JPH1145437A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH1145437A
JPH1145437A JP9198579A JP19857997A JPH1145437A JP H1145437 A JPH1145437 A JP H1145437A JP 9198579 A JP9198579 A JP 9198579A JP 19857997 A JP19857997 A JP 19857997A JP H1145437 A JPH1145437 A JP H1145437A
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magnetic
recording medium
layer
hardening
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JP9198579A
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English (en)
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Yasumasa Mizoguchi
康正 溝口
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学特性において卓越し、塗布均一性、耐久
性の優れ、しかも磁気信号の入出力時の磁気ヘッドの汚
れと出力低下が極めて少ない透明磁性層を有する磁気記
録媒体を提供する。 【解決手段】 支持体の少なくとも一方の側に強磁性体
と結合剤からなる透明磁気記録層を有する磁気記録媒体
において、まず強磁性体を分散した後、硬膜成分及び硬
膜反応触媒の少なくとも一方を該透明磁気記録層の結合
剤に対し2〜35重量%となるように添加し磁性塗布液
を調製した後、透明磁気記録層の乾燥後の固形分の和が
該磁性塗布液の5〜20重量%となるように塗布するこ
とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明磁気記録層を有
する磁気記録媒体の製造方法に関し、特にハロゲン化銀
写真感光材料に適用される磁気記録媒体の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料(以下、単に
「感光材料」とも記す)に、例えば感光材料の種類、製
造番号、メーカー名、乳剤No.等に関する各種情報、
又、撮影日時、絞り、露出時間、照明条件、使用フィル
ター、天候、撮影サイズ、撮影機種、アナモルフィック
レンズの使用等のカメラ撮影時の各種情報、更に、プリ
ント枚数、フィルターの選択、顧客の色の好み、トリミ
ング枠の大きさ等のプリント作成時に必要な各種情報、
並びに、前記プリント時に得られた各種の情報、その
他、顧客情報等を入力して置くことは、管理の上から
も、又、プリント品質の向上、プリント作業の効率化の
上からも必要である。
【0003】従来の感光材料においては、これら全ての
情報を入力することは不可能であって、撮影時に撮影日
時、絞り、露出時間等の情報を光学的に入力していたに
過ぎなかった。しかも、プリント時に上記情報を感光材
料へ入力することは、その手段がなく不可能であった。
【0004】磁気記録方式は記録・再生が容易であると
ころから、感光材料へ上記の各種情報を入力するために
該方式の利用が研究され、各種技術が提案されている。
【0005】例えば、画像部の横の乳剤面又はバック面
に、強磁性体の微粒子を分散したストライプ状の磁気記
録層を設け、音声や撮影時の条件等の情報を記録するこ
とが、特開昭50−62627号、同49−4503
号、米国特許3,243,376号、同3,220,8
43号等に記載され、又、写真感光材料のバック面に、
磁性体粒子の量、サイズ等を選択して必要な透明性を有
する透明磁気記録層を設けることが、米国特許3,78
2,947号、同4,279,945号、同4,30
2,523号等に記載されている。又、米国特許4,9
47,196号、WO90/04254号には、写真フ
ィルムの裏面に磁気記録を可能とする磁性体を含有した
磁気記録層を有するロール状フィルムと共に磁気ヘッド
を有する撮影用カメラが記載されている。
【0006】これらの磁気記録層を設けることによっ
て、従来困難であった前記の各種情報を感光材料中に記
録することが可能となり、更に、音声や画像信号をも記
録できるという将来性を有している。
【0007】しかしながら、感光材料の磁気記録層に要
求される塗布技術及び結合剤の物性は、耐水性、耐摩耗
性、耐傷性、磁性粉の分散性、透明性、薄膜塗布適性、
断裁や穿孔時の発塵性など、非常に高度かつ達成困難な
水準が求められる。その中でも、特に従来のオーディ
オ、ビデオ等のテープ類と、支持体自身の剛性や塗料組
成が全く異なるため、塗布の均一性と塗膜物性の両方を
向上させ、尚かつ生産性の良い製法、素材の組合せの探
求は未だ不十分である。更に言えば、特開平4−683
36号や同4−73737号などに公開される感光材料
の磁気記録層は、磁気テープ等の一般的な磁気記録媒体
に比べ、結合剤の強磁性体粉に対するの割合が非常に多
いので、磁気記録層の結合剤の強度が耐摩耗性や耐傷性
(以下、纏めて「耐久性」と言う)を大きく左右する。
【0008】そこで、特開平6−059357号や同7
−219123号などで公開されるように、フィルム裏
面に求められる耐久性を満足するため、透明磁気記録層
の結合剤を、硬膜成分及び硬膜反応触媒の少なくとも一
方を含有する硬膜剤を用いて硬化させるようになってき
た。
【0009】しかし、上記結合剤を硬膜させる硬膜剤を
添加し混合を行う際、混合が不十分だと塗布時に故障を
発生したり、フィルム裏面の耐久性能に不均一が生じ
る。又、混合の方法によっては混合中に外気と接触した
り、空気などを巻き込むことで耐久性能が低下すること
がある。従って、極端な例を挙げれば、硬膜剤と反応す
るアルコール性水酸基や水等について工程中でコントロ
ールしないと十分な耐久性が得られない。更に、特開平
6−035092号で公開されるように、磁性塗布液に
対しメディア型分散機等で分散するような高揃断力を与
えた場合、前以て硬膜剤が添加されていると磁性塗布液
中の強磁性体粉の凝集が起き、感光材料等では致命的な
フィルムの透明性や電磁変換特性であるS/N比が劣化
する等の問題があり、実用化するためには可成り高度な
製造技術、処方技術が必要であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の諸問
題を解決するために為されたものである。即ち、本発明
の第1の目的は、光学特性において卓越した透明磁性層
を有する磁気記録媒体の原反を提供することにあり、特
に低顔料濃度、低粘度の塗料系を選択して光学特性の均
一かつ生産性の良好な磁気記録媒体の製造方法を提供す
ることにある。
【0011】第2の目的は、硬膜剤の混合方法を適切に
選択することにより、塗布均一性、耐久性の優れた透明
磁性層を有する磁気記録媒体の製造方法を提供すること
にある。更に第3の目的は、塗膜強度の良好な素材によ
り、磁気信号の入出力時の磁気ヘッドの汚れと出力低下
が極めて少ない透明磁性層を有する磁気記録媒体を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成によって達成される。
【0013】(1)支持体の少なくとも一方の側に強磁
性体と結合剤からなる透明磁気記録層を有する磁気記録
媒体において、まず強磁性体を分散した後、硬膜成分及
び硬膜反応触媒の少なくとも一方を該透明磁気記録層の
結合剤に対し2〜35重量%となるように添加し磁性塗
布液を調製した後、透明磁気記録層の乾燥後の固形分の
和が該磁性塗布液の5〜20重量%となるように塗布す
る磁気記録媒体の製造方法。
【0014】(2)透明磁気記録層の硬膜成分及び硬膜
反応触媒の少なくとも一方を、インライン混合装置を用
いて塗布直前に連続的に添加・混合する(1)に記載の
磁気記録媒体の製造方法。
【0015】(3)硬膜成分及び硬膜反応触媒の少なく
とも一方を含有する硬膜剤の溶剤組成が、前記硬膜成分
及び硬膜反応触媒の少なくとも一方と結合剤が反応や凝
集を起こさない溶剤を50重量%以上含有する(2)に
記載の磁気記録媒体の製造方法。
【0016】(4)硬膜剤の溶剤組成を調製する際に、
インライン混合装置を用いて連続的に希釈する(2)又
は(3)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【0017】(5)インライン混合装置にスタティック
ミキサーを用いる(2)、(3)又は(4)に記載の磁
気記録媒体の製造方法。
【0018】(6)磁性塗布液の結合剤の60重量%以
上がセルロースの脂肪酸エステルである(2)〜(5)
の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【0019】(7)硬膜成分がトリメチロールプロパン
とトリレンジイソシアナートの付加体である(2)〜
(6)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【0020】(8)硬膜剤の溶剤が、硬膜成分及び硬膜
反応触媒の少なくとも一方と結合剤が反応や凝集を起こ
さないケトン類である(2)〜(7)の何れか1項に記
載の磁気記録媒体の製造方法。
【0021】(9)透明磁気記録層とは反対側の支持体
上にハロゲン化銀写真構成層を有する(1)〜(8)の
何れか1項記載の磁気記録媒体の製造方法。
【0022】以下、本発明の方法を詳細に説明する。
【0023】本発明における透明磁性層(以下、「磁気
記録層」とも称す)の“透明”とは、光学濃度が1.5
以下であることを言う。光学濃度の測定法はコニカ社製
サクラ濃度計PDA−65を用い、ブルー光を透過する
フィルターを介して436nmの波長の光を塗膜に垂直
に入射させ、該塗膜による光の吸収を算出する方法であ
る。本発明における光学濃度は0.2以下が好ましく、
特に好ましくは0.1以下である。
【0024】本発明における単位面積当たりの磁化量と
は、感光材料1m2当たりの磁化の強さ、即ち、透明磁
性層1m2当たりの磁化の強さのことである。磁化の強
さは単に磁化とも呼ばれ、詳細な説明及び計測法は、
「磁気工学の基礎I」(太田恵造著,共立全書)に記載
されている。本発明においては、東英工業社製試料振動
型磁束計(VSM−3)を用い、一定体積の塗膜の塗布
方向に外部磁界1000エルステッド(Oe)で一度飽
和させた後、外部磁界を減少させて0にした時の磁束密
度(残留磁束密度)を計測して、これを感光材料1m2
当たりに含まれる透明磁性層の体積に換算して求める方
法によった。
【0025】透明磁性層の単位面積当たりの磁化量が3
×10-2emuより小さいと、磁気記録の入出力に支障
を来す。
【0026】透明磁性層の厚みは0.5〜3.0μmが
好ましく、より好ましくは0.6〜2.5μm、更に好
ましくは0.6〜2.0μmである。
【0027】磁気記録層を形成する塗布液(以下、「磁
性塗布液」、又、「磁性塗料」とも称す)には、該記録
層に潤滑性の付与、帯電防止、接着防止、摩擦・磨粍耐
性向上等の機能を持たせるために、潤滑剤、帯電防止剤
など種々の添加剤を添加することができる。又、その
他、磁気記録層に柔軟性を与えるために可塑剤を、磁性
塗布液中での磁性体の分散を助けるために分散剤を、磁
気ヘッドの目詰りを防止するために研磨剤を添加するこ
