JPH1073902A - ハロゲン化銀写真感光材料及び磁気記録媒体 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及び磁気記録媒体

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JPH1073902A
JPH1073902A JP8229964A JP22996496A JPH1073902A JP H1073902 A JPH1073902 A JP H1073902A JP 8229964 A JP8229964 A JP 8229964A JP 22996496 A JP22996496 A JP 22996496A JP H1073902 A JPH1073902 A JP H1073902A
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JP
Japan
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compound
magnetic recording
naphthalene ring
polyester
acid
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Application number
JP8229964A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Koyama
博和 小山
Toshiaki Shibue
俊明 渋江
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性、フィルムクリーナー耐性に優れたポ
リエチレンナフタレートを主成分とした支持体を有する
ハロゲン化銀写真感光材料、及び、磁気ヘッドの通過に
対する耐傷性に優れたポリエチレンナフタレートを主成
分とした支持体を有する磁気記録媒体の提供。 【解決手段】 主成分がポリエチレンナフタレートであ
るポリエステル支持体の少なくとも一方の側に感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層有する写真感光材料
において、該支持体の少なくとも一方の側の隣接層にナ
フタレン環を有する化合物を含有することを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料及び磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエチレンナフタ
レートを主成分とした支持体を有するハロゲン化銀写真
感光材料及び磁気記録媒体に関し、詳しくは接着性、ク
リーナー耐性に優れたハロゲン化銀写真感光材料及び磁
気ヘッドの通過に対する耐傷性に優れた磁気記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料において、その支持体とし
て機械的強度、寸法安定性などの性質からは二軸延伸し
たポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETフ
ィルムと略す)が優れている。しかしながら、PETフ
ィルムはロール状で保存されると巻ぐせがつきやすいと
いう性質がある。写真感光材料において、フィルムに巻
ぐせがつくと、その取り扱いが煩雑になったり、処理機
等で搬送トラブルを起こすという問題がある。そこで、
公開技報94−6023号にはガラス転位温度以下で熱
処理することにより巻ぐせが低減されたポリエチレンナ
フタレートフィルム(以下PENフィルムと略す)が提
案されている。これにより、機械強度等はPETフィル
ム同等でPETよりも巻ぐせのつきにくい支持体を得る
ことができるようになった。
【0003】また、写真感光材料においてはこうした疎
水的な支持体の上に親水的な層を設けるため、通常、水
溶性或いは水分散などの水系のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共
重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、
エポキシ系共重合体などの下引層(接着層)が設けられ
る。こうした技術は、例えば水系のポリエステルについ
ては特開平3−249640号にビニリデン共重合体に
ついては特開平3−109545号や特開平4−184
431号等に開示されている。
【0004】しかしながら、PENフィルムを用いた場
合、従来の下引層では、PENフィルムとの十分な接着
力が得られないことがわかってきた。写真感光材料にお
いては、接着力が不十分な場合、膜はがれが起きたり、
傷が入ったりして、商品価値が失われてしまうという問
題がある。また、写真感光材料においては、画像部にご
み等が付着した場合、フィルムクリーナー等で拭き取る
ことが行われるが、PENフィルムに従来の下引層を設
けた場合、このフィルムクリーナーに対する耐性が不十
分で、強く擦られると膜はがれが生じることがわかって
きた。
【0005】一方、磁気記録媒体においても、機械強
度、PETフィルムよりも優れた耐熱性等の性質からP
ENフィルムも使用されるが、この場合も、上記のよう
な水系の接着層を設けた場合、十分な接着力が得られな
い。磁気記録媒体においては、一般に磁気ヘッドによっ
て情報が読み書きされるため、接着力が不十分だと、傷
が入り、情報の読み書きができなくなってしまう問題が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
よりなされたものであり、その目的は、接着性、フィル
ムクリーナー耐性に優れたポリエチレンナフタレートを
主成分とした支持体を有するハロゲン化銀写真感光材
料、及び、磁気ヘッドの通過に対する耐傷性に優れたポ
リエチレンナフタレートを主成分とした支持体を有する
磁気記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0008】(1) 主成分がポリエチレンナフタレー
トであるポリエステル支持体の少なくとも一方の側に感
光性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層有する写真感
光材料において、該支持体の少なくとも一方の側の隣接
層にナフタレン環を有する化合物を含有することを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0009】(2) 上記ナフタレン環を有する化合物
が水系のポリエステルであることを特徴とする前記1記
載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0010】(3) 上記ナフタレン環を有する水系の
ポリエステルが、その共重合成分にシクロヘキサン環を
有する化合物を1〜25mol%含有することを特徴と
する前記2記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0011】(4) 上記ナフタレン環を有する水系の
ポリエステルが、その共重合成分にエステル形成性芳香
族スルホン酸、若しくはそのエステル形成誘導体を1〜
20mol%含有することを特徴とする前記2又は3記
載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0012】(5) 主成分がポリエチレンナフタレー
トであるポリエステル支持体の少なくとも一方の側に磁
気記録層を少なくとも一層有する磁気記録媒体におい
て、該磁気記録層を設けた側の該支持体に隣接する層に
ナフタレン環を有する化合物を含有することを特徴とす
