JP4321920B2 - 乗用型作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用型田植機や乗用型水田直播機などの乗用型作業機に関するものである。
【0002】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の構成〕
第1発明は、地上操縦用の操作アームを、走行機体の前部に、機体側に後退した格納姿勢と機体前方に突出した作用姿勢とに切り換え可能に装備し、前記操作アームの先端部を手で押し下げた状態で手を放すと操作アームの先端部が作用姿勢から上方に向けて自動的に復帰揺動するように付勢する付勢機構を備え、前記付勢機構は、前記操作アームの先端部を作用姿勢から格納姿勢への途中の位置まで上方に自動的に復帰揺動するよう構成してあることを特徴とする。
【0003】
〔請求項2の構成〕
第2発明は、地上操縦用の操作アームを、走行機体の前部に、機体側に後退した格納姿勢と機体前方に突出した作用姿勢とに切り換え可能に装備し、前記操作アームの先端部を手で押し下げた状態で手を放すと操作アームの先端部が作用姿勢から上方に向けて自動的に復帰揺動するように付勢する付勢機構を備え、前記操作アームの格納姿勢への途中の位置から格納姿勢の間の位置ではその間の任意の位置で摩擦保持可能に構成してあることを特徴とする。
【0004】
〔請求項3の構成〕
第3発明は、地上操縦用の操作アームを、走行機体の前部に、機体側に後退した格納姿勢と機体前方に突出した作用姿勢とに切り換え可能に装備し、前記操作アームの先端部を手で押し下げた状態で手を放すと操作アームの先端部が作用姿勢から上方に向けて自動的に復帰揺動するように付勢する付勢機構を備え、前記付勢機構は、前記操作アームの先端部を作用姿勢から格納姿勢への途中の位置まで上方に自動的に復帰揺動するよう構成し、前記操作アームの格納姿勢への途中の位置から格納姿勢の間の位置ではその間の任意の位置で摩擦保持可能に構成してあることを特徴とする。
【0005】
〔請求項4の構成〕
第4発明は、第1〜第3発明において、前記操作アームの前記格納姿勢から前記作用姿勢への切り換えに連動して前輪の操向作動を牽制阻止する操向牽制機構を備えた点に特徴がある。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【発明の実施の形態】
図1に、乗用型作業機の一例である乗用型田植機が示されている。この乗用型田植機は、駆動可能な操向前輪1と駆動後輪2を備えた四輪駆動型の走行機体3の後部に、油圧駆動されるリンク機構4を介して苗植付装置5を昇降可能に連結して構成されている。
【0025】
走行機体3の前部に搭載されたエンジン6と、前輪1を支持したミッションケース7(前伝動部の一例)とがベルト伝動装置8を介して連動連結され、ミッションケース7内でギヤ変速及び正逆転切換えされた動力で前輪1が駆動されるとともに、ミッションケース7から取出された走行用変速動力を、走行伝動軸77を介して後車軸ケース9(後伝動部の一例)に伝達して後輪2を駆動する。そして、ミッションケース7の後部から取出された作業用動力を苗植付装置5に軸伝達するようにしてある。
【0026】
図2〜図4に示すように、走行機体3の前部にエンジン6を収容したボンネット10を配備するとともに、その左右には予備苗のせ台11を立設してある。ボンネット10と予備苗のせ台11との間には、機体前端と運転部との間の歩行移動を許容するための乗降通路となる前部ステップ12を形成してある。
【0027】
図2〜図6に示すように、走行機体3の前端下部には、バッテリ搭載用の前フレーム13を備えてあり、前部がパイプ材をU形に屈曲した牽引フレーム15で構成されたガードフレーム14を、前フレーム13の前部から左右側部を囲むように設けてあるとともに、そのガードフレーム14の左右外側に、降車して地上から操縦するための操作アーム16を、横向きの支点a周りに起伏揺動可能に取付けてある。
【0028】
この操作アーム16は、丸パイプ材を下拡がりのアーチ形に屈曲し、その中間部をステー16aで連結してA字形に構成したものであり、前部ステップ12での歩行移動を妨げないようにボンネット10の横幅内に納まる幅に構成してあり、鉛直に起立された時に操作アーム16の上端を、運転座席17に着座した作業者がボンネット10越しに目視確認できる高さに位置するよう構成してある。
