JP4160170B2 - 弾性クローラ用芯金、この芯金を用いた弾性クローラ及びこの弾性クローラ用芯金の製造方法 - Google Patents

弾性クローラ用芯金、この芯金を用いた弾性クローラ及びこの弾性クローラ用芯金の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、弾性クローラ用芯金この芯金を用いた弾性クローラ及びこの弾性クローラ用芯金の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無限軌道車において使用される弾性クローラは、ゴム等の弾性材によってエンドレス帯状に形成されたクローラ本体内に、その幅方向へ向けて細長となった芯金が前後方向(エンドレスの周方向)で互いに所定間隔をおいて複数埋設され、クローラ本体の外周面側には、ラグが設けられたものである。
芯金は、クローラ本体の幅方向中央部に対応して連結部を有し、この連結部の左右両側にクローラ本体の内周側へ向けて突出する一対のガイド突起が設けられ、また上記連結部から両ガイド突起を超えた左右両外方へ向けて翼部が延長形成されたものである。
【0003】
すなわち、クローラ本体の内周面側において、各芯金の左右のガイド突起は、前後方向に相互隣接して左右の列を成すことになり、これら左列のガイド突起上面及び右列のガイド突起上面で、転輪の走行面を形成することになる。従って、個々の芯金について言えば、左右のガイド突起の各上面は、それぞれ転輪通過面とされる。
従来、この種、弾性クローラでは、走行中に前後隣接の各転輪通過面を転輪が乗り移ってゆくときの振動を小さく抑えるための技術として、各芯金において、左右のガイド突起の上面(即ち、転輪通過面)を、前後方向で互いに逆向きとなるように傾斜させることが提案されている(特許第2554552号公報参照)。
【0004】
すなわち、このような左右の転輪通過面が、クローラ本体の内周面側で左方及び右方の列を成すことにより、全体としてノコギリ刃状の一方的な傾斜の繰り返しとなり、この傾斜が左右の各列で逆向きとなっていることになる。
従っていま、一つの芯金に着目して説明すると、例えば左方の転輪通過面において、その傾斜の高位側(後側とする)に転輪が乗るとことにより、この芯金は左方の転輪通過面を水平に近づけるように傾いた沈下状態(後下がり状態)となる。
【0005】
一方、この状態から転輪が前方、すなわち、左方の転輪通過面における傾斜の低位側へ向けて移動すると、転輪は、同時に右方の転輪通過面の傾斜の高位側へ乗ることになる。そのため、この芯金は、今度は右方の転輪通過面を水平に近づけるように傾いた沈下状態(前下がり状態)となる。
このようなことから、芯金は、転輪の移動に伴って左方及び右方の転輪通過面を交互に水平にさせるように前後への揺動を繰り返し、転輪が隣接先の転輪通過面へ乗り移る時の高低差を小さくさせる(転輪の乗り移り振動を抑える)というものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、弾性クローラでは、クローラ本体に対し、亀裂や芯金との剥離を防止する関係上、芯金が過剰に前後揺動を繰り返すような構成は、好ましくない。また一方で、転輪による転輪通過面の乗り移り振動を抑えるには、クローラ本体に対して芯金を埋設する前後間隔を狭くすることが好ましい。
これに対し、上記従来の弾性クローラでは、左方及び右方の転輪通過面がそれぞれ一方向的な傾斜を有したものとなっているため、前後で隣接する転輪通過面の相互間において、傾斜の高位側と低位側との高低差を無くす程に芯金を前後揺動させようとすれば、その揺動範囲は大きく、しかも、クローラ本体に対して芯金を埋設する前後間隔は、ある程度広くしておく必要がでてくる。また、このために芯金の揺動動作は、過激なものとならざるを得なくなっている。
【0007】
このようなことから、上記従来の弾性クローラでは、クローラ本体に亀裂や芯金との剥離を生じ易く、耐久性に劣るということもあった。
もっとも、芯金の前後間隔を広くするにも自ずと限度があるため、結果としては、芯金の前後間隔を適当な寸法にとどめておくことにより、前後で隣接する転輪通過面の相互間に、傾斜の高位側と低位側とである程度の高低差が生じることを止むなしとするものであった。
