JP2000041411A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 水田除草機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乗用機体の後部に除草装置を昇降自在に連結し、
条間に作用する条間除草機構と、株間に作用する株間除草機構とを、前記除草装置に備え、
接地圧変動に基づいて上下変位する接地センサを備えて、前記接地センサの高さを調節可能に構成し、前記接地センサの上下変位を検知して除草装置を昇降させる昇降制御装置を備えると共に、
前記除草装置に対する株間除草機構の高さを調節可能に構成してある水田除草機。
【請求項2】 乗用機体の後部に除草装置を昇降自在に連結し、
条間に作用する条間除草機構と、株間に作用する株間除草機構とを、前記除草装置に備え、
接地圧変動に基づいて上下変位する接地センサを備えて、前記接地センサの検知感度を調節可能に構成し、前記接地センサの上下変位を検知して除草装置を昇降させる昇降制御装置を備えると共に、
前記除草装置に対する株間除草機構の高さを調節可能に構成してある水田除草機。
【請求項3】 前記条間除草機構を接地作用させた状態で、前記株間除草機構を接地作用位置と浮上した非作用位置とに切り換え可能に構成してある請求項1又は2に記載の水田除草機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植付け、あるいは、直播の済んだ水田における中耕除草作業を行う水田除草機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記水田除草機は、旧来より歩行型のものが利用されていたが、近年では能率良く除草作業を行うために乗用化が研究開発されつつあり、例えば、(1)特開平3−206804号公報に開示されているように、横軸芯回りに遊転して条間に作用する複数の条間除草ロータを並列配置した除草装置を乗用機体の後部に昇降自在に連結したものや、(2)実開平3−48401号公報に開示されているように、横軸芯回りに回転駆動されて条間に作用する複数の条間除草ロータ並列配置した除草装置を乗用機体の後部に昇降自在に連結したもの、などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【0005】
【0006】
田植機で植付けられた稲株は所定の左右間隔(条間)と、所定の前後間隔(株間)をもって配列されるので、その条間と株間に雑草がはびこることになり、歩行型の除草機においては、左右の稲株条の間に作用する条間除草ロータと、前後の稲株の間に作用する株間除草ロータを装備したものが使用される。しかし、乗用型では条間除草ロータのみを装備した除草装置しか研究開発されておらず、除草効果が不十分なものとなっていた。
【0007】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、乗用作業で中耕除草を良好に行うことのできる水田除草機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
[請求項1に係る発明の構成、作用および効果]
【0009】
(構成) 請求項1に係る発明の水田除草機は、乗用機体の後部に除草装置を昇降自在に連結し、条間に作用する条間除草機構と、株間に作用する株間除草機構とを、除草装置に備えている。接地圧変動に基づいて上下変位する接地センサを備えて、接地センサの高さを調節可能に構成し、接地センサの上下変位を検知して除草装置を昇降させる昇降制御装置を備えて、除草装置に対する株間除草機構の高さを調節可能に構成している。
【0010】
(作用) 上記構成によると、左右の稲株の間を除草装置の条間除草機構で処理し、前後の稲株の間を除草装置の株間除草機構で処理することができ、各稲株の周囲を適切に除草することができる。
機体が水田の耕盤の深い箇所に至ったり、機体が後ろ下がり傾斜する等して除草装置が田面に沈みかかると、接地センサの接地圧が上昇し、これが検知されて除草装置の上昇制御がなされ、機体が水田の耕盤の浅い箇所に至ったり、機体が前下がり傾斜する等して除草装置が田面から浮上しかかると、接地センサの接地圧が減少し、これが検知されて除草装置の下降制御がなされ、除草装置の田面に対する作用深さが安定維持される。
ここで、接地センサの高さを調節することで、除草装置の田面に対する作用深さを任意に調節することができる。さらに、除草装置に対する株間除草機構の高さを調節することができる。
【0011】
(効果) 従って、請求項1に係る発明によると、除草装置の条間除草機構及び株間除草機構により、効率よく泥を掻いて高い除草作用を発揮させることが可能となった。除草装置を所望の作用深さに維持しながら、除草装置の全体を安定した作用深さで確実に作用させることができるようになった。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
[請求項2に係る発明の構成、作用および効果]
【0017】
(構成) 請求項2に係る発明の水田除草機は、乗用機体の後部に除草装置を昇降自在に連結し、条間に作用する条間除草機構と、株間に作用する株間除草機構とを、除草装置に備えている。接地圧変動に基づいて上下変位する接地センサを備えて、接地センサの検知感度を調節可能に構成し、接地センサの上下変位を検知して除草装置を昇降させる昇降制御装置を備えて、除草装置に対する株間除草機構の高さを調節可能に構成している。
