JPH08304956A - 写真用支持体 - Google Patents

写真用支持体

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JPH08304956A
JPH08304956A JP10506795A JP10506795A JPH08304956A JP H08304956 A JPH08304956 A JP H08304956A JP 10506795 A JP10506795 A JP 10506795A JP 10506795 A JP10506795 A JP 10506795A JP H08304956 A JPH08304956 A JP H08304956A
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JP
Japan
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film
layer
temperature
photographic
biaxially stretched
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JP10506795A
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English (en)
Inventor
Takatoshi Yajima
孝敏 矢島
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮影時のフィルム巻き出しの高速化、撮影倍
率の高倍率化、撮影装置の小型化などを可能とする優れ
た機械的強度、寸法安定性を有し、塗布故障が無く、フ
ィルムの平面性に優れ、かつ巻芯を小径化しても巻ぐせ
カールが付き難く、プレスプライス工程での搬送不良が
ない写真用支持体の提供。 【構成】 二軸延伸ポリエステルフィルムからなる写真
用支持体であり、該二軸延伸ポリエステルフィルムが該
二軸延伸ポリエステルフィルムのガラス転移温度以下、
該ガラス転移温度から30℃低い温度以上で加熱処理さ
れており、さらに写真乳剤層を塗布する前までの間で、
加熱ローラーで加熱しつつ搬送して平坦にする平面性改
良処理がなされていることを特徴とする写真用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性、機械的強度に
優れ、巻き癖カールの低減された二軸延伸ポリエステル
フィルムからなる写真用支持体に関し、特に巻き癖カー
ルの低減のためにロール状で熱処理することにより生ず
る下引き層やバック層の塗設時の塗布故障やフィルムの
平面性が改良された二軸延伸ポリエステルフィルムから
なる写真用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真感光材料(以下、単に感光材
料ともいう)の用途は多様化しており、撮影時のフィル
ム巻き出しの高速化、撮影倍率の高倍率化、撮影装置の
小型化が著しく進んでいる。このため写真感光材料用の
支持体としては、優れた機械的強度、寸法安定性などの
性質が要求されている。さらに、ロールフィルム状の写
真感光材料では、その巻芯の小径化が要求されている。
【0003】一般のカラーネガフィルムの様なロールフ
ィルム状の写真感光材料では、従来からトリアセチルセ
ルロースフィルム(以下TACフィルム)が使われてき
た。ところが、TACフィルムは機械的強度が小さいう
えに、吸湿による寸法変化が大きくフィルムを薄くする
ことができなかった。さらに、巻芯を小径化することに
より巻ぐせカールは増大する。このため新たに、現像処
理前のプレスプライス工程での搬送不良が問題となっ
た。つまり、大量に処理する現像所では、撮影済みの写
真フィルムを一本づつ処理するのではなく、まず何本か
を接合して長尺にしてから、一度に処理しているのが普
通であり、撮影済み写真フィルムの巻ぐせカールが大き
すぎると、写真フィルムの接合が困難となるのである。
【0004】二軸延伸したポリエチレンテレフタレート
フィルム(以下PETフィルム)は、優れた透明性、機
械的強度、寸法安定性を有しており、フィルムの薄膜化
が必要なマイクロフィルムや、寸法安定性が厳しく要求
される印刷感材、透明性や腰の強さが要求されるレント
ゲン用フィルムで使用されている。ところが、PETフ
ィルムには、TACフィルムにみられるような現像処理
後の巻きぐせ回復性がなく、ロールフィルム状の写真感
光材料に用いると、現像処理後の巻きぐせカールが大き
すぎ、仕分け作業時の取扱い性に劣るばかりか、例えば
現像処理後、写真印画紙に画像を焼き付ける工程など
で、擦り傷の発生、焦点のぼけ、搬送時のジャミングな
どが生じてしまうという問題があった。また、PETフ
ィルムは、TACフィルムに比べ巻ぐせは付き難いが、
巻芯を小径化した場合には、十分とは言えなかった。
【0005】一般に、ポリエステルフィルムは機械的強
度や寸法安定性に優れている。従ってPETフィルムに
代表されるポリエステルフィルムの巻ぐせカールを低減
することにより、しいては、現像処理後の巻ぐせカール
も低減することができ、上記の種々の問題を解決できる
と思われる。
【0006】この様な観点から、ポリエステルフィルム
の巻ぐせカールを低減する方法として、特開昭51−1
6358には、熱可塑性樹脂フィルムをTg−5℃〜T
g−30℃で0.1〜1500時間、加熱処理する方法
が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】熱可塑性樹脂フィルム
をTg−5℃〜Tg−30℃で0.1〜1500時間、
加熱処理する方法は、PETフィルムやポリエチレンナ
フタレンジカルボキシレートフィルム(以下PENフィ
ルム)をはじめ、結晶性や半結晶性の熱可塑性樹脂の巻
ぐせカールを低減する効果があリ、有効に思われた。と
ころが、このような比較的高温での長時間熱処理はフィ
ルムの品質を著しく損なうという問題がある。
【0008】つまり、一般に写真感光材料は、プラスチ
ックフィルムなどを基材とし、その表面に接着層、帯電
防止層などの各種機能性層や写真感光層などが積層され
ている。その製造手順としては、通常、広巾で長尺のプ
ラスチックフィルムに、先に挙げたような機能性層を塗
設し、比較的径の大きな巻心に中間製品として巻き取ら
れる。その後、最終の製品形態に断裁され、包装加工さ
れることになる。
【0009】この中間製品は、可能な限り広巾で長尺で
あることが、切替え時間の短縮や生産性向上の点から有
利であり、中間製品の重量はますます増大の方向にあ
る。この結果、巻心部には相当な荷重がかかることにな
る。
【0010】ところで、熱可塑性樹脂フィルムは、その
Tg近傍に加熱されると、急激に弾性率が低下してしま
うことは、良く知られている。従って、大きな荷重がか
かっている条件下で、熱可塑性樹脂フィルムをそのTg
近傍で長時間加熱処理すると、フィルムはその荷重に耐
えられず、シワ、折れ、押されなどが発生してしまう。
この様な表面故障は、たとえ目視で見えないような微小
な場合でも、その後の下引き層やバック層の塗設工程で
塗布故障やフィルムの平面性の劣化として顕在化してく
るため写真用支持体としては使用に耐えないのが実情で
あった。
【0011】以上の事情を鑑み、本発明の目的は撮影時
のフィルム巻き出しの高速化、撮影倍率の高倍率化、撮
影装置の小型化などを可能とする優れた機械的強度、寸
法安定性を有し、塗布故障が無く、フィルムの平面性に
優れかつ巻芯を小径化しても巻ぐせカールが付き難く、
プレスプライス工程での搬送不良がない写真用支持体を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0013】1.二軸延伸ポリエステルフィルムからな
る写真用支持体であり、該二軸延伸ポリエステルフィル
ムが二軸延伸ポリエステルフィルムのガラス転移温度以
下、ガ該ラス転移温度から30℃低い温度以上で加熱処
理されており、さらに写真乳剤層を塗布する前までの間
で、加熱ローラーで加熱しつつ搬送して平坦にする平面
性改良処理がなされていることを特徴とする写真用支持
体。
【0014】2.前記加熱ローラーの表面温度が、前記
二軸延伸ポリエステルフィルムのガラス転移温度から5
0℃高い温度以下、該ガラス転移温度から20℃低い温
度以上に調整されていることを特徴とする前記1に記載
の写真用支持体。
【0015】3.前記加熱ローラーの表面温度が、前記
二軸延伸ポリエステルフィルムのガラス転移温度から2
0℃高い温度以下、該ガラス転移温度から10℃低い温
度以上に調整されていることを特徴とする前記1に記載
の写真用支持体。
【0016】4.前記平面性改良処理がなされた後に、
さらに搬送しながら前記二軸延伸ポリエステルフィルム
のガラス転移温度以下、該ガラス転移温度から30℃低
い温度以上で加熱処理されていることを特徴とする前記
1、2または3に記載の写真用支持体。
【0017】5.前記二軸延伸ポリエステルフィルムが
エチレン2−6ナフタレンジカルボキシレートユニット
を70重量%以上含有していることを特徴とする前記
