JP2004098793A - 弾性クローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】芯金を埋設しかつ案内突起の外側を転動輪が転動する形式であっても、簡単かつより効果的に振動を低減できるようにする。
【解決手段】弾性材製クローラ本体に周方向所定間隔で内部に芯金を埋設し、外周面にラグを形成しかつ内周面に案内突起を形成し、この案内突起の幅方向外側の内周面に転輪転動部を形成し、この転輪転動部の各芯金非埋設域に内方へ突出した隆起部を形成し、この隆起部を2山と山間谷とで形成する、及び/又は、裾野から各山頂までを内方に凹状の凹み面で形成する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックホー、クローラ式トラクタ等の走行機体の走行装置に適用可能で、振動を軽減できるようにした弾性クローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
振動を軽減した従来技術としては、弾性材製クローラ本体に周方向所定間隔に芯金を埋設し、外周面にラグを形成し、前記芯金から内方に突出した左右一対の突起で案内突起を形成し、この案内突起を脱輪防止用とするとともにその頂面を転輪の転動面とし、クローラ本体の内周面の前記案内突起が配置されていない間隙部分の幅方向外側の面をその他の面より高く(隆起部)を形成して、転輪の鍔部の外周面が当接できるようにしており、案内突起頂面を転動する転輪が、案内突起間で落ち込む状態になったときに、転輪の鍔部の外周面が隆起部に当接して、転輪のガタつきを防止するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、芯金は埋設されていないが、弾性材製クローラ本体に周方向所定間隔に突起を内方に突出して脱輪防止用の案内突起を形成し、クローラ本体の内周面の前記案内突起の外側に転輪の転動面を形成し、ラグの間に対応するクローラ本体の内周面の部分に凸部(隆起部)を形成して、転輪の上下動を低減できるように構成されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特公平4−62912号公報(特許請求の範囲及び作用)
【特許文献2】
特開平5−246356号公報(特許請求の範囲及び作用)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1では、転輪が案内突起間で落ち込むとき、落ち込み始めから落ち込み終わりまで、落ち込み量は次第に大きくなって最大になった後に次第に小さくなるのであり、転輪の鍔部の外周面が当接する隆起部は山形状であるので、その頂部しか振動低減に寄与していない。
これに対して、前記特許文献2は、案内突起の外側を転輪の転動面とし、その転動面のラグの間に対応する部分に隆起部を形成していて、転輪は山の裾野から頂部にかけて転動するので、隆起部全体が振動低減に寄与できる。
【0006】
そこで、特許文献2の技術的思想を、クローラ本体に周方向所定間隔に芯金を埋設した弾性クローラにも適用することが考えられる(図13に示す比較例)。即ち、弾性材製クローラ本体2に周方向所定間隔で内部に芯金3を埋設し、外周面2Aにラグを形成しかつ内周面2Bに案内突起5を形成し、前記案内突起5の幅方向外側の内周面2Bに転輪転動部6を形成し、この転輪転動部6の各芯金非埋設域Mに内方へ突出した隆起部7を形成した弾性クローラ1’とすることが考えられる。
【0007】
しかし、特許文献2のような芯金を埋設していないものでは、転輪が芯金埋設域の端部上を転動するときからクローラ本体の変形が生じるが、クローラ本体に芯金を埋設していると、図14の参考図に示すように、転輪13が芯金埋設域M上を転動する間、転輪13の軸心の軌跡Jは点Aから点Bまでのように略直線的で変形が極めて少なく、転輪13の軸心が芯金埋設域Mから外れて芯金非埋設域Nの中央へ行くに従って、軌跡Jは点Bから点Cまでのように変形が次第に大きくなり、点Cで転輪13による変形量が最大となる(図14において、線Kは転輪13の軸心が点Cに位置するときの、芯金非埋設域Nでのクローラ本体2の変形状態を示している。)。