【0018】
(作用) 上記構成によると、左右の稲株の間を除草装置の条間除草機構で処理し、前後の稲株の間を除草装置の株間除草機構で処理することができ、各稲株の周囲を適切に除草することができる。
機体が水田の耕盤の深い箇所に至ったり、機体が後ろ下がり傾斜する等して除草装置が田面に沈みかかると、接地センサの接地圧が上昇し、これが検知されて除草装置の上昇制御がなされ、機体が水田の耕盤の浅い箇所に至ったり、機体が前下がり傾斜する等して除草装置が田面から浮上しかかると、接地センサの接地圧が減少し、これが検知されて除草装置の下降制御がなされ、除草装置の田面に対する作用深さが安定維持される。
【0019】
ここで、雑草がよく繁茂しているような箇所では、雑草に根に十分作用させるために除草装置の作用深さを深くすることが望ましく、このような場合には接地センサの検知感度を鈍感側に調整する。接地センサの検知感度が鈍感になると、接地センサの基準接地圧が大きくなり、かつ、検出する接地圧が大きくならないと上昇制御がなされなくなるので、接地センサが沈下気味で安定する。つまり、除草装置は調整前よりも低い位置に安定維持され、作用深さが深くなる。
【0020】
逆に、雑草があまり繁茂していない箇所では、稲株の根部近くを余り攪拌しないために除草装置の作用深さを浅くすることが望ましく、このような場合には接地センサの検知感度を敏感側に調整する。接地センサの検知感度が敏感になると、接地センサの基準接地圧が小さくなり、かつ、検出する接地圧が小さくても上昇制御がなされるようになるので、除草装置は調整前よりも高い位置に安定維持され、作用深さが浅くなる。
【0021】
そして、このような接地センサの感度調整は、電気式あるいは機械式に機体側で行うことができるので、作業走行しながらの調整も容易となる。さらに、除草装置に対する株間除草機構の高さを調節することができる。
【0022】
(効果) 従って、請求項2に係る発明によると、除草装置の条間除草機構及び株間除草機構により、効率よく泥を掻いて高い除草作用を発揮させることが可能となった。機体を運転しながらも作用深さを調整することが容易となるので、局部的な雑草の繁茂具合などに応じた適切な除草を行うことが可能となった。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
[請求項3に係る発明の構成、作用および効果]
【0046】
(構成) 請求項3に係る発明の水田除草機は、請求項1又は2の発明において、条間除草機構を接地作用させた状態で、株間除草機構を接地作用位置と浮上した非作用位置とに切り換え可能に構成している。
【0047】
(作用) 上記構成によると、株径も小さく根張りも弱い成育初期には稲株の起立作用が不十分であるために、この時期に株間除草を行うと稲株に除草装置の株間除草機構に触れて押し倒されたり、押し動かされてしまいやすく、このような時には、除草装置の株間除草機構を非作用位置に切り換えて条間除草のみを実行する。株径が大きく根張りも十分となった時期の除草作業では、除草装置の株間除草機構を接地作用位置に切り換えて、条間除草と株間除草とを行う。
【0048】
(効果) 従って、請求項3に係る発明によると、条間除草のみの除草作業と、条間除草と株間除草とを同時に行う除草作業を適宜選択することができ、稲の成育に合わせた良好な除草作業を好適に行うことが可能となった。
【0049】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明に係る水田除草機の全体側面が例示されている。この水田除草機は、操向前車輪2と後車輪3を備えた四輪駆動型の乗用機体1の後部に、油圧シリンダ4で駆動される平行四連リンク構造の昇降リンク機構5を介して、除草装置6が昇降自在に連結された構造となっており、この例の除草装置6は8条の除草作業を行う仕様に構成されている。
【0050】
前記乗用機体1は、乗用田植機の機体が利用されており、機体前部に搭載したエンジン7の出力が機体後部の静油圧式無段変速装置(HST)8に軸伝達されて変速された後、後部ミッションケース9に軸支した左右の後車輪3に伝達されるとともに、後車輪3への伝動系から分岐した変速動力が前車軸ケース10に伝達されて左右の前車輪2が駆動されるようになっている。ここで、図2に示すように、左右の前車輪2および後車輪3は、それぞれ4条の稲株Fを跨ぐトレッドに設定されている。
【0051】
前記除草装置6に、前記昇降リンク機構5の後端にレバー11の操作によって連結・解除されるフック式のヒッチ機構12を介して着脱自在に連結される連結フレーム13と、これの下部に連設された中抜き矩形枠状の主フレーム14と、この主フレーム14の下部に前後方向向きの支点aを中心に自由ローリング可能に支持した回動フレーム15とが備えられるとともに、この回動フレーム15と主フレーム14との亘って左右一対のバランスバネ16が張設され、回動フレーム15のローリング作動に適度の弾性抵抗と中立復元力が与えられている。そして、この回動フレーム15に条間除草機構20と株間除草機構40とが前後に並べて装備されている。
【0052】
図2に示すように、前記条間除草機構20は、横軸芯b回りに回転する9個の条間除草ロータ21を、稲株Fの条間に位置するように条間ピッチPと同ピッチで並列配備して構成されたものであり、前記回動フレーム15に連結支持された左右一対の伝動ケース22の下端から取り出された回転動力で各条間除草ロータ21が回転駆動されるようになっている。
【0053】
