JPH09204004A - 写真用ポリエステルフィルム支持体およびその製造方法 - Google Patents

写真用ポリエステルフィルム支持体およびその製造方法

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JPH09204004A
JPH09204004A JP8012850A JP1285096A JPH09204004A JP H09204004 A JPH09204004 A JP H09204004A JP 8012850 A JP8012850 A JP 8012850A JP 1285096 A JP1285096 A JP 1285096A JP H09204004 A JPH09204004 A JP H09204004A
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JP
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polyester film
film
layer
polyester
photographic
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JP8012850A
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Takatoshi Yajima
孝敏 矢島
Masami Yamaguchi
真美 山口
Makoto Honda
本田  誠
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度が大きく、かつバック層との接着
力が改良された写真用ポリエステルフィルム支持体およ
びその製造方法の提供。 【解決手段】 写真用ポリエステルフィルム支持体を製
造するに際して、該ポリエステルフィルムは回転する冷
却ドラム上にシート状にポリエステルを溶融押出し、冷
却ドラムおよび冷却ドラムに対面して設置された補助冷
却装置により強制的に冷却固化させた後、二軸延伸を完
了し、続いて熱固定することにより形成され、バック層
を有していることを特徴とする写真用ポリエステルフィ
ルム支持体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラの小型化や磁
気情報の入出力機能の付与を可能とする写真用ポリエス
テルフィルム支持体およびその製造方法に関し、特にバ
ック層との接着力が改良された写真用ポリエステルフィ
ルム支持体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真感光材料(以下、単に感光材
料ともいう)への要求は多様化しており、特にカメラの
小型化や磁気情報の入出力機能の付与に対する要求があ
る。
【0003】カメラの小型化には、写真感光材料の薄膜
化が効果的であるが、従来から使われてきたトリアセチ
ルセルロースフィルム(以下TACフィルム)は、機械
的強度が小さいため薄膜化ができず、支持体としては用
いることができなかった。これに代わる新たな支持体用
のポリマーフィルムとして、機械的強度が大きいポリエ
チレンナフタレンジカルボキシレートフィルム(以下P
ENフィルム)が提案されている(公開技報94−60
23)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、PENフィ
ルムはもともと耐薬品性や耐溶剤性に優れていることに
加え、磁気記録の入出力の際に磁気ヘッドに接触しなが
ら搬送されるという従来の写真感光材料にはなかった厳
しい要求性能に対して、バック層とPENフィルムの接
着力が必ずしも十分ではなく、磁気情報の入出力の際に
磁気ヘッドとバック層が強く接触した場合などに、バッ
ク層がPENフィルムから剥がれてしまうという問題が
あった。
【0005】従って本発明の目的は、機械的強度が大き
く、かつバック層との接着力が改良された写真用ポリエ
ステルフィルム支持体およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成により達成される。
【0007】1.写真用ポリエステルフィルム支持体を
製造するに際して、該ポリエステルフィルムは回転する
冷却ドラム上にシート状にポリエステルを溶融押出し、
冷却ドラムおよび冷却ドラムに対面して設置された補助
冷却装置により強制的に冷却固化させた後、二軸延伸を
完了し、続いて熱固定することにより形成され、バック
層を有していることを特徴とする写真用ポリエステルフ
ィルム支持体の製造方法。
【0008】2.前記補助冷却装置による冷却が、空気
を吹き付けることにより冷却する空冷方式であることを
特徴とする前記1に記載の写真用ポリエステルフィルム
支持体の製造方法。
【0009】3.前記ポリエステルフィルムが、さらに
Tg−30℃以上Tg以下で熱処理されていることを特
徴とする前記1又は2に記載の写真用ポリエステルフィ
ルム支持体の製造方法(但しTgはポリエステルフィル
ムのガラス転移温度である)。
【0010】4.前記ポリエステルがポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートを70重量%以
上含有していることを特徴とする前記1、2又は3に記
載の写真用ポリエステルフィルム支持体の製造方法。
【0011】5.前記ポリエステルフィルムの厚さが2
0μm以上125μm以下であることを特徴とする前記
1、2、3又は4に記載の写真用ポリエステルフィルム
支持体の製造方法。
【0012】6.ポリエステルフィルムのエアー面に前
記バック層が塗設されることを特徴とする前記1、2、
3、4又は5に記載の写真用ポリエステルフィルム支持
体の製造方法。
【0013】7.前記1〜6の何れか1項に記載の写真
用ポリエステルフィルム支持体の製造方法により製造さ
れることを特徴とする写真用ポリエステルフィルム支持
体。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明のポリエステルフィルムを構成する
ポリエステルは、特に限定されるものではないが、ジカ
ルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフ
ィルム形成性を有するポリエステルであることが好まし
い。
【0016】主要な構成成分のジカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニル
ケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸な
どを挙げることができる。また、ジオール成分として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、テト
ラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロ
パン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
フェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジ
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイド
ロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることが
できる。
【0017】これらを主要な構成成分とするポリエステ
ルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点か
ら、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び/また
は2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分とし
て、エチレングリコール及び/または1,4−シクロヘ
キサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステ
ルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートま
たはポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタ
ル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリ
コールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポ
リエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とする
ポリエステルが好ましい。ポリエステルに対してポリエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが70
重量%以上含有していると、透明性、機械的強度、寸法
安定性などに高度に優れたフィルムが得られる。
【0018】本発明のポリエステルフィルムを構成する
ポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲であれ
ば、さらに他の共重合成分が共重合されていても良い
し、他のポリエステルが混合されていても良い。これら
の例としては、先に挙げたジカルボン酸成分やジオール
成分、またはそれらから成るポリエステルを挙げること
ができる。
【0019】本発明のポリエステルフィルムを構成する
ポリエステルには、フィルムのデラミネーションを起こ
し難くするため、スルホネート基を有する芳香族ジカル
ボン酸またはそのエステル形成誘導体、ポリオキシアル
キレン基を有するジカルボン酸またはそのエステル形成
誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジオールなど
を共重合してもよい。中でもポリエステルの重合反応性
やフィルムの透明性の点で、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナ
トリウムスルホフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,
6−ナフタレンジカルボン酸およびこれらのナトリウム
を他の金属(例えばカリウム、リチウムなど)やアンモ
ニウム塩、ホスホニウム塩などで置換した化合物または
そのエステル形成性誘導体などが好ましい。この目的で
共重合される割合としては、ポリエステルを構成する二
官能性ジカルボン酸を基準として、0.1〜10モル%
が好ましい。
【0020】また、本発明のポリエステルフィルムの耐
熱性を向上する目的では、ビスフェノール系化合物、ナ
フタレン環またはシクロヘキサン環を有する化合物を共
重合することができる。これらの共重合割合としては、
ポリエステルを構成する二官能性ジカルボン酸を基準と
して、1〜20モル%が好ましい。
【0021】本発明のポリエステルには、ライトパイピ
ング現象を防止する目的で、染料を含有させることが好
ましい。このような目的で配合される染料としては、そ
の種類に特に限定があるわけではないが、本発明のポリ
エステルフィルムの製造上、耐熱性に優れていることが
必要であり、アンスラキノン系やペリノン系の染料が挙
げられる。また、色調としては、一般の写真感光材料に
見られるようにグレー染色が好ましい。これらの染料と
しては、Bayer社製のMACROLEXシリーズ、
住友化学株式会社製のSUMIPLASTシリーズ、三
菱化成株式会社製のDiaresinシリーズなどの中
から一種単独で、もしくは二種以上の染料を必要な色調
となるように混合して用いることができる。この際、フ
ィルムの分光透過率を400〜700nmの波長範囲で
50%以上85%以下とするように染料を用いること
が、ライトパイピング現象を防止し、かつ良好な写真プ
リントを得る上で好ましい。
【0022】本発明のポリエステルフィルムには、必要
に応じて易滑性を付与することもできる。易滑性付与手
段としては、特に限定はないが、ポリエステルに不活性
無機粒子を添加する外部粒子添加方法、ポリエステルの
合成時に添加する触媒を析出させる内部粒子析出方法、
あるいは界面活性剤などをフィルム表面に塗布する方法
などが一般的である。これらの中でも、析出する粒子を
比較的小さくコントロールできる内部粒子析出方法が、
フィルムの透明性を損なうことなく易滑性を付与できる
ので好ましい。触媒としては、公知の各種触媒が使用で
きるが、特にCa、Mnを使用すると高い透明性が得ら
れるので好ましい。これらの触媒は一種でも良いし、二
種以上を併用しても良い。
【0023】本発明のポリエステルフィルムは異種のポ
リエステルからなる多層構成であっても良い。例えば、
エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートユニ
ットを主構成成分とするポリエステルからなる層をA
層、他のポリエステルからなる層をB層あるいはC層と
した場合、A層とB層とからなる二層構成でも良いし、
A層/B層/A層、A層/B層/C層、B層/A層/B
層またはB層/A層/C層などの三層構成でも良い。さ
らに四層以上の構成であってもかまわない。A層の厚み
は、ポリエステルフィルムの全体の厚みに対し、30%
以上の厚みであることが好ましく、さらに50%以上の
厚みであることが好ましい。B層あるいはC層を構成す
るポリエステルとして、透明性、機械的強度、寸法安定
性などの優れたポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレンジカルボキシレートあるいは他のホモポ
リエステル、あるいは他の共重合ポリエステルを用いる
ことで、A層単独では得られない、その他のポリマーの
特性を付与することができる。さらに、本発明のポリエ
ステルフィルムが多層構成を有する場合は、上記のライ
トパイピング防止、易滑性などの機能付与、または紫外
線吸収剤などの上記以外の各種添加剤は、表面層のみに
添加すればよいので、フィルムの透明性を高く維持でき
る。
【0024】本発明のポリエステルフィルムの原料のポ
リエステルの合成方法は、特に限定があるわけではな
く、従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造で
きる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分と直接
エステル化反応させる直接エステル化法、初めにジカル
ボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これと
ジオール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下
で加熱して余剰のジオール成分を除去することにより重
合させるエステル交換法を用いることができる。この
際、必要に応じてエステル交換触媒あるいは重合反応触
媒を用い、あるいは耐熱安定剤を添加することができ
る。また、合成時の各過程で着色防止剤、酸化防止剤、
結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫
外線吸収剤、粘度調節剤、消泡剤、透明化剤、帯電防止
剤、pH調整剤、染料、顔料などを添加させてもよい。
【0025】本発明のポリエステルフィルムは、下記の
方法で求めたフィルムの巻ぐせカールが110m-1以下
であることが好ましい。フィルムの巻ぐせカールがあま
り大きいと、写真感光材料の現像処理工程で、プレスプ
ライス工程の搬送性や仕分け作業時の作業性が劣る。ま
た、巻ぐせカールは適度にある方が、フィルムカートリ
ッジからフィルム先端部を出させるのが容易となり、い
わゆるベロ出し性に優れるので好ましい。従って、本発
明のポリエステルフィルムの巻ぐせカールのより好まし
い範囲は5〜90m-1である。
【0026】〈巻ぐせカール〉幅35mm、長さ120
0mmの寸法の写真感光材料を、23℃、55%RHの
条件下で1日調湿した後、その写真感光層側を内側にし
て直径7mmの巻き芯に巻き付け戻らないように固定す
る。次いで、このフィルムをポリエチレン製のパトロー
ネケースに入れ、50℃、20%RHの条件下で4時間
加熱処理し、さらに23℃、55%RHの条件下で1時