1、2、3または4に記載の写真用支持体。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムを
構成するポリエステルは、特に限定されるものではない
が、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分
とするフィルム形成性を有するポリエステルであること
が好ましい。
【0020】主要な構成成分のジカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−6ナ
フタレンジカルボン酸、2−7ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエー
テルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、
ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケト
ンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを
挙げることができる。また、ジオール成分としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノー
ルフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノ
ン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができ
る。
【0021】これらを主要な構成成分とするポリエステ
ルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点か
ら、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び/また
は2−6ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分とし
て、エチレングリコール及び/または1−4シクロヘキ
サンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステル
が好ましい。
【0022】中でも、ポリエチレンテレフタレートまた
はポリエチレン2−6ナフタレンジカルボキシレートを
主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と
2−6ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールか
らなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステ
ルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエス
テルが好ましい。
【0023】ポリエステルに対してエチレン2−6ナフ
タレンジカルボキシレートユニットが70重量%以上含
有していると、透明性、機械的強度、寸法安定性などに
高度に優れたフィルムが得られる。
【0024】ポリエチレンテレフタレートを主構成成分
とするフィルムに比べポリエチレン2−6ナフタレンジ
カルボキシレートを主構成成分とするフィルムの方が機
械的強度や耐熱性に優れていることは良く知られてい
る。一方、ポリエチレン2−6ナフタレンジカルボキシ
レートを主構成成分とするフィルムには、蛍光を発光す
る性質や樹脂の価格が高いなどの不利な面もある。
【0025】従って、使用される目的に応じて、通常は
ポリエチレンテレフタレートを主構成成分とするフィル
ムを使用し、特に高度に薄膜化が必要な場合や高い温度
で酷使されるような場合はポリエチレン2−6ナフタレ
ンジカルボキシレートを主構成成分とするフィルムを使
用すれば良い。さらに両者を混合することによりお互い
の欠点を補うことができる。
【0026】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムを
構成するポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範
囲であれば、さらに他の共重合成分が共重合されていて
も良いし、他のポリエステルが混合されていても良い。
これらの例としては、先に挙げたジカルボン酸成分やジ
オール成分、またはそれらから成るポリエステルを挙げ
ることができる。
【0027】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムを
構成するポリエステルには、フィルムのデラミネーショ
ンを起こし難くするため、スルホネート基を有する芳香
族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリ
オキシアルキレン基を有するジカルボン酸またはそのエ
ステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有する
ジオールなどを共重合してもよい。
【0028】中でもポリエステルの重合反応性やフィル
ムの透明性の点で、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウ
ムスルホフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナ
フタレンジカルボン酸およびこれらのナトリウムを他の
金属、(例えばカリウム、リチウムなど)やアンモニウ
ム塩、ホスホニウム塩などで置換した化合物またはその
エステル形成性誘導体、ポリエチレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−
ポリプロピレングリコール共重合体およびこれらの両端
のヒドロキシ基を酸化するなどしてカルボキシル基とし
た化合物などが好ましい。
【0029】この目的で共重合される割合としては、ポ
リエステルを構成する二官能性ジカルボン酸を基準とし
て、0.1〜10モル%が好ましい。
【0030】また、フィルムの耐熱性を向上する目的で
は、ビスフェノール系化合物、ナフタレン環またはシク
ロヘキサン環を有する化合物を共重合することができ
る。これらの共重合割合としては、ポリエステルを構成
する二官能性ジカルボン酸を基準として、1〜20モル
%が好ましい。
【0031】本発明のポリエステルには、酸化防止剤が
含有されていても良い。特にポリエステルが、ポリオキ
シアルキレン基を有する化合物を含む場合に効果が顕著
となる。含有させる酸化防止剤はその種類につき特に限
定はなく、各種の酸化防止剤を使用することができる
が、例えばヒンダードフェノール系化合物、ホスファイ
ト系化合物、チオエーテル系化合物などの酸化防止剤を
挙げることができる。中でも透明性の点でヒンダードフ
ェノール系化合物の酸化防止剤が好ましい。
【0032】酸化防止剤の含有量は、通常、ポリエステ
ルに対して0.01〜2重量%が好ましく、更に好まし
くは0.1〜0.5重量%である。酸化防止剤の含有量
をこの範囲とすることで、写真感光材料の未露光部分の
濃度が高くなるいわゆるかぶり現象を防止でき、かつ、
フィルムのヘーズを低く抑えられるので、透明性に優れ
た写真用支持体が得られる。なお、これらの酸化防止剤
は一種を単独で使用しても良いし、二種以上を組合せて
使用してももちろん良い。
【0033】本発明のポリエステルには、ライトパイピ
ング現象を防止する目的で、染料を含有させることが好
ましい。このような目的で配合される染料としては、そ
の種類に特に限定があるわけではないが、フィルムの製
造上、耐熱性に優れていることが必要であり、アンスラ
キノン系やペリノン系の染料が挙げられる。また、色調
としては、一般の感光材料に見られるようにグレー染色
が好ましい。これらの染料としては、Bayer社製の
MACROLEXシリーズ、住友化学株式会社製のSU
MIPLASTシリーズ、三菱化成株式会社製のDia
resinシリーズなどの中から一種単独で、もしくは
二種以上の染料を必要な色調となるように混合して用い
ることができる。
【0034】この際、フィルムの分光透過率を400〜
700nmの波長範囲で60%以上85%以下とするの
が好ましく、さらに600〜700nmの波長範囲で分
光透過率の最大と最小の差が10%以内とするように染
料を用いることが、ライトパイピング現象を防止し、か
つ良好な写真プリントを得る上で好ましい。
【0035】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムに
は、必要に応じて易滑性を付与することもできる。易滑
性付与手段としては、特に限定はないが、ポリエステル
に不活性無機粒子を添加する外部粒子添加方法、ポリエ
ステルの合成時に添加する触媒を析出させる内部粒子析
出方法、あるいは界面活性剤などをフィルム表面に塗布
する方法などが一般的である。
【0036】これらの中でも、析出する粒子を比較的小
さくコントロールできる内部粒子析出方法が、フィルム
の透明性を損なうことなく易滑性を付与できるので好ま
しい。触媒としては、公知の各種触媒が使用できるが、
特にCa、Mnを使用すると高い透明性が得られるので