【0008】
そのため、前記比較例の弾性クローラ1’の隆起部7では、蒲鉾形状の1山で、裾野から各山頂までの面が内方に凸形状になっているので、駆動輪、従動輪等の巻き掛け部分でクローラの屈曲抵抗が大きくなり過ぎ、駆動ロスを生じる、隆起部の各部と転輪による変形量とが異なり、微細な振動が発生する、このクローラを適用する走行機体重量が重い場合に隆起部の高さを高く、軽い場合に隆起部の高さを低くする必要があり、走行機体毎に隆起部高さ設定を必要とする、同一の走行機体でも重心位置が前方又は後方に偏る場合に各転輪に作用する荷重が異なるため、隆起部高さ設定を必要とする、しかもこれらの隆起部高さ設定は調整が困難であり、調整しても期待通りの効果が得がたい、芯金の埋設ピッチと隆起部の頂部のピッチとが同じであるため、共振により振動が高くなるスピート域が出やすい、等の問題点を有する。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした弾性クローラを提供することを目的とする。
本発明は、芯金を埋設しかつ案内突起の外側を転動輪が転動する形式であっても、各芯金非埋設域に隆起部を形成し、この隆起部に2山と山間谷とを形成する、隆起部の裾野から各山頂までを内方に凹状の凹み面で形成する、ことによって、簡単かつより効果的に振動を低減できるようにした弾性クローラを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、弾性材製クローラ本体に周方向所定間隔で内部に芯金を埋設し、外周面にラグを形成しかつ内周面に案内突起を形成し、この案内突起の幅方向外側の内周面に転輪転動部を形成し、この転輪転動部の各芯金非埋設域に内方へ突出した隆起部を形成し、この隆起部に2山と山間谷とを形成していることである。
これによって、隆起部の中途の谷によって駆動輪、従動輪等の巻き掛け部分でクローラの屈曲抵抗が大きくなり過ぎなく、隆起部が2山であることによって芯金の埋設ピッチと隆起部の頂部のピッチとが異なり、走行機体に共振が現れ難くなり、また、走行機体重量、各転輪に作用する荷重等に影響を受け難くなり、総合的な振動の低減をすることができる。
【0011】
第2に、弾性材製クローラ本体に周方向所定間隔で内部に芯金を埋設し、外周面にラグを形成しかつ内周面に案内突起を形成し、この案内突起の幅方向外側の内周面に転輪転動部を形成し、この転輪転動部の各芯金非埋設域に内方へ突出した隆起部を形成し、この隆起部の裾野から山頂までを内方に凹状の凹み面で形成していることである。
これによって、転輪が転輪転動部の芯金埋設域から芯金非埋設域へ転動する際の隆起部上への乗り上げが円滑に行われ、芯金非埋設域での隆起部の各部と転輪による変形量とが可及的に等しくなり、総合的な振動の低減をすることができる。
【0012】
第3に、弾性材製クローラ本体に周方向所定間隔で内部に芯金を埋設し、外周面にラグを形成しかつ内周面に案内突起を形成し、この案内突起の幅方向外側の内周面に転輪転動部を形成し、この転輪転動部の各芯金非埋設域に内方へ突出した隆起部を形成し、この隆起部に2山と山間谷とを形成し、かつ裾野から各山頂までを内方に凹状の凹み面で形成していることである。
これによって、隆起部の中途の谷によって駆動輪、従動輪等の巻き掛け部分でクローラの屈曲抵抗が大きくなり過ぎなく、隆起部が2山であることによって芯金の埋設ピッチと隆起部の頂部のピッチとが異なり、走行機体に共振が現れ難くなり、また、走行機体重量、各転輪に作用する荷重等に影響を受け難くなり、転輪が転輪転動部の芯金埋設域から芯金非埋設域へ転動する際の隆起部上への乗り上げが円滑に行われ、芯金非埋設域での隆起部の各部と転輪による変形量とが可及的に等しなくり、総合的な振動の低減をすることができる。
【0013】
第4に、前記各隆起部の山間谷の深さ寸法を、山頂高さ寸法と同一、短く又は長く設定していることである。
これによって、駆動輪、従動輪等の巻き掛け部分でのクローラの屈曲抵抗を、利用する走行機体に最適なように設定することが可能になる。
