JPH09146219A - 写真用支持体の製造方法 - Google Patents

写真用支持体の製造方法

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JPH09146219A
JPH09146219A JP7305896A JP30589695A JPH09146219A JP H09146219 A JPH09146219 A JP H09146219A JP 7305896 A JP7305896 A JP 7305896A JP 30589695 A JP30589695 A JP 30589695A JP H09146219 A JPH09146219 A JP H09146219A
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film
stress
roll
layer
winding
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JP7305896A
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English (en)
Inventor
Takatoshi Yajima
孝敏 矢島
Masami Yamaguchi
真美 山口
Makoto Honda
本田  誠
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻きぐせ低減のための熱処理をロール状で実
施した場合に、写真用支持体の爪折れ状の面故障が多数
発生するという問題の改良された写真用支持体の製造方
法を提供することにある。 【解決手段】 ポリエステルフィルムをロール状で、T
g−30℃以上、Tg以下で熱処理するに際して、該ポ
リエステルフィルムをロール状に巻き取る時の巻取応力
が、巻き開始は、0.1kg/mm2以上、1.0kg
/mm2以下の範囲の応力(初期応力)で巻き始めて、
その応力を保持したまま巻き取り、そして、下記条件を
満足するロール半径(r)で、応力を減少開始し、かつ
テーパー率を10%以上70%以内となる様にロール状
に巻き取ることを特徴とする写真用支持体の製造方法
(但しTgはポリエステルフィルムのガラス転移温度、
テーパー率は初期応力と最終応力の差の初期応力に対す
る100分率である)。 10≦(r−a)×100/(R−a)≦80 R:最終的に巻き取られたロールの半径 a:巻き芯の半径 r:巻き取り途中のロールの半径

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はカメラの小型化を可
能とする写真用支持体の製造方法に関し、特に巻きぐせ
低減されたポリエステルフィルムからなる写真用支持体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真感光材料への要求は多様化し
ており、特にカメラの小型化を目的として、写真感光材
料の薄膜化及び写真用カートリッジの巻芯の小径化の要
求がある。このために写真感光材料用の支持体として
は、優れた機械的強度、寸法安定性、更に巻きぐせが付
きにくいなどの性質が要求されている。
【0003】これらの要求に対して、従来から使われて
きたトリアセチルセルロースフィルム(以下TACフィ
ルム)に代わって、公開技報94−6023号には巻き
ぐせ低減のためにガラス転移温度(以下Tg)以下で熱
処理されたポリエチレンナフタレンジカルボキシレート
フィルム(以下PENフィルム)が提案されている。
【0004】巻きぐせ低減のための熱処理は、ウェブ状
で搬送しながら実施した場合、長大な熱処理工程を必要
とするため現実的ではない。このためロール状で実施で
きる方法が望まれていた。
【0005】巻きぐせ低減のための熱処理をロール状で
実施した場合、熱処理時の熱収縮力による巻締まりによ
って、ポリエステルフィルム同志が強く密着して変形
し、爪折れ状の面故障が多数発生するという問題があ
る。
【0006】この問題の解決方法として、表面粗さを特
定の範囲としたポリエステルフィルムを用いる方法(特
開平6−67346号公報)、きしみ値を特定の範囲と
したポリエステルフィルムを用いる方法(特開平6−1
23937号公報)、弾性率の低い材質を被覆したロー
ルの巻芯を用いる方法、ポリエステルフィルムにエンボ
ス加工を施してロール状に巻き取り、更にエンボス部分
にパッキング材を塗布する方法(特開平7−19555
1号公報)、巻取時の初期張力と最終張力を3〜75k
g/mとし、かつ最終張力を初期張力より小さくしてロ
ール状に巻き取る方法(特開平6−175282号公
報)などが提案されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特定の物性
値のポリエステルフィルムを用いる方法は、改良効果が
不十分であるし、また透明性や滑り性などの他の特性値
を劣化させるので好ましくない。また、特殊な巻芯を用
いたり、パッキング剤の塗布をする方法は、新たな設備
化が必要になったり、工数が増えるなどの問題がある。
【0008】ロール巻取時の張力を調整する方法は、新
たな設備を必要とせず、有効と思われたが、この方法に
よって実施したところ、思ったほどの改良効果が得られ
なかった。 従って、本発明の目的は、巻きぐせ低減の
ための熱処理をロール状で実施した場合に、写真用支持
体の爪折れ状の面故障が多数発生するという問題の改良
した写真用支持体の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下の構
成により達成される。
【0010】1.ポリエステルフィルムをロール状で、
Tg−30℃以上、Tg以下で熱処理するに際して、該
ポリエステルフィルムをロール状に巻き取る時の巻取応
力が、巻き開始は、0.1kg/mm2以上、1.0k
g/mm2以下の範囲の応力(初期応力)で巻き始め
て、その応力を保持したまま巻き取り、そして、下記条
件を満足するロール半径(r)で、応力を減少開始し、
かつテーパー率を10%以上70%以内となる様にロー
ル状に巻き取ることを特徴とする写真用支持体の製造方