る磁気記録媒体。
【0013】(6) 上記ナフタレン環を有する化合物
が水系のポリエステルであることを特徴とする前記5記
載の磁気記録媒体。
【0014】(7) 上記ナフタレン環を有する水系の
ポリエステルが、その共重合成分にシクロヘキサン環を
有する化合物を1〜25mol%含有することを特徴と
する前記6記載の磁気記録媒体。
【0015】(8) 上記ナフタレン環を有する水系の
ポリエステルが、その共重合成分にエステル形成性芳香
族スルホン酸、若しくはそのエステル形成誘導体を1〜
20mol%含有することを特徴とする前記6又は7記
載の磁気記録媒体。
【0016】以下に本発明について詳述する。本発明の
ナフタレン環を含有する化合物としては、その側鎖にナ
フタレン環を有する化合物や主鎖にナフタレン環を有す
る化合物をあげることができるが、特にその共重合成分
にナフタレンジカルボン酸、スルホナフタレンジカルボ
ン酸やこれらのエステル形成誘導体即ち無水物若しくは
低級アルキルエステルを持ったポリエステルが好まし
い。
【0017】この本発明のポリエステルを合成する際の
酸類としては上記ナフタレン含有の酸に加えて、次のよ
うな酸を併用できる。エステル形成性芳香族カルボン酸
類;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−
ジメチルテフタル酸、ナフタレンジカルボン酸類、ビフ
ェニルカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
トリメリト酸、ピロメリト酸、トリメシン酸等であり、
又、エステル形成性芳香族スルホン酸類;スルホテレフ
タル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタ
ル酸、等であり又、メチレン基4〜8の飽和直鎖状脂肪
族ジカルボン酸類;アジピン酸、ピメリン酸、スペリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸等の酸から選んだ少くと
も一種の有機酸又はそのような酸のエステル形成性誘導
体即ち無水物若しくは低級アルキルエステル(アルキル
基中の炭素数10以下)、シクロヘキサンジカルボン酸
等が挙げられる。
【0018】これらのなかで特にエステル形成性芳香族
スルホン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸若しくはそ
れらのエステル形成誘導体を併用することが好ましい。
【0019】また、ポリエステルを合成する際のグリコ
ール類を以下に挙げる。エチレングリコール、1,2−
プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8
−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、スチレンオキシド、フェニル
グリシジルエーテル等である。この中でジエチレングリ
コール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオー
ル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等
が好ましい。
【0020】これらの中で、グリコール成分の一つにシ
クロヘキサンジオールを含むことがより好ましい。
【0021】次に、本発明に使用される主成分がポリエ
チレンナフタレートであるポリエステル支持体について
説明する。
【0022】本発明の支持体はジカルボン酸成分とジオ
ール成分を主要な構成成分とするポリエステルである。
【0023】主要な構成成分のジカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニル
ケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸な
どを挙げることができる。また、ジオール成分として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、テト
ラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロ
パン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,
9−ビス(4,4′−ジ−β−ヒドロキシエチル)フル
オレン、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙
げることができる。これらを主要な構成成分とするポリ
エステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性など
の点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び
/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分
として、エチレングリコール及び/又は1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエス
テルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、テレフタル
酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリ
コールからなるポリエステル及びこれらのポリエステル
の二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステ
ルが好ましい。また、本発明で述べる所の主成分がポリ
エチレンナフタレートであるポリエステルとは、ポリエ
ステルに対してエチレン−2,6−ナフタレートユニッ
トが70重量%以上含有していることを意味している。
【0024】本発明に係るポリエステルフィルムを構成
するポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲で
あれば、更に他の共重合成分が共重合されていても良い
し、他のポリエステルが混合されていても良い。これら
の例としては、先に挙げたジカルボン酸成分やジオール
成分、又はポリエステルを挙げることができる。
【0025】本発明に用いられるポリエステルには、ラ
イトパイピング現象を防止する目的で、染料を含有させ
ることが好ましい。このような目的で配合される染料と
しては、その種類に特に限定があるわけではないが、フ
ィルムの製造上、耐熱性に優れていることが必要であ
り、アンスラキノン系やペリノン系の染料が挙げられ
る。また、色調としては、一般の写真感光材料に見られ
るようにグレー染色が好ましい。
【0026】本発明のポリエステルフィルムの厚みは特
に限定がある訳ではないが、20〜125μm、特に4
0〜90μmであることが好ましい。
【0027】また、本発明のポリエステルフィルムは、
ヘーズが3%以下であることが好ましい。更に好ましく
は1%以下である。ヘーズが3%より大きいとフィルム
を写真感光材料用支持体として用いた場合、写真用印画
紙に焼付けた画像がぼけてしまい不鮮明になる。上記ヘ
ーズは、ASTM−D1003−52に従って測定した
ものである。
【0028】本発明のポリエステルフィルムのガラス転
移点Tgは、60℃以上が好ましく、更に70℃以上1
50℃以下が好ましい。Tgは示差走査熱量計で測定す
ることによって求められる。Tgがこの範囲にあること
で、現像処理機の乾燥工程でのフィルムが変形がなく、
現像処理後の巻きぐせカールの小さい感光材料が得られ
る。
【0029】次に、本発明のポリエステルフィルムの製
造方法について説明するが、特に限定される訳ではな
い。