ここで、前記伝動ケース22が位置する条間に作用する条間除草ロータ21だけは、前記伝動ケース22の左右に分割されたものに構成せざるを得ず、このために伝動ケース22の横幅に相当する分だけ除草できない未処理域が形成されてしまうが、各伝動ケース22を後車輪3の直後方に位置するよう配置して、伝動ケース22の前方田面を前車輪2および後車輪3が通過する際に、雑草を踏み込んで田面に埋没させてしまうので、条間除草ロータ21が左右に分割されて中間が空いていても、実際には未処理域なく条間除草が行われることになる。
【0054】
前記条間除草ロータ21の詳細な構造が図5および図6に示されている。つまり、前記伝動ケース22の下端の左右に突設した回転軸23に横幅の小さい分割条間除草ロータ21aがそれぞれ取付けられるとともに、この分割条間除草ロータ21aの側面に中間筒軸24を介して標準幅の条間除草ロータ21が順次ボルト連結されている。ここで、前記分割条間除草ロータ21aは、ディスク25の周部内側面に小幅の除草爪26aを片持ち状に連結して構成され、また、標準幅の条間除草ロータ21は、一定間隔に配備された左右一対のディスク25の周部に亘って幅広の除草爪26を両持ち状にネジ連結して構成されたものであり、各除草爪26,26aは板金プレス加工によって製作されている。ディスク25と除草爪26,26aとの連結ネジ27を利用して、各ディスク25の外側面に補助除草爪28を脱着可能に共締め連結可能となっている。つまり、補助除草爪28を脱着することで各条における条間除草ロータ21の横幅を調節することが可能となっているのである。
【0055】
前記回動フレーム15の左右中央には機体側から動力を受ける入力ベベルケース29が設けられており、この入力ベベルケース29から左右に延出した出力軸30で各伝動ケース22に動力伝達され、伝動ケース22に内装した図示しないチェーン伝動機構で前記回転軸23が駆動されるようになっている。また、前記入力ベベルケース29の入力軸29aと、乗用機体1の後部ミッションケース9に備えられたPTO軸31とが伝動軸32で連動連結されている。ここで、PTO軸31は、苗植付け装置が連結された際に、これへの動力伝達に利用されるものであり、走行伝動系から分岐された動力が取り出されるとともに、株間を調整するための株間変速が可能となっている。従って、除草装置6を連結した場合にも、この株間変速を利用してPTO軸31を変速して、条間除草ロータ21を好適な速度で駆動することが可能となっている。
【0056】
前記回動フレーム15の前端には除草幅全幅に亘る長尺のフレーム杆34が横架されており、このフレーム杆34に、稲株Fが各条間除草ロータ21に接触するのを回避するための分草体35が取付けられている。図7に示すように、この分草体35は、フレーム杆34の適所に支持アーム36を介して締めつけ固定した支持板37に、屈曲形成した左右一対の分草板35aをボルト連結して、全体として平面視で後ろ向きU字状に構成されている。また、各分草板35aは支持板37に対して左右に位置調節して、分草体35の横幅を変更可能に構成されており、上記ように補助除草爪28を取り付けない場合には、図7(イ)に示すように、分草体35の横幅を小さくし、補助除草爪28を取り付けて条間除草ロータ21の除草作用幅を大きくした場合には、これに応じて分草体35の横幅を大きくすることができるようになっている。
【0057】
また、前記フレーム杆34の中央箇所には、除草装置全体を昇降制御するための接地センサとして機能するセンサフロート17が装備されるとともに、ローリング支点aの左右両側の2か所にはそれぞれローリング規制用のフロート18が装備されており、その詳細な構成および機能については後に詳述する。
【0058】
図2に示すように、前記各間除草機構40は、縦軸芯c回りに回転駆動される16個の株間除草ロータ41を千鳥状に並列配備して構成されたものであり、前記回動フレーム15の後部に横軸支点d周りに上下揺動可能に支持された左右一対の揺動フレーム42に装備されている。詳述すると、図4に示すように、左右の揺動フレーム42の遊端部には除草幅全幅に亘る長尺のフレーム杆43が横架されており、このフレーム杆43に連結金具44が横方向に位置調節可能に締めつけ固定され、この連結金具44に備えた支持アーム45の端部に揺動アーム46が縦軸支点e周りに横揺動可能に装着されている。そして、各揺動アーム46の先端部に、前記株間除草ロータ41が軸支されるとともに、その上部に配備した直流モータ47によって各株間除草ロータ41が回転駆動されるようになっている。
【0059】
図11に示すように、前記株間除草ロータ41は、前記直流モータ47によって駆動される回転軸48の下端にディスク49を連結するとともに、このディスク49における下面外周近くに、下方に突出する除草用タイン50を周方向適当間隔をもって取付けて構成されている。また、ディスク49の周囲には作物案内用の保護輪体51が配備されるとともに、前記回転軸48に自由回転可能に遊嵌したボス52と保護輪体51とが複数本のアーム53で連結され、保護輪体51が株間除草ロータ41と同軸芯で遊転可能に配備されている。
【0060】
ここで、前記株間除草ロータ41は、1条の稲株Fに対して左右一対づつ配備され、その一対の株間除草ロータ41が、稲株F側に接近揺動するように、各揺動アーム46がバネ54によって軽く揺動付勢されている。また、1条の稲株Fに対する左右一対の株間除草ロータ41は、互いに前後にずれた位置で作用するよう配備されるとともに、図10および図11に示すように、両株間除草ロータ41の回転縦軸芯cが、少し前傾されるとともに、上方ほど稲株F側に近づくように内傾斜され、全体として各株間除草ロータ41が前下がりおよび内下がりに傾斜して配置されている。
