JP2000077358A - 透明導電膜、スパッタリングターゲットおよび透明導電膜付き基体 - Google Patents

透明導電膜、スパッタリングターゲットおよび透明導電膜付き基体

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JP2000077358A JP24217698A JP24217698A JP2000077358A JP 2000077358 A JP2000077358 A JP 2000077358A JP 24217698 A JP24217698 A JP 24217698A JP 24217698 A JP24217698 A JP 24217698A JP 2000077358 A JP2000077358 A JP 2000077358A
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彰 光井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抵抗で耐擦傷性の高い酸化錫系透明導電膜とそ
の製造方法およびスパッタリングターゲットの提供。 【解決手段】Ga23 とIn23 とSnO2 との総
量に対して、ガリウムをGa23 換算で0.1〜30
モル%含有し、かつインジウムをIn23 換算で0.
1〜30モル%含有する酸化錫系の透明導電膜とその製
造方法およびスパッタリングターゲット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電膜、スパ
ッタリングターゲットおよび透明導電膜付き基体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】透明導電膜は高い可視光透過率と高い導
電性を合わせ持ち、液晶表示素子、プラズマ発光素子な
どの表示素子の透明電極、太陽電池の透明電極、自動車
もしくは建築用ガラスの熱線反射膜、CRTの帯電防止
膜または冷凍冷蔵ショーケースをはじめとする各種防曇
用の透明発熱体として広く利用されている。
【0003】従来、透明導電膜としては、低抵抗膜が容
易に得られることからITO(錫ドープ酸化インジウ
ム)膜が主として用いられている。特に、表示素子用電
極としてITO膜は広く使われている。また、そのほか
に、低コストの酸化亜鉛系透明導電膜や、低コストで耐
薬品性の高い酸化錫系透明導電膜が知られている。
【0004】従来の透明導電膜材料の問題点として、I
TOは、その主成分であるインジウムが高価であり、低
コスト化の障害になっている。酸化亜鉛系透明導電膜に
ついては、酸やアルカリなどに対する耐薬品性が低い。
したがって、酸化亜鉛系透明導電膜を表示素子など工業
製品に応用することが困難となっている。
【0005】酸化錫系透明導電膜は、ITO膜や酸化亜
鉛系透明導電膜と比較して、耐薬品性が極めて優れてい
る。酸化錫系については、工業的製法としてスプレー法
またはCVD法で作製されているが、膜厚を均一に成膜
するのは困難である。また、成膜時に塩素や塩化水素な
どが生成され、これらの排ガス(または排液)による環
境汚染の問題があった。酸化錫系透明導電膜は有用であ
る一方、前記した種々の問題を有する。また、酸化錫系
透明導電膜は結晶質であるため、耐擦傷性が低いという
問題があった。耐擦傷性が低い理由として、膜の表面
に、結晶成長のときに形成される微細な凹凸があり、こ
れが引っかかりとなっているためと考えられる。
【0006】ところで一般に、大面積の成膜法として
は、均一な薄膜が得られやすく、環境汚染の少ないスパ
ッタリング法が適している。スパッタリング法には、大
きく分けて高周波電源を使用する高周波(RF)スパッ
タリング法と、直流電源を使用する直流(DC)スパッ
タリング法がある。RFスパッタリング法は、ターゲッ
トに電気絶縁性の材料を使用できる点で優れているが、
高周波電源は価格も高く、構造が複雑で、大面積の成膜
には好ましくない。
【0007】DCスパッタリング法は、ターゲット材が
良導電性の材料に限られるが、装置構造が簡単な直流電
源を使用するので操作しやすい。工業的成膜法としては
DCスパッタリング法の方が好ましい。特開平1−97
315に、スパッタリング法による酸化錫導電膜の形成
方法が提案されているが、RFスパッタリング法につい
てのみ記載されており、DCスパッタリング法について
は記載されていない。また、膜の比抵抗も8×10-3Ω
cm以上の比較的高抵抗の膜しか得られていない。
【0008】また、特開平7−335030に、In2
3 、ZnO、SnO2 、およびGa23 からなる群