【0030】未延伸シートを得る方法及び縦方向に一軸
延伸する方法は、従来公知の方法で行うことができる。
例えば、原料のポリエステルをペレット状に成型し、熱
風乾燥又は真空乾燥した後、溶融押出し、Tダイよりシ
ート状に押出して、静電印加法などにより冷却ドラムに
密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得る。次い
で、得られた未延伸シートを複数のロール群及び/又は
赤外線ヒーターなどの加熱装置を介してポリエステルの
TgからTg+100℃の範囲内に加熱し、一段又は多
段縦延伸する方法である。延伸倍率は、通常2.5倍〜
6倍の範囲で、続く横延伸が可能な範囲とする必要があ
る。
【0031】上記の様にして得られた縦方向に一軸延伸
されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tm(融点)−
20℃の温度範囲内で、横延伸し、次いで熱固定する。
横延伸倍率は通常3〜6倍であり、また、縦、横延伸倍
率の比は、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、
好ましい特性を有するように適宜調整する。一般には巾
方向と長手方向の物性をバランスさせることが好ましい
が、使用目的に応じて変化させても良い。この時、2つ
以上に分割された延伸領域で温度差を1〜50℃の範囲
で順次昇温しながら横延伸すると巾方向の物性の分布が
低減でき好ましい。更に横延伸後、フィルムを、その最
終横延伸温度以下でTg−40℃以上の範囲に0.01
〜5分間保持すると巾方向の物性の分布が更に低減でき
好ましい。
【0032】熱固定は、その最終横延伸温度より高温
で、Tm−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜30
0秒間熱固定する。この際、2つ以上に分割された領域
で温度差を1〜100℃の範囲で順次昇温しながら熱固
定することが好ましい。
【0033】熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで
冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし
巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上
の温度範囲内で、巾方向及び/又は長手方向に0.1〜
10%弛緩処理することが好ましい。また、冷却は、最
終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃以下の冷却
速度で徐冷することが好ましい。
【0034】これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件の
より最適な条件は、フィルムを構成するポリエステルに
より異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測
定し、好ましい特性を有するように適宜調整することに
より決定すればよい。
【0035】ポリエステルフィルムについては、巻癖を
低減するため種々の方法がとられる。例えば特開昭51
−16358号に記載されている様に、ポリエステルフ
ィルムのガラス転移点Tgを30℃乃至5℃下回る温度
で熱処理する方法がある。又、特開平1−131550
号には、逐次2軸延伸工程において、縦延伸と横延伸の
間でフィルム表裏に温度勾配をつけることで結晶性、配
向性の差を持たせて永久カールをつける方法が記載され
ている。又、製品として巻き取るときにカールと逆向き
に巻き取り製品貯蔵時につく経時カールと相殺する方法
や、延伸時に温度差を持たせて製膜したポリエステルフ
ィルムをガラス転移点以下50℃以上の温度で熱処理す
る方法も知られている。熱処理で効果的に巻癖が付きに
くくなる支持体は、ガラス転移点が90℃以上200℃
以下のポリエステルである。これは、この熱処理の効果
がガラス転移点を越える温度にさらされると消失するた
め、一般ユーザーが使用する際にさらされる最も高温
(夏季の車中の温度、80℃を越える場合もある。)を
基準として、90℃以上のガラス転移点を有することが
必要だからである。又、透明性を有しガラス転移点20
0℃を越える汎用ポリエステルフィルムは今のところ存
在しない。このようなポリエステルとして特に好ましい
ものはポリエチレンナフタレートを主成分とする支持体
である。該支持体は、ポリエチレンテレフタレート若し
くはその共重合物からなるフィルム又はこれらを原料と
する組成物からなるフィルムである。該支持体は、2軸
延伸後、熱固定処理して用いるのが好ましく、必要によ
り熱弛緩させてもよい。
【0036】この場合、熱処理は、50℃以上、ガラス
転移点温度以下の温度で0.1時間以上1500時間以
下行うことが必要である。このうち特に好ましい熱処理
方法は、例えば、ポリエチレンナフタレートの場合はT
gが約120℃であり、従って119℃以下の温度で
0.2〜72時間熱処理することが好ましく、更に好ま
しいのは115℃以下で24時間程度熱処理することで
ある。特に短時間で熱処理をするために、Tg以上に一
度昇温し、Tg近辺で徐々に冷却することが非常に効率
的で好ましい。ポリエチレンナフタレートの場合、一例
として、一度130℃以上200℃の間の温度に保った
後125℃まで冷却し、その後100℃まで40分間で
徐冷することで熱処理時間を著しく短縮できる。このよ
うな熱処理を行った支持体を示差熱分析計で測定する
と、Tg近傍に吸熱ピークが出現し、この吸熱ピークが
大きいほど巻癖は付きにくい。又、100mcal/g
以上、更には200mcal/g以上となるように熱処
理するのが好ましい。
【0037】また、本発明に係るポリエステルフィルム
支持体は、その表面が疎水性であるため通常はこれらの
下引層のみならず、各種表面処理を予め行うことによっ
てその接着性を補っている。このような表面処理とは、
コロナ放電処理、火陥処理、紫外線処理、高周波処理、
グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理など
の表面活性化処理の他、レゾルシン、フェノール類、ア
ルカリ、アミン、トリクロル酢酸などの薬品でエッチン
グ処理する方法が挙げられる。
【0038】表面活性化処理のうち、コロナ放電処理
は、最もよく知られている方法であり、従来公知の何れ
の方法、例えば特公昭48−5043号、同47−51
905号、特開昭47−28067号、同49−837
69号、同51−41770号、同51−131576
号等に開示された方法により達成することができる。
【0039】放電周波数は50Hz〜5000kHz、
好ましくは5kHz〜数100kHzが適当である。放
電周波数が小さすぎると、安定な放電が得られずかつ被
処理物にピンホールが生じ、好ましくない。また周波数
が高すぎると、インピーダンスマッチングのための特別
な装置が必要となり、装置の価格が大となり、好ましく
ない。被処理物の処理強度に関しては、通常のポリエス
テル、ポリオレフィン等のプラスチックフィルムの濡れ
性改良のためには、0.001kV・A・分/m2〜5
kV・A・分/m2、好ましくは0.01kV・A・分
/m2〜1kV・A・分/m2、が適当である。電極と誘
電体ロールのギャップクリアランスは0.5〜2.5m
m、好ましくは1.0〜2.0mmが適当である。
【0040】多くの場合、最も効果的な表面処理である
グロー放電処理は、従来知られている何れの方法、例え
ば特公昭35−7578号、同36−10336号、同
45−22004号、同45−22005号、同45−
24040号、同46−43480号、米国特許3,0
