JP2000063548A - プラスティック支持体の表面処理方法、磁気記録媒体及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

プラスティック支持体の表面処理方法、磁気記録媒体及びハロゲン化銀写真感光材料

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JP2000063548A
JP2000063548A JP10238655A JP23865598A JP2000063548A JP 2000063548 A JP2000063548 A JP 2000063548A JP 10238655 A JP10238655 A JP 10238655A JP 23865598 A JP23865598 A JP 23865598A JP 2000063548 A JP2000063548 A JP 2000063548A
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gas
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Akira Kawakami
晃 川上
Kazuyoshi Kudo
一良 工藤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】プラスティック支持体の表面を活性化して、下
引層がなくともハロゲン化銀写真感光材料や磁気記録材
料等の構成層を容易に接着し得る表面処理方法、大気圧
又はその近傍下でプラスティック支持体を表面処理し易
い方法、コストが易く、安定に、しかも環境に優しい放
電処理によりプラスティック支持体の表面を活性化する
表面処理方法及び、表面処理された表面がブロッキング
なしに巻き取れる表面処理方法を提供する。 【解決手段】 回転するロール電極と同期し、かつ該ロ
ール電極に密着して連続的に移送するプラスティック支
持体を、該ロール電極と任意の距離に位置する対電極と
の間隙で、500〜800Torrの気圧下でガス中放
電プラズマ処理する際、導入する不活性ガスの50圧力
%以上をアルゴンガスとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料、磁気記録媒体又は画像表示装置材料等の支持体
として有用なプラスティック支持体の表面処理方法に関
し、更に詳しくは、大気圧又はその近傍でのガス中放電
プラズマ処理によるプラスティック支持体の表面処理方
法に関し、処理されたプラスティック支持体を用いたハ
ロゲン化銀写真感光材料及び磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】疎水的なプラスティック支持体、例えば
ポリエステル支持体にハロゲン化銀写真感光材料の構成
層や磁気記録媒体の構成層を接着させることは非常に難
しく、特にゼラチン等の親水性バインダー層を接着させ
るのは困難である。磁気記録媒体においては、支持体表
面を何度も磁気ヘッドで擦られるが、これに耐えるだけ
の接着性が要求される。また、ハロゲン化銀写真感光材
料は、乾燥状態においては勿論のこと、現像処理浴の酸
性液やアルカリ性液に浸漬され、処理液中や処理後にお
いても接着性が良好に維持されることが要求される。更
に、最近、APSと呼ばれる磁気記録層を有するハロゲ
ン化銀写真感光材料が提案された。それは、ハロゲン化
銀写真感光材料に関する情報、例えば感光材料の種類、
製造番号、メーカー名、乳剤No.等に関する各種情
報、又、撮影日時、絞り、露出時間、照明条件、使用フ
ィルター、天候、撮影サイズ、撮影機種、アナモルフィ
ックレンズの使用等のカメラ撮影時の各種情報、更に、
プリント枚数、フィルターの選択、顧客の色の好み、ト
リミング枠の大きさ等のプリント作成時に必要な各種情
報、並びに、プリント枚数、フィルターの選択、顧客の
色の好み、トリミング枠の大きさ等のプリント時に得ら
れた各種の情報、その他顧客情報等を磁気記録層に入力
して、プリント管理の簡便化、プリント品質の向上、更
にプリント作業の効率化等が計られるようになった。こ
のハロゲン化銀写真感光材料に使用される磁気記録層
は、プリントをするために透明性が要求され、またハロ
ゲン化銀写真感光材料としての現像処理にも耐えるもの
でなければならず、これらの要求を満たすプラスティッ
ク支持体の接着性向上の加工或いは処理が求められてい
た。プラスティック支持体が、ポリエステル支持体、特
にポリエチレンナフタレート支持体においては、上記要
求を満たす接着性を得ることはきわめて難しい。
【0003】従来、プラスティック支持体にハロゲン化
銀写真感光材料や磁気記録媒体の構成層を接着させる技
術として、プラスティック支持体表面に、支持体を膨潤
させる溶媒を含む下引液を塗布して下引層を設けたり、
また下引の前後でコロナ放電、真空グロー放電、紫外線
照射、電子線照射等の処理を施して接着性を向上させる
技術等が知られていた。しかしながら、プラスティック
支持体に下引層を塗設する設備はかなり大きなものにな
り、ハロゲン化銀写真感光材料や磁気記録媒体にとって
コスト的に負担になる場合が多い。
【0004】こうした背景から、下引層なしの表面処理
技術が検討されている。
【0005】例えば、最もよく知られている方法として
コロナ放電処理があり、特公昭48−5043号、同4
7−51905号、特開昭47−28067号、同49
−83769号、同51−41770号、同51−13
1576号等公報にその技術が開示されている。コロナ
放電処理は大気圧下オープンな状態で、プラスティック
支持体を搬送させながら処理出来、小さく簡単な設備で
行えることから極一般的な処理方法として使用されてい
る。しかしながら、このコロナ放電処理はハロゲン化銀
写真感光材料や磁気記録材料の構成層を直接プラスティ
ック支持体に接着させる程の能力はなく、下引層の助け
が必要となる。更に下引層を必要としない表面処理方法
として真空グロー放電処理方法が知られている。例え
ば、特開昭53−13672号、特開平7−22376
1号公報、米国特許第4,993,267号、同3,8
37,886号、同4,451,497号等明細書に開
示されている。しかしながら、真空グロー放電は、処理
部を真空に維持しなければならないという設備上、ま
た、取り扱い上大きな欠点がある。真空を維持しながら
処理する方法としては、処理する支持体や装置全体を真
空チャンバー内に入れるバッチ処理と真空処理室に外部
から支持体を連続供給するインライン処理とがある。バ
ッチ処理は、連続して長尺処理することが困難で、1回
の処理毎に真空を解除しなければならない等の問題があ
り、生産性の観点から工業的に不向きである。インライ
ン処理する方法としては、例えば特開平7−22376
1号公報に記載されているが、真空を維持するのが困難
なことでそれを解決するためには装置が非常に高価で複
雑なものとなる。また、何本ものロールが支持体処理面
に接触するため、処理効果が劣化したり、傷が出来たり
する。
【0006】これに対して、大気圧又はその近傍の圧力
下でプラスティック支持体或いはシート状物をグロー放
電処理する技術が、特公平4−74372号、特開平8
−188659号、同9−208726号、同9−25
8376号等公報に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この大気圧又はその近
傍下での処理は、真空下での処理よりも設備的、作業
性、生産性等の観点から好ましい方法ではあるが、前記
公報の方法では、電極間に供給するヘリウムガスが非常
に高価であり工業的に採算の取れる方法とはいえず、更
に使用したガスが電極間に残存し、安定した処理が行え
ず、電極の汚れや、異物の付着など長時間安定生産する
には難しいという欠点がある。また系外に漏れるガスが
大気を汚染したり、環境に与える影響も心配される。ま
たこの方法では、処理を安定させるために電極間の間隙
を狭めると、アーク放電が起こりやすく、支持体や電極
に、傷や穴などの欠陥を与えてしまう虞もある。また処
理された支持体が巻取られる際、表面が若干でも活性化
されクッツキ易くなり、ブロッキングが起こり易くなる
という、処理後の支持体が取り扱いにくいという欠点が
ある。
【0008】本発明の第1の目的は、プラスティック支
持体の表面を活性化して、下引層がなくともハロゲン化
銀写真感光材料や磁気記録材料等の構成層を容易に接着
し得る表面処理方法を提供することであり、第2の目的
は、大気圧又はその近傍下でプラスティック支持体を表
面処理し易い新規の方法を提供することにある。第3の
目的は、コストが易く、安定に、しかも環境に優しい放
電処理によりプラスティック支持体の表面を活性化する
表面処理方法を提供することである。また第4の目的は
表面処理された表面がブロッキングなしに巻き取れる表
面処理方法を提供することにある。更に、第5の目的は
優れた帯電防止性を有する処理されたプラスティック支
持体を提供することにある。より更に第6の目的は、そ
の処理された支持体を使用した磁気記録層とハロゲン化
銀乳剤層を有する磁気記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
に鑑み、プラスティック支持体の表面処理方法を鋭意検
討した結果、大気圧又はその近傍下でプラスティック支
持体の表面活性化が優れた処理法方法を見出し、また、
そのプラスティック支持体を用いて優れた帯電防止性能
を有する磁気記録材料、ハロゲン化銀写真感光材料、及
び磁気記録層とハロゲン化銀乳剤層を有する磁気記録媒
体を作製することに成功した。
【0010】本発明は下記の構成により達成された。