より選択された1種または複数種からなる透明導電性酸
化物が提案されている。しかし、酸化錫を含有する複合
酸化物の具体的記載はない。また、特開平4−2726
12に、ガリウムを含有するITO膜が提案されている
が、酸化インジウムが主成分であり、酸化錫は主成分で
はない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
前述の欠点を解消するものであり、低抵抗で耐擦傷性の
高い酸化錫系透明導電膜とその製造方法および該酸化錫
系透明導電膜を形成するためのスパッタリングターゲッ
トの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガリウムとイ
ンジウムとを含有する酸化錫系の透明導電膜であって、
ガリウムをGa23 に換算し、インジウムをIn2
3 に換算し、錫をSnO2 に換算したとき、Ga23
とIn23 とSnO2 との総量に対して、ガリウムを
Ga23 換算で0.1〜30モル%含有し、かつイン
ジウムをIn23 換算で0.1〜30モル%含有する
ことを特徴とする透明導電膜を提供する。ガリウムおよ
びインジウムの含有割合の定義については以下も同様と
する。
【0011】ガリウムとインジウムのいずれかの含有割
合が酸化物換算で0.1モル%未満であると、膜の比抵
抗が高くなり、また、膜が結晶性となる。また、いずれ
かの含有割合が酸化物換算で30モル%より多いと、膜
の比抵抗が高くなる。より低抵抗の膜が得られることか
ら、ガリウムの含有割合がGa23 換算で1〜15モ
ル%であり、かつインジウムの含有割合がIn23
算で1〜15モル%であることが好ましい。
【0012】また、より低抵抗の膜が得られることか
ら、アンチモンおよび/またはテルルを含有することが
好ましい。アンチモンはSb25 換算で、テルルはT
eO2換算で、Ga23 とIn23 とSnO2 との
総量に対して、合量で0.01〜10モル%の範囲で含
むことが好ましい。10モル%より多いと抵抗が高くな
る傾向にある。また、0.01モル%より少ないと低抵
抗化の効果は小さい。アンチモンおよび/またはテルル
の含有割合の定義については以下も同様とする。
【0013】本発明の透明導電膜において、耐擦傷性を
より向上する点で、長周期型周期表における3族(ラン
タノイドを含む、アクチノイドは含まず)、4族および
5族からなる群から選ばれる1種以上の金属(以下、3
〜5族金属という)を含有することが好ましい。
【0014】3〜5族金属は、膜中に酸化物(以下、3
〜5族金属酸化物という)の状態で含有されることが好
ましい。3〜5族金属酸化物は、SnO2 とIn23
とGa23 との総量に対して、合量で0.05〜5モ
ル%含有されることが好ましい。0.05モル%より少
ないと耐擦傷性をより向上させる効果が小さい。また、
5モル%より多いと、膜の比抵抗が高くなる。3〜5族
金属酸化物の含有割合の計算に際しては、3〜5族金属
酸化物として例示される酸化物(後述)を基に計算され
る。3〜5族金属酸化物の含有割合の定義については以
下も同様とする。
【0015】3族としては、Sc、Yおよびランタノイ
ド(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)が挙
げられる。特に、比較的安価で、耐薬品性が高い点で、
Y、La、Ce、Pr、Ndが好ましい。3族金属の酸
化物としては、Sc23 、Y23 、La23 、C
eO2 、Pr61 1、Nd23 、Pm23 、Sm
23 、Eu23 、Gd23、Tb47 、Dy2
3 、Ho23 、Er23 、Tm23 、Yb2
3、Lu23 が挙げられる。
【0016】4族としては、Ti、Zr、Hfが挙げら
れる。特に、比較的安価で、耐薬品性が高い点で、T
i、Zrが好ましい。4族金属の酸化物としては、Ti
2 、ZrO2 、HfO2 が挙げられる。
【0017】5族としては、V、Nb、Taが挙げられ
る。特に、比較的安価で、耐薬品性が高い点で、Nb、
Taが好ましい。5族金属の酸化物は、V25 、Nb
25 、Ta25 が挙げられる。
【0018】本発明の透明導電膜の比抵抗は、実用的な
観点から1Ωcm以下であることが好ましい。一方、比
抵抗が小さすぎると、所定の抵抗値を得るために必要な
膜厚が薄すぎるため、連続した膜が得られにくくなるこ
とから、比抵抗は10-5Ωcm以上であることが好まし
い。本発明の透明導電膜の可視光透過率は、実用的な観
点から70%以上あることが好ましい。
【0019】本発明は、また、ガリウムとインジウムと
