JP2000080167A - 正孔輸送性高分子とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

正孔輸送性高分子とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2000080167A JP10206537A JP20653798A JP2000080167A JP 2000080167 A JP2000080167 A JP 2000080167A JP 10206537 A JP10206537 A JP 10206537A JP 20653798 A JP20653798 A JP 20653798A JP 2000080167 A JP2000080167 A JP 2000080167A
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Toshihiro Onishi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた正孔輸送能力を有し、耐久性、成膜性に
優れた正孔輸送性高分子とその製造方法および該正孔輸
送性高分子を用いた優れた発光特性を有する有機EL素
子を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される繰り返し構
造単位を含み、ポリスチレン換算の数平均分子量が10
3〜107であることを特徴とする正孔輸送性高分子。 【化1】 (式中、R1は、1〜20個の炭素原子を有するアルキ
ル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル
基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基または7
〜32個の炭素原子を有するアラルキル基を示す。Ar
1は、6〜30個の炭素原子を有するアリーレン基など
を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正孔輸送性高分
子、その製造方法および該正孔輸送性高分子を用いた有
機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子
ということがある。)に関する。
【0002】
【従来の技術】無機蛍光体を発光材料として用いた無機
エレクトロルミネッセンス素子(以下、無機EL素子と
いうことがある。)は、例えばバックライトとしての面
状光源やフラットパネルディスプレイ等の表示装置に用
いられているが、発光させるのに高電圧の交流が必要で
あった。
【0003】近年、Tangらは有機蛍光色素を発光層
とし、これと電子写真の感光体等に用いられている有機
電荷輸送化合物とを積層した二層構造を有する有機EL
素子を作製した(特開昭59−194393号公報)。
有機EL素子は、無機EL素子に比べ、低電圧駆動、高
輝度に加えて多数の色の発光が容易に得られるという特
徴があることから素子構造や有機蛍光色素、有機電荷輸
送化合物について多くの試みが報告されている〔ジャパ
ニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス
(Jpn.J.Appl.Phys.)第27巻、L2
69頁(1988年)、ジャーナル・オブ・アプライド
・フィジックス(J.Appl.Phys.)第65
巻、3610頁(1989年)〕。
【0004】正孔輸送材料としては、オキサジアゾール
誘導体、オキサゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリ
アリールピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、ス
チルベン誘導体など多くの化合物が報告されている。
【0005】有機EL素子に低分子系の正孔輸送材料の
みを用いた場合には、正孔輸送層の機械的強度や耐熱性
に問題があった。また正孔輸送層の形成法としては、真
空下での蒸着が一般的であり、製造上のコストがかかる
問題点があった。これに対し、耐久性や成膜性を改良す
る目的で、芳香族アミンを側鎖に有するポリスチレン誘
導体を用いた有機EL素子(特開平8−259935号
公報)や芳香族アミンを有するポリエステルを用いた有
機EL素子(特開平8−259880号公報)など多く
の正孔輸送性高分子を用いた例が報告されている。しか
しながら、これらの有機EL素子は、駆動時の安定性と
いう面では、必ずしも満足されているわけではない。
【0006】一方、有機EL素子と同じく、正孔輸送材
料を用いる電子写真感光体においては、繰り返し使用時
にコロナ放電などによる劣化を防止する目的で、ポリシ
ロキサンの添加などが行われており、さらにポリシロキ
サンに正孔輸送性を付与する目的で、ケイ素系正孔輸送
材料と硬化可能なポリシロキサンを混合し硬化させた正
孔輸送性ポリシロキサンが報告されている(特開平9−
124943号公報)。
【0007】正孔輸送性ポリシロキサンを有機EL素子
に用いた例としては、カルバゾール基を側鎖に有するポ
リシロキサンと発光性高分子を混合した有機EL素子
(WO9501871号公報)が報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た正孔輸送能力を有し、耐久性、成膜性に優れた正孔輸
送性高分子とその製造方法および該正孔輸送性高分子を
用いた優れた発光特性を有する有機EL素子を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの
問題を解決するために鋭意検討した結果、特定の新規な
正孔輸送性高分子が優れた正孔輸送能力を有し、耐久
性、成膜性に優れ、かつこれを用いて作製した有機EL
素子が優れた発光特性を有することを見出し、本発明に
至った。
【0010】すなわち本発明は、[1] 下記一般式
(1)で表される繰り返し構造単位を含み、ポリスチレ
ン換算の数平均分子量が103〜107である正孔輸送性
高分子に係るものである。
【化22】 {式中、R1は、1〜20個の炭素原子を有するアルキ
ル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル
基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基または7
〜32個の炭素原子を有するアラルキル基を示す。Ar
1は、6〜30個の炭素原子を有するアリーレン基、ま
たは下記一般式(2)で表される芳香族エテニレン骨格
を有する基であり、Ar2およびAr3は、それぞれ独立
に、6〜30個の炭素原子を有するアリール基、下記一
般式(3)で表される芳香族アミン骨格を有する基、ま
たは、下記一般式(4)で表される芳香族エテニレン骨
格を有する基を示す。また、Ar1とAr2の間、または
Ar1とAr3の間、またはAr2とAr3の間に環を形成
していてもよい。
【化23】 (式中、Ar4およびAr5は、それぞれ独立に、6〜3
0個の炭素原子を有するアリーレン基を示し、R2およ
びR3は、それぞれ独立に、水素原子、1〜20個の炭
素原子を有するアルキル基、3〜20個の炭素原子を有
するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有する
アリール基または7〜32個の炭素原子を有するアラル
キル基を示す。)
【化24】 (式中、Ar6は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
ーレン基を示し、R4およびR5は、それぞれ独立に、1
〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の
炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素
原子を有するアリール基または7〜32個の炭素原子を
有するアラルキル基を示す。また、Ar6とR4の間、ま
たはAr6とR5の間、またはR4とR5の間に環を形成し
ていてもよい。)
【化25】 (式中、Ar7は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
ーレン基を示し、R6およびR7は、それぞれ独立に、水
素原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3
〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜3
0個の炭素原子を有するアリール基または7〜32個の
炭素原子を有するアラルキル基を示し、Ar8は、6〜
30個の炭素原子を有するアリール基を示す。)}
【0011】また、本発明は、[2] 下記一般式(5)
で表される繰り返し構造単位を含み、ポリスチレン換算
の数平均分子量が103〜107である孔輸送性高分子に
係るものである。
【化26】 [式中、Ar9およびAr11は、それぞれ独立に、6〜3
0個の炭素原子を有するアリーレン基、下記一般式
(6)で表される芳香族アミン骨格を有する基、または
下記一般式(7)で表される芳香族エテニレン骨格を有
する基を示す。また、Ar10は、6〜30個の炭素原子
を有するアリール基、下記一般式(8)で表される芳香
族アミン骨格を有する基、または下記一般式(9)で表
される芳香族エテニレン骨格を有する基を示す。また、
Ar9とAr10の間、またはAr9とAr 11の間、または
Ar10とAr11の間に環を形成していてもよい。R8
9、R10およびR11は、それぞれ独立に、水酸基、1
〜20個の炭素原子を有するアルキル基もしくはアルコ
キシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル
基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基、7〜3
2個の炭素原子を有するアラルキル基、下記一般式(1
0)、(12)で表される基、または分子内で架橋して
分子内のケイ素原子と結合していてもよく、架橋して隣
接する分子のケイ原子と結合していてもよい、二価の酸
素原子を示す。
【化27】 (式中、Ar12およびAr13は、それぞれ独立に、6〜
30個の炭素原子を有するアリーレン基を示し、R
12は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜
20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30
個の炭素原子を有するアリール基、または7〜32個の
炭素原子を有するアラルキル基を示す。また、Ar12
Ar13の間、またはAr12とR12の間、またはAr13
12の間に環を形成していてもよい。)
【化28】 (式中、Ar14およびAr15は、それぞれ独立に、6〜
30個の炭素原子を有するアリーレン基を示し、R13
よびR14は、それぞれ独立に、水素原子、1〜20個の
炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の炭素原子を
有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有す
るアリール基、または7〜32個の炭素原子を有するア
ラルキル基を示す。)
【化29】 (式中、Ar16は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
ーレン基を示し、R15およびR16は、それぞれ独立に、
1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個
の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭
素原子を有するアリール基、または7〜32個の炭素原
子を有するアラルキル基を示す。また、Ar16とR15
間、またはAr16とR16の間、またはR15とR16の間に
環を形成していてもよい。)
【化30】 (式中、Ar17は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
ーレン基を示し、R17およびR18は、それぞれ独立に、
水素原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、
3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜
30個の炭素原子を有するアリール基、または7〜32
個の炭素原子を有するアラルキル基を示し、Ar18は、
6〜30個の炭素原子を有するアリール基を示す。)
【化31】 {式中、Ar19およびAr21は、それぞれ独立に、6〜
30個の炭素原子を有するアリーレン基、上記一般式
(6)で表される芳香族アミン骨格を有する基、また
は、上記一般式(7)で表される芳香族エテニレン骨格
を有する基を示す。また、式中、Ar20は、6〜30個
の炭素原子を有するアリール基、上記一般式(8)で表
される芳香族アミン骨格を有する基、または上記一般式
(9)で表される芳香族エテニレン骨格を有する基を示
す。また、Ar19とAr20の間、またはAr19とAr21
の間、またはAr20とAr21の間に環を形成していても
よい。また、R19およびR20は、それぞれ独立に、水酸
基、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基もしくは
アルコキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロア
ルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基、
7〜32個の炭素原子を有するアラルキル基、または分
子内で架橋して分子内のケイ素原子と結合していてもよ
く、架橋して隣接する分子のケイ原子と結合していても
よい、二価の酸素原子を示す。また、式中、R21は、水
素原子または下記一般式(11)を示す
【化32】 (式中、R22、R23およびR24は、それぞれ独立に、水
酸基、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基もしく
はアルコキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロ
アルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール
基、または7〜32個の炭素原子を有するアラルキル基
を示す。)}
【化33】 {式中、R25、R26およびR27は、それぞれ独立に、1
〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の
炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素
原子を有するアリール基、7〜32個の炭素原子を有す
るアラルキル基、上記一般式(9)で表される芳香族エ
テニレン骨格を有する基、または下記一般式(13)で
表される芳香族アミン骨格を有する基を示す。
【化34】 (式中、Ar22は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
ーレン基、上記一般式(6)で表される芳香族アミン骨
格を有する基、または上記一般式(7)で表される芳香
族エテニレン骨格を有する基を示す。また、Ar23およ
びAr24は、それぞれ独立に、6〜30個の炭素原子を
有するアリール基、上記一般式(8)で表される芳香族
アミン骨格を有する基、または上記一般式(9)で表さ
れる芳香族エテニレン骨格を有する基を示す。)}]
【0012】次に、本発明は、[3] 前記[2]記載の正
孔輸送性高分子において、少なくとも一種類の前記一般
式(12)で表される化合物基を該正孔輸送性高分子に
属するケイ素原子全体(但し、該化合物基に含まれるケ
イ素原子を除く)に対して10モル%以上150モル%
以下の割合で含み、かつ、水酸基の含有割合が該正孔輸
送性高分子に属するケイ素原子全体(但し、該化合物基
に含まれるケイ素原子を除く)に対して10モル%未満
である[2]記載の正孔輸送性高分子に係るものである。
【0013】次いで、本発明は、[4] 少なくとも一種
類の下記一般式(14)で表されるシラン化合物を、加
水分解させて縮合する[1]記載の正孔輸送性高分子の
製造方法。
【化35】 (式中、Xは、ハロゲン原子、または1〜20個の炭素
原子を有するアルコキシ基を示す。R1、Ar1、Ar2
およびAr3は、それぞれ、[1]における定義と同じ
である。また、Ar1とAr2の間、またはAr1とAr3
の間、またはAr2とAr3の間に環を形成していてもよ
い。)
【0014】また、本発明は、[5] 少なくとも一種類
の下記一般式(15)で表されるシラン化合物を、また
は、少なくとも一種類の該一般式(15)で表されるシ
ラン化合物と少なくとも一種類の下記一般式(16)で
表されるシラン化合物との混合物を、加水分解させて縮
合する[2]記載の正孔輸送性高分子の製造方法に係る
ものである。
【化36】 (式中、R30、R31、R32およびR33は、それぞれ独立
に、ハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を有するアル
キル基もしくはアルコキシ基、3〜20個の炭素原子を
有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有す
るアリール基、7〜32個の炭素原子を有するアラルキ
ル基を示し、R28およびR29は、それぞれ独立に、ハロ
ゲン原子、または1〜20個の炭素原子を有するアルコ
キシ基を示す。Ar25およびAr27は、[2]の一般式
(5)におけるAr9の定義、または一般式(10)に
おけるAr19の定義と同じであり、Ar26は、[2]の
一般式(5)におけるAr10の定義と同じである。ま
た、Ar25とAr26の間、またはAr25とAr27の間、
またはAr26とAr27の間に環を形成していてもよ
い。)
【化37】 {式中、R35およびR36は、それぞれ独立に、ハロゲン
原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基もしく
はアルコキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロ
アルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基
または7〜32個の炭素原子を有するアラルキル基を示
し、R34は、ハロゲン原子、または1〜20個の炭素原
子を有するアルコキシ基を示す。Ar28は、6〜30個
の炭素原子を有するアリーレン基、または下記一般式
(17)で表される芳香族エテニレン骨格を有する基で
あり、Ar29およびAr30は、それぞれ独立に、6〜3
0個の炭素原子を有するアリール基、下記一般式(1
8)で表される芳香族アミン骨格を有する基、または下
記一般式(19)で表される芳香族エテニレン骨格を有
する基を示す。また、Ar28とAr29の間、またはAr
28とAr30の間、またはAr29とAr30の間に環を形成
していてもよい。
【化38】 (式中、Ar31およびAr32は、それぞれ独立に、6〜
30個の炭素原子を有するアリーレン基を示し、R37
よびR38は、それぞれ独立に、水素原子、1〜20個の
炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の炭素原子を
有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有す
るアリール基、または7〜32個の炭素原子を有するア
ラルキル基を示す。)
【化39】 (式中、Ar33は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
ーレン基を示し、R39およびR40は、それぞれ独立に、
1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個
の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭
素原子を有するアリール基、または7〜32個の炭素原
子を有するアラルキル基を示す。また、Ar33とR39
間、またはAr33とR40の間、またはR39とR40の間に
環を形成していてもよい。)
【化40】 (式中、Ar34は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
ーレン基を示し、R41およびR42は、それぞれ独立に、
水素原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、
3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜
30個の炭素原子を有するアリール基または7〜32個
の炭素原子を有するアラルキル基を示し、Ar35は、6
〜30個の炭素原子を有するアリール基を示す。)}
【0015】さらに、本発明は、[6] 前記[5]記載の
方法で製造される正孔輸送性高分子を下記一般式(2
0)で表される化合物と反応させる[2]または[3]記載
の正孔輸送性高分子の製造方法に係るものである。
【化41】 (式中、Xはハロゲン原子、水酸基、または1〜10個
の炭素原子を有するアルコキシ基を示す。R25、R26
よびR27は、それぞれ[2]の一般式(12)における
定義と同じである。)
【0016】また、本発明は、[7] 少なくとも一方が
透明または半透明である一対の陽極および陰極からなる
電極間に、少なくとも一層の有機物からなる層を有する
有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機物
層が[1]〜[3]のいずれかに記載の正孔輸送性高分
子を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に係るもの
である。
【0017】次に、本発明は、[8] 少なくとも一方が
透明または半透明である一対の陽極および陰極からなる
電極間に、発光層を有する有機エレクトロルミネッセン
ス素子において、該発光層が[1]〜[3]のいずれか
に記載の正孔輸送性高分子を含む有機エレクトロルミネ
ッセンス素子に係るものである。
【0018】また、本発明は、[9] 少なくとも一方が
透明または半透明である一対の陽極および陰極からなる
電極間に、発光層を有する有機エレクトロルミネッセン
ス素子において、該陽極と該発光層との間に、該発光層
に隣接して[1]〜[3]のいずれかに記載の正孔輸送
性高分子を含む正孔輸送層を設けてなる有機エレクトロ
ルミネッセンス素子に係るものである。
【0019】また、本発明は、[10] 陰極と発光層と
の間に、該発光層に隣接して電子輸送性化合物を含む電
子輸送層を設けてなる[8]または[9]記載の有機エレク
トロルミネッセンス素子に係るものである。
【0020】また、本発明は、[11] 発光層が下記一
般式(21)で示される繰り返し単位を、全繰り返し単
位の50モル%以上含み、ポリスチレン換算の数平均分
子量が103〜107である高分子発光体を含む[8]〜
[10]記載のいずれかの有機エレクトロルミネッセンス
素子に係るものである。
【0021】
【化42】 −Ar−CR=CR’− ・・・・・(21) 〔式中、Arは、共役結合に関与する炭素原子数が4個
以上20個以下からなるアリーレン基または複素環化合
