JP2000072057A - 弾性クローラ用芯金及びこの芯金を用いた弾性クローラ及びこの弾性クローラ用芯金の製造方法 - Google Patents

弾性クローラ用芯金及びこの芯金を用いた弾性クローラ及びこの弾性クローラ用芯金の製造方法

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JP2000072057A
JP2000072057A JP10245723A JP24572398A JP2000072057A JP 2000072057 A JP2000072057 A JP 2000072057A JP 10245723 A JP10245723 A JP 10245723A JP 24572398 A JP24572398 A JP 24572398A JP 2000072057 A JP2000072057 A JP 2000072057A
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智 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性クローラは、弾性材製のエンドレス帯状
に形成されたクローラ本体内に、その幅方向へ向けて細
長となった芯金が周方向で互いに所定間隔をおいて複数
埋設され、クローラ本体の外周面側にはラグが設けられ
たものである。芯金には、クローラ本体の内周側へ向け
て突出する左右一対のガイド突起が設けられており、こ
の上面の転輪通過面を転輪が通過することになる。しか
し、転輪に対して転輪通過面の乗り移り振動が生じるた
め、これを可及的に軽減する。 【解決手段】 左右の転輪通過面14に対し、傾斜方向
が前後で互いに逆向きとなる傾斜を設ける。また、この
傾斜の高位側となる部位に変曲部16を設け、これより
先に下り傾斜となる移載案内部15を設ける。転輪20
の通過に伴い、芯金1が傾くと、左側の移載案内部15
と右側の移載案内部15とが同レベルになるため、転輪
20に対して乗り移り振動は生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、弾性クローラ用芯
金及びこの芯金を用いた弾性クローラ及びこの弾性クロ
ーラ用芯金の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無限軌道車において使用される弾性クロ
ーラは、ゴム等の弾性材によってエンドレス帯状に形成
されたクローラ本体内に、その幅方向へ向けて細長とな
った芯金が前後方向(エンドレスの周方向)で互いに所
定間隔をおいて複数埋設され、クローラ本体の外周面側
には、ラグが設けられたものである。
【0003】芯金は、クローラ本体の幅方向中央部に対
応して連結部を有し、この連結部の左右両側にクローラ
本体の内周側へ向けて突出する一対のガイド突起が設け
られ、また上記連結部から両ガイド突起を超えた左右両
外方へ向けて翼部が延長形成されたものである。すなわ
ち、クローラ本体の内周面側において、各芯金の左右の
ガイド突起は、前後方向に相互隣接して左右の列を成す
ことになり、これら左列のガイド突起上面及び右列のガ
イド突起上面で、転輪の走行面を形成することになる。
従って、個々の芯金について言えば、左右のガイド突起
の各上面は、それぞれ転輪通過面とされる。
【0004】従来、この種、弾性クローラでは、走行中
に前後隣接の各転輪通過面を転輪が乗り移ってゆくとき
の振動を小さく抑えるための技術として、各芯金におい
て、左右のガイド突起の上面(即ち、転輪通過面)を、
前後方向で互いに逆向きとなるように傾斜させることが
提案されている(特許第2554552号公報参照)。
【0005】すなわち、このような左右の転輪通過面
が、クローラ本体の内周面側で左方及び右方の列を成す
ことにより、全体としてノコギリ刃状の一方的な傾斜の
繰り返しとなり、この傾斜が左右の各列で逆向きとなっ
ていることになる。従っていま、一つの芯金に着目して
説明すると、例えば左方の転輪通過面において、その傾