【0011】(1)回転するロール電極と同期し、かつ
該ロール電極に密着して連続的に移送するプラスティッ
ク支持体を、該ロール電極と任意の距離に位置する対電
極との間隙で、500〜800Torrの気圧下でガス
中放電プラズマ処理する際、導入する不活性ガスの50
圧力%以上をアルゴンガスとすることを特徴とするプラ
スティック支持体の表面処理方法。
【0012】(2)処理する支持体表面を陽極側に位置
し、交流の周波数を1〜100kHz、かつ電極間にか
ける直流バイアス電圧を5V〜5kVとして、交流電圧
に直流電圧を重畳印加して処理することを特徴とする
(1)に記載のプラスティック支持体の表面処理方法。
【0013】(3)導入するガスが、該ガスの温度及び
圧力における飽和水蒸気圧の20〜90%の水蒸気を含
有することを特徴とする(1)又は(2)に記載のプラ
スティック支持体の表面処理方法。
【0014】(4)プラスティックがポリエステルであ
ることを特徴とする(1)乃至(3)の何れか1項に記
載のプラスティック支持体の表面処理方法。
【0015】(5)ポリエステル支持体がアニール処理
されていることを特徴とする(4)に記載のプラスティ
ック支持体の表面処理方法。
【0016】(6)ポリエステル支持体がポリエチレン
−2,6−ナフタレート支持体であることを特徴とする
(4)又は(5)に記載のプラスティック支持体の表面
処理方法。
【0017】(7)処理後、巻き取るまでの間に、導電
性帯電防止剤を含有する帯電防止層を塗設することを特
徴とする(1)乃至(6)の何れか1項に記載のプラス
ティック支持体の表面処理方法。
【0018】(8)帯電防止層中の導電性帯電防止剤と
バインダーとの重量比が1:0〜1:8であることを特
徴とする(7)に記載のプラスティック支持体の表面処
理方法。
【0019】(9)導電性帯電防止剤がSn、Sb、I
n、或いはZn成分を含有することを特徴とする(7)
又は(8)に記載のプラスティック支持体の表面処理方
法。
【0020】(10)導電性帯電防止剤がSn、Sb、
In、或いはZn成分を含有する金属酸化物微粒子又は
結晶性金属酸化物であることを特徴とする(9)に記載
のプラスティック支持体の表面処理方法。
【0021】(11)(1)乃至(10)の何れか1項
に記載のプラスティック支持体の片面に磁気記録層を有
することを特徴とする磁気記録媒体。
【0022】(12)(1)乃至(11)の何れか1項
に記載のプラスティック支持体に少なくとも1層のハロ
ゲン化銀乳剤層を有することを特徴とするハロゲン化銀
写真感光材料。
【0023】(13)処理されたプラスティック支持体
が片面に磁気記録層を有し、その反対側の面に少なくと
も1層のハロゲン化銀乳剤層を有することを特徴とする
磁気記録媒体。
【0024】以下、本発明を詳述する。
【0025】本発明の一つは、搬送しているプラスティ
ック支持体の少なくとも一面に、500〜800Tor
rの大気圧及びその近傍下でガス中放電によるプラズマ
処理を施したプラスティック支持体である。
【0026】先ず、本発明の大気圧及びその近傍の圧力
下でのガス中放電プラズマ処理について図1を用いて説
明するが、図1に限定するものではなく、特願平10−
94468号に記載の装置を参考にすることが出来る。
その1例として図1に示した装置を用いて、大気圧又は
その近傍下の500〜800Torrの気圧下で、ガス
中放電プラズマ処理する際の導入する不活性ガスの50
圧力%以上をアルゴンとして、かつ50W・min/m
2以上500W・min/m2未満で、一対の電極間を搬
送されているプラスティック支持体に対して放電させる
が、その放電が恰も真空下で起こるグロー放電に似た放
電が起こりプラズマが発生し、プラズマによりプラステ
ィック支持体の表面を処理活性化する。図1を説明す
る。図1はガス中放電プラズマ処理装置の概略断面図
で、回転する第1電極3の円周と対向している複数個の
円筒状の第2電極2とガス導入口5を有している。搬送
されているプラスティック支持体1がガイドロール6に
導かれ、回転する第1電極3の円周に密着して同期して
回転移動し、その第1電極3に対向するように間隙が1
0mm以下の距離に位置する複数の円筒状の第2電極2
との間に、処理ガス4がガス導入口5から導入され、ガ
ス中放電プラズマ処理が行われる。図1にはこのガス中
放電プラズマ処理装置が二つあるが、2番目の処理装置
はプラスティック支持体の反対面を処理するもので、こ
のようにして両面処理されるようになっている。複数の
第2電極2の外側には、図示してない供給手段から供給
される処理ガス4を、噴出させるためのガス導入口5が
設けられている。このガス導入口5から噴出された処理
ガス4が、第1電極3と複数の第2電極2との間の間隙
を満たされる。そして、第1電極3は、複数の第2電極
2との間に電源周波数1〜100kHz(好ましくは1
〜10kHz)を印加することにより、第1電極3の回
転とともに連続搬送されているプラスティック支持体1
の複数の第2電極2に対向する面に対して放電が施され
る。この際、対向する電極間の一定間隙の中を安定して
一定速度でプラスティック支持体を搬送させること、一
定の組成の圧力の処理ガス(混合ガス)を安定に供給す
ること、アーク放電の発生を抑制し、真空グロー放電に
似た安定した放電をさせること、プラスティック支持体
が第1電極に密着していること等によって良質のプラズ
マを発生させ、プラスティック支持体の面が処理される
活性化されたプラスティック表面を得ることが出来る。
また処理に使用したガスはそのまま放出させずに回収し
て再利用することも行うことにより(図示されていな
い)、環境問題またコストの面からも好ましい。
【0027】本発明のガス中放電プラズマ処理の放電強
度は、アーク放電も起こらず安定した効果的な処理を行
うには、50W・min/m2以上500W・min/
2未満が好ましい。この範囲でガス中放電プラズマ処
理を行うことにより、処理の均一性、ダメージなく仕上
げることが出来、しかも優れた接着性を得ることが出
来、例えば、500W・min/m2以上では、処理強
度が強すぎて、フィルムにピンホールが発生したりして
ダメージを受け易い。特公平4−74372号公報の記
載によれば500W・min/m2以上でなければ接着
性がよくならないということであるが、本発明において
は500W・min/m2以上だとピンホールが多発
し、使用に耐えないものが出来、該公報と本発明とは全
く違う技術なのかも知れない。
【0028】本発明の二つ目は、処理する際の交流の周
波数を1〜100kHz、かつ電極間にかける直流バイ
アス電圧を5V〜5kVとして、交流に直流電圧を重畳
印加して処理する方法である。プラスティック支持体の
プラズマ処理される面は電極の陽極に対位して処理され
るが、この場合第2電極2が陽極となり、1〜100k
Hzの周波数で、5V〜5kVの直流バイアス電圧を第
1電極3との間にかけ、同時に交流電圧を両電極間に直
流と重畳して印加する。
【0029】特開平9−208726号公報には大気圧
近傍の圧力下で一対の電極間に直流が重畳された交流電
界を印加することで放電プラズマを発生させ、処理ガス
と不活性ガスの混合気体中で、板状、フィルム状の形状
のプラスティック基材を処理することが記載されてい
る。処理ガスとしてはフッ素化合物を用い、プラスティ
ック基材の表面を疎水性化するものである。また、ピー
ク−ピークのある電圧の交流にある電圧の直流を重畳す
る場合、電圧波形が+と−の交流波形となる。
【0030】これに対して本発明は、第1電極3と第2
電極2との間には5V〜5kVの直流電圧を印加して第
1電極3が負極となるようにし、そこに交流を重畳する
方法で、電圧波形が+側だけで、−側には波形は現れ
ず、処理強度が安定し、効率よくプラズマを発生するこ
とが出来、優れた方法である。
【0031】本発明において、直流電圧は電流が時間的
に変化しない成分が好ましく、100kHz以下の低周
波成分で振幅が全体で10%以下となるような若干+或
いは−に振れる交流成分を含んでもよい。交流の周波数
は1〜100kHzが好ましく、1〜10kHzがより
好ましい。何れにしろ交流を重畳した場合、若干の振れ
があってもバイアス電圧として機能するように振幅の小
さいか、或いはほとんどない電圧波形のものが好まし
い。直流を逆に掛ける逆電圧はプラズマによる効果がな
くなり、また支持体の裏側が負極となるため、処理のさ
れ方は複雑となり、支持体表面の処理がうまく行かない
らしい。本発明としてはこの直流逆電圧については効果
なしとして除外するものとする。
【0032】本発明に使用するガス中放電プラズマ処理
装置の電極の材質は、ステンレス、アルミニウム、銅等
の金属と誘電体(例えばセラミックなど)とから形成さ
れている。誘電体の厚みは、好ましくは0.5〜3mm
であるが、その材質又は厚さは導入されるガスの組成、
間隙、電源条件などによっても適点が異なる。電極の形
は平板状でも、円筒状、棒状であってもよい。電極間の
間隙は10mm以下が好ましい。
【0033】また、本発明において、陰極側となるロー
ル電極の表面形状は重要で、支持体と密着することが好
ましい。支持体と陰極のロール電極と密着が悪く、間隙
が出来ると、この部分にもガスが進入し、支持体の裏面
にも表面処理が及び、巻取後のブロッキングなどの悪影
響が生じる。また支持体と陰極のロール電極と密着良好
な部分と密着性の悪い部分がまだらに存在すると、本
来、処理を施すべき表面の処理状態が微妙に異なり、下
流工程で、塗布層を形成する際にハジキやまだらムラな
どの支持体の表面の濡れ性に起因する塗布のトラブルが
生じる。従って、陰極となるロール電極の支持体接触部
分は0.1mm以上の突起又はへこみが存在しない表面
形状がよい。更に好ましくは中心線粗さ(Ra)で0.