【0029】
又、図7、図9に示すように、操作アーム16の左右基端部が、前フレーム14の左右側部に起伏揺動可能にボルト18で枢支連結されるとともに、一方のボルト連結箇所に装備した皿バネ19を締め付けることで、操作アーム16の起伏揺動に適度の摩擦抵抗が付与され、手動では任意に起伏操作でき、かつ、起立した姿勢を摩擦保持することができるようになっている。
【0030】
前フレーム14の左右外側にはストッパ20を溶接してあり、図6(イ)で示すように、操作アーム16の基部がこのストッパ20の前端に接当することで操作アーム16の起立限界が規制されるとともに、図6(ロ)で示すように、操作アーム16の基部延長部がストッパ20の下面に接当することで、操作アーム16の前方へ倒伏限界が規制されるようになっている。そして、限界まで起立された操作アーム16は略鉛直の格納姿勢となり、限界まで倒伏された作用姿勢の操作アーム16は少し前上がり傾斜した状態となる。
【0031】
倒伏作用姿勢の操作アーム16を押下げ操作したり、前方に引張り操作し易いように、操作アーム16の先端部を、横握りできるに足る適当な幅の横向き握り部16bに構成してある。又、操作アーム16のステー16aの後面には、機体の左右中心を示す照準具としてのセンターマスコット21が支点bを中心に起伏回動自在に装備されるとともに、ステー16aの前面には、操作アーム16の商用ニックネームや本機の機種名などを表示した銘板22が貼付けられている。
【0032】
操作アーム16は、手動で任意に起伏揺動操作できるのであるが、比較的重量の大きい操作アーム16の起立揺動操作を補助するために、以下のような起立付勢機構30が備えられている。つまり、図6、図7に示すように、操作アーム16における左側の支点近くに備えた連係金具16cから後方に向けてロッド31を延出するとともに、このロッド31を前フレーム14の左側に設けた固定ブラケット32を挿通して後方に突出する。ロッド31の先端部に備えたバネ受け座金33と固定ブラケット32との間にコイルバネ34を装着し、操作アーム16が起立姿勢から前方に倒伏揺動されるに連れてロッド31が前方に引き出されてコイルバネ34が圧縮変形され、このコイルバネ34の弾性復元力によって操作アーム16が起立方向に付勢されるようになっている。
【0033】
ここで、操作アーム16が鉛直の起立限界位置から少し前方に揺動させた範囲θ(図示せず)では、コイルバネ34による起立付勢力よりも支点aにおける摩擦抵抗の方が大きく設定されており、この揺動範囲θでは操作アーム16を任意の起立角度で保持しておくことができる。つまり、センターマスコット21の位置を、ある程度の範囲で前後に位置調節して保持することができ、センターマスコット21を運転者の見易い位置に設定して使用することができるようになっている。又、操作アーム16を大きく前方に倒伏させた状態では、コイルバネ34による起立付勢力が支点aにおける摩擦抵抗より大きいので、操作アーム16から手を放せばある程度起立した位置までは自動的に復帰揺動する。
【0034】
図6〜図8に示すように、操作アーム16の基部近くには、これが前方に倒伏されると、前輪1の操向を制限規制する操向牽制機構40を構成してある。つまり、ミッションケース7の前端部に固設したブラケット41に、操向牽制部材42を、支軸43を介して横向き軸心c周りに回動可能に取付けるとともに、ミッションケース7に装備された前輪操向用のピットマンアーム44の上面に、操向牽制部材42が係合作用する突起45を設けてある。
【0035】
支軸43に外嵌装着した捩じりバネ46の上方延出端46aを、ロッド31の後端部に巻付けてピン47で外れ止め支持するとともに、捩じりバネ46の下方延出端46bを操向牽制部材42に係止連結してあり、ロッド31の前方移動に伴って捩じりバネ46の上方延出端46aが前方に押圧移動されて、捩じりバネ46全体が支軸43周りに回動し、下方延出端46bが後方に移動する。
【0036】
故に、下方延出端46bに係止された操向牽制部材42が軸心c周りに図中反時計方向に回動されて、操向牽制部材42の下端部に設けた係合作用部42aがピットマンアーム44の突起45に前方から弾性的に係合作用し、ロッド31の前方移動量が多くなるに連れて捩じりバネ46の捩じり変形量が大きくなって、係合作用部42aの突起45への係合押圧作用が強くなってゆく。
【0037】
