JP2000135007A - 乗用作業機 - Google Patents

乗用作業機

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JP2000135007A
JP2000135007A JP10310432A JP31043298A JP2000135007A JP 2000135007 A JP2000135007 A JP 2000135007A JP 10310432 A JP10310432 A JP 10310432A JP 31043298 A JP31043298 A JP 31043298A JP 2000135007 A JP2000135007 A JP 2000135007A
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JP
Japan
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brake
stop lever
main clutch
work machine
stop
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Application number
JP10310432A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Miki
三木  博幸
Tsuyoshi Inoue
強 井上
Kiwamu Fukunaga
究 福永
Takeo Kuboshita
竹男 久保下
Akihiro Sugioka
昭弘 杉岡
Shusaku Fujimoto
周作 藤本
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地上からの機体操縦中の機体停止を的確に行
うことができるとともに、搭乗操縦中は不用意に機体停
止を行うことなく主クラッチのみを切り操作することが
できるようにする。 【解決手段】 エンジン6とミッションケース7を連動
連結するベルト伝動装置8にベルトテンション式の主ク
ラッチ57を備え、この主クラッチ57を片当たり接当
によってクラッチ切り方向に操作する停止レバー62を
機体前部に装備するとともに、前記ベルト伝動装置8の
従動側プーリ52aに作用するブレーキ60を前記停止
レバー62に連動連結し、前記停止レバー62のクラッ
チ切り方向操作によって、前記主クラッチ57が切り操
作されるとともに前記ブレーキ60が制動操作されるよ
う構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機や乗用
水田直播機などの乗用作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用田植機においては、機体を圃場へ出
し入れしたり、トラックの荷台などへ積み降ろしする際
に、機体が大きく前後に傾斜することがあり、このよう
な場合には作業者が地上に降りて操縦することが望まし
い。このように作業者が地上から操縦する場合、機体を
地上から停止操作できるようにしておく必要がある。こ
のような要望に応える手段として、例えば、特許公報
第2574680号に示されているように、主クラッチ
ペダルと一体化した補助レバーを機体前部に設け、地上
からの操縦時にはこの補助レバーを用いて主クラッチを
入り切り操作できるようにした構造のものや、特開平
3‐246125公報に開示されているように、ダブル
テンション式の主クラッチを操作する主クラッチペダル
と、主クラッチが切られた従動側のプーリに作用するブ
レーキを連動し、ペダル操作やレバー操作によって主ク
ラッチを切ると、これに連動して従動側を制動する、い
わゆる主クラッチ・ブレーキ構造を採用したものが提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来手段による
と、搭乗操縦時には踏み込み操作で主クラッチを切り操
作し、地上からの操縦時には補助レバーの操作で主クラ
ッチを切って機体を停止させることができるのである
が、畦越え移動や、歩み板を用いて車両へ機体を積み降
ろし移動のように、傾斜面の移動を地上からの操縦で行
う場合には、主クラッチを切ることで機体が自重でズリ
落ち移動するおそれがあり、安全性の面で問題があっ
た。
【0004】これに対して主クラッチ・ブレーキ構造を
採用した上記従来手段は、主クラッチを切ると従動側
での制動が同時に働くので、機体のズリ落ち移動が発生
しないものとなり、安全性の面では優れているのである
が、操作性の点で多少不具合を生じることがあった。例
えば、搭乗しての走行中に走行用のギヤ変速のために主
クラッチを切ると、そのつど機体が停止してしまって、
次の機体発進にショックが発生することがあった。ま
た、機体を停止するために無造作に大きくペダルを踏み
込むと、急ブレーキが利いて機体が急停止してしまうこ
とになり、操作に注意が必要となるものであった。
【0005】本発明は、このような点に着目してなされ
たものであって、地上からの機体操縦中には機体停止を
的確に行うことができるとともに、搭乗操縦中は不用意
に機体停止を行うことなく主クラッチのみを切り操作す
ることができるようにすることを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔請求項1に係る発明の
構成、作用および効果〕
【0007】(構成) 請求項1に係る発明の乗用作業
機は、エンジンとミッションケースを連動連結するベル
ト伝動装置にベルトテンション式の主クラッチを備え、
この主クラッチを片当たり接当によってクラッチ切り方