7μm以下がよい。
【0034】第2電極2の本数は、第1電極3の直径、
第2電極2の直径、そこにかける電圧、出力やガス濃度
などによって変化するが、放電する際の第2電極同士の
干渉などが起こらないようにして、最大限に効果を発揮
出来るように本数を決めればよい。
【0035】本発明のガス中放電プラズマ処理する対電
極間隙に導入する不活性ガスは50圧力%以上あること
が好ましく、処理を効率的に行い、かつ均一で安定して
行うには60圧力%以上、更には65圧力%が好まし
い。本発明においては、特開平8−188659号公報
に記載されている大気圧近傍でのグロー放電を行う際使
用するヘリウムガスと異なり、アルゴンガスを使用する
ことが特徴的である。アルゴンガスはヘリウムのように
高価でなく、また回収が容易でリサイクルも出来、コス
ト的に有利であるばかりでなく、ヘリウムより原子量が
大きく、一原子気体としての大きさも大きく、処理の
際、プラスティック支持体の表面にアルゴンが叩きつけ
られた時エッチングが起こり表面に凹凸を生じ、ヘリウ
ムでは見られない処理として有効な効果がある。また不
活性希ガスにはこの他ネオン、クリプトン、キセノン等
があるが、原子の大きさが表面に叩きつけられた際のエ
ッチング効果に過不足を生じ、アルゴンによる表面処理
能力には及ばないばかりか、プラズマを発生させるため
には、高出力、高周波数が必要になり表面処理が強すぎ
プラスティック支持体にダメージを与えてしまう。また
コスト的にもアルゴンが最も好ましい。本発明において
は、他の不活性ガスのヘリウム、ネオン、クリプトン、
キセノン等の希ガスを、他の不活性ガスを50圧力%未
満含有させることが出来る。また、必要に応じて、他の
ガス(活性ガス)として、酸素ガス、窒素ガス、二酸化
炭素ガス、空気、アンモニアガス、ケトンを含むガス、
炭化水素を含むガス、水蒸気を混合して処理を行っても
よい。これらのガスは2種以上用いてもよい。これらガ
スのうち、窒素ガス、水素ガス、二酸化炭素ガス、水蒸
気が特に好ましい。これらを目的に応じてアルゴンガス
を50圧力%以上含有する不活性ガスと混合して処理す
ることにより、プラスティック支持体表面に発現する活
性基をコントロールすることが出来る。
【0036】第2の発明の水蒸気について述べる。水蒸
気は、水が常温で液体であるため、導入するガス中に多
量には導入出来ないが、導入ガスの導入経路内で液体状
の水と接触させることにより含有させることが出来る。
また、接触面積を変えることによって、水蒸気の添加量
を制御することが出来る。導入ガスの温度及び圧力によ
り、水の飽和蒸気圧は異なるが、その飽和蒸気圧に対
し、20〜90%の蒸気圧であることが好ましい。即
ち、相対湿度(Relative Humidity、
RHと略す)が20〜90%RHであることが好まし
い。ガス中放電プラズマ処理を実施する際、放電部へ導
入する部分に取り付けられた試験管からガスの一部を4
極子型質量分析器に導き、導入ガスの水蒸気を定量的に
監視しながら、また組成を定量しながら、水蒸気の接触
面積をフィードバックさせて調整する。水蒸気を使用す
ることによる効果は、水蒸気を飽和水蒸気圧の20〜9
0%とすることにより、他のガスでの処理では、ブロッ
キングし易いのに対して、ブロッキング性が改善するこ
とが特徴的である。
【0037】本発明の大気圧下ガス中放電プラズマ処理
は特願平10−94468号及び同10−97426号
に記載されている方法、装置によって行うことが出来る
が、これらに限定されるものではない。
【0038】本発明の表面処理の際のプラズマの発生
は、Optical Emission Spectr
oscopy法(略してOES)、或いはPhotoe
lectoron Spectroscopy法(光電
子分光法)(略してPES)の測定により知ることが出
来る。
【0039】本発明のガス中放電プラズマ処理によりプ
ラスティック支持体表面に発現する活性基については光
電子分光法(ESCA)により知ることが出来る。例え
ばVG社製ESCALAB−200Rが使用できる。
【0040】なお、上記の真空グロー放電処理のように
密閉系で行う場合には、処理がバッチ式となり、一定の
長さのプラスティック支持体の処理しか出来ず、その都
度処理容器を大気圧に解放し、非効率的であるばかりで
なく、導入したガスの濃度組成が変化し、均一性が保持
出来ないという欠点がある。
【0041】本発明に使用するプラスティック支持体と
しては、ハロゲン化銀写真感光材料や磁気記録材料に用
いられるものならば制限なく使用し得る。例えば、ポリ
エチレンテレフタレート(以降PETと略す)、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレート(以降PENと略す)、
PETとPENの混合ポリエステル、変性ポリエステル
等のポリエステル系フィルム、セルローストリアセテー
ト(以降TACと略す)のようなセルロースエステル系
フィルムなどを挙げることが出来る。更には、ピロメリ
ット酸或いはその無水物とジアミンの反応などで得られ
るポリイミドフィルムやポリカーボネートフィルム、ポ
リスチレンフィルム、ポリオレフィンフィルムを使用す
ることが出来る。これらのうちポリエステルを主成分と
するポリエステルフィルムが好ましい。
【0042】本発明に有用なポリエステル支持体を構成
するポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲で
あれば、制限なく使用出来る。
【0043】本発明に有用なポリエステル支持体は、構
成成分としてのジカルボン酸とジオールとのエステル化
及び重縮合により得られたポリエステルを溶融してシー
ト状に押し出し、2軸延伸製膜法により得られるもので
ある。ポリエステル支持体の製造方法は公知の方法で行
うことが出来る。例えば、特公昭57−28336号、
特開平1−244446号又は同4−220329号公
報に記載されている製膜方法を参考にして製造すること
が出来る。機械的強度、寸法安定性などを満足させるた
めに面積比で4〜16倍の範囲で延伸を行うことが好ま
しい。
【0044】更に、2軸延伸フィルムの透明性、機械的
強度、寸法安定性などの点から、ポリエステルの構成成
分のジカルボン酸及びジオールは、ジカルボン酸として
はテレフタル酸或いは2,6−ナフタレンジカルボン酸
が、またジオールとしては、エチレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等のア
ルキレングリコール或いは1,4−シクロヘキサンジメ
タノールが好ましい。これらジカルボン酸とジオールを
適宜組み合わせてエステル化し、続いて重縮合したポリ
エステルが好ましい。中でも、PET又はPENが好ま
しく、テレフタル酸及び2,6−ナフタレンジカルボン
酸の混ジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重
合物のポリ(テレフタレート−コ−2,6−ナフタレー
ト)、PETとPENの分子量の異なるものの混合物を
溶融時エステル交換されたもの、テレフタル酸とエチレ
ングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール
の混ジオールからなる共重合物のポリ(エチレンテレフ
タレート−コ−1,4−ジメチルシクロヘキシルテレフ
タレート)、2,6−ナフタレートとエチレングリコー
ル及び1,4−シクロヘキサンジメタノールの混ジオー
ルからなる共重合物のポリ(エチレン−2,6−ナフタ
レート−コ−1,4−ジメチレンシクロヘキサン−2,
6−ナフタレート)、また、テレフタル酸及び2,6−
ナフタレンジカルボン酸の混ジカルボン酸とエチレング
リコール及びシクロヘキサンジメタノールのジオールと
の混合ポリエステルが好ましい。これらのうち、全ポリ
エステルに対してエチレンテレフタレートユニット及び
/又はエチレン−2,6−ナフタレートユニットが70
重量%以上含有されていると、透明性、機械的強度、寸
法安定性等に優れたポリエステル支持体が得られ好まし
い。
【0045】また、特に、現像処理後の巻癖回復性の点
で特開平1−244446号、同1−291248号、
同1−298350号、同2−89045号、同2−9
3641号、同2−181749号、同2−21485
2号及び特開平2−291135号等に示されるよう
な、含水率の高いポリエステルを用いることも好まし
い。これらのポリエステルは、極性基、その他の置換基
を有していてもよい。特開平6−240020号公報に
記載されているような積層構成を有するポリエステルで
あってもよい。この場合、ポリエステルとしての共重合
成分として、ジスルホフタル酸ナトリウム、ポリエチレ
ングリコール等共重合成分として組み込むことによって
親水性のポリエステルとなり、この親水性ポリエステル
を外側に、そして芯としてポリエチレンテレフタレート
やポリエチレンナフタレートのような剛性のある材料を
用いることによって親水性を有するポリエステル支持体
を作ることが出来、本発明においても好ましく用いられ
る。
【0046】本発明に有用なポリエステル支持体のガラ
ス転移点(Tg)は、50〜230℃が好ましく、支持
体の熱安定性、寸法安定性、剛性等の性質から特にTg
が70〜180℃のものが実用上特に好ましい。Tgは
示差走査熱量計で測定される。
【0047】本発明に使用されるポリエステル支持体の
膜厚は特に限定がある訳ではないが、用途に応じて厚さ
は異なり、好ましくは20〜200μmであり、特にハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料用には60〜125μm
の厚さが好ましい。
【0048】本発明に有用なポリエステル支持体のヘイ
ズは3%以下が好ましく、更に好ましくは1%以下であ
る。上記ポリエステル支持体用いたハロゲン化銀写真感
光材料から写真用印画紙に焼付けた場合鮮明な画像が得
られる。ヘイズはASTM−D1003−52によって