そして、図7(イ)中に示すように、突起45は前方に向かう山形に形成されるとともに、操向牽制部材42の係合作用部42aは後向きに開放されたV形に形成されており、ピットマンアーム44が直進位置から多少左右に操向されていても、V形の係合作用部42aが山形の突起45に押圧係合されることで、ピットマンアーム44が直進位置に修正されてその位置に安定良く係合保持される。従って、操作アーム16を前方に大きく倒伏させると、ピットマンアーム44が直進位置に安定保持され、路面の凹凸等によって前輪1が勝手に操向されてしまうことが牽制阻止される。
【0038】
ただし、操向牽制部材42の係合作用部42aはピットマンアーム44の突起45に弾性的に係合されているので、運転部のステアリングハンドル23を無理に回動操作すれば、突起45が操向牽制部材42を捩じりバネ46に抗して前方に押しやりながら係合作用部42aを乗り越え移動させるように、ピットマンアーム44を操向操作することが可能である。つまり、操作アーム16が倒伏操作されて操向牽制機構40が作動状態にあると、前輪1が路面の凹凸等によって勝手には操向されないが、別の作業者が強引にステアリングハンドル23を回せば前輪1を操向させることができるのである。
【0039】
ベルト伝動装置8は、図10に示すように、エンジン6の出力軸6aとミッションケース7の入力軸7aの夫々に、伝動比の異なる2組の駆動側プーリ51a,51b及び従動側プーリ52a,52bに夫々ベルト53a,53bを巻回し、各ベルト53a,53bに作用するテンションローラ54a,54bのいずれかを選択作用させることで、「高」「低」2段の変速を行えるものであり、所謂ダブルテンション式の変速機能を備えている。各テンションローラ54a,54bを備えたテンションアーム55a,55bが、運転座席17の左横脇に配備された副変速レバー24に、2組のリンク機構56a,56bを介して連係されている。
【0040】
尚、ミッションケース7内の主ギヤ変速装置を3段に変速操作して、移動走行用の「高速」、植付け走行用の「低速」、及び、畦越えや車両への積み降ろしの「超低速」の切換え選択を行う主変速レバー25を、運転部ステップ26の中央前部に横移動操作可能に立設するとともに、前後揺動によってミッションケース7内でのギヤシフトを行って前進と後進の選択を行うシャトルレバー27を、ステアリングハンドル23の左脇に配備してある。
【0041】
ここで、2段の変速を行う2組のテンションローラ54a,54bを、主クラッチ57としても機能するよう構成してある。つまり、運転部ステップ26の左側前部に配備された主クラッチペダル58のペダルアーム58aに接当部59を備えるとともに、ベルト伝動装置8における両テンションアーム55a,55bの基端延長部を接当部59に対向配備してあり、主クラッチペダル58を踏み込み操作することで、両テンションアーム55a,55bが共に「クラッチ切り」側に操作されて、エンジン6からミッションケース7への伝動を断つ、所謂テンションクラッチ式の主クラッチ57を構成してある。又、この主クラッチ57の伝動下手側には、走行伝動軸77を制動して機体停止を行う後述の制動装置60を備えてある。
【0042】
図11、図12に示すように、主クラッチペダルアーム58aを遊嵌支持した支点軸61に、主クラッチ57と制動装置60を同時操作するための停止レバー62を遊嵌支持して前方延出してあるとともに、主クラッチペダルアーム58aと停止レバー62は、夫々捩じりバネ64,65によって上方に復帰付勢されている。尚、支点軸61の先端には、主クラッチペダルアーム58a、停止レバー62の抜止めを図る座金66をボルト67止めしてあり、座金66の延出端は、主フレーム91に連結される横フレーム63に回動不能に係合されている。
【0043】
停止レバー62は、主クラッチペダルアーム58aに上方から交差するよう配備されており、停止レバー62を下方に揺動操作すると、主クラッチペダルアーム58aが上方からの停止レバー62の片当たりによって押下げ操作されて主クラッチ57が切られ、主クラッチペダル58が踏込み操作された時には、停止レバー62は復帰位置に残されるようになっている。
【0044】