を含有する酸化錫系のスパッタリングターゲットであっ
て、ガリウムをGa23 に換算し、インジウムをIn
23 に換算し、錫をSnO2 に換算したとき、Ga2
3 とIn23 とSnO2との総量に対して、ガリウ
ムをGa23 換算で0.1〜30モル%含有し、かつ
インジウムをIn23 換算で0.1〜30モル%含有
することを特徴とするスパッタリングターゲットを提供
する。
【0020】ガリウムとインジウムのいずれかの含有割
合が酸化物換算で0.1モル%未満であると、成膜した
膜の比抵抗が高くなり、また、膜が結晶性となる。ま
た、いずれかの含有割合が酸化物換算で30モル%より
多いと、膜の比抵抗が高くなる。得られる膜がより低抵
抗となることから、ガリウムの含有割合がGa23
算で1〜15モル%であり、かつインジウムの含有割合
がIn23 換算で1〜15モル%であることが好まし
い。
【0021】また、本発明のターゲットには、より低抵
抗の膜が得られることから、アンチモンおよび/または
テルルを含むことが好ましい。アンチモンはSb25
換算で、テルルはTeO2 換算で、Sb25 とTeO
2 とGa23 とIn23とSnO2 との総量に対し
て、合量で0.01〜10モルの範囲で含むことが好ま
しい。10モル%より多いとターゲットおよび得られる
膜の抵抗が高くなる傾向にある。さらに、ターゲットの
密度(緻密さ)が低下し、スパッタリング時の放電が不
安定になる傾向にある。また、0.01モル%より少な
いと低抵抗化の効果は小さい。
【0022】安定なスパッタリングを可能にするため
に、ターゲットの相対密度はおよそ80%以上、すなわ
ち、ターゲットの密度としては、5.5g/cc以上で
あることが好ましい。また、より高密度のターゲットが
得られることから、前述の3〜5族金属を含むことが好
ましい。3〜5族金属は、ターゲット中に酸化物(すな
わち、3〜5族金属酸化物)の状態で含有されることが
好ましい。
【0023】3〜5族金属および3〜5族金属酸化物の
具体例は前記と同様である。3〜5族金属酸化物は、S
nO2 とIn23 とGa23 との総量に対して、合
量で0.05〜5モル%含有することが好ましい。0.
05モル%未満または5モル%超であるとターゲットの
密度が低下する傾向にある。安定なスパッタリング放電
を行ううえでは、スパッタリングターゲットの比抵抗は
1Ωcm以下であることが好ましい。
【0024】ターゲット中のガリウムは、酸化物状態ま
たは固溶状態で存在していることが好ましい。ここで、
酸化物状態とは、三酸化ガリウム(Ga23 )の状
態、または、酸化インジウム(In23 )および/ま
たは酸化錫(SnO2 )との複合酸化物の状態を意味し
ている。固溶状態とは、ガリウムが固溶した酸化錫(S
nO2 )および/またはガリウムが固溶した酸化インジ
ウム(In23 )の状態を意味している。特に、ガリ
ウムはその大部分がSnO2 またはIn23 へ固溶し
た状態で存在していることが好ましい。
【0025】ターゲット中のインジウムは、酸化物状態
または固溶状態で存在していることが好ましい。ここ
で、酸化物状態とは、In23 (SnO2 またはGa
23が固溶していてもよい)の状態、またはSnO2
および/またはGa23 との複合酸化物の状態を意味
している。固溶状態とは、インジウムが固溶したSnO
2 および/またはインジウムが固溶したGa23 を意
味している。特に、インジウムはその大部分がIn2
3 (SnO2 またはGa23 が固溶していてもよい)
の状態またはSnO2 へ固溶した状態で存在しているこ
とが好ましい。
【0026】ガリウムおよびインジウムは、酸化物状態
または固溶状態で存在することが透明導電膜を作製しや
すい点で好ましい。しかし、支障がない程度で酸化物状
態または固溶状態以外の状態、たとえば、金属、炭化
物、窒化物等で含まれていても本発明の目的を損なうも
のではない。
【0027】スパッタリングターゲット中のガリウムお
よびインジウムが酸化物状態で存在する場合、その酸化
物の結晶粒子の最大粒径は200μm以下であることが
好ましい。最大粒径が200μmより大きい酸化物粒子
が存在すると、スパッタリングの放電が不安定となるた
め好ましくない。また、平均粒径は、粉末の取り扱い、
および成形性の観点から、0.01μm以上であること
が好ましい。また、平均粒径が50μmより大きいと、
焼結性が低下して、緻密な焼結体が得られにくくなるこ
とから、平均粒径は50μm以下が好ましい。
【0028】本発明のターゲットには他の成分が本発明
の目的、効果を損なわない程度に含まれていても支障な