間放冷する。その後フィルムを巻き芯から解放し、フィ
ルムの巻きの外側の端を上にしてクリップでつまみ、ぶ
らさげる。この状態でさらに、23℃、55%RHの条
件下で1時間放置する。こうした後、フィルムの下端の
巻ぐせカールの程度を曲率半径の逆数で求める。単位は
-1である。
【0027】本発明のポリエステルフィルムには、幅方
向のカール(いわゆるアンチカール)を付与すること
が、写真印画紙への焼付け工程で、すり傷の発生やピン
トのぼけなどの問題がない写真感光材料を得る上で好ま
しい。なお、フィルムのカールの凸側に写真感光層を設
け、かつその面を内側にして巻いた場合にその効果が発
揮される。
【0028】この様な目的でフィルムに付与するカール
の程度は、設ける写真感光層の厚み、弾性率、吸湿膨張
係数などにより変化するので一概に決められないが、写
真感光材料としたときに写真感光層側が凸にならない範
囲でできるだけフラットになるように付与すればよく、
通常、23℃、20%RHの条件下で5m-1〜50m-1
である。なお、カールの程度は、以下の様にして求めた
値である。
【0029】〈幅方向のカール度〉フィルムから幅35
mm、長さ2mmの寸法に切出した試験片を、23℃、
20%RHの条件下で1日調湿した後、サンプルの幅方
向のカールの曲率半径をメートルで求め、その逆数で幅
方向のカール度を表す。単位はm-1である。
【0030】フィルムに幅方向のカールを付与する方法
は、特に限定があるわけではなく、例えば、吸湿膨張係
数の異なる層を積層する方法、共重合成分や主構成成分
の異なるポリエステルを積層する方法、固有粘度の異な
る同種または異種のポリエステルを積層する方法、さら
に三層構成とし、両外層の厚みを変化させる方法、表裏
の延伸条件や熱固定条件を変化させフィルムの厚み方向
で分子配向や結晶化度の分布を持たせる方法などが挙げ
られる。また、レゾルシンなどで薬液処理する方法など
も挙げられる。
【0031】また、本発明のポリエステルフィルムは、
ヘーズが3%以下であることが好ましい。さらに好まし
くは1%以下0.1%以上である。ヘーズが3%より大
きいとポリエステルフィルムを写真感光材料用支持体と
して用いた場合、写真用印画紙に焼付けた画像がぼけて
しまい不鮮明になる。ヘーズがあまり小さすぎるとフィ
ルムの取扱い性が著しく悪くなる。上記ヘーズは、AS
TM−D1003−52に従って測定したものである。
【0032】本発明のポリエステルフィルムのTgは、
60℃以上が好ましく、さらに70℃以上が好ましい。
Tgは示差走査熱量計で測定するところのベースライン
が偏奇し始める温度と、新たにベースラインに戻る温度
との平均値として求められる。Tgがこの値以上である
と、現像処理機の乾燥工程でのポリエステルフィルムが
変形がない感光材料が得られる。
【0033】本発明のポリエステルフィルムの厚みは、
20μm以上125μm以下が好ましく、更に40μm
以上90μm以下であることが好ましい。この範囲より
薄いと、必要な強度が得られない場合があり、厚いと従
来の写真感光材料用支持体に対しての優位性がなくなっ
てしまうし、本発明の効果が十分に得られないことがあ
る。
【0034】次に、本発明のポリエステルフィルムの製
造方法を図1を用いて説明する。
【0035】図1は本発明にされるポリエステル製造装
置の一部の一例を示す断面図である。
【0036】本発明では、溶融キャスティング方法によ
り、未延伸シートを得る。つまり、原料のポリエステル
をペレット状に成型し、熱風乾燥または真空乾燥した
後、溶融押出し、Tダイ1よりシート状に押出して、静
電密着装置2により冷却ドラム4に密着させ、冷却固化
させ、未延伸ポリエステルフィルムシート6を得る方法
である。本発明では、この際に、溶融ポリエステルを冷
却ドラム4および冷却ドラム4に対面して設置された補
助冷却装置3により強制的に冷却固化させる点に特徴が
ある。つまりキャスティング時の冷却ドラム4面に密着
した面の反対側の面(以下エアー面と呼ぶこともある)
の冷却を促進することである。5はガイドロールであ
る。
【0037】本発明に好ましく用いられる溶融キャステ
ィング方法は、特に限定はなく、従来公知の方法で実施
できる。
【0038】また、本発明の補助冷却装置3およびその
方法は特に限定はなく、気体、液体、ロールなどを媒体
にして冷却すればよい。例えば特開平3−239525
号、特開平3−147816号、特開平3−21992
8号、特開平4−47621号などにより実施すること
ができる。特に空冷により冷却する方法が未延伸シート
の厚みプロファイルを自由に制御することができポリエ
ステルフィルム6の厚みむらを小さく抑えられるので好
ましい。空冷装置としては幅方向のスリットを複数備え
たエアチャンバーなどが挙げられる。
【0039】補助冷却が空冷方式の場合、冷却による熱
伝達係数は、20(kcal/m2・h・℃)以上から
効果が得られ、高い程大きな効果が得られるが、あまり
高すぎると、溶融ポリマーがキャスティングドラムに密
着する際に振動してしまい、厚みむらが劣化する場合が
ある。従って20(kcal/m2・h・℃)以上20
0(kcal/m2・h・℃)以下が好ましく、更に3
0(kcal/m2・h・℃)以上100(kcal/
2・h・℃)以下が好ましい。
【0040】冷却を実施する範囲は、ポリエステルのエ
アー面側の温度が、Tm−50℃以下からTg+30℃
以上である範囲を冷却すればよく、更にTm以下からT
g以上までの範囲を行うことが好ましい(ここでTm
は、ポリエステルの結晶融点、Tgポリエステルのガラ
ス転移温度である)。
【0041】ポリエステルを積層する場合も、従来公知
の方法でよい。例えば、複数の押出機およびフィードブ
ロック式ダイあるいはマルチマニフォールド式ダイによ
る共押出法、積層体を構成する単層フィルムまたは積層
フィルム上に積層体を構成するその他の樹脂を押出機か
ら溶融押出し、冷却ドラム上で冷却固化させる押出ラミ
ネート法、積層体を構成する単層フィルムまたは積層フ
ィルムを必要に応じてアンカー剤や接着剤を介して積層
するドライラミネート法などが挙げられる。中でも、製
造工程が少なくてすみ、各層間の接着性が良好な共押出
法が好ましい。
【0042】本発明のポリエステルを二軸延伸をする方
法は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、得
られた未延伸ポリエステルフィルムシートを複数のロー
ル群および/または赤外線ヒーターなどの加熱装置を介
してポリエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+
100℃の範囲内に加熱し、一段または多段縦延伸す
る。延伸倍率は、通常2.5倍〜6倍の範囲で、続く横
延伸が可能な範囲とする必要がある。シートが多層構成
の場合の延伸温度の設定は各構成層のポリエステルのT
gのなかで最も高いTgを基準にすることが好ましい。
【0043】この様にして得られた縦方向に一軸延伸さ
れたポリエステルフィルムを、Tg〜Tm−20℃の温
度範囲内で、横延伸し、次いで熱固定する。横延伸倍率
は通常3〜6倍であり、また、縦、横延伸倍率の比は、
得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性を測定
し、好ましい特性を有するように適宜調整する。本発明
の場合、幅方向の弾性率が長手方向の弾性率より大きく
なるようにすることが好ましい。使用目的に応じて変化
させても良い。この時、2つ以上に分割された延伸領域
で温度差を1〜50℃の範囲で順次昇温しながら横延伸
すると幅方向の物性の分布が低減でき好ましい。さらに
横延伸後、ポリエステルフィルムを、その最終横延伸温
度以下でTg−40℃以上の範囲に0.01〜5分間保
持すると幅方向の物性の分布がさらに低減でき好まし
い。
【0044】熱固定は、その最終横延伸温度より高温
で、Tm−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜30
0秒間熱固定する。この際、2つ以上に分割された領域
で温度差を1〜100℃の範囲で順次昇温しながら熱固
定することが好ましい。
【0045】熱固定されたポリエステルフィルムは通常