物基である。R、R’は、それぞれ独立に、水素、1〜
20個の炭素原子を有するアルキル基、6〜20個の炭
素原子を有するアリール基、4〜20個の炭素原子を有
する複素環化合物およびシアノ基からなる群から選ばれ
る基を示す。〕
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一の正孔輸送性高分子は、一般式(1)で表
される繰り返し構造単位を含む正孔輸送性高分子であ
り、ポリスチレン換算の数平均分子量が103〜107
あることを特徴とする。成膜性の点から、数平均分子量
は、好ましくは103〜106であり、さらに好ましくは
103〜105である。
【0023】一般式(1)において、R1は、1〜20
個の炭素原子を有する、直鎖状もしくは分岐状のアルキ
ル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル
基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基、または
7〜32個の炭素原子を有するアラルキル基であり、好
ましくは、1〜10個の炭素原子を有する、直鎖状もし
くは分岐状のアルキル基、3〜10個の炭素原子を有す
るシクロアルキル基、6〜20個の炭素原子を有するア
リール基、または7〜22個の炭素原子を有するアラル
キル基であり、さらに好ましくは、1〜6個の炭素原子
を有する、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、3〜6
個の炭素原子を有するシクロアルキル基である。
【0024】R1の具体例としては、アルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロ
プロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基等が挙げられ、アリール基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基で置換されていてもよい、
フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ビフェニル基
等が挙げられ、アラルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基で置換されていてもよい、ベンジル
基、フェネチル基等が挙げられる。
【0025】一般式(1)において、Ar1における、
アリーレン基としては、6〜30個の炭素原子を有する
アリーレン基であり、好ましくは、6〜20個の炭素原
子を有するアリーレン基であり、さらに好ましくは、1
〜6個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアル
キル基または3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキ
ル基で置換されていてもよい、フェニレン基またはナフ
チレン基である。
【0026】Ar1におけるアリーレン基の具体例とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基で置換されてい
てもよい、フェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン
基等が挙げられる。
【0027】また、一般式(1)におけるAr1は、前記
一般式(2)で表される芳香族エテニレン骨格を有する
基でもよい。一般式(2)において、Ar4およびAr5
は、それぞれ独立に、6〜30個の炭素原子を有するア
リーレン基であり、好ましくは6〜20個の炭素原子を
有するアリーレン基であり、さらに好ましくは、1〜6
個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基また
は3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基で置換
されていてもよい、フェニレン基である。
【0028】Ar4およびAr5の具体例としては、それ
ぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基で置換さ
れていてもよい、フェニレン基、ナフチレン基、アンス
リレン基等が挙げられる。
【0029】また、一般式(2)において、R2および
3は、それぞれ独立に、水素原子、1〜20個の炭素
原子を有する直鎖状もしくは分岐状アルキル基、3〜2
0個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個
の炭素原子を有するアリール基、または7〜32個の炭
素原子を有するアラルキル基であり、好ましくは、水素
原子、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分
岐状のアルキル基、3〜10個の炭素原子を有するシク
ロアルキル基、6〜20個の炭素原子を有するアリール
基、または7〜22個の炭素原子を有するアラルキル基
であり、さらに好ましくは、水素原子、1〜6個の炭素
原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、また
は1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキ
ル基もしくは3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキ
ル基で置換されていてもよいフェニル基である。
【0030】R2およびR3の具体例としては、それぞれ
独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、
または、メチル基、エチル基、プロピル基で置換されて
いてもよいフェニル基等が挙げられる。
【0031】また、一般式(1)において、Ar2およ
びAr3における、アリール基としては、それぞれ独立
に、6〜30個の炭素原子を有するアリール基であり、
好ましくは6〜20個の炭素原子を有するアリール基で
あり、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直
鎖状、分岐状のアルキル基もしくは3〜6個の炭素原子
を有するシクロアルキル基で置換されていてもよい、フ
ェニル基またはナフチル基である。
【0032】Ar2およびAr3におけるアリール基の具
体例としては、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、
または、プロピル基で置換されていてもよい、フェニル
基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
【0033】また、一般式(1)におけるAr2および
Ar3は、それぞれ独立に、一般式(3)で表される芳
香族アミン骨格を有する基でもよい。一般式(3)にお
いて、Ar6は、6〜30個の炭素原子を有するアリー
レン基であり、好ましくは、6〜20個の炭素原子を有
するアリーレン基であり、さらに好ましくは、1〜6個
の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしく
は3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基で置換
されていてもよい、フェニレン基もしくはビフェニレン
基である。
【0034】Ar6の具体例としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基で置換されていてもよい、フェニレン
基、ナフチレン基、アンスリレン基、ビフェニレン基等
が挙げられる。
【0035】また、一般式(3)において、R4およびR
5は、それぞれ独立に、1〜20個の炭素原子を有する
直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、3〜20個の炭素
原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子
を有するアリール基、または7〜32個の炭素原子を有
するアラルキル基であり、好ましくは、1〜10個の炭
素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、3
〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜2
0個の炭素原子を有するアリール基、または7〜22個
の炭素原子を有するアラルキル基であり、さらに好まし
くは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のア
ルキル基もしくは3〜6個の炭素原子を有するシクロア
ルキル基で置換されていてもよい、フェニル基もしくは
ナフチル基である。
【0036】R4およびR5の具体例としては、それぞれ
独立に、メチル基、エチル基、プロピル基で置換されて
いてもよい、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、
ビフェニル基等が挙げられる。
【0037】また、一般式(3)において、Ar6とR4
の間、またはAr6とR5の間、またはR4とR5の間に環
を形成していてもよい。
【0038】また、一般式(1)におけるAr2および
Ar3は、それぞれ独立に、一般式(4)で表される芳
香族エテニレン骨格を有する基でもよい。一般式(4)
において、Ar7は、6〜30個の炭素原子を有するア
リーレン基であり、好ましくは6〜20個の炭素原子を
有するアリーレン基であり、さらに好ましくは、1〜6
個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基もし
くは3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基で置
換されていてもよいフェニレン基である。
【0039】Ar7の具体例としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基で置換されていてもよい、フェニレン
基、ナフチレン基、アンスリレン基等が挙げられる。
【0040】また、一般式(4)において、Ar8は、
6〜30個の炭素原子を有するアリール基であり、好ま
しくは6〜20個の炭素原子を有するアリール基であ
り、さらに好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する直
鎖状、分岐状のアルキル基もしくは3〜6個の炭素原子
を有するシクロアルキル基で置換されていてもよいフェ
ニル基である。
【0041】Ar8の具体例としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基で置換されていてもよい、フェニル
基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
【0042】また、一般式(4)において、R6およびR
7は、それぞれ独立に、水素原子、1〜20個の炭素原
子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、3〜2
0個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個
の炭素原子を有するアリール基、または7〜32個の炭
素原子を有するアラルキル基であり、好ましくは、水素
原子、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状の
アルキル基、3〜10個の炭素原子を有するシクロアル
キル基、6〜20個の炭素原子を有するアリール基、ま
たは7〜22個の炭素原子を有するアラルキル基であ
り、さらに好ましくは、水素原子、1〜6個の炭素原子
を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または1
〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基
もしくは3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基
で置換されていてもよいフェニル基である。
【0043】R6およびR7の具体例としては、それぞれ
独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、
または、メチル基、エチル基、プロピル基で置換されて
いてもよいフェニル基等が挙げられる。
【0044】また、一般式(1)において、Ar1とA
2の間、またはAr1とAr3の間、またはAr2とAr
3の間に環を形成していてもよい。
【0045】また、該第一の正孔輸送性高分子は、一般
式(1)で表される繰り返し構造を含んでいれば、他の
繰り返し構造単位を含む共重合体でもよい。共重合する
他の繰り返し単位としては、下記一般式(22)で表さ
れる繰り返し構造単位が例示さる。該共重合体として
は、一般式(1)で表される繰り返し構造および1種類
以上の一般式(22)で表される繰り返し単位を含むも
のが例示される。この場合、共重合体の組成は本発明の
正孔輸送性高分子の特性を阻害しない限りは特に制限は
ないが、一般式(1)で示される繰り返し構造の割合
が、全繰り返し構造単位の20〜100モル%が好まし
く、さらに好ましくは、50〜100モル%である。
【0046】
【化43】 (式中、R”は、それぞれ互いに異なっていてもよい、
1〜12個の炭素原子を有するアルキル基またはアリー
ル基を示す。)
【0047】次に、本発明の第二の正孔輸送性高分子
は、前記一般式(5)で表される繰り返し構造単位を含
み、ポリスチレン換算の数平均分子量が103〜107
あることを特徴とする正孔輸送性高分子であることを特
徴とする。成膜性の点から、数平均分子量は、好ましく
は103〜106であり、さらに好ましくは103〜105
である。
【0048】また、該第二の正孔輸送性高分子は、正孔
輸送性を阻害しない範囲で、一般式(5)で示される繰
り返し構造以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。共
重合する他の繰り返し構造単位としては、上記一般式
(22)で表わされる繰り返し構造単位が例示される。
一般式(5)で示される繰り返し構造の割合は、全繰り
返し構造単位の20〜100モル%が好ましく、さらに
好ましくは、50〜100モル%である。
【0049】一般式(5)において、R8、R9、R10
よびR11は、それぞれ独立に、水酸基、1〜20個の炭
素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくはア
ルコキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアル
キル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基、7
〜32個の炭素原子を有するアラルキル基、一般式(1
0)で表される基、一般式(12)で表される基、また
は分子内で架橋して分子内のケイ素原子と結合していて
もよく、架橋して隣接する分子のケイ原子と結合してい
てもよい、二価の酸素原子であり、好ましくは、水酸
基、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のア
ルキル基もしくはアルコキシ基、3〜10個の炭素原子
を有するシクロアルキル基、一般式(10)で表される
基、一般式(12)で表される基、または分子内で架橋
して分子内のケイ素原子と結合していてもよく、架橋し
て隣接する分子のケイ原子と結合していてもよい、二価
の酸素原子、さらに好ましくは、水酸基、1〜6個の炭
素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくはア
ルコキシ基、一般式(10)で表される基、一般式(1
2)で表される基、または分子内で架橋して分子内のケ
イ素原子と結合していてもよく、架橋して隣接する分子
のケイ原子と結合していてもよい、二価の酸素原子であ
る。
【0050】また、一般式(5)において、R8、R9
10およびR11の具体例としては、それぞれ独立に、水
酸基、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられ、アルコキシ
基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブト
キシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘ
キシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基
等が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロプロ
ピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基等が挙げられ、アリール基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基で置換されていてもよい、フ
ェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ビフェニル基等
が挙げられ、アラルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基で置換されていてもよい、ベンジル基、
フェネチル基等が挙げられる。
【0051】また、分子内で架橋して分子内のケイ素原
子と結合していてもよく、架橋して隣接する分子のケイ
素原子と結合していてもよい、二価の酸素原子とは、具
体的には、架橋によりシロキサン結合を生成するとき二
つのケイ素原子に挟まれた酸素原子のことを意味する。
【0052】一般式(5)において、Ar9およびAr
11におけるアリーレン基としては、それぞれ独立に、6
〜30個の炭素原子を有するアリーレン基であり、好ま
しくは、6〜20個の炭素原子を有するアリーレン基で
あり、さらに好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する
直鎖状、分岐状のアルキル基もしくは3〜6個の炭素原
子を有するシクロアルキル基で置換されていてもよい、
フェニレン基もしくはナフチレン基である。Ar9およ
びAr11におけるアリーレン基の具体例としては、それ
ぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基で置換さ
れていてもよい、フェニレン基、ナフチレン基、アンス
リレン基等が挙げられる。
【0053】また、一般式(5)において、Ar9およ
びAr11は、それぞれ独立に、一般式(6)で表される
芳香族アミン骨格を有する基でもよい。一般式(6)に
おいて、Ar12およびAr13は、それぞれ独立に、6〜
30個の炭素原子を有するアリーレン基であり、好まし
くは6〜20個の炭素原子を有するアリーレン基であ
り、さらに好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する直
鎖状、分岐状のアルキル基もしくは3〜6個の炭素原子
を有するシクロアルキル基で置換されていてもよい、フ
ェニレン基もしくはビフェニレン基である。Ar12およ
びAr13の具体例としては、それぞれ独立に、メチル
基、エチル基、プロピル基で置換されていてもよい、フ
ェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基、ビフェニ
レン基等が挙げられる。
【0054】また、一般式(6)において、R12は、1
〜20個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のア
ルキル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキ
ル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基、また
は7〜32個の炭素原子を有するアラルキル基であり、
好ましくは、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もし
くは分岐状のアルキル基、3〜10個の炭素原子を有す
るシクロアルキル基、6〜20個の炭素原子を有するア
リール基、または7〜22個の炭素原子を有するアラル
キル基であり、さらに好ましくは、1〜6個の炭素原子
を有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくは3〜6個
の炭素原子を有するシクロアルキル基で置換されていて
もよい、フェニル基もしくはナフチル基である。R12
具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基で置
換されていてもよい、フェニル基、ナフチル基、アンス
リル基、ビフェニル基等が挙げられる。
【0055】また、一般式(6)において、Ar12およ
びAr13の間、またはAr12およびR12の間、またはA
13およびR12間に環を形成していてもよい。
【0056】また、一般式(5)におけるAr9および
Ar11は、それぞれ独立に、一般式(7)で表される芳
香族エテニレン骨格を有する基でもよい。一般式(7)
において、Ar14およびAr15は、それぞれ独立に、6
〜30個の炭素原子を有するアリーレン基であり、好ま
しくは6〜20個の炭素原子を有するアリーレン基であ
り、さらに好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する直
鎖状、分岐状のアルキル基もしくは3〜6個の炭素原子
を有するシクロアルキル基で置換されていてもよいフェ
ニレン基である。Ar14およびAr15の具体例として
は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基
で置換されていてもよい、フェニレン基、ナフチレン
基、アンスリレン基等が挙げられる。
【0057】また、一般式(7)において、R13および
14は、それぞれ独立に、水素原子、1〜20個の炭素
原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、3〜
20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30
個の炭素原子を有するアリール基、または7〜32個の
炭素原子を有するアラルキル基であり、好ましくは、水
素原子、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは
分岐状のアルキル基、3〜10個の炭素原子を有するシ
クロアルキル基、6〜20個の炭素原子を有するアリー
ル基、または7〜22個の炭素原子を有するアラルキル
基であり、さらに好ましくは、水素原子、1〜6個の炭
素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、ま
たは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のア
ルキル基もしくは3〜6個の炭素原子を有するシクロア
ルキル基で置換されていてもよいフェニル基である。R
13およびR14の具体例としては、それぞれ独立に、水素
原子、メチル基、エチル基、プロピル基、または、メチ
ル基、エチル基、プロピル基で置換されていてもよいフ