斜の高位側(後側とする)に転輪が乗るとことにより、
この芯金は左方の転輪通過面を水平に近づけるように傾
いた沈下状態(後下がり状態)となる。
【0006】一方、この状態から転輪が前方、すなわ
ち、左方の転輪通過面における傾斜の低位側へ向けて移
動すると、転輪は、同時に右方の転輪通過面の傾斜の高
位側へ乗ることになる。そのため、この芯金は、今度は
右方の転輪通過面を水平に近づけるように傾いた沈下状
態(前下がり状態)となる。このようなことから、芯金
は、転輪の移動に伴って左方及び右方の転輪通過面を交
互に水平にさせるように前後への揺動を繰り返し、転輪
が隣接先の転輪通過面へ乗り移る時の高低差を小さくさ
せる(転輪の乗り移り振動を抑える)というものであっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、弾性クローラ
では、クローラ本体に対し、亀裂や芯金との剥離を防止
する関係上、芯金が過剰に前後揺動を繰り返すような構
成は、好ましくない。また一方で、転輪による転輪通過
面の乗り移り振動を抑えるには、クローラ本体に対して
芯金を埋設する前後間隔を狭くすることが好ましい。
【0008】これに対し、上記従来の弾性クローラで
は、左方及び右方の転輪通過面がそれぞれ一方向的な傾
斜を有したものとなっているため、前後で隣接する転輪
通過面の相互間において、傾斜の高位側と低位側との高
低差を無くす程に芯金を前後揺動させようとすれば、そ
の揺動範囲は大きく、しかも、クローラ本体に対して芯
金を埋設する前後間隔は、ある程度広くしておく必要が
でてくる。また、このために芯金の揺動動作は、過激な
ものとならざるを得なくなっている。
【0009】このようなことから、上記従来の弾性クロ
ーラでは、クローラ本体に亀裂や芯金との剥離を生じ易
く、耐久性に劣るということもあった。もっとも、芯金
の前後間隔を広くするにも自ずと限度があるため、結果
としては、芯金の前後間隔を適当な寸法にとどめておく
ことにより、前後で隣接する転輪通過面の相互間に、傾
斜の高位側と低位側とである程度の高低差が生じること
を止むなしとするものであった。
【0010】そのため、振動吸収性としても、満足した
ものが得られ難いということがあった。のみならず、上
記従来の弾性クローラでは、その製造に関して次のよう
な欠点もあった。すなわち、左方及び右方の転輪通過面
が一方向的な傾斜を有していることがネックとなり、鋳
造時の成形型として、前後方向へ型分かれする分割型を
採用することができないか、又は採用できたとしても型
分かれ数を多くしたり、型分かれの方向として複数方向
を混在させたり、各型に対して複雑な抜き勾配を具備さ
せたりする必要が生じ、低生産性、高コスト等を招来し
ていた。
【0011】また、このような事情に伴い、ガイド突起
まわりで軽量化のための形状を採用することが甚だ困難
となり、ひいては、弾性クローラ全体としての重量化を
招来し、無限軌道車としての走行性能や燃費性能にまで
波及する重大な問題となっていた。このようなことか
ら、場合によっては芯金を鋳造以外の方法で製造した方
がよいということにもなっていた。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、転輪による転輪通過面の乗り移り振動を十分
に吸収できるものとし、また芯金の軽量化に伴う走行性
能や燃費性能等の向上、クローラ本体(弾性材)の耐久
性向上、芯金としての製造の容易化及び低コスト化等々
が図れるようにした弾性クローラ用芯金及びこの芯金を
用いた弾性クローラ及びこの弾性クローラ用芯金の製造
方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係る弾性クローラ用芯金では、左右のガイド突起の
頂面に対して傾斜方向を前後で互いに逆向きにした転輪
通過面を設けるにあたり、各転輪通過面には、左右の両
ガイド突起を含めた前後方向全体距離の中心位置よりも
傾斜の高位側となる方へ向けた中途位置に、高さの変曲
部を設け、この変曲部から先方の端部側に対して、下り
傾斜となる移載案内部を設けるようにしたものである。