とができる。
【0028】上記潤滑性の付与、帯電防止、接着防止、
摩擦・磨粍耐性向上、磁気ヘッドの目詰り防止等の機能
は、磁気記録層とは別にこれらの機能性層を設けて付与
させてもよい。又、磁気記録層をストライプ状に設ける
場合、この上に磁性体を含有しない透明なポリマー層を
設けて磁気記録層による段差をなくしてもよい。この場
合、この透明なポリマー層に上記の各種機能を持たせて
もよい。
【0029】磁気記録層を設けた後に、この層の上をカ
レンダリング処理して平滑性を向上させ、磁気出力のS
/N比を向上することも可能である。この場合、カレン
ダリング処理を施した後に、ハロゲン化銀感光性層を塗
布することが好ましい。
【0030】透明磁性層に用いられる強磁性微粉末(以
下、「磁性粉」とも称す)としては、強磁性酸化鉄微粉
末、Coドープの強磁性酸化鉄微粉末、強磁性二酸化ク
ロム微粉末、強磁性金属粉末、強磁性合金粉末、バリウ
ムフェライト等が挙げられる。
【0031】磁性粉は公知の方法に従って製造すること
ができる。その形状としては、針状、米粒状、球状、立
方体状、板状等の何れでもよいが、針状、板状が電磁変
換特性上好ましい。結晶子サイズ、比表面積に関しても
特に制限はないが、結晶子サイズで400Å以下、SB
ETで20m2/g以上が好ましく、30m2/g以上が
特に好ましい。
【0032】磁性粉のpH、表面処理は特に制限なく用
いることができ、好ましいpHの範囲は5〜10であ
る。強磁性酸化鉄微粉末の場合、2価の鉄/3価の鉄の
比は特に制限なく用いることができる。これらの磁気記
録層については、特開昭47−32812号、同53−
109604号に記載されている。
【0033】磁性粉の使用量は、感光材料1m2当たり
4×10-4g以上が好ましい。これ未満であると磁気記
録の入出力に支障を来す。又、上限は、436nmでの
光学濃度が1.5以下であれば幾らでもよいが、1m2
当たり4g程度が限界であり、これ以上多いと感光材料
に適用した際、階調の減小、プリント時間の増加など実
用上の問題が発生する。
【0034】磁気記録層に採用できる結合剤としては、
熱可塑性樹脂、放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、その
他の反応型樹脂があり、有機溶媒に溶解又は分散したも
のを単独又は混合して使用することができる。
【0035】熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢
酸ビニル・ビニルアルコール共重合体、部分加水分解し
た塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・塩化
ビニリデン共重合体、塩化ビニル・アクリロニトリル共
重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、塩素化
ポリ塩化ビニル、エチレン・塩化ビニル共重合体、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体又は共重
合体;ニトロセルロース、セルロースジアセテート、セ
ルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテ
ートブチレート樹脂等のセルロース誘導体;マレイン酸
及び/又はアクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル
共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、塩素
化ポリエチレン、アクリロニトリル・塩素化ポリエチレ
ン・スチレン共重合体、メチルメタクリレート・ブタヂ
エン・スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、
ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、
スチレン・ブタジエン樹脂、ブタジエン・アクリロニト
リル樹脂等のゴム系樹脂;シリコーン系樹脂、弗素系樹
脂等を挙げることができる。
【0036】上記熱可塑性樹脂は、Tg(ガラス転移
点)が−40〜180℃、好ましくは−30〜150℃
であり、重量平均分子量は5千〜30万であるものが好
ましく、更に好ましくは重量平均分子量が1万〜20万
のものである。
【0037】磁気記録層の結合剤はセルロースエステル
を主成分とすることが好ましく、具体的にはセルロース
ジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セル
ロースアセテートプロピオネート等のセルロースアセテ
ート系;硝酸セルロース、硫酸セルロース及びそれ等の
混合エステル等が挙げられるが、好ましくはセルロース
ジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セル
ロースアセテートプロピオネートであり、特に好ましく
はセルロースジアセテートである。
【0038】放射線硬化性樹脂とは、電子線、紫外線等
の放射線によって硬化させる樹脂であり、無水マレイン
酸型、ウレタンアクリル型、エーテルアクリル型、エポ
キシアクリル型のものが挙げられる。
【0039】又、熱硬化性樹脂、その他の反応型樹脂と
しては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
系硬化型樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、シリコン系
硬化型樹脂等が挙げられる。
【0040】上記の結合剤は、その分子中に極性基を有
していてもよい。極性基としてはエポキシ基、−COO
M、−OH、−NR2、−NR3X、−SO3M、−OS
3M、−PO32、−OPO3M(Mは各々、水素原
子、アルカリ金属又はアンモニウム基を、Xはアミン塩
を形成する酸を、Rは各々、水素原子又はアルキル基を
表す)等が挙げられる。
【0041】光学的に透明な磁気記録層を形成するに
は、結合剤は磁性体粉末1重量部に対して1〜200重
量部を用いるのが好ましく、更に好ましくは2〜50重
量部である。又、溶剤は塗布が容易に行える量で用いら
れる。
【0042】透明磁性層に使用できる潤滑剤としては、
ポリシロキサン等のシリコンオイル;ポリエチレン、ポ
リテトラフルオロエチレン等のプラスチック微粉末;高
級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、パラフィンワックス、
フルオロカーボン類が挙げられる。これらは、単独又は
混合して用いることができる。添加量は、乾燥塗膜10
0重量部に対し0.5〜20重量部の範囲で用いること
ができる。
【0043】透明磁性層に使用できる研磨剤としては、
モース硬度が5以上、好ましくは6以上の非磁性無機粉
末が挙げられ、具体的には酸化物アルミニウム(α−ア
ルミナ、γ−アルミナ、コランダム等)、酸化クロム
(Cr23)、酸化鉄(α−Fe23)、二酸化珪素、
二酸化チタン等の酸化物;炭化珪素、炭化チタン等の炭
化物;ダイアモンド等の微粉末を挙げることができる。
これらの平均粒径は0.01〜2.0μmが好ましく、
磁性体粉末100重量部に対して0.5〜300重量部
の範囲で添加することができる。
【0044】透明磁性層に含有される帯電防止剤として
は金属酸化物の微粒子が好ましい。具体例としてはNb
25+Xのような酸素過剰な酸化物;RhO2-X,Ir2
3-X等の酸素欠損酸化物;あるいはNi(OH)xのよう
な不定比水素化物;HfO2,ThO2,ZrO2,Ce
2,ZnO,TiO2,SnO2,Al23,In
23,SiO2,MgO,BaO,MoO2,V25等、
あるいはこれらの複合酸化物が好ましく、特にZnO,
TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例とし
ては、例えばZnOに対してAl,In等の添加、Ti
2に対してはNb,Ta等の添加、又、SnO2に対し
てはSb,Nb,ハロゲン元素等の添加が効果的であ
る。これら異種原子の添加量は0.01〜25モル%の
範囲が好ましいが、0.1〜15モル%の範囲が特に好
ましい。
【0045】又、これらの導電性を有する金属酸化物粉
体の体積抵抗率は107Ωcm以下、特に105Ωcm以
下であることが好ましい。又、前記金属酸化物の微粒子
が水溶液中に混合されたゾルを用いてもよい。
【0046】この他に、カーボンブラック、カーボンブ
ラックグラフトポリマー等の導電性微粉末;アルキレン
オキシド系、グリセリン系及びグリシドール系等のノニ
オン系界面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級アン
モニウム塩類、ピリジンその他の複素環化合物の塩類、
ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活
性剤;カルボキシル基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸
エステル基等の酸性基を含むアニオン系界面活性剤;ア
ミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫
酸又は燐酸エステル類等の両性界面活性剤等を挙げるこ
とができる。尚、界面活性剤は、ポリマーの置換基とし
て含まれていてもよい。
【0047】磁性塗料及び硬膜剤に使用できる有機溶媒
としては、任意の比率でアセトン、メチルエチルケト
ン、メチル−i−ブチルケトン、シクロヘキサノン、イ
ソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン系;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、i−ブチ
ルアルコール、i−プロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール等のアルコール系;酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸−i−ブチル、酢酸−i−プロピ
ル、乳酸エチル、酢酸グリコール、モノエチルエーテル
等のエステル系;エーテル、グリコールジメチルエーテ
ル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどの
グリコールエーテル系;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クレゾール、クロルベンゼン、スチレンなどのター
ル系(芳香族炭化水素);メチレンクロライド、エチレ
ンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンク
ロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素;
N,N−ジメチルホルムアルデヒド、ヘキサン、などが
挙げられる。これらの有機溶剤が、透明磁気記録層の結
合剤を含む乾燥後の固形分の和が磁性塗料の5〜20重
量%となるように加えられて、磁性塗料が調製されるこ
とが好ましい。
【0048】磁性粉及び結合剤、分散剤、潤滑剤、研磨
剤、帯電防止剤、溶剤などは混練/分散されて磁性塗料
とされる。
【0049】混練/分散に当たっては、磁性粉及び上記
の各成分を全て同時に、あるいは個々に順次混練機や分
散機に投入される。例えば、結合剤や分散剤を含む溶剤