ェニル基等が挙げられる。
【0058】また、一般式(5)において、Ar10にお
けるアリール基としては、6〜30個の炭素原子を有す
るアリール基であり、好ましくは6〜20個の炭素原子
を有するアリール基であり、さらに好ましくは、1〜6
個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基もし
くは3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基で置
換されていてもよい、フェニル基もしくはナフチル基で
ある。Ar10におけるアリール基の具体例としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基で置換されていてもよ
い、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げら
れる。
【0059】また、一般式(5)におけるAr10は、一
般式(8)で表される芳香族アミン骨格を有する基でも
よい。一般式(8)において、Ar16は、6〜30個の
炭素原子を有するアリーレン基であり、好ましくは、6
〜20個の炭素原子を有するアリーレン基であり、さら
に好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分
岐状のアルキル基もしくは3〜6個の炭素原子を有する
シクロアルキル基で置換されていてもよい、フェニレン
基もしくはビフェニレン基である。Ar16の具体例とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基で置換されてい
てもよい、フェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン
基、ビフェニレン基等が挙げられる。
【0060】また、一般式(8)において、R15および
16は、それぞれ独立に、1〜20個の炭素原子を有す
る直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、3〜20個の炭
素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原
子を有するアリール基、または7〜32個の炭素原子を
有するアラルキル基であり、好ましくは、1〜10個の
炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
3〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜
20個の炭素原子を有するアリール基、または7〜22
個の炭素原子を有するアラルキル基であり、さらに好ま
しくは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状の
アルキル基もしくは3〜6個の炭素原子を有するシクロ
アルキル基で置換されていてもよい、フェニル基もしく
はナフチル基である。R15およびR16の具体例として
は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基
で置換されていてもよい、フェニル基、ナフチル基、ア
ンスリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
【0061】また、一般式(8)において、Ar16とR
15の間、またはAr16とR16の間、またはR15とR16
間に環を形成していてもよい。
【0062】また、一般式(5)におけるAr10は、一
般式(9)で表される芳香族エテニレン骨格を有する基
でもよい。一般式(9)において、Ar17は、6〜30
個の炭素原子を有するアリーレン基であり、好ましくは
6〜20個の炭素原子を有するアリーレン基であり、さ
らに好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、
分岐状のアルキル基もしくは3〜6個の炭素原子を有す
るシクロアルキル基で置換されていてもよいフェニレン
基である。Ar17の具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基で置換されていてもよい、フェニレン
基、ナフチレン基、アンスリレン基等が挙げられる。
【0063】また、一般式(9)において、Ar18は、
6〜30個の炭素原子を有するアリール基であり、好ま
しくは6〜20個の炭素原子を有するアリール基であ
り、さらに好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する直
鎖状、分岐状のアルキル基もしくは3〜6個の炭素原子
を有するシクロアルキル基で置換されていてもよいフェ
ニル基である。Ar18の具体例としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基で置換されていてもよい、フェニル
基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
【0064】また、一般式(9)において、R17および
18は、それぞれ独立に、水素原子、1〜20個の炭素
原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、3〜
20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30
個の炭素原子を有するアリール基、または7〜32個の
炭素原子を有するアラルキル基であり、好ましくは、水
素原子、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは
分岐状のアルキル基、3〜10個の炭素原子を有するシ
クロアルキル基、6〜20個の炭素原子を有するアリー
ル基、または7〜22個の炭素原子を有するアラルキル
基であり、さらに好ましくは、水素原子、1〜6個の炭
素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、ま
たは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のア
ルキル基もしくは3〜6個の炭素原子を有するシクロア
ルキル基で置換されていてもよいフェニル基である。R
17およびR18の具体例としては、それぞれ独立に、水素
原子、メチル基、エチル基、プロピル基、または、メチ
ル基、エチル基、プロピル基で置換されていてもよい、
フェニル基等が挙げられる。また、一般式(5)におい
て、Ar9とAr10の間、またはAr9とAr11の間、ま
たはAr10とAr11の間に環を形成していてもよい。
【0065】一般式(10)において、R19およびR20
は、それぞれ独立に、水酸基、1〜20個の炭素原子を
有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくはアルコキシ
基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、
6〜30個の炭素原子を有するアリール基、または7〜
32個の炭素原子を有するアラルキル基または分子内で
架橋して分子内のケイ素原子と結合していてもよく、架
橋して隣接する分子のケイ原子と結合していてもよい、
二価の酸素原子をであり、好ましくは、水酸基、1〜1
0個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基も
しくはアルコキシ基、または3〜10個の炭素原子を有
するシクロアルキル基または分子内で架橋して分子内の
ケイ素原子と結合していてもよく、架橋して隣接する分
子のケイ原子と結合していてもよい、二価の酸素原子で
あり、さらに好ましくは、水酸基、1〜6個の炭素原子
を有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくはアルコキ
シ基または分子内で架橋して分子内のケイ素原子と結合
していてもよく、架橋して隣接する分子のケイ原子と結
合していてもよい、二価の酸素原子である。R19および
20の具体例としては、それぞれ独立に、水酸基、アル
キル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘ
プチル基、オクチル基等が挙げられ、アルコキシ基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イ
ソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ
基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等が
挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基等が挙げられ、アリール基としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基で置換されていてもよい、フェニル
基、ナフチル基、アンスリル基、ビフェニル基等が挙げ
られ、アラルキル基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基で置換されていてもよい、ベンジル基、フェネ
チル基等が挙げられる。
【0066】また、一般式(10)において、R21は水
素原子、または一般式(11)で表される基であり、一
般式(11)において、R22、R23およびR24は、それ
ぞれ独立に、水酸基、1〜20個の炭素原子を有する直
鎖状、分岐状のアルキル基もしくはアルコキシ基、3〜
20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30
個の炭素原子を有するアリール基、または7〜32個の
炭素原子を有するアラルキル基であり、好ましくは、水
酸基、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状の
アルキル基もしくはアルコキシ基、または3〜10個の
炭素原子を有するシクロアルキル基であり、さらに好ま
しくは、、水酸基、または1〜6個の炭素原子を有する
直鎖状、分岐状のアルキル基もしくはアルコキシ基であ
る。R22、R23およびR24の具体例としては、それぞれ
独立に、水酸基、アルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げら
れ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ
基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペン
チルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、
オクチルオキシ基等が挙げられ、シクロアルキル基とし
ては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、アリール基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基で置換されて
いてもよい、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、
ビフェニル基等が挙げられ、アラルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基で置換されていてもよ
い、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0067】また、一般式(10)において、Ar19
よびAr21におけるアリーレン基としては、それぞれ独
立に、6〜30個の炭素原子を有するアリーレン基であ
り、好ましくは、6〜20個の炭素原子を有するアリー
レン基であり、さらに好ましくは、1〜6個の炭素原子
を有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくは3〜6個
の炭素原子を有するシクロアルキル基で置換されていて
もよい、フェニレン基もしくはナフチレン基である。A
19およびAr21におけるアリーレン基の具体例として
は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基
で置換されていてもよい、フェニレン基、ナフチレン
基、アンスリレン基等が挙げられる。
【0068】また、一般式(10)において、Ar19
よびAr21は、それぞれ独立に、一般式(6)で表され
る芳香族アミン骨格を有する基、または一般式(7)で
表される芳香族エテニレン骨格を有する基でもよい。
【0069】また、一般式(10)において、Ar20
おけるアリール基としては、6〜30個の炭素原子を有
するアリール基であり、好ましくは6〜20個の炭素原
子を有するアリール基であり、さらに好ましくは、1〜
6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基も
しくは3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基で
置換されていてもよい、フェニル基もしくはナフチル基
である。Ar20におけるアリール基の具体例としては、
メチル基、エチル基、プロピル基で置換されていてもよ
い、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げら
れる。
【0070】また、一般式(10)において、Ar
20は、一般式(8)で表される芳香族アミン骨格を有す
る基、または一般式(9)で表される芳香族エテニレン
骨格を有する基でもよい。
【0071】また、一般式(10)において、Ar19
Ar20の間、またはAr19とAr21の間、またはAr20
とAr21の間に環を形成していてもよい。
【0072】一般式(12)において、R25、R26およ
びR27は、それぞれ独立に、1〜20個の炭素原子を有
する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくはアルコキシ
基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、
6〜30個の炭素原子を有するアリール基、7〜32個
の炭素原子を有するアラルキル基、一般式(9)で表さ
れる芳香族エテニレン骨格を有する基、または一般式
(13)で表される芳香族アミン骨格を有する基であ
り、好ましくは、1〜10個の炭素原子を有する直鎖
状、分岐状のアルキル基もしくはアルコキシ基、3〜1
0個の炭素原子を有するシクロアルキル基、一般式
(9)で表される芳香族エテニレン骨格を有する基、ま
たは一般式(13)で表される芳香族アミン骨格を有す
る基であり、さらに好ましくは、1〜6個の炭素原子を
有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくはアルコキシ
基、一般式(9)で表される芳香族エテニレン骨格を有
する基、または一般式(13)で表される芳香族アミン
骨格を有する基である。R25、R26およびR27の具体例
としては、それぞれ独立に、アルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が
挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブト
キシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、
ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ
基、オクチルオキシ基等が挙げられ、シクロアルキル基
としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、アリール
基としては、メチル基、エチル基、プロピル基で置換さ
れていてもよい、フェニル基、ナフチル基、アンスリル
基、ビフェニル基等が挙げられ、アラルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基で置換されていて
もよい、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる
【0073】一般式(13)において、Ar22における
アリーレン基としては、6〜30個の炭素原子を有する
アリーレン基であり、好ましくは6〜20個の炭素原子
を有するアリーレン基であり、さらに好ましくは、1〜
6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基も
しくは3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基で
置換されていてもよい、フェニレン基もしくはナフチレ
ン基である。Ar22における、アリーレン基の具体例と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基で置換されて
いてもよい、フェニレン基、ナフチレン基、アンスリレ
ン基等が挙げられる。
【0074】また、一般式(13)において、Ar
22は、一般式(6)で表される芳香族アミン骨格を有す
る基、または一般式(7)で表される芳香族エテニレン
骨格を有する基でもよい。
【0075】また、一般式(13)において、Ar23
よびAr24におけるアリール基としては、6〜30個の
炭素原子を有するアリール基であり、好ましくは6〜2
0個の炭素原子を有するアリール基であり、さらに好ま
しくは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状の
アルキル基もしくは3〜6個の炭素原子を有するシクロ
アルキル基で置換されていてもよい、フェニル基もしく
はナフチル基である。Ar23およびAr24におけるアリ
ール基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基で置換されていてもよい、フェニル基、ナフチル
基、アンスリル基等が挙げられる。
【0076】また、一般式(13)におけるAr23およ
びAr24は、それぞれ独立に、一般式(8)で表される
芳香族アミン骨格を有する基、または一般式(9)で表
される芳香族エテニレン骨格を有する基でもよい。
【0077】次に本発明の第三の正孔輸送性高分子は、
本発明の第二の正孔輸送性高分子において、少なくとも
一種類の前記一般式(12)で表される化合物基を該正
孔輸送性高分子に属するケイ素原子全体(但し、該化合
物基に含まれるケイ素原子を除く)に対して10モル%
以上150モル%以下の割合で含み、かつ、水酸基の含
有割合が該正孔輸送性高分子に属するケイ素原子全体
(但し、該化合物基に含まれるケイ素原子を除く)に対
して10モル%未満であることを特徴とし、5モル%未
満であることが好ましく、1モル%未満であることがさ
らに好ましい。本発明の第三の正孔輸送性高分子は耐久
性の面で優れる。
【0078】該第二の正孔輸送性高分子および該第三の
正孔輸送性高分子中に含まれる構造単位としては、下記
化44に示される構造単位、または、さらに下記化45
に示される構造単位が例示される。
【化44】 (式中、Aは、一般式(5)で表される繰り返し構造単
位中の芳香族アミン骨格を有する構造を示す。また、B
は、一般式(5)における、R8〜R11のいずれか、ま
たは一般式(12)で表される基を示す。)
【0079】
【化45】 (式中、A’は、一般式(10)で表されるシラン化合
物基中の芳香族アミン骨格を有する基を示す。また、
B’は、一般式(10)におけるR19またはR20、また
は一般式(12)で表される基のいずれかを示す。)
【0080】また、本発明の第一の正孔輸送性高分子の
製造方法は、少なくとも一種類の前記一般式(14)で
表されるシラン化合物を、加水分解させて縮合すること
を特徴とし、具体的には溶媒中または無溶媒で、酸性ま
たは塩基性条件下で加水分解させて縮合することが挙げ
られる。
【0081】また、前記一般式(14)で表されるシラ
ン化合物に、1種類以上の下記一般式(23)で表され
るシラン化合物を混合したものを、加水分解して縮合さ
せてもよい。
【0082】
【化46】 (式中、Xは、ハロゲン原子、または1〜6個の炭素原
子を有するアルコキシ基であり、R”は、それぞれ互い
に異なっていてもよい、1〜12個の炭素原子を有する
アルキル基またはアリール基である。)
【0083】加水分解の条件としては、塩基性条件下が
好ましい。塩基性条件にするために用いる塩基として
は、特に制限はなく、無機系、有機系の塩基を用いるこ
とができるが、好ましくは有機系の塩基である。有機系
の塩基としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、
ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ピ
リジン等が例示される。用いる溶媒としては、前記のシ
ラン化合物を溶解できれば特に制限はないが、好ましく
は、エーテル系またはアミン系などの極性の高い有機溶
媒が挙げられ、また二種類以上の混合溶媒を用いてもよ
い。反応温度は、通常0℃から150℃の範囲である
が、好ましくは、40℃以上100℃以下である。反応
時間は、加水分解させ縮合されるシラン化合物にもよる
が、通常30分から100時間である。
【0084】一般式(14)において、Xは、ハロゲン
原子、または1〜20個の炭素原子を有する直鎖状もし
くは分岐状のアルコキシ基であり、好ましくはハロゲン
原子、または1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もし
くは分岐状のアルコキシ基であり、さらに好ましくは、
ハロゲン原子、または1〜3個の炭素原子を有する直鎖
状もしくは分岐状のアルコキシ基である。
【0085】Xの具体例としては、ハロゲン原子として
は、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素、アルコキシ基とし
て、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、
tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオ
キシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げ
られる。
【0086】一般式(14)における、R1、Ar1、A
2およびAr3の好ましい置換基および具体例として
は、一般式(1)におけるR1、Ar1、Ar2およびA
3のそれと同じである。また、Ar1とAr2の間、ま
たはAr1とAr3の間、またはAr2とAr3の間に環を
形成していてもよい。
【0087】前記一般式(14)で表されるシラン化合
物の合成法は、特に制限はないが、例えば、いわゆる直
接法によって工業的に生産される、アルキルハロシラン
化合物、アルキルアルコキシシラン化合物、アルキルハ
ロアルコキシシラン化合物などと有機化合物のグリニャ
ール試剤やリチウム試剤を用いたメタセシス反応により
得る方法がある。
【0088】また、本発明の第二の正孔輸送性高分子の
製造方法は、少なくとも一種類の前記一般式(15)で
表されるシラン化合物を、または、少なくとも一種類の
一般式(15)で表されるシラン化合物と少なくとも一
種類の前記一般式(16)で表されるシラン化合物との
混合物を、加水分解させて縮合することを特徴とする。
具体的には溶媒中または無溶媒で、酸性または塩基性条