測定される。
【0049】プラスティック支持体には、染料、マット
剤、帯電防止剤、滑り剤、界面活性剤、安定剤、分散
剤、可塑剤、紫外線吸収剤、導電性物質、粘着性付与
剤、軟化剤、流動性付与剤、増粘剤、酸化防止剤等を添
加することが出来る。
【0050】本発明に使用するポリエステル支持体に
は、ライトパイピング現象を防止する目的で、染料を含
有させることが好ましい。このような目的で配合される
染料としては、その種類に特に限定があるわけではない
が、ポリエステル支持体製造時の熱溶融に対し、耐熱性
が優れていることが必要であり、アンスラキノン系やペ
リノン系の染料が好ましく用いられる。また、色調とし
ては、一般のハロゲン化銀写真感光材料ではグレー染色
が、またX線用ハロゲン化銀写真感光材料ではブルー系
の色調が好ましい。
【0051】本発明の磁気記録材料は、本発明のガス中
放電プラズマ処理を施したプラスティック支持体、特に
ポリエステル支持体、中でも前記ジカルボン酸成分とし
てテレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸とジオール成分としてエチレングリコール及び/又
は1,4−ジメタノールシクロヘキサンからなるポリエ
ステル支持体に磁気記録層が塗設されたものである。
【0052】本発明に有用な磁気記録層に用いられる磁
性体粉末としては、酸化鉄磁性体粉末、Coドープの酸
化鉄磁性体粉末、二酸化クロム磁性体粉末、金属磁性体
粉末、合金磁性体粉末、バリウムフェライト磁性体粉末
等を挙げることが出来、これらは透明性に優れた磁気記
録層を形成することが出来る。透明な磁気記録層はハロ
ゲン化銀乳剤層を有する磁気記録材料に有用で、写真撮
影後プリントする際の画像の鮮鋭性やプリント時間の短
縮に必要なことである。特にハロゲン化銀カラー写真感
光層の画像形成領域に磁気記録層(反対面に)を設ける
場合、赤色領域だけでなく、緑色領域や青色領域の光透
過率も高くなければならない。赤色領域、緑色領域及び
青色領域の光透過率を高くするためには、磁性体粒子の
粒径を小さくすると共に、磁性体粒子の塗設量も制限さ
れなければならない。光学的に透明な磁気記録層を形成
するには、実用的には、磁性体粉末の塗設量は0.00
1〜3g/m2であり、より好ましくは0.01〜1g
/m2であり、バインダーを磁性体粉末1重量部に対し
て1〜200重量部用いるのが好ましく、より好ましく
は磁性体粉末1重量部に対して2〜50重量部であるこ
とも必要条件である。磁気記録層の厚みは、0.1〜1
0μmが好ましく、より好ましくは0.2〜5μm、更
に好ましくは0.5〜3μmである。
【0053】また、磁性を有する金属薄膜、酸化物の薄
膜を真空槽中で、ガス中放電プラズマ処理されたプラス
ティック支持体に直接蒸着する方法により磁気記録層と
してもよい。蒸着量は用途により種々変更できる。
【0054】磁気記録層の磁性体粉末の粒子は、ある程
度以上に粒径を小さくすると必要な磁気特性が得られな
くなる。従って、磁性体粉末の粒径は必要な磁気特性が
得られる範囲で小さくすることが好ましい。また、磁性
体粒子の塗設量も、ある程度以上に少なくすると必要な
磁気特性が得られなくなるので、必要な磁気特性が得ら
れる範囲で少なくすることが好ましい。これらの磁性体
粉末の製法は既知であり、本発明で用いられる磁性体粉
末についても公知の方法に従って製造することができ
る。磁性体粉末の形状・サイズは特に制限はなく、広く
用いることができる。形状としては針状,米粒状,球
状,立方体状,板状など何れの形状を有するものであっ
てもよいが、針状,板状であることが電磁変換特性上好
ましい。結晶子サイズ,比表面積ともに特に制限はな
い。磁性体粉末は表面処理されたものであってもよい。
例えば、チタン,珪素,アルミニウムなどの元素を含む
物質で表面処理されたものでもよいし、カルボン酸,ス
ルホン酸,硫酸エステル,ホスホン酸,燐酸エステル,
ベンゾトリアゾールなどの含チッ素複素環をもつ吸着性
化合物のような有機化合物で処理されていてもよい。磁
性体粉末のpHも特に制限はないが、5〜10の範囲に
あることが好ましい。磁性体粒子のサイズについては、
そのサイズと透明性との間に相関があることが「テレビ
ジョン」第20巻、第2号「超微粒子半透明磁気記録媒
体の特性とその応用」に記載されている。例えば、γ−
Fe23の針状粉末においては粒子サイズを小さくする
と光透過率が向上する。米国特許第2,950,971
号明細書には、疎水性バインダー中に分散された磁性酸
化鉄からなる磁気層が赤外線を透過させることが記載さ
れており、米国特許第4,279,945号明細書に
は、磁気層中における磁性体粒子の濃度が比較的多い場
合にも粒子サイズを小さくすると波長632.8nmの
ヘリウム・ネオンレーザー光の透過性がよくなることが
記載されている。
【0055】磁性体層に用いられるバインダーとして
は、熱可塑性樹脂、放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、
その他の反応型樹脂、親水性ポリマー等を挙げることが
出来、熱可塑性樹脂と親水性ポリマーが好ましい。
【0056】熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢
酸ビニル・ビニルアルコール共重合体、部分加水分解し
た塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・塩化
ビニリデン共重合体、塩化ビニル・アクリロニトリル共
重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、塩素化
ポリ塩化ビニル、エチレン・塩化ビニル共重合体、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体又は共重
合体、セルロースナイトレート、セルロースジアセテー
ト、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
アセテートブチレート樹脂等のセルロース誘導体、マレ
イン酸及び/又はアクリル酸の共重合体、アクリル酸
(又はメタクリル酸も含み、以降アクリル酸で代表させ
ることがある)エステル共重合体、アクリル酸エステル
・アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル・ス
チレン共重合体、アクリル酸エステル・ブタジエン共重
合体、アクリル酸・ブタジエン・スチレン共重合体、ア
クリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン・ブタジ
エン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合
体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル・塩素化ポ
リエチレン・スチレン共重合体、ポリビニルアセタール
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステルポリウ
レタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカー
ボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエ
ーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、等のゴム系
樹脂、シリコーン系樹脂、弗素系樹脂等を挙げることが
出来る。上記熱可塑性樹脂のTgは−40〜180℃が
好ましく、より好ましくは−30〜150℃である。こ
れらの熱可塑性樹脂バインダーのうち、セルロース誘導
体、中でもセルロースジアセテートが好ましい。またそ
の重量平均分子量は5,000〜300,000である
ものが好ましく、更に好ましくは、重量平均分子量が1
0,000〜200,000のものである。これらの熱
可塑性樹脂をバインダーに用いる場合は、磁性体層塗布
液としては、有機溶媒が用いられる。有機溶媒として
は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ
ル、プロピオン酸ブチル、シクロヘキサノール、ジメチ
レングリコールモノアセテート、ニトロメタン、四塩化
炭素、クロロホルム、シクロヘキサンテトラヒドロフラ
ン、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルア
ルコール、フッ素化アルコール、アセトニトリル、ジメ
チルホルムアミド、ジオキサン、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等をあげることが出
来る。
【0057】放射線硬化性樹脂としては、電子線、紫外
線等の放射線によって硬化させる樹脂であれば制限なく
使用出来る。例を挙げると、無水マレイン酸型、ウレタ
ンアクリル型、エーテルアクリル型、エポキシアクリル
型のものなどがある。何れも、化合物の不飽和結合を
光、放射線、電子線などにより重合、開環、架橋させて
高分子量化させるものである。具体的には、ビニルエス
テル樹脂「リポキシ」シリーズ(昭和高分子(株))、
セイカビーム PHC・MPLシリーズ、セイカビーム
DPシリーズ、セイカビーム P−1000シリー
ズ、セイカビームW5000シリーズ、セイカビーム
Kシリーズ(以上、大日精化工業(株))、コーエイハ
ードAシリーズ、Cシリーズ、Mシリーズ、Tシリー
ズ、Dシリーズ、NSシリーズ、Fシリーズ、HSシリ
ーズ、Jシリーズ(以上、広栄化学工業(株))、紫外
線硬化型ハードコート剤DHシリーズ((株)大八化学
工業所)、オーレクスシリーズ(中国塗料(株))など
が挙げられる。
【0058】また、熱硬化性樹脂、その他の反応型樹脂
としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン系硬化型樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、シリコン
系硬化型樹脂等が挙げられる。
【0059】上記列挙の疎水性バインダーの分子中に極
性基を有していてもよい。極性基としてはエポキシ基、
−COOM、−OH、−NR2、−NR3X、−SO
3M、−OSO3M、−PO32、−OPO3M(Mは各
々、水素原子、アルカリ金属又はアンモニウムを、Xは
アミン塩を形成する酸を、Rは各々、水素原子、アルキ
ル基を表す)等が挙げられる。
【0060】もう一つの好ましいバインダーとしての親
水性ポリマーとしては、リサーチ・ディスクロージャ
(以降RDと略す)No.17643,26頁、及び同
No.18716,651頁(以降RD17643のよ
うに略して記載する)に記載されている水溶性ポリマー
やラテックスポリマーを挙げることが出来、親水性ポリ
マーが好ましい。これら親水性ポリマーバインダーとし
て、水溶性ポリマーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、カゼイン、寒天、アルギン酸ナトリウム、澱粉、ポ
リビニールアルコール、アクリル酸系共重合体、無水マ
レイン酸共重合体等が挙げられ、また、セルロースエー
テルとしては、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、2−ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース等が挙げられる。また水溶性ポリ
エステルも好ましく用いられる。水溶性ポリエステル
は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ナフタレジ
カルボン酸、フタル酸等と、ジオール成分としてはエチ
レングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジーオール等との組み合わ
せによるポリエステルに水溶性成分として、金属スルホ
フタル酸、ポリエチレングリコールを共重合成分として
組み込んだものが好ましい。
【0061】これらのうちでゼラチンが最も好ましい。
ゼラチンは、ハロゲン化銀写真感光材料、食品やその他
種々の目的に使用されているものであれば制限なく使用
出来る。ゼラチンとしては、アルカリ処理のオセインゼ
ラチンやハイドゼラチン、酸処理ピッグスキンゼラチン
などを挙げることが出来、更にこれらのゼラチンを化学
修飾したアセチル化ゼラチンやフタル化ゼラチン等も挙
げることが出来る。ゼラチンは有機溶媒や水に溶解又は
分散して単独又は他の水溶性ポリマーと混合して使用す
ることができる。
【0062】ゼラチンを使用する場合、ゼラチンを硬膜
させ、水、有機溶剤に不溶化させ、耐水性を付与するの
がよい。本発明で使用し得る硬膜剤としては、ゼラチン
と反応して硬膜する硬膜剤であれば制限なく使用できる
が、それら代表的な硬膜剤としては、アルデヒド系、ア
ジリジン系(例えば、PBレポート、19921、米国
特許第2,950,197号、同2,964,404
号、同2,983,611号及び同3,271,175
号の各明細書、特公昭46−40898号及び特開昭5
0−91315号の各公報に記載のもの)、イソオキサ
ゾール系(例えば、米国特許第3,331,609号明
細書に記載あるもの)、エポキシ系(例えば、米国特許
第3,047,394号、西独特許第1,085,66
3号及び英国特許第1,033,518号の各明細書、
更に特公昭48−35495号公報に記載のもの)、ビ
ニルスルホン系(例えば、PBレポート19,920、
西独特許第1,100,942号、同2,337,41
2号、同2,545,722号、同2,635,518
号、同2,742,308号、同2,749,260号
及び英国特許第1,251,091号の各明細書、また
特開昭45−54236号及び同48−110996
号、更に、米国特許第3,539,644号及び同3,
491,911号の各明細書に記載のもの)、アクリロ
イル系(例えば、特開昭48−27949号公報及び米
国特許第3,640,720号明細書に記載のもの)、
カルボジイミド系(例えば、米国特許第2,938,8
92号、同4,043,818号及び同4,061,4
99号各明細書に記載のもの)、トリアジン系(例え
ば、西独特許第2,410,973号、同2,553,
915号及び米国特許第3,325,287号の各明細
書、更に特開昭52−12722号公報に記載のも
の)、オキサゾリン系(例えば、特開平5−29527
5号公報に記載のもの)、高分子型(例えば、英国特許
第822,061号、米国特許第3,623,878
号、同3,396,029号及び同3,226,234
号の各明細書、特公昭47−18578号、同47−1
8579号及び同47−48896号の各公報に記載の
もの)、イソシアネート系、ポリアミド−エピクロルヒ
ドリン樹脂(例えば、特開昭51−3619号記載のも
の)、反応性のハロゲンを有する化合物、その他マレイ
ミド系、アセチレン系、メタンスルホン酸エステル系、
N−メチロール系の硬膜剤が単独又は組み合わせを挙げ
ることが出来る。硬膜剤は、通常、ゼラチン等固形分に
対して0.01〜60重量%用いられ、好ましくは0.
05〜50重量%である。
【0063】水溶性ポリマー以外のポリマーラテックス
も単独又はゼラチンと混合して使用すると塗布膜の柔軟
性や膜強度の向上に効果があり、好ましい。ラテックス
ポリマーの粒径は5nm〜2μmのものを使うことが出
来る。
【0064】上記熱可塑性樹脂(疎水性樹脂)に対して
も架橋剤(硬膜剤と同様な作用効果がある)を使用する
ことによって、膜の強化と隣接する層との接着性を向上
させるのに有効である。磁気記録層の疎水性バインダー
に対する架橋剤で硬膜してもよい。使用できる架橋剤と
しては、アルデヒド系化合物類、ケトン化合物類、反応
性のハロゲンを有する化合物類、反応性のオレフィンを
持つ化合物類、N−ヒドロキシメチルフタルイミド、N
−メチロール化合物、イソシアナート類、アジリジン化
合物類、酸誘導体類、エポキシ化合物類、ハロゲンカル
ボキシアルデヒド類及び無機化合物類等硬膜剤を挙げる
ことができ、ハロゲン化銀写真感光材料に用いる硬膜剤
も使用し得る。これらのうち、磁気記録層のバインダー
に対してはイソシアネート類が好ましい。イソシアネー
ト類の架橋剤としてはトリレンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート及びこれらの
2量体、3量体(例えば(株)日本ウレタン製ミリオネ
ートシリーズ)、更にはこれらとポリアルコールとの反
応生成物(例えば、(株)日本ウレタン製コロネートシ
リーズ)などを挙げることが出来る。
【0065】上記のバインダーはエポキシ系、アジリジ
ン系、イソシアネート系、シラン系、チタン系の公知の
架橋剤、或いは放射線硬化型の樹脂モノマーを併用して
硬化処理することができる。イソシアネート系架橋剤と
してはイソシアネート基を2個以上有するポリイソシア
ネート化合物で、たとえば、トリレンジイソシアネート
(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナ
フチレン1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、などの
イソシアネート類、及び、これらのイソシアネート類と
トチメチロールプロパン、グリセリンなどのポリオール
類との反応生成物(例えば、トリレンジイソシアネート
3モルとトリメチロールプロパン1モルの反応生成
物)、及び、これらのイソシアネートの縮合により生成
したポリイソシアネートなどがあげられる。具体的に
は、コロネート3041、ミリオネートMR400(日
本ポリウレタン)、タケネートD202(武田薬品工
業)などがあげられる。
【0066】磁気記録層塗布液は、磁性体粉末を必要に
応じて溶剤を用いてバインダー中に分散し、塗布液を作
製する。磁性体粉末の分散にはボールミル,ホモミキサ
ー,サンドミルなどを用いることが出来る。この場合、
磁性体粒子を破損することなく、できるだけ磁性体粒子
一個一個をバラバラにして分散することが好ましい。
【0067】本発明のガス中放電プラズマ処理されたプ
ラスティック支持体に磁気記録層塗布液を塗布する方法
としては、エクストルージョンコーティング、エアード
クターコーティング、ブレードコーティング、エアーナ
イフコーティング、スクイズコーティング、ワイアーバ
ーコーティング、含浸コーティング、リバースロールコ
ーティング、トランスファーロールコーティング、グラ
ビアコーティング、キスコーティング、キャストコーテ
ィング、スプレイコーティング等が利用できる。多条の
ストライプ塗布を行うには、これら塗布ヘッドを多連に
すればよく、ストライプ塗布の具体的方法としては、例
えば特開昭48−25503号、同48−25504
号、同48−98803号、同50−138037号、
同52−15533号、同51−3208号、同51−
6239号、同51−65606号、同51−1407
03号、特公昭29−4221号、米国特許3,06
2,181号、同3,227,165号等の記載を参考
にすることができる。
【0068】磁気記録層を形成する塗布液には、磁気記
録層に、滑り性の付与、帯電防止性付与、耐ブロッキン
グ性付与、耐摩擦耐磨粍性付与等の機能を持たせること
が出来、滑り剤,帯電防止剤など種々の添加剤を添加す
ることが出来る。また、塗布液には、他に、例えば、磁
気記録層に柔軟性を与えるために可塑剤を、塗布液中で
の磁性体の分散を助けるために分散剤を、磁気ヘッドの
目づまりを防止するための研磨剤を添加することが出来
る。
【0069】滑り剤としては、ポリシロキサン等のシリ
コンオイル、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のプラスチック微粉末、高級脂肪酸、高級脂肪酸エ