そのため、振動吸収性としても、満足したものが得られ難いということがあった。
【0008】
のみならず、上記従来の弾性クローラでは、その製造に関して次のような欠点もあった。
すなわち、左方及び右方の転輪通過面が一方向的な傾斜を有していることがネックとなり、鋳造時の成形型として、前後方向へ型分かれする分割型を採用することができないか、又は採用できたとしても型分かれ数を多くしたり、型分かれの方向として複数方向を混在させたり、各型に対して複雑な抜き勾配を具備させたりする必要が生じ、低生産性、高コスト等を招来していた。
【0009】
また、このような事情に伴い、ガイド突起まわりで軽量化のための形状を採用することが甚だ困難となり、ひいては、弾性クローラ全体としての重量化を招来し、無限軌道車としての走行性能や燃費性能にまで波及する重大な問題となっていた。
このようなことから、場合によっては芯金を鋳造以外の方法で製造した方がよいということにもなっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、転輪による転輪通過面の乗り移り振動を十分に吸収できるものとし、また芯金の軽量化に伴う走行性能や燃費性能等の向上、クローラ本体(弾性材)の耐久性向上、芯金としての製造の容易化及び低コスト化等々が図れるようにした弾性クローラ用芯金この芯金を用いた弾性クローラ及びこの弾性クローラ用芯金の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
即ち、本発明に係る弾性クローラ用芯金は連結部の左右両側に上方へ突出する一対のガイド突起が設けられていると共に、上記連結部から両ガイド突起を超えて左右両外方へ向けて翼部が延長形成されている弾性クローラ用芯金において、左右のガイド突起の頂面には、傾斜方向を前後で互いに逆向きにした転輪通過面が設けられており、これら左右の各転輪通過面には、左右の両ガイド突起を含めた前後方向全体距離の中心位置よりも傾斜の高位側となる方へ向けた中途位置に、高さの変曲部が設けられ変曲部から先方の端部側下り傾斜となる移載案内部が設けられており、前記変曲部を境として前後方向に型分かれ可能にした分割型を用いて鋳造することで左右の前記ガイド突起に対して各転輪通過面の前後下部に除肉部が形成されている。
【0011】
このように左右の転輪通過面に移載案内部を設けることで、前後方向で隣接する芯金相互間において、転輪が転輪通過面から転輪通過面へと乗り移るときの高低差を可及的に抑えられることになる。そのため、転輪には乗り移り振動が生じ難くなるとともに、運転者の体感振動を抑えて運転操縦性が向上するのみならず、走行機体各部の耐久性が向上するのである。
このことはまた、芯金の前後揺動範囲を小さく抑えられることから、クローラ本体に対して芯金を埋設するときの前後間隔を狭くできることにも繋がる。従って、このようにすることで転輪には、益々、乗り移り振動が生じ難くなる。
【0012】
また、左右の各転輪通過面を構成する左右のガイド突起の変曲部は前後方向への偏りを互いに逆配置とされていることによって、左右の各転輪通過面においての乗り移り振動を防止しつつ芯金前後方向中心位置での突上げも併せて阻止できるのである。
また、芯金は、このように、前記変曲部を境として前後方向に型分かれ可能にした分割型(横方向分割型)を用いて鋳造することにより、製造することができる。この場合、左右のガイド突起に対して、各転輪通過面の前後下部に除肉部を形成させることができるものであり、これにより芯金の軽量化及び材料使用量の抑制化を図ることがで、燃費を大幅に節減でき
【0013】
本発明に係る弾性クローラは、弾性材によってエンドレス帯状に形成されたクローラ本体内に、請求項1記載の弾性クローラ用芯金が各ガイド突起を内周側へ向けつつ且つ前後方向に互いに所定間隔をおいて複数埋設されており、上記クローラ本体の外周面側にラグが設けられている。
本発明に係る弾性クローラは、運転者の体感振動を抑制し、走行機体各部の耐久性を向上する等々の効果を奏する。