又、停止レバー62は、前部ステップ12での歩行移動の邪魔にならないように、ボンネット10の左側面に接近して上下揺動可能に配備してある。ボンネット10の左右側面は外方に三次元的に凸曲した湾曲面に形成されるとともに、停止レバー62がボンネット側面の凸曲頂部よりも前方にまで延出されているので、レバー本体をボンネット側面に接近して配置しても、レバー握り部62aをボンネット側面から離して握り操作しやすい状態に配備することができる。
【0045】
又、後述するが、停止レバー62から垂下された作用片62Aと制動装置60とを連動連結してあり、停止レバー62を押下げて主クラッチ57を切り操作するのに伴って、作用片62Aが後方に揺動移動されて、走行伝動軸77に制動力が掛かるように制動装置60を構成してある。尚、停止レバー62を押下げ操作すると、主クラッチ57が完全に切られる前に制動装置60が先行して利き始めるように、主クラッチ57と制動装置60の作動タイミングを設定してある。
【0046】
図11及び図12に示すように、左側の前部ステップ12には、踏み込まれた主クラッチペダル58の掛け金具58bに係合する係止レバー75が、支点d周りに前後揺動操作可能かつ前方へ復帰付勢されて配備され、踏み込まれた主クラッチペダル58を係止レバー75で係止保持して、主クラッチ切り状態を保持することができるようになっている。
【0047】
又、係止レバー75の停止レバー62側の側面には頭付きピンからなる係止部材76が備えられている。この係止部材76は、停止レバー62の揺動操作経路からは外れているが、図11(ロ)及び図12中の仮想線で示すように、片手で停止位置(主クラッチ切り及びブレーキ作動状態)まで揺動操作した停止レバー62を、そのまま無理に係止レバー75側に弾性変形させて係止部材76に下方より係止させることで、この停止レバー62を停止位置に保持しておくことが可能となっている。
【0048】
さらに、停止レバー62の上方露出分には、主クラッチペダル58の右端部に後方から重複する補助ペダル62aが付設されており、運転座席17に着座した状態で、上記のように係止部材76によって停止位置に係止保持されている停止レバー62の補助ペダル62aを踏み込み操作して停止レバー62を更に下方に揺動させると、係止部材76から外れた停止レバー62は元の横方向位置に弾性復帰し、この状態で補助ペダル62aの踏み込みを解除すると、停止レバー62は係止部材76に干渉することなく初期位置(主クラッチ入り及びブレーキ解除状態)まで復帰揺動し、これに伴って主クラッチペダル58もクラッチ入り位置に復帰することになる。
【0049】
図13に示すように、走行伝動軸77は、夫々前及び後のスプライン咬合構造のカップリング78,79を介してミッションケース7の走行出力軸7bと、後車軸ケース9の入力軸9aとを連動連結してあるとともに、停止レバー62の操作で作動する制動装置60を、後カップリング79を利用した内拡カム式のドラムブレーキ(リーディング・トレーリング型ブレーキ)80を用いた構成として装備してある。
【0050】
すなわち、ボス状の後カップリング79にブレーキドラム81を溶着するとともに、両端2個のダストシール82と前後のベアリング83a,83を介して、ブレーキパネル84を後カップリング79に相対回転自在に外嵌装備してある。ブレーキパネル84は、ブレーキカム86を回動自在に支持し、かつ、アンカーピン87をカシメ固定したバックプレート84aと、ブレーキドラム81を囲繞するカバープレート84bとで構成されている。一対のブレーキシュー85,85は、ブレーキカム86とアンカーピン87とで支持されている。
【0051】
後カップリング79は、走行伝動軸77に装備されたスナップリング88で前方向の移動が規制されるとともに、後車軸ケース9の入力軸9aの段付き部89で後方向の移動が規制されている。そして、走行伝動軸77の左右方向側脇に配備される補助フレーム90に、ブレーキパネル84の凹部84Aを嵌め込み係合させることで回り止めしてある。つまり、左右一対の主フレーム91,91を補強するべく、ミッションケース7と後車軸ケース9とに亘って架設されたパイプ製の補助フレーム90の存在を利用して、制動装置60を回り止めしてある。
【0052】
次に、停止レバー62による制動装置60の操作系について説明する。図12〜図15に示すように、補助フレーム90にコ字形ブラケット92aを介して取付けられた上下向きの支軸92に、平面視でL字形状の中継リンク93を回動自在に支承する。そして、ブレーキカム86に取付けられたカムレバー86aと、中継リンク93とを屈曲ロッド94を介して連動連結するとともに、停止アーム62から下向きに突設された作用片62Aと、中継リンク93とを操作ロッド95を介して連動連結してある。