件下で加水分解させて縮合することが挙げられる。
【0089】また、一般式(15)で表されるシラン化
合物、または一般式(15)で表されるシラン化合物と
一般式(16)で表されるシラン化合物の混合物に、前
記のシラン化合物以外のアルコキシ基またはハロゲン原
子を有する1種類以上のシラン化合物を混合したものを
加水分解して縮合させてもよい。
【0090】加水分解の条件としては、塩基性条件下が
好ましい。塩基性条件にするために用いる塩基として
は、特に制限はなく、無機系、有機系の塩基を用いるこ
とができるが、好ましくは有機系の塩基である。有機系
の塩基としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、
ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ピ
リジン等が例示される。用いる溶媒としては、前記のシ
ラン化合物を溶解できれば特に制限はないが、好ましく
は、エーテル系またはアミン系などの極性の高い有機溶
媒が挙げられ、また、二種類以上の混合溶媒を用いても
よい。反応温度は、通常0℃から150℃の範囲である
が、好ましくは、40℃以上100℃以下である。反応
時間は、加水分解させ縮合されるシラン化合物にもよる
が、通常30分から100時間である。
【0091】一般式(15)において、R30、R31、R
32またはR33は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、1〜
20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基
もしくはアルコキシ基、3〜20個の炭素原子を有する
シクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリ
ール基、または7〜32個の炭素原子を有するアラルキ
ル基であり、好ましくは、ハロゲン原子、1〜10個の
炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくは
アルコキシ基、3〜10個の炭素原子を有するシクロア
ルキル基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子、1
〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基
もしくはアルコキシ基である。
【0092】R30、R31、R32またはR33の具体例とし
ては、それぞれ独立に、ハロゲン原子としては、ヨウ
素、臭素、塩素、フッ素、アルキル基として、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙
げられ、アルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキ
シ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペ
ントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ
基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロプ
ロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基等が挙げられ、アリール基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基で置換されていてもよい、フ
ェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ビフェニル基等
が挙げられ、アラルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基で置換されていてもよい、ベンジル基、
フェネチル基等が挙げられる。
【0093】一般式(15)において、R28およびR29
は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、または1〜20個
の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ
基であり、好ましくは、ハロゲン原子、または1〜10
個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルコキ
シ基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子、また
は、1〜3個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状
のアルコキシ基である。R28およびR29の具体例として
は、それぞれ独立に、ハロゲン原子としては、ヨウ素、
臭素、塩素、フッ素、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−
ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ
基、オクトキシ基等が挙げられる。
【0094】一般式(15)におけるAr25およびAr
27の好ましい置換基および具体例としては、一般式
(5)におけるAr9、または一般式(10)における
Ar19の好ましい置換基および具体例と同じであり、一
般式(15)におけるAr26の好ましい置換基および具
体例としては、一般式(5)におけるAr10の好ましい
置換基および具体例と同じである。また、Ar25とAr
26の間、またはAr25とAr27の間、またはAr26とA
27の間に環を形成していてもよい。
【0095】また、一般式(16)において、R35とR
36は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、1〜20個の炭
素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくはア
ルコキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアル
キル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基、ま
たは7〜32個の炭素原子を有するアラルキル基であ
り、好ましくは、ハロゲン原子、1〜10個の炭素原子
を有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくはアルコキ
シ基、または3〜10個の炭素原子を有するシクロアル
キル基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子、また
は1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキ
ル基もしくはアルコキシ基である。
【0096】R35とR36の具体例としては、それぞれ独
立に、ハロゲン原子としては、ヨウ素、臭素、塩素、フ
ッ素、アルキル基として、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられ、アルコキシ
基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブト
キシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソ
キシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基等が挙げられ、シ
クロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブ
チル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げ
られ、アリール基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基で置換されていてもよい、フェニル基、ナフチル
基、アンスリル基、ビフェニル基等が挙げられ、アラル
キル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基で置
換されていてもよい、ベンジル基、フェネチル基等が挙
げられる。
【0097】一般式(16)において、R34は、ハロゲ
ン原子、または、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状
もしくは分岐状のアルコキシ基であり、好ましくは、ハ
ロゲン原子、または、1〜10個の炭素原子を有する直
鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基であり、さらに好ま
しくは、ハロゲン原子、または1〜3個の炭素原子を有
する直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基である。R34
の具体例としては、ハロゲン原子としては、ヨウ素、臭
素、塩素、フッ素が挙げられ、アルコキシ基としては、
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、te
rt−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプ
トキシ基、オクトキシ基等が挙げられる。
【0098】一般式(16)において、Ar28における
アリーレン基としては、6〜30個の炭素原子を有する
アリーレン基であり、好ましくは、6〜20個の炭素原
子を有するアリーレン基であり、さらに好ましくは、1
〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基
もしくは3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基
で置換されていてもよい、フェニレン基もしくはナフチ
レン基である。Ar28におけるアリーレン基の具体例と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基で置換されて
いてもよい、フェニレン基、ナフチレン基、アンスリレ
ン基等が挙げられる。
【0099】また、一般式(16)において、Ar
28は、一般式(17)で表される芳香族エテニレン骨格
を有する基でもよい。一般式(17)において、Ar31
およびAr32は、それぞれ独立に、6〜30個の炭素原
子を有するアリーレン基であり、好ましくは6〜20個
の炭素原子を有するアリーレン基であり、さらに好まし
くは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のア
ルキル基もしくは3〜6個の炭素原子を有するシクロア
ルキル基で置換されていてもよいフェニレン基である。
Ar31およびAr32の具体例としては、それぞれ独立
に、メチル基、エチル基、プロピル基で置換されていて
もよい、フェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基
等が挙げられる。
【0100】また、一般式(17)において、R37およ
びR38は、それぞれ独立に、水素原子、1〜20個の炭
素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、3
〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜3
0個の炭素原子を有するアリール基、または7〜32個
の炭素原子を有するアラルキル基であり、好ましくは、
水素原子、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしく
は分岐状のアルキル基、3〜10個の炭素原子を有する
シクロアルキル基、6〜20個の炭素原子を有するアリ
ール基、または7〜22個の炭素原子を有するアラルキ
ル基であり、さらに好ましくは、水素原子、1〜6個の
炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
または1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のア
ルキル基もしくは3〜6個の炭素原子を有するシクロア
ルキル基で置換されていてもよいフェニル基である。R
37およびR38の具体例としては、それぞれ独立に、水素
原子、メチル基、エチル基、プロピル基、または、メチ
ル基、エチル基、プロピル基で置換されていてもよいフ
ェニル基等が挙げられる。
【0101】また、一般式(16)において、Ar29
よびAr30における、アリール基としては、それぞれ独
立に、6〜30個の炭素原子を有するアリール基であ
り、好ましくは、6〜20個の炭素原子を有するアリー
ル基であり、さらに好ましくは、1〜6個の炭素原子を
有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくは3〜6個の
炭素原子を有するシクロアルキル基で置換されていても
よい、フェニル基もしくはナフチル基である。Ar29
よびAr30におけるアリール基の具体例としては、それ
ぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基で置換さ
れていてもよい、フェニル基、ナフチル基、アンスリル
基等が挙げられる。
【0102】また、一般式(16)におけるAr29およ
びAr30は、一般式(18)で表される芳香族アミン骨
格を有する基でもよい。一般式(18)において、Ar
33は、6〜30個の炭素原子を有するアリーレン基であ
り、好ましくは6〜20個の炭素原子を有するアリーレ
ン基であり、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子を有
する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくは3〜6個の炭
素原子を有するシクロアルキル基で置換されていてもよ
い、フェニレン基もしくはビフェニレン基である。Ar
33の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基
で置換されていてもよい、フェニレン基、ナフチレン
基、アンスリレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。
【0103】また、一般式(18)において、R39およ
びR40は、それぞれ独立に、1〜20個の炭素原子を有
する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または3〜2
0個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個
の炭素原子を有するアリール基、または7〜32個の炭
素原子を有するアラルキル基であり、好ましくは1〜1
0個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基、
3〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜
20個の炭素原子を有するアリール基、または7〜22
個の炭素原子を有するアラルキル基であり、さらに好ま
しくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のア
ルキル基もしくは3〜6個の炭素原子を有するシクロア
ルキル基で置換されていてもよい、フェニル基もしくは
ナフチル基である。R39およびR40の具体例としては、
それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基で置
換されていてもよい、フェニル基、ナフチル基、アンス
リル基、ビフェニル基等が挙げられる。
【0104】また、一般式(18)において、Ar33
39の間、またはAr33とR40の間、またはR39とR40
の間に環を形成していてもよい。
【0105】また、一般式(16)におけるAr29およ
びAr30は、一般式(19)で表される芳香族エテニレ
ン骨格を有する基でもよい。一般式(19)において、
Ar 34は、6〜30個の炭素原子を有するアリーレン基
であり、好ましくは6〜20個の炭素原子を有するアリ
ーレン基であり、さらに好ましくは、1〜6個の炭素原
子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくは3〜6
個の炭素原子を有するシクロアルキル基で置換されてい
てもよいフェニレン基である。Ar34の具体例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基で置換されていて
もよい、フェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基
等が挙げられる。
【0106】また、一般式(19)において、Ar
35は、6〜30個の炭素原子を有するアリール基であ
り、好ましくは6〜20個の炭素原子を有するアリール
基であり、さらに好ましくは、1〜6個の炭素原子を有
する直鎖状、分岐状のアルキル基もしくは3〜6個の炭
素原子を有するシクロアルキル基で置換されていてもよ
いフェニル基である。Ar35の具体例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基で置換されていてもよい、フ
ェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
【0107】また、一般式(19)において、R41およ
びR42は、それぞれ独立に、水素原子、1〜20個の炭
素原子を有する直鎖状もしくは分岐状アルキル基、3〜
20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30
個の炭素原子を有するアリール基、または7〜32個の
炭素原子を有するアラルキル基であり、好ましくは水素
原子、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状の
アルキル基または、3〜10個の炭素原子を有するシク
ロアルキル基、6〜20個の炭素原子を有するアリール
基、または7〜22個の炭素原子を有するアラルキル基
であり、さらに好ましくは水素原子、1〜6個の炭素原
子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または
1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル
基もしくは3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル
基で置換されていてもよいフェニル基である。
【0108】R41およびR42の具体例としては、それぞ
れ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、または、メチル基、エチル基、プロピル基で置換さ
れていてもよいフェニル基等が挙げられる。また、一般
式(16)において、Ar28とAr29の間、またはAr
28とAr30の間、またはAr29とAr30の間に環を形成
していてもよい。
【0109】前記一般式(15)および一般式(16)
で表される、シラン化合物の合成法は特に制限はない
が、例えば、いわゆる直接法によって工業的に生産され
る、アルキルハロシラン化合物、アルキルアルコキシシ
ラン化合物、アルキルハロアルコキシシラン化合物など
と有機化合物のグリニャール試剤やリチウム試剤を用い
たメタセシス反応により得る方法がある。
【0110】また、本発明の第二または第三の正孔輸送
性高分子の製造方法は、上記の第二の正孔輸送性高分子
の製造方法で製造される正孔輸送性高分子に、一般式
(20)で表されるシラン化合物を反応させて合成する
ことを特徴とする。具体的には溶媒中で、酸性または塩
基性条件下で合成することが挙げられる。
【0111】合成の条件としては、塩基性条件下が好ま
しい。塩基性条件にするために用いる塩基としては、特
に制限はなく、無機系、有機系の塩基を用いることがで
きるが、好ましくは有機系の塩基である。有機系の塩基
としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチル
アミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン
等が例示される。用いる溶媒としては、前記のシラン化
合物を溶解できれば特に制限はないが、好ましくは、エ
ーテル系またはアミン系などの極性の高い有機溶媒が挙
げられ、また、二種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
反応温度は、通常0℃から150℃の範囲であるが、好
ましくは、20℃以上100℃以下であり、さらに好ま
しくは、40℃以上80℃以下である。
【0112】一般式(20)において、Xは、ハロゲン
原子、水酸基または1〜10個の炭素原子を有する直鎖
状もしくは分岐状のアルコキシ基であり、好ましくはハ
ロゲン原子、または水酸基であり、さらに好ましくは、
ハロゲン原子である。Xの具体例としては、ハロゲン原
子としては、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素、アルコキシ
基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブト
キシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘ
キシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基
等が挙げられる。一般式(20)における、R25、R26
およびR27の好ましい置換基および具体例としては、一
般式(12)におけるR25、R26およびR27のそれと同
じである。
【0113】前記一般式(20)で表されるシラン化合
物の合成法は、特に制限はないが、例えば、いわゆる直
接法によって工業的に生産される、アルキルハロシラン
化合物、アルキルアルコキシシラン化合物、アルキルハ
ロアルコキシシラン化合物などと有機化合物のグリニャ
ール試剤やリチウム試剤を用いたメタセシス反応により
得る方法がある。
【0114】次に、本発明の有機EL素子について説明
する。本発明の有機EL素子は、〔7〕少なくとも一方
が透明または半透明である一対の陽極および陰極からな
る電極間に、少なくとも一層の有機物からなる層を有す
る有機EL素子において、該有機物層が本発明の第一の
正孔輸送性高分子〔1〕、第二の正孔輸送性高分子
〔2〕または第三の正孔輸送性高分子〔3〕を含むこと
を特徴とする。
【0115】さらに、本発明の有機EL素子は、〔8〕
少なくとも一方が透明または半透明である一対の陽極お
よび陰極からなる電極間に、発光層を有する有機EL素
子において、該発光層が本発明の第一の正孔輸送性高分
子〔1〕、第二の正孔輸送性高分子〔2〕または第三の
正孔輸送性高分子〔3〕を含むことを特徴とする。
【0116】さらに、本発明の有機EL素子は、
〔9〕
少なくとも一方が透明または半透明である一対の陽極お
よび陰極からなる電極間に、発光層を有する有機エレク
トロルミネッセンス素子において、該陽極と該発光層と
の間に、該発光層に隣接して本発明の第一の正孔輸送性
高分子〔1〕、第二の正孔輸送性高分子〔2〕または第
三の正孔輸送性高分子〔3〕を含む正孔輸送層を設けて
なることを特徴とする。