Tg以下まで冷却され、ポリエステルフィルム両端のク
リップ把持部分をカットしロール状に巻き取られる。こ
の際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、
幅方向及び/または長手方向に0.1〜10%弛緩処理
することが好ましい。
【0046】また、冷却は、最終熱固定温度から室温ま
でを毎秒1℃以上100℃以下の冷却速度で徐冷するこ
とが寸法安定性の点で好ましい。特に、Tg+50℃か
らTgまでを、毎秒1℃以上100℃以下の冷却速度で
徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特
に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の
温度領域で順次冷却しながら、これらの処理を行うこと
が、ポリエステルフィルムの寸法安定性向上の点で好ま
しい。なお、冷却速度は、最終熱固定温度をT1、ポリ
エステルフィルムが最終熱固定温度からTgに達するま
での時間をtとしたとき、(T1−Tg)/tで求めた
値である。
【0047】これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件の
より最適な条件は、ポリエステルフィルムを構成するポ
リエステルにより異なるので、得られた二軸延伸ポリエ
ステルフィルムの物性を測定し、好ましい特性を有する
ように適宜調整することにより決定すればよい。
【0048】また、上記ポリエステルフィルム製造に際
し、ポリエステルフィルムの強度を向上させる目的で、
多段縦延伸、再縦延伸、再縦横延伸、横・縦延伸など公
知の延伸フィルムに用いられる延伸を行ってもよい。縦
延伸と横延伸の順序を逆にしてもよい。
【0049】こうして二軸延伸および熱固定されたポリ
エステルフィルムは、エッジ部分が切除されロール状に
巻き取られる。
【0050】ポリエステルフィルムをロール状に巻き取
るに際しては、そのポリエステルフィルムの幅方向の両
端部を嵩高くし、ポリエステルフィルムの表裏が接触し
にくくするためにエンボス加工を行うことが好ましい。
エンボス加工は、通常、金属やゴムなどのバックロール
上でポリエステルフィルムに刻印の刻まれたエンボスリ
ングを押し当てることで、加工できる。加工は常温でも
可能であるが、Tg+20℃以上、融点(Tm)+30
℃以下で加工することにより、エンボスの嵩高さの耐熱
性が向上するので好ましい。
【0051】エンボス加工する位置は、フィルムを巻き
取る際にフィルム同志が強く密着するのを防止できれば
よいので少なくともポリエステルフィルムの両端に加工
すればよいが、ポリエステルフィルム幅が広い場合は中
央部分が密着する場合があるので、必要に応じて中央部
分にも加工することが好ましい。ポリエステルフィルム
幅方向に2m以下の間隔でエンボス加工することが好ま
しく、さらに1m以下の間隔でエンボス加工することが
好ましい。
【0052】エンボスの幅は巻きずれを十分に防止する
ために、5mm以上50mm以下が好ましい。一ヶ所に
加工するエンボスの条数は、一条でも二条でもそれ以上
であってもかまわない。エンボスの嵩高さは、通常5〜
100μmが好ましく、さらに好ましくは6〜30μm
である。低すぎるとポリエステルフィルム同志の密着を
防止できない場合があり、高すぎるとポリエステルフィ
ルム端部が変形する場合がある。個々のエンボスの嵩高
さの差は通常10μm以内が巻きずれを防止することが
できるので好ましい。
【0053】以上のようにして得られたポリエステルフ
ィルムは、さらにそのTg以下、Tg−30℃以上の温
度で熱処理を行うことにより、高度に巻ぐせを付き難く
することができるので好ましい。
【0054】処理温度は高いほど短時間で巻ぐせカール
の低減効果が得られるが、あまり高温では、フィルムの
シワや押されや折れが発生しやすくなる場合がある。処
理温度が低いときは長い処理時間が必要となるが、低す
ぎると十分な巻ぐせカールの低減効果が得られなくな
る。
【0055】処理時間は、特に限定はないが、0.1時
間以上から巻ぐせカールの低減効果が認められ、長時間
にするほど高い効果が得られるので所望の効果が得られ
るように適宜設定することができるが、あまり長いと生
産性に劣るので通常1500時間までが現実的である。
好ましくは0.5時間以上200時間である。なお、こ
の時間には、昇温および冷却に要する時間は含まれてい
ない。昇温および冷却は、ロール内部の温度分布の均一
化のために可能な限りゆっくり行うことが好ましい。通
常24時間以上168時間以内の時間を掛けて室温から
Tg−30℃以上Tg以下の温度まで昇温し、24時間
以上168時間以内の時間を掛けてTg−30℃以上T
g以下の温度から室温まで冷却するのが好ましい。
【0056】また、ポリエステルフィルムをロール状で
熱処理する場合、フィルムの自重のため、ロールの上部
に当たるフィルムの変形が強くなる場合がある。これを
防止するには熱処理中にロールを連続で、または断続的
に回転させることが好ましい。
【0057】巻芯としては、特に限定はされないが、熱
処理温度やポリエステルフィルムロールの重量に耐える
ことが必要であり、アルミ、ステンレス、真鍮、銅、
鉄、ジュラルミン、チタンなどの金属製の巻芯、3Al
23−2SiO2、BaTiO3、ZrO2などのセラミ
ック製の巻芯、ガラス繊維、カーボン繊維、ボロン繊
維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、綿、紙などにフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポ
リイミド樹脂、ナイロン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、
ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、フッ素樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、セルロースエステル樹脂、ゴム、酢酸ビニ
ル、塩化ビニルおよびこれらの共重合体やブレンド物を
含浸させた繊維強化樹脂製の巻芯などが挙げられる。中
でもガラス繊維またはポリエステル繊維などで強化され
た繊維強化樹脂製の巻芯が好ましい。
【0058】尚、巻芯の表面は平滑なほどよく、表面粗
さ(RMAX)で2.0μm以下が好ましい。これらの例
としては上記の巻芯の表面を研磨したものが挙げられ
る。巻芯の直径は、あまり小さすぎると巻芯部にしわな
どが発生しやすく、大きすぎると設備が大型になり過ぎ
るので、通常75mm以上1000mm以内、さらに1
50mm以上400mm以内が好ましい。もちろん断面
は真円で偏芯が少ないほど好ましい。
【0059】次に本発明のバック層について説明する。
【0060】本発明では、上記二軸延伸、熱固定が完了
する前まで、または二軸延伸、熱固定が完了した後に、
上記ポリエステルフィルムの片面にバック層を塗設す
る。塗設面は、ポリエステルフィルムのエアー面が好ま
しい。つまり、ポリエステルフィルムのキャスティング
ドラム密着面(ドラム面)は、非常に平滑なので、表面
での光の散乱が少なく、写真感光層側とした場合に画像
のにじみが少なくなり鮮鋭性が向上できるのである。
【0061】本発明のバック層は、写真乳剤層と反対の
面を構成する層を意味し、一層または二層以上から構成
されていてもよい。通常、密着防止層、帯電防止層、易
滑性層、耐くっつき防止層、カール防止層、耐傷性付与
層、接着層および透明磁気記録層などから構成されてお
り、さらに必要に応じて、バリアー層、アンチハレーシ
ョン層、クロスオーバーカット層、紫外線吸収層などが
含まれていても良い。
【0062】これらのバック層は、それぞれの機能を有
する素材、例えば、帯電防止剤、アンチハレーション
剤、クロスオーバーカット剤、着色染料、顔料、増粘
剤、塗布助剤、カブリ防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、紫外線安定剤、エッチング処理剤、磁性粉、マット
剤などの各種添加剤だけから構成されていてもよいが、