【0014】このように左右の転輪通過面に移載案内部
を設けることで、前後方向で隣接する芯金相互間におい
て、転輪が転輪通過面から転輪通過面へと乗り移るとき
の高低差を可及的に抑えられることになる。そのため、
転輪には乗り移り振動が生じ難くなるとともに、運転者
の体感振動を抑えて運転操縦性が向上するのみならず、
走行機体各部の耐久性が向上するのである。
【0015】このことはまた、芯金の前後揺動範囲を小
さく抑えられることから、クローラ本体に対して芯金を
埋設するときの前後間隔を狭くできることにも繋がる。
従って、このようにすることで転輪には、益々、乗り移
り振動が生じ難くなる。また、左右の各転輪通過面を構
成する左右のガイド突起の変曲部は前後方向への偏りを
互いに逆配置とされていることによって、左右の各転輪
通過面においての乗り移り振動を防止しつつ芯金前後方
向中心位置での突上げも併せて阻止できるのである。
【0016】更に、芯金の両翼部には前方及び後方に突
出する横ズレ防止突起を設けることにより、該突起が左
右方向で互いに噛み合うことによって芯金の左右方向の
ガタツキを防止できるのである。このような芯金は、前
記変曲部を境として前後方向に型分かれ可能にした分割
型(横方向分割型)を用いて鋳造することにより、製造
することができる。この場合、左右のガイド突起に対し
て、各転輪通過面の前後下部に除肉部を形成させること
ができるものであり、これにより芯金の軽量化及び材料
使用量の抑制化を図ることができるし、燃費を大幅に節
減できるのである。
【0017】本発明に係る弾性クローラは、上記芯金を
具備したものとして構成されるものであり、この芯金が
有する作用効果に起因する各種の波及的乃至副次的効果
を具備することになる。すなわち、運転者の体感振動を
抑制し、走行機体各部の耐久性を向上する等々の効果を
奏するのである。
【0018】また本発明に係る弾性クローラ用芯金の製
造方法は、上記した芯金を鋳造により製造する方法とし
て構成されるものであり、この芯金が有する作用効果に
起因する各種の波及的乃至副次的効果を具備することに
なる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図3乃至図5は、本発明に係る弾
性クローラ用芯金1の第1実施形態を示しており、図6
乃至図9は、この芯金1を用いた弾性クローラ2を示し
ている。なお、以下では、便宜上、図3及び図6の各左
方側を「前」、各右方側を「後」とおき、また各下側を
「左」、各上側を「右」とおいて、芯金1及び弾性クロ
ーラ2の各部を説明することにする。従って、この弾性
クローラ2に関して言えば、上記の前後方向はエンドレ
スの周方向に相当し、上記の左右方向は幅方向に相当す
ることになる。
【0020】これらの図によって明らかなように、弾性
クローラ2は、ゴム又は樹脂等の弾性材によってエンド
レス帯状に形成されたクローラ本体3内に、その左右方
向へ向けて細長となった芯金1が前後方向で互いに所定
間隔をおいて複数埋設され、且つ、クローラ本体3の外
周面側には、ラグ4が設けられたものである。また、ク
ローラ本体3内には、芯金1よりも外周側となる位置
に、スチールコード等を用いた抗張体5が周方向全長に
わたって埋設されている。
【0021】なお、ラグ4の配置や形状等は何ら限定さ
れるものではないが、本第1実施形態に関して言えば、
2本の芯金1に対して1本のラグ4が配置されたものを
示してある。芯金1は、クローラ本体3の左右方向中央
部に対応させて連結部8を有し、この連結部8の左右両
側に、クローラ本体3の内周側へ向けて突出する一対の
ガイド突起9が設けられていると共に、上記連結部8か
ら両ガイド突起9を超えた左右両外方へ向けて翼部10
が延長形成されたものである。
【0022】これら左右の両翼部10には、前方及び後
方へ向けて突出する左右一対の横ズレ防止突起11が設
けられている。後方側へ突出する横ズレ防止突起11の
左右方向の相互間隔(内法寸法)は、前方側へ突出する
左右の横ズレ防止突起11を外嵌可能な程度に広く形成