法(但しTgはポリエステルフィルムのガラス転移温
度、テーパー率は初期応力と最終応力の差の初期応力に
対する100分率である)。
【0011】 10≦(r−a)×100/(R−a)≦80 R:最終的に巻き取られたロールの半径 a:巻き芯の半径 r:巻き取り途中のロールの半径 2.前記初期応力が0.3kg/mm2以上、0.7k
g/mm2以下、(r−a)×100/(R−a)の値
の範囲が20%以上、60%以下、テーパー率が20%
以上50%以下であることを特徴とする前記1に記載の
写真用支持体の製造方法。
【0012】3.前記ポリエステルフィルムがポリエチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを70重
量%以上含有していることを特徴とする前記1又は2に
記載の写真用支持体の製造方法。
【0013】一般にフィルムや紙などを巻き取る方法
は、例えば、紙とプラスチック,12(10),41
(1984)や紙とプラスチック,12(6),35
(1984)に詳しく記述されていて、一定テンション
法、一定トルク法、テーパーテンション法、及び内部応
力一定法などが知られている。そこで本発明者等は、こ
れらの巻取方法が、巻きぐせ低減のための熱処理をロー
ル状で実施した場合にも有効ではないかと考えた。特に
テーパーテンション法に注目し、検討を続けた結果、本
発明に到達したものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明のポリエステルフィルムを構成する
ポリエステルは、特に限定されるものではないが、ジカ
ルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフ
ィルム形成性を有するポリエステルであることが好まし
い。
【0016】主要な構成成分のジカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニル
ケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸な
どを挙げることができる。また、ジオール成分として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、テト
ラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロ
パン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
フェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジ
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイド
ロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることが
できる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの
中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、
ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び/又は2,
6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エ
チレングリコール及び/又は1,4−シクロヘキサンジ
メタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ま
しい。中でも、ポリエチレンテレフタレート又はポリエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主要
な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,
6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールから
なる共重合ポリエステル、及びこれらのポリエステルの
二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステル
が好ましい。ポリエステルに対してポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレートが70重量%以上含
有していると、透明性、機械的強度、寸法安定性などに
高度に優れたフィルムが得られる。ポリエチレンテレフ
タレートを主構成成分とするフィルムに比べポリエチレ
ン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主構成成
分とするフィルムの方が機械的強度や耐熱性に優れてい
ることは良く知られている。一方、ポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレートを主構成成分とする
フィルムには、蛍光を発光する性質や樹脂の価格が高い
などの不利な面もある。従って、使用される目的に応じ
て、通常はポリエチレンテレフタレートを主構成成分と
するフィルムを使用し、特に高度に薄膜化が必要な場合
や高い温度で酷使されるような場合はポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主構成成分と
するフィルムを使用すれば良い。更に両者を混合するこ
とによりお互いの欠点を補うこともできる。
【0017】本発明のポリエステルフィルムを構成する
ポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲であれ
ば、更に他の共重合成分が共重合されていても良いし、
他のポリエステルが混合されていても良い。これらの例
としては、先に挙げたジカルボン酸成分やジオール成
分、又はそれらから成るポリエステルを挙げることがで
きる。
【0018】本発明のポリエステルフィルムを構成する
ポリエステルには、フィルムのデラミネーションを起こ
し難くするため、スルホネート基を有する芳香族ジカル