好ましい。これらの触媒は一種でも良いし、二種以上を
併用しても良い。
【0037】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは
異種のポリエステルからなる多層構成であっても良い。
例えば、エチレンテレフタレートユニットまたはエチレ
ン2−6ナフタレンジカルボキシレートユニットを主構
成成分とするポリエステルからなる層をA層、他のポリ
エステルからなる層をB層あるいはC層とした場合、A
層とB層とからなる二層構成でも良いし、A層/B層/
A層、A層/B層/C層、B層/A層/B層またはB層
/A層/C層などの三層構成でも良い。さらに四層以上
の構成ももちろん可能であるが、製造設備が複雑になる
ので実用上あまり好ましくない。A層の厚みは、ポリエ
ステルフィルムの全体の厚みに対し、30%以上の厚み
であることが好ましく、さらに50%以上の厚みである
ことが好ましい。
【0038】B層あるいはC層を構成するポリエステル
として、透明性、機械的強度、寸法安定性などの優れた
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレン
ジカルボキシレートあるいは他のホモポリエステル、あ
るいは他の共重合ポリエステルを用いることで、フィル
ム全体の透明性、機械的強度、寸法安定性などを向上す
ることができる。
【0039】さらに、本発明の二軸延伸ポリエステルフ
ィルムが多層構成を有する場合は、上記の酸化防止、ラ
イトパイピング防止、易滑性などの機能付与、または上
記以外の各種添加剤の添加は、表面層のみに行えばよい
ので、フィルムの透明性を高く維持できる。
【0040】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの
原料のポリエステルの合成方法は、特に限定があるわけ
ではなく、従来公知のポリエステルの製造方法に従って
製造できる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分
と直接エステル化反応させる直接エステル化法、初めに
ジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、
これとジオール成分とでエステル交換反応させ、これを
減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去することに
より重合させるエステル交換法を用いることができる。
この際、必要に応じてエステル交換触媒あるいは重合反
応触媒を用い、あるいは耐熱安定剤を添加することがで
きる。
【0041】また、合成時の各過程で着色防止剤、酸化
防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防
止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、消泡剤、透明化剤、
帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料などを添加させて
もよい。
【0042】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
は、下記の方法で求めたフィルムの巻ぐせカールが11
0m-1以下であることが好ましい。フィルムの巻ぐせカ
ールがあまり大きいと、プレスプライス工程での搬送性
や仕分け作業時の作業性が劣る。また、巻ぐせカールは
適度にある方が、フィルムカートリッジからフィルム先
端部を出させるのが容易となり、いわゆるベロ出し性に
優れるので好ましい。従って、フィルムの巻ぐせカール
のより好ましい範囲は5〜90m-1である。
【0043】<巻ぐせカール>巾35mm、長さ120
0mmの寸法の写真感光材料を、23℃、55%RHの
条件下で1日調湿した後、その写真感光層側を内側にし
て直径7mmの巻き芯に巻き付け戻らないように固定す
る。次いで、このフィルムをポリエチレン製のパトロー
ネケースに入れ、50℃、20%RHの条件下で4時間
加熱処理し、さらに23℃、55%RHの条件下で1時
間放冷する。その後フィルムを巻き芯から解放し、フィ
ルムの巻きの外側の端を上にしてクリップでつまみ、ぶ
らさげる。この状態でさらに、23℃、55%RHの条
件下で1時間放置する。こうした後、フィルムの下端の
巻ぐせカールの程度を曲率半径の逆数で求める。単位は
-1である。
【0044】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの
厚みは特に限定がある訳ではない。その使用目的に応じ
て必要な強度を有する様に設定すればよい。特にフィル
ムがカラーネガ用写真感光材料に用いられる場合は、2
0〜125μmが好ましく、特に40〜90μmである
ことが好ましい。また、医用や印刷用写真感光材料に用
いられる場合は、50〜200μmが好ましく、特に6
0〜150μmであることが好ましい。この範囲より薄
いと、必要な強度が得られない場合があり、厚いと従来
の写真感光材料用支持体に対しての優位性がなくなって
しまう。
【0045】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムに
は、巾方向にカールを付与することが、写真印画紙への
焼付け工程で、すり傷の発生やピントのぼけなどの問題
がない感光材料を得る上で好ましい。なお、フィルムの
カールの凸側に写真感光層を設け、かつその面を内側に
して巻いた場合にその効果が発揮される。
【0046】この様な目的でフィルムに付与するカール
の程度は、設ける写真感光層の厚み、弾性率、吸湿膨張
係数などにより変化するので一概に決められないが、感
光材料としたときに写真感光層側が凸にならない範囲で
できるだけフラットになるように付与すればよく、通
常、23℃、20%RHの条件下で5m-1〜50m-1
あることが好ましい。なお、カールの程度は、以下の様
にして求めた値である。
【0047】<巾方向のカール度>フィルムから巾35
mm、長さ2mmの寸法に切出した試験片を、23℃、
20%RHの条件下で1日調湿した後、サンプルの巾方
向のカールの曲率半径をメートルで求め、その逆数で巾
方向のカール度を表す。単位はm-1である。
【0048】フィルムに巾方向のカールを付与する方法
は、特に限定があるわけではなく、例えば、共重合成分
や主構成成分の異なるポリエステルを積層する方法、固
有粘度の異なる同種または異種のポリエステルを積層す
る方法、さらに三層構成とし、両外層の厚みを変化させ
る方法、表裏の延伸条件や熱固定条件を変化させフィル
ムの厚み方向で分子配向や結晶化度の分布を持たせる方
法などが挙げられる。また、レゾルシンなどで薬液処理
する方法なども挙げられる。さらに、これらの方法を適
宜組合せたり、四層以上の層構成のなかでこれらの方法
を用いてカールを付与することももちろん可能である。
【0049】これらの中で、二層構成で主構成成分が同
じで共重合成分の異なるポリエステルを積層する方法、
または中心層と両外層が、主構成成分が同じで共重合成
分の異なるポリエステルを積層した三層構成とし、両外
層の厚みを変化させる方法が、カールの程度を調整し易
いので好ましい。この目的で両外層の層の厚みを変化さ
せる場合は、両外層の厚みをそれぞれd1 、d2 とする
と、1.1≦d1 /d2 ≦10とすることがフィルムの
製造上好ましい。
【0050】上記範囲にないフィルムでは延伸が著しく
困難となる場合がある。
【0051】また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィ
ルムは、ヘーズが3%以下であることが好ましい。さら
に好ましくは1%以下である。ヘーズが3%より大きい
とフィルムを写真用支持体として用いた場合、写真用印
画紙に焼付けた画像がぼけてしまい不鮮明になる。上記
ヘーズは、ASTM−D1003−52に従って測定し
たものである。
【0052】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの
Tgは、60℃以上が好ましく、さらに70℃以上が好
ましい。Tgは示差走査熱量計で測定するところのベー
スラインが偏奇し始める温度と、新たにベースラインに
戻る温度との平均値として求められる。Tgがこの値以
上であると、現像処理機の乾燥工程でのフィルムが変形
がなく、現像処理後の巻きぐせカールの小さい感光材料
が得られる。
【0053】次に、本発明のポリエステルフィルムの製
造方法について説明する。
【0054】未延伸シートを得る方法および縦方向に一
軸延伸する方法は、従来公知の方法で行うことができ
る。例えば、原料のポリエステルをペレット状に成型
し、熱風乾燥または真空乾燥した後、溶融押出し、Tダ
イよりシート状に押出して、静電印加法などにより冷却
ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得
る。次いで、得られた未延伸シートを複数のロール群お
よび/または赤外線ヒーターなどの加熱装置を介してポ
リエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+100