【0117】さらに、本発明の有機EL素子は、前記
〔8〕または
〔9〕記載の有機EL素子において、〔1
0〕陰極と発光層との間に、該発光層に隣接して電子輸
送性化合物を含む電子輸送層を設けてなることを特徴と
する。
【0118】また、本発明の有機EL素子は、前記の有
機EL素子のいずれかにおいて、〔11〕発光層が下記
一般式(24)で示される繰り返し単位を、全繰り返し
単位の50モル%以上含み、ポリスチレン換算の数平均
分子量が103〜107である高分子発光体を含むことを
特徴とする。
【0119】
【化47】 −Ar−CR=CR’− ・・・・・(24) 〔式中、Arは、共役結合に関与する炭素原子数が4個
以上20個以下からなるアリーレン基または複素環化合
物基である。R、R’は、それぞれ独立に、水素、1〜
20個の炭素原子を有するアルキル基、6〜20個の炭
素原子を有するアリール基、4〜20個の炭素原子を有
する複素環化合物およびシアノ基からなる群から選ばれ
る基を示す。〕
【0120】該有機EL素子の構造については、少なく
とも一方が透明または半透明である一対の電極間に設け
る有機化合物層中に前記正孔輸送性高分子が含まれてい
れば、特に制限はなく、公知の構造が採用されるが、好
ましくは、発光層が該正孔輸送性高分子を含むもの、該
正孔輸送性高分子を含む正孔輸送層に発光層を積層し、
その両面に一対の電極を有する構造のもの、さらに発光
層と陰極との間に電子輸送材料を含有する電子輸送層を
積層したものなどが挙げられる。また、発光層や電荷輸
送層は、いずれも1層でもよく、複数の層を組み合わせ
てもよい。
【0121】また、正孔輸送層に下記に述べる電荷輸送
材料、すなわち、電子輸送材料または正孔輸送材料を正
孔輸送性高分子の作用を妨げない範囲で混合して使用し
てもよい。該正孔輸送性高分子にその他の正孔輸送材料
を混合して使用する場合には、その混合割合は、該正孔
輸送性高分子に対して、100重量%未満であり、好ま
しくは40重量%以下、さらに好ましくは20重量%以
下である。電子輸送材料を混合して使用する場合には、
その混合割合は、発光効率を考慮して適宜決めればよ
い。
【0122】本発明の有機EL素子に単独または混合し
て使用される前記電荷輸送材料としては、公知のものが
使用でき、特に限定されないが、正孔輸送材料として
は、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチル
ベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等が、電子輸
送材料としてはオキサジアゾール誘導体、アントラキノ
ジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘
導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノン
およびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン
およびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジ
シアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導
体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯
体等が例示される。
【0123】具体的には、特開昭63−70257号、
同63−175860号公報、特開平2−135359
号、同2−135361号、同2−209988号、同
3−37992号、同3−152184号公報に記載さ
れているもの等が例示される。これらの中で好ましく
は、正孔輸送材料としては、トリフェニルジアミン誘導
体、電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、
ベンゾキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよび
その誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体
の金属錯体が挙げられる。さらに好ましくは、正孔輸送
材料としては、4,4’−ビス(N(3−メチルフェニ
ル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、電子輸送材料
としては、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−
ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベ
ンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノー
ル)アルミニウムが挙げられる。これらのうち、電子輸
送性の化合物と正孔輸送性の化合物のいずれか一方、ま
たは両方を同時に使用すればよい。これらは、単独で用
いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0124】発光層に接して正孔輸送層を設け、該発光
層と負極との間にさらに発光層に接して電子輸送層を設
ける場合、前記の電子輸送材料を使用して電子輸送層を
形成すればよい。また、正孔輸送層と正極の間に第2の
正孔輸送層を設ける場合は、前記の正孔輸送材料を使用
して該正孔輸送層を形成すればよい。
【0125】また、前記の電荷輸送材料を発光層に混合
して使用する場合、該電荷輸送材料の使用量は使用する
化合物の種類等によっても異なるので、十分な成膜性と
発光特性を阻害しない量範囲でそれらを考慮して適宜決
めればよい。通常、発光材料に対して1〜40重量%で
あり、好ましくは2〜30重量%である。
【0126】本発明の有機EL素子の発光層に使用でき
る公知の発光材料としては、特に限定されないが、低分
子化合物では、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセ
ンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、ポリ
メチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系など
の色素類、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の
金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタ
ジエンおよびその誘導体、テトラフェニルブタジエンお
よびその誘導体などを用いることができる。具体的に
は、例えば特開昭57−51781号、同59−194
393号公報に記載されているもの等、公知のものが使
用可能である。
【0127】さらに、高分子化合物では、例えばポリ
(p−フェニレン)およびその誘導体、ポリ(p−フェ
ニレンビニレン)およびその誘導体、ポリフルオレンお
よびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリ
キノキサリンおよびその誘導体などの共役系高分子蛍光
体を用いることができる。具体的には、例えば特開平5
−202355、特開平5−320635号、特開平7
−97569号、特開平7−147190号、特開平7
−278276号、特開平7−300580号公報に記
載されているもの等、公知のものが使用可能である。
【0128】また、本発明における有機EL素子の発光
層に含まれる発光材料として、高分子蛍光体が好まし
く、該高分子蛍光体として、ポリアリーレンビニレンお
よびその誘導体であり、前記一般式(24)で示される
繰り返し単位を全繰り返し単位の50モル%以上含み、
ポリスチレン換算の数平均分子量が103〜107である
高分子発光体が挙げられる。該繰り返し単位の構造にも
よるが、一般式(24)で示される繰り返し単位が全繰
り返し単位の70モル%以上であることが好ましい。該
高分子蛍光体は、一般式(24)で示される繰り返し単
位以外の繰り返し単位として、2価の芳香族化合物基も
しくはその誘導体、2価の複素環化合物基もしくはその
誘導体、またはそれらを組み合わせて得られる基などを
含んでいてもよい。また、一般式(24)で示される繰
り返し単位や他の繰り返し単位が、エーテル基、エステ
ル基、アミド基、イミド基などを有する非共役の単位で
連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共
役部分が含まれていてもよい。
【0129】発光材料が一般式(24)の繰り返し単位
を含む高分子蛍光体の場合、一般式(24)のArとし
ては、共役結合に関与する炭素原子数が4個以上20個
以下からなるアリーレン基または複素環化合物基であ
る。Arとして、具体的には、特開平10−46138
号公報に記載の化合物基が挙げられる。その中で、フェ
ニレン基、置換フェニレン基、ビフェニレン基、置換ビ
フェニレン基、ナフタレンジイル基、置換ナフタレンジ
イル基、アントラセン−9,10−ジイル基、置換アン
トラセン−9,10−ジイル基、ピリジン−2,5−ジ
イル基、置換ピリジン−2,5−ジイル基、チエニレン
基または置換チエニレン基が好ましい。さらに好ましく
は、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレンジイル
基、ピリジン−2,5−ジイル基またはチエニレン基が
挙げられる。
【0130】一般式(24)のR、R’が水素またはシ
アノ基以外の置換基である場合について述べると、炭素
1〜20個の炭素原子を有するアルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、
ラウリル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好まし
い。
【0131】アリール基としては、フェニル基、4−C
1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、1〜12
個の炭素原子を有することを示す。以下も同様であ
る。)、4−C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフ
チル基、2−ナフチル基などが例示される。
【0132】溶媒可溶性の観点からは、一般式(24)
のArが、1つ以上の4〜20個の炭素原子を有するア
ルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基、6〜1
8個の炭素原子を有するアリール基およびアリールオキ
シ基ならびに炭素数4〜14の複素環化合物基からなる
群より選ばれた基を有していることが好ましい。
【0133】これらの置換基としては、以下のものが例
示される。4〜20個の炭素原子を有するアルキル基と
しては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、デシル基、ラウリル基などが挙げら
れ、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
が好ましい。
【0134】また、4〜20個の炭素原子を有するアル
コキシ基としては、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘ
キシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ
基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げら
れ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオ
キシ基、オクチルオキシ基が好ましい。
【0135】アルキルチオ基としては、ブチルチオ基、
ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オ
クチルチオ基、デシルオキシ基、ラウリルチオ基などが
挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチル
チオ基、オクチルチオ基が好ましい。
【0136】アリール基としては、フェニル基、4−C
1〜C12アルコキシフェニル基、4−C1〜C12アルキル
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例
示される。
【0137】アリールオキシ基としては、フェノキシ基
が例示される。複素環化合物基としては2−チエニル
基、2−ピロリル基、2−フリル基、2−、3−または
4−ピリジル基などが例示される。
【0138】これら置換基の数は、該高分子蛍光体の分
子量と繰り返し単位の構成によっても異なるが、溶解性
の高い高分子蛍光体を得る観点から、これらの置換基が
分子量600当たり1つ以上であることが好ましい。該
高分子蛍光体の合成法としては、特に限定されず、例え
ば特開平5−202355号公報に記載の方法が挙げら
れる。
【0139】なお、該高分子蛍光体は、ランダム、ブロ
ックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それら
の中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯
びたランダム共重合体であってもよい。蛍光の量子収率
の高い高分子蛍光体を得る観点からは完全なランダム共
重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロ
ックまたはグラフト共重合体が好ましい。また、薄膜か
らの発光を利用するので該高分子蛍光体は、固体状態で
蛍光を有するものが好適に用いられる。
【0140】該高分子蛍光体に対する良溶媒としては、
クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラ
ヒドロフラン、トルエン、キシレンなどが例示される。
高分子蛍光体の構造や分子量にもよるが、通常はこれら
の溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
【0141】該高分子蛍光体は、分子量がポリスチレン
換算で103 〜107であり、それらの重合度は、繰り
返し構造やその割合によっても変わる。成膜性の点から
一般には繰り返し構造の合計数が、好ましくは4〜10
000、さらに好ましくは5〜3000、特に好ましく
は10〜2000である。
【0142】これらの高分子蛍光体を有機EL素子の発
光材料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を
与えるため、合成後、再沈精製、クロマトグラフィーに
よる分別等の純化処理をすることが好ましい。
【0143】次に、本発明の有機EL素子の代表的な作
製方法について述べる。陽極および陰極からなる一対の
電極で、透明または半透明な電極としては、ガラス、透
明プラスチック等の透明基板の上に、透明または半透明
の電極を形成したものが用いられる。
【0144】陽極の材料としては、導電性の金属酸化物
膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的にはイン
ジウム・スズ・オキサイド(ITO)、酸化スズ等から
なる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAな
ど)、酸化亜鉛、Au、Pt、Ag、Cu等が用いられ
る。作製方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、
メッキ法などが用いられる。
【0145】この陽極上に正孔輸送材料として本発明の
正孔輸送性高分子を含む正孔輸送層を形成する。該正孔
輸送性高分子を含む正孔輸送層の形成方法としては、該
正孔輸送性高分子を含む正孔輸送材料の溶融液、溶液、
または混合液を使用してスピンコーティング法、キャス
ティング法、ディッピング法、バーコート法、ロールコ
ート法等の塗布法が挙げられる。
【0146】正孔輸送層の膜厚は、好ましくは0.5n
m〜10μm、さらに好ましくは1nm〜1μmであ
り、電流密度を上げて発光効率を上げるためには、特に
好ましくは10〜800nmである。
【0147】次いで、発光材料を含む発光層を形成す
る。形成方法としては、これら材料の粉末状態からの真
空蒸着法、またはこれら材料の溶融液、溶液もしくは混
合液を使用してスピンコーティング法、キャスティング
法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法等
の塗布法が例示される。これらの方法の中で、低分子化
合物を用いた場合、真空蒸着法が好ましい。また、高分
子化合物を用いた場合、溶液または混合液を使用してス
ピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング
法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法が好まし
い。
【0148】発光層の膜厚は、好ましくは0.5nm〜
10μm、さらに好ましくは1nm〜1μmであり、電
流密度を上げて発光効率を上げるために、特に好ましく
は10〜500nmである。
【0149】なお、正孔輸送層および発光層を塗布法に
より薄膜化した場合には、溶媒を除去するため、正孔輸
送層形成後および/または発光層形成後に、減圧下ある
いは不活性雰囲気下、好ましくは30〜300℃、さら
に好ましくは60〜200℃の温度で加熱乾燥すること
が望ましい。また、該発光層の上にさらに電子輸送層を
積層する場合には、上記の成膜方法で発光層を設けた後
にその上に電子輸送層を形成することが好ましい。
【0150】電子輸送層の成膜方法としては、特に限定
されないが、粉末状態からの真空蒸着法、または溶液に
溶かした後のスピンコーティング法、キャスティング
法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法等
の塗布法、またはバインダー樹脂と電荷輸送材料とを溶
液状態または溶融状態で混合し分散させた後のスピンコ
ーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バ
ーコート法、ロールコート法等の塗布法を用いることが
できる。
【0151】混合するバインダー樹脂としては、特に限
定されないが、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ま
しく、また、可視光に対する吸収が強くないものが好適
に用いられる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェン
およびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)お
よびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)
およびその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレー
ト、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンな
どが例示される。成膜が容易に行なえるという点では、
高分子化合物を用いる場合は塗布法を用いることが好ま
しい。
【0152】電子輸送層の膜厚は、少なくともピンホー
ルが発生しないような厚みが必要であるが、あまり厚い
と、素子の抵抗が増加し、高い駆動電圧が必要となり好
ましくない。したがって、電子輸送層の膜厚は、好まし
くは0.5nm〜10μm、さらに好ましくは1nm〜
1μm、特に好ましくは5〜200nmである。
【0153】次いで、発光層または電子輸送層の上に電
極を設ける。この電極は電子注入陰極となる。その材料
としては、特に限定されないが、イオン化エネルギーの
小さい材料が好ましい。例えば、Al、In、Mg、C
a、Li、Mg−Ag合金、In−Ag合金、Mg−I
n合金、Mg−Al合金、Mg−Li合金、Al−Li
合金、グラファイト薄膜等が用いられる。陰極の作製方
法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等が用いら
れる。
【0154】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下
の実施例において、ポリマーの分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフ(Waters社製、Maxi
ma−820)を用いて、ポリスチレン換算の数平均分
子量および重量平均分子量を測定した。構造解析には、
核磁気共鳴吸収スペクトル(1H,13C−NMR、Br
uker社製、モデルAC200P)、マススペクトル
(FD−MS、日本電子社製、質量分析計JMS−SX
102型)、および赤外線スペクトル(IR、日本バイ
オラッド社製)を用いた。
【0155】参考例1 <エチル(4−(2’−(4”−(N,N−ジフェニル
アミノ)フェニル)エテニル)フェニル)ジクロロシラ
ンの合成>乾燥アルゴン雰囲気下、4−(2’−(4”
−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)エテニル)
ブロモベンゼンの乾燥テトラヒドロフラン溶液に、−7
8℃でn−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液を加えて
リチウム化し、4−(2’−(4”−(N,N−ジフェ
ニルアミノ)フェニル)エテニル)フェニルリチウムを
生成した。
【0156】乾燥アルゴン雰囲気下、蒸留したエチルト
リクロロシラン3.3gの乾燥テトラヒドロフラン溶液
に、−78℃で、前記4−(2’−(4”−(N,N−
ジフェニルアミノ)フェニル)エテニル)フェニルリチ
ウムの溶液を滴下して反応させた。−78℃で1時間攪
拌した後、室温に戻し、過剰のエチルトリクロロシラン
と溶媒を留去したのち、乾燥トルエンを加えて、乾燥ア
ルゴン雰囲気下ガラスフィルターでリチウム塩を除い
た。得られた反応物の核磁気共鳴スペクトル(1H―N
MR)、およびメトキシ化した化合物〔エチル(4−
(2’−(4”−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニ
ル)エテニル)フェニル)ジメトキシシラン〕のマスス
ペクトル(FD−MS)結果から、エチル(4−(2’
−(4”−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)エ
テニル)フェニル)ジクロロシランが生成していること
が確認された。1 H―NMR:1.15〔t〕(エチル基)、1.34
〔q〕(エチル基)、7.0〜7.7〔m〕(芳香族
基) FD−MS:m/Z 465
【0157】実施例1 <正孔輸送性高分子1の合成>エチル(4−(2’−
(4”−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)エテ
ニル)フェニル)ジクロロシランの乾燥トルエン溶液に
トリエチルアミン2mlを加え、さらに、トリエチルア
ミン、メタノールの混合液(1:1)3mlを加えた。
溶媒留去後、トルエン50mlに溶解し、分液ロートを
用いて1Nの水酸化カリウム水溶液と振ったのち、トル
エン層を分離し溶媒を留去した。得られた固体をエタノ
ール/テトラヒドロフランで再沈精製して白色固体2.