向に操作する停止レバーを機体前部に装備するととも
に、前記ベルト伝動装置の従動側プーリに作用するブレ
ーキを前記停止レバーに連動連結し、前記停止レバーの
クラッチ切り方向操作によって、主クラッチが切り操作
されるとともに前記ブレーキが制動操作されるよう構成
してあることを特徴とする。
【0008】(作用) 上記構成によると、搭乗操縦時
には走行変速を行うために主クラッチを専用のペダルな
どで切り操作しても停止レバーは残ったままであり、主
クラッチのみが切られてブレーキが作動することはな
く、慣性走行状態のままでギヤシフトなどを行うことが
できる。なお、機体を停止する場合には、主クラッチの
切り操作と別途備えてある専用のブレーキペダルなどを
操作すればよい。また、地上からの操縦中に停止レバー
を機体停止操作すると、従動側プーリに制動がかけられ
るともに、主クラッチが片当たり操作によって切り操作
されることになり、機体は停止する。
【0009】(効果) 従って、請求項1に係る発明に
よれば、搭乗操縦時には主クラッチのみを切り操作し
て、走行用ギヤ変速などを円滑に行うことができるとと
もに、急速に主クラッチを切り操作しても機体が急停止
することはなく、別途備えたブレーキペダルとの併用に
よって任意に機体停止を行うことができる。また、地上
からの操縦時には停止レバー操作で主クラッチを切ると
ともに従動側プーリに制動をかけて機体を迅速に停止さ
せることができ、傾斜面の移動時においてもズリ落ち移
動なく的確に機体停止を行うことができる。
【0010】〔請求項2に係る発明の構成、作用および
効果〕
【0011】(構成) 請求項2に係る発明の乗用作業
機は、請求項1記載の発明において、前記ベルト伝動装
置がダブルテンション式の変速機能を備えるとともに、
前記ブレーキを、一対の従動側プーリのうちの径の大き
い従動側プーリに摩擦抵抗を付与するものに構成してあ
る。
【0012】(作用) 上記構成によると、径の大きい
従動側プーリの外周部近くに摩擦制動をかけることで、
比較的小さい摩擦抵抗でもって大きい制動トルクを発揮
させるブレーキを構成することができる。また、摩擦制
動をかけるのにブレーキパッドなどを従動側プーリの押
圧させる構造を採用すれば、比較的小さい押圧力で所望
の制動性能を得ることができる。
【0013】(効果) 従って、請求項2に係る発明に
よれば、軽い操作力でも大きい制動機能を発揮させるこ
とができるとともに、ブレーキ構成部材に働く力を小さ
いものにでき、請求項1の発明の上記効果を助長すると
ともに、耐久性の面でも有利となる。
【0014】〔請求項3に係る発明の構成、作用および
効果〕
【0015】(構成) 請求項3に係る発明の乗用作業
機は、請求項1記載の発明において、前記ベルト伝動装
置がダブルテンション式の変速機能を備えるとともに、
前記ブレーキを、一対の従動側プーリの夫々に摩擦抵抗
を付与するものに構成してある。
【0016】(作用・効果) 上記構成によると、ブレ
ーキを、両従動側プーリの外周部近くに摩擦制動をかけ
ることで、一層大きい制動トルクを発揮させることがで
き、機体停止性能を更に高くでき、請求項1の発明の上
記効果を一層助長する。
【0017】〔請求項4に係る発明の構成、作用および
効果〕
【0018】(構成) 請求項4に係る発明の乗用作業
機は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発明に
おいて、前記ブレーキを、ブレーキアームの先端に装着
したブレーキパッドが従動側プーリの周溝に圧入操作さ
れるよう構成するとともに、制動解除状態においても前
記ブレーキパッドの一部が前記周溝に係入されているよ
う構成してある。
【0019】(作用) 上記構成によると、制動解除状
態においてブレーキアームが組付けガタなどによって多
少横ずれ変位したとしても、ブレーキパッド自体が従動
側プーリの周溝から外れることはなく、停止レバーによ
ってブレーキアームが制動操作された場合に、ブレーキ
パッドは確実に周溝に押圧される。
【0020】(効果) 従って、請求項4に係る発明に
よれば、常にブレーキを的確に作動させることができ、
制動性能を高いものにすることができ、請求項1ないし
3のいずれか一項に記載の発明の上記効果を顕著なもの
にできる。
【0021】〔請求項5に係る発明の構成、作用および
効果〕
【0022】(構成) 請求項5に係る発明の乗用作業
機は、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の発明に
おいて、復帰付勢された前記停止レバーを、機体停止位
置でレバー操作方向と交差する方向に弾性変位させて係
止部材に係止保持可能に構成するとともに、前記停止レ
バーには、運転部から足踏み操作可能な補助ペダルを備
えてある。
【0023】(作用) 上記構成によると、地上操縦時
に、停止レバーを操作して主クラッチを切るとともにブ
レーキを作動させて機体を停止させた後、この停止レバ
ーをそのままレバー操作方向と交差する方向に強制変位
させて係止部材に係止保持させることで、機体停止状態
を安定維持することができる。次に、再び地上操縦で機
体を走行させる場合には、停止レバーを操作して先ず係
止部材から離脱させ、次に停止レバーを元に位置に復帰
させれば制動が解除されるとともに主クラッチが入れら
れて走行が開始される。また、停止レバーを係止部材に
係止して機体停止位置に保持させた後、次に搭乗操縦で
機体を走行させる場合には、運転部から補助ペダルを踏
み込み操作して停止レバーを係止位置から変位させるこ
とで、係止部材から離脱した停止レバーは元の操作経路
に復元変位し、補助ペダルの踏み込みを解除することで