いが可及的に少量にとどめることが望ましい。膜の組成
は、ターゲットの組成とほぼ一致する。しかし、成膜時
のスパッタリング条件等により膜の組成はターゲットの
組成からずれることもある。本発明のターゲットは、た
とえば常圧焼結法、ホットプレス法などの一般にセラミ
ックスを作製する方法で作製できる。
【0029】常圧焼結の場合、高温度での焼成が必要で
あり、高温度では、酸化物が分解して、蒸発しやすくな
り、ターゲットは緻密化しにくくなるので、空気などの
酸素を含む雰囲気下で焼結することが好ましい。たとえ
ば空気中で1300〜1600℃の温度条件で常圧焼結
する。
【0030】また、ホットプレスの場合、比較的低温度
で焼結できるので酸化性雰囲気(酸化性ガスを含む雰囲
気)および非酸化性雰囲気(酸化性ガスを含まない雰囲
気)のどちらでもよいが、ホットプレスの場合、型材に
カーボンを用いるのが一般的であり、型材の酸化防止の
観点から非酸化性雰囲気で行うことが好ましい。たとえ
ば非酸化性雰囲気で800〜1100℃の条件でホット
プレスする。
【0031】前記空気中での常圧焼結の場合、たとえば
次のようにして、ターゲットを作製できる。Ga23
粉末、In23 粉末およびSnO2 粉末を用意し、こ
れら粉末を所定の割合で混合する。このとき、水を分散
材とし、湿式ボールミル法で混合する。次に、この粉末
を乾燥後ゴム型に充填し、冷間等方プレス装置(CIP
装置)で1500kg/cm2 の圧力で加圧成形する。
その後、大気中で1500℃の温度で、2時間保持し焼
成し、焼結体を得る。この焼結体を所定の寸法に機械加
工し、ターゲット素材を作製する。ターゲット素材は、
銅などの金属製のバッキングプレートにメタルボンディ
ングされ、ターゲットが作製される。
【0032】また、ホットプレスの場合では、たとえば
次のようにして、ターゲットを作製できる。常圧焼結の
場合と同様に原料粉末を混合乾燥後、カーボン性のホッ
トプレス用ダイスに粉末を充填し、アルゴン(Ar)中
900℃の温度と300kg/cm2 の圧力で、2時間
保持し焼結する。以降、常圧焼結の場合と同様の機械加
工、メタルボンディングを行い、ターゲットが作製され
る。
【0033】また、本発明のターゲットは、高い導電性
を有していることから、大面積の成膜が可能で、成膜速
度が速いDCスパッタリング法に充分対応できる他、R
Fスパッタリング法等いずれのスパッタリング法にも対
応できる。
【0034】本発明の透明導電膜は、幾何学的膜厚(以
下、単に膜厚という)が3nm〜5μmの範囲にあるこ
とが好ましい。膜厚が5μmを超えると成膜時間が長く
なり、コストが増大する。膜厚が3nmより薄いと比抵
抗が高くなる。特に、3〜300nmの範囲が好まし
い。
【0035】本発明は、また、スパッタリング法により
基体上に酸化錫を主成分とする透明導電膜を製造する方
法において、スパッタリングターゲットとして、前記の
スパッタリングターゲットを用いることを特徴とする透
明導電膜の製造方法を提供する。
【0036】本発明においては、酸化性雰囲気下でスパ
ッタリングすることが好ましい。酸化性雰囲気とは酸化
性ガスを含む雰囲気である。酸化性ガスとは、O2 、H
2 O、CO、CO2 などの酸素原子含有ガスを意味す
る。酸化性ガスの濃度は、膜の導電性、光透過率などの
膜の特性に大きく影響する。したがって、酸化性ガスの
濃度は装置、基板温度、スパッタリング圧力などの使用
する条件で、最適化する必要がある。
【0037】スパッタリングのガスとしては、Ar−O
2 系またはAr−CO2 系が、透明で低抵抗の膜を作製
する際、ガスの組成を制御しやすい点で好ましい。特に
Ar−CO2 系がより制御性が優れている点でより好ま
しい。
【0038】Ar−O2 ガス系においては、透明で低抵
抗の膜が得られることから、O2 濃度は5〜25体積%
であることが好ましい。5体積%より小さいと膜が黄色
く着色し、膜の抵抗が高くなる。25体積%より多いと
膜の抵抗が高くなる。
【0039】また、Ar−CO2 ガス系においては、透
明で低抵抗の膜が得られることから、CO2 濃度は10
〜50体積%であることが好ましい。10体積%より小
さいと膜が黄色く着色し、膜の抵抗が高くなる。50体
積%より多いと膜の抵抗が高くなる。ただし、用途によ
っては、着色した膜や高い抵抗が要求される場合があ
り、前述の濃度に限定されるものではない。
【0040】スパッタリング法としては、DCスパッタ
リング法、RFスパッタリング法などあらゆるスパッタ
リング法を用いることができる。特に、工業的な生産性
の優れたDCスパッタリング法が好ましい。