7gを得た。以下、これを正孔輸送性高分子1という。
【0158】得られた正孔輸送性高分子1の赤外吸収ス
ペクトルには、1100cm-1、800cm-1付近にシ
ロキサン結合由来の幅広いシグナルが観測された。ま
た、核磁気共鳴吸収スペクトル(1H―NMR)には、
0.7〜1.0ppm付近にケイ素原子に結合したエチ
ル基の幅広いシグナルと6.4〜7.6ppm付近に芳
香環のプロトンの幅広いシグナルが観察され、そのシグ
ナルの積分強度はほぼ1:4であり、得られた高分子に
4−(2’−(4”−(N,N−ジフェニルアミノ)フ
ェニル)エテニル)フェニル基が繰り返し単位の一部と
して取り込まれていることを確認した。また、正孔輸送
性高分子1の分子量をゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィにて測定したところ、ポリスチレンに換算した重
量平均分子量は1.3×104、数平均分子量は7.1
×103であった。
【0159】参考例2 <N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3”−メチ
ルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジア
ミンの臭素化>N,N’−ジフェニル− N,N’−ビ
ス(3”−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミンをN,N−ジメチルホルムアミド
中、N−ブロモスクシンイミドで臭素化した。マススペ
クトルよりN,N’−ジフェニル− N,N’−(3”
−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’
−ジアミンのジブロモ誘導体が生成していることが確認
された。 <シラン化合物1の合成>N,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(3”−メチルフェニル)−1,1’−ビフ
ェニル−4,4’−ジアミンのジブロモ誘導体を参考例
1と同様に、乾燥アルゴン雰囲気下、−78℃で、乾燥
テトラヒドロフラン液中でn−ブチルリチウム/n−ヘ
キサン溶液でリチウム化した後、クロロトリエトキシシ
ランと反応させた。得られた反応物のマススペクトル
(FD−MS)および核磁気共鳴吸収スペクトル(1
−NMR)よりN,N’−ジフェニル− N,N’−
(3”−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミンのトリエトキシシリル誘導体および
ビス(トリエトキシシリル)誘導体が生成していること
が確認された。以下、これをシラン化合物1という。1 H−NMR:1.26〔t〕(エトキシ基)、2.2
6〔s〕(メチル基)、2.39〔s〕(メチル基)、
3.88〔q〕(エトキシ基)、6.8〜7.6〔m〕
(芳香族基) FD−MS:m/Z 678(トリエトキシシリル誘
導体)、840(ビス(トリエトキシシリル)誘導体)
【0160】実施例2 <正孔輸送性高分子2の合成>シラン化合物1(約4
g)のテトラヒドロフラン溶液の溶液に、攪拌しながら
トリエチルアミン200μl、水100μlを加えた。
溶媒を留去した後、テトラヒドロフラン/2―プロパノ
ールで再沈精製し、白色固体0.90gを得た。以下正
孔輸送性高分子2という。
【0161】得られた正孔輸送性高分子2の赤外吸収ス
ペクトルには、1100cm-1、800cm-1付近にシ
ロキサン結合由来の幅広いシグナルが観測された。ま
た、核磁気共鳴吸収スペクトル(1H―NMR)には、
1.8〜2.4ppm付近にフェニル環上のメチル基の
幅広いシグナルと6.2〜7.6ppm付近に芳香環の
プロトンの幅広いシグナルが観察され、得られた高分子
にN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3”−メチ
ルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジア
ミン基が繰り返し単位の一部として取り込まれているこ
とを確認した。また、正孔輸送性高分子2の分子量をゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィにて測定したとこ
ろ、ポリスチレンに換算した重量平均分子量は、4.8
×105、数平均分子量は9.2×103であった。
【0162】参考例3 <N,N,N’,N’−テトラフェニル−1、1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミンの臭素化>N,N,
N’,N’−テトラフェニル−1、1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミンを、参考例2と同様に臭素化した。 <シラン化合物2の合成>前記ブロモ誘導体を参考例2
と同様に、乾燥アルゴン雰囲気下、−78℃で、乾燥テ
トラヒドロフラン液中でn−ブチルリチウム/n−ヘキ
サン溶液でリチウム化した後、クロロトリエトキシシラ
ンと反応させた。以下、得られたものをシラン化合物2
という。
【0163】実施例3 <正孔輸送性高分子3の合成>シラン化合物2(0.5
g)のトルエン溶液に、攪拌しながらテトラヒドロフラ
ンおよびトリエチルアミンをそれぞれ約50μl、水を
10μl加えた。溶媒を留去した後、テトラヒドロフラ
ン/2―プロパノールで再沈精製し、白色固体0.10
gを得た。以下、これを正孔輸送性高分子3という。
【0164】得られた正孔輸送性高分子3の赤外吸収ス
ペクトルには、1100cm-1、800-1cm-1付近に
シロキサン結合由来の幅広いシグナルが観測された。ま
た、核磁気共鳴吸収スペクトル(1H―NMR)には、
6.4〜7.6ppm付近に芳香環のプロトンの幅広い
シグナルが観察され、得られた高分子にN,N,N’,
N’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミン基が繰り返し単位の一部として取り込ま
れていることを確認した。また、正孔輸送性高分子3の
分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィにて測
定したところ、ポリスチレンに換算した重量平均分子量
は2.3×104、数平均分子量は2.8×103であっ
た。
【0165】実施例4 <正孔輸送性高分子1を用いた素子の作製および評価>
スパッタリングにより、200nmの厚みでITO膜を
つけたガラス基板に、実施例1で得られた正孔輸送性高
分子1のトルエン溶液を用いて、スピンコートにより6
0nmの厚みで成膜した。均一な膜が得られた。これを
減圧下120℃で1時間乾燥した後、発光・電子輸送層
として、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(A
lq3)を0.1〜0.2nm/sの速度で70nm蒸
着した。最後に、その上に陰極としてアルミニウムリチ
ウム合金(Al:Li=約200:1重量比)を100
nm蒸着して有機EL素子を作製した。蒸着のときの真
空度は、すべて1×10-5Torr以下であった。
【0166】この素子は、印加電圧4.0Vで輝度が1
cd/m2以上に達し、6.5Vで電流密度8.8mA
/cm2の電流が流れ、輝度230cd/m2の緑色の均
一なEL発光が観察された。この時の発光効率は、2.
60cd/Aであった。輝度は、ほぼ電流密度に比例し
ていた。また、ELスペクトルは、Alq3の薄膜の蛍
光スペクトルとほぼ一致していることより、Alq3
りのEL発光が確認された。
【0167】実施例5 <正孔輸送性高分子3を用いた素子の作製および評価>
正孔輸送製高分子1の代わりに正孔輸送性高分子3を用
いた以外は実施例4と同じ方法で有機EL素子を作製し
た。この素子は、印加電圧5.0Vで輝度が1cd/m
2以上に達し、8.5Vで電流密度9.2mA/cm2
電流が流れ、輝度194cd/m2の緑色の均一なEL
発光が観察された。この時の発光効率は、2.12cd
/Aであった。輝度は、ほぼ電流密度に比例していた。
また、ELスペクトルは、Alq3の薄膜の蛍光スペク
トルとほぼ一致していることより、Alq3よりのEL
発光が確認された。
【0168】この素子を25mA/cm2の電流密度で
窒素気流中で連続駆動したところ、30時間後の駆動電
圧は、7.7Vから9.2Vにわずかに上昇したのみで
あった。
【0169】参考例4 <高分子蛍光体1の合成>2,5−ジオクチルオキシ−
p−キシリレンジクロライドをN,N−ジメチルホルム
アミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させてホ
スホニウム塩を合成した。得られたホスホニウム塩4
7.75g、およびテレフタルアルデヒド5.5gを、
エチルアルコール/クロロホルム混合溶媒に溶解させ
た。5.4gのリチウムエトキシドを含むエチルアルコ
ール/クロロホルム混合溶液をホスホニウム塩とジアル
デヒドのエチルアルコール溶液に滴下し、重合した。引
き続き、この反応溶液に1−ピレンカルボキシアルデヒ
ドのクロロホルム溶液を加えた後、さらにリチウムエト
キシドを含むエチルアルコール溶液を溶液に滴下し、室
温で3時間重合させた。一夜室温で放置した後、沈殿を
濾別し、エチルアルコールで洗浄後、クロロホルムに溶
解、これにエタノールを加え再沈精製した。これを減圧
乾燥して、重合体8.0gを得た。
【0170】これを高分子蛍光体1という。モノマーの
仕込み比から計算される高分子蛍光体1の繰り返し単位
とそのモル比を下記に示す。分子末端にはピレニル基を
有することを1H−NMRより確認した。
【0171】
【化48】 (上式において、二つの繰り返し単位のモル比は、5
0:50であり、二つの繰り返し単位は、交互に結合し
ている。) 該高分子蛍光体1のポリスチレン換算の数平均分子量
は、4.0×103であった。該高分子蛍光体1の構造
については赤外吸収スペクトル、NMRで確認した。
【0172】実施例6 <正孔輸送性高分子1を用いた素子の作製および評価>
スパッタリングにより、200nmの厚みでITO膜を
つけたガラス基板に、実施例1で得られた正孔輸送性高
分子1のトルエン溶液を用いて、スピンコートにより5
5nmの厚みで成膜した。均一な膜が得られた。この膜
の上に、参考例4で得た高分子蛍光体1の2%デカリン
溶液をスピンコートした。ついで、電子輸送層として、
トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3
を0.1〜0.2nm/sの速度で50nm蒸着した。
最後に、その上に陰極としてアルミニウムリチウム合金
(Al:Li=約200:1重量比)を40nm蒸着し
て有機EL素子を作製した。蒸着のときの真空度は、す
べて1×10-5Torr以下であった。
【0173】この素子は、印加電圧5.5Vで輝度が1
cd/m2以上に達し、8.3Vで輝度100cd/m2
の黄緑色の均一なEL発光が観察された。この時の発光
効率は、3.0cd/Aであった。輝度は、ほぼ電流密
度に比例していた。また、ELスペクトルは、高分子蛍
光体1の薄膜の蛍光スペクトルとほぼ一致していること
より、高分子蛍光体1よりのEL発光が確認された。
【0174】この素子を25mA/cm2の電流密度で
窒素気流中で連続駆動したところ、初期の輝度は、54
9cd/m2であったが、50時間後でも輝度は、21
0cd/m2程度であった。また、このとき、駆動電圧
は、11Vから18Vに上昇した。
【0175】実施例7 <正孔輸送性高分子2を用いた素子の作製および評価>
実施例6の正孔輸送性高分子1の代わりに正孔輸送性高
分子2を用いた以外は実施例6と同様に素子を作成し
た。このときの正孔輸送性高分子2の膜厚は、約25n
mであった。得られた素子は、印加電圧4.25Vで輝
度が1cd/m2以上に達し、6.3Vで輝度100c
d/m2の黄緑色の均一なEL発光が観察された。この
ときの発光効率は、3.0cd/Aであった。輝度は、
ほぼ電流密度に比例していた。また、ELスペクトル
は、高分子蛍光体1の薄膜の蛍光スペクトルとほぼ一致