停止レバーは係止部材に干渉することなく初期位置に付
勢復帰し、制動が解除されるとともに主クラッチが入れ
られて走行が開始される。
【0024】(効果) 従って、請求項5に係る発明に
よれば、停止レバーを片手で操作して機体停止位置に保
持することができ、機体停止位置に操作した停止レバー
に別の係止部材などを係止させて機体停止位置に保持す
る手段に比較して操作性に優れている。また、機体前部
の停止レバーを機体停止位置に係止保持させた後、搭乗
操縦を行うことになっても、機体前部に回って停止レバ
ーの係止解除操作を行わなくても、運転部からの足踏み
操作で係止保持を解除でき、取扱いが容易なものとな
る。
【0025】〔請求項6に係る発明の構成、作用および
効果〕
【0026】(構成) 請求項6に係る発明の乗用水田
作業機は、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の発
明において、機体前部に配備されたエンジンボンネット
の横外側に、機体前部と運転部との間を歩行移動するた
めの乗降通路が配備され、前記停止レバーを前記エンジ
ンボンネットの横外側面に近接して上下揺動可能に配備
してある。
【0027】(作用・効果) 上記構成によると、地上
に降りた作業者が機体前部から停止レバーを容易に操作
することができるものでありながら、この停止レバーが
乗降通路での歩行移動に邪魔になることがなく、取扱い
性の面で優れたものとなる。
【0028】〔請求項7に係る発明の構成、作用および
効果〕
【0029】(構成) 請求項7に係る発明の乗用作業
機は、請求項6記載の発明において、エンジンボンネッ
ト横の前記乗降通路の更に横外側に田植え用の予備苗の
せ台が配備され、この予備苗のせ台を後方の運転部側に
回動して、前記乗降通路を開放可能に構成してある。
【0030】(作用) 上記構成によると、通常時は予
備苗のせ台をエンジンボンネット横の乗降通路の横外側
に位置させて運転部の空間を確保する。また、地上操縦
時には予備苗のせ台を後方の運転部側に回動して乗降通
路を開放しておくことで、エンジンボンネット横の停止
レバーの周囲に大きい空間を確保することができ、地上
の作業者が停止レバーを操作しやすくなる。
【0031】(効果) 従って、請求項7に係る発明に
よれば、地上操縦時におけるとっさの機体停止も容易に
行うことができ、一層使い勝手のよいものとなる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に係る乗用作業機
の一例としての乗用田植機が示されている。この乗用田
植機は、操向可能な前輪1と主推進車輪としての後輪2
を備えた四輪駆動型の乗用走行機体3の後部に、油圧駆
動されるリンク機構4を介して苗植付け装置5を昇降可
能に連結して構成されている。乗用走行機体3の前部に
搭載されたエンジン6と、前輪1を支持したミッション
ケース7とがベルト伝動装置8を介して連動連結され、
ミッションケース7内でギヤ変速および正逆転切換えさ
れた動力で前輪1が駆動されるとともに、ミッションケ
ース7から取り出された走行用変速動力が後部伝動ケー
ス9に軸伝達されて、後輪2が前輪1と同調した速度で
駆動され、かつ、ミッションケース7の後部から取り出
された作業用動力が前記苗植付け装置5に軸伝達される
ようになっている。
【0033】図2〜図4に示すように、乗用走行機体3
の前部には前記エンジン6を収容したエンジンボンネッ
ト10が配備されるとともに、その左右の横外側には予
備苗のせ台11が立設され、かつ、エンジンボンネット
10と予備苗のせ台11との間に、機体前端と運転部と
の間の歩行移動を許容するための乗降通路12が形成さ
れている。
【0034】乗用走行機体3の前端下部にはバッテリ搭
載用の前フレーム13が備えられるとともに、この前フ
レーム13の前部から左右側部を囲むように設けられた
ガードフレーム14の前部が、パイプ材をU形に屈曲し
た牽引フレーム15で構成されている。そして、前記ガ
ードフレーム14の左右外側に、地上操縦用の操作アー
ム16が横向きの支点a周りに起伏揺動可能に取付けら
れている。この操作アーム16は、丸パイプ材を下拡が
りのアーチ形に屈曲するとともにその中間部をステー1
6aで連結してA字形に構成したものであり、前記乗降
通路12での歩行移動を妨げないようにエンジンボンネ
ット10の横幅内に納まる幅に構成されるとともに、鉛
直に起立された時に操作アーム16の上端が、運転座席
17に着座した作業者がエンジンボンネット10越しに
目視確認できる高さに位置するよう構成されている。ま
た、操作アーム16の左右基端部が、前フレーム14の
左右側部に起伏揺動可能にボルト18で枢支連結される
とともに、一方のボルト連結箇所に装備した皿バネ19
を締めつけることで、操作アーム16の起伏揺動に適度
の摩擦抵抗が付与され、手動では任意に起伏操作でき、
かつ、起立した姿勢を摩擦保持することができるように
なっている。
【0035】また、前記前フレーム14の左右外側には
ストッパ20が溶接固定されており、図6(イ)で示す
ように、操作アーム16の基部がこのストッパ20の前
端に接当することで操作アーム16の起立限界が規制さ
れるとともに、図6(ロ)で示すように、操作アーム1
8の基部延長部がストッパ20の下面に接当すること
で、操作アーム16の前方へ倒伏限界が規制されるよう
になっている。そして、限界まで起立された操作アーム
16は略鉛直の格納姿勢となり、限界まで倒伏された作
用姿勢の操作アーム16は少し前上がり傾斜した状態と
なる。
【0036】また、倒伏作用姿勢の操作アーム16を押
し下げ操作したり、前方に引っ張り操作しやすいよう