【0041】本発明の透明導電膜は、次のように作製で
きる。マグネトロンDCスパッタリング装置を使用し
て、前述のターゲットを用いて、チャンバを10-7〜1
-4Torrに真空引きする。チャンバ内の圧力が10
-4Torrより高いと真空中に残った残留水分の影響を
受けるので、抵抗制御がしにくくなる。また、チャンバ
内の圧力が10-7Torrより低いと真空引きに時間を
要するため、生産性が悪くなる。スパッタリング時の電
力密度(投入電力をターゲットの面の面積で割った値)
は、1〜10W/cm2 であることが好ましい。1W/
cm2 より小さいと放電が安定しない。10W/cm2
より高いとターゲットが発生した熱で割れる可能性が高
くなる。スパッタリング圧力は、10-4〜10-1Tor
rであることが好ましい。10-4Torrより小さい、
または10-1Torrより高いと放電が安定しない傾向
にある。
【0042】成膜される基体としては、ガラス、セラミ
ックス、プラスチックス、金属などが挙げられる。成膜
中の基体温度は、特に制約されないが、非晶質膜を得ら
れやすいという点で、300℃以下であることが好まし
い。また、基体温度は、特に意図的な加熱をしない場合
すなわち室温程度でもよい。また、成膜後、基体を後加
熱(熱処理)することもできる。熱処理は、大気中で6
0〜400℃で行うことが好ましい。60℃より低いと
熱処理による低抵抗化と抵抗安定性付与の効果が小さ
い。400℃より高いと逆に抵抗が高くなる。
【0043】また、非酸化性雰囲気(たとえばArや窒
素など)でも熱処理できる。このときの温度は、60〜
600℃であることが好ましい。60℃より低いと熱処
理による低抵抗化と抵抗安定性付与の効果が小さい。6
00℃より高いと膜が還元され、着色する傾向にある。
【0044】高い耐擦傷性を得るには、膜は非晶質であ
ることが好ましい。しかし、若干結晶化している場合で
も、本発明の透明導電膜の結晶粒界の接着強度は高く、
高い耐擦傷性が得られる。また、本発明の透明導電膜
は、耐酸性および耐アルカリ性に極めて優れており、強
酸、強アルカリにもほとんど侵されず、膜抵抗の変化も
ほとんどない。また、フッ酸(HF)水溶液にもほとん
ど侵されず、膜抵抗の変化もほとんどない。さらに、C
4 のようなフッ化物ガスに対しても同様の高い耐食性
を有している。
【0045】本発明は、基体上に、ガリウムとインジウ
ムとを含有する酸化錫系の透明導電膜が形成されたこと
を特徴とする透明導電膜付き基体を提供する。この透明
導電膜付き基体は、透明面ヒータや帯電防止物品として
使用できる。また、半導体製造用の帯電防止付きウエハ
搬送用チャックに使用できる。
【0046】透明面ヒータは、ガラスまたはプラスチッ
クフィルム上に本発明の透明導電膜を直接コートしても
得られる。膜厚は、抵抗値の観点から、10〜300n
mが好ましい。帯電防止物品は、ガラスまたはプラスチ
ックフィルム上に本発明の透明導電膜を直接コートして
も得られる。膜厚は、抵抗値の観点から、3〜100n
mが好ましい。また、半導体製造用の帯電防止付きウエ
ハ搬送用チャックは、セラミックス製チャックの上に本
発明の透明導電膜を直接コートしても得られる。膜厚
は、抵抗値の観点から、3〜300nmが好ましい。
【0047】本発明の透明導電膜付き基体においては、
外観を調整する目的で、透明導電膜層と基体の間に1層
以上のアンダーコート膜を設けることができる。または
透明導電膜の上に1層以上のオーバーコート膜を設け
て、光の干渉現象や膜の吸収現象を利用して透過・反射
色調や可視光線反射率を調整できる。アンダーコートお
よびオーバーコートとしては、酸化物、窒化物または酸
窒化物の膜を使用できる。
【0048】空気中の水分および酸素が本発明の透明導
電膜に拡散してくることを有効に遮断できる、または、
基板ガラス中のナトリウムなどのアルカリイオンが本発
明の透明導電膜に拡散してくることを有効に遮断できる
ことから、SiOx 膜、SiNx 膜、SiOxy 膜な
どが好ましい。
【0049】ターゲットを製造する際、酸化ガリウムお
よび酸化インジウムは、主成分である酸化錫を焼結する
ときの焼結を促進する助剤として働く。このとき、酸化
ガリウムと酸化インジウムが互いの作用を強め合う。ま
た、酸化ガリウムと酸化インジウムは、ターゲットに導
電性を付与する添加物としても働く。この場合も、酸化
ガリウムと酸化インジウムが互いの作用を強め合い、よ
り低抵抗化する。
【0050】また、本発明の透明導電膜においても、タ
ーゲットと同様に酸化ガリウムと酸化インジウムは、膜
に導電性を付与する添加物として働く。この場合も、酸