していることより、高分子蛍光体1よりのEL発光が確
認された。
【0176】この素子を25mA/cm2の電流密度で
窒素気流中で連続駆動したところ、初期の輝度は、62
5cd/m2であったが、50時間後でも輝度は、50
3cd/m2程度であった。また、このとき、駆動電圧
は、7.8Vから9.7Vにわずかに上昇したのみであ
った。
【0177】比較例1 <素子の作製および評価>正孔輸送性高分子3の代わり
にポリビニルカルバゾールの塩化メチレン溶液を用いて
ディッピング法により成膜した以外は実施例5と同じ方
法で有機EL素子を作製した。
【0178】この素子は、印加電圧4.25Vで輝度が
1cd/m2以上に達し、6.5Vで電流密度17.1
mA/cm2の電流が流れ、輝度288.2cd/m2
緑色の均一なEL発光が観察された。このときの発光効
率は、1.68cd/Aであった。輝度は、ほぼ電流密
度に比例していた。また、ELスペクトルは、Alq 3
の薄膜の蛍光スペクトルとほぼ一致していることより、
Alq3よりのEL発光が確認された。
【0179】この素子を25mA/cm2の電流密度で
窒素気流中で連続駆動したところ、30時間後の駆動電
圧は、5.4Vから7.8Vに上昇した。
【0180】比較例2 <素子の作製および評価>正孔輸送性高分子として、正
孔輸送性高分子1の代わりにポリビニルカルバゾールの
塩化メチレン溶液を用いてディッピング法により成膜し
た以外は実施例6と同様に有機EL素子を作製した。
【0181】この素子は、印加電圧5.0Vで輝度が1
cd/m2以上に達し、7.6Vで輝度100cd/m2
の緑色の均一なEL発光が観察された。このときの発光
効率は、3.3cd/Aであった。輝度は、ほぼ電流密
度に比例していた。この素子を25mA/cm2の電流
密度で窒素気流中で連続駆動したところ、初期の輝度
は、670cd/m2であって、50時間後には256
cd/m2に低下し、駆動電圧も11Vから19.8V
に上昇した。
【0182】参考例5 <シラン化合物3の合成>乾燥アルゴン雰囲気下、参考
例2と同様に合成したN,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(3”−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニ
ル−4,4’−ジアミンのジブロモ誘導体8.0gの乾
燥テトラヒドロフラン溶液に、−78℃でn−ブチルリ
チウム/n−ヘキサン溶液17mlを加えてリチウム化
し、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3”−メ
チルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジ
アミンのジリチウム誘導体を生成した。
【0183】乾燥アルゴン雰囲気下、ジメトキシメチル
クロロシラン7.0gの乾燥テトラヒドロフラン溶液
に、−78℃で、前記N,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(3”−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニ
ル−4,4’−ジアミンのジリチウム誘導体の溶液を滴
下して反応させた。−78℃で1時間攪拌した後、室温
に戻し、過剰のジメトキシメチルクロロシランと溶媒を
留去したのち、乾燥トルエンを加えて、乾燥アルゴン雰
囲気下ガラスフィルターでリチウム塩を除いた。溶媒を
留去し、粘稠な固体7.1gを得た。得られた反応物の
核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)より、N,N’
−ジフェニル−N,N’−ビス(3”−メチルフェニ
ル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンのジ
メトキシメチルシリル誘導体およびビス(ジメトキシメ
チルシリル)誘導体が生成していることが確認された。
以下、これをシラン化合物3という。1 H−NMR:0.40〔s〕(ケイ素原子に結合した
メチル基)、2.28〔s〕(メチル基)、2.40
〔s〕(メチル基)、3.60〔s〕(メトキシ基)、
6.8〜7.6〔m〕(芳香族基)
【0184】実施例8 <正孔輸送性高分子4の合成>シラン化合物3(6.5
g)のテトラヒドロフラン溶液の溶液10mlに、攪拌
しながらトリエチルアミン3.5ml、水0.65ml
を加え、60℃で攪拌した。溶媒を留去した後、テトラ
ヒドロフラン/2―プロパノールで再沈精製して白色固
体3.17gを得た。以下、これを正孔輸送性高分子4
という。
【0185】得られた正孔輸送性高分子4の核磁気共鳴
吸収スペクトル(1H−NMR)には、0.0〜0.7
ppm付近にケイ素原子に結合したメチル基のシグナ
ル、1.8〜2.4ppm付近にフェニル環上のメチル
基の幅広いシグナル、3.4〜3.7ppm付近にメト
キシル基のシグナルおよび6.2〜7.6ppm付近に
芳香環のプロトンの幅広いシグナルが観察された。ま
た、赤外吸収スペクトルには、1100cm-1、800
cm-1付近にシロキサン結合由来の幅広いシグナル、3
300cm-1付近に水酸基由来の幅広いシグナルが観測
され、得られた高分子にN,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(3”−メチルフェニル)−1、1’−ビフ
ェニル−4,4’−ジアミン基が繰り返し単位の一部と
して取り込まれていること、および、加水分解により生
成した水酸基が一部、未反応のまま残っていることを確
認した。また、正孔輸送性高分子4の分子量をゲルパー
ミエーションクロマトグラフィにて測定したところ、ポ
リスチレンに換算した重量平均分子量は、2.2×10
4、数平均分子量は6.2×103であった。
【0186】実施例9 <正孔輸送性高分子5の合成>実施例8と同様に合成し
た正孔輸送性高分子4(1.0g)のテトラヒドロフラ
ン溶液15mlに、トリエチルアミン3mlを加えた
後、トリフェニルクロロシラン1.7gを加え、55℃
で攪拌した。過剰のトリフェニルクロロシランを失活さ
せるために水を加えた。溶媒を留去後、トルエンに溶解
し、分液ロートを用いて水と振ったのち、トルエン層を
分離して溶媒を留去した。得られた固体をテトラヒドロ
フラン/2−プロパノールで再沈精製して白色固体0.
85gを得た。以下、これを正孔輸送性高分子5とい
う。
【0187】得られた正孔輸送性高分子5の核磁気共鳴
吸収スペクトル(1H−NMR)におけるシグナルの積
分値比より、トリフェニルシリル基が取り込まれている
ことを確認した。また、赤外吸収スペクトルでは、33
00cm-1付近に強度は弱いが、水酸基由来の幅広いシ
グナルが観測され、水酸基がまだ残っていることを確認
した。また、正孔輸送性高分子5の分子量をゲルパーミ
エーションクロマトグラフィにて測定したところ、ポリ
スチレンに換算した重量平均分子量は、2.4×1
4、数平均分子量は7.9×103であった。 <正孔輸送性高分子6の合成>前記の正孔輸送性高分子
5(0.65g)のテトラヒドロフラン溶液20ml
に、トリエチルアミン4mlを加えた後、トリメチルク
ロロシラン0.23gを加え、室温で攪拌した。実施例
9と同様に反応の後処理をして得られた固体をテトラヒ
ドロフラン/エタノールで再沈精製して白色固体0.6
2gを得た。以下、これを正孔輸送性高分子6という。
【0188】得られた正孔輸送性高分子6の核磁気共鳴
吸収スペクトル(1H−NMR)には、−0.1〜0.
1ppm付近にトリメチルシリル基のメチルのシグナル
が観測され、トリメチルシリル基が取り込まれているこ
とを確認した。また、赤外吸収スペクトルでは、330
0cm-1付近にシグナルが観測されず、水酸基が残って
いないことを確認した。また、正孔輸送性高分子6の分
子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィにて測定
したところ、ポリスチレンに換算した重量平均分子量
は、2.5×104、数平均分子量は8.1×103であ
った。
【0189】実施例10 <正孔輸送性高分子7の合成>実施例9と同様に合成し
た正孔輸送性高分子5(0.65g)のテトラヒドロフ
ラン溶液20mlに、トリエチルアミン4mlを加えた
後、ジフェニルメチルクロロシラン0.43gを加え、
55℃で攪拌した。実施例9と同様に反応の後処理をし
て得られた固体をテトラヒドロフラン/2−プロパノー
ルで再沈精製して白色固体0.48gを得た。以下、こ
れを正孔輸送性高分子7という。
【0190】得られた正孔輸送性高分子7の核磁気共鳴
吸収スペクトル(1H−NMR)には、0.4〜0.6
ppm付近にジフェニルメチルシリル基のメチルのシグ
ナルが観測され、ジフェニルメチルシリル基が取り込ま
れていることを確認した。また、赤外吸収スペクトルで
は、3300cm-1付近にシグナルが観測されず、水酸
基が残っていないことを確認した。また、正孔輸送性高
分子7の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィにて測定したところ、ポリスチレンに換算した重量平
均分子量は、2.9×104、数平均分子量は9.5×
103であった。
【0191】参考例6 <4−(2’−(1”−ピレニル)エテニル)ブロモベ
ンゼンの合成>4−ブロモベンジルブロミド(東京化成
製)を乾燥アセトン溶媒中、トリフェニルホスフィンと
反応させてホスホニウム塩を合成した。得られたホスホ
ニウム塩45gと1−ピレンカルボキシアルデヒド(A
ldrich社製)24.3gの乾燥エタノール溶液
に、リチウムエトキシドのエタノール溶液(リチウム
1.5gを乾燥エタノール100mlと反応させたも
の)を滴下して、4−(2’−(1”−ピレニル)エテ
ニル)ブロモベンゼンを合成した。シリカゲルカラムク
ロマトグラフで精製し、黄色の固体34.9gを得た。 <4−(2’−(1”−ピレニル)エテニル)ジメチル
クロロシランの合成>4−(2’−(1”−ピレニル)
エテニル)ブロモベンゼンを参考例1と同様に、乾燥ア
ルゴン下、−78℃で、乾燥テトラヒドロフラン液中で
n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液でリチウム化し
た後、ジメチルジクロロシランと反応させた。得られた
反応物の核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)より、
4−(2’−(1”−ピレニル)エテニル)ジメチルク
ロロシランが生成していることが確認された。
【0192】実施例11 <正孔輸送性高分子8の合成>実施例8と同様に合成し
た正孔輸送性高分子4(1.0g)のテトラヒドロフラ
ン溶液15mlに、トリエチルアミン3mlを加えた
後、4−(2’−(1”−ピレニル)エテニル)ジメチ
ルクロロシラン1.7gを加え、室温で攪拌した。実施
例9と同様に反応の後処理をして得られた固体をテトラ
ヒドロフラン/2−プロパノールで再沈精製して白色固
体0.98gを得た。以下、これを正孔輸送性高分子8
という。
【0193】得られた正孔輸送性高分子8の核磁気共鳴
吸収スペクトル(1H−NMR)には、7.6〜8.5
ppm付近に、4−(2’−(1”−ピレニル)エテニ
ル)ジメチルシリル基の芳香環のプロトンのシグナルが
観測され、4−(2’−(1”−ピレニル)エテニル)
ジメチルシリル基が取り込まれていることを確認した。
また、赤外吸収スペクトルでは、3300cm-1付近に
シグナルが観測されず、水酸基が残っていないことを確
認した。また、正孔輸送性高分子8の分子量をゲルパー
ミエーションクロマトグラフィにて測定したところ、ポ
リスチレンに換算した重量平均分子量は、2.8×10
4、数平均分子量は7.0×103であった。
【0194】参考例7 <高分子蛍光体2の合成>2,5−ジオクチルオキシ−
p−キシリレンジクロライドをN,N−ジメチルホルム
アミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させてホ
スホニウム塩を合成した。得られたホスホニウム塩4.