57,792号、同3,057,795号、同3,17
9,482号、同3,288,638号、同3,30
9,299号、同3,424,735号、同3,46
2,335号、同3,475,307号、同3,76
1,299号、英国特許997,093号、特開昭53
−129262号等を用いることができる。グロー放電
処理条件は、一般に圧力は0.005〜20Torr、
好ましくは0.02〜2Torrが適当である。圧力が
低すぎると表面処理効果が低下し、また圧力が高すぎる
と過大電流が流れ、スパークが起こりやすく、危険でも
あるし、被処理物を破壊する恐れもある。放電は、真空
タンク中で1対以上の空間を置いて配置された金属板或
いは金属棒間に高電圧を印加することにより生じる。こ
の電圧は、雰囲気気体の組成、圧力により色々な値をと
り得るものであるが、通常上記圧力範囲内では、500
〜5000Vの間で安定な定常グロー放電が起こる。接
着性を向上せしめるのに特に好適な電圧範囲は、200
0〜4000Vである。また、放電周波数として、従来
技術に見られるように、直流から数1000MHz、好
ましくは50Hz〜20MHzが適当である。放電処理
強度に関しては、所望の接着性能が得られることから
0.01kV・A・分/m2〜5kV・A・分/m2、好
ましくは0.15kV・A・分/m2〜1kV・A・分
/m2、が適当である。
【0041】本発明の感光材料のハロゲン化銀乳剤は、
例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.1
7643、22〜23頁(1978年12月)“I.乳
剤製造(Emulsion prepara−tion
and types)”及び同(RD)No.187
16、648頁、グラフキデ著『写真の物理と化学』ポ
ールモンテル社刊(P.Glafkides,Chem
ic et Phisique Photograph
ique,Paul Montel,1967)、ダフ
ィン著『写真乳剤化学』フォーカルプレス社刊(G.
F.Duffin,Photographic Emu
lsion Chemistry,Focal Pre
ss 1966)、ゼリクマンら著『写真乳剤製造と塗
布』フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman
et al,Making and Coating
Photographic Emulsion,Fo
cal Press,1964)などに記載された方法
を用いて調製することができる。
【0042】乳剤は米国特許3,574,628号明細
書、同3,665,394号明細書及び英国特許1,4
13,748号明細書に記載された単分散乳剤も好まし
い。
【0043】ハロゲン化銀乳剤には、物理熟成、化学熟
成及び分光増感を行うことができる。このような工程で
使用される添加剤は、RDNo.17643,同No.
18716及び同No.308119(それぞれ、以下
RD17643、RD18716及びRD308119
と略す)に記載されている。
【0044】本発明の写真感光材料がカラー写真感光材
料である場合、使用することができる写真用添加剤も上
記RDに記載されている。また、種々のカプラーを使用
することができ、その具体例もRD17643及びRD
308119に記載されている。
【0045】また、これら添加剤は、RD308119
1007頁 XIV項に記載されている分散法などによ
り、写真感光層に添加することができる。
【0046】カラー写真感光材料には、前述のRD30
8119 VII−K項に記載されているフィルター層や
中間層などの補助層を設けることができる。
【0047】カラー写真感光材料を構成する場合、前述
のRD308119 VII−K項に記載されている順
層、逆層、ユニット構成などの様々な層構成をとること
ができる。
【0048】この発明のハロゲン化銀写真感光材料を現
像処理するには、例えばT.H.ジェームズ著、セオリ
イ オブ ザ ホトグラフィック プロセス第4版(T
heTheory of The Photograf
ic Process Forth Edition)
第291頁〜第334頁及びジャーナル オブ ザアメ
リカン ケミカル ソサエティ(Journal of
the American Chemical So
ciety)第73巻、第3,100頁(1951)に
記載されている、それ自体公知の現像剤を使用すること
ができる。また、カラー写真感光材料は前述のRD17
643 28〜29頁,RD18716 615頁及び
RD308119 XIXに記載された通常の方法によっ
て、現像処理することができる。
【0049】次に、磁気記録層について説明する。本発
明の磁気記録層に用いられる磁性体微粉末としては、金
属磁性体粉末、酸化鉄磁性体粉末、Coドープ酸化鉄磁
性体粉末、二酸化クロム磁性体粉末、バリウムフェライ
ト磁性体粉末などが使用できる。これらの磁性体粉末の
製法は既知であり、本発明で用いられる磁性体粉末につ
いても公知の方法に従って製造することができる。
【0050】磁性体粉末の形状・サイズは特に制限はな
く、広く用いることができる。形状としては針状、米粒
状、球状、立方体状、板状など何れの形状を有するもの
であってもよいが、針状、板状であることが電磁変換特
性上好ましい。結晶子サイズ、比表面積ともにとくに制
限はない。磁性体粉末は表面処理されたものであっても
よい。例えば、チタン、珪素、アルミニウムなどの元素
を含む物質で表面処理されたものでもよいし、カルボン
酸、スルホン酸、硫酸エステル、ホスホン酸、燐酸エス
テル、ベンゾトリアゾールなどの含チッ素複素環をもつ
吸着性化合物のような有機化合物で処理されていてもよ
い。磁性体粉末のpHも特に制限はないが、5〜10の
範囲にあるのが好ましい。
【0051】実用的には、磁性体粉末の塗設量は0.0
01〜3g/m2であり、より好ましくは0.01〜1
g/m2である。
【0052】磁気記録層に用いるバインダーとしては、
従来、磁気記録媒体用として使用されている公知の熱可
塑性樹脂、放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、その他の
反応型樹脂及びこれらの混合物を使用することができ
る。
【0053】熱可塑性樹脂は、ガラス転移点Tgが−4
0℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃であるも
のであり、重量平均分子量は10,000〜300,0
00であるものが好ましく、更に好ましくは、重量平均
分子量が50,000〜200,000のものである。
【0054】本発明における磁気記録層のバインダーは
セルロースエステルを主成分とすることが好ましく、具
体的には、セルロースジアセテート、セルロースアセテ
ートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート
等のセルロースアセテート系;硝酸セルロース;硫酸セ
ルロース、及びそれらの混合エステル等があり、好まし
くはセルロースジアセテート、セルロースアセテートブ
チレート、セルロースアセテートプロピオネート、特に
はセルロースジアセテートである。
【0055】バインターは硬膜しても良い。使用できる
硬膜剤としては、アルデヒド系化合物類、ケトン化合物
類、反応性のハロゲンを有する化合物類、反応性のオレ
フィンを持つ化合物類、N−ヒドロキシメチルフタルイ
ミド、N−メチロール化合物、イソシアナート類、アジ
リジン化合物類、酸誘導体類、エポキシ化合物類、ハロ
ゲンカルボキシアルデヒド類及び無機化系硬膜剤を挙げ
ることができる。
【0056】硬膜剤は、通常、バインダーに対して0.