ステル、パラフィンワックス、フルオロカーボン類を挙
げることが出来る。これらは、2種以上混合して使用し
てもよい。磁気記録層に対する滑り剤添加量は、磁気記
録層乾燥塗膜100重量部に対し0.5〜20重量部の
範囲添加してもよい。また、必要に応じて磁気記録層に
隣接する保護層を設けて耐傷性を向上させてもよい。滑
り剤としては、上記滑り剤を用いることが出来、高級脂
肪酸エステルが好ましく用いられる。また、磁気記録層
をストライプ状に設ける場合、磁気記録層のストライプ
の段差をなくために、この上に磁性体を含有しない透明
なポリマー層を設けてもよい。この場合、この透明ポリ
マー層に上記のような添加剤を加え各種の機能を持たせ
てもよい。この保護層は磁気記録層側のプラスティック
支持体から最も遠い最外層にすることが好ましい。
【0070】本発明に有用な導電性帯電防止層について
述べる。本発明においては、プラスティック支持体にガ
ス中放電プラズマ処理を施し、処理後巻き取る前までに
帯電防止層を設けることによって、後で設けるハロゲン
化銀乳剤層や磁気記録層に対して、静電気的影響を防止
するために、つまり処理された支持体に塵埃が付着する
ために帯電防止層を設けることが必要となる。また処理
された面が接触してブロッキングし易いことから、帯電
防止層を設けることによってブロッキングを抑えること
も出来るようになる。帯電防止層は、ブロッキングが起
こりにくい時は巻き取った後で設けてもよいが、帯電防
止層を設ける磁気記録材料は本発明の処理がなされた後
出来るだけ直ぐが好ましい。帯電防止剤には、従来ハロ
ゲン化銀写真感光材料や他の導電性フィルム等に用いら
れているものが好ましく用いられる。帯電防止層を施す
方法としては、金属蒸着によってもよいし、帯電防止剤
をバインダーと共に水や溶媒により調製して塗布液とし
て支持体に塗布してもよい。帯電防止層の帯電防止剤と
バインダーとの重量比は1:0〜1:8が好ましく、塗
設する場合は、1:0.5〜1:5がより好ましい。
【0071】本発明に使用される帯電防止剤は従来ハロ
ゲン化銀写真感光材料に使用されているものを用いるこ
とが出来るが、導電性が高く、現像処理後も導電性を有
する導電性帯電防止剤が好ましい。
【0072】本発明に有用な導電性帯電防止剤として
は、Rh、Ir、Ni、Hf、Th、Zr、Ce、Z
n、Ti、Sn、Al、In、Si、Mg、Ba、M
o、V、Sb、Nb、W等の成分を有するものが好まし
く、より好ましくはSn、Sb、In、Ti或いはZn
が好ましい。これらの金属そのものであってもよいし、
金属酸化物であってもよい。塗設する場合には、金属酸
化物の形が好ましい。金属酸化物は金属酸化物微粒子或
いは結晶性金属酸化物が好ましい。具体例としては、N
25+xのような酸素過剰な酸化物、RhO2-x、Ir2
3-x等の酸素欠損酸化物、或いはNi(OH)xのよう
な不定比水素化物、HfO2、ThO2、ZrO2、Ce
2、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In
23、SiO2、MgO、BaO、MoO3、V25、W
3等、或いはこれらの複合酸化物が好ましく、特に、
ZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含
む例としては、例えばZnOに対してAl、In等の添
加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加、又、Sn
2に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等の添加が効
果的であるが、Snに対してはSbが好ましい。これら
異種原子の添加量は0.01〜25mol%の範囲が好
ましいが、0.1〜15mol%の範囲が特に好まし
い。
【0073】本発明の導電性帯電防止層を金属蒸着する
場合には、本発明のガス中放電プラズマ処理が片面に施
されたプラスティック支持体面に、例えば、特開平2−
226513号公報に記載されている方法で、Sn、S
b、In、Ti、Zn等の金属を蒸着し、導電性の金属
薄膜を形成させることにより、強固な接着性と優れた導
電性を発現させることが出来る。
【0074】また、帯電防止層を塗布液により形成させ
る場合には、Sn、Sb、In、Ti、Zn等の金属成
分を金属酸化物微粒子或いは結晶性金属酸化物の形とし
て用いるのが好ましい。形成された帯電防止層の体積抵
抗率は107Ωcm、特に105Ωcm以下であることが
好ましい。前記金属酸化物微粒子は水性の塗布液にゾル
として混合して用いてもよいし、粉体をバインダーの有
機溶液中に分散してもよい。金属酸化物微粒子の平均粒
径が10〜800nmのものがよく、特に15〜200
nmのものが好ましく用いられる。帯電防止層内の面内
での導通回路を効率よく形成するには、金属酸化物微粒
子或いは結晶性金属酸化物を少量添加することによって
達成されるので、少ない量で導電性帯電防止性を発揮
し、光学的にも透明性に優れ、ヘイズの少ない帯電防止
層を有する本発明のフィルムを得ることが出来る。上記
平均粒径は粉体の電子顕微鏡写真を撮影し、その直径又
は長軸径(針状の場合の平均粒径は、粒子の長軸方向の
長さの平均値で、平均長軸長と呼ばれる)の長さを多数
の粒子について測定し、平均をとることにより、容易に
計測することができる。
【0075】導電性帯電防止層には、透明性を損なわな
い程度に下記の添加剤を添加することが出来る。例え
ば、カーボンブラック、カーボンブラックグラフトポリ
マー等の導電性微粉末、金属微粒子を分散させるため
の、アルキレンオキサイド系、グリセリン系及びグリシ
ドール系等のノニオン系界面活性剤;高級アルキルアミ
ン類、第4級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素
環化合物の塩類、ホスホニウム又はスルホニウム類等の
カチオン系界面活性剤;カルボキシル基、燐酸基、硫酸
エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン
系界面活性剤;アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミ
ノアルコールの硫酸又は燐酸エステル類等の両性界面活
性剤等を挙げることが出来る。
【0076】本発明の導電性帯電防止層に使用するバイ
ンダーとしては、前記磁気記録層において記述したバイ
ンダーを使用することが出来、疎水性バインダーとして
は、セルロース誘導体、特にセルロースジアセテート
が、また、親水性バインダーとしてはゼラチンが好まし
く用いられる。
【0077】また、導電性帯電防止層には、該帯電防止
層のバインダーを硬化又は隣接層との接着を効果的にす
るために、硬膜剤(架橋剤)を添加することが好まし
い。硬膜剤としては、前記磁気記録層のところで記載し
たものが使用出来る。
【0078】導電性帯電防止層の塗布液に使用する溶媒
としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i
−ブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テト
ラヒドロフラン等のケトン系;メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、i−ブチルアルコー
ル、i−プロピルアルコール、メチルシクロヘキサノー
ル等のアルコール系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、酢酸−i−ブチル、酢酸−i−プロピル、乳酸エ
チル、酢酸グリコール、モノエチルエーテル等のエステ
ル系;エーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコ
ールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコール
エーテル系;ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾー
ル、クロルベンゼン、スチレンなどのタール系(芳香族
炭化水素);メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリ
ン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素;N,N−ジ
メチルホルムアルデヒド、ヘキサン、水等が使用出来、
2種以上任意の割合で混合して使用してもよい。
【0079】本発明に使用する導電性帯電防止層を隣接
して有するガス中放電プラズマ処理したプラスティック
支持体には、その上に、前述の磁気記録層、或いは後述
するハロゲン化銀写真感光材料の構成層を塗設すること
により、塵埃の付着による品質トラブルを防ぐ優れた性
質を有するが、それ以外に支持体上に帯電防止層を少な
くと片面に塗設したプラスティック支持体を製品とする
ことも出来、いろいろな産業分野で有効に活用される。
このような意味からも上記帯電防止剤は金属酸化物が、
あらゆる外界からの変化に対しても導電性を安定に保つ
ことからも好ましい。
【0080】次に本発明に係わるハロゲン化銀写真感光
材料について述べる。
【0081】本発明に係わるハロゲン化銀写真感光材料
のハロゲン化銀乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロー
ジャー(以降「RD」と、またNo.を略記する)N
o.17643、22〜23頁(1978年12月)
“I.乳剤製造(Emulsion preparat
ion and types)”及び同No.1871
6、648頁、グラフキデ著『写真の物理と化学』ポー
ルモンテル社刊(P.Glafkides、Chemi
c et Phisique Photographi
que、Paul Montel、1967)、ダフィ
ン著『写真乳剤化学』フォーカルプレス社刊(G.F.