78gと、同じようにして得た、2−メトキシ−5−オ
クチルオキシ−p−キシリレンジクロライドのホスホニ
ウム塩4.28gとテレフタルアルデヒド1.01gと
1−ピレンカルボキシアルデヒド1.15gとを、エチ
ルアルコール80g/クロロホルム100g混合溶媒に
溶解させた。12%リチウムメトキシドメタノール溶液
10mlとエタノール40mlとを混合した溶液を、ホ
スホニウム塩とアルデヒドのエチルアルコール/クロロ
ホルム混合溶液に滴下した後、引き続き室温で4時間反
応した。一夜室温で放置した後、沈殿を回収し、エチル
アルコールで洗浄後、この沈殿をトルエンに溶解し、こ
れにエタノールを加え再沈精製した。2回再沈精製した
後、これを減圧乾燥して、高分子蛍光体2.0gを得
た。
【0195】これを高分子蛍光体2という。モノマーの
仕込み比から計算される高分子蛍光体2の繰り返し単位
とそのモル比を下記に示す。分子末端にはピレニル基を
有することを1H−NMRより確認した。
【0196】
【化49】 該高分子蛍光体2のポリスチレン換算の数平均分子量
は、2.5×103であった。該高分子蛍光体2の構造
については赤外吸収スペクトル、NMRで確認した。
【0197】実施例12 <正孔輸送性高分子6を用いた素子の作製および評価>
スパッタリングにより、200nmの厚みでITO膜を
つけたガラス基板に、実施例9で得られた正孔輸送性高
分子6のトルエン溶液を用いて、スピンコートにより6
0nmの厚みで成膜した。均一な膜が得られた。この膜
の上に、参考例7で得た高分子蛍光体2の2%デカリン
溶液をスピンコートした。ついで、電子輸送層として、
トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3
を0.1nm/sの速度で40nm蒸着した。最後に、
その上に陰極としてアルミニウムリチウム合金(Al:
Li=約200:1重量比)を40nm蒸着して有機E
L素子を作製した。蒸着のときの真空度は、すべて1×
10-5Torr以下であった。得られた素子は、印加電
圧3.5Vで輝度が1cd/m2以上に達し、5.25
Vで輝度100cd/m2の黄緑色の均一なEL発光が
観察された。このときの発光効率は、3.09cd/A
であった。輝度は、ほぼ電流密度に比例していた。ま
た、ELスペクトルは、高分子蛍光体2の薄膜の蛍光ス
ペクトルとほぼ一致していることより、高分子蛍光体2
よりのEL発光が確認された。
【0198】この素子を25mA/cm2の電流密度で
窒素気流中で連続駆動したところ、初期の輝度は、87
8cd/m2であって、50時間後の輝度は、513c
d/m2程度であった。また、このとき、駆動電圧は、
6.8Vから14.5Vに上昇した。
【0199】実施例13 <正孔輸送性高分子7を用いた素子の作製および評価>
実施例12の正孔輸送性高分子6のトルエン溶液の代わ
りに、実施例10で得られた正孔輸送性高分子7のトル
エン溶液を用いた以外は実施例12と同様に素子を作成
した。このときの正孔輸送性高分子7の膜厚は、45n
mであった。得られた素子は、印加電圧3.75Vで輝
度が1cd/m2以上に達し、5.50Vで輝度100
cd/m2の黄緑色の均一なEL発光が観察された。こ
のときの発光効率は、2.06cd/Aであった。輝度
は、ほぼ電流密度に比例していた。また、ELスペクト
ルは、高分子蛍光体2の薄膜の蛍光スペクトルとほぼ一
致していることより、高分子蛍光体2よりのEL発光が
確認された。
【0200】この素子を25mA/cm2の電流密度で
窒素気流中で連続駆動したところ、初期の輝度は、60
2cd/m2であって、50時間後の輝度は、451c
d/m2程度であった。また、このとき、駆動電圧は、
6.5Vから11.9Vに上昇した。
【0201】実施例14 <正孔輸送性高分子8を用いた素子の作製および評価>
実施例12の正孔輸送性高分子6のトルエン溶液の代わ
りに、正孔輸送性高分子8のトルエン溶液を用いた以外
は実施例12と同様に素子を作成した。このときの正孔
輸送性高分子8の膜厚は、46nmであった。得られた
素子は、印加電圧3.50Vで輝度が1cd/m2以上
に達し、5.25Vで輝度100cd/m2の黄緑色の
均一なEL発光が観察された。このときの発光効率は、
2.83cd/Aであった。輝度は、ほぼ電流密度に比
例していた。また、ELスペクトルは、高分子蛍光体2
の薄膜の蛍光スペクトルとほぼ一致していることより、
高分子蛍光体2よりのEL発光が確認された。
【0202】この素子を25mA/cm2の電流密度で
窒素気流中で連続駆動したところ、50時間後の駆動電
圧は、6.4Vから11.3Vに上昇した。
【0203】
【発明の効果】本発明の正孔輸送性高分子は、優れた正
孔輸送能力を有し、耐久性、成膜性に優れる。該正孔輸
送性高分子を用いた有機EL素子は、従来に比べて優れ
た発光特性を有するので工業的価値が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/06 680 C09K 11/06 680 H05B 33/14 H05B 33/14 B 33/22 33/22 D // G03G 5/07 101 G03G 5/07 101 (72)発明者 長田 剛規 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 野口 公信 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 大西 敏博 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 2H068 AA20 BB33 BB52 BB54 EA04 FA01 3K007 AB00 CA01 CA05 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 4H049 VN01 VP10 VQ35 VQ59 VQ77 VQ79 VQ89 VS35 VS59 VS77 VS79 VT32 VT33 VU24 VU29 VW02 VW33 4J032 BA12 BA13 BA14 CA03 CA04 CA43 CB01 CB03 CB07 CB08 CB12 CE03 CG01 4J035 BA02 CA132 CA181 CA19N CA191 EA01 EB02 LA03 LB20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される繰り返し構
    造単位を含み、ポリスチレン換算の数平均分子量が10
    3〜107であることを特徴とする正孔輸送性高分子。 【化1】 {式中、R1は、1〜20個の炭素原子を有するアルキ
    ル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル
    基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基または7
    〜32個の炭素原子を有するアラルキル基を示す。Ar
    1は、6〜30個の炭素原子を有するアリーレン基、ま
    たは下記一般式(2)で表される芳香族エテニレン骨格
    を有する基であり、Ar2およびAr3は、それぞれ独立
    に、6〜30個の炭素原子を有するアリール基、下記一
    般式(3)で表される芳香族アミン骨格を有する基、ま
    たは、下記一般式(4)で表される芳香族エテニレン骨
    格を有する基を示す。また、Ar1とAr2の間、または
    Ar1とAr3の間、またはAr 2とAr3の間に環を形成
    していてもよい。 【化2】 (式中、Ar4およびAr5は、それぞれ独立に、6〜3
    0個の炭素原子を有するアリーレン基を示し、R2およ
    びR3は、それぞれ独立に、水素原子、1〜20個の炭
    素原子を有するアルキル基、3〜20個の炭素原子を有
    するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有する
    アリール基または7〜32個の炭素原子を有するアラル
    キル基を示す。) 【化3】 (式中、Ar6は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
    ーレン基を示し、R4およびR5は、それぞれ独立に、1
    〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の
    炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素
    原子を有するアリール基または7〜32個の炭素原子を
    有するアラルキル基を示す。また、Ar6とR4の間、ま
    たはAr6とR5の間、またはR4とR5の間に環を形成し
    ていてもよい。) 【化4】 (式中、Ar7は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
    ーレン基を示し、R6およびR7は、それぞれ独立に、水
    素原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3
    〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜3
    0個の炭素原子を有するアリール基または7〜32個の
    炭素原子を有するアラルキル基を示し、Ar8は、6〜
    30個の炭素原子を有するアリール基を示す。)}
  2. 【請求項2】 下記一般式(5)で表される繰り返し構
    造単位を含み、ポリスチレン換算の数平均分子量が10
    3〜107であることを特徴とする正孔輸送性高分子。 【化5】 [式中、Ar9およびAr11は、それぞれ独立に、6〜3
    0個の炭素原子を有するアリーレン基、下記一般式
    (6)で表される芳香族アミン骨格を有する基、または
    下記一般式(7)で表される芳香族エテニレン骨格を有
    する基を示す。また、Ar10は、6〜30個の炭素原子
    を有するアリール基、下記一般式(8)で表される芳香
    族アミン骨格を有する基、または下記一般式(9)で表
    される芳香族エテニレン骨格を有する基を示す。また、
    Ar9とAr10の間、またはAr9とAr 11の間、または
    Ar10とAr11の間に環を形成していてもよい。R8
    9、R10およびR11は、それぞれ独立に、水酸基、1
    〜20個の炭素原子を有するアルキル基もしくはアルコ
    キシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル
    基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基、7〜3
    2個の炭素原子を有するアラルキル基、下記一般式(1
    0)、(12)で表される基、または分子内で架橋して
    分子内のケイ素原子と結合していてもよく、架橋して隣
    接する分子のケイ原子と結合していてもよい、二価の酸
    素原子を示す。 【化6】 (式中、Ar12およびAr13は、それぞれ独立に、6〜
    30個の炭素原子を有するアリーレン基を示し、R
    12は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜
    20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30
    個の炭素原子を有するアリール基、または7〜32個の
    炭素原子を有するアラルキル基を示す。また、Ar12
    Ar13の間、またはAr12とR12の間、またはAr13
    12の間に環を形成していてもよい。) 【化7】 (式中、Ar14およびAr15は、それぞれ独立に、6〜
    30個の炭素原子を有するアリーレン基を示し、R13
    よびR14は、それぞれ独立に、水素原子、1〜20個の
    炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の炭素原子を
    有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有す
    るアリール基、または7〜32個の炭素原子を有するア
    ラルキル基を示す。) 【化8】 (式中、Ar16は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
    ーレン基を示し、R15およびR16は、それぞれ独立に、
    1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個
    の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭
    素原子を有するアリール基、または7〜32個の炭素原
    子を有するアラルキル基を示す。また、Ar16とR15
    間、またはAr16とR16の間、またはR15とR16の間に
    環を形成していてもよい。) 【化9】 (式中、Ar17は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
    ーレン基を示し、R17およびR18は、それぞれ独立に、
    水素原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、
    3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜
    30個の炭素原子を有するアリール基、または7〜32
    個の炭素原子を有するアラルキル基を示し、Ar18は、
    6〜30個の炭素原子を有するアリール基を示す。) 【化10】 {式中、Ar19およびAr21は、それぞれ独立に、6〜
    30個の炭素原子を有するアリーレン基、上記一般式
    (6)で表される芳香族アミン骨格を有する基、また
    は、上記一般式(7)で表される芳香族エテニレン骨格
    を有する基を示す。また、式中、Ar20は、6〜30個
    の炭素原子を有するアリール基、上記一般式(8)で表
    される芳香族アミン骨格を有する基、または上記一般式
    (9)で表される芳香族エテニレン骨格を有する基を示
    す。また、Ar19とAr20の間、またはAr19とAr21
    の間、またはAr20とAr21の間に環を形成していても
    よい。また、R19およびR20は、それぞれ独立に、水酸
    基、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基もしくは
    アルコキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロア
    ルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基、
    7〜32個の炭素原子を有するアラルキル基、または分
    子内で架橋して分子内のケイ素原子と結合していてもよ
    く、架橋して隣接する分子のケイ原子と結合していても
    よい、二価の酸素原子を示す。また、式中、R21は、水
    素原子または下記一般式(11)を示す。 【化11】 (式中、R22、R23およびR24は、それぞれ独立に、水
    酸基、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基もしく
    はアルコキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロ
    アルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール
    基、または7〜32個の炭素原子を有するアラルキル基
    を示す。)} 【化12】 {式中、R25、R26およびR27は、それぞれ独立に、1
    〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の
    炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素
    原子を有するアリール基、7〜32個の炭素原子を有す
    るアラルキル基、上記一般式(9)で表される芳香族エ
    テニレン骨格を有する基、または下記一般式(13)で
    表される芳香族アミン骨格を有する基を示す。 【化13】 (式中、Ar22は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
    ーレン基、上記一般式(6)で表される芳香族アミン骨
    格を有する基、または上記一般式(7)で表される芳香
    族エテニレン骨格を有する基を示す。また、Ar23およ
    びAr24は、それぞれ独立に、6〜30個の炭素原子を
    有するアリール基、上記一般式(8)で表される芳香族
    アミン骨格を有する基、または上記一般式(9)で表さ
    れる芳香族エテニレン骨格を有する基を示す。)}]
  3. 【請求項3】 請求項2記載の正孔輸送性高分子におい
    て、少なくとも一種類の前記一般式(12)で表される
    化合物基を該正孔輸送性高分子に属するケイ素原子全体
    (但し、該化合物基に含まれるケイ素原子を除く)に対
    して10モル%以上150モル%以下の割合で含み、か
    つ、水酸基の含有割合が該正孔輸送性高分子に属するケ
    イ素原子全体(但し、該化合物基に含まれるケイ素原子
    を除く)に対して10モル%未満であることを特徴とす
    る正孔輸送性高分子。
  4. 【請求項4】 少なくとも一種類の下記一般式(14)
    で表されるシラン化合物を、加水分解させて縮合するこ
    とを特徴とする請求項1記載の正孔輸送性高分子の製造
    方法。 【化14】 (式中、Xは、ハロゲン原子、または1〜20個の炭素
    原子を有するアルコキシ基を示す。R1、Ar1、Ar2
    およびAr3は、それぞれ、請求項1における定義と同
    じである。また、Ar1とAr2の間、またはAr1とA
    3の間、またはAr 2とAr3の間に環を形成していて
    もよい。)
  5. 【請求項5】 少なくとも一種類の下記一般式(15)
    で表されるシラン化合物を、または、少なくとも一種類
    の該一般式(15)で表されるシラン化合物と少なくと
    も一種類の下記一般式(16)で表されるシラン化合物
    との混合物を、加水分解させて縮合することを特徴とす
    る請求項2記載の正孔輸送性高分子の製造方法。 【化15】 (式中、R30、R31、R32およびR33は、それぞれ独立
    に、ハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を有するアル
    キル基もしくはアルコキシ基、3〜20個の炭素原子を
    有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有す
    るアリール基、7〜32個の炭素原子を有するアラルキ
    ル基を示し、R28およびR29は、それぞれ独立に、ハロ
    ゲン原子、または1〜20個の炭素原子を有するアルコ
    キシ基を示す。Ar25およびAr27は、請求項2の一般
    式(5)におけるAr9の定義、または一般式(10)
    におけるAr19の定義と同じであり、Ar26は、請求項
    2の一般式(5)におけるAr10の定義と同じである。
    また、Ar25とAr26の間、またはAr25とAr27
    間、またはAr26とAr27の間に環を形成していてもよ
    い。) 【化16】 {式中、R35およびR36は、それぞれ独立に、ハロゲン
    原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基もしく
    はアルコキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロ
    アルキル基、6〜30個の炭素原子を有するアリール基
    または7〜32個の炭素原子を有するアラルキル基を示
    し、R34は、ハロゲン原子、または1〜20個の炭素原
    子を有するアルコキシ基を示す。Ar28は、6〜30個
    の炭素原子を有するアリーレン基、または下記一般式
    (17)で表される芳香族エテニレン骨格を有する基で
    あり、Ar29およびAr30は、それぞれ独立に、6〜3
    0個の炭素原子を有するアリール基、下記一般式(1
    8)で表される芳香族アミン骨格を有する基、または下
    記一般式(19)で表される芳香族エテニレン骨格を有
    する基を示す。また、Ar28とAr29の間、またはAr
    28とAr30の間、またはAr29とAr30の間に環を形成
    していてもよい。 【化17】 (式中、Ar31およびAr32は、それぞれ独立に、6〜
    30個の炭素原子を有するアリーレン基を示し、R37
    よびR38は、それぞれ独立に、水素原子、1〜20個の
    炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の炭素原子を
    有するシクロアルキル基、6〜30個の炭素原子を有す
    るアリール基、または7〜32個の炭素原子を有するア
    ラルキル基を示す。) 【化18】 (式中、Ar33は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
    ーレン基を示し、R39およびR40は、それぞれ独立に、
    1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個
    の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜30個の炭
    素原子を有するアリール基、または7〜32個の炭素原
    子を有するアラルキル基を示す。また、Ar33とR39
    間、またはAr33とR40の間、またはR39とR40の間に
    環を形成していてもよい。) 【化19】 (式中、Ar34は、6〜30個の炭素原子を有するアリ
    ーレン基を示し、R41およびR42は、それぞれ独立に、
    水素原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、
    3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜
    30個の炭素原子を有するアリール基または7〜32個
    の炭素原子を有するアラルキル基を示し、Ar35は、6
    〜30個の炭素原子を有するアリール基を示す。)}
  6. 【請求項6】 請求項5記載の方法で製造される正孔輸
    送性高分子を下記一般式(20)で表される化合物と反
    応させることを特徴とする請求項2または3記載の正孔
    輸送性高分子の製造方法。 【化20】 (式中、Xはハロゲン原子、水酸基、または1〜10個
    の炭素原子を有するアルコキシ基を示す。R25、R26
    よびR27は、それぞれ請求項2の一般式(12)におけ
    る定義と同じである。)
  7. 【請求項7】 少なくとも一方が透明または半透明であ
    る一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも
    一層の有機物からなる層を有する有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子において、該有機物層が請求項1〜3のい
    ずれかに記載の正孔輸送性高分子を含むことを特徴とす
    る有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 【請求項8】 少なくとも一方が透明または半透明であ
    る一対の陽極および陰極からなる電極間に、発光層を有
    する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該発
    光層が請求項1〜3のいずれかに記載の正孔輸送性高分
    子を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセン
    ス素子。
  9. 【請求項9】 少なくとも一方が透明または半透明であ
    る一対の陽極および陰極からなる電極間に、発光層を有
    する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該陽
    極と該発光層との間に、該発光層に隣接して請求項1〜
    3のいずれかに記載の正孔輸送性高分子を含む正孔輸送
    層を設けてなることを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
  10. 【請求項10】 陰極と発光層との間に、該発光層に隣
    接して電子輸送性化合物を含む電子輸送層を設けてなる
    ことを特徴とする請求項8または9記載の有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。
  11. 【請求項11】 発光層が下記一般式(21)で示され
    る繰り返し単位を、全繰り返し単位の50モル%以上含
    み、ポリスチレン換算の数平均分子量が10 3〜107
    ある高分子発光体を含むことを特徴とする請求項8〜1
    0のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素
    子。 【化21】 −Ar−CR=CR’− ・・・・・(21) 〔式中、Arは、共役結合に関与する炭素原子数が4個
    以上20個以下からなるアリーレン基または複素環化合
    物基である。R、R’は、それぞれ独立に、水素、1〜
    20個の炭素原子を有するアルキル基、6〜20個の炭
    素原子を有するアリール基、4〜20個の炭素原子を有
    する複素環化合物およびシアノ基からなる群から選ばれ
    る基を示す。〕
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