【0053】
中継リンク93の屈曲ロッド94連結用の孔93aを長孔として、ブレーキング時の遊びを設けてある。又、操作ロッド95の後部には巻きバネ96が嵌装してあり、この押圧される巻きバネ96を介して中継リンク93が回動操作されるように構成してある。つまり、停止レバー62と制動装置60とをバネ96を介して機械的に連動連係してある。
【0054】
又、操作ロッド95の後端部には、巻きバネ96の付勢力を受けるとともに中継リンク93の抜け止めを行うダブルナット97を螺装してあり、このダブルナット97を調節することにより、停止レバー62を揺動操作したときに対する制動装置60の効き始め点を調節することが可能である。つまり、ダブルナット97により、停止レバー62のクラッチ切り操作に対する制動装置60の制動作動開始点を変更設定可能な調節手段Bが構成されているのである。
【0055】
本発明の乗用型田植機は以上のように構成されたものであり、作業者が運転座席17に搭乗して運転する通常の作業走行時には、図1〜図3に示すように、操作アーム16を起立姿勢に切り換え保持するとともに、センターマスコット21を起立させておく。この場合、主クラッチペダル58を踏み込んで主クラッチ57を切り操作しても停止レバー62は残ったままであるので、制動装置60が制動操作されることはない。
【0056】
田植機を圃場への出し入れするための畦越え移動、あるいは、田植機をトラックなどの荷台に積降ろしする場合など、走行機体3が前後に傾斜して搭乗運転が困難な場合には、主変速レバー25を「超低速」に選択するとともに、副変速レバー24を「低速」に選択し、かつ、アクセル操作によってエンジン出力を適当に高くセットし、高トルクで微速走行できる状態にして走行機体3を自走させながら作業者が地上に降りて操縦することになり、この場合、前輪1を直進状態にして操作アーム16を前方に大きく突出した作用姿勢に切り換える。
【0057】
例えば、図17に示すように、前上がり傾斜で前進する場合、推進反力で走行機体3の前部が浮き気味になることがあるが、このような場合は、操作アーム18を押し下げ操作して機体前部に下向きの荷重をかけることで機体前部の浮き上がりを抑制することができる。又、路面が悪くて登り難い場合には、操作アーム18を前方に引いて、登坂を補助することができる。又、必要に応じて操作アーム16を左右に押し引きすることで、強制的に機体の方向修正を行うことができる。そして、このような操作において、前輪1は走行牽制機構40によって直進方向に安定保持され、路面の凹凸などによって前輪1が勝手に操向されて思わぬ方向に機体が移動するようなことはない。
【0058】
又、地上からの操縦中に機体停止を行うには、停止レバー62を押下げ操作すれば、主クラッチ57が切られるとともに、制動装置60が制動操作されて機体は直ちに停止する。この場合、制動装置60が先に利くので、主クラッチ57だけが先に切られて、自由になった機体が下方にずり落ちるようなことはない。
【0059】
そして、機体停止状態を維持したい場合には、停止位置の停止レバー62をそのまま少し横に偏位させて係止レバー75の係止部材76に係止保持させればよい。又、停止レバー62の停止位置からの解除は、手動で係止部材76から離脱させるか、運転座席17から補助ペダル62aを一旦踏み込み操作して戻せば良い。
【0060】
一対のブレーキシュー85,85のうち、ブレーキカム86との接触箇所が内径側となるものをリーディング側となるように設定すれば、ブレーキドラム81の回転に伴う自己サーボ力が比較的強く働く、所謂「効き勝手」となるので、機体のズリ落ち防止が主に機体の前進方向と後方方向とのいずれに作用させるのかを勘案して、ブレーキカム86の位置やカムレバー86aの操作方向等を設定するのが好都合である。
【0061】
制動装置60を、前カップリング78に設けるとか、前カップリング78の直ぐ後における操向伝動軸77、又は、後カップリング79の直ぐ前における操向伝動軸77に設けるようにしても良い。又、機体前部に配置のエンジンと機体後部に配置の主ミッションとを連動する走行及びPTO伝動軸を備えたトラクタや、エンジンと該エンジンよりも前側に配置されたミッションとに亘って走行伝動軸を架設した構造を持つ乗用型作業機に本発明を適用しても良い。