に、操作アーム16の先端部は、横握りできるに足る適
当な幅の横向き握り部16bに構成されている。また、
操作アーム16のステー16aの後面には、機体の左右
中心を示す照準具としてのセンターマスコット21が支
点bを中心に起伏回動自在に装備されるとともに、ステ
ー16aの前面には、操作アーム16の商用ニックネー
ムや本機の機種名などを表示した銘板22が貼付けられ
ている。
【0037】前記操作アーム16は、手動で任意に起伏
揺動操作できるのであるが、比較的重量の大きい操作ア
ーム16の起立揺動操作を補助するために、以下のよう
な起立付勢機構30が備えられている。つまり、図6お
よび図7に示すように、操作アーム16における左側の
支点近くに備えた連係金具16cから後方に向けてロッ
ド31が延出されるとともに、このロッド31が前フレ
ーム14の左側に設けた固定ブラケット32を挿通して
後方に突出され、ロッド31の先端部に備えたバネ受け
座金33と固定ブラケット32との間にコイルバネ34
が装着され、操作アーム16が起立姿勢から前方に倒伏
揺動されるに連れてロッド31が前方に引き出されてコ
イルバネ34が圧縮変形され、このコイルバネ34の弾
性復元力によって操作アーム16が起立方向に付勢され
るようになっている。
【0038】ここで、操作アーム16が鉛直の起立限界
位置から少し前方に揺動させた範囲θでは、コイルバネ
34による起立付勢力よりも支点aにおける摩擦抵抗の
方が大きく設定されており、この揺動範囲θでは操作ア
ーム16を任意の起立角度で保持しておくことができ
る。つまり、センターマスコット21の位置を、ある程
度の範囲で前後に位置調節して保持することができ、セ
ンターマスコット21を運転者の見やすい位置に設定し
て使用することができるようになっている。また、操作
アーム16を大きく前方に倒伏させた状態では、コイル
バネ34による起立付勢力が支点aにおける摩擦抵抗よ
り大きいので、操作アーム16から手を放せばある程度
起立した位置までは自動的に復帰揺動する。
【0039】また、操作アーム16の基部近くには、こ
の操作アーム16が前方に倒伏されると、前輪1の操向
を制限規制する操向牽制機構40が以下のように構成さ
れ配備されている。つまり、図6および図7に示すよう
に、前記ミッションケース7の前端部に固設したブラケ
ット41に、操向牽制部材42が支軸43を介して横向
き軸心c周りに回動可能に取付けられるとともに、ミッ
ションケース7に装備された前輪操向用のピットマンア
ーム44の上面に、前記操向牽制部材42が係合作用す
る突起45が設けられている。また、前記支軸43に外
嵌装着した捩じりバネ46の上方延出端46aが前記ロ
ッド31の後端部に巻き付けられてピン47で外れ止め
支持されるとともに、捩じりバネ46の下方延出端46
bが前記操向牽制部材42に係止連結されており、ロッ
ド31の前方移動に伴って捩じりバネ34の上方延出端
46aが前方に押圧移動されることで、捩じりバネ46
全体が支軸43周りに回動して下方延出端46bが後方
に移動し、もって、この下方延出端46bに係止された
操向牽制部材42が軸心c周りに図中反時計方向に回動
されて、操向牽制部材42の下端部に設けた係合作用部
42aがピットマンアーム44の突起45に前方から弾
性的に係合作用し、ロッド31の前方移動量が多くなる
に連れて捩じりバネ46の捩じり変形量が大きくなっ
て、係合作用部42aの突起45への係合押圧作用が強
くなってゆく。
【0040】そして、図7(イ)中に示すように、前記
突起45は前方に向かう山形に形成されるとともに、操
向牽制部材42の前記係合作用部42aは後ろ向きに開
放されたV形に形成されており、ピットマンアーム44
が直進位置から多少左右に操向されていても、V形の係
合作用部42aが山形の突起45に押圧係合されること
で、ピットマンアーム44が直進位置に修正されてその
位置に安定良く係合保持される。従って、操作アーム1
6を前方に大きく倒伏させると、ピットマンアーム44
が直進位置に安定保持され、路面の凹凸などによって前
輪1が勝手に操向されてしまうことが牽制阻止される。
【0041】ただし、操向牽制部材42の係合作用部4
2aはピットマンアーム44の突起45に弾性的に係合
されているので、運転部のステアリングハンドル23を
無理に回動操作すれば、突起45が操向牽制部材42を
捩じりバネ46に抗して前方に押しやりながら係合作用
部42aを乗り越え移動させるように、ピットマンアー
ム44を操向操作することが可能である。つまり、操作
アーム16が倒伏操作されて操向牽制機構40が作動状
態にあると、前輪1が路面の凹凸などによって勝手には
操向されないが、別の作業者が無理にステアリングハン
ドル23をきれば前輪1を操向させることができるので
ある。
【0042】前記ベルト伝動装置8は、図10に示すよ
うに、エンジン6の出力軸6aとミッションケース7の
入力軸7aのそれぞれに、伝動比の異なる2組の駆動側
プーリ51a,51bおよび従動側プーリ52a,52
bにそれぞれベルト53a,53bを巻回し、各ベルト
53a,53bに作用するテンションローラ54a,5
4bのいずれかを選択作用させることで、「高」「低」
2段の変速を行うよう構成された、いわゆるダブルテン
ション式の変速機能を備えており、各テンションローラ
54a,54bを備えたテンションアーム55a,55
bが、運転座席17の左横脇に配備された副変速レバー
24に、2組のリンク機構56a,56bを介して連係
されている。なお、前記ミッションケース7内の主ギヤ
変速装置を3段に変速操作して、移動走行用の「高
速」、植付け走行用の「低速」、および、畦越えや車両
への積み降ろしの「超低速」の切り換え選択を行う主変