されている。従って、クローラ本体3内では、前後方向
で隣接する芯金1の相互間において、各横ズレ防止突起
11が左右方向で互いに噛み合うようになり、その結
果、芯金1が左右方向へガタツクのを防止できるように
なっている。
【0023】また、連結部8と左右の横ズレ防止突起1
1とによって囲まれてできる前方及び後方へ向けたコ字
状の凹部12は、前後方向で隣接する芯金1の相互間で
は角形の空間を形成することになるので、この空間が、
クローラ本体3においては駆動輪等(図示略)との係合
孔13として形成されることになる。左右のガイド突起
9において、それらの各頂面は、クローラ本体3の内周
面で前後方向に沿った列を成し、転輪(図示略)用の走
行面(レール面)を形成するための転輪通過面14とな
っている。
【0024】これら各転輪通過面14には、前後方向の
一方側へ頂点を偏らせた不等辺山形となるような傾斜が
付されている。また、左右のガイド突起9において、こ
の不等辺山形の傾斜は、頂点の前後方向への偏りを互い
に逆配置としたものとなっている。すなわち、右方のガ
イド突起9(図4参照)に形成された転輪通過面14で
説明すれば、不等辺山形における長辺側の傾斜面は、前
方を低位側、後方を高位側とした勾配となっており、こ
れが転輪通過面14の全体としての傾斜方向になってい
る。
【0025】そしてこのとき、不等辺山形の頂部は、転
輪通過面14としての傾斜方向が変わる変曲部16とな
されており、この変曲部16を超えた傾斜面、即ち、不
等辺山形における短辺側の傾斜面は、移載案内部15と
されている。この変曲部16は、左右の両ガイド突起9
を含めた前後方向全体距離L(図5参照)の中心位置P
(芯金1としての前後方向中心位置)に対して、これよ
りも傾斜の高位側となる方の中途位置に位置付けられて
いることになる。なお、上記中心位置Pから変曲部16
の方を見た方向で言うと、上り傾斜となっている転輪通
過面14に対して、その先で上記移載案内部15が下り
傾斜を有していることになる。
【0026】上記変曲部16の位置付けは、上記した前
後方向全体距離Lに対する3/4の偏り位置と、上記し
た中心位置Pとの間で、適宜、決定するのが好適であ
る。また、一つのガイド突起9について単独の言い方を
すれば、転輪通過面14(移載案内部15を含む)の前
後長さをN、移載案内部15の前後長さをMとしたとき
に、(N/4)<M<(N/2)の関係が得られるよう
な位置に、変曲部16を位置付けるのが好適となる。
【0027】また、転輪通過面14の傾斜角度αは3°
〜7°程度とするのが好適であり、移載案内部15の傾
斜角度βは1°〜2°程度とするのが好適である。一
方、左方のガイド突起9(図5参照)に形成された転輪
通過面14では、全体として前方を高位側、後方を低位
側とした傾斜となっており、これに対して移載案内部1
5は逆向きの傾斜を有して形成されているものである。
【0028】図1及び図2は、転輪通過面14及び移載
案内部15において、それらの傾斜角度α及びβを分か
り易くするために、やや急角度にして描いた芯金1の概
略図である。これら図1及び図2から明らかなように、
一つの芯金1における左右の転輪通過面14は、上記し
た中心位置Pにおいて最低位部18を形成させるべく、
それぞれの傾斜が交差するようになっている。
【0029】いま、図1の右側に示した芯金1Aに対し
て、その最低位部18上に乗った転輪20が、その前
方、即ち、図1の左側に示した芯金1Bへと乗り移ると
きについて説明する。転輪20は、上記中心位置Pから
前進を始めることにより、芯金1Aにおける左方(即
ち、図面手前)の転輪通過面14上を移動し、これによ
って芯金1Aは前倒れ状に揺動する。
【0030】そして、この転輪通過面14から変曲部1
6を超えて移載案内部15上へ転輪20が達したとき、
この転輪20は、前方の芯金1Bにおける右方(即ち、
図面奥方)の移載案内部15へと乗り移るようになる
が、このときの移載案内部15同士の高さレベルは略同
じとされ、転輪20には、殆ど乗り移り振動が生じな
い。
【0031】その後、前方の芯金1Bは、転輪20が右