通常これらだけでは、必要な塗膜強度が得られないこと
が多いので、バインダーと共に用いられることが好まし
い。
【0063】本発明のバック層に用いるバインダーとし
ては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹
脂、反応型樹脂、天然物重合体およびこれらの混合物を
用いることができる。
【0064】例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブ
タジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無
水マレイン酸を出発原料とする共重合体を始めとして、
ポリエチレンイミン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リウレタン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニト
ロセルロースなどやこれらの混合物などを挙げることが
できる。特に塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル
酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸を出発原
料とする共重合体やポリエステルが好ましい。これらバ
ック層中には界面活性剤や硬膜剤などが含有していても
よい。
【0065】バック層を塗設する方法は特に限定はな
く、従来から知られている各種の方法を用いることがで
きる。例えば上記の素材を適当な溶媒に溶かした溶液あ
るいは分散液とし、エアーナイフコーター、ディップコ
ーター、カーテンコーター、ワイヤーバーコーター、グ
ラビアコーター、エクストルージョンコーターなどを用
いてフィルム表面に塗布し、乾燥する方法が挙げられ
る。この際、必要に応じてコロナ放電処理、紫外線処
理、グロー放電処理、プラズマ処理、火炎処理などの表
面活性化処理する方法やレゾルシン処理、フェノール類
処理、アルカリ処理、アミン処理、トリクロル酢酸処理
などのエッチング処理する方法を用いても良い。もちろ
んこれらの処理を組合せてもよい。中でもコロナ放電処
理が好ましく用いられる。また、作業環境の点から塗布
液は水分散液(ポリマーラテックス)あるいは水溶液で
あることが好ましい。
【0066】ポリマーラテックスは、通常のラテックス
合成法によってつくることができる。
【0067】(合成例) P−1の合成 1リットルの4つ口フラスコに撹拌器、温度計、滴下ロ
ート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入
し、脱酸素を行いつつ、蒸留水350mlを加えて内温
が80℃となるまで加熱した。分散剤としてドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウムを4.5g添加し、さらに
重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.45gを添加
し、次いでブチルアクリレート120g、スチレン60
g、グリシジルメタクリレート120gの混合モノマー
を1時間かけてゆっくりと滴下し、8時間撹拌を続けた
後、反応させ乳白色のラテックスコポリマーを得た。こ
れを水蒸気蒸留で未反応のモノマーを除去する。その
後、冷却しアンモニア水でpH6に調整しポリマーラテ
ックスP−1を得た。
【0068】本発明で有用なポリマーラテックスの例を
下記に示したが、これらに限定されるものではない。こ
れらP−2〜P−12のコポリマーラテックスはP−1
と同様に合成し得たものである。
【0069】
【化1】
【0070】
【化2】
【0071】
【化3】
【0072】水性コポリエステル樹脂の合成は、従来公
知のポリエステルの製造法に従って行うことができる。
【0073】CP−1の合成 テレフタル酸ジメチルエステル38.74重量部、イソ
フタル酸ジメチルエステル31.95重量部、ナトリウ
ム−5−スルホイソフタル酸ジメチルエステル10.3
4重量部、エチレングリコール54.48重量部を混合
し、酢酸カルシウム−水塩0.073重量部および酢酸
マンガン0.024重量部を添加し、窒素気流下におい
て170〜220℃でメタノールを留去しながらエステ
ル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.05重量
部、重合触媒として三酸化アンチモン0.04重量部お
よび1,4−シクロヘキシルジカルボン酸17.17重
量部を加え220〜235℃の反応温度でほぼ理論量の
水を留去してエステル化を行った。その後さらに反応系
内を減圧、昇温し、最終的に280℃、0.2mmHg
で2時間重縮合を行った。得られた水性コポリエステル
樹脂の固有粘度は0.45であった。得られた水性コポ
リエステルは帯電防止組成物に使用するため95℃の熱
水中で3時間撹拌し30重量%の水溶液とした。
【0074】CP−2の合成 テレフタル酸83重量部、イソフタル酸41.5重量
部、エチレングリコール77重量部に酢酸カルシウム−
水和物0.1重量部を添加し、常法によりエステル化反
応を行った。得られた生成物に5−ナトリウムスルホジ
(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸55重量部をエ
チレングリコール溶液(濃度35重量%)として加え、
ポリエチレングリコール(数平均分子量2,000)1
3重量部、三酸化アンチモン0.05重量部、テトラメ
チルアンモニウムハイドロオキサイド0.15重量部、
リン酸トリメチルエステル0.13重量部を添加した。
その後さらに反応系内を減圧、昇温し、最終的に280
℃、0.2mmHgで1.5時間重合を行った。得られ
た水性コポリエステル樹脂の固有粘度は0.52であっ
た。得られた水性コポリエステルは帯電防止組成物に使
用するため95℃の熱水中で3時間撹拌し30重量%の
水溶液とした。
【0075】次に、感光材料を形成する方法について説
明する。
【0076】感光材料は、本発明の写真用ポリエステル
フィルム支持体の少なくとも一方の側に写真乳剤層が設
けられており、写真乳剤層はハロゲン化銀乳剤を塗設す
ることによって形成することができる。写真乳剤層は、
写真用支持体の片面または両面に設けることができる。
また、写真乳剤層は、それぞれの面に一層または二層以
上設けることができる。ハロゲン化銀乳剤は、本発明の
写真用ポリエステルフィルム支持体上に直接あるいは他
の層、例えば、ハロゲン化銀乳剤を含まない親水性コロ
イド層を介して塗設することができる。また、ハロゲン
化銀乳剤層は、異なる感度、例えば高感度および低感度
の各ハロゲン化銀乳剤層に分けて塗設してもよい。この
場合、各ハロゲン化銀乳剤層の間に中間層を設けてもよ
い。さらに、ハロゲン化銀乳剤層の上や中間層、あるい
はハロゲン化銀乳剤層と写真用支持体の間の任意の場所
に親水性コロイド層、保護層、アンチハレーション層、
バッキング層、マスキング層などの非感光性層を設けて
もよい。
【0077】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、
例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略
す。)No.17643、22〜23頁(1979年1
2月)の“1.乳剤製造法(Emulsion pre
paration andtypes)”、およびRD
No.18716、648頁、グラフキデ著「写真の
物理と化学」ポールモンテル社刊(P.Glafkid
es,Chemieet Phyzique Phot
ographiques,Paul Montel,1
967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプ
レス社刊(G.F.Daffin,Photograp
hic Emulsion Chemistry Fo
cal Press 1966)、ゼリクマン等著「写
真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.