速レバー25が、運転部ステップ26の中央前部に横移
動操作可能に立設されるとともに、前後揺動によってミ
ッションケース7内でのギヤシフトを行って前進と後進
の選択を行うシャトルレバー27がステアリングハンド
ル23の左脇に配備されている。
【0043】ここで、2段の変速を行う前記2組のテン
ションローラ54a,54bが主クラッチ57としても
機能するよう構成されている。つまり、運転部ステップ
26の左側前部に配備された主クラッチペダル58のペ
ダルアーム58aに接当部59が備えられるとともに、
前記ベルト伝動装置8における両テンションアーム55
a,55bの基端延長部が前記接当部59に対向配備さ
れており、主クラッチペダル58を踏み込み操作するこ
とで、両テンションアーム55a,55bが共に「クラ
ッチ切り」側に操作されて、エンジン6からミッション
ケース7への伝動を断つ、いわゆる、テンションクラッ
チ式の主クラッチ57が構成されている。また、この主
クラッチ57の伝動下手には、ミッションケース7の入
力軸7aを制動して機体停止を行うブレーキ60が備え
られている。
【0044】図11および図12に示すように、前記主
クラッチペダルアーム58aを遊嵌支持した支点軸61
に、前記主クラッチ57とブレーキ60を同時操作する
ための停止レバー62と、ブレーキアーム63とがそれ
ぞれが遊嵌支持されて前方に延出されるとともに、主ク
ラッチペダルアーム58aと停止レバー62は、それぞ
れ捩じりバネ64,65によって上方に復帰付勢されて
いる。なお、支点軸61の先端には、主クラッチペダル
アーム58a、停止レバー62、および、ブレーキアー
ム63の抜け止めを図る座金66がボルト67を介して
装着されており、図14に示すように、この座金66の
延出端が機体フレームを構成する横フレーム68に回動
不能に係合されるとともに、座金66の一部がボルト6
7の頭部偏平面に係合するよう屈曲され、もって、ボル
ト67の回り止めがなされている。
【0045】前記停止レバー62は、主クラッチペダル
アーム58aに上方から交差するよう配備されており、
停止レバー62を下方に揺動操作すると、主クラッチペ
ダルアーム58aが上方からの停止レバー62の片当た
りによって押し下げ操作されて主クラッチ57が切ら
れ、主クラッチペダル58が踏み込み操作された時に
は、停止レバー62は復帰位置に残されるようになって
いる。また、停止レバー62は、前記乗降通路12での
歩行移動の邪魔にならないように、エンジンボンネット
10の左側面に接近して上下揺動可能に配備されてい
る。ここで、エンジンボンネット10の左右側面は外方
に三次元的に凸曲した湾曲面に形成されるとともに、停
止レバー62がボンネット側面の凸曲頂部よりも前方に
まで延出されているので、レバー本体をボンネット側面
に接近して配置しても、レバー握り部62aをボンネッ
ト側面から離して握り操作しやすい状態に配備すること
ができる。
【0046】また、前記ブレーキアーム63の先端に
は、前記ベルト伝動装置8における従動側プーリ52
a,52bのうちの外方の従動側プーリ52aのベルト
巻掛け用の周溝に作用するブレーキパッド70が備えら
れるとともに、停止レバー62とブレーキアーム63と
が、圧縮コイルバネ71を外嵌したロッド72を介して
連動連結されており、停止レバー62を押し下げて主ク
ラッチ57を切り操作するのに伴って、ブレーキアーム
63も下方に操作されて、従動側プーリ52aに制動が
かかるように前記ブレーキ60が構成されている。ここ
で、停止レバー62を押し下げ操作すると、主クラッチ
57が完全に切られる前にブレーキ60が先行して利き
始めるように主クラッチ57とブレーキ60の作動タイ
ミングが設定されている。
【0047】なお、図13に示すように、ブレーキアー
ム63が復帰したブレーキ解除位置においても、前記ブ
レーキパッド70は従動側プーリ52aの周溝内に少し
係入されており、ガタなどによってブレーキアーム63
が多少横移動しても、ブレーキ作用時にはブレーキパッ
ド70が正しく従動側プーリ52aの周溝内に圧入され
るようになっている。また、ロッド72の下端に備えた
ピン73の装着位置を調節することで、ブレーキ解除位
置におけるブレーキアーム63の基準位置を調節するこ
とができ、ブレーキが利き始めるタイミングを調整する
ことができる。また、ロッド72の上部に装着したバネ
受けピン74を位置調節することで、圧縮コイルバネ7
1の初期圧縮状態を調節することができ、これによっ
て、ブレーキ作動時におけるブレーキパッド70の従動
側プーリ52aへの押圧力を調整することができる。
【0048】また、図11および図12に示すように、
左側の乗降通路12には、踏み込まれた主クラッチペダ
ル58の掛け金具58bに係合する係止レバー75が、
支点d周りに前後揺動操作可能かつ前方へ復帰付勢され
て配備され、踏み込まれた主クラッチペダル58を係止
レバー75で係止保持して、主クラッチ切り状態を保持
することができるようになっている。
【0049】また、前記係止レバー75の停止レバー6
2側の側面には頭付きピンからなる係止部材76が備え
られている。この係止部材76は、停止レバー62の揺
動操作経路からは外れているが、図11(ロ)および図
12中の仮想線で示すように、片手で停止位置(主クラ
ッチ切りおよびブレーキ作動状態)まで揺動操作した停
止レバー62を、そのまま無理に係止レバー75側に弾
性変形させて係止部材76に下方より係止させること
で、この停止レバー54を停止位置に保持しておくこと
が可能となっている。
【0050】さらに、前記停止レバー62の上方露出分
には、主クラッチペダル58の右端部に後方から重複す