中に磁性粉を加え、任意の混練機を用いて所定の時間混
練を続け、更に溶剤や添加物を投入し、任意の分散機を
用いて所定の時間分散することによって磁気塗料とする
方法などがある。
【0050】しかし、ここで上記磁性塗料は、磁性粉の
凝集を防ぐために硬膜剤を含有していないことが肝要で
あり、混練/分散後に硬膜剤を添加する必要がある。
【0051】混練/分散に当たっては、各種の混練機/
分散機が使用される。例えば二本ロールミル、三本ロー
ルミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サンド
グラインダー、アトライター、高速インペラー分散機、
高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、ニー
ダー、高速ミキサー、ホモジナイザー超音波分散機など
である。
【0052】混練/分散機によって調製された磁性塗料
は、一定の孔径を有する濾剤で濾過され、一時的にタン
クに貯蔵される。タンク内の磁性塗料は、磁性粉の凝集
を防ぐ為に常に攪拌されていることが望ましい。
【0053】次に、本発明に用いられる硬膜剤としての
硬膜成分及び硬膜反応触媒について説明する。両者は何
れも、前記磁性塗料中の結合剤に作用して、該結合剤を
硬化させる働きを有するものである。
【0054】硬膜成分としては、トリレンジイソシアナ
ート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシ
アナート、ナフチレン−1,5−ジイソシアナート、o
−トルイジンジイソシアナート、イソホロンジイソシア
ナート、トリフェニルメタンジイソシアナート等のイソ
シアナート類、これ等のイソシアナート類とポリアルコ
ール(エチレングリコール、グリセロール、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール等)との反応生成
物、又、イソシアナート類の縮合によって生成したポリ
イソシアナート等が挙げられる。これ等のイソシアナー
ト類は市販品を利用することもでき、例えば日本ポリウ
レタン社製:コロネートL、コロネートHL、コロネー
ト2030、コロネート2031、ミリオネートMR、
ミリオネートMTL、武田薬品社製:タケネートD−1
02、タケネートD−110N、タケネートD−20
0、タケネートD−202、住友バイエル社製:デスモ
ジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、
デスモジュールHL等が挙げられる。
【0055】又、硬膜反応触媒としては、アミン類、有
機金属化合物、アルカリ金属化合物、ラジカル発生剤等
があり、これらの内、特にアミン類、有機金属化合物を
単独に又は併用して用いるのが好ましい。該アミン類の
例としては、トリエチルアミン、N,N,N′,N′−
テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、ジメチルエチ
ルメチノールアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシル
アミン、N−メチルモルホリン、N,N′−ジエチル−
2−メチルピペラジン等;有機金属化合物の例として
は、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチ
ルヘキソエート)、オクテン酸亜鉛、ナフテックス亜
鉛、コバルト−2−エチルヘキソエート等;アルカリ金
属化合物の例としては、オレイン酸ナトリウム、オレイ
ン酸カリウム、ナトリウム−o−フェニルフェネート
等;ラジカル発生剤の例としては、ベンゾイルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビス−i−ブ
チロニトリル等が挙げられる。これ等の中でもトリメチ
ロールプロパンとトリレンジイソシアナートの付加体が
好ましい。
【0056】これらの硬膜成分及び硬膜反応触媒は、単
独又は組み合わされたものが使用され、結合剤の強度を
上げるために、磁性塗料中の結合剤に対して好ましくは
2〜35重量%、より好ましくは5〜30重量%を添加
する。
【0057】硬膜成分及び/又は硬膜反応触媒を含有す
る硬膜剤は原液(市販品:固形分50〜100重量%)
では粘度の高いものが多く、例えば硬膜剤の1/10以
下程度の低粘度塗料への混合は非常に困難である。混合
が不充分の場合は塗布時にギョロと呼ばれるゼリー状の
塊が発生し、スポット故障や筋故障などを誘発する。
又、製品の耐久性に不均一が生じることにもなる。従っ
て、硬膜成分及び/又は硬膜反応触媒は、前記溶剤の
内、活性水素を有しない有機溶剤で任意の粘度に希釈す
ることが好ましい。
【0058】一方、希釈及び磁性塗料への混合を行った
場合、硬膜剤のポットライフは原液に比べ短くなるの
で、硬膜剤を希釈して後、磁性塗料への添加、塗布迄は
出来る限り短時間で行うことが好ましい。又、硬膜剤の
希釈及び硬膜剤の磁性塗料への混合をバッチにて行うの
は工業生産性を著しく損なうことになる。従って、希釈
及び磁性塗料への混合にはインライン混合装置を用いる
のが好ましい。
【0059】硬膜剤の溶剤組成は、硬膜剤の希釈後のポ
ットライフや磁性塗料への混合性及び磁性塗料中の結合
剤の造膜性劣化を考慮する必要がある。従って、硬膜剤
の溶剤組成は、好ましくは硬膜成分及び/又は硬膜反応
触媒と磁性塗布液の結合剤が反応や凝集を起こさないも
のを、硬膜剤に用いる溶剤の50重量%以上、より好ま
しくは70重量%以上を含有しているように調整する。
更に詳しく言えば、硬膜成分及び/又は硬膜反応触媒と
磁性塗布液の結合剤が反応や凝集を起こさない溶剤とし
て、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセト
ン、テトラヒドロフラン等のケトン類を用いることが好
ましい。
【0060】上記インライン混合装置としては、一般的
な装置、例えば特公昭58−10073号に示されるよ
うな装置を使用できるが、硬膜剤が添加された磁性塗料
に対し高剪断力を与えるような混合装置を用いた場合、
磁性粉が凝集を起こし、磁気記録層の透明性や電磁変換
特性であるS/N比が損なわれる。又、乱流を起こすこ
とで混合を行うような混合装置を用いた場合、空気の巻
き込み等により耐久性が低下することがある。従って、
磁性塗料に対し不必要に高剪断力を与えず、混合効率の
良いスタティックミキサーが好ましい。
【0061】溶剤組成を調整した硬膜剤は、前記磁性塗
料のタンクとは別のタンクに一時的に貯蔵される。
【0062】タンク内に貯蔵された磁性塗料と硬膜剤
は、それぞれ一定流量で送液され、インライン混合装置
内において、該磁性塗料中に該硬膜剤を連続的に添加混
合しつつ、非磁性支持体上に塗布される。この時、塗布
液の供給を安定化させるために、硬膜剤を添加混合した
磁性塗料を前記磁性塗料や硬膜剤のタンクとは別のタン
クに一時的に貯蔵してもよい。
【0063】しかし、ここで上記磁性塗料は、硬膜剤が
連続的に添加・混合されてから、そのポットライフ内に
支持体上に塗布することが肝要であり、望ましくは36
0分以内に塗布する。
【0064】支持体上に磁気記録層を設ける方法として
は、エクストルージョンコート、エアードクターコー
ト、ブレードコート、エアーナイフコート、スクイズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァーロールコート、グラビアコート、キスコート、キャ
ストコート、スプレイコート等が利用できる。多条のス
トライプ塗布を行うには、これら塗布ヘッドを多連にす
ればよく、ストライプ塗布の具体的方法としては、特開
昭48−25503号、同48−25504号、同48
−98803号、同50−138037号、同52−1
5533号、同51−3208号、同51−6239
号、同51−65606号、同51−140703号、
特公昭29−4221号、米国特許3,062,181
号、同3,227,165号等の記載を参考にすること
ができる。
【0065】磁気記録媒体の支持体としては、一般に感
光材料用として用いられる支持体は全て使用できる。例
えばポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略
す)、ポリエチレンナフタレート(以下、PENと略
す)、変性ポリエステルの如きポリエステル系の支持
体;セルローストリアセテート(以下、TACと略す)
セルロースアセテートブチレートの如きセルロースエス
テル系の支持体などが挙げられる。そして、本発明の硬
膜剤を支持体の隣接層に添加する場合は、PETの使用
よりも本来接着し難いPENを主成分とする支持体の使
用がより有効である。
【0066】感光材料に有用なTAC支持体は、一般に
TAC綿をメチレンクロライド又はメタノール等のアル
コール溶媒に高粘度(100〜1000ポイズ)粘稠液
(ドープと呼ばれる)として溶かし、これを所定のスリ
ット幅を持ったダイスから走行しているエンドレスのス
テンレス製のベルト支持体、あるいは回転している金属
ドラム支持体上に流延し加熱・乾燥し、流延後一周まで
の間に生乾きの状態で支持体から剥離し、次にクリップ
又はロールで搬送しながら乾燥させTACフィルム支持
体とする。TAC支持体は、現像等処理後、巻癖が容易
に解消されるので、現在カラー用ロールフィルム支持体
として広く用いられている。
【0067】次に、本発明に好ましく用いられるポリエ
ステル支持体について説明する。このポリエステル支持
体は、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成
分とするポリエステルである。
【0068】主要な構成成分のジカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニル
ケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸等
を挙げることができる。一方、ジオール成分としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメ
チレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9−ビ
ス(4,4′−ジ−β−ヒドロキシエチル)フルオレ
ン、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ハイドロキノン、シクロヘキサンジオール等を挙げるこ
とができる。
【0069】これらを主要な構成成分とするポリエステ
ルの中でも、透明性、機械的強度、寸法安定性などの点
から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び/又
は2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分とし
て、エチレングリコール及び/又は1,4−シクロヘキ
サンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステル
が好ましい。中でも、PET、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸とエチレングリコールからなるポリエステル及
び、これらのポリエステルの2種以上の混合物を主要な
構成成分とするポリエステルが好ましい。ポリエステル
に対してエチレンテレフタレートユニット及び/又はエ