ボン酸又はそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアル
キレン基を有するジカルボン酸又はそのエステル形成性
誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジオールなど
を共重合してもよい。中でもポリエステルの重合反応性
やフィルムの透明性の点で、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナ
トリウムスルホフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,
6−ナフタレンジカルボン酸及びこれらのナトリウムを
他の金属(例えばカリウム、リチウムなど)やアンモニ
ウム塩、ホスホニウム塩などで置換した化合物又はその
エステル形成性誘導体、ポリエチレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−
ポリプロピレングリコール共重合体及びこれらの両端の
ヒドロキシ基を酸化するなどしてカルボキシル基とした
化合物などが好ましい。この目的で共重合される割合と
しては、ポリエステルを構成する二官能性ジカルボン酸
を基準として、0.1〜10モル%が好ましい。
【0019】また、フィルムの耐熱性を向上する目的で
は、ビスフェノール系化合物、ナフタレン環又はシクロ
ヘキサン環を有する化合物を共重合することができる。
これらの共重合割合としては、ポリエステルを構成する
二官能性ジカルボン酸を基準として、1〜20モル%が
好ましい。
【0020】本発明のポリエステルには、ライトパイピ
ング現象を防止する目的で、染料を含有させることが好
ましい。このような目的で配合される染料としては、そ
の種類に特に限定があるわけではないが、フィルムの製
造上、耐熱性に優れていることが必要であり、アンスラ
キノン系やペリノン系の染料が挙げられる。また、色調
としては、一般の写真感光材料に見られるようにグレー
染色が好ましい。これらの染料としては、Bayer社
製のMACROLEXシリーズ、住友化学株式会社製の
SUMIPLASTシリーズ、三菱化成株式会社製のD
iaresinシリーズなどの中から一種単独で、もし
くは二種以上の染料を必要な色調となるように混合して
用いることができる。この際、フィルムの分光透過率を
400〜700nmの波長範囲で50%以上85%以下
とするように染料を用いることが、ライトパイピング現
象を防止し、かつ良好な写真プリントを得る上で好まし
い。
【0021】本発明のポリエステルフィルムには、必要
に応じて易滑性を付与することもできる。易滑性付与手
段としては、特に限定はないが、ポリエステルに不活性
無機粒子を添加する外部粒子添加方法、ポリエステルの
合成時に添加する触媒を析出させる内部粒子析出方法、
或いは界面活性剤などをフィルム表面に塗布する方法な
どが一般的である。これらの中でも、析出する粒子を比
較的小さくコントロールできる内部粒子析出方法が、フ
ィルムの透明性を損なうことなく易滑性を付与できるの
で好ましい。触媒としては、公知の各種触媒が使用でき
るが、特にCa、Mnを使用すると高い透明性が得られ
るので好ましい。これらの触媒は一種でも良いし、二種
以上を併用しても良い。
【0022】本発明のポリエステルフィルムは異種のポ
リエステルからなる多層構成であっても良い。例えば、
エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートユニ
ットを主構成成分とするポリエステルからなる層をA
層、他のポリエステルからなる層をB層或いはC層とし
た場合、A層とB層とからなる二層構成でも良いし、A
層/B層/A層、A層/B層/C層、B層/A層/B層
又はB層/A層/C層などの三層構成でも良い。更に四
層以上の構成であってもかまわない。A層の厚みは、ポ
リエステルフィルムの全体の厚みに対し、30%以上の
厚みであることが好ましく、更に50%以上の厚みであ
ることが好ましい。B層或いはC層を構成するポリエス
テルとして、透明性、機械的強度、寸法安定性などの優
れたポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レンジカルボキシレート或いは他のホモポリエステル、
或いは他の共重合ポリエステルを用いることで、A層単
独では得られない、その他のポリマーの特性を付与する
ことができる。更に、本発明の二軸延伸ポリエステルフ
ィルムが多層構成を有する場合は、上記のライトパイピ
ング防止、易滑性などの機能付与、又は紫外線吸収剤な
どの上記以外の各種添加剤は、表面層のみに添加すれば
よいので、フィルムの透明性を高く維持できる。
【0023】本発明のポリエステルフィルムの原料のポ
リエステルの合成方法は、特に限定があるわけではな
く、従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造で
きる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分と直接
エステル化反応させる直接エステル化法、初めにジカル
ボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これと
ジオール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下
で加熱して余剰のジオール成分を除去することにより重
合させるエステル交換法を用いることができる。この
際、必要に応じてエステル交換触媒或いは重合反応触媒
を用い、或いは耐熱安定剤を添加することができる。ま
た、合成時の各過程で着色防止剤、酸化防止剤、結晶核
剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸
収剤、粘度調節剤、消泡剤、透明化剤、帯電防止剤、p
H調整剤、染料、顔料などを添加させてもよい。
【0024】本発明のポリエステルフィルムは、下記の
方法で求めたフィルムの巻きぐせカールが110m-1
下であることが好ましい。フィルムの巻きぐせカールが