る補助ペダル62aが付設されており、運転座席17に
着座した状態で、上記のように係止部材76によって停
止位置に係止保持されている停止レバー62の補助ペダ
ル62aを踏み込み操作して停止レバー62を更に下方
に揺動させると、係止部材76から外れた停止レバー6
2は元の横方向位置に弾性復帰し、この状態で補助ペダ
ル62aの踏み込みを解除すると、停止レバー62は係
止部材76に干渉することなく初期位置(主クラッチ入
りおよびブレーキ解除状態)まで復帰揺動し、これに伴
って主クラッチペダル58もクラッチ入り位置に復帰す
ることになる。
【0051】エンジンボンネット10横の乗降通路12
の外側に配備された予備苗のせ台11は、アーチ形に形
成された支柱80を機体側に固定された支持台81に立
設し、この支柱80に複数段の苗のせ板82を外向き片
持ち状に装備して構成されたものであり、予備苗のせ台
11全体を支柱80における後部支柱80b側の縦軸心
eを中心にして約180度後方に回動することで、苗の
せ板82の機体横外方への張出しを回避した状態に予備
苗のせ台11を格納することができ、機体を車両に積載
する場合や、ガレージに格納する場合に便利なものとな
っている。特に、左側の予備苗のせ台13を後方の運転
部側へ回動退避させると、停止レバー62の周辺が広く
空き、上記のように操作アーム16を利用して地上操縦
する場合にレバー操作が容易となる。
【0052】なお、前記予備苗のせ台11の支柱80
は、その回動軸心である縦軸心eが鉛直に設定されてい
るのに対して、正規の使用姿勢では少しの角度(例えば
数度)だけ機体内側に傾斜されており、予備苗のせ台1
1全体を後部支柱80bの縦軸心eを中心にして約18
0度後方に回動すると、支柱80が機体外側に傾斜する
ことになる。これによって、後方に回動した予備苗のせ
台13の苗のせ板82が機体内側に大きく入り込んで、
シャトルレバー27などに干渉するのを回避している。
【0053】予備苗のせ台11の苗のせ板82には、苗
すくい板83に載せつけ支持したマット状苗を載置収容
することになり、予備苗を苗植付け装置5に補給して残
った使用済みの苗すくい板83を最上部の苗のせ板82
上に保管しておくように構成されている。つまり、前記
支柱80の上部には、アーチ形に屈曲形成された押さえ
棒84が支柱前後に亘って支点f周りに上下回動可能に
差し込み架設されるとともに、押さえ棒84と後部支柱
80bとに亘ってトッグルバネ85が装着され、図19
に示すように、押さえ棒84を上方に振り上げた非作用
姿勢と苗のせ板82上に載りかかる作用姿勢とにデッド
ポイントDPを越えて切り換え保持可能に構成されてい
る。従って、予備苗が満載されている時には、押さえ棒
84を上方に振り上げた非作用姿勢に切り換え保持して
おき、苗補給が行われて最上段の苗のせ板82が空く
と、この苗のせ板82上に使用済みの苗すくい板83を
置き、図19中の仮想線で示すように、作用姿勢に切り
換えた押さえ棒84で苗すくい板83を弾性的に押さえ
込み挟持することで、使用済みの苗すくい板83が風な
どで吹き飛ばされないように回収保管しておくのであ
る。
【0054】図15に示すように、予備苗のせ台11の
後部支柱80bは、支持台81に立設固定された後部支
軸86に縦軸心e周りに回動自在に外嵌されて、セット
ボルト87によって抜け止め支持されるとともに、前部
支柱80aの下端が、支持台81に立設固定された前部
支軸88の上端に突き合わせ対向された状態で連結され
ている。つまり、図16および図17に示すように、前
部支柱80aの下端には、機体内側に向けて開放された
横断面形状がU形の位置決め金具89が下方に突出して
備えられ、この位置決め金具89を前部支軸88に横外
側方から嵌合させることで、前部支軸88と前部支柱8
0aとが同心状に位置決めして上下に突き合わされる。
【0055】また、前部支柱80aの下部には横向きの
支軸90が横スライド自在に貫通装備され、この支軸9
0の機体内側の突出端に掛け金具91が遊嵌装着される
とともに、支軸90に外嵌装着したバネ92によって掛
け金具91が支軸90とともに前部支軸88側に付勢さ
れている。前記掛け金具91にはレバー93が連設され
ており、位置決め金具89を前部支軸88に横外側方か
ら嵌合させて、前部支軸88と前部支柱80aとを同心
状に位置決めして上下に突き合わせた状態でレバー93
を支軸90周りに上方に回動することで、掛け金具91
を前部支軸88の背部に係止して、前部支柱80aが前
部支軸88から横外方に離脱するのが阻止される。な
お、前部支軸88の外周面には係止溝94が環状に形成
されるとともに、位置決め金具89の内面には係止ピン
95が突設されており、前部支柱80aが前部支軸88
に突き合わせ連結された状態では、係止溝94に係止ピ
ン95が係合されて、前部支柱80aが前部支軸88に
対して上方にも外れないようになっている。
【0056】また、レバー93を逆に前方に振出し操作
して掛け金具91を前部支軸88から外すことで、予備
苗のせ台11全体を後部の縦軸心e周りに後方に回動さ
せることができる。
【0057】なお、後部支軸86には、先に植えた苗列
になぞって機体を走行させる場合に使用する苗マーカー
100が装備されている。この苗マーカー100は、後
部支軸86に固着したブラケット101にマーカーアー
ム102を縦向き支点gを中心に揺動可能に連結すると
ともに、このマーカーアーム102の先端に装着するマ
ーカー棒103を、ゴム製キャップ104ごと上下に貫
通させて構成したものであり、ゴム製キャップ104と
の貫通部の摩擦抵抗によってマーカー棒103を任意の
高さにスライドさせて位置保持することができるように
なっている。