また本発明に係る弾性クローラ用芯金の製造方法は、上記した弾性クローラ用芯金を製造する方法であって前記変曲部を境として前後方向に型分かれ可能にした分割型を用いて鋳造することにより、前記変曲部の前後で逆向きに生じている各傾斜を脱型時の抜き勾配として利用し、且つ左右の前記ガイド突起に対して各転輪通過面の前後下部に前記除肉 部を形成させる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図3乃至図5は、本発明に係る弾性クローラ用芯金1の第1実施形態を示しており、図6乃至図9は、この芯金1を用いた弾性クローラ2を示している。
なお、以下では、便宜上、図3及び図6の各左方側を「前」、各右方側を「後」とおき、また各下側を「左」、各上側を「右」とおいて、芯金1及び弾性クローラ2の各部を説明することにする。従って、この弾性クローラ2に関して言えば、上記の前後方向はエンドレスの周方向に相当し、上記の左右方向は幅方向に相当することになる。
【0015】
これらの図によって明らかなように、弾性クローラ2は、ゴム又は樹脂等の弾性材によってエンドレス帯状に形成されたクローラ本体3内に、その左右方向へ向けて細長となった芯金1が前後方向で互いに所定間隔をおいて複数埋設され、且つ、クローラ本体3の外周面側には、ラグ4が設けられたものである。
また、クローラ本体3内には、芯金1よりも外周側となる位置に、スチールコード等を用いた抗張体5が周方向全長にわたって埋設されている。
なお、ラグ4の配置や形状等は何ら限定されるものではないが、本第1実施形態に関して言えば、2本の芯金1に対して1本のラグ4が配置されたものを示してある。
【0016】
芯金1は、クローラ本体3の左右方向中央部に対応させて連結部8を有し、この連結部8の左右両側に、クローラ本体3の内周側へ向けて突出する一対のガイド突起9が設けられていると共に、上記連結部8から両ガイド突起9を超えた左右両外方へ向けて翼部10が延長形成されたものである。
これら左右の両翼部10には、前方及び後方へ向けて突出する左右一対の横ズレ防止突起11が設けられている。後方側へ突出する横ズレ防止突起11の左右方向の相互間隔(内法寸法)は、前方側へ突出する左右の横ズレ防止突起11を外嵌可能な程度に広く形成されている。
【0017】
従って、クローラ本体3内では、前後方向で隣接する芯金1の相互間において、各横ズレ防止突起11が左右方向で互いに噛み合うようになり、その結果、芯金1が左右方向へガタツクのを防止できるようになっている。
また、連結部8と左右の横ズレ防止突起11とによって囲まれてできる前方及び後方へ向けたコ字状の凹部12は、前後方向で隣接する芯金1の相互間では角形の空間を形成することになるので、この空間が、クローラ本体3においては駆動輪等(図示略)との係合孔13として形成されることになる。
【0018】
左右のガイド突起9において、それらの各頂面は、クローラ本体3の内周面で前後方向に沿った列を成し、転輪(図示略)用の走行面(レール面)を形成するための転輪通過面14となっている。
これら各転輪通過面14には、前後方向の一方側へ頂点を偏らせた不等辺山形となるような傾斜が付されている。また、左右のガイド突起9において、この不等辺山形の傾斜は、頂点の前後方向への偏りを互いに逆配置としたものとなっている。
【0019】
すなわち、右方のガイド突起9(図4参照)に形成された転輪通過面14で説明すれば、不等辺山形における長辺側の傾斜面は、前方を低位側、後方を高位側とした勾配となっており、これが転輪通過面14の全体としての傾斜方向になっている。
そしてこのとき、不等辺山形の頂部は、転輪通過面14としての傾斜方向が変わる変曲部16となされており、この変曲部16を超えた傾斜面、即ち、不等辺山形における短辺側の傾斜面は、移載案内部15とされている。
【0020】
この変曲部16は、左右の両ガイド突起9を含めた前後方向全体距離L(図5参照)の中心位置P(芯金1としての前後方向中心位置)に対して、これよりも傾斜の高位側となる方の中途位置に位置付けられていることになる。なお、上記中心位置Pから変曲部16の方を見た方向で言うと、上り傾斜となっている転輪通過面14に対して、その先で上記移載案内部15が下り傾斜を有していることになる。
上記変曲部16の位置付けは、上記した前後方向全体距離Lに対する3/4の偏り位置と、上記した中心位置Pとの間で、適宜、決定するのが好適である。
【0021】