方の移載案内部15上に乗り移った時点でやや後倒れ状
に揺動するが、転輪20がこの移載案内部15から変曲
部16を超えて転輪通過面14上を最低位部18へと移
動することで、元の水平状態に戻る。また、転輪20が
このまま最低位部18を通過しても、芯金1に対し突き
上げ方向の振動は生じない。
【0032】以後は、このような動作が繰り返されるこ
とになる。なお、本第1実施形態において、左右のガイ
ド突起9は、それぞれ移載案内部15の設けられた方の
端部を、翼部10よりも前方及び後方へ突出させるよう
に延長してある。従って、前後方向で隣接する芯金1相
互間において、左方の転輪通過面14(移載案内部15
を含めた全体)同士、及び右方の転輪通過面14(同)
同士が、互いに接近した状態になっている。そのため、
転輪20の乗り移り距離が可及的に短くなされ、その
分、乗り移り振動の低減が一層、図られることとなって
いる。
【0033】また、本第1実施形態では、図4及び図5
に示したように、左右のガイド突起9において、前後方
向の両端部下部に、えぐられたような形状の除肉部22
が設けられている。そのため、芯金1の軽量化が図られ
ることになり、無限軌道車としての走行性能や燃費性能
を向上させるうえで有益なものとなる。また、芯金1の
材料使用量を削減できるため、低コスト化も可能にな
る。
【0034】更に、この除肉部22により、芯金1の表
面積(クローラ本体3を形成する弾性材との接着面積)
を大きくすることができ、また形状的にも弾性材との絡
みを強力にできることになるので、クローラ本体3との
剥離防止作用が高くなる。従って、弾性クローラ2とし
ての耐久性を高めることができる。このような構成の芯
金1を製造するには、図10に示すような分割型25を
用いた鋳造によって行えばよい。
【0035】すなわち、この分割型25は、前方型26
と後方型27とを有したものであり、これら両型26,
27内で形成させる芯金1に対応した成形凹部28を、
基本的にその前後方向で半割り状に型分かれ可能にした
ものである。但し、これら前方型26及び後方型27
は、左右のガイド突起9を形成させる部分29に限って
は、それぞれ変曲部16に対応する位置30を境とし
て、型分かれがなされるように形成されている。
【0036】そのため、芯金1において、変曲部16の
前後で互いに逆向きとなっている転輪通過面14全体と
しての傾斜と、そのうちの移載案内部15としての傾斜
とが、それぞれ脱型時の抜き勾配として有効に利用され
ることになり、換言すれば、このことが上記分割型25
(前後方向で型分かれする成形型)を用いた鋳造を可能
にしていることに繋がっているものである。
【0037】すなわち、高能率鋳造が可能であると共
に、型自体の構造を簡潔化できるものである。また、こ
のような分割型25を用いることで、左右のガイド突起
9に対して、それぞれ、転輪通過面14の前後下部に、
前記除肉部22を形成させることができるものとなって
いるのである。
【0038】この第1実施形態に関して、参考までに付
記しておくと、図6に示すように、クローラ本体3の内
周面側における芯金1の前後間には、左右方向に延びる
凹部31が設けられており、この凹部31は、係合孔1
3と左右方向で一致する配置になされている。そのた
め、この弾性クローラ2は曲がり性に優れたものとなっ
ており、駆動輪(図示略)等に対して巻き掛けがスムー
ズに行える利点を有している。
【0039】また、図7及び図8に示すように、クロー
ラ本体3の外周面側には、ラグ4の前後間であって、且
つ芯金1と干渉しない配置で、左右両端寄りに厚肉台部
32が設けられている。そのため、この弾性クローラ2
では、上記の厚肉台部32によって抗張体5とクローラ
本体3との剥離を防止できるものとなっており、この点
で、耐久性が高められている。
【0040】図11乃至図13は、本発明に係る弾性ク
ローラ用芯金1の第2実施形態を示しており、図14及
び図15は、この芯金1を用いた弾性クローラ2を示し
ている。この第2実施形態の芯金1は、連結部8に対し
て左右一対の脱輪防止突起35が設けられたものであ