L.Zelikman etal,Making an
d coating Photographic Em
ulsion,Focal Press 1964)な
どに記載された方法を用いて調製することができる。
【0078】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、
米国特許3,574,628号、同3,665,394
号および英国特許1,413,748号などに記載され
た単分散乳剤も好ましい。
【0079】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤に
は、物理熟成、化学熟成及び分光増感を行うことができ
る。このような工程で使用される添加剤は、RD N
o.17643、RD No.18716及びRD N
o.308119(それぞれ、以下、RD17643、
RD18716及びRD308119と略す。)に記載
されている。表1にその記載箇所を示す。
【0080】
【表1】
【0081】写真感光材料がカラー写真感光材料である
場合、使用することができる写真用添加剤は上記RDに
記載されている。表2にその関連のある記載箇所を示
す。
【0082】
【表2】
【0083】写真感光材料がカラー写真感光材料である
場合、種々のカプラーを使用することができ、その具体
例は下記RD17643、RD308119及びRD1
8716に記載されている。表3にその関連ある記載箇
所を示す。
【0084】
【表3】
【0085】またこれら添加剤は、RD308119
1007頁 XIV項に記載されている分散法などにより、
写真感光層に添加することができる。
【0086】写真感光材料がカラー写真感光材料である
場合には、前述のRD308119VII−K項に記載さ
れているフィルター層や中間層などの補助層を設けるこ
とができる。
【0087】上記カラー写真感光材料を構成する場合、
前述のRD308119 VII−K項に記載されている順
層、逆層、ユニット構成などの様々な層構成をとること
ができる。
【0088】写真感光材料を現像処理するには、例えば
T.H.ジェームズ著、セオリイオブ ザ フォトグラ
フィック プロセス第4版(The Theory o
fThe Photografic Process
Forth Edition)第291頁〜第334頁
およびジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル
ソサエティ(JournaI of the Amer
ican Chemical Society)第73
巻、第3,100頁(1951)に記載されている公知
の現像剤を使用することができる。また前記カラー写真
感光材料は前述のRD17643 28〜29頁、RD
18716 615頁及びRD308119 XIXに記載
された通常の方法によって、現像処理することができ
る。
【0089】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0090】以下の実施例において、ガラス転移温度お
よび融点、フィルムヘーズ、固有粘度、弾性率、破断強
度の各物性値およびバック層の膜ハガレの評価ランクは
下記により求められたものである。
【0091】(1)ガラス転移温度Tgおよび融点Tm フィルムあるいはペレット10mgを、毎分300cm
3の窒素気流中、300℃で溶融し、直ちに液体窒素中
で急冷する。この急冷サンプルを示差走査型熱量計(理
学電器社製、DSC8230型)にセットし、毎分10
0ccの窒素気流中、毎分10℃の昇温速度で昇温し、
TgおよびTmを検出する。Tgはベースラインが偏奇
し始める温度と、新たにベースラインに戻る温度との平
均値、Tmはその吸熱ピークのピーク温度とした。な
お、測定開始温度は、測定されるTgより50℃以上低
い温度とする。
【0092】(2)フィルムヘーズ ASTM−D1003−52に従って測定した。
【0093】(3)固有粘度 フィルムあるいはペレットを、フェノールと1,1,
2,2−テトラクロロエタンの混合溶媒(重量比60/
40)に溶かし、濃度0.2g/dl、0.6g/d
l、1.0g/dlの溶液を作製し、ウベローデ型粘度
計により、20℃で、それぞれの濃度(C)における比
粘度(ηsp)を求める。次いで、ηsp/CをCに対して
プロットし、得られた直線を濃度ゼロに補外して を求める。単位は、dl/gで示される。
【0094】(4)弾性率および破断強度 フィルムを、幅10mm、長さ200mmの大きさに切
出し、23℃、55%RHの条件下で12時間調湿した
後、(株)オリエンテック社製テンシロン(RTA−1
00)を用い、チャック間を100mmにし、引張り速
度100mm/分で引張り試験をし弾性率および破断強
度を求めた。
【0095】(5)バック層の膜剥がれの評価 磁気ヘッドとフィルムの間に異物が混入した場合のバッ
ク層の膜剥がれを想定し、以下のようにして評価した。
なおランク付けの実用性は、写真感光材料としての品質
の許容性に基づいて決定されたものであり、ランク○以
上であることが必要である。
【0096】先端の直径が25μmのサファイア製の針
をフィルム面に垂直に当たるようにセットし、その針の
先端に、150gの荷重がかかるようにする。この状態
でフィルムを10mm/秒の速度で移動させて傷をつけ
る。このときの傷の程度を目視で観察し、以下の基準に
よりランク付けした。
【0097】 ランク 傷の程度 ◎ 認められない ○ 表面にのみ傷が認められる(バック層は剥がれていない) × 強い傷が入り、その周囲のバック層が剥がれている。
【0098】〈実施例1〉以下のようにして、ポリエス
テルフィルムを準備した。
【0099】(ポリエステルA)2,6−ナフタレンジ
カルボン酸ジメチル100重量部、エチレングリコール
60重量部にエステル交換触媒として酢酸カルシウム水
和物0.1重量部を添加し、常法に従ってエステル交換
反応を行った。得られた生成物に、三酸化アンチモン
0.05重量部、リン酸トリメチルエステル0.03重
量部を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、29
0℃、0.5mmHgで重合を行い、固有粘度0.60
のポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た。
【0100】(ポリエステルB)ポリエステルAにバイ
エル社製染料マクロレックス グリーンG、マクロレッ
クス バイオレットB、マクロレックス レッドEGを
1:1:1の割合で添加し、押出し機を用いて染料濃度
が2000ppmのマスターペレットを作製した。
【0101】以上のようにして得られた各々のポリエス
テルを用いて、以下のようにしてフィルムを得た。
【0102】ポリエステルAとポリエステルBを重量比
9:1の割合になるようにタンブラー型混合機でブレン
ドした。この後、150℃で8時間真空乾燥した後、3
00℃でTダイから層状に溶融押出し、50℃の冷却ド
ラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化させ、未
延伸シートを得た。この時、ポリエステルのエアー側の
表面温度が230℃になる位置から120℃になる位置
までの範囲を補助空冷した。補助空冷は、キャスティン
グドラム面に対面させて、長さ方向10mmのスリット
状の開口を持つエアーノズルを5組を100mmピッ
チ、ポリエステルシートとエアーノズル間距離が100
mmとなるように配置し、エアーフィルター、パンチ板