また、一つのガイド突起9について単独の言い方をすれば、転輪通過面14(移載案内部15を含む)の前後長さをN、移載案内部15の前後長さをMとしたときに、(N/4)<M<(N/2)の関係が得られるような位置に、変曲部16を位置付けるのが好適となる。
また、転輪通過面14の傾斜角度αは3°〜7°程度とするのが好適であり、移載案内部15の傾斜角度βは1°〜2°程度とするのが好適である。
一方、左方のガイド突起9(図5参照)に形成された転輪通過面14では、全体として前方を高位側、後方を低位側とした傾斜となっており、これに対して移載案内部15は逆向きの傾斜を有して形成されているものである。
【0022】
図1及び図2は、転輪通過面14及び移載案内部15において、それらの傾斜角度α及びβを分かり易くするために、やや急角度にして描いた芯金1の概略図である。これら図1及び図2から明らかなように、一つの芯金1における左右の転輪通過面14は、上記した中心位置Pにおいて最低位部18を形成させるべく、それぞれの傾斜が交差するようになっている。
いま、図1の右側に示した芯金1Aに対して、その最低位部18上に乗った転輪20が、その前方、即ち、図1の左側に示した芯金1Bへと乗り移るときについて説明する。
【0023】
転輪20は、上記中心位置Pから前進を始めることにより、芯金1Aにおける左方(即ち、図面手前)の転輪通過面14上を移動し、これによって芯金1Aは前倒れ状に揺動する。
そして、この転輪通過面14から変曲部16を超えて移載案内部15上へ転輪20が達したとき、この転輪20は、前方の芯金1Bにおける右方(即ち、図面奥方)の移載案内部15へと乗り移るようになるが、このときの移載案内部15同士の高さレベルは略同じとされ、転輪20には、殆ど乗り移り振動が生じない。
【0024】
その後、前方の芯金1Bは、転輪20が右方の移載案内部15上に乗り移った時点でやや後倒れ状に揺動するが、転輪20がこの移載案内部15から変曲部16を超えて転輪通過面14上を最低位部18へと移動することで、元の水平状態に戻る。また、転輪20がこのまま最低位部18を通過しても、芯金1に対し突き上げ方向の振動は生じない。
以後は、このような動作が繰り返されることになる。
なお、本第1実施形態において、左右のガイド突起9は、それぞれ移載案内部15の設けられた方の端部を、翼部10よりも前方及び後方へ突出させるように延長してある。
【0025】
従って、前後方向で隣接する芯金1相互間において、左方の転輪通過面14(移載案内部15を含めた全体)同士、及び右方の転輪通過面14(同)同士が、互いに接近した状態になっている。そのため、転輪20の乗り移り距離が可及的に短くなされ、その分、乗り移り振動の低減が一層、図られることとなっている。
また、本第1実施形態では、図4及び図5に示したように、左右のガイド突起9において、前後方向の両端部下部に、えぐられたような形状の除肉部22が設けられている。
【0026】
そのため、芯金1の軽量化が図られることになり、無限軌道車としての走行性能や燃費性能を向上させるうえで有益なものとなる。また、芯金1の材料使用量を削減できるため、低コスト化も可能になる。
更に、この除肉部22により、芯金1の表面積(クローラ本体3を形成する弾性材との接着面積)を大きくすることができ、また形状的にも弾性材との絡みを強力にできることになるので、クローラ本体3との剥離防止作用が高くなる。従って、弾性クローラ2としての耐久性を高めることができる。
【0027】
このような構成の芯金1を製造するには、図10に示すような分割型25を用いた鋳造によって行えばよい。
すなわち、この分割型25は、前方型26と後方型27とを有したものであり、これら両型26,27内で形成させる芯金1に対応した成形凹部28を、基本的にその前後方向で半割り状に型分かれ可能にしたものである。
但し、これら前方型26及び後方型27は、左右のガイド突起9を形成させる部分29に限っては、それぞれ変曲部16に対応する位置30を境として、型分かれがなされるように形成されている。
【0028】
そのため、芯金1において、変曲部16の前後で互いに逆向きとなっている転輪通過面14全体としての傾斜と、そのうちの移載案内部15としての傾斜とが、それぞれ脱型時の抜き勾配として有効に利用されることになり、換言すれば、このことが上記分割型25(前後方向で型分かれする成形型)を用いた鋳造を可能にしていることに繋がっているものである。