あまり大きいと、写真感光材料の現像処理工程で、プレ
スプライス工程の搬送性や仕分け作業時の作業性が劣
る。また、巻きぐせカールは適度にある方が、フィルム
カートリッジからフィルム先端部を出させるのが容易と
なり、いわゆるベロ出し性に優れるので好ましい。従っ
て、フィルムの巻きぐせカールのより好ましい範囲は5
〜90m-1である。
【0025】<巻きぐせカール>巾35mm、長さ12
00mmの寸法の写真感光材料を、23℃、55%RH
の条件下で1日調湿した後、その写真感光層側を内側に
して直径7mmの巻き芯に巻き付け戻らないように固定
する。次いで、このフィルムをポリエチレン製のパトロ
ーネケースに入れ、50℃、20%RHの条件下で4時
間加熱処理し、更に23℃、55%RHの条件下で1時
間放冷する。その後フィルムを巻き芯から解放し、フィ
ルムの巻きの外側の端を上にしてクリップでつまみ、ぶ
らさげる。この状態で更に、23℃、55%RHの条件
下で1時間放置する。こうした後、フィルムの下端の巻
きぐせカールの程度を曲率半径の逆数で求める。単位は
-1である。
【0026】本発明のポリエステルフィルムの厚みは特
に限定がある訳ではない。その使用目的に応じて必要な
強度を有する様に設定すればよい。特にフィルムがカラ
ーネガやリバーサルなどに代表される撮影用ロール状写
真感光材料に用いられる場合は、20〜125μm、特
に40〜90μmであることが好ましい。また、医用や
印刷用写真フィルムに用いられる場合は、50〜200
μm、特に60〜150μmであることが好ましい。こ
の範囲より薄いと、必要な強度が得られない場合があ
り、厚いと従来の写真感光材料用支持体に対しての優位
性がなくなってしまう。
【0027】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムに
は、巾方向のカール(いわゆるアンチカール)を付与す
ることが、写真印画紙への焼付け工程で、すり傷の発生
やピントのぼけなどの問題がない写真感光材料を得る上
で好ましい。なお、フィルムのカールの凸側に写真感光
層を設け、かつその面を内側にして巻いた場合にその効
果が発揮される。
【0028】この様な目的でフィルムに付与するカール
の程度は、設ける写真感光層の厚み、弾性率、吸湿膨張
係数などにより変化するので一概に決められないが、写
真感光材料としたときに写真感光層側が凸にならない範
囲でできるだけフラットになるように付与すればよく、
通常、23℃、20%RHの条件下で5m-1〜50m-1
である。なお、カールの程度は、以下の様にして求めた
値である。
【0029】<巾方向のカール度>フィルムから巾35
mm、長さ2mmの寸法に切出した試験片を、23℃、
20%RHの条件下で1日調湿した後、サンプルの巾方
向のカールの曲率半径をメートルで求め、その逆数で巾
方向のカール度を表す。単位はm-1である。
【0030】フィルムに巾方向のカールを付与する方法
は、特に限定があるわけではなく、例えば、吸湿膨張係
数の異なる層を積層する方法、共重合成分や主構成成分
の異なるポリエステルを積層する方法、固有粘度の異な
る同種又は異種のポリエステルを積層する方法、更に三
層構成とし、両外層の厚みを変化させる方法、表裏の延
伸条件や熱固定条件を変化させフィルムの厚み方向で分
子配向や結晶化度の分布を持たせる方法などが挙げられ
る。また、レゾルシンなどで薬液処理する方法なども挙
げられる。
【0031】また、本発明のポリエステルフィルムは、
ヘーズが3%以下であることが好ましい。更に好ましく
は1%以下0.1%以上である。ヘーズが3%より大き
いとフィルムを写真感光材料用支持体として用いた場
合、写真用印画紙に焼付けた画像がぼけてしまい不鮮明
になる。ヘーズがあまり小さすぎるとフィルムの取扱い
性が著しく悪くなる。上記ヘーズは、ASTM−D10
03−52に従って測定したものである。
【0032】本発明のポリエステルフィルムのTgは、
60℃以上が好ましく、更に70℃以上200℃以下が
好ましい。Tgは示差走査熱量計で測定するところのベ
ースラインが偏奇し始める温度と、新たにベースライン
に戻る温度との平均値として求められる。Tgがこの値
以上であると、現像処理機の乾燥工程でのフィルムが変
形がない感光材料が得られる。
【0033】次に、本発明のポリエステルフィルムの製
造方法について説明する。
【0034】未延伸シートを得る方法及び縦方向に一軸
延伸する方法は、従来公知の方法で行うことができる。
例えば、原料のポリエステルをペレット状に成型し、熱
風乾燥又は真空乾燥した後、溶融押出し、Tダイよりシ
ート状に押出して、静電印加法などにより冷却ドラムに
密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得る。次い
で、得られた未延伸シートを複数のロール群及び/又は
赤外線ヒーターなどの加熱装置を介してポリエステルの
ガラス転移温度(Tg)からTg+100℃の範囲内に
加熱し、一段又は多段縦延伸する方法である。延伸倍率
は、通常2.5倍〜6倍の範囲で、続く横延伸が可能な
範囲とする必要がある。シートが多層構成の場合の延伸
温度の設定は各構成層のポリエステルのTgのなかで最
も高いTgを基準にすることが好ましい。
【0035】この際、ポリエステルを積層する場合も、
従来公知の方法でよい。例えば、複数の押出機及びフィ
ードブロック式ダイ或いはマルチマニフォールド式ダイ
による共押出法、積層体を構成する単層フィルム又は積
層フィルム上に積層体を構成するその他の樹脂を押出機
から溶融押出し、冷却ドラム上で冷却固化させる押出ラ
ミネート法、積層体を構成する単層フィルム又は積層フ
ィルムを必要に応じてアンカー剤や接着剤を介して積層
するドライラミネート法などが挙げられる。中でも、製
造工程が少なくてすみ、各層間の接着性が良好な共押出
法が好ましい。
【0036】次に、上記の様にして得られた縦方向に一
軸延伸されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tm−2
0℃の温度範囲内で、横延伸し、次いで熱固定する。横
延伸倍率は通常3〜6倍であり、また、縦、横延伸倍率