℃の範囲内に加熱し、一段または多段縦延伸する方法で
ある。延伸倍率は、通常2.5倍〜6倍の範囲で、続く
横延伸が可能な範囲とする必要がある。シートが多層構
成の場合の延伸温度の設定は各構成層のポリエステルの
Tgのなかで最も高いTgを基準にすることが好まし
い。
【0055】この際、ポリエステルを積層する場合も、
従来公知の方法でよい。例えば、複数の押出機およびフ
ィードブロック式ダイあるいはマルチマニフォールド式
ダイによる共押出法、積層体を構成する単層フィルムま
たは積層フィルム上に積層体を構成するその他の樹脂を
押出機から溶融押出し、冷却ドラム上で冷却固化させる
押出ラミネート法、積層体を構成する単層フィルムまた
は積層フィルムを必要に応じてアンカー剤や接着剤を介
して積層するドライラミネート法などが挙げられる。中
でも、製造工程が少なくてすみ、各層間の接着性が良好
な共押出法が好ましい。
【0056】次に、上記の様にして得られた縦方向に一
軸延伸されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tm−2
0℃の温度範囲内で行うことが好ましく、横延伸し、次
いで熱固定する。横延伸倍率は通常3〜6倍であるのが
好ましく、また、縦、横延伸倍率の比は、得られた二軸
延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するよ
うに適宜調整する。本発明の場合、巾方向の弾性率が長
手方向の弾性率より大きくなるようにする。
【0057】使用目的に応じて変化させても良い。この
時、2つ以上に分割された延伸領域で温度差を1〜50
℃の範囲で順次昇温しながら横延伸すると巾方向の物性
の分布が低減でき好ましい。さらに横延伸後、フィルム
を、その最終横延伸温度以下でTg−40℃以上の範囲
に0.01〜5分間保持すると巾方向の物性の分布がさ
らに低減でき好ましい。
【0058】熱固定は、その最終横延伸温度より高温
で、Tm−20℃以下の温度範囲内で行うことが好まし
く、かつ通常0.5〜300秒間熱固定することが好ま
しい。
【0059】この際、2つ以上に分割された領域で温度
差を1〜100℃の範囲で順次昇温しながら熱固定する
ことが好ましい。
【0060】熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで
冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし
ロール状に巻き取られる。この際、最終熱固定温度以
下、Tg以上の温度範囲内で、巾方向及び/または長手
方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。ま
た、冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒10
0℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、
弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で
行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながら、こ
れらの処理を行うことが、フィルムの寸法安定性向上の
点で好ましい。なお、冷却速度は、最終熱固定温度をT
1 ,フィルムが最終熱固定温度からTgに達するまでの
時間をtとしたとき、(T1 −Tg)/tで求めた値で
ある。
【0061】これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件の
より最適な条件は、フィルムを構成するポリエステルに
より異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測
定し、好ましい特性を有するように適宜調整することに
より決定すればよい。
【0062】また、上記フィルム製造に際し、延伸の前
および/または後で帯電防止層、易滑性層、接着層、バ
リアー層などの機能性層を塗設してもよい。
【0063】この際、コロナ放電処理、薬液処理などの
各種表面処理を必要に応じて施すことができる。さら
に、強度を向上させる目的で、多段縦延伸、再縦延伸、
再縦横延伸、横・縦延伸など公知の延伸フィルムに用い
られる延伸を行うこともできる。
【0064】もちろんカットされたフィルム両端のクリ
ップ把持部分は、粉砕処理された後、あるいは必要に応
じて造粒処理や解重合・再重合などの処理を行った後、
同じ品種のフィルム用原料としてまたは異なる品種のフ
ィルム用原料として再利用してもよい。
【0065】以上のようにして得られた二軸延伸ポリエ
ステルフィルムは、まだ巻ぐせが付きやすい性質なの
で、さらに二軸延伸ポリエステルフィルムを、そのTg
以下、Tg−30℃以上の温度で熱処理を行うことが必
須である。処理温度は高いほど短時間で巻ぐせカールの
低減効果が得られるが、あまり高温では、フィルムのシ
ワや押されや折れが発生しやすくなる場合がある。
【0066】処理温度が低いときは長い処理時間が必要
となるが、低すぎると十分な巻ぐせカールの低減効果が
得られなくなる。処理時間は、特に限定はないが、0.
1時間以上から巻ぐせカールの低減効果が認められ、長
時間にするほど高い効果が得られるので所望の効果が得
られるように適宜設定することができるが、あまり長い
と生産性に劣るので通常1500時間までが現実的であ
る。
【0067】熱処理する場合、フィルムの縁や中央部に
部分的にあるいは全長に渡ってエンボス加工したり、端
部を折り曲げる加工をしたり、他の介在物を挿入した
り、部分的にフィルムの厚みを厚くするなどによりフィ
ルムとフィルムの密着を防止することが好ましい。
【0068】中でもエンボス加工を施す方法が最も簡単
でかつ確実であり好ましい。もちろんこれらの方法を複
数組合わせてもよい。このような目的では、エンボス加
工は通常10〜100μmの凹凸ができるように加工す
るのが好ましい。エンボス加工する位置はフィルムの中
央部だけでもよいし、両端部だけでもよいし、両方を組
合せてもよい。フィルム巾方向に50cmから2mの間
隔でエンボス加工するのが好ましい。
【0069】熱処理する際使用する芯および巻き取る芯
は特に限定されないが、フィルムが巻かれても撓みなど
を起こさない強度を備え、かつ熱処理温度に耐える材
質、構造であることが好ましい。芯の表面は平滑なほど
よく、表面粗さ(Rmax )で2.0μm以下が好ま
しい。
【0070】これらの例としては樹脂ロール、繊維強化
樹脂ロール、金属ロール、セラミックコーティングロー
ルなどが挙げられる。
【0071】芯径は、あまり小さすぎると巻芯部にしわ
などが発生しやすいので、ある程度大きい方が好まし
く、通常75mm以上が好ましく、さらに200mm以
上が好ましい。巻き取られたフィルムロールのロール直
径は、あまり大きすぎると均一な処理が難しくなるの
で、ある程度小さい方が好ましく、通常1000mm以
下が好ましく、さらに850mm以下が好ましい。また
フィルムロール巾は特に限定はないが、生産性の点から
広いほうが好ましく、150mm以上3500mm以下
が一般的で好ましい。
【0072】本発明では、さらにフィルムを加熱ローラ
ーで加熱しつつ搬送して平坦にする平面性改良処理がな
される点に特徴がある。平面性改良処理は、写真乳剤層
を塗布する前までのいずれの段階で行ってもかまわない
が、当然のことながら各層の中で最も影響の出やすい層
を塗布する直前までに行うことが好ましい。通常、層厚
の比較的厚い写真乳剤層よりも層厚の薄い下引き層やバ
ック層の方が影響が出やすいことが多いのでバック層を
塗布する前までに行うことが好ましい。
【0073】加熱ローラーの表面温度は、二軸延伸ポリ
エステルフィルムのガラス転移温度から50℃高い温度
以下、該ガラス転移温度から20℃低い温度以上である
ことが好ましい。さらに上記ガラス転移温度から20℃
高い温度以下、該ガラス転移温度から10℃低い温度以
上であることが好ましい。加熱ローラーの表面温度を、
この温度範囲とすることで下引き層やバック層の塗布む
らがなく、フィルムの巻ぐせカールが付きにくい写真用
支持体が得られる。
【0074】加熱ローラーの加熱方式は特に限定はな
く、中空ローラーを用いて熱媒体を通過させることによ
り内部から加熱してもよいし、温調されたオーブン中に
ローラーを配置して外部から加熱してもよい。平面性改
良装置の例としては特開平6−278149に記載の装
置などが挙げられるが限定されない。
【0075】ところで、TACフィルムの場合、特開平
6−278149号に記載の方法は平面性改良に効果が
認められるのだけれども、その方法をそのままPETフ
ィルムなどの二軸延伸ポリエステルフィルムに適用する
と熱収縮の為、逆に平面性が劣化してしまう場合があ
る。本発明では、平面性改良処理の前に、あらかじめポ
リエステルフィルムのガラス転移温度以下、ガラス転移
温度から30℃低い温度以上で加熱処理してあるので平
面性を損なうことはない。
【0076】平面性改良処理のための時間は特に限定は
なく所望の平面性が得られるように適宜設定可能であ