チレン−2,6−ナフタレートユニットが70重量%以
上含有されていると、透明性、機械的強度、寸法安定性
などに極めて優れたフィルムが得られる。
【0070】用いられるポリエステルフィルムを構成す
るポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲で更
に他の共重合成分が共重合されていてもよいし、他のポ
リエステルが混合されていてもよい。これらの例として
は、先に挙げたジカルボン酸成分やジオール成分、又は
ポリエステルを挙げることができる。
【0071】ポリエステルには、ライトパイピング現象
を防止する目的で染料を含有させることが好ましい。こ
のような目的で配合される染料としては、特に限定され
ないが、フィルムの製造上、耐熱性に優れていることが
必要であり、アンスラキノン系やペリノン系の染料が挙
げられる。又、色調としては、一般の感光材料に見られ
る如くグレー染色が好ましい。
【0072】ポリエステルフィルムの厚みは、特に限定
がある訳ではないが20〜125μm、特に40〜90
μmであることが好ましい。
【0073】又、ポリエステルフィルムは、ヘーズが3
%以下であることが好ましく、更に好ましくは1%以下
である。ヘーズが3%より大きいと、感光材料用支持体
として用いた場合、写真用印画紙に焼付けた画像がぼけ
てしまい不鮮明になる。上記ヘーズは、ASTM−D1
003−52に従って測定した値である。
【0074】本発明に用いられるポリエステルフィルム
のTgは60℃以上が好ましく、更に70〜150℃が
好ましい。Tgは示差走査熱量計で測定することによっ
て求められる。Tgがこの範囲にあることで、現像処理
機の乾燥工程でのフィルムが、変形なく、現像処理後の
巻癖カールの小さい感光材料が得られる。
【0075】次に、本発明に用いられるポリエステルフ
ィルムの製造方法について説明するが、これに限定され
る訳ではない。
【0076】未延伸シートを得る方法及び縦方向に1軸
延伸する方法は、従来公知の方法で行うことができる。
例えば、原料のポリエステルをペレット状に成型し、熱
風乾燥又は真空乾燥した後、溶融押し出し、Tダイより
シート状に押出して、静電印加法などにより冷却ドラム
に密着させ、冷却固化させ未延伸シートを得る。次い
で、未延伸シートを複数のロール群及び/又は赤外線ヒ
ーターなどの加熱装置を介してポリエステルのTg〜T
g+100℃の範囲内に加熱し、一段又は多段縦延伸す
る方法である。延伸倍率は、通常2.5〜6倍の範囲
で、続く横延伸が可能な範囲にする必要がある。
【0077】上記の様にして得られた縦方向に1軸延伸
されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tm(融点)−
20℃の温度範囲内で横延伸し、次いで熱固定する。横
延伸倍率は通常3〜6倍であり、又、縦、横延伸倍率の
比は、得られた2軸延伸フィルムの物性を測定し、好ま
しい特性を有するように適宜調整する。一般には巾方向
と長手方向の物性をバランスさせることが好ましいが、
使用目的に応じて変化させてもよい。この時、二つ以上
に分割された延伸領域で温度差を1〜50℃の範囲で順
次昇温しながら横延伸すると、巾方向の物性の分布が低
減でき好ましい。更に横延伸後、フィルムをTg−40
℃〜最終横延伸温度の範囲に0.6秒〜5分間保持する
と、巾方向の物性の分布が更に低減でき好ましい。
【0078】熱固定は、その最終横延伸温度より高温
で、Tm−20℃以下の温度範囲で、通常0.5秒〜5
分間熱固定する。この際、二つ以上に分割された領域で
温度差を1〜100℃の範囲で順次昇温しながら熱固定
することが好ましい。
【0079】熱固定されたフィルムは、通常Tg以下ま
で冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカット
し巻き取られる。この際、Tg〜最終熱固定温度の温度
範囲内で、巾方向及び/又は長手方向に0.1〜10%
弛緩処理することが好ましい。又、冷却は、最終熱固定
温度からTg迄を、毎秒100℃以下の冷却速度で徐冷
することが好ましい。
【0080】これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件の
より最適な条件は、フィルムを構成するポリエステルに
より異なるので、得られた2軸延伸フィルムの物性を測
定し、好ましい特性を有するように適宜調整することに
より決定すればよい。
【0081】ポリエステルフィルムについては、巻癖を
低減するため種々の方法が採られる。例えば特開昭51
−16358号に記載されるように、ポリエステルフィ
ルムのTgを30℃ないし5℃下回る温度で熱処理する
方法がある。又、特開平1−131550号には、逐次
2軸延伸工程において、縦延伸と横延伸の間でフィルム
表裏に温度勾配を付けることで結晶性、配向性の差を持
たせて永久カールを付ける方法が記載されている。又、
製品として巻き取る時に、カールと逆向きに巻き取り製
品貯蔵時に付く経時カールと相殺する方法や、延伸時に
温度差を持たせて製膜したポリエステルフィルムを50
℃〜Tgの温度で熱処理する方法も知られている。熱処
理で効果的に巻癖が付き難くなる支持体は、Tgが90
〜200℃のポリエステルである。これは、この熱処理
の効果がTgを超える温度に曝されると消失するため、
一般ユーザーが使用する際に曝される最も高温(夏季の
車中の温度、80℃を超える場合もある)を基準とし
て、90℃以上のTgを有することが必要だからであ
る。又、透明性を有し、Tgが200℃を超える汎用ポ
リエステルフィルムは、今のところ存在しない。
【0082】このようなポリエステルとして特に好まし
いものは、PENを主成分とする支持体である。該支持
体は、PENもしくはその共重合物から成るフィルム、
又はこれらを原料とする組成物から成るフィルムであ
る。該支持体は、2軸延伸後、熱固定処理して用いるの
が好ましく、必要により熱弛緩させてもよい。
【0083】この場合、熱処理は50℃〜Tgの温度で
0.1〜1500時間行うことが必要である。このうち
特に好ましい熱処理方法は、例えばPENの場合はTg
が約120℃であり、従って119℃以下の温度で0.
2〜72時間熱処理することが好ましく、更に好ましい
のは115℃以下で24時間程度熱処理することであ
る。特に短時間で熱処理をするために、Tg以上に一度
昇温し、Tg近辺で徐々に冷却することが非常に効率的
で好ましい。PENの場合、一例として一度130〜2
00℃の間の温度に保った後125℃まで冷却し、その
後100℃まで40分間で徐冷することで熱処理時間を
著しく短縮できる。このような熱処理を行った支持体を
示差熱分析計で測定すると、Tg近傍に吸熱ピークが出
現し、この吸熱ピークが大きい程、巻癖は付き難い。
又、100mcal/g以上、更には200mcal/
g以上となるように熱処理するのが好ましい。
【0084】次に、本発明に係る感光材料に用いられる
支持体の下引層について説明する。下引層は支持体に隣
接する層で、支持体とその上物を強固に接着させる機能
を有する層であり、支持体あるいは上物の素材の性質に
よって異なる。一般に、下引とは、乳剤層等のゼラチン
層の接着のためのものであるが、本発明に用いる導電性
層や磁気記録層にも同様に適用できる。又、下引層に導
電性を付与し、下引層と導電性層を兼ねることもでき
る。
【0085】TAC支持体の下引材料としては、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニ
ルアルコール、酢酸ビニル・無水マレイン酸共重合体等
の親水性樹脂;セルロースジアセテート、セルロースナ
イトレート等のセルロースエステル樹脂が用いられ、こ
れらを単独あるいは混合して用いてもよい。
【0086】TAC支持体には溶媒系の下引液が用いら
れる。TAC支持体の下引に有用な溶媒としては、アセ
トン、メチルエチルケトン、メタノール、i−プロパノ
ール、メチレンクロライド、エチレンクロライド、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、エチルアセテート、ジメチルホルムアミド等を用い
ることができ、これらを必要に応じて混合、使用するの
がよい。
【0087】TAC支持体への下引層を塗布する時期
は、TAC支持体製造時の随時の段階で、流延後あるい
は剥離直後から巻き取られる迄の間の任意の処、つまり
任意の残留溶剤率の処で下引層や帯電防止層、更にはそ
れらの上層を塗布することができる。
【0088】ポリエステル系支持体の下引素材として
は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル
系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合
体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体などを
挙げることができ、これらを単独あるいは混合して用い
てもよい。
【0089】ポリエステル系支持体への下引層を塗布す
る時期は、支持体製膜中の延伸前あるいは延伸後に施さ
れるのが一般的である。
【0090】又、ポリエステル系支持体はその表面が疎
水的であるため、各種表面処理を予め行うことによっ
て、その濡れ性や接着性を補うことができる。このよう
な表面処理とは、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処
理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、
レーザー処理などの表面活性化処理の他、レゾルシン、
フェノール類、アルカリ、アミン、トリクロロ酢酸など
の薬品でエッチング処理する方法が挙げられる。
【0091】表面活性化処理の内、コロナ放電処理は最
もよく知られている方法であり、従来公知の何れの方
法、例えば特公昭48−5043号、同47−5190
5号、特開昭47−28067号、同49−83769
号、同51−41770号、同51−131576号等
に開示された方法により処理することができる。
【0092】放電周波数は50Hz〜5000kHz、
好ましくは5〜数百kHzが適当である。放電周波数が
小さ過ぎると安定な放電が得られず、かつ被処理物にピ
ンホールが生じて好ましくない。又、周波数が高すぎる
とインピーダンスマッチングのための特別な装置が必要
となり、装置の価格が大となり好ましくない。被処理物
の処理強度に関しては、通常のポリエステル、ポリオレ
フィン等のプラスチックフィルムの濡れ性改良のために
は、0.001〜5kV・A・分/m2、好ましくは
0.01〜1kV・A・分/m2が適当である。電極と
誘電体ロールのギャップクリアランスは0.5〜2.5
mm、好ましくは1.0〜2.0mmが適当である。
【0093】多くの場合、最も効果的な表面処理である
グロー放電処理は、従来知られている何れの方法、例え
ば特公昭35−7578号、同36−10336号、同
45−22004号、同45−22005号、同45−
24040号、同46−43480号、米国特許3,0
57,792号、同3,057,795号、同3,17
9,482号、同3,288,638号、同3,30
9,299号、同3,424,735号、同3,46
2,335号、同3,475,307号、同3,76
1,299号、英国特許997,093号、特開昭53
−129262号等を用いることができる。
【0094】グロー放電処理条件は、一般に圧力は0.