第5に、前記各隆起部の2山間寸法を、クローラ本体周方向に隣り合う隆起部との間の山間寸法より短く設定していることである。
これによって、隆起部ピッチと2山頂部のピッチとを異ならせて、走行機体の共振を防止する。
【0014】
第6に、前記各隆起部の裾野から山頂までの凹み面を、円弧面又は多段傾斜面で形成していることである。
これによって、転輪の隆起部上への乗り上げをより円滑に行うことができる、又は成形型を安価に製作することができる。
第7に、前記各隆起部の裾野の始点を、芯金埋設域と芯金非埋設域との境目、又はその境目の近傍の芯金埋設域もしくは芯金非埋設域に設定していることである。
【0015】
これによって、芯金非埋設域の振動低減必要箇所を効率良くカバーできるように、隆起部の裾野形状を設定できる。
第8に、前記各隆起部の裾野の始点を、芯金埋設域のクローラ本体周方向中央又はその近傍の設定していることである。
これによって、転輪転動部の略全長に渡って間断なくかつ円滑に、振動低減を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜6に示す第1実施形態において、1はバックホー、クローラ型トラクタ等の走行機体のクローラ走行装置に使用される弾性クローラであり、駆動輪、従動輪及び転輪等に巻き掛けられる。この弾性クローラ1は、ゴム等の弾性材料で形成したエンドレス形状のクローラ本体2に、内部に幅方向抗張体である芯金3を周方向所定間隔に埋設し、スチール等で形成した周方向抗張体11を左右一対埋設している。
【0017】
クローラ本体2の幅方向中央には芯金3間に駆動輪の爪が係合する係合孔12が形成され、外周面2Aには略横一文字形状のラグ4が一体成形で突設されており、各ラグ4は芯金3に略対応して配置されている。
芯金3は周方向抗張体11よりもクローラ本体2の内周面2B側に配置され、駆動輪の爪が係合する幅方向中央の係合部3aの左右に一対の突起3bを内周面2B側に突出して案内突起5を形成し、左右突起3bの左右外方に翼部3cを形成している。
【0018】
前記左右一対の案内突起5は駆動輪、従動輪及び転輪等の脱輪を防止する突起としての役目をしており、転輪はマタギ転輪13が使用され、左右案内突起5の幅方向外方には、クローラ本体2の内周面2Bにマタギ転輪13の車輪部が転動する転輪転動部6が形成されている。
この転輪転動部6はクローラ本体2の内周面2Bを若干高台に形成しており、案内突起5の近傍で芯金3の翼部3cの内方側に位置している。
前記転輪転動部6は、芯金3と対応している芯金埋設域Mだけでなく、芯金3間に対応している芯金非埋設域Nにも連続して形成されており、前記各芯金埋設域Mでは平坦面になっているが、各芯金非埋設域Nでは内方へ膨出した隆起部7が形成されている。
【0019】
前記隆起部7は側面視において山形状であり、その山頂部は1山でなく、2山7Aが形成され、従って、2山7Aの間には山間谷7Bが形成され、山頂部を1山で形成する場合(図1に2点鎖線で示す、比較例の山。)よりも、2山7Aの山高さ寸法Yが低くなっている。
前記各隆起部7の2山7Aの山頂部は円弧面で形成されており、各隆起部7の2山間寸法L1を、クローラ本体2周方向に隣り合う隆起部7の間の山間寸法L2より短く設定している。
【0020】
前記各隆起部7の裾野の始点9を、芯金埋設域Mと芯金非埋設域Nとの境目MN、又はその境目MNの近傍の芯金埋設域Mもしくは芯金非埋設域Nに設定することができる。
前記芯金埋設域Mと芯金非埋設域Nとの和は芯金3の埋設ピッチであり、隆起部7の山間寸法L2は隆起部7の山頂部のピッチであり、この両者は同一になることはなく、寸法差を生じている。
この裾野の始点9は、案内突起5の立ち上がり位置近傍、芯金3の翼部3cとオーバラップする位置等が好ましく、特に、芯金3の翼部3cの周方向前後端は丸く面取りされていて、この面取り端部からマタギ転輪13の落ち込みが開始されるので、その落ち込みを補うように、隆起部7の裾野が始まることが好ましい。従って、1つの隆起部7の裾野の始点9と隣り合う隆起部7の裾野の始点9との間の寸法Uは、芯金埋設域Mの寸法よりも短いことが好ましい。
【0021】