る。処理温度が高いほど短時間で効果が得られ、低いほ
ど長時間の処理が必要になるので、設備の大きさなどを
勘案して必要な温度と時間の条件を決めればよい。通常
3秒以上から改良効果が認められ、100時間以上では
ほぼ効果は飽和するので、好ましい範囲は3秒以上10
0時間以内である。
【0077】本発明では平面性改良処理がなされた後
に、さらに搬送しながらポリエステルフィルムのガラス
転移温度以下、ガラス転移温度から30℃低い温度以上
で加熱処理することが好ましい。
【0078】この工程を経ることでフィルムの巻ぐせカ
ールがより高度に低減できる。また、平面性改良処理条
件が高温で長時間であるとフィルムの巻ぐせカールが劣
化する場合もあるが、本発明では、その劣化の程度は少
ないので、巻ぐせカール低減を目的とした熱処理を再度
行う場合、非常に短時間で十分である。従って長いフィ
ルムパスラインを必要としないのでフィルムを搬送しな
がら処理することが可能となるのである。ロール状では
なく搬送しながらの熱処理であるからフィルムの平面性
は劣化することはなく、むしろさらに改良される。
【0079】本発明では、フィルムの表面に下引き層を
塗設することにより写真用支持体を得ることができる。
下引き層に用いることのできる素材は特に限定されない
が、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、
メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン
酸を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレ
ンイミン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロ
ースなどやこれらの混合物などを挙げることができる。
これら下引き層中には界面活性剤、帯電防止剤、アンチ
ハレーション剤、クロスオーバーカット剤、着色染料、
顔料、増粘剤、塗布助剤、カブリ防止剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、紫外線安定剤、エッチング処理剤、磁性
粉、マット剤などの各種添加剤を一種または二種以上含
有していてもよい。
【0080】下引き層を塗設する方法は特に限定はな
く、従来から知られている各種の方法を用いることがで
きる。例えば上記の素材を適当な溶媒に溶かした溶液あ
るいは分散液とし、エアーナイフコーター、ディップコ
ーター、カーテンコーター、ワイヤーバーコーター、グ
ラビアコーター、エクストルージョンコーターなどを用
いてフィルム表面に塗布し、乾燥する方法が挙げられ
る。この際必要に応じてコロナ放電処理、紫外線処理、
グロー放電処理、プラズマ処理、火炎処理などの表面活
性化処理する方法やレゾルシン処理、フェノール類処
理、アルカリ処理、アミン処理、トリクロル酢酸処理な
どのエッチング処理する方法を用いても良い。もちろん
これらの処理を組合せてもよい。中でもコロナ放電処理
が好ましく用いられる。また、作業環境の点から塗布液
は水分散液あるいは水溶液であることが好ましい。
【0081】下引き層は一層または二層以上から構成さ
れていてもよく、さらに、帯電防止層、易滑性層、バリ
アー層、アンチハレーション層、クロスオーバーカット
層、紫外線吸収層、磁気記録層などが含まれていても良
い。
【0082】以上のようにして下引き層が塗設されたフ
ィルムは常温まで冷却され巻き取られ、次工程に送られ
るまでの間保管される。この際、フィルムの水分率を
0.2%以下に調節することにより、保管による巻ぐせ
を防止することができるので好ましい。
【0083】次に、感光材料を形成する方法について説
明する。
【0084】感光材料は、本発明の写真用支持体の少な
くとも一方の側に写真乳剤層が設けられており、写真乳
剤層はハロゲン化銀乳剤を塗設することによって形成す
ることができる。写真乳剤層は、写真用支持体の片面ま
たは両面に設けることができる。また、写真乳剤層は、
それぞれの面に一層または二層以上設けることができ
る。ハロゲン化銀乳剤は、写真用支持体上に直接あるい
は他の層、例えば、ハロゲン化銀乳剤を含まない親水性
コロイド層を介して塗設することができる。また、ハロ
ゲン化銀乳剤層は、異なる感度、例えば高感度および低
感度の各ハロゲン化銀乳剤層に分けて塗設してもよい。
この場合、各ハロゲン化銀乳剤層の間に中間層を設けて
もよい。さらに、ハロゲン化銀乳剤層の上や中間層、あ
るいはハロゲン化銀乳剤層と写真用支持体の間の任意の
場所に親水性コロイド層、保護層、アンチハレーション
層、バッキング層、マスキング層などの非感光性層を設
けてもよい。
【0085】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略
す。)No.17643、22〜23頁(1979年12月)の“1.乳剤製
造法(Emulsion preparation and types)”、およびR
D No.18716、648頁、グラフキデ著「写真の物理と化
学」ポールモンテル社刊(P.Glkides,Chemie et Phyziq
ue Photographique ,Paul Montel,1967)、ダフィン著
「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Daffi
n,Photographic Emulsion Chemistry Focal Press196
6)、ゼリクマン等著「写真乳剤の製造と塗布」、フォ
ーカルプレス社刊(V.L.Zelikman etal,Making and coa
ting Photographic Emulsion,Focal Press 1964)など
に記載された方法を用いて調製することができる。
【0086】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
米国特許3,574,628号、同3,665,394号および英国特許1,
413,748号などに記載された単分散乳剤も好ましい。
【0087】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に
は、物理熟成、化学熟成及び分光増感を行うことができ
る。このような工程で使用される添加剤は、RD No.17
643、RD No.18716及びRD No.308119(それぞれ、以
下、RD 17643、RD 18716及びRD 308119と略
す。)に記載されている。表1にその記載箇所を示す。
【0088】
【表1】
【0089】本発明に用いられる感光材料がカラー写真
感光材料である場合、使用することができる写真用添加
剤は上記RDに記載されている。表2にその関連のある
記載箇所を示す。
【0090】
【表2】
【0091】また本発明に用いられる写真感光材料がカ
ラー写真感光材料である場合、種々のカプラーを使用す
ることができ、その具体例は下記RD 17643及びRD 3
08119に記載されている。表3にその関連ある記載箇所
を示す。
【0092】
【表3】
【0093】またこれら添加剤は、RD 308119 1007
頁 XIV項に記載されている分散法などにより、写真感光
層に添加することができる。
【0094】本発明に用いられる写真感光材料がカラー
写真感光材料である場合には、前述のRD 308119 VII
−K項に記載されているフィルター層や中間層などの補
助層を設けることができる。
【0095】上記カラー写真感光材料を構成する場合、
前述のRD 308119 VII−K項に記載されている順層、逆
層、ユニット構成などの様々な層構成をとることができ
る。
【0096】本発明に用いられる写真感光材料を現像処
理するには、例えばT.H.ジェームズ著、セオリイ オブ
ザ フォトグラフィック プロセス第4版(The Theo
ry of The Photografic Process Forth Edition)第291
頁〜第334頁およびジャーナル オブ ザ アメリカン ケ
ミカル ソサエティ(JournaI of the American Chemica
l Society)第73巻、第3,100頁(1951)に記載されてい
る、それ自体公知の現像剤を使用することができる。ま
た前記カラー写真感光材料は前述のRD 1764328〜29
頁、RD 18716 615頁及びRD 308119 XIXに記載され
た通常の方法によって、現像処理することができる。
【0097】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
詳述する。
【0098】以下の実施例において、ガラス転移温度お
よび融点、フィルムヘーズ、固有粘度、弾性率および破
断強度、巻きぐせカールの各値及び塗布故障、平面性、
プレスプライス搬送性の各評価ランクは下記により求め
られたものである。
【0099】(1)ガラス転移温度Tgおよび融点Tm フィルムあるいはペレット10mgを、毎分300cm
3の窒素気流中、300℃で溶融し、直ちに液体窒素中
で急冷する。この急冷サンプルを示差走査型熱量計(理