【0061】
左右の前記揺動フレーム42の遊端部から上方に枢支延出した支持ロッド55が、回動フレーム15の左右後端に備えた支持金具56にスライド自在に挿通されるとともに、そに上方への突出部位に圧縮コイルバネ57が装着されて、株間除草機構40の重量が左右の圧縮コイルバネ57によって弾性的に支持されている。従って、株間除草機構40は、圧縮コイルバネ57とのバランス状態を保ちながら田面に追従して上下動するようになっている。
【0062】
また、株間除草機構40全体を前記揺動フレーム42と共に大きく上方に持ち上げた状態で、支持金具56に対して上方に突出した支持ロッド55の下部に落ち止めピン58を装着することで、株間除草機構40を条間除草機構20に対して上方に浮上させた非作用姿勢に切替え保持することができるように構成されている。
【0063】
除草装置6の基本的な構成は以上のようであり、成育初期の除草作業では稲株Fの径も小さく、かつ、根張り強度も十分でないので、図8に示すように、条間除草機構20のみを使用した除草が行われる。この時、条間除草ロータ21の補助除草爪26aを取り付けて除草作用幅を大きくし、稲株F近くまで除草できるようにするとともに、これに合わせて分草体35の幅も大きくする。
【0064】
成育が進んだ時期での除草作業では稲株Fの径も大きく、かつ、根張り強度も十分となっているので、図9に示すように、条間除草機構20と株間除草機構40を利用した除草が行われる。この時、稲株F側に接近付勢された左右の株間除草ロータ41は前進移動に伴って稲株Fを迂回しながら株間に入り込んで除草を行う。この際、株間除草ロータ41の外周にある遊転自在な保護輪体51が稲株Fに接触しながら株間除草ロータ41を支点e周りに揺動移動させるので、稲株Fが傷つけられることはない。なお、筋播きによる直播によって成育された稲株に対しては、条間除草のみを行うことになる。
【0065】
次に、上記構成の除草装置6を昇降制御する構造について説明する。前記フレーム杆34の中央に固着された支持金具61に、上リンク62、下リンク63、および、縦リンク64が平行四連リンク状に装着され、その下リンク63の後方延長端に前記接地センサ(センサフロート)17の後部が上下揺動自在に枢支連結されるとともに、支持金具61の前方延出部61aに、屈伸リンク65を介して前記接地センサ17の前部が上下動可能に支持され、上リンク62から延出したレバー62aを揺動して支持金具61に形成した連結孔66にピン67を選択挿入すること、接地センサ17の後部支点fを3段階に上下調節することができるようになっている。
【0066】
支持金具61の前部に固着したブラケット68の前面にも、上リンク69と下リンク70を介してセンサブラケット71が平行四連リンク状に上下動可能に支持されており、このセンサブラケット71の側面に取り付けた回転式のポテンショメータ72の作動レバー72aと前記接地センサ17とがセンサロッド73で連係され、接地センサ17の後部支点f周りの上下揺動量に応じた電圧の検出信号がポテンショメータ72から出力されるようになている。作動レバー72aから上方に枢支延出したロッド74がセンサブラケット71の上端屈曲辺71aに挿通されるとともに、このロッド74に外嵌装着したセンサバネ75によって作動レバー72aが下向きに押圧付勢されている。なお、センサロッド73には初期圧縮したストローク吸収用バネ76が外嵌装着されており、作動レバー72aが上方揺動限界に達した後、さらに接地センサ17が上方変位した際に、ストローク吸収用バネ76が圧縮変形してその過剰ストロークを吸収するようになっている。
【0067】
前記縦リンク64の上部から前方に突出したピン77が、上リンク69の延出部69aに係合されており、縦リンク64の上下変位に対してセンサブラケット71が逆方向に上下変位するようになっている。例えば、縦リンク64が上方に変位されて接地センサ17の後部支点fが下方に移動されると、この後部支点fがと同量だけセンサブラケット71が下方に変位され、接地センサ17の高さ調節にかかわらずポテンショメータ72と接地センサ17の相対位置関係に変化がもたらされないようになっている。
【0068】
図13中に示すように、前記ポテンショメータ72からの検出出力は制御装置78に入力され、予め設定されている基準値(不感帯を含む)と比較され、検出出力が基準値から外れると、その外れた方向およびその偏差に応じて前記油圧シリンダ4の電磁制御弁79が作動制御され、除草装置6が上昇あるいは下降されるようになっている。
【0069】
例えば、除草装置6が田面に対して設定高さにあり、接地センサ17に働く接地圧が設定範囲内にあると、ポテンショメータ72からの検出出力は基準値内にあり、電磁制御弁79は中立を保たれている。ここで、機体の沈下や後ろ下がり傾斜などの原因で除草装置6が田面に対して沈下しかかって、接地センサ17に働く接地圧が設定値より大きくなると、接地センサ17はセンサバネ75を圧縮変形させながら上方に揺動変位し、ポテンショメータ72の作動レバー72aが上方に作動して制御弁79が上昇側に切り換えられ、油圧シリンダ4が伸長駆動されて除草装置6が上昇される。この上昇によって接地センサ17に働く接地圧が減少し、元の設定範囲内に復帰すると、ポテンショメータ72の作動レバー72aも元の基準位置にまで復元し、制御弁79が中立に戻されて上昇制御が停止する。