また、駆動輪、従動輪等の巻き掛け部分でのクローラの屈曲抵抗が、隆起部7を形成したことにより大きくなるが、その屈曲抵抗が大きくなり過ぎるのを、2山7Aの間に山間谷7Bを形成したことにより抑え、また、低下させるようにしている。
前記山間谷7Bの谷底は円弧面で形成されており、山間谷7Bの深さ寸法Tは、図1に示す第1谷例では、2山7Aの山高さ寸法Yと略同一に設定され、図4に示す第2谷例では、山高さ寸法Yより短く設定され、図5に示す第3谷例では、山高さ寸法Yより長く設定されている。
【0022】
前記第2谷例の山間谷7Bの深さ寸法Tが山高さ寸法Yより短い場合は、略同一の第1谷例に比して、屈曲抵抗が大きいが、クローラの捻り剛性が高くなり、高荷重、低速車等に適しており、前記第3谷例の山間谷7Bの深さ寸法Tが山高さ寸法Yより長い場合は、略同一の第1谷例に比して、屈曲抵抗が小さく柔軟性を有し、クローラの巻き掛け部における屈曲性能が高くなり、高速車、電動車等に適する。
各隆起部7の2山7Aの山高さ寸法Yは、弾性クローラ1を適用する走行機体の重量に応じて、大重量のときは寸法Yを長くし、小重量のときは寸法Yを短くして、マタギ転輪13の負荷荷重に対抗できる寸法に設定され、山高さ寸法Yを各寸法にしたときに、弾性クローラ1が駆動輪、従動輪に正常に巻き掛けられるように、山間谷7Bの深さ寸法Tが長短に設定される。
【0023】
前記第1実施形態では、隆起部7を2山7Aと山間谷7Bとで形成し、山頂高さを1山のときより低くしているので、図6に示すように、走行機体の走行中の振動は、1山の比較例では、各山頂で共振点となり、しかも振動が高いのに比して、本件では2山7Aの山頂での共振は発生しなく、総体的に走行機体の振動が低くなる。
即ち、第1実施形態では、山7Aの高さを低くして、走行機体の重量、マタギ転輪13の負荷荷重の差による隆起高さの影響が少なくなるようにし、山7Aの数を芯金3の数の2倍にして、芯金3のピッチと山7Aのピッチとを異ならせて、走行機体に振動を現れ難くし、芯金3間の略中央に山間谷7Bを形成して、弾性クローラ1の屈曲を柔軟にし、巻き掛け部での抵抗を緩和できるようにしている。
【0024】
図7に示す第2実施形態において、この弾性クローラ1の隆起部7は、第1実施形態と同様に、側面視において2山7Aと山間谷7Bとが形成され、山頂部を1山で形成する場合(図1に2点鎖線で示す、比較例の山。)よりも、2山7Aの山高さ寸法Yが低く設定され、各隆起部7の2山間寸法L1を、クローラ本体2周方向に隣り合う隆起部7の山間寸法L2より長く設定されている。
山間谷7Bの深さ寸法Tは、2山7Aの山高さ寸法Yより短く設定されており、第1実施形態の第1、第2、第3谷例と同様に形成することができる。
【0025】
前記各隆起部7の2山7Aの裾野始点9は、芯金埋設域Mのクローラ本体2周方向中央の近傍の設定しているが、第1実施形態と同様に、芯金埋設域Mと芯金非埋設域Nとの境目MN、又はその境目MNの近傍の芯金埋設域Mもしくは芯金非埋設域Nに設定したり、芯金埋設域Mのクローラ本体2周方向中央に設定することもできる。
前記裾野の始点9から2山7Aの山頂までの間は、第1実施形態では、図1、4に示す平坦形状、図5に示す内方に凸形状になっているが、この第2実施形態では内方に凹状の凹み面8で形成されており、この凹み面8を円弧面で形成している。
【0026】
前記凹み面8は、裾野始点9上方にマタギ転輪13の軸心がある状態で、マタギ転輪13の車輪部の外周に接触する曲率、即ち、マタギ転輪13の半径と略同一又はそれ以上の半径の円弧面に形成されており、マタギ転輪13が転輪転動部6の芯金埋設域M上から円滑に隆起部7へ転動でき、しかも裾野始点9から円滑に山7Aに乗り上げられるようにしている。
図8に示す第3実施形態において、この弾性クローラ1の隆起部7は、第1、第2実施形態と同様に、側面視において2山7Aと山間谷7Bとが形成されている。また、山間谷7Bの深さ寸法Tは、2山7Aの山高さ寸法Yより短く設定されており、第1実施形態の第1、第2、第3谷例と同様に形成することができる。
【0027】
前記各隆起部7の2山7Aの裾野始点9は第2実施形態と同様であるが、裾野の始点9から2山7Aの山頂までの間の凹み面8は多段傾斜面で形成されている。