学電器社製、DSC8230型)にセットし、毎分10
0ccの窒素気流中、毎分10℃の昇温速度で昇温し、
TgおよびTmを検出する。Tgはベースラインが偏奇
し始める温度と、新たにベースラインに戻る温度との平
均値、Tmはその吸熱ピークのピーク温度とした。な
お、測定開始温度は、測定されるTgより50℃以上低
い温度とする。
【0100】(2)フィルムヘーズ ASTM−D1003−52に従って測定した。
【0101】(3)固有粘度 フィルムあるいはペレットを、フェノールと1,1,
2,2−テトラクロロエタンの混合溶媒(重量比60/
40)に溶かし、濃度0.2g/dl、0.6g/d
l、1.0g/dlの溶液を作製し、ウベローデ型粘度
計により、20℃で、それぞれの濃度(C)における比
粘度(ηsp)を求める。次いで、ηsp/CをCに対して
プロットし、得られた直線を濃度ゼロに補外して を求める。単位は、dl/gで示される。
【0102】(4)弾性率および破断強度 フィルムを、巾10mm、長さ200mmの大きさに切
出し、23℃、55%RHの条件下で12時間調湿した
後、(株)オリエンテック社製テンシロン(RTA−1
00)を用い、チャック間を100mmにし、引張り速
度100mm/分で引張り試験をし弾性率および破断強
度を求めた。
【0103】(5)巻きぐせカール 巾35mm、長さ1200mmの寸法の感光材料を、2
3℃、55%RHの条件下で1日調湿した後、その写真
感光層側を内側にして直径7mmの巻き芯に巻き付け戻
らないように固定する。次いで、このフィルムをポリエ
チレン製のパトローネケースに入れ、50℃、20%R
Hの条件下で4時間加熱処理し、さらに23℃、55%
RHの条件下で1時間放冷する。その後フィルムを巻き
芯から解放し、フィルムの巻きの外側の端を上にしてク
リップでつまみ、ぶらさげる。この状態でさらに、23
℃、55%RHの条件下で1時間放置する。こうした
後、フィルムの下端の巻ぐせカールの程度を曲率半径の
逆数で求める。単位はm-1である。
【0104】(6)塗布故障 フィルム1m2あたりの表面故障の数を目視評価し、下
記の基準でランク付けした。なお、このランク付けにお
ける実用性は、写真感光材料としての品質の許容性に基
づいて決定されたものであり、ランク○以上であること
が必要である。
【0105】 ランク 表面故障の数 ◎ 0個 ○ 1〜3個 × 4個以上 (7)平面性 フィルムを、23℃、55%RHの条件下で12時間調
湿した後に、平らな盤の上に広げ、その波打ちの程度を
目視にて評価し、以下の基準でランク付けした。なお、
このランク付けにおける実用性は、感光材料としての品
質の許容性に基づいて決定されており、ランク○以上で
あることが必要である。
【0106】 ランク 波打ちの程度 ◎ 良好 ○ 良く見ると波打ちが分かる × 波打ちが大きい (8)プレスプライス搬送性 上記巻ぐせカールの測定と同様にして巻ぐせを付けた感
光材料を用いて、巻芯側が先頭になるようにしてノーリ
ツプレスプライサーPS−35−1(ノーリツ鋼機株式
会社製)に挿入した。各水準10本づつ通し搬送不良の
発生数により下記の基準でランク付けした。
【0107】 ランク 搬送不良の発生数 ◎ 0 本 ○ 1 本 × 2〜10本 実施例1 以下のようにして、ポリエステルフィルムを準備した。
【0108】(ポリエステルA)2−6ナフタレンジカ
ルボン酸ジメチル100重量部、エチレングリコール6
0重量部にエステル交換触媒として酢酸カルシウム水和
物0.1重量部を添加し、常法に従ってエステル交換反
応を行った。得られた生成物に、三酸化アンチモン0.
05重量部、リン酸トリメチルエステル0.03重量部
を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、290
℃、0.5mmHgで重合を行い、固有粘度0.60の
ポリエチレン2−6ナフタレートを得た。(2−6ナフ
タレンジカルボキシレート100重量%) (ポリエステルB)ポリエステルAにバイエル社製染料
マクロレックス グリーンG、マクロレックス レッド
5Bを1:1の割合で添加し、押出し機を用いて染料濃
度が2000ppmのマスターペレットを作製した。
【0109】以上のようにして得られた各々のポリエス
テルを用いて、以下のようにしてフィルムを得た。
【0110】ポリエステルAとポリエステルBを重量比
9:1の割合になるようにタンブラー型混合機でブレン
ドした。この後、150℃で8時間真空乾燥した後、3
00℃でTダイから層状に溶融押出し、50℃の冷却ド
ラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化させ,未
延伸シートを得た。この未延伸シートをロール式縦延伸
機を用いて、135℃で縦方向に3.3倍延伸した。
【0111】得られた一軸延伸フィルムをテンター式横
延伸機を用いて、第一延伸ゾーン145℃で総横延伸倍
率の50%延伸し、さらに第二延伸ゾーン155℃で総
横延伸倍率3.3倍となるように延伸した。次いで、1
00℃で2秒間熱処理し、さらに第一熱固定ゾーン20
0℃で5秒間熱固定し、第二熱固定ゾーン230℃で1
5秒間熱固定した。次いで横方向に5%弛緩処理しなが
ら室温まで60秒かけて冷却し、フィルムをクリップか
ら解放し、巻き取り、厚さ90μmの二軸延伸フィルム
を得た。
【0112】以上のようにして得られたフィルムを巾1
mにスリットしその両縁部にエンボスリングを押付けな
がら高さ15μm、巾10mmのエンボス加工を施した
後、直径200mm、表面粗さ(RMAX )0.8μmの
SUS製の巻芯に、初期張力25kgf、最終張力20
kgfとなるように張力を変化させながら1000m巻
き取った。
【0113】次いで、フィルムを巻芯に巻かれた状態の
まま、110℃で24時間巻ぐせ低減のため本発明の加
熱処理を行った。尚、加熱処理は24時間かけて昇温し
所定温度で所定時間処理した後さらに24時間かけて常
温まで冷却した。
【0114】得られたフィルムの特性値は次の様であっ
た。
【0115】 Tg 120 ℃ Tm 272 ℃ η 0.58 dl/g ヘーズ 0.5 % 弾性率 タテ方向 650 kg/mm2 ヨコ方向 700 kg/mm2 破断強度 タテ方向 22 kg/mm2 ヨコ方向 24 kg/mm2 続いて、フィルムを、複数の加熱ローラー群を備えた3
つのオーブン(上流からオーブン1、オーブン2、オー
ブン3と呼ぶ)中を搬送させて、平面性改良処理、それ
に続く巻ぐせ低減のための熱処理および冷却を施した。
各水準の条件は以下に示した。
【0116】これらのオーブンはそれぞれ独立して温度
調節可能である。フィルムの通過時間は各水準ともオー
ブン1が5分、オーブン2が10分、オーブン3が5分
となるように搬送速度を調節した。
【0117】次いで、得られたフィルムに以下の様にし
て下引き層を塗設した。
【0118】フィルムの写真乳剤側となる面に8W/
(m2・min)のコロナ放電処理を施し、その上に2
5℃、50%RHの雰囲気下でロールフィットコーティ
ングパン及びエアーナイフを使用して下記の塗布液A−
1を塗布し、乾燥温度115℃で1分間乾燥し、乾燥後
の厚み0.8μmの層を形成した。
【0119】 <塗布液A−1> ブチルアクリレート30重量%、t−ブチルアクリレート20重量%、 スチレン25重量%,及び2−ヒドロキシエチルアクリレート25重量% の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g 化合物(UL−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.8g 水で仕上げる 1000ml さらにA−1塗布面に同様にして、下記の塗布液A−2
を塗布し、乾燥後の厚みが0.1μmの層を形成した。
【0120】 <塗布液A−2> ゼラチン 10g 化合物(UL−1) 0.2g 化合物(UL−2) 0.2g 化合物(UL−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径:3μm) 0.1g 水で仕上げる 1000ml 次にフィルムのバック層側となる面に、同様にして、下
記の塗布液B−1を塗布し、乾燥温度115℃で1分間
乾燥し、乾燥後の厚み0.8μmの層を形成した。
【0121】 <塗布液B−1> ブチルアクリレート40重量%、スチレン20重量%, 及びグリシジルアクリレート40重量%の共重合体ラテックス液 (固形分30%) 270g 化合物(UL−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.8g 水で仕上げる 1000ml 次いで、B−1塗布面に、同様にして下記の塗布液B−
2を塗布し、乾燥温度115℃で1分間乾燥し、乾燥後
の厚み0.8μmの層を形成した。
【0122】 <塗布液B−2> 化合物(UL−4) 60g 化合物(UL−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g 化合物(UL−6) 12g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g 水で仕上げる 1000ml さらに、以下のようにしてバック層を塗設した。