化ガリウムと酸化インジウムが互いの作用を強め合い、
より低抵抗化する。また、酸化ガリウムと酸化インジウ
ムは、不純物効果により膜を非晶質化するように働く。
【0051】また、アンチモンおよびテルルは、本発明
の透明導電膜およびターゲット中のキャリア電子を増加
するように働き、本発明の透明導電膜およびターゲット
を低抵抗化する。また、3a元素、4a元素および5a
元素の酸化物は、焼結助剤として働く。また、結合を強
める働きがあるため、本発明の透明導電膜において、耐
擦傷性を高めるように働く。
【0052】
【実施例】以下において、例1〜26および例30〜3
1が実施例、例27〜29が比較例に相当する。
【0053】(例1〜15)Ga23 粉末、In2
3 粉末およびSnO2 粉末を用意し、これら粉末を表1
に示す割合で、乾式ボールミルで混合した。表1に示す
ターゲット組成は、各原料粉末の秤量値から算出した。
また、焼結体の組成についてICP法(誘導結合プラズ
マ発光分光分析法)で測定し、原料粉末の秤量値から算
出される組成と一致することを確認した。以下も同様で
ある。なお、使用した粉末の平均粒径は、Ga23
末、In23 粉末およびSnO2 粉末それぞれ2.0
μm、0.8μmおよび1.0μmであった。これらの
平均粒径は、日機装社製のマイクロトラック粒度測定装
置で測定した。
【0054】この混合粉末をゴム型に充填し、CIP装
置で加圧成形し、その後、空気中で1500℃の温度、
大気圧、保持時間2時間で焼成した。この焼結体の密度
および比抵抗を表1に示す。密度はアルキメデス法で測
定した。比抵抗は、3×3×30mmの角柱サンプルを
切り出し、4端子法で測定した。
【0055】つぎに、前述の焼結体を直径6インチ、厚
さ5mmの寸法に切り出し、ターゲットを作製した(以
下、GITターゲットと呼ぶ)。これら各種GITター
ゲットを用いて、マグネトロンDCスパッタリング装置
を使用して、Ga23 −In23 −SnO2 系透明
導電膜(以下、GIT膜と呼ぶ)の成膜を、投入電力:
500W、導入ガス:Ar−CO2 混合ガス(Ar+C
2 を100体積%としてCO2 が30体積%、全流量
は50sccm)、圧力:4×10-3Torr、基板温
度:無加熱の条件で行った。基板には、ソーダライムガ
ラス基板(以下、単にガラス基板という)を用いた。膜
厚はおよそ100nmとなるように行った。
【0056】例1〜15では、予察実験によりCO2
度の最適値は、10〜50体積%(導入ガスのArとC
2 の合計に対するCO2 の割合)であった。なお、表
2の例1〜15には、代表値であるCO2 :30体積%
の場合の実験結果を示した。得られた各種のGIT膜の
比抵抗と透過率を表2に示す。表2の膜組成は、ICP
法で測定した。ターゲットの組成と、GIT膜の組成は
ほぼ一致していた。
【0057】X線回折計により、膜の同定を行った。例
1〜15すべて、X線回折パターンはフラットであり、
非晶質であった。図1に、例2で得られたGIT膜のX
線回折パターンを示す。
【0058】(例16〜19)Sb25 粉末、または
TeO2 粉末を加えた系についても検討した。粉末の混
合割合は表1に示すとおりである。例1と同様に、ター
ゲットを作製した。この焼結体(ターゲット)の密度お
よび比抵抗を表1に示す。例1と同様の条件で、マグネ
トロンDCスパッタリング装置を使用して、成膜を行っ
た。このときの膜の組成、比抵抗、透過率を表2に示
す。
【0059】表2の膜組成は、ICP法で測定した。膜
の組成とターゲット組成と比較すると、膜中のSb2
5 およびTeO2 含有量は少なくなっていた。X線回折
計により、膜の同定を行った。例16〜19の膜はすべ
て、X線回折パターンはフラットであり、非晶質であっ
た。
【0060】(例20〜26)3a元素、4a元素およ
び5a元素としてY23 、La23 、CeO2 、P
611、Nd23 、TiO2 、Nb25 のそれぞ
れの粉末を加えた系についても検討した。粉末の混合割
合は表1に示すとおりである。
【0061】例1と同様に、ターゲットを作製した。こ
の焼結体(ターゲット)の密度および比抵抗を表1に示
す。例1と同様の条件で、マグネトロンDCスパッタリ
ング装置を使用して、成膜を行った。このときの膜の組
成、比抵抗、透過率を表2に示す。X線回折計により、
膜の同定を行った。例20〜26の膜はすべて、X線回
折パターンはフラットであり、非晶質であった。
【0062】(例27〜28)Ga23 粉末、In2
3 粉末およびSnO2 粉末を用意し、これら粉末を表
1に示す割合で、乾式ボールミルで混合した。例1と同