01〜30重量%用いられ、好ましくは0.05〜20
重量%である。
【0057】磁性体粉末は、必要に応じ溶剤を用いて結
合剤中に分散され、塗布液が形成される。磁性体粉末の
分散にはボールミル、ホモミキサー、サンドミルなどを
用いることができる。この場合、磁性体粒子を破損する
ことなく、できるだけ磁性体粒子一個一個をバラバラに
して分散することが好ましい。
【0058】光学的に透明な磁気記録層を形成する場合
には、結合剤は、磁性体粉末1重量部に対して1〜20
重量部用いるのが好ましい。更には好ましくは、磁性体
粉末1重量部に対して2〜15重量部である。また、溶
剤は塗布が容易に行えるような量で用いられる。
【0059】磁気記録層の厚みは、0.1〜10μmが
好ましく、より好ましくは0.2〜5μm、更に好まし
くは0.5〜3μmである。
【0060】磁気記録層を形成する塗布液には、磁気記
録層に、潤滑性の付与、帯電防止、接着防止、摩擦・磨
粍特性向上などの機能を持たせるために、潤滑剤、帯電
防止剤など種々の添加剤を添加することができる。ま
た、塗布液には他に、例えば、磁気記録層に柔軟性を与
えるために可塑剤を、塗布液中での磁性体の分散を助け
るために分散剤を、磁気ヘッドの目づまりを防止するた
めの研磨剤を添加することができる。
【0061】必要に応じて磁気記録層に隣接する最外層
に保護層を設けて耐傷性を向上させても良い。耐傷性の
付与のためには、一般的に滑り剤として知られる化合物
を用いることができるが、好ましくは高級脂肪酸エステ
ルが挙げられる。また、磁気記録層をストライプ状に設
ける場合、この上に磁性体を含有しない透明なポリマー
層を設けて、磁気記録層による段差をなくしても良い。
この場合、この透明なポリマー層に上記の各種の機能を
持たせてもよい。
【0062】近年、ハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、撮影(画像露光)後の現像処理や印画紙へのプリン
トをより効率よく高精度で行うために、撮影条件の情報
等をハロゲン化銀カラー感光材料に記録しておいて有効
利用しようとする提案がある。
【0063】米国特許4,947,196号及び国際公
開特許90/04254号には、写真フィルムの裏面に
磁気記録を可能とする磁性体粒子を含有した磁性層を有
するロール状フィルム及び磁気ヘッドを有する撮影用カ
メラが開示されている。上記改良技術によれば、磁性層
に感光材料の種類やメーカー等の識別情報、撮影時の条
件に係わる情報、顧客に関する情報、プリント条件に係
わる情報、プリント焼き増しの条件に係わる情報などを
フィルム上で磁気的に入/出力することにより、プリン
ト品質の向上、プリント作業の効率化、ラボ事務処理の
効率化等をはかることが可能となる。
【0064】即ち、支持体の一方の側に磁気記録媒体
を、他方の側に写真構成層を設けて磁気情報と光学的画
像情報を併せ持った画期的な記録媒体と言える。
【0065】本発明においても、支持体の一方の側に写
真構成層を、他方の側に磁気記録層を設ける構成にして
も有効である。
【0066】また、本発明においては、支持体の何れか
の側に少なくとも一層の帯電防止層を有することが好ま
しい。帯電防止層に含まれる導電性材料に特に制限はな
いが、金属酸化物を主成分とすることが好ましい。
【0067】金属酸化物の例としては、Nb25+xのよ
うな酸素過剰な酸化物、RhO2-x、Ir23-x等の酸
素欠損酸化物、或いはNi(OH)xのような不定比水
酸化物、HfO2、ThO2、ZrO2、CeO2、Zn
O、TiO2、SnO2、Al2O3、In23、SiO2
MgO、BaO、MoO2、V25等、或はこれらの複
合酸化物が好ましく、特にZnO、TiO2及びSnO2
が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnO
に対してはAl、In等の添加、TiO2に対してはN
b、Ta等の添加、又SnO2に対しては、Sb、N
b、ハロゲン元素等の添加が効果的である。これら異種
原子の添加量は0.01mol%〜25mol%の範囲
が好ましいが、0.1mol%〜15mol%の範囲が
特に好ましい。
【0068】金属酸化物の粒子サイズは特に制限はない
が、1次粒子の大きさが10μm以下が好ましく、更に
好ましくは5μm以下、特に1μm以下が好ましい。
【0069】粒子サイズに関しては、沈降法、レーザー
回折法などによる粒度分布計の測定により求められた平
均粒子径を採用するのが好ましいが、電子顕微鏡写真よ
り粒子径を決定してもよい。しかし電子顕微鏡を採用し
た場合には、視野内において高次構造を形成している場
合には、高次構造の単位で計測する。
【0070】金属酸化物粒子のバインダーに対する添加
量は特に制限はないが、50vol%以下が好ましく、
更に好ましくは40vol%以下、更には30vol%
以下が好適である。
【0071】また、これらの金属酸化物粒子の体積抵抗
率は1010Ωcm以下好ましくは107Ωcm特に105
Ωcm以下であることが好ましい。
【0072】体積抵抗率の値に関しては、大きな単結晶
の得られる酸化物の場合には、単結晶の体積固有抵抗の
値を意味し、大きな単結晶の得られない場合は、粉体を
成形して得られた焼結体の体積固有抵抗を意味する。こ
れらの値が未知の場合には、粉体の状態で一定圧力をか
けて得られた成形体の体積固有抵抗を102で除した値
を採用する。一定圧力については、特に制限をしない
が、好ましくは10kg/cm2以上の圧力が良く、更
に好ましくは、100kg/cm2以上の圧力をかけて
成形した材料の体積固有抵抗を102で除した値を採用
する。一般に粉体にかけられた圧力とその成形体の体積
固有抵抗に関しては、圧力が高くなると、体積固有抵抗
が低くなる傾向にある。しかし、静水圧加圧装置で3t
/cm2の等方圧をかけた場合でも、単結晶で得られる
体積固有抵抗値よりも低い値は得られず、100倍程度
高い値となる。ゆえに、粉体の状態で一定圧力をかけて
得られた成形体の体積固有抵抗を102で除した値を採
用する。