の比は、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好
ましい特性を有するように適宜調整する。本発明の場
合、巾方向の弾性率が長手方向の弾性率より大きくなる
ようにすることが好ましい。使用目的に応じて変化させ
ても良い。この時、2つ以上に分割された延伸領域で温
度差を1〜50℃の範囲で順次昇温しながら横延伸する
と巾方向の物性の分布が低減でき好ましい。更に横延伸
後、フィルムを、その最終横延伸温度以下でTg−40
℃以上の範囲に0.01〜5分間保持すると巾方向の物
性の分布が更に低減でき好ましい。
【0037】熱固定は、その最終横延伸温度より高温
で、Tm−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜30
0秒間熱固定する。この際、2つ以上に分割された領域
で温度差を1〜100℃の範囲で順次昇温しながら熱固
定することが好ましい。
【0038】熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで
冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし
ロール状に巻き取られる。この際、最終熱固定温度以
下、Tg以上の温度範囲内で、巾方向及び/又は長手方
向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。ま
た、冷却は、最終熱固定温度から室温までを毎秒1℃以
上100℃以下の冷却速度で徐冷することが寸法安定性
の点で好ましい。特に、Tg+50℃からTgまでを、
毎秒1℃以上100℃以下の冷却速度で徐冷することが
好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、
従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次
冷却しながら、これらの処理を行うことが、フィルムの
寸法安定性向上の点で好ましい。なお、冷却速度は、最
終熱固定温度をT1 ,フィルムが最終熱固定温度からT
gに達するまでの時間をtとしたとき、(T1 −Tg)
/tで求めた値である。これら熱固定条件、冷却、弛緩
処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するポリ
エステルにより異なるので、得られた二軸延伸フィルム
の物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整
することにより決定すればよい。
【0039】また、上記フィルム製造に際し、ポリエス
テルフィルムの強度を向上させる目的で、多段縦延伸、
再縦延伸、再縦横延伸、横・縦延伸など公知の延伸フィ
ルムに用いられる延伸を行ってもよいし、表面の改質の
ために、後述する下引層及び/又はバック層を、ポリエ
ステルの未延伸シート又は一軸延伸フィルム表面に塗設
するインラインコーティングを行ってもよい。
【0040】ポリエステルフィルムをロール状に巻き取
るに際しては、そのポリエステルフィルムの幅方向の両
端部を嵩高くし、ポリエステルフィルムの表裏が接触し
にくくするためにエンボス加工を行うことが好ましい。
エンボス加工は、通常、金属やゴムなどのバックロール
上でポリエステルフィルムに刻印の刻まれたエンボスリ
ングを押し当てることで、加工できる。加工は常温でも
可能であるが、Tg+20℃以上、融点(Tm)+30
℃以下で加工することにより、エンボスの嵩高さの耐熱
性が向上するので好ましい。
【0041】エンボス加工する位置は、フィルムを巻き
取る際にフィルム同志が強く密着するのを防止できれば
よいので少なくともフィルムの両端に加工すればよい
が、フィルム巾が広い場合は、必要に応じて中央部分に
も加工することが好ましい。フィルム巾方向に50cm
から2mの間隔でエンボス加工することでフィルム同志
が強く密着するのを防止できる。
【0042】エンボスの幅は、5mm以上50mm以下
が好ましい。一ヶ所に加工するエンボスの条数は、一条
でも二条でもそれ以上であってもかまわない。エンボス
の嵩高さは、通常5〜100μmが好ましく、更に好ま
しくは6〜30μmである。低すぎるとフィルム同志の
密着を防止できない場合があり、高すぎるとフィルム端
部が変形する場合がある。個々のエンボスの嵩高さの差
が大きすぎると巻きずれを起こす場合があるので、通常
10μm以内とすることが好ましい。
【0043】以上のようにして得られたポリエステルフ
ィルムは、まだ巻きぐせが付きやすい性質なので、更に
ポリエステルフィルムを、Tg−30℃以上、Tg以下
の温度で熱処理を行う。この熱処理は、ポリエステルフ
ィルムをロール状に巻き取った状態で行うのであるが、
本発明では、この巻き取り方法に特徴がある。
【0044】即ち、巻き開始の応力(初期応力)が、
0.1kg/mm2以上、1.0kg/mm2以下の任意
の巻き取り応力で巻き始め、その後、その応力を保持し
たまま巻き取り、続けて、下記条件を満足するロールの
半径(r)で、応力を減少開始し、更にテーパー率を1
0%以上70%以内とする方法である(テーパー率は初
期応力と最終応力の差の初期応力に対する100分率で
ある。即ち、(TS−TE)/(TS)×100からもと
められる。) 10≦(r−a)×100/(R−a)≦80 R:最終的に巻き取られたロールの半径 a:巻き芯の半径 r:巻き取り過程のロールの半径 初期応力、初期応力を保持する範囲、及びテーパー率を
この範囲とすることで、爪折れの発生を抑えることがで
きる。
【0045】更に好ましい範囲は、初期応力が0.3k
g/mm2以上、0.7kg/mm2以下、(r−a)×
100/(R−a)の値の範囲が20%以上、60%以
下、テーパー率が20%以上50%以内である。
【0046】巻き取りを行う装置は、特別な装置である
必要はなく、繰出し装置と巻き取り装置があり、巻取時
に張力を制御できる機能を備えていればよい。また通常
の巻き替え装置が使用できる。勿論、繰出し装置を使用
しないで二軸延伸、熱固定に続けて、張力を制御できる
機能を備えた巻取装置を設置して行ってもよい。