前記凹み面8は、裾野始点9から緩い角度の傾斜面8aと、それに続く急な角度の傾斜面8bと2段階の傾斜面で形成され、マタギ転輪13が転輪転動部6の芯金埋設域M上から円滑に隆起部7へ転動でき、しかも裾野始点9から円滑に山7Aに乗り上げられるようにしている。前記多段傾斜面は3段以上の傾斜面で形成することもできる。
【0028】
また、2山7A及び山間谷7Bは鈍角のV字形状に形成されており、各隆起部7の各部を平坦面で簡単に形成でき、製造型を安価にできるようにしている。
前記第2、第3実施形態においては、第1実施形態と同様に、隆起部7の中途の谷7Bによる駆動輪、従動輪等の巻き掛け部分でのクローラの屈曲抵抗の低下、芯金3の埋設ピッチと隆起部の頂部のピッチとの寸法差、等によって走行機体に共振を現れ難くでき、走行機体重量、各転輪に作用する荷重等に影響を受け難くなり、その上に、マタギ転輪13が転輪転動部6の芯金埋設域Mから芯金非埋設域Nへ転動する際の隆起部7上への乗り上げが円滑に行われ、芯金非埋設域Nでの隆起部7の各部とマタギ転輪13による変形量とが可及的に等しなくり、総合的な振動の低減をすることができる。
【0029】
図9〜12は第4実施形態を示しており、弾性クローラ1の隆起部7は側面視において1山形状であり、裾野の始点9から山7Aの山頂までの間は、第2、第3実施形態と同様に、内方に凹状の凹み面8で形成されており、この凹み面8を円弧面で形成している。
前記各隆起部7の山の裾野始点9は、図9、11に示す第1山形状では、芯金埋設域Mと芯金非埋設域Nとの境目MNに設定され、図12に示す第2山形状では、芯金埋設域Mのクローラ本体2周方向中央に設定されており、境目MNの近傍の芯金埋設域Mもしくは芯金非埋設域N上、芯金埋設域Mのクローラ本体2周方向中央又はその近傍等に設定することもできる。
【0030】
前記第2山形状の山頂は、芯金非埋設域Nの周方向中央から僅かにずれた位置に設定されており、その山頂から周方向前後に隣り合う芯金3の周方向中央までの寸法が異なっている。
前記裾野の始点9から山頂までの間の凹み面8は、円弧面の他に第3実施形態で示した多段傾斜面で形成することもでき、マタギ転輪13を転輪転動部6の芯金埋設域M上から円滑に隆起部7へ転動し、かつ裾野始点9から円滑に山7Aに乗り上げられるようにしている。
【0031】
この第4実施形態の隆起部7は1山形状であるが、裾野始点9から山頂までの間に凹み面8を形成することにより、参考図で示した軌跡Jの形状と上下逆の隆起形状に近づけることができ、それによって、マタギ転輪13の軸心の軌跡を平坦形状にでき、振動を減少させることができる。
なお、本発明は前記実施形態における各構成部分の形状及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、図1〜12に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、構成部分の形状を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
【0032】
例えば、ラグ4を幅方向に対して傾斜させる、ラグ4を周方向千鳥形状に配列する、芯金3の突起3bを翼部3cに対して周方向にずらす、突起3bの一端又は両端を翼部3cに対して周方向に突出させる、等をすることもできる。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、芯金を埋設しかつ案内突起の外側を転動輪が転動する形式のクローラに、各芯金非埋設域に隆起部を形成しても、駆動輪、従動輪等の巻き掛け部分でクローラの屈曲抵抗が大きくなり過ぎを防止する、走行機体に共振を現れ難くする、走行機体重量、各転輪に作用する荷重等に影響を受け難くする、マタギ転輪が転輪転動部の芯金埋設域から芯金非埋設域へ転動する際の隆起部上への乗り上げを円滑に行う、芯金非埋設域での隆起部の各部とマタギ転輪による変形量とを可及的に等しくする、等が可能になり、総合的な振動の低減をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す要部の側面断面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】同断面正面図である。