【0070】
逆に、機体の上昇や前下がり傾斜などの原因で除草装置6が田面に対して浮上しかかって、接地センサ17に働く接地圧が設定値より小さくなると、接地センサ17はセンサバネ75の弾性力および自重により下方に揺動変位し、ポテンショメータ72の作動レバー72aが下方に作動して制御弁79が下降側に切り換えられ、油圧シリンダ4が短縮作動されて除草装置6が下降される。この下降によって接地センサ17に働く接地圧が上昇し元の設定範囲内に復帰すると、ポテンショメータ72の作動レバー72aも元の基準位置にまで復元し、制御弁79が中立に戻されて下降制御が停止する。つまり、この昇降制御では、ポテンショメータ72の作動レバー72aの作動位置、換言すると接地センサ17の姿勢が設定姿勢に維持されるように油圧シリンダ4が作動制御されるのである。
【0071】
ここで、前記制御装置78には、ポテンショメータで構成された感度調整器80が接続されている。この感度調整器80は乗用機体1の運転部近くに配備されており、ダイヤル式に操作することでポテンショメータ72からの検出出力に対比させる前記基準値を調節することができるようになっている。例えば、感度調整器80を調節範囲の中間にセットした時の接地センサ17の設定姿勢が略水平であるとすると、感度調整器80を敏感側に調節すると接地センサ17の設定姿勢は前下がり側に変更されることになり、逆に鈍感側に調節すると接地センサ17の設定姿勢は前上がり側に変更されることになる。
【0072】
接地センサ17の設定姿勢が前下がり側に変更されると、接地センサ17自体が前方まで接地することになり接地圧を受けやすくなるとともに、制御中立状態におけるセンサバネ75が長くなり、センサバネ75による接地センサ17の下向き付勢荷重、つまりセンサ荷重が小さくなる。従って、感度調整器80を敏感側に調節すると、接地センサ17は小さい接地圧で制御中立状態となるので、田面に対して浅い目の沈下状態で安定し、その分、除草装置6の田面に対する作用深さが浅くなる。逆に接地センサ17の設定姿勢が前上がり側に変更されると、接地センサ17自体の接地域が支点側に後退することになって接地圧を受けにくくなるとともに、制御中立状態におけるセンサバネ75が短くなり、センサバネ75による接地センサ17の下向き付勢荷重、つまりセンサ荷重が大きくなる。従って、感度調整器80を鈍感側に調節すると、接地センサ17は大きい接地圧で制御中立状態となるので、田面に対して深い目の沈下状態で安定し、その分、除草装置6の田面に対する作用深さが深くなる。
【0073】
従って、この水田除草機では、操作レバー62aを調節して接地センサ17の高さを変更して、除草作用深さを大きく調節でき、感度調整器80を用いて接地センサ17の基準姿勢を変更することでも、除草作用深さを微調節することが可能となっている。
【0074】
前記接地センサ17の上下高さ調節に応じて左右のフロート18も調節しておく必要があり、その調節構造が図15に示されている。つまり、前記フレーム杆34に左右位置調節可能に締めつけ固定された支持金具81には、支点g周りに上下揺動可能なフロート支持アーム82が取付けられ、このフロート支持アーム82の後方延出端に前記フロート18が支点h周りに上下揺動可能に支持されている。また、支持金具81には支点i周りに上下揺動可能な補助アーム83が備えられるとともに、この補助アーム83の前端に設けた案内ピン84が、フロート18の上面から立設したガイド部材85の上下長孔86に挿通され、フロート18の上下動を許しながらフロート18の横振れを案内ピン84によって規制している。そして、前記フロート支持アーム82から延出した操作レバー82aを揺動して支持金具81に形成した連結孔87にピン88を選択挿入すること、フロート18の後部支点hを3段階に上下調節することができるようになっている。なお、前記補助アーム83はリンク89を介してフロート支持アーム82に連係されており、後部支点hの上下調節に連動して補助アーム83の案内ピン84を同方向に変位させることで、フロート18の高さ調節にかかわらず上下長孔86と案内ピン84との相対高さ関係を一定に保って、フロート18の後部支点h周りの揺動範囲を確保している。
【0075】
なお、図16に示すように、使用しない除草装置6は左右1組のスタンド19を用いて地上に載置しておく。この場合、前記回動フレーム15の左右両端部に、前後一対のスタンド係止部15aが突設されており、各スタンド19をこれらスタンド係止部15aに嵌合連結することになる。
【0076】
[別実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
(1) 図17に示すように、8条仕様の条間除草ロータ21群のうちの両端のものを取り外すとともに、株間除草ロータ41を12個に減らすことで、6条の除草を行う仕様にすることができる。また、図18に示すように、8条仕様の条間除草ロータ21群の両端に1個づつ条間除草ロータ21を接続するとともに、株間除草ロータ41を20個に増やすことで、10条の除草を行う仕様にすることができる。
この実施例において使用している前記乗用機体1は、8条植え以上の多条植えを行う苗植付け装置を連結した際に機体前後バランスがとられるよう構成されたものであり、8条仕様の除草装置6では、主フレーム14の後端にウエイト90を取り付けて機体全体の重量バランスをとっている。また、図17の6条仕様の除草装置6は8条仕様のものよりさらに軽量となるので、ウエイト90を数多く装着して前後バランスをとっている。また、図18の10条仕様の除草装置6は大重量となるので、主フレーム14のウエイト90を外し、乗用機体1の前部にウエイト90を装着して前後バランスをとっている。