様に、ターゲットを作製した。この焼結体(ターゲッ
ト)の密度および比抵抗を表1に示す。
【0063】例1と同様の条件(ただし、スパッタリン
グガスは、Ar−O2 混合ガスとし、酸素の割合は3体
積%とした。これは、予察実験により、低抵抗でかつ透
明膜となる酸素の割合が3体積%であることを得たから
である。それ以外は例1と同様の条件)で、マグネトロ
ンDCスパッタリング装置を使用して、成膜を行った。
このときの透明導電膜の組成、比抵抗、透過率を表2に
示す。得られた各種の透明導電膜の比抵抗と透過率を表
2に示す。表2の膜組成は、ICP法で測定した。ター
ゲットの組成と、GIT膜の組成はほぼ一致していた。
【0064】(例29)In23 −SnO2 粉末系に
ついても検討した。粉末の混合割合は表1に示すとおり
である。例1と同様に、ターゲットを作製した。この焼
結体(ターゲット)の密度および比抵抗を表1に示す。
【0065】この組成のターゲットは、抵抗が高く、D
Cスパッタリングはできなかった。そこで、マグネトロ
ンRFスパッタリング装置を使用して、成膜を行った。
電源以外の条件は例27と同様に行った。このときの膜
の比抵抗と透過率を表2に示す。比抵抗は例1〜26よ
り高かった。表2の膜組成は、ICP法で測定した。タ
ーゲットの組成と、GIT膜の組成はほぼ一致してい
た。
【0066】(耐久性テスト)得られた透明導電膜の耐
酸性を調べるために、例1〜29の膜をそれぞれ5wt
%塩酸水溶液に室温で2時間放置した。その結果、例1
〜26のいずれの膜についても膜の侵食および抵抗変化
は全く見られなかった。5wt%硫酸水溶液についても
同様に試験したところ、例1〜26のいずれの膜につい
ても侵食および抵抗変化は全く見られなかった。
【0067】例28の膜は、耐塩酸、耐硫酸テストにお
いて、抵抗がそれぞれ20%、10%上昇した。抵抗変
化率(%)は、抵抗変化率(%)=((実験後の抵抗)
/(はじめの抵抗)−1)×100の式で求めた。
【0068】また、耐アルカリ性を調べるために、例1
〜29の膜をそれぞれ5wt%水酸化ナトリウム水溶液
に80℃で30分放置した。その結果、例1〜26のい
ずれの膜についても侵食は全く見られなかった。例1〜
26のいずれの膜についても抵抗変化はいずれも0〜+
5%以内と小さかった。例27の膜は抵抗が45%上昇
した。例28の膜は抵抗が70%上昇した。
【0069】また、耐フッ酸性を調べるために、例1〜
29の膜をそれぞれ2wt%HF+2wt%硝酸の混合
水溶液に室温で30分放置した。その結果、例1〜26
のいずれの膜についても膜の侵食および抵抗変化は全く
見られなかった。例27および例28の膜は全部溶解し
た。
【0070】また、耐湿性を調べるために、例1〜29
の膜をそれぞれ気温40℃、相対湿度90%の雰囲気に
1500時間放置した。その結果、例1〜26のいずれ
の膜についても抵抗変化はいずれも±2%以内と小さか
った。例28の膜は、耐湿性において、抵抗が10%上
昇した。抵抗変化率については表3にまとめて示した。
【0071】また、得られた透明導電膜のCF4 ガスに
対する耐性を調べるために、例1〜29の膜それぞれに
ついて、スパッタエッチング装置を用いて、CF4 ガス
によるエッチング試験を、RF電力:200W、導入ガ
ス:CF4 (20sccm)、圧力:10-2Torr、
処理時間30分の条件で行った。その結果、例1〜26
のいずれの膜も、エッチングされず、CF4 ガスに対し
て高い耐性を有していた。また、例27および28の膜
は全部エッチングされた。例29の膜はエッチングされ
なかった。
【0072】また、得られた透明導電膜の耐擦傷性を調
べるために、例1〜29の膜それぞれについて、砂消ゴ
ム(プラス社製字消しゴムTYPE48−100 5m
m径)を用いて、荷重:500g、速度:50mm/m
in、回数:5往復の条件でテストを行った。評価は、
A:ほとんど傷つかない、B:ガラスと同等に傷つきに
くい、C:ガラスに比べ少し傷つきやすい、D:ひどく
傷つく、の4段階で行った。例1〜19の透明導電膜は
Bランクであり、例20〜26の透明導電膜はAランク
であり、高い耐擦傷性を示すことがわかった。例27お
よび例28の膜はCランクであった。例29の膜はDラ
ンクであった。
【0073】(例30)例2で得られたGIT膜につい
て、空気中、250℃、30分の条件で熱処理した。こ
の結果、比抵抗は、1.8×10-3Ωcmに減少した。
可視光透過率は変化なく、82%であった。また、例2
で得られたGIT膜について、N2 中、500℃、30
分の条件で熱処理した。この結果、比抵抗は、1.3×