005〜20Torr、好ましくは0.02〜2Tor
rが適当である。圧力が低すぎると表面処理効果が低下
し、又、圧力が高すぎると過大電流が流れ、スパークが
起こり易く、危険でもあるし被処理物を破壊する恐れも
ある。放電は、真空タンク中で1対以上の空間を置いて
配置された金属板あるいは金属棒間に高電圧を印加する
ことにより生じる。この電圧は、雰囲気気体の組成、圧
力により色々な値を採り得るものであるが、通常、上記
圧力範囲内では、500〜5000Vの間で安定な定常
グロー放電が起こる。接着性を向上させるのに特に好適
な電圧範囲は2000〜4000Vである。又、放電周
波数として、従来技術に見られるように、直流から数千
MHz、好ましくは50Hz〜20MHzが適当であ
る。放電処理強度に関しては、所望の接着性能が得られ
ることから0.01〜5kV・A・分/m2、好ましく
は0.15〜1kV・A・分/m2が適当である。
【0095】本発明に用いられる導電性層は、一般に感
光材料に有用な帯電防止剤、帯電防止組成物の殆どを用
いることができる。例えば、特公昭47−28937
号、同49−23828号記載のスチレン・マレイン酸
ナトリウム共重合体、特開昭53−82876号記載の
ビニルベンジルスルホン酸ナトリウム共重合体、特公昭
48−23451号記載のスチレンスルホン酸ナトリウ
ムの重合体又は共重合体等のアニオン系帯電防止剤、特
開昭51−42535号、特開昭54−159222
号、特開昭55−7763号記載のアイオネン重合物
(トリエチレンジアミンとキシリデンジクロライドとの
重合物)、特許米国特許2,882,157号記載のポ
リメタクリロイルエチルジエチルメチルアンモニウムメ
チルスルホネート、特公昭60−51693号、特開昭
61−223736号及び特開昭62−9346号記載
の第4級アンモニウム基を側鎖に持つ架橋型共重合体粒
子(コポリマー〔N,N,N−トリメチル−N−ビニル
ベンジルアンモニウムクロリド−−ジビニルベンゼ
ン〕)、特開平7−28194号記載のアイオネン重合
体架橋型あるいはアイオネン重合体を側鎖に持つ共重合
体粒子等のカチオン帯電防止剤(ポリビニルベンジルク
ロライドと末端N−(トリエチレンジアミンとキシリデ
ンジクロリドとの重合物)との架橋反応物)、特公昭5
7−12979号記載のアルミナゾルを主成分とするも
の、特開昭57−104931号記載のZnO,SnO
2,TiO2,Al23,In23,SiO2,MgO,
BaO,MoO3,ZiO2等の微粒子金属酸化物、特公
昭55−5982号記載のV25等の金属酸化物帯電防
止剤、特公昭52−32572号記載の高級脂肪アルコ
ール燐酸エステル帯電防止剤、特開平2−252726
号記載のポリ(イソチアナフテン)系、特開平2−25
5770号あるいは特開平2−308246号記載のポ
リ(チオフェン)系等の共役二重結合導電性高分子等が
挙げられる。
【0096】必要に応じて、磁気記録層に隣接する最外
層に保護層を設けて、耐傷性を向上させてもよい。耐傷
性付与のためには、一般的に滑り剤として知られる化合
物を用いることができるが、好ましくは高級脂肪酸エス
テルが挙げられる。又、磁気記録層をストライプ状に設
ける場合、この上に磁性体を含有しない透明なポリマー
層を設けて、磁気記録層による段差をなくしてもよい。
この場合、この透明なポリマー層に上記の各種の機能を
持たせてもよい。
【0097】本発明に係る感光材料のハロゲン化銀乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャ(以下、RDと
略記する)17643,22〜23頁(1978年12
月):I.乳剤製造(Emulsion prepar
ation and types及び同18716,6
48頁、グラフキデス著『写真の物理と化学』ポールモ
ンテル社刊(P.Glafkides,Chemic
et Phisique Photographiqu
e,Paul Montel,1967)、ダフィン著
『写真乳剤化学』フォーカルプレス社刊(G.F.Du
ffin,Photographic Emulsio
n Chemistry,FocalPress 19
66)、ゼリクマンら著『写真乳剤製造と塗布』フォー
カルプレス社刊(V.L.Zelikman et a
l,Making and Coating Phot
ographic Emulsion,Focal P
ress,1964)等に記載された方法を用いて調製
することができる。
【0098】乳剤としては、米国特許3,574,62
8号、同3,665,394号及び英国特許1,41
3,748号などに記載された単分散乳剤も好ましい。
【0099】ハロゲン化銀乳剤には、物理熟成、化学熟
成及び分光増感を行うことができる。このような工程で
使用される添加剤は、RD17643,同18716及
び同308119等に記載されている。
【0100】感光材料がカラー感光材料である場合、使
用することができる写真用添加剤も上記RDに記載され
ている。又、種々のカプラーを使用することができ、そ
の具体例もRD17643及びRD308119に記載
されている。
【0101】又、これら添加剤は、RD308119,
1007頁,XIV項に記載される分散法などにより、写
真感光層に添加することができる。
【0102】カラー感光材料には、前述のRD3081
19,II−K項に記載されるフィルター層や中間層など
の補助層を設けることができる。カラー感光材料の構成
には、前述のRD308119,VII−K項に記載され
る順層,逆層,ユニット構成などの様々な層構成を採る
ことができる。
【0103】感光材料を現像処理するには、例えばT.