すなわち、高能率鋳造が可能であると共に、型自体の構造を簡潔化できるものである。
【0029】
また、このような分割型25を用いることで、左右のガイド突起9に対して、それぞれ、転輪通過面14の前後下部に、前記除肉部22を形成させることができるものとなっているのである。
この第1実施形態に関して、参考までに付記しておくと、図6に示すように、クローラ本体3の内周面側における芯金1の前後間には、左右方向に延びる凹部31が設けられており、この凹部31は、係合孔13と左右方向で一致する配置になされている。
【0030】
そのため、この弾性クローラ2は曲がり性に優れたものとなっており、駆動輪(図示略)等に対して巻き掛けがスムーズに行える利点を有している。
また、図7及び図8に示すように、クローラ本体3の外周面側には、ラグ4の前後間であって、且つ芯金1と干渉しない配置で、左右両端寄りに厚肉台部32が設けられている。
そのため、この弾性クローラ2では、上記の厚肉台部32によって抗張体5とクローラ本体3との剥離を防止できるものとなっており、この点で、耐久性が高められている。
【0031】
図11乃至図13は、本発明に係る弾性クローラ用芯金1の第2実施形態を示しており、図14及び図15は、この芯金1を用いた弾性クローラ2を示している。
この第2実施形態の芯金1は、連結部8に対して左右一対の脱輪防止突起35が設けられたものである。これら脱輪防止突起35は、左右のガイド突起9の相互間となるように位置付けられたもので、これらガイド突起9上に乗る転輪(図示略)に対して左右方向へのガタツキを抑制できるようになっている。
【0032】
この第2実施形態の芯金1も、図10に示したような分割型25と同様に、前後方向で型分かれする成形型(図示略)を用いた鋳造によって製造できるように考えられている。従って、上記した脱輪防止突起35の上面にも、僅かではあるが前後両側へ向けて、脱型勾配として利用可能な傾斜36(図12及び図13参照)を設けてある。
このように、芯金1において脱輪防止突起35が設けられている点の他は、ガイド突起9が低く形成されている点や、左右のガイド突起9が前後へのズレを有していない点等の細部形状等を除いて、前記した第1実施形態と略同じである。従って、ここでの詳説は省略する。
【0033】
なお、上記のような脱輪防止突起35は、芯金1として一体形成させることの他、クローラ本体3を形成する弾性材によって形成することも可能である。
図16は、本発明に係る弾性クローラ2として、クローラ本体3が芯金1(第1実施形態のものとした)を被覆する形体としての別実施形態を示した要部拡大側断面図である。
このように、製造時点(弾性クローラ2としての新品時)では、転輪通過面14の全体(変曲部16や移載案内部15を含む)を、クローラ本体3を形成する弾性材で被覆するようにしてもよい。
【0034】
このような構造であれば、この弾性クローラ2の製造直後から使用する直前まで、ガイド突起9の保護が図れ、特に転輪通過面14に対する防錆効果を得ることができる。
なお、この弾性クローラ2を使用開始すれば、転輪通過面14を被覆している弾性材は直ぐに磨耗して、この転輪通過面14が露呈するようになるので、何ら問題なく、転輪通過面14(及び移載案内部15)としての有効な作用効果を得ることができる。
【0035】
ところで、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る弾性クローラ用芯金では、左右のガイド突起の頂面に、傾斜方向を前後で互いに逆向きにした転輪通過面を設け、これら各転輪通過面の傾斜の高位側寄りに変曲部を介して移載案内部を設けているので、転輪が、前後方向で隣接する転輪通過面間を乗り移るときの高低差が可及的に抑えられ、その乗り移り振動が十分に吸収されるものとなっている。
このことは芯金の前後揺動範囲を小さくし、また芯金の前後間隔を狭くできることになるので、乗り移り振動の吸収を、更に確実にする。
【0037】
そのため、本発明に係る弾性クローラとして走行振動が小さく抑えられたものとなる。また、芯金の前後揺動範囲が小さくなることから、クローラ本体(弾性材)の耐久性向上が図れる。
左右のガイド突起に対して、その前後両端部に除肉部を形成させた場合、芯金の軽量化及び材料使用量の抑制化等の利点も得られる。