を介した空気を全幅に吹かせて実施した。熱伝達係数h
は、50Kcal/m2・h・℃(Roto−flow
の式から算出した)であった。
【0103】この未延伸シートをロール式縦延伸機を用
いて、135℃で縦方向に3.3倍延伸した。更に続け
てテンター式横延伸機を用いて、第一延伸ゾーン145
℃で総横延伸倍率の50%延伸し、さらに第二延伸ゾー
ン155℃で総横延伸倍率3.3倍となるように延伸し
た。次いで、100℃で2秒間熱処理し、さらに第一熱
固定ゾーン200℃で5秒間熱固定し、第二熱固定ゾー
ン240℃で15秒間熱固定した。次いで横方向に5%
弛緩処理しながらTgまで60秒かけて冷却し、さらに
室温まで60秒かけて冷却し、フィルムをクリップから
解放した。
【0104】次いで、幅1mにスリットしその幅方向の
両端部に270℃にコントロールされたエンボスリング
を押込み量と押込み圧力を調節して押付けながら高さ1
5μm、幅10mmのエンボス加工を施した。
【0105】以上の様にして得られたポリエステルフィ
ルムを、直径150mmのガラス繊維強化樹脂製の巻芯
に、初期張力40kgf、最終張力35kgfとなるよ
うに張力を変化させながら長さ1000m巻き取った。
【0106】この後、巻ぐせ低減のための熱処理を施し
た。温度制御可能な熱風式オーブンを用いて48時間か
けて室温(25℃)から110℃まで定速度で昇温し、
そのまま24時間保持し、さらに48時間かけて定速度
で室温まで冷却した。
【0107】次に、ポリエステルフィルムのエアー面
に、8W/m2・minのコロナ放電処理を施し、下記
のバック層側の下引液(b−1)を、乾燥後の膜厚が
0.1μmになるように塗布し、115℃で乾燥した。
フィルムの反対の面には、8W/m2・minのコロナ
放電処理を施し、下記の感光層側の下引液(a−1)
を、乾燥後の膜厚が0.1μmになるように塗布し、1
15℃で乾燥した。
【0108】さらに下引液(a−1)の塗設面に8W/
2・minのコロナ放電処理を施し、下記の下引上層
塗布液(a−2)を、乾燥後の膜厚が0.1μmになる
ように塗布し、115℃で乾燥した。続いて下引液(b
−1)の塗設面に下記の帯電防止塗布液(b−2)、帯
電防止上層塗布液(b−3)、磁気記録層塗布液(b−
4)をそれぞれ乾燥後の膜厚が0.1μm、0.1μ
m、1.0μmになるように順次塗布乾燥(乾燥温度9
0℃)した。
【0109】〈比較例1〉実施例1で、キャスティング
の際に補助空冷を使用しなかった以外は実施例1と同様
に行った。
【0110】〈実施例2〉実施例1で帯電防止塗布液
(b−2)、帯電防止上層塗布液(b−3)の代わり
に、下記の帯電防止塗布液(b−11)、帯電防止上層
塗布液(b−12)を使用した以外は同様にして行っ
た。
【0111】〈比較例2〉実施例2で、キャスティング
の際に補助空冷を使用しなかった以外は実施例2と同様
に行った。
【0112】〈実施例3〉実施例1と同様にして一軸延
伸フィルムを得た。
【0113】得られた一軸延伸フィルムの両面に8W/
2・minのコロナ放電処理を施し、フィルムのエア
ー面には、下記のバック層側の下引液(b−20)、そ
してフィルムの反対の面には、下記の感光層側の下引液
(a−20)を、それぞれ二軸延伸・熱固定後の出来上
り膜厚が0.1μmとなるように塗設した。更に続けて
テンター式横延伸機を用いて、第一延伸ゾーン145℃
で総横延伸倍率の50%延伸し、さらに第二延伸ゾーン
155℃で総横延伸倍率3.3倍となるように延伸し
た。次いで、100℃で2秒間熱処理し、さらに第一熱
固定ゾーン200℃で5秒間熱固定し、第二熱固定ゾー
ン240℃で15秒間熱固定した。次いで横方向に5%
弛緩処理しながらTgまで60秒かけて冷却し、さらに
室温まで60秒かけて冷却し、フィルムをクリップから
解放した。
【0114】次いで、幅1mにスリットしその幅方向の
両端部に270℃にコントロールされたエンボスリング
を押込み量と押込み圧力を調節して押付けながら高さ1
5μm、幅10mmのエンボス加工を施した。
【0115】次に、下引液(a−20)の塗設面に8W
/m2・minのコロナ放電処理を施し、下引液(a−
1)の塗設面に上層塗布液(a−2)を、乾燥後の膜厚
が0.1μmになるように塗布し、115℃で乾燥し
た。さらに、バック層側の下引液(b−20)の塗設面
に磁気記録層塗布液(b−4)を乾燥後の膜厚が1.0
μmになるように塗布乾燥(乾燥温度90℃)した。
【0116】以上の様にして得られた下引層およびバッ
ク層を有するポリエステルフィルムを、直径150mm
のガラス繊維強化樹脂製の巻芯に、初期張力40kg
f、最終張力35kgfとなるように張力を変化させな
がら長さ1000m巻き取った。
【0117】この後、巻ぐせ低減のための熱処理を施し
た。温度制御可能な熱風式オーブンを用いて48時間か
けて室温(25℃)から110℃まで定速度で昇温し、
そのまま24時間保持し、さらに48時間かけて定速度
で室温まで冷却した。
【0118】〈比較例3〉実施例3で、キャスティング
の際に補助空冷を使用しなかった以外は実施例3と同様
に行った。
【0119】〈実施例4〉実施例1で感光層側の下引液
(a−1)とバック層側の下引液(b−1)を、下記の
感光層側の下引液(a−30)とバック層側の下引液
(b−30)に変更し、帯電防止塗布液(b−2)、帯
電防止上層塗布液(b−3)の使用をやめた以外は同様
にして実施した。
【0120】〈比較例4〉実施例4で、キャスティング
の際に補助空冷を使用しなかった以外は実施例4と同様
に行った。
【0121】 〈感光層側の下引き液(a−1)の調製〉 P−2(固形分30%) 270g 化合物(UL−1) 0.8g ヘキサメチレン−1,6−ビスエチレンウレア 0.6g 水で1リットルに仕上げる。
【0122】 〈上層塗布液(a−2)の調製〉 ゼラチン 10g 化合物(UL−1) 0.2g 化合物(UL−2) 0.2g N,N′,N″−トリスアクリロイル −1,3,5−トリメチレントリアミン 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1リットルに仕上げる。
【0123】 〈バック層側の下引き液(b−1)の調製〉 P−1(固形分30%) 270g 化合物(UL−1) 0.8g ヘキサメチレン−1,6−ビスエチレンウレア 0.6g 水で1リットルに仕上げる。
【0124】〈金属酸化物複合体微粒子導電性帯電防止
剤の作製〉塩化第二錫230重量部、三酸化アンチモン
23重量部をエタノール3,000重量部に溶解し均一
溶液を得た。この溶液に1Nの水酸化ナトリウム水溶液
を上記溶液のpHが3になるまで滴下し、コロイド状態
の酸化第二錫と酸化アンチモンの共沈殿物を得た。得ら
れた共沈殿物を50℃に24時間放置し、赤褐色のコロ
イド状沈殿物を得た。赤褐色のコロイド状沈殿物を遠心
分離により分離した。過剰なイオンを除くため沈殿物に
水を加えさらに遠心分離により水洗した。この操作を3
回繰り返し過剰イオンを除去した。過剰イオンを除去し
たコロイド状沈殿物200重量部を1,500重量部に
分散し、600℃に加熱した焼成炉に噴霧し、青みがか
った平均粒径0.2μmの酸化錫−酸化アンチモン複合
体の微粒子粉末を得た。この微粒子粉末の比抵抗は25
Ω・cmであった。上記微粒子粉末40重量部と水60
重量部の混合液をpH7.0に調整し、撹拌機で粗分散
の後、横型サンドミル(商品名ダイノミル;WILLY
A.BACHOFENAG社製)で滞留時間が30分に
なるまで分散して調製した。