(2) 図19に示すように、揺動フレーム42の後端に支点j周りに上下揺動可能に左右一対の補助アーム91を取付けるとともに、左右の補助アーム91に亘って株間除草ロータ支持用の前記フレーム杆43を架設し、また、揺動フレーム42の後端に立設した支持部42aに回転操作可能なネジ軸92の一端を枢支連結するとともに、このネジ軸92を、補助アーム91の上方延出部91aに設けた回動ピン93に螺合挿通し、ネジ軸92を回転操作して補助アーム91を支点j周りに揺動調節することで株間除草機構40の高さを微調節することができるようにしている。また、この構造における補助アーム91の上方への調節範囲を大きくすると株間除草機構40を非作用位置にまで持ち上げる機能を備えることも可能となる。
(3) 上記実施形態では、接地圧変動に基づく接地センサ17の変位を電気的に検出して電磁式の制御弁79を差動させ、かつ、感度調節も電気的に行っているが、接地センサ17の変位をセンサワイヤを用いて機械操作式の制御弁に伝えて昇降制御を行うものであってもよく、かつ、この場合も、センサワイヤの調整などによって機械的に接地センサの基準姿勢を調整したり、センサバネの荷重調整を行って感度調節を行うこともできる。
(4) 各株間除草ロータ41を、前記PTO軸31の動力や、乗用機体1から取り出した他の定回転速度の動力で機械式に駆動することも可能である。
(5) 前記株間除草ロータ41を遊転式にして実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
8条仕様の水田除草機を示す全体側面図
【図2】
8条仕様の除草装置を示す平面図
【図3】
8条仕様の除草装置を示す正面図
【図4】
除草装置の全体側面図
【図5】
条間除草機構の一部を示す縦断正面図
【図6】
条間除草ロータの分解斜視図
【図7】
条間除草ロータに用いる分草体の正面図
【図8】
条間除草機構のみを利用した除草作業部の一部を示す平面図
【図9】
条間除草機構と株間除草機構を利用した除草作業部の一部を示す平面図
【図10】
除草装置の一部を示す側面図
【図11】
株間除草機構の要部を示す一部切欠き正面図
【図12】
株間除草機構を非作業姿勢に切り換えた状態の側面図
【図13】
昇降制御構造の概略と接地センサ部を示す側面図
【図14】
接地センサ部の一部を示す正面図
【図15】
サイドのフロートの支持構造を示す側面図
【図16】
乗用機体から取り外した除草装置の側面図
【図17】
6条仕様の除草装置を示す平面図
【図18】
10条仕様の除草装置を示す平面図
【図19】
別の実施形態による除草装置の一部を示す側面図
【符号の説明】
1 乗用機体
6 除草装置
17 接地センサ
20 条間除草機構
40 株間除草機構
F 稲株
【発明の名称】 水田除草機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乗用機体の後部に除草装置を昇降自在に連結し、
条間に作用する条間除草機構と、株間に作用する株間除草機構とを、前記除草装置に備え、
接地圧変動に基づいて上下変位する接地センサを備えて、前記接地センサの高さを調節可能に構成し、前記接地センサの上下変位を検知して除草装置を昇降させる昇降制御装置を備えると共に、
前記除草装置に対する株間除草機構の高さを調節可能に構成してある水田除草機。
【請求項2】 乗用機体の後部に除草装置を昇降自在に連結し、
条間に作用する条間除草機構と、株間に作用する株間除草機構とを、前記除草装置に備え、
接地圧変動に基づいて上下変位する接地センサを備えて、前記接地センサの検知感度を調節可能に構成し、前記接地センサの上下変位を検知して除草装置を昇降させる昇降制御装置を備えると共に、
前記除草装置に対する株間除草機構の高さを調節可能に構成してある水田除草機。
【請求項3】 前記条間除草機構を接地作用させた状態で、前記株間除草機構を接地作用位置と浮上した非作用位置とに切り換え可能に構成してある請求項1又は2に記載の水田除草機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植付け、あるいは、直播の済んだ水田における中耕除草作業を行う水田除草機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記水田除草機は、旧来より歩行型のものが利用されていたが、近年では能率良く除草作業を行うために乗用化が研究開発されつつあり、例えば、(1)特開平3−206804号公報に開示されているように、横軸芯回りに遊転して条間に作用する複数の条間除草ロータを並列配置した除草装置を乗用機体の後部に昇降自在に連結したものや、(2)実開平3−48401号公報に開示されているように、横軸芯回りに回転駆動されて条間に作用する複数の条間除草ロータ並列配置した除草装置を乗用機体の後部に昇降自在に連結したもの、などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【0005】
【0006】
田植機で植付けられた稲株は所定の左右間隔(条間)と、所定の前後間隔(株間)をもって配列されるので、その条間と株間に雑草がはびこることになり、歩行型の除草機においては、左右の稲株条の間に作用する条間除草ロータと、前後の稲株の間に作用する株間除草ロータを装備したものが使用される。しかし、乗用型では条間除草ロータのみを装備した除草装置しか研究開発されておらず、除草効果が不十分なものとなっていた。