【0047】巻芯としては、特に限定はされないが、熱
処理温度やポリエステルフィルムのロールの重量に耐え
ることが必要であり、また、巻芯とポリエステルフィル
ムの熱膨張率や伝熱係数などの特性は、なるべく近いほ
うが好ましい。このような例としては、アルミ、ステン
レス、真鍮、銅、鉄、ジュラルミン、チタンなどの金属
製の巻芯、3Al23−2SiO2,BaTiO3,Zr
2などのセラミック製の巻芯、ガラス繊維、カーボン
繊維、ボロン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、
綿、紙などにフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセ
タール樹脂、ポリイミド樹脂、ナイロン樹脂、飽和ポリ
エステル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹
脂、フッ素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、セルロースエステル樹
脂、ゴム、酢酸ビニル、塩化ビニル及びこれらの共重合
体やブレンド物を含浸させた繊維強化樹脂製の巻芯など
が挙げられる。中でもガラス繊維又はポリエステル繊維
などで強化された繊維強化樹脂製の巻芯が好ましい。
【0048】尚、巻芯の表面は平滑なほどよく、表面粗
さ(RMAX)で2.0μm以下が好ましい。これらの例
としては上記の巻芯の表面を研磨したものが挙げられ
る。
【0049】巻芯の直径は、あまり小さすぎると巻芯部
にしわなどが発生しやすく、大きすぎると設備が大型に
なり過ぎるので、通常75mm以上500mm以下であ
るが、特に100mm以上200mm以下とすると高度
に爪折れの発生を抑えられるので好ましい。勿論断面は
真円で偏芯が少ないほど好ましい。
【0050】処理温度は高いほど短時間で巻きぐせカー
ルの低減効果が得られるが、あまり高温では、フィルム
のシワや押されや折れが発生しやすくなる場合がある。
処理温度が低いときは長い処理時間が必要となるが、低
すぎると十分な巻きぐせカールの低減効果が得られなく
なる。処理時間は、特に限定はないが、0.1時間以上
から巻きぐせカールの低減効果が認められ、長時間にす
るほど高い効果が得られるので所望の効果が得られるよ
うに適宜設定することができるが、あまり長時間では生
産性に劣るので通常1500時間までが現実的である。
好ましくは0.5時間以上200時間である。この熱処
理に必要な時間には、昇温及び冷却に要する時間は含ま
れていない。昇温及び冷却は、ロール内部の温度分布の
均一化のために可能な限りゆっくり行うことが好まし
い。通常24時間以上168時間以内の時間を掛けて室
温からTg−30℃以上Tg以下の温度まで昇温し、2
4時間以上168時間以内の時間を掛けてTg−30℃
以上Tg以下の温度から室温まで冷却するのが好まし
い。
【0051】また、ポリエステルフィルムをロール状で
熱処理する場合、フィルムの自重のため、ロールの上部
に当たるフィルムの変形が強くなる場合がある。これを
防止するには熱処理中にロールを連続で、又は断続的に
回転させることが好ましい。
【0052】以上のようにして得られたポリエステルフ
ィルムに下引層及びバック層を塗設することにより、写
真用支持体を形成することができる。
【0053】下引層及びバック層に用いることのできる
素材は特に限定されないが、例えばバインダーとして
は、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタク
リル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸を出
発原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレンイミ
ン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロースなど
やこれらの混合物などを挙げることができる。特に塩化
ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、
イタコン酸、無水マレイン酸を出発原料とする共重合体
やポリエステルが好ましい。これら下引層及びバック層
中には界面活性剤、帯電防止剤、アンチハレーション
剤、クロスオーバーカット剤、着色染料、顔料、増粘
剤、塗布助剤、カブリ防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、紫外線安定剤、エッチング処理剤、磁性粉、マット
剤などの各種添加剤を一種又は二種以上含有していても
よい。
【0054】下引層及びバック層を塗設する方法は特に
限定はなく、従来から知られている各種の方法を用いる
ことができる。例えば上記の素材を適当な溶媒に溶かし
た溶液或いは分散液とし、エアーナイフコーター、ディ
ップコーター、カーテンコーター、ワイヤーバーコータ
ー、グラビアコーター、エクストルージョンコーターな
どを用いてフィルム表面に塗布し、乾燥する方法が挙げ
られる。この際、必要に応じてコロナ放電処理、紫外線
処理、グロー放電処理、プラズマ処理、火炎処理などの
表面活性化処理する方法やレゾルシン処理、フェノール
類処理、アルカリ処理、アミン処理、トリクロル酢酸処
理などのエッチング処理する方法を用いても良い。勿論
これらの処理を組合せてもよい。中でもコロナ放電処理
が好ましく用いられる。また、作業環境の点から塗布液
は水分散液(ポリマーラテックス)或いは水溶液である
ことが好ましい。
【0055】下引層及びバック層は一層又は二層以上か
ら構成されていてもよく、更に、帯電防止層、易滑性
層、バリアー層、アンチハレーション層、クロスオーバ
ーカット層、紫外線吸収層、磁気記録層、透明磁気記録
層などが含まれていても良い。
【0056】次に、写真感光材料を形成する方法につい
て説明する。
【0057】写真感光材料は、本発明の写真用支持体の
少なくとも一方の側に写真乳剤層が設けられており、写
真乳剤層はハロゲン化銀乳剤を塗設することによって形
成することができる。写真乳剤層は、写真用支持体の片