【0125】 〈帯電防止塗布液(b−2)〉 上記金属酸化物複合体微粒子導電性帯電防止剤 100重量部 ゼラチン 10重量部 水 100重量部 メタノール 600重量部 化合物(UL−1) 0.1重量部 〈帯電防止上層塗布液(b−3)〉 セルローストリアセテート 10重量部 アセトン 700重量部 メタノール 150重量部 ジクロルメタン 140重量部 〈磁気記録層塗布液(b−4)〉カルナバワックス10
重量部をトルエン150重量部で加熱溶解後冷却し、こ
れにシクロヘキサノン75重量部とメチルエチルケトン
150重量部を混合した後、旭化成(株)製ニトロセル
ロースBTH−1/2 100重量部(固形分70重量
%)およびCo被着γ−Fe23(長軸0.8μm、F
2+/Fe3+=0.2、Hc=600エルステッド)5
重量部を加え、ディゾルバーで1時間混和し、その後サ
ンドミルで分散し、分散液とした。
【0126】 〈帯電防止塗布液(b−11)〉 ゼラチン 20g 下記π電子系導電性ポリマー(成分) 100mg/m2になる重量 架橋剤A 5g 化合物(UL−1) 0.6g 化合物(UL−2) 0.2g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1リットルに仕上げる。
【0127】〈帯電防止上層塗布液(b−12)〉(a
−2)と同じ なお、上記π電子系導電性ポリマーはポリ(3,4−エ
チレンジオキシ−チオフェン)であり、下記のように合
成される。
【0128】〈ポリ(3,4−エチレンジオキシ−チオ
フェン)の合成〉ポリスチレンスルホン酸(数平均分子
量3,700)30gを1.5リットルの水に溶かし、
窒素気流下、その中に72ミリモルのK228、0.
375ミリモルのFe2(SO43、210ミリモルの
3,4−ジエトキシチオフェンを加え、20℃で24時
間撹拌反応させた。これにさらに750mlの水を加
え、強酸性および弱塩基性イオン交換樹脂(それぞれア
ンバーライト(商品名)IR120とIRA400)を
その中に加えミックスベッドとして室温で8時間撹拌し
て脱塩を行った。その後、イオン交換樹脂をろ別し、ポ
リ(3,4−エチレンジオキシ−チオフェン)の分散液
を得た。濃縮精製したポリマーを元素分析とNMRによ
り分析したところ平均重合度40であった。
【0129】 〈感光層側の下引き液(a−20)の調製〉 前記CP−1 540g 化合物(UL−3) 60g 架橋剤C 12g 硫酸アンモニウム 0.5g ポリエチレングリコール 6g 水で1リットルに仕上げる。
【0130】〈バック層側の下引き液(b−20)の調
製〉感光層側の下引き液(a−20)と同じ。
【0131】 〈感光層側の下引き液(a−30)の調製〉 クレハロンラテックス DOAX−1 270g (10%水溶液、呉羽化学株式会社製) 化合物(UL−1) 0.2g 水で1リットルに仕上げる。
【0132】〈バック層側の下引き液(b−30)の調
製〉感光層側の下引き液(a−30)と同じ。
【0133】
【化4】
【0134】
【化5】
【0135】
【化6】
【0136】以上により得られたポリエステルフィルム
の厚みはいずれも85μmで、物性値は、いずれも同じ
値を示し以下のようであった。尚、厚みおよび下記の物
性値は、下引層およびバック層を剥離して求めたもので
ある。
【0137】 Tg 120℃ Tm 270℃ ヘーズ 0.5% 固有粘度 0.58dl/g 弾性率 タテ方向 640kg/mm2 ヨコ方向 680kg/mm2 破断強度 タテ方向 22kg/mm2 ヨコ方向 24kg/mm2 各実施例、比較例について、バック層側の膜剥がれの評
価を行った。結果を一括して表4に示した。
【0138】
【表4】
【0139】本発明によれば、溶融キャスティング時に
補助空冷を用いることによりバック層の膜剥がれが向上
していることが分かる。
【0140】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
り機械的強度が大きく、かつバック層との接着力が改良
された写真用ポリエステルフィルム支持体およびその製
造方法を提供することができた。さらに、フィルムの薄
膜化が可能となり、カメラの小型化や磁気情報の入出力
機能の付与を可能にすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用されるポリエステル製造装置の一
部の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 Tダイ 2 静電密着装置 3 補助空冷装置 4 冷却ドラム 5 ガイドロール 6 ポリエステルフィルムシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/03 LPD C08L 67/03 LPD G03C 1/00 GAP G03C 1/00 GAPE 1/76 502 1/76 502 7/00 510 7/00 510 // B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真用ポリエステルフィルム支持体を製
    造するに際して、該ポリエステルフィルムは回転する冷
    却ドラム上にシート状にポリエステルを溶融押出し、冷
    却ドラムおよび冷却ドラムに対面して設置された補助冷
    却装置により強制的に冷却固化させた後、二軸延伸を完
    了し、続いて熱固定することにより形成され、バック層
    を有していることを特徴とする写真用ポリエステルフィ
    ルム支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記補助冷却装置による冷却が、空気を
    吹き付けることにより冷却する空冷方式であることを特
    徴とする請求項1に記載の写真用ポリエステルフィルム
    支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステルフィルムが、さらにT
    g−30℃以上Tg以下で熱処理されていることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の写真用ポリエステルフィ
    ルム支持体の製造方法(但しTgはポリエステルフィル
    ムのガラス転移温度である)。
  4. 【請求項4】 前記ポリエステルがポリエチレン−2,
    6−ナフタレンジカルボキシレートを70重量%以上含
    有していることを特徴とする請求項1、2又は3に記載
    の写真用ポリエステルフィルム支持体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ポリエステルフィルムの厚さが20
    μm以上125μm以下であることを特徴とする請求項
    1、2、3又は4に記載の写真用ポリエステルフィルム
    支持体の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリエステルフィルムのエアー面に前記
    バック層が塗設されることを特徴とする請求項1、2、
    3、4又は5に記載の写真用ポリエステルフィルム支持
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載の写真
    用ポリエステルフィルム支持体の製造方法により製造さ
    れることを特徴とする写真用ポリエステルフィルム支持
    体。
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