そのため、本発明に係る弾性クローラとして走行性能や燃費性能等の向上が図られる。
【0038】
本発明に係る弾性クローラ用芯金の製造方法では、上記芯金を前後方向に型分かれ可能な分割型で鋳造しているので、高効率、低コストの製造が可能になる。また、除肉部を形成できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2の状態から転輪の移動した状況を示す動作説明図である。
【図2】 本発明に係る弾性クローラ用芯金の第1実施形態を概略的に示した側面図である。
【図3】 本発明に係る弾性クローラ用芯金の第1実施形態を示す平面図である。
【図4】 図3のA−A線断面図である。
【図5】 図3のB−B線矢視図である。
【図6】 本発明に係る弾性クローラ用芯金の第1実施形態を用いて構成した弾性クローラをその内周面側から示す部分平面図である。
【図7】 図6の弾性クローラをその外周面側から示す部分平面図である。
【図8】 図7のC−C線断面図である。
【図9】 図7のD−D線断面図である。
【図10】 第1実施形態の芯金を製造するときに使用可能な分割型を仮想的に示す要部平面図である。
【図11】 本発明に係る弾性クローラ用芯金の第2実施形態を示す平面図である。
【図12】 図11のE−E線断面図である。
【図13】 図11のF−F線矢視図である。
【図14】 本発明に係る弾性クローラ用芯金の第1実施形態を用いて構成した弾性クローラをその内周面側から示す部分平面図である。
【図15】 図14のG−G線断面図である。
【図16】 本発明に係る弾性クローラにおいてクローラ本体が芯金を被覆する形体としての別実施形態を示した要部拡大側断面図である。
【符号の説明】
1 弾性クローラ用芯金
2 弾性クローラ
3 クローラ本体
4 ラグ
8 連結部
9 ガイド突起
10 翼部
14 転輪通過面
15 移載案内部
16 変曲部
22 除肉部
25 分割型
P 中心位置
L 前後方向全体距離

Claims (3)

  1. 連結部(8)の左右両側に上方へ突出する一対のガイド突起(9)が設けられていると共に、上記連結部(8)から両ガイド突起(9)を超えて左右両外方へ向けて翼部(10)が延長形成されている弾性クローラ用芯金において、
    左右のガイド突起(9)の頂面には、傾斜方向を前後で互いに逆向きにした転輪通過面(14)が設けられており、
    これら左右の各転輪通過面(14)には、
    左右の両ガイド突起(9)を含めた前後方向全体距離(L)の中心位置(P)よりも傾斜の高位側となる方へ向けた中途位置に、高さの変曲部(16)が設けられ、該変曲部(16)から先方の端部側に下り傾斜となる移載案内部(15)が設けられており、
    前記変曲部(16)を境として前後方向に型分かれ可能にした分割型(25)を用いて鋳造することで左右の前記ガイド突起(9)に対して各転輪通過面(14)の前後下部に除肉部(22)が形成されている
    ことを特徴とする弾性クローラ用芯金。
  2. 弾性材によってエンドレス帯状に形成されたクローラ本体(3)内に、請求項1記載の弾性クローラ用芯金(1)が各ガイド突起(9)を内周側へ向けつつ且つ前後方向に互いに所定間隔をおいて複数埋設されており、
    上記クローラ本体(3)の外周面側にラグ(4)が設けられている
    ことを特徴とする弾性クローラ。
  3. 請求項1に記載の弾性クローラ用芯金(1)を製造する方法であって、
    前記変曲部(16)を境として前後方向に型分かれ可能にした分割型(25)を用いて鋳造することにより、
    前記変曲部(16)の前後で逆向きに生じている各傾斜を脱型時の抜き勾配として利用し、且つ左右の前記ガイド突起(9)に対して各転輪通過面(14)の前後下部に前記除肉部(22)を形成させる
    ことを特徴とする弾性クローラ用芯金の製造方法
JP24572398A 1998-08-31 1998-08-31 弾性クローラ用芯金、この芯金を用いた弾性クローラ及びこの弾性クローラ用芯金の製造方法 Expired - Fee Related JP4160170B2 (ja)

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