【0123】B−2塗布面に30℃、50%RHの雰囲
気下でワイヤーバーを使用して下記の塗布液B−3を塗
布し、乾燥温度90℃で1分間乾燥し、乾燥後の厚み
0.1μmの層を形成した。
【0124】 <塗布液B−3> ジアセチルセルロース 10g アセトン 400ml メタノール 600ml さらに、B−3塗布面に30℃、50%RHの雰囲気下
でワイヤーバーを使用して下記の塗布液B−4を10m
l/m2塗布し、乾燥温度90℃で1分間乾燥し、バッ
ク層を仕上げた。
【0125】 <塗布液B−4> カルナバワックス 1g トルエン 700ml メチルエチルケトン 300ml <写真感光層の塗設>上記のフィルムのA層の表面に2
5W/(m2/min)のコロナ放電処理を施し、下記
の写真構成層を順次形成して、カラー写真感光材料を作
成した。
【0126】なお、以下に示した写真構成層における数
量の表示は特に記載のない限り1m2当たりの量で示した
ものである。
【0127】またハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算
して示した。
【0128】 〈写真構成層〉 第1層;ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀 0.15g 紫外線吸収剤(UV−1) 0.20g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.02g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.20g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.20g ゼラチン 1.6g 第2層;中間層(IL−1) ゼラチン 1.3g 第3層;低感度赤感性乳剤層(R−L) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.3μm、平均ヨウド含有量2.0モル%) 0.4g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.4μm、平均ヨウド含有量8.0モル%) 0.3g 増感色素(S−1) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.2×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−1) 0.50g シアンカプラー(C−2) 0.13g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.07g DIR化合物(D−1) 0.006g DIR化合物(D−2) 0.01g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.55g ゼラチン 1.0g 第4層;高感度赤感性乳剤層(R−H) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.7μm、平均ヨウド含有量7.5モル%) 0.9g 増感色素(S−1) 1.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 1.6×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.1×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−2) 0.23g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.03g DIR化合物(D−2) 0.02g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.25g ゼラチン 1.0g 第5層;中間層(IL−2) ゼラチン 0.8g 第6層;低感度緑感性乳剤層(G−L) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.4μm、平均ヨウド含有量8.0モル%) 0.6g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.3μm、平均ヨウド含有量2.0モル%) 0.2g 増感色素(S−4) 6.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−5) 0.8×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.17g マゼンタカプラー(M−2) 0.43g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.10g DIR化合物(D−3) 0.02g 高沸点溶媒(Оil−2) 0.7g ゼラチン 1.0g 第7層;高感度緑感性乳剤層(G−H) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.7μm、平均ヨウド含有量7.5モル%) 0.9g 増感色素(S−6) 1.1×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−7) 2.0×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−8) 0.3×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.30g マゼンタカプラー(M−2) 0.13g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04g DIR化合物(D−3) 0.004g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.35g ゼラチン 1.0g 第8層;イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.1g 添加剤(HS−1) 0.07g 添加剤(HS−2) 0.07g 添加剤(SC−1) 0.12g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.15g ゼラチン 1.0g 第9層;低感度青感性乳剤層(B−L) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.3μm、平均ヨウド含有量2.0モル%) 0.25g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.4μm、平均ヨウド含有量8.0モル%) 0.25g 増感色素(S−9) 5.8×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.6g イエローカプラー(Y−2) 0.32g DIR化合物(D−1) 0.003g DIR化合物(D−2) 0.006g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.18g ゼラチン 1.3g 第10層;高感度青感性乳剤層(B−H) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.8μm、平均ヨウド含有量8.5モル%) 0.5g 増感色素(S−10) 3×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−11) 1.2×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.18g イエローカプラー(Y−2) 0.10g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.05g ゼラチン 1.0g 第11層;第1保護層(PRO−1) 沃臭化銀(平均粒径0.08μm) 0.3g 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07g 紫外線吸収剤(UV−2) 0.10g 添加剤(HS−1) 0.2g 添加剤(HS−2) 0.1g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.07g 高沸点溶媒(Oil−3) 0.07g ゼラチン 0.8g 第12層;第2保護層(PRO−2) 化合物A 0.04g 化合物B 0.004g ポリメチルメタクリレート(平均粒径:3μm) 0.02g ゼラチン 0.7g ―沃臭化銀乳剤の調製― 第10層に使用した沃臭化銀乳剤は以下の方法で調製し
た。
【0129】平均粒径0.33μmの単分散沃臭化銀粒子
(沃化銀含有率2モル%)を種結晶として、沃臭化銀乳
剤をダブルジェット法により調製した。
【0130】下記組成の溶液〈G−1〉を温度70℃、pA
g7.8、pH7.0に保ち、よく撹拌しながら0.34モル相当の
種乳剤を添加した。
【0131】(内部高沃度相-コア相-の形成)その後、