面又は両面に設けることができる。また、写真乳剤層
は、それぞれの面に一層又は二層以上設けることができ
る。ハロゲン化銀乳剤は、写真用支持体上に直接或いは
他の層、例えば、ハロゲン化銀乳剤を含まない親水性コ
ロイド層を介して塗設することができる。また、ハロゲ
ン化銀乳剤層は、異なる感度、例えば高感度及び低感度
の各ハロゲン化銀乳剤層に分けて塗設してもよい。この
場合、各ハロゲン化銀乳剤層の間に中間層を設けてもよ
い。更に、ハロゲン化銀乳剤層の上や中間層、或いはハ
ロゲン化銀乳剤層と写真用支持体の間の任意の場所に親
水性コロイド層、保護層、アンチハレーション層、バッ
キング層、マスキング層などの非感光性層を設けてもよ
い。
【0058】ハロゲン化銀乳剤は、例えばリサーチ・デ
ィスクロージャー(以下、RDと略す。)No.176
43、22〜23頁(1979年12月)の“1.乳剤
製造法(Emulsion preparation
and types)”、及びRD No.1871
6、648頁、グラフキデ著「写真の物理と化学」ポー
ルモンテル社刊(P.Glkides,Chemie
et PhyziquePhotographique
,Paul Montel,1967)、ダフィン著
「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.D
affin,Photographic Emulsi
on Chemistry FocalPress 1
966)、ゼリクマン等著「写真乳剤の製造と塗布」、
フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman e
tal,Making andcoating Pho
tographic Emulsion,FocalP
ress 1964)などに記載された方法を用いて調
製することができる。
【0059】ハロゲン化銀乳剤は、米国特許3,57
4,628号、同3,665,394号及び英国特許
1,413,748号などに記載された単分散乳剤も好
ましい。
【0060】ハロゲン化銀乳剤には、物理熟成、化学熟
成及び分光増感を行うことができる。このような工程で
使用される添加剤は、RD No.17643、RD
No.18716及びRD No.308119(それ
ぞれ、以下、RD17643、RD18716及びRD
308119と略す。)に記載されている。表1にその
記載箇所を示す。
【0061】
【表1】
【0062】本発明の写真感光材料がカラー写真感光材
料である場合、使用することができる写真用添加剤は上
記RDに記載されている。表2にその関連のある記載箇
所を示す。
【0063】
【表2】
【0064】また写真感光材料がカラー写真感光材料で
ある場合、種々のカプラーを使用することができ、その
具体例は下記RD17643及びRD308119に記
載されている。表3にその関連ある記載箇所を示す。
【0065】
【表3】
【0066】またこれら添加剤は、RD 308119
1007頁 XIV項に記載されている分散法などによ
り、写真感光層に添加することができる。
【0067】写真感光材料がカラー写真感光材料である
場合には、前述のRD308119VII−K項に記載さ
れているフィルター層や中間層などの補助層を設けるこ
とができる。
【0068】上記カラー写真感光材料を構成する場合、
前述のRD308119 VII−K項に記載されている
順層、逆層、ユニット構成などの様々な層構成をとるこ
とができる。
【0069】写真感光材料を現像処理するには、例えば
T.H.ジェームズ著、セオリイオブ ザ フォトグラ
フィック プロセス第4版(The Theory o
fThe Photografic Process
Forth Edition)第291頁〜第334頁
及びジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカルソサ
エティ(JournaI of the Americ
an Chemical Society)第73巻、
第3,100頁(1951)に記載されている、それ自
体公知の現像剤を使用することができる。また前記カラ
ー写真感光材料は前述のRD17643 28〜29
頁、RD18716 615頁及びRD308119
XIXに記載された通常の方法によって、現像処理するこ
とができる。
【0070】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に詳
述するが、これに限定されない。
【0071】以下の実施例において、ガラス転移温度及
び融点、フィルムヘーズ、固有粘度、弾性率、破断強
度、複屈折率の各物性値及び爪折れ故障の評価ランクは
下記により求められたものである。
【0072】(1)ガラス転移温度Tg及び融点Tm フィルム或いはペレット10mgを、毎分300cm3
の窒素気流中、300℃で溶融し、直ちに液体窒素中で
急冷する。この急冷サンプルを示差走査型熱量計(理学
電器社製、DSC8230型)にセットし、毎分100
ccの窒素気流中、毎分10℃の昇温速度で昇温し、T
g及びTmを検出する。Tgはベースラインが偏奇し始
める温度と、新たにベースラインに戻る温度との平均
値、Tmはその吸熱ピークのピーク温度とした。なお、
測定開始温度は、測定されるTgより50℃以上低い温
度とする。
【0073】(2)フィルムヘーズ ASTM−D1003−52に従って測定した。
【0074】(3)固有粘度 フィルム或いはペレットを、フェノールと1,1,2,
2−テトラクロロエタンの混合溶媒(重量比60/4
0)に溶かし、濃度0.2g/dl、0.6g/dl、
1.0g/dlの溶液を作製し、ウベローデ型粘度計に
より、20℃で、それぞれの濃度(C)における比粘度
(ηsp)を求める。次いで、ηsp/CをCに対してプロ
ットし、得られた直線を濃度ゼロに補外して
【0075】
【数1】
【0076】を求める。単位は、dl/gで示される。
【0077】(4)弾性率及び破断強度 フィルムを、巾10mm、長さ200mmの大きさに切
出し、23℃、55%RHの条件下で12時間調湿した
後、(株)オリエンテック社製テンシロン(RTA−1
00)を用い、チャック間を100mmにし、引張り速