10-3Ωcmに減少した。可視光透過率は変化なく、8
2%であった。
【0074】(例31)GIT膜の幾何学的膜厚を15
0nmとした以外は例2と同様にしてGIT膜を成膜し
た。次いで、GIT膜上に、スクリーン印刷法により電
極および電極取り出し部を印刷して、300℃で焼き付
けた。その後、電極取り出し部にリード線を半田付けし
た。次いで、同一寸法のガラス基板を用意し、該ガラス
基板とスペーサーを介して前記GIT膜等が形成された
ガラス基板とをシーラントで封着し、複層ガラスとし
た。
【0075】作製した複層ガラスの可視光透過率は80
%であった。色調はニュートラルであった。シーラント
を貫通させ外部へ取り出したリード線でバスバー電極間
の抵抗を測定したところ135Ωであった。バスバー間
に電圧32Vを印加して通電試験をおこなったところ、
6週間経過後も、抵抗値、外観とも変化を示さず、一定
であった。以上のように、前記複層ガラスは、電熱ガラ
スとして良好に機能するものであった。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、耐薬品性が優れる酸化
錫系透明導電膜を得ることができる。また、本発明によ
り得られる透明導電膜は非晶質なので、表面の凹凸がな
く、滑らかであるので、耐擦傷性に富み、かつ、導電性
であるので、絶縁物のオーバーコートに用いることによ
り、高耐久の帯電防止膜としての効果を有する。特に、
基板加熱しなくても、透明な膜が得られるので、プラス
チックフィルムなどの保護膜機能を兼ね備えた帯電防止
膜に利用できる。
【0080】また、本発明のターゲットは、導電性であ
り、成膜速度が速いDCスパッタリングが可能である。
しかもターゲットは緻密質であり、安定した放電でスパ
ッタリングできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である例2における膜のX線回
折パターン。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガリウムとインジウムとを含有する酸化錫
    系の透明導電膜であって、ガリウムをGa23 に換算
    し、インジウムをIn23 に換算し、錫をSnO2
    換算したとき、Ga23 とIn23 とSnO2 との
    総量に対して、ガリウムをGa23 換算で0.1〜3
    0モル%含有し、かつインジウムをIn23 換算で
    0.1〜30モル%含有することを特徴とする透明導電
    膜。
  2. 【請求項2】ガリウムの含有割合が、Ga23 換算で
    1〜15モル%であり、かつインジウムの含有割合が、
    In23 換算で1〜15モル%である請求項1に記載
    の透明導電膜。
  3. 【請求項3】アンチモンおよび/またはテルルを含有す
    る請求項1または2に記載の透明導電膜。
  4. 【請求項4】長周期型周期表における3族(ランタノイ
    ドを含む、アクチノイドは含まず)、4族および5族か
    らなる群から選ばれる1種以上の金属を含有する請求項
    1、2または3に記載の透明導電膜。
  5. 【請求項5】基体上に請求項1、2、3または4に記載
    の透明導電膜が形成されたことを特徴とする透明導電膜
    付き基体。
  6. 【請求項6】ガリウムとインジウムとを含有する酸化錫
    系のスパッタリングターゲットであって、ガリウムをG
    23 に換算し、インジウムをIn23 に換算し、
    錫をSnO2 に換算したとき、Ga23 とIn23
    とSnO2 との総量に対して、ガリウムをGa23
    算で0.1〜30モル%含有し、かつインジウムをIn
    23 換算で0.1〜30モル%含有することを特徴と
    するスパッタリングターゲット。
  7. 【請求項7】ガリウムの含有割合が、Ga23 換算で
    1〜15モル%で、かつインジウムの含有割合が、In
    23 換算で1〜15モル%である請求項6に記載のス
    パッタリングターゲット。
  8. 【請求項8】アンチモンおよび/またはテルルを含有す
    る請求項6または7に記載のスパッタリングターゲッ
    ト。
  9. 【請求項9】長周期型周期表における3族(ランタノイ
    ドを含む、アクチノイドは含まず)、4族および5族か
    らなる群から選ばれる1種以上の金属を含有する請求項
    6、7または8に記載のスパッタリングターゲット。
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