【0062】
〔別実施形態〕
(1)ベルトブレーキ−
図18〜図20に示すように、ドラムブレーキ80に代えて、ベルトブレーキ28を備えたものでも良い。すなわち、操作ロッド95に中継アーム29を介してブレーキベルト35を連動し、このブレーキベルト35巻回用のブレーキプーリ36を後カップリング79に固着して制動装置60を構成する。
【0063】
ブレーキベルト35は、取付け具37を用いて二つ折り状態に保形されるとともに、取付け具37に取付けられた操作ピン38を中継アーム29で引張り操作する構造としてある。操作ピン38の先端部には、二つ折り状態のブレーキベルト35を開く方向に作用する形状に形成された楔ストッパー39を装備してあり、ブレーキ解除時にブレーキベルト35が閉じようとする復元力によって、ブレーキベルト35がブレーキプーリ36に常時接触する現象を解消できるようにしてある。
【0064】
巻きバネ96を介しての操作ロッド95の押し力が伝達される中継アーム29は、入力側アーム部29aの有効長さL1 を、出力側アーム部29bの有効長さL2 よりも短くしてある。これにより、停止レバー62の少しの操作ストロークでブレーキベルト35の有効な引っ張り操作が行えて、平地や傾斜地でのブレーキタイミングのずれをカバーできるようにしてある。
【0065】
ベルトブレーキ80の操作形態としては、図21に示すように、引っ張り操作される操作ロッド又は操作ワイヤー48で、直接ブレーキベルト35を引っ張る構造のものや、図22に示すように、引っ張り操作されるロッド(又はワイヤー)50の操作力を、図19に示すものと左右方向が逆の中継アーム49を用いてブレーキベルト35を引っ張る構造でも良い。
【0066】
又、図23に示すように、操作ピン38にゴム片等によるスクレーパ68を装備しており、ブレーキ解除時にはスクレーパ68でブレーキプーリ36の溝部分の掃除が行えるようにしても良い。さらには、図24に示すように、ブレーキプーリ36の溝部分に作用する専用のスクレーパ69を装備しても良い。
【0067】
図13や図18に示すように、後車軸ケース9に、左右の後輪2,2毎に作用するサイドブレーキ70を備えたものにおいて、停止レバー62の操作で走行伝動軸77部分に設けたドラムブレーキ60やベルトブレーキ60が作動するように構成しても良い。
【0068】
(2)噛合いブレーキ−
図25、図26に示すように、走行伝動軸77や、前又は後のカップリング78,79に設けられたギヤ状のブレーキ回転体71と、このブレーキ回転体71外周のギヤ状部73に入り込み作用する3角突起74が形成されたブレーキアーム72と、を備えて成る噛合いブレーキで制動装置60としたものでも良い。この場合、ブレーキアーム72の揺動支点Pの位置と、ブレーキ回転体71の回転軸芯Qと、ギヤ状部73と3角突起74の噛合い傾斜角度との関係を、セルフロック現象(ブレーキロック)が生じないように設定する必要がある。
【0069】
i.ブレーキ回転体71が矢印ハ方向〔図26(イ)参照〕に回転するとき
ここで、3角突起74とギヤ状部73との接触中心点Sにおける軸芯Qに関する接線方向の回転力F2 、接触中心点Sの傾斜角度から決まる接触点の垂直方向の抗力F3 、及び軸芯Qに関する外径方向の分力F1 と定義する。抗力F3 の延長線がブレーキアーム72の支点Pに対する軸心Qと同じ側に向かう場合には、ブレーキ回転体71の回転力F2 によって3角突起74がギヤ状部73に益々食い込もうとする力に変換され、前述のセルフロックが生じる。
【0070】
故に、図26(イ)に示すように、抗力F3 の延長線がブレーキアーム72の支点Pに対する軸心Qの反対側に向かう状態に設定することにより、停止レバー62による制動操作力を加えて、3角突起74とギヤ状部73とが咬合及び維持される制動状態と、停止レバー62による制動操作力を解除して、分力F1 によってブレーキアーム72がブレーキ回転体71の外径方向に逃げ移動しての制動解除状態とが得られるのである。
【0071】
ii.ブレーキ回転体71が矢印ニ方向〔図26(ロ)参照〕に回転するとき
この場合では、抗力F3 の延長線がブレーキアーム72の支点Pに対する軸心Qの反対側に向かう場合には、ブレーキ回転体71の回転力F2 によって3角突起74がギヤ状部73に益々食い込もうとする力に変換され、前述のセルフロックが生じる。
