実施例1と同様の試験を行ったところ、密着性の評価は、23/25となった。
(実施例7)
実施例1と同様の試験基材に対し、第1被覆材として、エポキシ樹脂60重量部、ポリアミン40重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部、ピペリジン化合物(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート)2重量部を含む被覆材を塗付け量0.2kg/mでスプレー塗りし、標準状態にて2時間乾燥後、第2被覆材として、アクリル樹脂100重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤2重量部を含む被覆材を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗りし、標準状態で7日間養生することにより、試験体を作製した。なお、実施例7における第1被覆材、第2被覆材の光透過率は、いずれも20%以下であった。
以上の方法で得られた試験体につき、実施例1と同様の試験を行ったところ、密着性の評価は、25/25となった。
(実施例8)
実施例1と同様の試験基材に対し、第1被覆材として、エポキシ樹脂60重量部、ポリアミン40重量部を含む被覆材を塗付け量0.2kg/mでスプレー塗りし、標準状態にて2時間乾燥後、第2被覆材として、アクリル樹脂100重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部を含む被覆材を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗りし、標準状態で7日間養生することにより、試験体を作製した。なお、実施例8における第2被覆材の光透過率は20%以下であった。
以上の方法で得られた試験体につき、実施例1と同様の試験を行ったところ、密着性の評価は、21/25となった。
(実施例9)
実施例1と同様の試験基材に対し、第1被覆材として、エポキシ樹脂60重量部、ポリアミン40重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部を含む被覆材を塗付け量0.2kg/mでスプレー塗りし、標準状態にて2時間乾燥後、第2被覆材として、アクリル樹脂からなる被覆材を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗りし、標準状態で7日間養生することにより、試験体を作製した。なお、実施例9における第1被覆材の光透過率は20%以下であった。
以上の方法で得られた試験体につき、実施例1と同様の試験を行ったところ、密着性の評価は、20/25となった。
(比較例1)
実施例1と同様の試験基材に対し、第1被覆材として、カルボキシル基含有アクリル樹脂100重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部を含む被覆材を塗付け量0.2kg/mでスプレー塗りし、標準状態にて2時間乾燥後、第2被覆材として、アクリル樹脂100重量部、シリカ・アルミナ被覆ルチル型二酸化チタン60重量部を含む被覆材を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗りし、標準状態で7日間養生することにより、試験体を作製した。
以上の方法で得られた試験体につき、実施例1と同様の試験を行ったところ、密着性の評価は、2/25となった。
(比較例2)
実施例1と同様の試験基材に対し、第1被覆材として、エポキシ樹脂60重量部、ポリアミン40重量部を含む被覆材を塗付け量0.2kg/mでスプレー塗りし、標準状態にて2時間乾燥後、第2被覆材として、アクリル樹脂からなる被覆材を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗りし、標準状態で7日間養生することにより、試験体を作製した。
以上の方法で得られた試験体につき、実施例1と同様の試験を行ったところ、密着性の評価は、3/25となった。
1:第1被覆材
2:第2被覆材
3:既存塗膜
4:基材
11:要素(A)及び要素(B)を具備する第1被覆材
12:要素(A)を具備する第1被覆材
21:要素(B)を具備する第2被覆材

Claims (7)

  1. 基材上に設けられた既存塗膜に対し、被覆材を塗付して改装を行う塗装方法であって、
    前記既存塗膜は、光触媒を含む光触媒塗膜であり、
    前記被覆材は、
    エポキシ基、アミノ基、及び加水分解性シリル基から選ばれる1種以上の官能基を有する結合材成分、並びに光反射性粉粒体を含有し、
    前記光触媒塗膜における光触媒が光励起を生じる紫外ないし可視領域の光に対し、反射性または吸収性を有する塗膜を形成するものである
    ことを特徴とする塗装方法。
  2. 基材上に設けられた既存塗膜に対し、2種以上の被覆材を塗付して改装を行う塗装方法であって、
    前記既存塗膜は、光触媒を含む光触媒塗膜であり、
    前記被覆材のうち、前記光触媒塗膜に接する第1被覆材は、
    エポキシ基、アミノ基、及び加水分解性シリル基から選ばれる1種以上の官能基を有する結合材成分を含有するものであり、
    前記第1被覆材の塗膜を介して、
    光反射性粉粒体を含有し、前記光触媒塗膜における光触媒が光励起を生じる紫外ないし可視領域の光に対し、反射性または吸収性を有する塗膜を形成する第2被覆材を塗付する
    ことを特徴とする塗装方法。
  3. 前記第1被覆材は、
    光反射性粉粒体を含有し、前記光触媒塗膜における光触媒が光励起を生じる紫外ないし可視領域の光に対し、反射性または吸収性を有する塗膜を形成するものである請求項2記載の塗装方法。
  4. 前記光触媒塗膜に接する被覆材は、有機珪素化合物を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の塗装方法。
  5. 前記光触媒塗膜に接する被覆材は、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、及びマンガンから選ばれる金属化合物を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の塗装方法。
  6. 前記光触媒塗膜に接する被覆材は、ピペリジン化合物を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載の塗装方法。
  7. 前記光反射性粉粒体が、表面被覆処理を行ったものである請求項1〜6のいずれかに記載の塗装方法。

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