【0073】帯電防止層のバインダーは特に制限はない
が、水溶性ポリマー、セルロースエステル、ラテックス
ポリマー、水溶性ポリエステルなどの親水性バインダー
が好ましい。水溶性ポリマーとしては、ゼラチン、ゼラ
チン誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸共
重合体、無水マレイン酸共重合体などであり、セルロー
スエステルとしては、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシメチルセルロースなどである。ラテックスポリ
マーとしては、塩化ビニル共重合体、アクリル酸エステ
ル共重合体、酢酸ビニル共重合体、ブタジエン共重合体
などである。
【0074】帯電防止層は硬膜することができる。使用
できる硬膜剤としては、アルデヒド系化合物類、ケトン
化合物類、反応性のハロゲンを有する化合物類、反応性
のオレフィンを持つ化合物類、N−ヒドロキシメチルフ
タルイミド、N−メチロール化合物、イソシアナート
類、アジリジン化合物類、酸誘導体類、エポキシ化合物
類、ハロゲンカルボキシアルデヒド類及び無機化合物系
硬膜剤を挙げることができる。
【0075】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0076】実施例1 《支持体の作成》2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメ
チル 100重量部、エチレングリコール 60重量部
にエステル交換触媒として酢酸カルシウム水和物 0.
1重量部を添加し、常法に従ってエステル交換反応を行
った。得られた生成物に、三酸化アンチモン 0.05
重量部、リン酸トリメチルエステル 0.03重量部を
添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、290℃、
0.05mmHgの条件で重合を行ない固有粘度0.6
0のポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た。
【0077】これを、150℃で8時間真空乾燥した
後、300℃でTダイから層状に溶融押出し、50℃の
冷却ドラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化さ
せ、未延伸シートを得た。この未延伸シートをロール式
縦延伸機を用いて、135℃で縦方向に3.3倍延伸し
た。
【0078】得られた一軸延伸フィルムをテンター式横
延伸機を用いて、第一延伸ゾーン145℃で総横延伸倍
率の50%延伸し、更に第二延伸ゾーン155℃で総横
延伸倍率3.3倍となるように延伸した。次いで、10
0℃で2秒間熱処理し、更に第一熱固定ゾーン200℃
で5秒間熱固定し、第二熱固定ゾーン240℃で15秒
間熱固定した。次いで、横方向に5%弛緩処理しながら
室温まで30秒かけて徐冷して、厚さ85μmのポリエ
チレンナフタレートフィルムを得た。
【0079】これをステンレス製のコアに巻き付け、1
10℃で48時間熱処理して支持体(PEN)を作成し
た。
【0080】更に、厚さ90μmのポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルムを用意した。
【0081】この支持体の両面に12W/m2/min
のコロナ放電処理を施し、一方の面に下引塗布液B−1
を乾燥膜厚0.4μmになるように塗布し、その上に1
2W/m2/minのコロナ放電処理を施し、下引塗布
液B−2を乾燥膜厚0.06μmになるように塗布し
た。
【0082】12W/m2/minのコロナ放電処理を
施した他方の面には、それぞれ、下引塗布液B−3〜B
−7の何れかを150mg/m2塗布し、その上に12
W/m2/minのコロナ放電処理を施し、導電層塗布
液A−1を乾燥膜厚0.2μmになるように塗設した。
【0083】各層はそれぞれ塗布後90℃で10秒間乾
燥し、4層塗布後引き続いて110℃で2分間熱処理を
行った後、50℃で30秒間冷却処理を行った。
【0084】更に、B−1、B−2を設けた側に、以下
のハロゲン化銀乳剤層、乳剤保護層を、A−1を設けた
側にバッキング層を塗設し、表1に示すようにサンプル
101〜107を作製した。
【0085】 〈下引塗布液B−1〉 ブチルアクリレート30重量%,t−ブチルアクリレート20重量%, スチレン25重量%,及び2−ヒドロキシエチルアクリレート 25重量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 125g 化合物(UL−1) 0.4g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 1.0g 水で仕上げる 1000ml 〈下引塗布液B−2〉 ゼラチン 10g 化合物(UL−1) 0.2g 化合物(UL−2) 0.2g 化合物(UL−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径:3μm) 0.1g 水で仕上げる 1000ml 〈下引塗布液B−3〉 水系ポリエステル WD SIZE (イーストマンケミカル社製)(30重量%) 123g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン(2重量%)37g スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)エステルナトリウム塩(5重量%) 2g 水で仕上げる 1000ml 〈下引塗布液B−4〉 ブチルアクリレート40重量%、スチレン20重量%、 グリシジルメタクリレート40重量%(固形分30%) 125g 化合物(UL−1) 0.4g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 1.0g 水で仕上げる 1000ml 〈下引塗布液B−5〉 本発明水系ポリエステル:2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル 38重量%、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸5重量%、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸7重量%、エチレングリコール 35重量%、1,4−シクロヘキサンジメタノール15重量%の 共重合体(固形分15%) 250g 化合物(UL−1) 0.4g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 1.0g 水で仕上げる 1000ml 〈下引塗布液B−6〉 本発明水系ポリエステル:2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル 20重量%、イソフタル酸ジメチル15重量%、 1,4−シクロヘキサンジカルボン酸10重量%、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸5重量%、エチレングリコール 50重量%の共重合体(固形分15%) 250g 化合物(UL−1) 0.4g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 1.0g 水で仕上げる 1000ml 〈下引塗布液B−7〉 本発明水系ポリエステル:2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル 20重量%、イソフタル酸ジメチル14重量%、 1,4−シクロヘキサンジカルボン酸10重量%、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸6重量%、エチレングリコール 35重量%、1,4−シクロヘキサンジメタノール15重量%の共重合体 (固形分15%) 250g 化合物(UL−1) 0.4g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 1.0g 水で仕上げる 1000ml 〈導電層塗布液A−1〉 酸化スズ−酸化アンチモン複合微粒子(平均粒径0.2μm) 44g 水分散液A(下記記載) 109g 化合物(UL−1) 0.4g 水で仕上げる 1000ml 水分散液A:ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジメ
チル60モル%、イソフタル酸ジメチル30モル%、5
−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム塩10モル
%、グリコール成分としてエチレングリコール50モル
%、ジエチレングリコール50モル%を常法により共重
合した。この共重合体Aを95℃の熱水中で3時間攪拌
し、15重量%の水分散液Aとした。
【0086】
【化1】
【0087】(ハロゲン化銀の作成)pH3.0の酸性
雰囲気下でコントロールダブルジェット法によりロジウ
ムを銀1モル当たり10-5モル含有する臭化銀粒子を作
成した。粒子の成長は、ベンジルアデニンを1%のゼラ
チン水溶液1l当たり30mg含有する系で行った。銀
とハライドの混合後6−メチル−4−ヒドロキシ−1,
3,3a,7テトラザインデンをハロゲン化銀1モル当
たり600mg加え、その後水洗、脱塩した。
【0088】次いで、ハロゲン化銀1モル当たり60m
gの6−メチル−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−
テトラザインデンを加えた後、イオウ増感をした。イオ
ウ増感後安定剤として6−メチル−4−ヒドロキシ−
1,3,3a,7−テトラザインデンを加えた。
【0089】(ハロゲン化銀乳剤層)前記各乳剤に添加
剤を下記の付量になるよう調整添加し、表1に示す各支
持体上に塗布した。
【0090】 ラテックスポリマー:スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸3元共重合 ポリマー 1.0g/m2 テトラフェニルホスホニウムクロライド 30mg/m2 サポニン 200mg/m2 ポリエチレングリコール 100mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 100mg/m2 ハイドロキノン 200mg/m2 フェニドン 100mg/m2 スチレンスルホン酸ナトリウム−マレイン酸重合体(Mw=25万) 200mg/m2 没食子酸ブチルエステル 500mg/m2 5−メチルベンゾトリアゾール 30mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸 30mg/m2 イナートオセインゼラチン(等電点4.9) 1.5g/m2 1−(p−アセチルアミドフェニル)−5メルカプトテトラゾール 30mg/m2 銀量 2.8g/m2 テトラゾリウム化合物 20mg/m2 (乳剤層保護膜)乳剤層保護膜として、下記の付量にな
るよう調製塗布した。
【0091】 弗素化ジオクチルスルホコハク酸エステル 300mg/m2 マット剤:ポリメタクリル酸メチル(平均粒径3.5μm) 100mg/m2 硝酸リチウム塩 30mg/m2 酸処理ゼラチン(等電点7.0) 1.2g/m2 コロイダルシリカ 50mg/m2 スチレンスルホン酸ナトリウム−マレイン酸共重合体 100mg/m2 媒染剤 30mg/m2 染料 30mg/m2
【0092】
【化2】
【0093】(バッキング層)乳剤層とは反対側の上述
した下引済みの表1に示す支持体に、下記組成のバッキ
ング染料を含有するバッキング層を塗布した。ゼラチン
層はグリオキザール及び1−オキシ−3,5−ジクロロ
−S−トリアジンナトリウム塩で硬膜した。
【0094】 (バッキング層) ハイドロキノン 100mg/m2 フェニドン 30mg/m2 ラテックスポリマー:ブチルアクリレート−スチレン共重合体 0.5g/m2 スチレン−マレイン酸共重合体 100mg/m2 クエン酸 40mg/m2 ベンゾトリアゾール 100mg/m2 スチレンスルホン酸−マレイン酸共重合体 100mg/m2 硝酸リチウム塩 30mg/m2 バッキング染料(a) 40mg/m2 バッキング染料(b) 30mg/m2 バッキング染料(c) 30mg/m2 オセインゼラチン 2.0g/m