H.ジェームズ著:セオリイ・オブ・ザ・フォトグラフ
ィックプロセス,第4版(The Theory of
The Photografic Process
Forth Edition),291〜334頁及び
ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサエ
ティ(J.Ame.Chem.Soc.),73巻、3
100頁(1951)に記載されている、それ自体公知
の現像剤を使用することができる。又、カラー感光材料
は、前述のRD17643,28〜29頁、RD187
16,615頁及びRD308119,XIX項に記載さ
れた、通常の方法によって現像処理することができる。
【0104】
【実施例】以下、実施例にて本発明の説明を行うが、本
発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
尚、特に断りない限り、実施例中の「部」は「重量部」
を表す。
【0105】実施例1 (支持体の作製)2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメ
チル100部、エチレングリコール60部にエステル交
換触媒として酢酸カルシウム水和物0.1部を添加し、
常法に従ってエステル交換反応を行った。得られた生成
物に、三酸化アンチモン0.05部、燐酸トリメチルエ
ステル0.03部を添加した。次いで徐々に昇温、減圧
にし、290℃、0.05mmHgの条件で重合を行
い、固有粘度0.60のポリエチレン−2,6−ナフタ
レートを得た。
【0106】これを、150℃で8時間真空乾燥した
後、300℃でTダイから層状に溶融押出し、50℃の
冷却ドラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化さ
せ、未延伸シートを得た。この未延伸シートをロール式
縦延伸機を用いて、135℃で縦方向に3.3倍延伸し
た。
【0107】得られた1軸延伸フィルムをテンター式横
延伸機を用いて、第1延伸ゾーン145℃で総横延伸倍
率の50%延伸し、更に第2延伸ゾーン155℃で総横
延伸倍率3.3倍となるように延伸した。次いで、10
0℃で2秒間熱処理し、更に第1熱固定ゾーン200℃
で5秒間熱固定し、第2熱固定ゾーン240℃で15秒
間熱固定した。次いで、横方向に5%弛緩処理しながら
室温まで30秒かけて徐冷して、厚さ85μmのポリエ
チレンナフタレートフィルムを得た。
【0108】これをステンレス製のコアに巻き付け、1
10℃で48時間熱処理(アニール処理)して支持体を
作製した。
【0109】(下引層の塗設)この支持体の両面に12
W/m2/minのコロナ放電処理を施し、一方の面に
下記下引塗布液B−1を乾燥膜厚0.4μmになるよう
に塗布し、その上に12W/m2/minのコロナ放電
処理を施し、下記下引塗布液B−2を乾燥膜厚0.06
μmになるように塗布した。
【0110】12W/m2/minのコロナ放電処理を
施した他方の面には、下記下引塗布液B−3を乾燥膜厚
0.2μmになるように塗布し、その上に12W/m2
/minのコロナ放電処理を施し、下記下引塗布液B−
4を乾燥膜厚0.2μmになるように塗布した。
【0111】各層はそれぞれ塗布後90℃で10秒間乾
燥し、4層塗布後、引き続いて110℃で2分間熱処理
を行った後、50℃で30秒間冷却処理を行った。
【0112】 〈下引塗布液B−1〉 ブチルアクリレート/t−ブチルアクリレート/スチレン/ 2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体(30/20/25/25 重量%)ラテックス液(固形分30%) 125g 化合物(UL−1) 0.4g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.05g 水で1リットルに仕上げる 〈下引塗布液B−2〉 スチレン・無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム 水溶液(固形分6%) 50g 化合物(UL−1) 0.6g 化合物(UL−2) 0.09g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.2g 水で1リットルに仕上げる 〈下引塗布液B−3〉 ブチルアクリレート/t−ブチルアクリレート/スチレン/ 2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体(30/20/25/25 重量%)ラテックス液(固形分30%) 50g 化合物(UL−1) 0.3g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 1.1g 水で1リットルに仕上げる UL−1:o,p−(C919263O(CH2CH2O)12SO3Na UL−2:CH3SO2O(CH23OSO2CH3 〈下引塗布液B−4〉 酸化錫−酸化アンチモン複合微粒子(平均粒径0.2μm)の水分散液 (固形分40重量%) 109g 水分散液A* 67g 水で1リットルに仕上げる *ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジメチル60モ
ル%、イソフタル酸ジメチル30モル%、5−スルホイ
ソフタル酸ジメチルのナトリウム塩10モル%、グリコ
ール成分としてエチレングリコール50モル%、ジエチ
レングリコール50モル%を常法により共重合した。こ
の共重合体を95℃の熱水中で3時間撹拌し、15重量
%の水分散液Aとした。
【0113】 (透明磁気記録層の塗設) <磁性塗布液1の作製> 組成物(A) Co被着γ−Fe23(長軸0.15μm,短軸0.03μm, 比表面積40m2/g,Hc=900エルステッド) 5部 ジアセチルセルロース(酢化度=55%,Mw=18万) 100部 α−アルミナ(平均粒径0.3μm) 10部 アセトン 780部 シクロヘキサノン 340部 組成物(A)をサンドミルを用いて40時間分散後、平
均孔径10μmのフィルターで濾過し、磁性塗料(以
下、硬膜成分を含まないものを磁性塗料0液という)を
得、タンク1(図1)に一旦貯蔵する。
【0114】 組成物(B) 硬膜剤(日本ポリウレタン社製:C−L,固形分75%) 20部 シクロヘキサノン 45部 組成物(B)をディスパーを用いて空気を巻き込まない
ように混合し、タンク2(図1)に一旦貯蔵する。
【0115】図1に示す装置を用いて、上記組成物
(B)が磁性塗料0液に連続的に添加・混合され磁性塗
料を得る。
【0116】この時のインライン混合装置41には、ス
タティックミキサーを用いた。
【0117】組成物(B)の磁性塗料0液に対する添加
率の変動は、設定値に対し±10%の精度であった。
【0118】得られた磁性塗料1を、前記した下引層と
帯電防止層が塗設されたPEN支持体上に乾燥膜厚0.
8μmになるように塗布・乾燥した。
【0119】(写真乳剤の塗設)前記磁気記録媒体の磁
気記録層側とは反対側に、前記下引塗布液B−1及びB
−2を同一条件で塗設した下引層を設けてある上に、以
下に示す組成の写真構成層を設けて、試料1〜24を得
た。添加量は1m2当たりのグラム数で表す。ただし、
ハロゲン化銀とコロイド銀は銀の量に換算し、増感色素
は銀1モル当たりのモル数で示した。
【0120】 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.16 紫外線吸収剤 UV−1 0.3 カラードマゼンタカプラー CM−1 0.044 高沸点溶媒 OIL−1 0.044 ゼラチン 1.33 第2層(中間層) 汚染防止剤 AS−1 0.16 高沸点溶媒 OIL−1 0.20 ゼラチン 1.40 第3層(低感度赤感色性層) 沃臭化銀a 0.12 沃臭化銀b 0.50 増感色素 SD−1 3.0×10-5 増感色素 SD−4 1.5×10-4 増感色素 SD−3 3.0×10-4 増感色素 SD−6 3.0×10-6 シアンカプラー C−1 0.51 カラードシアンカプラー CC−1 0.047 高沸点溶媒 OIL−2 0.45 汚染防止剤 AS−2 0.005 ゼラチン 1.40 第4層(中感度赤感色性層) 沃臭化銀c 0.64 増感色素 SD−1 3.0×10-5 増感色素 SD−2 1.5×10-4 増感色素 SD−3 3.0×10-4 シアンカプラー C−2 0.22 カラードシアンカプラー CC−1 0.028 DIR化合物 DI−1 0.002 高沸点溶媒 OIL−2 0.21 汚染防止剤 AS−3 0.006 ゼラチン 0.87 第5層(高感度赤感色性層) 沃臭化銀c 0.13 沃臭化銀d 1.14 増感色素 SD−1 3.0×10-5 増感色素 SD−2 1.5×10-4 増感色素 SD−3 3.0×10-4 シアンカプラー C−2 0.085 シアンカプラー C−3 0.084 カラードシアンカプラー CC−1 0.029 DIR化合物 DI−1 0.027 高沸点溶媒 OIL−2 0.23 汚染防止剤 AS−3 0.013 ゼラチン 1.23 第6層(中間層) 高沸点溶媒 OIL−1 0.29 汚染防止剤 AS−1 0.23 ゼラチン 1.00 第7層(低感度緑感色性層) 沃臭化銀a 0.245 沃臭化銀b 0.105 増感色素 SD−6 5.0×10-4 増感色素 SD−5 5.0×10-4 マゼンタカプラー M−1 0.21 カラードマゼンタカプラー CM−2 0.039 高沸点溶媒 OIL−1 0.25 汚染防止剤 AS−2 0.003 汚染防止剤 AS−4 0.063 ゼラチン 0.98 第8層(中間層) マゼンタカプラー M−1 0.03 カラードマゼンタカプラー CM−2 0.005 高沸点溶媒 OIL−1 0.16 汚染防止剤 AS−1 0.11 ゼラチン 0.80 第9層(中感度緑感色性層) 沃臭化銀e 0.87 増感色素 SD−7 3.0×10-4 増感色素 SD−8 6.0×10-5 増感色素 SD−9 4.0×10-5 マゼンタカプラー M−1 0.17 カラードマゼンタカプラー CM−2 0.048 カラードマゼンタカプラー CM−3 0.059 DIR化合物 DI−2 0.012 高沸点溶媒 OIL−1 0.29 汚染防止剤 AS−4 0.05 汚染防止剤 AS−2 0.005 ゼラチン 1.43 第10層(高感度緑感色性層) 沃臭化銀f 1.19 増感色素 SD−7 4.0×10-4 増感色素 SD−8 8.0×10-5 増感色素 SD−9 5.0×10-5 マゼンタカプラー M−1 0.09 カラードマゼンタカプラー CM−3 0.020 DIR化合物 DI−3 0.005 高沸点溶媒 OIL−1 0.11 汚染防止剤 AS−4 0.026 汚染防止剤 AS−5 0.014 汚染防止剤 AS−6 0.006 ゼラチン 0.78 第11層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 0.05 高沸点溶媒 OIL−1 0.18 汚染防止剤 AS−7 0.16 ゼラチン 1.00 第12層(低感度青感色性層) 沃臭化銀g 0.29 沃臭化銀h 0.19 増感色素 SD−10 8.0×10-4 増感色素 SD−11 3.1×10-4 イエローカプラー Y−1 0.91 DIR化合物 DI−4 0.022 高沸点溶媒 OIL−1 0.37 汚染防止剤 AS−2 0.002 ゼラチン 1.29 第13層(高感度青感色性層) 沃臭化銀h 0.13 沃臭化銀i 1.00 増感色素 SD−10 4.4×10-4 増感色素 SD−11 1.5×10-4 イエローカプラー Y−1 0.48 DIR化合物 DI−4 0.019 高沸点溶媒 OIL−1 0.21 汚染防止剤 AS−2 0.004 ゼラチン 1.55 第14層(第1保護層) 沃臭化銀j 0.30 紫外線吸収剤 UV−1 0.055 高沸点溶媒 OIL−2 0.63 ゼラチン 1.32 第15層(第2保護層) ポリマー PM−1 0.15 ポリマー PM−2 0.04 滑り剤 WAX−1 0.02 DIR化合物 D−1 0.001 ゼラチン 0.55 尚、上記組成物の他に、塗布助剤SU−1,SU−2,