【0058】また、図18に示すように、前記ブラケッ
ト101にはバネ板材からなる係止金具105が片持ち
状に設けられており、予備苗のせ台11が後方に約18
0度回動されると、後部支柱80bの下端近くに固着し
た縦向きピン106が係止金具105に弾性係合され
て、予備苗のせ台11が後方回動状態に保持されるよう
になっている。
【0059】本発明の乗用田植機は以上のように構成さ
れたものであり、作業者が運転座席17に搭乗して運転
する通常の作業走行時には、図1ないし図3に示すよう
に、操作アーム16を起立姿勢に切り換え保持するとと
もに、センターマスコット21を起立させておく。この
場合、主クラッチペダル58を踏み込んで主クラッチ5
7を切り操作しても停止レバー62は残ったままである
ので、ブレーキ60が制動操作されることはない。
【0060】田植機を圃場への出し入れするための畦越
え移動、あるいは、田植機をトラックなどの荷台に積み
降ろしす場合など、乗用走行機体3が前後に傾斜して搭
乗運転が困難な場合には、主変速レバー25を「超低
速」に選択するとともに、副変速レバー24を「低速」
に選択し、かつ、アクセル操作によってエンジン出力を
適当に高くセットし、高トルクで微速走行できる状態に
して乗用走行機体3を自走させながら作業者が地上に降
りて操縦することになり、この場合、前輪1を直進状態
にして操作アーム16を前方に大きく突出した作用姿勢
に切り換える。
【0061】例えば、図20に示すように、前上がり傾
斜で前進する場合、推進反力で乗用走行機体3の前部が
浮き気味になることがあるが、このような場合は、操作
アーム18を押し下げ操作して機体前部に下向きの荷重
をかけることで機体前部の浮き上がりを抑制することが
できる。また、路面が悪くて登り難い場合には、操作ア
ーム18を前方に引いて、登坂を補助することができ
る。また、必要に応じて操作アーム16を左右に押し引
きすることで、強制的に機体の方向修正を行うことがで
きる。そして、このような操作において、前輪1は走行
牽制機構40によって直進方向に安定保持され、路面の
凹凸などによって前輪1が勝手に操向されて思わぬ方向
に機体が移動するようなことはない。
【0062】また、地上からの操縦中に機体停止を行う
には、停止レバー62を押し下げ操作すれば、主クラッ
チ57が切られるとともに、ブレーキ60が制動操作さ
れて機体は直ちに停止する。この場合、ブレーキ60が
先に利くので、主クラッチ57だけが先に切られて、自
由になった機体が下方にずり落ちるようなことはない。
【0063】この場合、図示した実施形態では、ミッシ
ョンケース7の入力軸7aが、図中ではエンジン動力に
よって時計方向に回転駆動されるので、主クラッチ57
が切られた状態で乗用走行機体3が下方にずり落ちよう
とすると、車輪側から逆駆動される入力軸7aは反時計
方向に回動しようとし、これがブレーキ60によって制
動阻止されて機体が停止する。この際、従動側プーリ5
2aに押圧されたパッド70はプーリ回転方向に引きず
られて下方に移行されようとする。つまり、パッド70
がプーリ溝内に食い込み勝手となり、制動が効果的に助
長される。
【0064】そして、機体停止状態を維持したい場合に
は、停止位置の停止レバー62をそのまま少し横に偏位
させて係止レバー75の係止部材76に係止保持させれ
ばよい。また、停止レバー62の停止位置からの解除
は、手動で係止部材76から離脱させるか、運転座席1
7から補助ペダル62aを一旦踏み込み操作して戻せば
よい。
【0065】〔他の実施形態〕本発明は、以下のような
形態で実施することもできる。
【0066】 図21に示すように、ダブルテンショ
ン式の主クラッチ57を備えたベルト伝動装置8の場合
に、径の大きい方の従動側プーリ52bにブレーキパッ
ド70が作用するようにブレーキ60を構成すると、小
さい押圧力で大きい制動トルクを得ることができる。
【0067】 図22に示すように、ダブルテンショ
ン式の主クラッチ57を備えたベルト伝動装置8の場合
に、両方の従動側プーリ52a,52bにそれぞれブレ
ーキパッド70a,70bが作用するようにブレーキ6
0を構成すると、更に大きい制動作用を得ることができ
る。この場合、各ブレーキパッド70a,70bと支点
gと結ぶ仮想線が従動側プーリ52a,52bに対して
接線となるように設定しておくと、従動側プーリ52
a,52bが車輪側から駆動によって正回転方向(エン
ジン動力が伝達される回転方向)、あるいは、その逆の
方向に回転されようとしても、均等な制動力を得ること
ができるとともに、従動側プーリ52a,52bの正逆
いずれの回転に対して各ブレーキパッド70a,70b
が食い込み勝手となり、機体のずり落ち移動に対する制
動機能が十分高められる。
【0068】 図23に示すように、停止レバー62
に接当片62cを設けるとともに、この接当片62cに
対向する接当ボルト58cを主クラッチ58のペダルア
ーム58aに装備し、この接当ボルト58bの調節によ
ってペダルアーム58aが主クラッチ切り方向に操作開
始される時の停止レバー62の操作角度を調節し、もっ
て、ブレーキ60に利くタイミングを調整することも可
能である。
【0069】 予備苗のせ台11の支柱80上部に装
備する苗すくい板保持用の押さえ棒84を、以下のよう
にしてトッグルバネを用いることなく非作用位置と作用
位置とに切り換え保持しておくこともできる。すなわ
ち、図24に示すように、アーチ形に形成された前記押
さえ棒84の前後の支軸部84a,84bを、前部支柱
80aと後部支柱80bのそれぞれに位置をずらして挿
入支持させる。この構成によると、押さえ棒自身のひね
り弾性変形させることで、両84a,84bを結ぶ仮想