【0095】
【化3】
【0096】得られたサンプルのフィルムクリーナー耐
性、接着性を以下の方法で評価した。
【0097】フィルムクリーナー耐性 サンプルのバッキング層側表面をフィルムクリーナー
(PEC−12,Photographic Solu
tion社製)を浸した綿棒でこすり、その状態を下記
の3段階で評価した。
【0098】A:30パスでも変化なし B:10から30パスでハクリが生じる C:10パス未満でハクリが生じる 接着性 23℃、80%RHの環境下でサンプルを24時間放
置。その後、同じ環境下で、サンプルのバッキング層側
表面にカミソリで45度の角度で切れ目をいれ、この上
に粘着テープをはりつけて180度方向にすばやく引き
剥す。そのハクリ状態を以下の3段階で評価した。
【0099】A:未ハクリ部分が90%以上 B:未ハクリ部分が60%以上 C:未ハクリ部分が60%以下。
【0100】結果を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】この結果から分かるように、本発明の水系
ポリエステルはPENフィルムにおいても接着性にすぐ
れ、また、フィルムクリーナー耐性にも優れる。
【0103】実施例2 乳剤層として市販されているコニカ(株)製カラーネガ
フィルム コニカカラーLV400と同一の写真乳剤層
を、バッキング層のかわりとして磁気記録層塗布液M−
1、滑り層塗布液O−1をそれぞれ乾燥膜厚0.8μ
m、0.02μmに塗布した以外は実施例1と同様にし
て、表2記載のようにサンプル201〜207を作製し
た。
【0104】〈塗布液M−1〉ジアセチルセルロース8
2g、Co被着γ−Fe23(長軸0.8μm、Fe2+
/Fe3+=0.2、Hc=600エルステッド)6.6
g及びα−アルミナ(平均粒径0.5μm)4g、アセ
トン990g及びシクロヘキサノン110gを混合し、
ディゾルバーで1時間混和し、その後サンドミルで2時
間分散して分散液とした。
【0105】 〈塗布液O−1〉 カルナウバワックス 7g トルエン 700g メチルエチルケトン 300g (磁気ヘッド耐傷性)各サンプル、現像前と下記現像処
理後について、HEIDONN−14DR(新東科学
(株)製)を用いてヘッド荷重300g、速度100m
m/秒で磁気記録層を設けた側の表面を100パスさせ
る。その後、傷の状態を下記の3段階で評価した。
【0106】 ○:きずなし △:弱い傷 ×:強い傷。
【0107】結果を表2に示す。
【0108】
【表2】
【0109】この結果から分かるように、本発明の水系
ポリエステルはPENフィルムにおいても磁気ヘッドに
よる耐傷性に優れる。
【0110】
【発明の効果】本発明により、接着性、フィルムクリー
ナー耐性に優れたポリエチレンナフタレートを主成分と
した支持体を有するハロゲン化銀写真感光材料、及び、
磁気ヘッドの通過に対する耐傷性に優れたポリエチレン
ナフタレートを主成分とした支持体を有する磁気記録媒
体を得た。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分がポリエチレンナフタレートであ
    るポリエステル支持体の少なくとも一方の側に感光性ハ
    ロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層有する写真感光材料
    において、該支持体の少なくとも一方の側の隣接層にナ
    フタレン環を有する化合物を含有することを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 上記ナフタレン環を有する化合物が水系
    のポリエステルであることを特徴とする請求項1記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 上記ナフタレン環を有する水系のポリエ
    ステルが、その共重合成分にシクロヘキサン環を有する
    化合物を1〜25mol%含有することを特徴とする請
    求項2記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 上記ナフタレン環を有する水系のポリエ
    ステルが、その共重合成分にエステル形成性芳香族スル
    ホン酸、若しくはそのエステル形成誘導体を1〜20m
    ol%含有することを特徴とする請求項2又は3記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 主成分がポリエチレンナフタレートであ
    るポリエステル支持体の少なくとも一方の側に磁気記録
    層を少なくとも一層有する磁気記録媒体において、該磁
    気記録層を設けた側の該支持体に隣接する層にナフタレ
    ン環を有する化合物を含有することを特徴とする磁気記
    録媒体。
  6. 【請求項6】 上記ナフタレン環を有する化合物が水系
    のポリエステルであることを特徴とする請求項5記載の
    磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記ナフタレン環を有する水系のポリエ
    ステルが、その共重合成分にシクロヘキサン環を有する
    化合物を1〜25mol%含有することを特徴とする請
    求項6記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記ナフタレン環を有する水系のポリエ
    ステルが、その共重合成分にエステル形成性芳香族スル
    ホン酸、若しくはそのエステル形成誘導体を1〜20m
    ol%含有することを特徴とする請求項6又は7記載の
    磁気記録媒体。
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