【0072】
そこで、図26(ロ)に示すように、抗力F3 の根元側への延長線がブレーキアーム72の支点Pに対する軸心Qと同じ側に向かう状態に設定することにより、停止レバー62による制動操作力を加えて、3角突起74とギヤ状部73とが咬合及び維持される制動状態と、停止レバー62による制動操作力を解除して、分力F1 によってブレーキアーム72がブレーキ回転体71の外径方向に逃げ移動しての制動解除状態とが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 乗用型田植機の全体側面図
【図2】 機体前部の正面図
【図3】 機体前部の斜視図
【図4】 機体前部の平面図
【図5】 操作アームを作用姿勢に切り換えた機体前部の側面図
【図6】 (イ)格納姿勢の操作アームの基部を示す側面図
(ロ)作用姿勢の操作アームの基部を示す側面図
【図7】 (イ)格納姿勢の操作アームの基部を示す平面図
(ロ)付勢機構の組付け手順を示す平面図
【図8】 操向牽制機構の構成部材を示す斜視図
【図9】 操作アームの基部を示す正面図
【図10】 ダブルテンション式のベルト伝動装置とその変速操作構造を示す側面図
【図11】 (イ)制動解除状態のブレーキを示す側面図
(ロ)制動状態のブレーキを示す側面図
【図12】 主クラッチ及びブレーキの操作部を示す平面図
【図13】 概略の走行伝動系を示す線図
【図14】 制動装置の配置構造を示す要部の平面図
【図15】 ドラムブレーキの構造を示す一部切欠きの背面図
【図16】 ドラムブレーキの構造を示す断面図
【図17】 田植機の降車しての操縦状態の一例を示す側面図
【図18】 ベルトブレーキを用いた場合の概略の走行伝動系を示す線図
【図19】 ベルトブレーキの操作構造を示す一部切欠きの平面図
【図20】 ベルトブレーキを示す背面図
【図21】 ベルトブレーキの引張り操作構造を示す側面図
【図22】 中継アームを用いたベルトブレーキの引張り操作構造を示す平面図
【図23】 スクレーパ付きベルトブレーキを示す背面図
【図24】 別構造のスクレーパ付きベルトブレーキを示す背面図
【図25】 噛合いブレーキの構造を示す背面図
【図26】 噛合いブレーキ要部のベクトル図
【符号の説明】
3 走行機体
16 操作アーム
30 付勢機構
40 操向牽制機構

Claims (4)

  1. 地上操縦用の操作アームを、走行機体の前部に、機体側に後退した格納姿勢と機体前方に突出した作用姿勢とに切り換え可能に装備し、
    前記操作アームの先端部を手で押し下げた状態で手を放すと操作アームの先端部が作用姿勢から上方に向けて自動的に復帰揺動するように付勢する付勢機構を備え、
    前記付勢機構は、前記操作アームの先端部を作用姿勢から格納姿勢への途中の位置まで上方に自動的に復帰揺動するよう構成してある乗用型作業機。
  2. 地上操縦用の操作アームを、走行機体の前部に、機体側に後退した格納姿勢と機体前方に突出した作用姿勢とに切り換え可能に装備し、
    前記操作アームの先端部を手で押し下げた状態で手を放すと操作アームの先端部が作用姿勢から上方に向けて自動的に復帰揺動するように付勢する付勢機構を備え、
    前記操作アームの格納姿勢への途中の位置から格納姿勢の間の位置ではその間の任意の位置で摩擦保持可能に構成してある乗用型作業機。
  3. 地上操縦用の操作アームを、走行機体の前部に、機体側に後退した格納姿勢と機体前方に突出した作用姿勢とに切り換え可能に装備し、
    前記操作アームの先端部を手で押し下げた状態で手を放すと操作アームの先端部が作用姿勢から上方に向けて自動的に復帰揺動するように付勢する付勢機構を備え、
    前記付勢機構は、前記操作アームの先端部を作用姿勢から格納姿勢への途中の位置まで上方に自動的に復帰揺動するよう構成し、
    前記操作アームの格納姿勢への途中の位置から格納姿勢の間の位置ではその間の任意の位置で摩擦保持可能に構成してある乗用型作業機。
  4. 前記操作アームの前記格納姿勢から前記作用姿勢への切り換えに連動して前輪の操向作動を牽制阻止する操向牽制機構を備えてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の乗用型作業機。
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