【図4】第2谷例を示す要部の側面断面図である。
【図5】第3谷例を示す要部の側面断面図である。
【図6】本件と比較例との振動を比較した線グラフである。
【図7】第2実施形態を示す要部の側面断面図である。
【図8】第3実施形態を示す要部の側面断面図である。
【図9】第4実施形態を示す要部の側面断面図である。
【図10】同平面図である。
【図11】同拡大した要部の側面断面図である。
【図12】第2山形状の要部の側面断面図である。
【図13】比較例を示す側面断面図である。
【図14】参考例を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1    弾性クローラ
2    クローラ本体
2A   外周面
2B   内周面
3    芯金
4    ラグ
5    案内突起
6    転輪転動部
7    隆起部
7A   山
7B   谷
8    凹み面
9    裾野始点
11   周方向抗張体
13   マタギ転輪
M    芯金埋設域
N    芯金非埋設域
MN   境目
T    谷深さ寸法
Y    山高さ寸法
L1   2山間寸法
L2   山間寸法
U    裾野間寸法

Claims (8)

  1. 弾性材製クローラ本体(2)に周方向所定間隔で内部に芯金(3)を埋設し、外周面(2A)にラグ(4)を形成しかつ内周面(2B)に案内突起(5)を形成し、この案内突起(5)の幅方向外側の内周面(2B)に転輪転動部(6)を形成し、この転輪転動部(6)の各芯金非埋設域(N)に内方へ突出した隆起部(7)を形成し、この隆起部(7)に2山(7A)と山間谷(7B)とを形成していることを特徴とする弾性クローラ。
  2. 弾性材製クローラ本体(2)に周方向所定間隔で内部に芯金(3)を埋設し、外周面(2A)にラグ(4)を形成しかつ内周面(2B)に案内突起(5)を形成し、この案内突起(5)の幅方向外側の内周面(2B)に転輪転動部(6)を形成し、この転輪転動部(6)の各芯金非埋設域(N)に内方へ突出した隆起部(7)を形成し、この隆起部(7)の裾野から山頂までを内方に凹状の凹み面(8)で形成していることを特徴とする弾性クローラ。
  3. 弾性材製クローラ本体(2)に周方向所定間隔で内部に芯金(3)を埋設し、外周面(2A)にラグ(4)を形成しかつ内周面(2B)に案内突起(5)を形成し、この案内突起(5)の幅方向外側の内周面(2B)に転輪転動部(6)を形成し、この転輪転動部(6)の各芯金非埋設域(N)に内方へ突出した隆起部(7)を形成し、この隆起部(7)に2山(7A)と山間谷(7B)とを形成し、かつ裾野から各山頂までを内方に凹状の凹み面(8)で形成していることを特徴とする弾性クローラ。
  4. 前記各隆起部(7)の山間谷(7B)の深さ寸法(T)を、山頂高さ寸法(Y)と同一、短く又は長く設定していることを特徴とする請求項1又は3に記載の弾性クローラ。
  5. 前記各隆起部(7)の2山間寸法(L1)を、クローラ本体(2)周方向に隣り合う隆起部(7)との間の山間寸法(L2)より短く設定していることを特徴とする請求項1、3又は4に記載の弾性クローラ。
  6. 前記各隆起部(7)の裾野から山頂までの凹み面(8)を、円弧面又は多段傾斜面で形成していることを特徴とする請求項2又は3に記載の弾性クローラ。
  7. 前記各隆起部(7)の裾野の始点(9)を、芯金埋設域(M)と芯金非埋設域(N)との境目(MN)、又はその境目(MN)の近傍の芯金埋設域(M)もしくは芯金非埋設域(N)に設定していることを特徴とする請求項2、3、6のいずれかに記載の弾性クローラ。
  8. 前記各隆起部(7)の裾野の始点(9)を、芯金埋設域(M)のクローラ本体(2)周方向中央又はその近傍の設定していることを特徴とする請求項2、3、6のいずれかに記載の弾性クローラ。
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