る。これら脱輪防止突起35は、左右のガイド突起9の
相互間となるように位置付けられたもので、これらガイ
ド突起9上に乗る転輪(図示略)に対して左右方向への
ガタツキを抑制できるようになっている。
【0041】この第2実施形態の芯金1も、図10に示
したような分割型25と同様に、前後方向で型分かれす
る成形型(図示略)を用いた鋳造によって製造できるよ
うに考えられている。従って、上記した脱輪防止突起3
5の上面にも、僅かではあるが前後両側へ向けて、脱型
勾配として利用可能な傾斜36(図12及び図13参
照)を設けてある。
【0042】このように、芯金1において脱輪防止突起
35が設けられている点の他は、ガイド突起9が低く形
成されている点や、左右のガイド突起9が前後へのズレ
を有していない点等の細部形状等を除いて、前記した第
1実施形態と略同じである。従って、ここでの詳説は省
略する。なお、上記のような脱輪防止突起35は、芯金
1として一体形成させることの他、クローラ本体3を形
成する弾性材によって形成することも可能である。
【0043】図16は、本発明に係る弾性クローラ2と
して、クローラ本体3が芯金1(第1実施形態のものと
した)を被覆する形体としての別実施形態を示した要部
拡大側断面図である。このように、製造時点(弾性クロ
ーラ2としての新品時)では、転輪通過面14の全体
(変曲部16や移載案内部15を含む)を、クローラ本
体3を形成する弾性材で被覆するようにしてもよい。
【0044】このような構造であれば、この弾性クロー
ラ2の製造直後から使用する直前まで、ガイド突起9の
保護が図れ、特に転輪通過面14に対する防錆効果を得
ることができる。なお、この弾性クローラ2を使用開始
すれば、転輪通過面14を被覆している弾性材は直ぐに
磨耗して、この転輪通過面14が露呈するようになるの
で、何ら問題なく、転輪通過面14(及び移載案内部1
5)としての有効な作用効果を得ることができる。
【0045】ところで、本発明は、上記各実施形態に限
定されるものではない。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る弾性クローラ用芯金では、左右のガイド突起の頂
面に、傾斜方向を前後で互いに逆向きにした転輪通過面
を設け、これら各転輪通過面の傾斜の高位側寄りに変曲
部を介して移載案内部を設けているので、転輪が、前後
方向で隣接する転輪通過面間を乗り移るときの高低差が
可及的に抑えられ、その乗り移り振動が十分に吸収され
るものとなっている。
【0047】このことは芯金の前後揺動範囲を小さく
し、また芯金の前後間隔を狭くできることになるので、
乗り移り振動の吸収を、更に確実にする。そのため、本
発明に係る弾性クローラとして走行振動が小さく抑えら
れたものとなる。また、芯金の前後揺動範囲が小さくな
ることから、クローラ本体(弾性材)の耐久性向上が図
れる。
【0048】左右のガイド突起に対して、その前後両端
部に除肉部を形成させた場合、芯金の軽量化及び材料使
用量の抑制化等の利点も得られる。そのため、本発明に
係る弾性クローラとして走行性能や燃費性能等の向上が
図られる。本発明に係る弾性クローラ用芯金の製造方法
では、上記芯金を前後方向に型分かれ可能な分割型で鋳
造しているので、高効率、低コストの製造が可能にな
る。また、除肉部を形成できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の状態から転輪の移動した状況を示す動作
説明図である。
【図2】本発明に係る弾性クローラ用芯金の第1実施形
態を概略的に示した側面図である。
【図3】本発明に係る弾性クローラ用芯金の第1実施形
態を示す平面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】図3のB−B線矢視図である。
【図6】本発明に係る弾性クローラ用芯金の第1実施形
態を用いて構成した弾性クローラをその内周面側から示
す部分平面図である。
【図7】図6の弾性クローラをその外周面側から示す部
分平面図である。
【図8】図7のC−C線断面図である。