Duffin、PhotographicEmulsi
on Chemistry、Focal Press
1966)、ゼリクマンら著『写真乳剤製造と塗布』フ
ォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et
al、Making and Coating Ph
otographic Emulsion、Focal
Press、1964)などに記載された方法を用い
て調製することができる。
【0082】乳剤は米国特許第3,574,628号、
同3,665,394号及び英国特許第1,413,7
48号明細書に記載された単分散乳剤も好ましい。
【0083】ハロゲン化銀乳剤には、物理熟成、化学熟
成及び分光増感を行うことが出来る。このような工程で
使用される添加剤は、RD17643,同18716及
び同308119に記載されている。
【0084】本発明のハロゲン化銀写真感光材料がハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料である場合、使用すること
ができる写真用添加剤も上記RDに記載されている。ま
た、種々のカプラーを使用することができ、その具体例
もRD17643及びRD308119に記載されてい
る。
【0085】また、これら添加剤は、RD30811
9、1007頁、XIV項に記載されている分散法などに
より、写真感光層に添加することができる。
【0086】ハロゲン化銀カラー写真感光材料には、前
述のRD308119、II−K項に記載されているフィ
ルター層や中間層などの補助層を設けることができる。
【0087】ハロゲン化銀カラー写真感光材料を構成す
る場合、前述のRD308119VII−K項に記載され
ている順層,逆層,ユニット構成などの様々な層構成を
とることが出来る。
【0088】この発明のハロゲン化銀写真感光材料を現
像処理するには、例えばT.H.ジェームズ著、セオリ
イ・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス第4版
(The Theory of The Photog
raphic ProcessFourth Edit
ion)291〜334頁、及びジャーナル・オブ・ザ
・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(Journal
of the American Chemical
Society)第73巻、3,100頁(195
1)に記載されている、それ自体公知の現像剤を使用す
ることができる。また、カラー写真感光材料は前述のR
D17643、28〜29頁、RD18716、615
頁及びRD308119、XIXに記載された通常の方法
によって、現像処理することができる。
【0089】本発明のガス中放電プラズマ処理されたプ
ラスティック支持体には、ハロゲン化銀写真感光材料の
ハロゲン化銀乳剤層以外のハレーション防止層、紫外線
防止層、酸化防止層、フィルター層、クロスオーバー光
遮断層、下引層の如き接着層、中間層等を直接塗設して
もよい。
【0090】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、黒
白用感光材料、カラーネガ用感光材料、カラーペーパー
用感光材料、カラーリバーサル用感光材料、映画用感光
材料、X線用感光材料、印刷用感光材料、マイクロ写真
用感光材料等、何れの感光材料にも使用出来、特に少な
くとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する磁気記録材料
はAPSハロゲン化銀カラー写真感光材料に適してい
る。
【0091】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本
発明の実施の態様はこれらに限定されない。
【0092】〈評価方法〉下記の実施例において以下の
評価方法を用いて評価を行った。
【0093】[塗布性の評価]帯電防止層塗布直後の支
持体を目視で観察し、以下のように評価した。
【0094】 A:良好な塗布状態 B:斑ムラ、スジなどの塗布ムラが若干発生している C:斑ムラ、スジなどの塗布ムラが多く発生している D:斑ムラ、スジなどの塗布ムラが全幅に発生してい
る。
【0095】[接着性の評価]現像処理後の各試料をそ
れぞれ23℃、55%RHの環境下で12時間放置す
る。その後、同じ環境下で以下の手順で接着性を評価す
る。
【0096】図2は接着性を評価するための試料の概念
的断面図である。支持体11の上の塗布層12を有する
試料にカミソリの切れ目13を支持体面に対して45゜
の角度で深さ方向に支持体の厚さの約5%程度に切れ目
の深さ14に入れ、市販の25.4mm幅、100mm
長さのセロファンテープ15を切れ目の上に約50mm
の長さで貼り、約5kg/cm2以上の圧力で、先が丸
く堅い物体で擦り圧着してセロファンテープ接着部16
を作り、引き剥がすために浮かせてあるセロファンテー
プの部分17を手で持って45°の切れ目と反対の方向
(支持体面と平行に)に強く早く引っ張って剥がす。こ
の時のセロファンテープ接着部の面積に対する剥離され
た面積の割合を接着レベルとして下記の5段階に設定
し、評価する。
【0097】 A:全く剥離がない B:剥離面積が5%未満 C:剥離面積が5%以上10%未満 D:剥離面積が10%以上50%未満 E:剥離面積が50%以上。
【0098】[ブロッキングの評価]塗布、搬送、断裁
の各工程で、ブロッキングを評価した。
【0099】A:元巻の繰りだし時に音もなく、スムー
スにほどくことが出来る B:元巻の繰りだし時にかすかにチリチリと剥離音がす
るが、支持体或いは塗布面に品質的な変化はない C:剥離音が若干バリバリとし、支持体面或いは塗布面
の光沢やザラツキの変化などが部分的にややある D:剥離音がはっきりとバリバリと聞こえ、支持体或い
は塗布面がクッツイているが、裂けには至っていない F:元巻の表と裏があきらかにクッツイており、剥離時
に裂ける。
【0100】[表面比抵抗値の評価]現像後の試料を幅
24mm、長さ70mmに裁断し、23℃、20%RH
で、24時間調湿後、同条件下で、川口電機(株)製テ
ラオームメーターVE−30を用い、印加電圧100V
で、導電層を形成した側の最表層に、電極を接触させ
て、測定した。
【0101】[耐久性の評価]磁気記録層と滑り層を塗
設し、ハロゲン化銀乳剤層等構成層の各層を塗設した試
料を下記現像処理後、25℃、55%RHの測定環境
で、15cmの距離を水平に往復走行する荷台の上に、
試料の測定面(現像処理後の磁気記録層面)を上にして
固定し、上方よりステンレス綱球(5mmφ)で300
gの荷重を掛け、荷台を10cm/secの速度で摺動
させ、1000往復繰り返し、試験終了後の傷付きの程
度を以下に示すランクにより評価した。
【0102】 A:全く傷がなく、磁気記録再生装置での出力低下もな
い B:摺動跡はあるものの、磁気記録再生装置での出力低
下なし C:傷が全面にあり、磁気記録再生装置での出力低下が
50%以内ある D:膜剥がれを生じ、磁気記録再生装置にかけられなか
った。
【0103】実施例1 〈PEN支持体の作製〉2,6−ナフタレンジカルボン
酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量
部にエステル交換触媒として酢酸カルシウム水和物0.
1重量部を添加し、常法に従ってエステル交換反応を行
った。得られた生成物に、三酸化アンチモン0.05重
量部、リン酸トリメチルエステル0.03重量部を添加
した。次いで徐々に昇温、減圧にし、290℃、0.0
5mmHgの条件で重合を行ない固有粘度0.60のポ
リエチレン−2,6−ナフタレートを得た。
【0104】これを、150℃で8時間真空乾燥した
後、300℃でTダイから層状に溶融押出し、50℃の
冷却ドラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化さ
せ、未延伸シートを得た。この未延伸シートをロール式
縦延伸機を用いて、135℃で縦方向に3.3倍延伸し
た。
【0105】得られた一軸延伸フィルムをテンター式横
延伸機を用いて、第一延伸ゾーン145℃で総横延伸倍
率の50%延伸し、更に第二延伸ゾーン155℃で総横
延伸倍率3.3倍となるように延伸した。次いで、10
0℃で2秒間熱処理し、更に第一熱固定ゾーン200℃
で5秒間熱固定し、第二熱固定ゾーン240℃で15秒
間熱固定した。次いで、横方向に5%弛緩処理しながら
室温まで30秒かけて徐冷して、厚さ85μmのPEN
支持体1を得た。
【0106】〈ガス中放電プラズマ処理〉図1のガス中
放電プラズマ処理装置を用いてPEN支持体1を下記の
条件でガス中放電プラズマ処理を行った。
【0107】 処理部の全ガス圧 :600Torr 導入する不活性ガス:アルゴンガス100圧力% 混合処理ガス比 :アルゴンガス(不活性ガス)7/窒素ガス(活性ガス)3 交流電源周波数 :8kHz 交流電圧 :2kV 〈帯電防止層(S−1)を塗設したPEN支持体1の作
製〉処理されたPEN支持体1を、巻き取ることなく連
続的に、次の工程において、下記の組成の帯電防止層塗
布液(s−1)を帯電防止剤が180mg/m2の付量
になるように処理面に塗布し、乾燥後、張力5kg、テ
ーパー30%で、直径20cmの樹脂製の巻芯に巻き取
った。このようにして帯電防止層を塗設したPEN支持
体1を作製し、塗布性の評価を行った(結果はまとめて
表1に記載する)。
【0108】 〈帯電防止層塗布液(s−1)〉 導電性帯電防止剤(酸化スズ微粉末、平均一次粒径80nm) 40重量部 ゼラチン 10重量部 (CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 A−1 0.1重量部 メタノール 800重量部 レゾルシン 2重量部
【0109】
【化1】
【0110】〈磁気記録層(M−1)と滑り層(W−
1)を塗設したPEN支持体の作製〉前記帯電防止層を
塗設したPEN支持体1の元巻を常温で1週間倉庫で保
管した後、この元巻の帯電防止層(S−1)の表面に下
記組成と手順で磁気記録層塗布液(m−1)と滑り層塗
布液(w−1)を調製し、磁気記録層の乾燥膜厚が1.