下記組成の溶液〈H−1〉と下記組成の溶液〈S−1〉
とを1:1の流量比を保ちながら、加速された流量(終
了時の流量が初期流量の3.6倍)で86分をかけて添加し
た。
【0132】(外部低沃度相-シェル相-の形成)続い
て、pAg10.1、pH6.0に保ちながら、〈H−2〉と〈S
−2〉とを1:1の流量比で加速された流量(終了時の
流量が初期流量の5.2倍)で65分を要して添加した。
【0133】粒子形成中のpAgとpHとは、臭化カリウム
水溶液と56%酢酸水溶液とを用いて制御した。粒子形成
後に、常法のフロキュレーション法によって水洗処理を
施し、その後ゼラチンを加えて再分散し、40℃にてpH
およびpAgをそれぞれ5.8および8.0に調整した。
【0134】得られた乳剤は、平均粒径0.80μm、分布
の広さが12.4%、沃化銀含有率8.5モル%の八面体沃臭
化銀粒子を含む単分散乳剤であった。
【0135】 〈G−1〉 オセインゼラチン 100.0g 下記化合物−Iの10重量%エタノール溶液 25.0ml 28%アンモニア水溶液 440.0ml 56%酢酸水溶液 660.0ml 水で仕上げる 5000.0ml (化合物−I:ポリイソプロピレンオキシ・ポリエチレンオキシ・ジ琥珀酸ナ トリウム) 〈H−1〉 オセインゼラチン 82.4g 臭化カリウム 151.6g 沃化カリウム 90.6g 水で仕上げる 1030.5ml 〈S−1〉 硝酸銀 309.2g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 1030.5ml 〈H−2〉 オセインゼラチン 302.1g 臭化カリウム 770.0g 沃化カリウム 33.2g 水で仕上げる 3776.8ml 〈S−2〉 硝酸銀 1133.0g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 3776.8ml 第10層以外の乳剤層に使用される沃臭化銀乳剤について
も、同様の方法で、種結晶の平均粒径、温度、pAg、p
H、流量、添加時間及びハライド組成を変化させて、平
均粒径および沃化銀含有率が異なる前記各乳剤を調製し
た。
【0136】いずれも分布の広さ20%以下のコア/シェ
ル型単分散乳剤であった。各乳剤は、チオ硫酸ナトリウ
ム、塩化金酸およびチオシアン酸アンモニウムの存在下
にて最適な化学熟成を施し、増感色素、4-ヒドロキシ-6
-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン、1-フェニル-5-メ
ルカプトテトラゾールを加えた。
【0137】尚、上述の感光材料は、さらに、化合物S
U−1、SU−2、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H−
2、安定剤ST−1、カブリ防止剤AF−1、AF−2
(重量平均分子量10,000のもの及び1,100,000のも
の)、染料AI−1,AI−2および化合物DI−1
(9.4mg/m2)を含有する。
【0138】上記多層カラー写真感光材料を形成するの
に用いた各化合物の構造を以下に示す。
【0139】
【化1】
【0140】
【化2】
【0141】
【化3】
【0142】
【化4】
【0143】
【化5】
【0144】
【化6】
【0145】
【化7】
【0146】
【化8】
【0147】
【化9】
【0148】
【化10】
【0149】
【化11】
【0150】以上のようにして得られたカラー写真フィ
ルムについて塗布故障、平面性の評価を行った。さら
に、得られたカラー写真フィルムを巾35mm、長さ1
200mmに裁断し、その両縁部にJIS7519−1
982に記載されている様にパーフォレーション加工を
施した。この裁断されたれたカラー写真フィルムについ
て、巻ぐせカールを測定し、さらにプレスプライス搬送
性を評価した。結果を以下に示した。
【0151】 水準 オーブン温度 塗布故障 平面性 巻ぐせ プレスプラ 備考 カール イス搬送性 1(℃) 2(℃) 3(℃) (m-1) 1 170 110 25 ◎ ○ 110 ○ 本発明 2 140 110 25 ◎ ◎ 100 ◎ 本発明 3 130 110 25 ◎ ◎ 80 ◎ 本発明 4 120 120 25 ◎ ◎ 80 ◎ 本発明 5 110 110 25 ◎ ◎ 80 ◎ 本発明 6 100 100 25 ○ ○ 90 ◎ 本発明 7 処理なし × × 90 ◎ 比較例 以上の結果から明らかなように本発明によれば、巻ぐせ
カール、プレスプライス適性に優れており、かつ塗布故
障、平面性が改良されていることが分かる。
【0152】実施例2 実施例1で平面性改良処理、それに続く巻ぐせ低減のた
めの熱処理および冷却を施す時期を、下引き層塗設前か
ら下引き層塗設後に変更した以外は同様にしてカラー写
真フィルムを得、同様にして評価した。結果を以下に示
した。
【0153】 水準 オーブン温度 塗布故障 平面性 巻ぐせ プレスプラ 備考 カール イス搬送性 1(℃) 2(℃) 3(℃) (m-1) 1 170 110 25 ◎ ○ 110 ○ 本発明 2 140 110 25 ◎ ◎ 100 ◎ 本発明 3 130 110 25 ◎ ◎ 80 ◎ 本発明 4 120 120 25 ◎ ◎ 80 ◎ 本発明 5 110 110 25 ○ ◎ 80 ◎ 本発明 6 100 100 25 ○ ○ 90 ◎ 本発明 7 処理なし × × 90 ◎ 比較例 以上の結果から明らかなように処理工程を変えても本発
明の効果が得られることがわかる。
【0154】実施例3 実施例1で平面性改良処理前の巻ぐせ低減のための熱処
理を行わなかった以外は同様にして、カラー写真フィル
ムを得、同様にして評価した。結果を以下に示した。
【0155】 水準 オーブン温度 塗布故障 平面性 巻ぐせ プレスプラ 備考 カール イス搬送性 1(℃) 2(℃) 3(℃) (m-1) 1 170 110 25 × × 150 × 比較例 2 140 110 25 ○ ○ 150 × 比較例 3 130 110 25 ○ ○ 150 × 比較例 4 120 120 25 ◎ ○ 140 × 比較例 5 110 110 25 ◎ ◎ 120 × 比較例 6 100 100 25 ◎ ◎ 130 × 比較例 7 処理なし ◎ ◎ 150 × 比較例 以上の結果から明らかなように平面性改良処理前の巻ぐ
せ低減のための熱処理を行わなかったので、巻ぐせカー
ルが大きく、プレスプライス搬送性に問題がある。ま
た、水準によっては、塗布故障、平面性も不良となって
いる。
【0156】
【発明の効果】本発明による写真用支持体は、撮影時の
フィルム巻き出しの高速化、撮影倍率の高倍率化、撮影
装置の小型化などを可能とする優れた機械的強度、寸法
安定性を有し、塗布故障が無く、フィルムの平面性に優
れ、かつ巻芯を小径化しても巻ぐせカールが付き難く、
プレスプライス工程での搬送不良がない優れた効果を有
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸延伸ポリエステルフィルムからなる
    写真用支持体であり、該二軸延伸ポリエステルフィルム
    が該二軸延伸ポリエステルフィルムのガラス転移温度以
    下、該ガラス転移温度から30℃低い温度以上で加熱処
    理されており、さらに写真乳剤層を塗布する前までの間
    で、加熱ローラーで加熱しつつ搬送して平坦にする平面
    性改良処理がなされていることを特徴とする写真用支持
    体。
  2. 【請求項2】 前記加熱ローラーの表面温度が、前記二
    軸延伸ポリエステルフィルムのガラス転移温度から50
    ℃高い温度以下、該ガラス転移温度から20℃低い温度
    以上に調整されていることを特徴とする請求項1に記載
    の写真用支持体。
  3. 【請求項3】 前記加熱ローラーの表面温度が、前記二
    軸延伸ポリエステルフィルムのガラス転移温度から20
    ℃高い温度以下、該ガラス転移温度から10℃低い温度
    以上に調整されていることを特徴とする請求項1に記載
    の写真用支持体。
  4. 【請求項4】 前記平面性改良処理がなされた後に、さ
    らに搬送しながら前記二軸延伸ポリエステルフィルムの
    ガラス転移温度以下、該ガラス転移温度から30℃低い
    温度以上で加熱処理されていることを特徴とする請求項
    1、請求項2または請求項3に記載の写真用支持体。
  5. 【請求項5】 前記二軸延伸ポリエステルフィルムがエ
    チレン2−6ナフタレンジカルボキシレートユニットを
    70重量%以上含有していることを特徴とする請求項
    1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の写真用
    支持体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011136341A (ja) * 2011-04-01 2011-07-14 Fujifilm Corp 塗布フィルムの製造方法

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