SU−3、分散助剤SU−4、粘度調整剤V−1、安定
剤ST−1,ST−2、カブリ防止剤AF−1(ポリビ
ニルピロリドン,重量平均分子量:10,000),A
F−2(ポリビニルピロリドン,重量平均分子量:1,
100,000)、抑制剤AF−3,AF−4,AF−
5、硬膜剤H−1,H−2及び防腐剤Ase−1を添加
した。
【0121】上記試料に用いた化合物の構造を以下に示
す。
【0122】 SU−1:C817SO2N(C37)CH2COOK SU−2:C817SO2NH(CH23+(CH33
Br- SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)ナト
リウム SU−4:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナ
トリウム ST−1:4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデン ST−2:アデニン AF−3:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール AF−4:1−(4−カルボキシフェニル)−5−メル
カプトテトラゾール AF−5:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メ
ルカプトテトラゾール H−1:〔(CH2=CHSO2CH23CCH2SO2
2CH22NCH2CH2SO3K H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジン・ナトリウム OIL−1:トリクレジルホスフェート OIL−2:ジ(2−エチルヘキシル)フタレート AS−1:2,5−ビス(1,1−ジメチル−4−ヘキ
シルオキシカノボニルブチル)ハイドロキノン AS−2:没食子酸ドデシル AS−3:没食子酸ドコシル AS−4:2−オクチルオキシ−5−t−オクチル−
N,N−ジブチルアニリン AS−5:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン AS−6:2,5−ジ−t−オクチル−1,4−キノン
【0123】
【化1】
【0124】
【化2】
【0125】
【化3】
【0126】
【化4】
【0127】
【化5】
【0128】
【化6】
【0129】
【化7】
【0130】上記沃臭化銀の特徴を表1に示す。
【0131】
【表1】
【0132】尚、本発明の好ましいハロゲン化銀粒子の
形成例として、沃臭化銀d,fの製造例を以下に示す。
【0133】(種晶乳剤−1の調製)特公昭58−58
288号、同58−58289号に示される混合撹拌機
を用いて、35℃に調整した下記溶液A1に硝酸銀水溶
液(1.161モル)と、臭化カリウムと沃化カリウム
の混合水溶液(沃化カリウム2モル%)を、銀電位(飽
和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で
測定)を0mVに保ちながら同時混合法により2分を要
して添加し、核形成を行った。続いて、60分の時間を
要して液温を60℃に上昇させ、炭酸ナトリウム水溶液
でpHを5.0に調整した後、硝酸銀水溶液(5.90
2モル)と、臭化カリウムと沃化カリウムの混合水溶液
(沃化カリウム2モル%)を、銀電位を9mVに保ちな
がら同時混合法により、42分を要して添加した。添加
終了後40℃に降温しながら、通常のフロキュレーショ
ン法を用いて直ちに脱塩、水洗を行った。
【0134】得られた種晶乳剤は、平均球換算直径が
0.24μm、平均アスペクト比が4.8、ハロゲン化
銀粒子の全投影面積の90%以上が最大辺比率が1.0
〜2.0の六角状の平板状粒子からなる乳剤であった。
この乳剤を種晶乳剤−1と称する。
【0135】溶液A1 オセインゼラチン 24.2g 臭化カリウム 10.8g 界面活性剤EO(10%エタノール溶液) 6.78ml 10%硝酸 114ml 水 9657ml EO:HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH
2O)19.8(CH2CH2O)nH(m+n=9.77) (沃化銀微粒子乳剤SMC−1の調製)0.06モルの
沃化カリウムを含む6.0重量%のゼラチン水溶液5リ
ットルを激しく撹拌しながら、7.06モルの硝酸銀水
溶液と7.06モルの沃化カリウム水溶液、各々2リッ
トルを10分を要して添加した。この間pHは硝酸を用
いて2.0に、温度は40℃に制御した。粒子調製後
に、炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHを5.0に調整
した。得られた沃化銀微粒子の平均粒径は0.05μm
であった。この乳剤をSMC−1とする。
【0136】(沃臭化銀dの調製)0.178モル相当
の種晶乳剤−1と界面活性剤EOの10%エタノール溶
液0.5mlを含む、4.5重量%の不活性ゼラチン水
溶液700mlを75℃に保ち、pAgを8.4、pH
を5.0に調整した後、激しく撹拌しながら同時混合法
により以下の手順で粒子形成を行った。
【0137】1)2.1モルの硝酸銀水溶液と0.19
5モルのSMC−1及び臭化カリウム水溶液を、pAg
を8.4、pHを5.0に保ちながら添加した。
【0138】2)続いて溶液を60℃に降温し、pAg
を9.8に調整した。その後、0.071モルのSMC
−1を添加し、2分間熟成を行った(転位線の導入)。
【0139】3)0.959モルの硝酸銀水溶液と0.
03モルのSMC−1及び臭化カリウム水溶液を、pA
gを9.8、pHを5.0に保ちながら添加した。
【0140】尚、粒子形成を通して、各溶液は、新核の
生成や粒子間のオストワルド熟成が進まないように最適
な速度で添加した。
【0141】上記添加終了後に、40℃で通常のフロキ
ュレーション法を用いて水洗処理を施した後、ゼラチン
を加えて再分散し、pAgを8.1、pHを5.8に調
整した。
【0142】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.75μm、平均アスペクト比5.0、粒子内
部から2/8.5/X/3モル%(Xは転位線導入位
置)のハロゲン組成を有する平板状粒子から成る乳剤で
あった。この乳剤を電子顕微鏡で観察したところ、乳剤
中の粒子の全投影面積の60%以上の粒子にフリンジ部
と粒子内部双方に5本以上の転位線が観察された。表面
沃化銀含有率は、6.7モル%であった。
【0143】(沃臭化銀fの調製)沃臭化銀dの調製に
おいて、1)の工程でpAgを8.8とし、3)の工程
で添加する硝酸銀量を0.92モル、SMC−1の量を
0.069モルとした以外は沃臭化銀dと全く同様にし
て沃臭化銀fを調製した。
【0144】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.65μm、平均アスペクト比6.5、粒子内
部から2/8.5/X/7モル%(Xは転位線導入位
置)のハロゲン組成を有する平板状粒子から成る乳剤で
あった。この乳剤を電子顕微鏡で観察したところ、乳剤
中の粒子の全投影面積の60%以上の粒子にフリンジ部
と粒子内部双方に5本以上の転位線が観察された。表面
沃化銀含有率は、11.9モル%であった。
【0145】上記各乳剤に前述の増感色素を添加、熟成
した後、トリホスフィンセレナイド、チオ硫酸ナトリウ
ム、塩化金酸、チオシアン酸カリウムを添加し、常法に
従い、カブリ−感度関係が最適になるように化学増感を
施した。
【0146】沃臭化銀a、b、c、e、g、h、i、j
についても、上記d、fに準じ分光増感、化学増感を施
した。
【0147】以上のようにして写真感光材料を有した磁
気記録媒体1を得た。
【0148】(湿式現像処理)写真構成層に対して画像
露光を与え、下記湿式現像処理したものについて、後記
する塗膜の耐久性テストを行った。
【0149】 (処理工程) 処理工程 処理時間 処理温度 補充量* 発色現像 3分15秒 38±0.3℃ 780ml 漂 白 45秒 38±2.0℃ 150ml 定 着 1分30秒 38±2.0℃ 830ml 安 定 60秒 38±5.0℃ 830ml 乾 燥 1分 55±5.0℃ − *補充量は感光材料1m2当たりの値である。
【0150】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は、以下のものを使用した。
【0151】発色現像液及び発色現像補充液 現像液 補充液 水 800ml 800ml 炭酸カリウム 30g 35g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 3.0g 亜硫酸カリウム 3.0g 5.0g 臭化ナトリウム 1.3g 0.4g 沃化カリウム 1.2mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 3.1g 塩化ナトリウム 0.6g − 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.5g 6.3g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 2.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウム又は20%
硫酸を用いて発色現像液はpH10.06に、補充液は
pH10.18に調整する。
【0152】漂白液及び漂白補充液 漂白液 補充液 水 700ml 700ml 1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 2g 硝酸ナトリウム 40g 50g 臭化アンモニウム 150g 200g 氷酢酸 40g 56g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水又は氷酢酸を
用いて漂白液はpH4.4に、補充液はpH4.0に調
整する。
【0153】定着液及び定着補充液 定着液 補充液 水 800ml 800ml チオシアン酸アンモニウム 120g 150g チオ硫酸アンモニウム 150g 180g 亜硫酸ナトリウム 15g 20g エチレンジアミン四酢酸 2g 2g アンモニア水又は氷酢酸を用いて定着液はpH6.2