度100mm/分で引張り試験をし弾性率及び破断強度
を求めた。
【0078】(5)複屈折率 株式会社アタゴ製アッベ屈折計4−T型を用いてフィル
ムの縦方向の屈折率(NMD)、横方向の屈折率(NTD
及び厚み方向の屈折率(NThD)を測定し、 複屈折率=(NMD+NTD)/2 −NThD により算出する。
【0079】(6)爪折れ故障の評価 フィルム10m2当たりの爪折れの発生数を目視により
求め、下記の基準によりランク付けした。なおランク付
けの実用性は、写真感光材料としての品質の許容性に基
づいて決定されたものであり、ランク○以上であること
が必要である。
【0080】 ランク 爪折れの発生数 ◎ 0個 ○ 1〜3個 × 4個以上 実施例1 以下のようにして、ポリエステルフィルムを準備した。
【0081】(ポリエステルA)2,6−ナフタレンジ
カルボン酸ジメチル100重量部、エチレングリコール
60重量部にエステル交換触媒として酢酸カルシウム水
和物0.1重量部を添加し、常法に従ってエステル交換
反応を行った。得られた生成物に、三酸化アンチモン
0.05重量部、リン酸トリメチルエステル0.03重
量部を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、29
0℃、0.5mmHgで重合を行い、固有粘度0.60
のポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た。
【0082】(ポリエステルB)ポリエステルAにバイ
エル社製染料マクロレックス グリーンG、マクロレッ
クス バイオレットB、マクロレックス レッドEGを
1:1:1の割合で添加し、押出し機を用いて染料濃度
が2000ppmのマスターペレットを作製した。
【0083】以上のようにして得られた各々のポリエス
テルを用いて、以下のようにしてフィルムを得た。
【0084】ポリエステルAとポリエステルBを重量比
9:1の割合になるようにタンブラー型混合機でブレン
ドした。この後、150℃で8時間真空乾燥した後、3
00℃でTダイから層状に溶融押出し、50℃の冷却ド
ラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化させ,未
延伸シートを得た。この未延伸シートをロール式縦延伸
機を用いて、140℃で縦方向に3.3倍延伸した。更
に続けてテンター式横延伸機を用いて、第一延伸ゾーン
145℃で総横延伸倍率の50%延伸し、更に第二延伸
ゾーン155℃で総横延伸倍率3.3倍となるように延
伸した。次いで、100℃で2秒間熱処理し、更に第一
熱固定ゾーン200℃で5秒間熱固定し、第二熱固定ゾ
ーン240℃で15秒間熱固定した。次いで横方向に5
%弛緩処理しながらTgまで60秒かけて冷却し、更に
室温まで60秒かけて冷却し、フィルムをクリップから
解放した。
【0085】次いで、巾1mにスリットしその幅方向の
両端部に270℃にコントロールされたエンボスリング
を押込み量と押込み圧力を調節して押付けながら高さ1
5μm、巾10mmのエンボス加工を施した。
【0086】以上の様にして得られたポリエステルフィ
ルムを、繊維強化樹脂製の巻芯に、初期応力、初期応力
を保持する範囲、テーパー率及び巻芯の直径を表4に示
すように変化させてそれぞれ、長さ1500m巻き取り
ロール状とした。
【0087】この後、各ロールに巻きぐせ低減のための
熱処理を施した。温度制御可能な熱風式オーブンを用い
て48時間かけて室温(25℃)から110℃まで定速
度で昇温し、そのまま24時間保持し、更に48時間か
けて定速度で室温まで冷却した。
【0088】以上により得られたポリエステルフィルム
の厚みは何れも90μmで、物性値は、何れも同じ値を
示し以下のようであった。
【0089】 次いで、各水準について、爪折れ故障の評価を行った。
結果を一括して表4に示した。
【0090】
【表4】
【0091】本発明の試料は比較試料に比して、熱処理
による爪折れ故障が改良されていることが分かる。
【0092】
【発明の効果】本発明による写真用支持体の製造方法
は、巻きぐせ低減のための熱処理をロール状で実施した
場合に、写真用支持体の爪折れ状の面故障が多数発生す
るという問題を改良した優れた効果を有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムをロール状で、T
    g−30℃以上、Tg以下で熱処理するに際して、該ポ
    リエステルフィルムをロール状に巻き取る時の巻取応力
    が、巻き開始は、0.1kg/mm2以上、1.0kg
    /mm2以下の範囲の応力(初期応力)で巻き始めて、
    その応力を保持したまま巻き取り、そして、下記条件を
    満足するロール半径(r)で、応力を減少開始し、かつ
    テーパー率を10%以上70%以内となる様にロール状
    に巻き取ることを特徴とする写真用支持体の製造方法
    (但しTgはポリエステルフィルムのガラス転移温度、
    テーパー率は初期応力と最終応力の差の初期応力に対す
    る100分率である)。 10≦(r−a)×100/(R−a)≦80 R:最終的に巻き取られたロールの半径 a:巻き芯の半径 r:巻き取り途中のロールの半径
  2. 【請求項2】 前記初期応力が0.3kg/mm2
    上、0.7kg/mm2以下、(r−a)×100/
    (R−a)の値の範囲が20%以上、60%以下、テー
    パー率が20%以上50%以下であることを特徴とする
    請求項1に記載の写真用支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステルフィルムがポリエチレ
    ン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを70重量
    %以上含有していることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の写真用支持体の製造方法。
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