【0007】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、乗用作業で中耕除草を良好に行うことのできる水田除草機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
[請求項1に係る発明の構成、作用および効果]
【0009】
(構成) 請求項1に係る発明の水田除草機は、乗用機体の後部に除草装置を昇降自在に連結し、条間に作用する条間除草機構と、株間に作用する株間除草機構とを、除草装置に備えている。接地圧変動に基づいて上下変位する接地センサを備えて、接地センサの高さを調節可能に構成し、接地センサの上下変位を検知して除草装置を昇降させる昇降制御装置を備えて、除草装置に対する株間除草機構の高さを調節可能に構成している。
【0010】
(作用) 上記構成によると、左右の稲株の間を除草装置の条間除草機構で処理し、前後の稲株の間を除草装置の株間除草機構で処理することができ、各稲株の周囲を適切に除草することができる。
機体が水田の耕盤の深い箇所に至ったり、機体が後ろ下がり傾斜する等して除草装置が田面に沈みかかると、接地センサの接地圧が上昇し、これが検知されて除草装置の上昇制御がなされ、機体が水田の耕盤の浅い箇所に至ったり、機体が前下がり傾斜する等して除草装置が田面から浮上しかかると、接地センサの接地圧が減少し、これが検知されて除草装置の下降制御がなされ、除草装置の田面に対する作用深さが安定維持される。
ここで、接地センサの高さを調節することで、除草装置の田面に対する作用深さを任意に調節することができる。さらに、除草装置に対する株間除草機構の高さを調節することができる。
【0011】
(効果) 従って、請求項1に係る発明によると、除草装置の条間除草機構及び株間除草機構により、効率よく泥を掻いて高い除草作用を発揮させることが可能となった。除草装置を所望の作用深さに維持しながら、除草装置の全体を安定した作用深さで確実に作用させることができるようになった。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
[請求項2に係る発明の構成、作用および効果]
【0017】
(構成) 請求項2に係る発明の水田除草機は、乗用機体の後部に除草装置を昇降自在に連結し、条間に作用する条間除草機構と、株間に作用する株間除草機構とを、除草装置に備えている。接地圧変動に基づいて上下変位する接地センサを備えて、接地センサの検知感度を調節可能に構成し、接地センサの上下変位を検知して除草装置を昇降させる昇降制御装置を備えて、除草装置に対する株間除草機構の高さを調節可能に構成している。
【0018】
(作用) 上記構成によると、左右の稲株の間を除草装置の条間除草機構で処理し、前後の稲株の間を除草装置の株間除草機構で処理することができ、各稲株の周囲を適切に除草することができる。
機体が水田の耕盤の深い箇所に至ったり、機体が後ろ下がり傾斜する等して除草装置が田面に沈みかかると、接地センサの接地圧が上昇し、これが検知されて除草装置の上昇制御がなされ、機体が水田の耕盤の浅い箇所に至ったり、機体が前下がり傾斜する等して除草装置が田面から浮上しかかると、接地センサの接地圧が減少し、これが検知されて除草装置の下降制御がなされ、除草装置の田面に対する作用深さが安定維持される。
【0019】
ここで、雑草がよく繁茂しているような箇所では、雑草に根に十分作用させるために除草装置の作用深さを深くすることが望ましく、このような場合には接地センサの検知感度を鈍感側に調整する。接地センサの検知感度が鈍感になると、接地センサの基準接地圧が大きくなり、かつ、検出する接地圧が大きくならないと上昇制御がなされなくなるので、接地センサが沈下気味で安定する。つまり、除草装置は調整前よりも低い位置に安定維持され、作用深さが深くなる。
【0020】
逆に、雑草があまり繁茂していない箇所では、稲株の根部近くを余り攪拌しないために除草装置の作用深さを浅くすることが望ましく、このような場合には接地センサの検知感度を敏感側に調整する。接地センサの検知感度が敏感になると、接地センサの基準接地圧が小さくなり、かつ、検出する接地圧が小さくても上昇制御がなされるようになるので、除草装置は調整前よりも高い位置に安定維持され、作用深さが浅くなる。
【0021】
そして、このような接地センサの感度調整は、電気式あるいは機械式に機体側で行うことができるので、作業走行しながらの調整も容易となる。さらに、除草装置に対する株間除草機構の高さを調節することができる。
【0022】
(効果) 従って、請求項2に係る発明によると、除草装置の条間除草機構及び株間除草機構により、効率よく泥を掻いて高い除草作用を発揮させることが可能となった。機体を運転しながらも作用深さを調整することが容易となるので、局部的な雑草の繁茂具合などに応じた適切な除草を行うことが可能となった。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
[請求項3に係る発明の構成、作用および効果]
【0046】
(構成) 請求項3に係る発明の水田除草機は、請求項1又は2の発明において、条間除草機構を接地作用させた状態で、株間除草機構を接地作用位置と浮上した非作用位置とに切り換え可能に構成している。
【0047】