【図9】図7のD−D線断面図である。
【図10】第1実施形態の芯金を製造するときに使用可
能な分割型を仮想的に示す要部平面図である。
【図11】本発明に係る弾性クローラ用芯金の第2実施
形態を示す平面図である。
【図12】図11のE−E線断面図である。
【図13】図11のF−F線矢視図である。
【図14】本発明に係る弾性クローラ用芯金の第1実施
形態を用いて構成した弾性クローラをその内周面側から
示す部分平面図である。
【図15】図14のG−G線断面図である。
【図16】本発明に係る弾性クローラにおいてクローラ
本体が芯金を被覆する形体としての別実施形態を示した
要部拡大側断面図である。
【符号の説明】
1 弾性クローラ用芯金 2 弾性クローラ 3 クローラ本体 4 ラグ 8 連結部 9 ガイド突起 10 翼部 14 転輪通過面 15 移載案内部 16 変曲部 22 除肉部 25 分割型 P 中心位置 L 前後方向全体距離

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連結部(8)の左右両側に上方へ突出す
    る一対のガイド突起(9)が設けられていると共に、上
    記連結部(8)から両ガイド突起(9)を超えて左右両
    外方へ向けて翼部(10)が延長形成されている弾性ク
    ローラ用芯金において、 左右のガイド突起(9)の頂面には、傾斜方向を前後で
    互いに逆向きにした転輪通過面(14)が設けられてお
    り、 これら左右の各転輪通過面(14)には、左右の両ガイ
    ド突起(9)を含めた前後方向全体距離(L)の中心位
    置(P)よりも傾斜の高位側となる方へ向けた中途位置
    に、高さの変曲部(16)が設けられ、該変曲部(1
    6)から先方の端部側に下り傾斜となる移載案内部(1
    5)が設けられていることを特徴とする弾性クローラ用
    芯金。
  2. 【請求項2】 左右の各転輪通過面(14)を構成する
    左右のガイド突起(9)の変曲部(16)は前後方向へ
    の偏りを互いに逆配置とされていることを特徴とする請
    求項1記載の弾性クローラ用芯金。
  3. 【請求項3】 左右の両翼部(10)には前方及び後方
    に向けて突出する左右一対の横ズレ防止突起(11)が
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の弾性ク
    ローラ用芯金。
  4. 【請求項4】 前記変曲部(16)を境として前後方向
    に型分かれ可能にした分割型(25)を用いて鋳造する
    ことで左右のガイド突起(9)に対して各転輪通過面
    (14)の前後下部に除肉部(22)が形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾性
    クローラ用芯金。
  5. 【請求項5】 弾性材によってエンドレス帯状に形成さ
    れたクローラ本体(3)内に、請求項1乃至請求項4記
    載の弾性クローラ用芯金(1)が各ガイド突起(9)を
    内周側へ向けつつ且つ前後方向に互いに所定間隔をおい
    て複数埋設されており、上記クローラ本体(3)の外周
    面側にラグ(4)が設けられていることを特徴とする弾
    性クローラ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかに記載の弾性
    クローラ用芯金(1)を製造する方法であって、前記変
    曲部(16)を境として前後方向に型分かれ可能にした
    分割型(25)を用いて鋳造することにより、変曲部
    (16)の前後で逆向きに生じている各傾斜を脱型時の
    抜き勾配として利用し、且つ左右のガイド突起(9)に
    対して各転輪通過面(14)の前後下部に除肉部(2
    2)を形成させることを特徴とする弾性クローラ用芯金
    の製造方法。
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