2μmとなるように、塗布を行った。塗膜積層体が未乾
燥のうちに配向磁場中で塗布方向へ配向させ磁気記録の
高出力化をはかった。引き続き、W−1を常温下の雰囲
気で塗布し、塗布後の原反を乾燥ゾーンへ導入して、滑
り剤の融点以下に制御した乾燥風と搬送ロールを通過さ
せて十分乾燥させた。引き続き、乾燥ゾーンで完全に乾
燥させ、冷却してから巻き取った。塗布後の元巻を50
℃のオーブンに3日間放置して、架橋剤の反応を十分に
行ってバック層加工済みハロゲン化銀写真感光材料用磁
気記録媒体とした。元巻の諸条件を揃えるため、試料は
同様な樹脂製巻芯に幅50cm、塗布長さ900mの同
一試料のみ連続巻きとし、同一の巻取条件で塗布、搬
送、保存、熱処理などを行った。
【0111】〈磁気記録層塗布液(m−1)の調製〉下
記組成p−1を攪拌混合したのち、サンドミルで分散す
る。
【0112】 〈磁性粉塗布液p−1〉 コバルト含有γ−酸化鉄(平均長軸長0.12μm、短軸長0.015μm、 Fe2+/Fe3+=0.2、比表面積40m2/g、Hc=750 Oe) 7重量部 α−アルミナ(平均粒径0.2μm) 5重量部 ポリメチルメタクリレート(マット材、平均粒径1.0μm) 0.3重量部 ポリウレタン(分子量3万,1分子中スルホン酸基2個含有) 1重量部 メチルエチルケトン 10重量部 シクロヘキサノン 3重量部 上記p−1を下記の希釈用樹脂溶液d−1で希釈し攪拌
し混合する。
【0113】 〈希釈用樹脂溶液d−1の処方〉 セルロースジアセテート 89重量部 シクロヘキサノン 600重量部 アセトン 600重量部 この塗布液をサンドミルで更に分散した後、コロネート
3041(固形分50%)を20部添加して攪拌後、フ
ィルターで濾過して磁気記録層塗布液m−1とした。
【0114】 〈滑り層塗布液(w−1)の調製〉 C1735COOC4081 1重量部 C50101O(CH2CH2O)16H 1重量部 セルロースアセテート 0.3重量部 シクロヘキサノン 3重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 3重量部 上記を撹拌、混合後、サンドミルで分散して原液1と
し、これをシクロヘキサノンとアセトンを重量比で1:
1の混合溶媒1000重量部で希釈し、濾過後、滑り層
塗布液w−1とした。このようにして得られた試料1に
ついて塗布性、支持体との接着性を評価した。また、元
巻きとしての評価は、23℃、55%RHで保存したも
のを用いた。
【0115】〈ハロゲン化銀写真感光材料の作製〉試料
1の帯電防止層(S−1)を有する面と逆の面に、特開
平8−334858号記載の実施例1の試料101相当
のハロゲン化銀乳剤層構成よりなるハロゲン化銀多層カ
ラー写真感光材料を同様に作製した。ハロゲン化銀乳剤
層は、銀塗布量を6.25mg/m2、乾燥膜厚を18
μmとして塗布を行った。作製した試料をAPSのフォ
ーマットに従って、断裁、穿孔し、APS用カートリッ
ジ入りのハロゲン化銀写真感光材料とした。
【0116】〈現像処理〉作製したハロゲン化銀写真感
光材料をAPSカメラで撮影した後、以下に示す処理工
程に従って現像処理した。
【0117】 処理工程 処理時間 カラー現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 2分10秒 定 着 4分20秒 水 洗 3分15秒 安 定 1分05秒 各工程に用いた処理液組成は下記の通りであった。
【0118】 カラー現像液 ジエチレントリアミン五酢酸 1.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g 炭酸カリウム 30.0g 臭化カリウム 1.4g 沃化カリウム 1.3mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル)アミノ−2 −メチルアニリン硫酸塩 4.5g 水を加えて1リットルとし、pH10.0に調整する。
【0119】 漂白液 エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 硝酸アンモニウム 10.0g 水を加えて1リットルとし、pH6.0に調整する。
【0120】 定着液 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 1.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g チオ硫酸アンモニウム(70%) 175.0g 重亜硫酸ナトリウム 4.6g 水を加えて1リットルとし、pH6.6に調整する。
【0121】 安定液 ホルマリン(40%) 2.0mg ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル(平均重合度10) 0.3g 水を加えて1リットルとした。
【0122】処理前後の接着性、ブロッキング、耐久性
について評価を行い、その結果を下記表1に示す。
【0123】実施例2 処理部の全ガス圧を760Torrとした以外は実施例
1と同様に行った。
【0124】実施例3 直流電圧2kVを重畳した以外は実施例1と同様に行っ
た。
【0125】実施例4 混合処理ガス中に水蒸気を60%RH含有させた以外は
実施例1と同様に行った。
【0126】実施例5 混合処理ガス中に水蒸気を60%RH含有させた以外は
実施例3と同様に行った。
【0127】実施例6 混合処理ガス中に水蒸気を95%RH含有させた以外は
実施例3と同様に行った。
【0128】比較例1 処理部の全ガス圧を300Torrにした以外は実施例
1と同様に行った。
【0129】比較例2 導入する不活性ガスをアルゴン45圧力%、ヘリウム5
5圧力%とした以外は実施例1と同様に行った。
【0130】比較例3 導入する不活性ガスをヘリウム100圧力%とした以外
は実施例3と同様に行った。
【0131】比較例4 導入する不活性ガスを0とし、活性ガスを窒素ガスと酸
素ガスの圧力比を4:1とした以外は実施例1と同様に
行った。
【0132】比較例5 導入不活性ガスをヘリウム100圧力%とした以外は実
施例5と同様に行った。
【0133】以上実施例及び比較例について上記項目の
評価を行い結果を表1に示した。
【0134】
【表1】
【0135】(結果)本発明の処理を施した支持体に隣
接して設けた帯電防止層の塗布性、接着性及びブロッキ
ングは何れも良好であった。中でも、交流に直流を重畳
して処理をしたものは、塗布性及び接着性が優れ、また
水蒸気を処理ガスに含有させたものは更にブロッキング
も優れていることがわかった。一方、本発明以外の処理
を行った支持体を用いた場合には、塗布性、接着性、ブ
ロッキングが非常に劣っていることがわかった。
【0136】処理を施した支持体の片面にハロゲン化銀
写真感光材料の構成層及び、またその反対面に磁気記録
媒体の磁気記録層等の構成層を設けた磁気記録媒体の現
像前後の接着性と磁気記録層の耐久性を試験した結果、
何れも良好であり、前述の帯電防止層の場合と同様であ
った。なお、現像前後の帯電防止層の表面比抵抗値は全
て107であった。
【0137】
【発明の効果】実施例にて実証した如く、ガス中放電プ
ラズマ処理を行うことによって、塗布性、接着性、ブロ
ッキング性を良好かつ安定に維持しつつ、導電性物性や
塗布層の耐久性の良好な磁気記録媒体を製造することが
出来る。更に本発明の磁気記録媒体を透明磁性層を有す
るハロゲン化銀写真感光材料へも使用することができる
ことがわかった。これにより本発明の目的は達成され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス中放電プラズマ処理装置の概略断面図
【図2】接着性を評価するための試料の概念的断面図
【符号の説明】
1 プラスティック支持体 2 第2電極 3 第1電極 4 処理ガス 5 ガス導入口 6 ガイドロール 11 プラスティック支持体 12 塗布層 13 カミソリの切れ目 14 切れ目の深さ 15 セロファンテープ 16 セロファンテープ接着部 17 引き剥がすために浮かせてあるセロファンテープ
の部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/91 G03C 1/91 G11B 5/633 G11B 5/633 5/73 5/704 5/84 5/84 A Fターム(参考) 2H023 FA08 FA13 FC00 FC02 HA04 4F073 AA01 BA23 BB01 CA01 CA08 DA09 GA11 HA01 HA12 HA15 4G075 AA30 CA15 CA16 CA47 CA63 EC21 ED11 5D006 CB01 CB04 CB08 FA00 FA02 FA07 5D112 AA02 AA11 AA22 BA01 BA05 BA09 GA05 GA22 GB02 KK05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転するロール電極と同期し、かつ該ロ
    ール電極に密着して連続的に移送するプラスティック支
    持体を、該ロール電極と任意の距離に位置する対電極と
    の間隙で、500〜800Torrの気圧下でガス中放
    電プラズマ処理する際、導入する不活性ガスの50圧力
    %以上をアルゴンガスとすることを特徴とするプラステ
    ィック支持体の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 処理する支持体表面を陽極側に位置し、
    交流の周波数を1〜100kHz、かつ電極間にかける
    直流バイアス電圧を5V〜5kVとして、交流電圧に直
    流電圧を重畳印加して処理することを特徴とする請求項
    1に記載のプラスティック支持体の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 導入するガスが、該ガスの温度及び圧力
    における飽和水蒸気圧の20〜90%の水蒸気を含有す
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスティ
    ック支持体の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 プラスティックがポリエステルであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のプ
    ラスティック支持体の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 ポリエステル支持体がアニール処理され
    ていることを特徴とする請求項4に記載のプラスティッ
    ク支持体の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 ポリエステル支持体がポリエチレン−
    2,6−ナフタレート支持体であることを特徴とする請
    求項4又は5に記載のプラスティック支持体の表面処理
    方法。
  7. 【請求項7】 処理後、巻き取るまでの間に、導電性帯
    電防止剤を含有する帯電防止層を塗設することを特徴と
    する請求項1乃至6の何れか1項に記載のプラスティッ
    ク支持体の表面処理方法。
  8. 【請求項8】 帯電防止層中の導電性帯電防止剤とバイ
    ンダーとの重量比が1:0〜1:8であることを特徴と
    する請求項7に記載のプラスティック支持体の表面処理
    方法。
  9. 【請求項9】 導電性帯電防止剤がSn、Sb、In、
    或いはZn成分を含有することを特徴とする請求項7又
    は8に記載のプラスティック支持体の表面処理方法。
  10. 【請求項10】 導電性帯電防止剤がSn、Sb、I
    n、或いはZn成分を含有する金属酸化物微粒子又は結
    晶性金属酸化物であることを特徴とする請求項9に記載
    のプラスティック支持体の表面処理方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10の何れか1項に記載
    のプラスティック支持体の片面に磁気記録層を有するこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至10の何れか1項に記載
    のプラスティック支持体に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
    光材料。
  13. 【請求項13】 処理されたプラスティック支持体が片
    面に磁気記録層を有し、その反対側の面に少なくとも1
    層のハロゲン化銀乳剤層を有することを特徴とする磁気
    記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1132492A2 (de) * 2000-03-08 2001-09-12 Wolff Walsrode AG Plasmabehandelte bahnförmige Werkstoffe
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