線をデッドポイントDPとして、押さえ棒84を振り上
げた非作用位置と振り下げた作用位置とに切り換え保持
することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用田植機の全体側面図
【図2】機体前部の正面図
【図3】機体前部の斜視図
【図4】機体前部の平面図
【図5】操作アームを作用姿勢に切り換えた機体前部の
側面図
【図6】(イ)格納姿勢の操作アームの基部を示す側面
図 (ロ)作用姿勢の操作アームの基部を示す側面図
【図7】(イ)格納姿勢の操作アームの基部を示す平面
図 (ロ)付勢機構の組付け手順を示す平面図
【図8】操向牽制機構の構成部材を示す斜視図
【図9】操作アームの基部を示す正面図
【図10】ダブルテンション式のベルト伝動装置とその
変速操作構造を示す側面図
【図11】(イ)制動解除状態のブレーキを示す側面図 (ロ)制動状態のブレーキを示す側面図
【図12】主クラッチおよびブレーキの操作部を示す平
面図
【図13】ブレーキの正面図
【図14】支点軸端部の側面図
【図15】左側の予備苗のせ台の下部を機体内側から見
た一部切欠き側面図
【図16】図15におけるx−x線断面図
【図17】前部支柱固定構造を示す横断平面図
【図18】後部支柱下部の横断平面図
【図19】予備苗のせ台上部の縦断正面図
【図20】地上操縦状態の一例を示す側面図
【図21】ブレーキの別の実施形態を示す側面図
【図22】(イ)ブレーキの更に別の実施形態を示す側
面図 (ロ)その正面図
【図23】主クラッチおよびブレーキの操作部の他の実
施形態を示す側面図
【図24】他の実施形態の苗すくい板保管手段を備えた
苗のせ台上部の縦断正面図
【符号の説明】
6 エンジン 7 ミッションケース 8 ベルト伝動装置 10 エンジンボンネット 11 予備苗のせ台 12 乗降通路 52a 従動側プーリ 52b 従動側プーリ 57 主クラッチ 62 停止レバー 62a 補助ペダル 63 ブレーキアーム 70 ブレーキパッド 76 係止部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福永 究 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 (72)発明者 久保下 竹男 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 (72)発明者 杉岡 昭弘 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 (72)発明者 藤本 周作 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 Fターム(参考) 2B062 AA02 AA03 AB01 BA05 BA22 BA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンとミッションケースを連動連結
    するベルト伝動装置にベルトテンション式の主クラッチ
    を備え、この主クラッチを片当たり接当によってクラッ
    チ切り方向に操作する停止レバーを機体前部に装備する
    とともに、前記ベルト伝動装置の従動側プーリに作用す
    るブレーキを前記停止レバーに連動連結し、前記停止レ
    バーのクラッチ切り方向操作によって、主クラッチが切
    り操作されるとともに前記ブレーキが制動操作されるよ
    う構成してあることを特徴とする乗用作業機。
  2. 【請求項2】 前記ベルト伝動装置がダブルテンション
    式の変速機能を備えるとともに、前記ブレーキを、一対
    の従動側プーリのうちの径の大きい従動側プーリに摩擦
    抵抗を付与するものに構成してある請求項1記載の乗用
    作業機。
  3. 【請求項3】 前記ベルト伝動装置がダブルテンション
    式の変速機能を備えるとともに、前記ブレーキを、一対
    の従動側プーリの夫々に摩擦抵抗を付与するものに構成
    してある請求項1記載の乗用作業機。
  4. 【請求項4】 前記ブレーキを、ブレーキアームの先端
    に装着したブレーキパッドが従動側プーリの周溝に圧入
    操作されるよう構成するとともに、制動解除状態におい
    ても前記ブレーキパッドの一部が前記周溝に係入されて
    いるよう構成してある請求項1ないし3のいずれか一項
    に記載の乗用作業機。
  5. 【請求項5】 復帰付勢された前記停止レバーを、機体
    停止位置でレバー操作方向と交差する方向に弾性変位さ
    せて係止部材に係止保持可能に構成するとともに、前記
    停止レバーには、運転部から足踏み操作可能な補助ペダ
    ルを備えてある請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    の乗用作業機。
  6. 【請求項6】 機体前部に配備されたエンジンボンネッ
    トの横外側に、機体前部と運転部との間を歩行移動する
    ための乗降通路が配備され、前記停止レバーを前記エン
    ジンボンネットの横外側面に近接して上下揺動可能に配
    備してある請求項1ないし5のいずれか一項に記載の乗
    用作業機。
  7. 【請求項7】 エンジンボンネット横の前記乗降通路の
    更に横外側に田植え用の予備苗のせ台が配備され、この
    予備苗のせ台を後方の運転部側に回動して、前記乗降通
    路を開放可能に構成してある請求項6記載の乗用作業
    機。
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