に、補充液はpH6.5に調整後、水を加えて1リット
ルとする。
【0154】安定液及び安定補充液 水 900ml p−オクチルフェノールのエチレンオキシド10モル付加物 2.0g ジメチロール尿素 0.5g ヘキサメチレンテトラミン 0.2g 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1g シロキサン(UCC製L−77) 0.1g アンモニア水 0.5ml 水を加えて1リットルとした後、アンモニア水又は50
%硫酸を用いてpH8.5に調整する。
【0155】実施例2 実施例1における磁性塗布液の作製方法を以下の方法に
変更した以外は全く同様にして作製した。
【0156】 <磁性塗布液2の作製> 組成物(A) Co被着γ−Fe23(長軸0.15μm,短軸0.03μm, 比表面積40m2/g,Hc=900エルステッド) 5部 ジアセチルセルロース(酢化度=55%,Mw=18万) 100部 α−アルミナ(平均粒径0.3μm) 10部 アセトン 780部 シクロヘキサノン 340部 組成物(A)をサンドミルを用いて40時間分散後、平
均孔径10μmのフィルターで濾過し、磁性塗料0液を
得、図2に示すタンク1に一旦貯蔵する。
【0157】又、硬膜剤(日本ポリウレタン社製:C−
L,固形分75%)20部をタンク2に、シクロヘキサ
ノン45部をタンク3に、それぞれ一旦貯蔵する。
【0158】図2の装置を用いて硬膜剤を連続的に希釈
した液がタンク4に一旦貯蔵され、更に該硬膜性成分が
磁性塗料0液に連続的に添加、混合され、磁性塗料を得
る。この時の混合装置41、42には、スタティックミ
キサーを用いた。
【0159】シクロヘキサノンの硬膜剤に対する添加率
の変動や、硬膜剤希釈液の磁性塗料0液に対する添加率
の変動は、設定値に対し±10%の精度であった。
【0160】実施例3 実施例2における磁性塗布液の作製方法を以下の方法に
変更した以外は全く同様にして作製した。
【0161】<磁性塗布液3の作製>実施例2の磁性塗
布液2の作製において、図2に示す混合装置42にウル
トラタラックスインライン(IKA社製)を用いた以外
は同様に作製した。
【0162】比較例1 実施例1における磁性塗布液の作製方法を以下の方法に
変更した以外は全く同様にして作製した。
【0163】 <磁性塗布液4の作製> 組成物(C) Co被着γ−Fe23(長軸0.15μm,短軸0.03μm, 比表面積40m2/g,Hc=900エルステッド) 5部 ジアセチルセルロース(酢化度=55%,Mw=18万) 100部 α−アルミナ(平均粒径0.3μm) 10部 アセトン 780部 シクロヘキサノン 385部 上記組成物(C)をサンドミルを用いて40時間分散
後、平均孔径10μmのフィルターで濾過し、磁性塗料
0液を得て図3に示すタンク1に一旦貯蔵する。
【0164】これに、硬膜剤(日本ポリウレタン社製:
C−L,固形分75%)20部を添加し、図3の装置を
用いて硬膜性成分を磁性塗料0液に一度に添加、混合
し、磁性塗料を得る。
【0165】この時の混合装置1には、ディスパーを用
い、空気を巻き込まないように混合した。
【0166】比較例2 実施例1における磁性塗布液の作製方法を以下の方法に
変更した以外は全く同様にして作製した。
【0167】 <磁性塗布液5の作製> 組成物(C) Co被着γ−Fe23(長軸0.15μm,短軸0.03μm, 比表面積40m2/g,Hc=900エルステッド) 5部 組成物(D) ジアセチルセルロース(酢化度=55%,Mw=18万) 100部 α−アルミナ(平均粒径0.3μm) 10部 硬膜剤(日本ポリウレタン社製:C−L,固形分75%) 20部 アセトン 780部 シクロヘキサノン 385部 上記組成物(D)を図4に示すタンク1に投入し、サン
ドミル41(分散機)を用いて40時間分散後、平均孔
径10μmのフィルターで濾過し、磁性塗料液を得る。
【0168】このようにして得られた実施例1〜3及び
比較例1、2の磁気記録媒体試料について以下のような
特性を評価した。
【0169】《塗布性》磁性塗料を塗布した直後の支持
体が乾燥ゾーンに入る前の状態を目視で観察し、以下の
ように分類した。
【0170】 ○:良好な塗布状態 ×:点故障や筋故障が発生した 《透明性》三菱化成工業社製の濁度計SEP−PT−5
01D型を用いて測定し、以下のように分類した。
【0171】 ○:良好な透明度 ×:実用不可能なレベル 《S/N比》オーディオテープレコーダー用の磁気ヘッ
ドにより、試料の塗布方向の出力変動と最適記録電流で
の2kHzの矩形波の入出力信号からS/N比を計測
し、以下のように分類した。
【0172】 ○:実用可能なレベル ×:実用不可能なレベル 《耐久性》試料の任意5カ所をAPS用フィルム(25
枚撮り)に加工し、APS専用のカートリッジに巻き込
む。フィルム全長に亘ってカメラ(ミノルタ社製:ベク
ティスS−1)を用いて撮影動作をし、カメラトラック
に磁気信号を記録する。
【0173】市販のAPSフィルム用ネガビュアー(富
士写真フイルム社製:NV−10)を改造して、磁気信
号の再生出力(増幅後)をモニターできるようにする
(以後改造ネガビュアーと呼ぶ)。
【0174】改造ネガビュアー用いて、上記磁気記録の
済んだ試料を100回往復走行させる。再生出力のモニ
ターは往路のみとし、1回目の走行時の出力を0dBと
して、100回目の走行時の出力を算出した。
【0175】又、試料の磁気記録層を有する面を目視で
観察して以下のように分類した。
【0176】《出力低下レベル》 出力低下OKレベル:再生出力の低下が3dB未満 出力低下NGレベル:再生出力の低下が3dB以上 《耐久性レベル》 5:全て磁気ヘッドの摺動跡や傷付きなく、出力低下O
Kレベル 4:一部/全てに磁気ヘッドの摺動跡があるが、出力低
下OKレベル 3:一部傷付きがあるが、出力低下OKレベル 2:一部傷付きがあり、出力低下NGレベルの箇所があ
る 1:膜剥がれが起きている箇所がある 結果を表2に示す。
【0177】
【表2】
【0178】
【発明の効果】本発明による透明磁気記録層を有する磁
気記録媒体の製造方法によれば、磁性塗料内に硬膜剤を
塗布直前にインライン混合装置を用いて行うことによ
り、該磁性塗料に硬膜剤を活性なまま添加することがで
き、磁性塗料中の硬膜剤を均一にすることができるの
で、同一ロットの磁性塗料を安定に大量に製造できる。
【0179】更に、該磁性塗料に活性な硬膜剤を添加し
た後、極めて短時間で塗布・乾燥することができるの
で、硬膜剤の硬膜反応を該磁性塗料中の結合剤に対して
起こし、優れた耐久性で、優れた透明性、電磁変換特性
を持つ透明磁気記録層を有する磁気記録媒体を得ること
ができた。この磁気記録媒体は、ハロゲン化銀写真感光
材料用として好適なものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の製造に用いられるイン
ライン混合装置の一例を示す断面模式図。
【図2】本発明の磁気記録媒体の製造に用いられるイン
ライン混合装置の別の一例を示す断面模式図。
【図3】本発明の磁気記録媒体の製造に用いられるイン
ライン混合装置の別の一例を示す断面模式図。
【図4】本発明の磁気記録媒体の製造に用いられるイン
ライン混合装置の別の一例を示す断面模式図。
【符号の説明】
1,2,3,4,5 タンク 11,12,13,14,15 定量ポンプ 21,22,23,24,25 流量計 31,32 フローメーター 41,42 インライン混合装置 51,52 フィルター 61,62,63 CPU

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の側に強磁性体
    と結合剤からなる透明磁気記録層を有する磁気記録媒体
    において、まず強磁性体を分散した後、硬膜成分及び硬
    膜反応触媒の少なくとも一方を該透明磁気記録層の結合
    剤に対し2〜35重量%となるように添加し磁性塗布液
    を調製した後、透明磁気記録層の乾燥後の固形分の和が
    該磁性塗布液の5〜20重量%となるように塗布するこ
    とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 透明磁気記録層の硬膜成分及び硬膜反応
    触媒の少なくとも一方を、インライン混合装置を用いて
    塗布直前に連続的に添加・混合することを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 硬膜成分及び硬膜反応触媒の少なくとも
    一方を含有する硬膜剤の溶剤組成が、前記硬膜成分及び
    硬膜反応触媒の少なくとも一方と結合剤が反応や凝集を
    起こさない溶剤を50重量%以上含有することを特徴と
    する請求項2記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 硬膜剤の溶剤組成を調製する際に、イン
    ライン混合装置を用いて連続的に希釈することを特徴と
    する請求項2又は3記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 インライン混合装置にスタティックミキ
    サーを用いることを特徴とする請求項2、3又は4記載
    の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 磁性塗布液の結合剤の60重量%以上が
    セルロースの脂肪酸エステルであることを特徴とする請
    求項2〜5の何れか1項記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 硬膜成分がトリメチロールプロパンとト
    リレンジイソシアナートの付加体であることを特徴とす
    る請求項2〜6の何れか1項記載の磁気記録媒体の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 硬膜剤の溶剤が、硬膜成分及び硬膜反応
    触媒の少なくとも一方と結合剤が反応や凝集を起こさな
    いケトン類であることを特徴とする請求項2〜7の何れ
    か1項記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 透明磁気記録層とは反対側の支持体上に
    ハロゲン化銀写真構成層を有することを特徴とする請求
    項1〜8の何れか1項記載の磁気記録媒体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001002751A (ja) * 1999-06-16 2001-01-09 Osaka Gas Co Ltd フルオレン骨格を有するポリウレタン及びその製造方法
WO2001020602A1 (fr) * 1999-09-10 2001-03-22 Tdk Corporation Procede de production d'un support d'enregistrement magnetique

Cited By (3)

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