(作用) 上記構成によると、株径も小さく根張りも弱い成育初期には稲株の起立作用が不十分であるために、この時期に株間除草を行うと稲株に除草装置の株間除草機構に触れて押し倒されたり、押し動かされてしまいやすく、このような時には、除草装置の株間除草機構を非作用位置に切り換えて条間除草のみを実行する。株径が大きく根張りも十分となった時期の除草作業では、除草装置の株間除草機構を接地作用位置に切り換えて、条間除草と株間除草とを行う。
【0048】
(効果) 従って、請求項3に係る発明によると、条間除草のみの除草作業と、条間除草と株間除草とを同時に行う除草作業を適宜選択することができ、稲の成育に合わせた良好な除草作業を好適に行うことが可能となった。
【0049】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明に係る水田除草機の全体側面が例示されている。この水田除草機は、操向前車輪2と後車輪3を備えた四輪駆動型の乗用機体1の後部に、油圧シリンダ4で駆動される平行四連リンク構造の昇降リンク機構5を介して、除草装置6が昇降自在に連結された構造となっており、この例の除草装置6は8条の除草作業を行う仕様に構成されている。
【0050】
前記乗用機体1は、乗用田植機の機体が利用されており、機体前部に搭載したエンジン7の出力が機体後部の静油圧式無段変速装置(HST)8に軸伝達されて変速された後、後部ミッションケース9に軸支した左右の後車輪3に伝達されるとともに、後車輪3への伝動系から分岐した変速動力が前車軸ケース10に伝達されて左右の前車輪2が駆動されるようになっている。ここで、図2に示すように、左右の前車輪2および後車輪3は、それぞれ4条の稲株Fを跨ぐトレッドに設定されている。
【0051】
前記除草装置6に、前記昇降リンク機構5の後端にレバー11の操作によって連結・解除されるフック式のヒッチ機構12を介して着脱自在に連結される連結フレーム13と、これの下部に連設された中抜き矩形枠状の主フレーム14と、この主フレーム14の下部に前後方向向きの支点aを中心に自由ローリング可能に支持した回動フレーム15とが備えられるとともに、この回動フレーム15と主フレーム14との亘って左右一対のバランスバネ16が張設され、回動フレーム15のローリング作動に適度の弾性抵抗と中立復元力が与えられている。そして、この回動フレーム15に条間除草機構20と株間除草機構40とが前後に並べて装備されている。
【0052】
図2に示すように、前記条間除草機構20は、横軸芯b回りに回転する9個の条間除草ロータ21を、稲株Fの条間に位置するように条間ピッチPと同ピッチで並列配備して構成されたものであり、前記回動フレーム15に連結支持された左右一対の伝動ケース22の下端から取り出された回転動力で各条間除草ロータ21が回転駆動されるようになっている。
【0053】
ここで、前記伝動ケース22が位置する条間に作用する条間除草ロータ21だけは、前記伝動ケース22の左右に分割されたものに構成せざるを得ず、このために伝動ケース22の横幅に相当する分だけ除草できない未処理域が形成されてしまうが、各伝動ケース22を後車輪3の直後方に位置するよう配置して、伝動ケース22の前方田面を前車輪2および後車輪3が通過する際に、雑草を踏み込んで田面に埋没させてしまうので、条間除草ロータ21が左右に分割されて中間が空いていても、実際には未処理域なく条間除草が行われることになる。
【0054】
前記条間除草ロータ21の詳細な構造が図5および図6に示されている。つまり、前記伝動ケース22の下端の左右に突設した回転軸23に横幅の小さい分割条間除草ロータ21aがそれぞれ取付けられるとともに、この分割条間除草ロータ21aの側面に中間筒軸24を介して標準幅の条間除草ロータ21が順次ボルト連結されている。ここで、前記分割条間除草ロータ21aは、ディスク25の周部内側面に小幅の除草爪26aを片持ち状に連結して構成され、また、標準幅の条間除草ロータ21は、一定間隔に配備された左右一対のディスク25の周部に亘って幅広の除草爪26を両持ち状にネジ連結して構成されたものであり、各除草爪26,26aは板金プレス加工によって製作されている。ディスク25と除草爪26,26aとの連結ネジ27を利用して、各ディスク25の外側面に補助除草爪28を脱着可能に共締め連結可能となっている。つまり、補助除草爪28を脱着することで各条における条間除草ロータ21の横幅を調節することが可能となっているのである。
【0055】
前記回動フレーム15の左右中央には機体側から動力を受ける入力ベベルケース29が設けられており、この入力ベベルケース29から左右に延出した出力軸30で各伝動ケース22に動力伝達され、伝動ケース22に内装した図示しないチェーン伝動機構で前記回転軸23が駆動されるようになっている。また、前記入力ベベルケース29の入力軸29aと、乗用機体1の後部ミッションケース9に備えられたPTO軸31とが伝動軸32で連動連結されている。ここで、PTO軸31は、苗植付け装置が連結された際に、これへの動力伝達に利用されるものであり、走行伝動系から分岐された動力が取り出されるとともに、株間を調整するための株間変速が可能となっている。従って、除草装置6を連結した場合にも、この株間変速を利用してPTO軸31を変速して、条間除草ロータ21を好適な速度で駆動することが可能となっている。
【0056】
前記回動フレーム15の前端には除草幅全幅に亘る長尺のフレーム杆34が横架されており、このフレーム杆34に、稲株Fが各条間除草ロータ21に接触するのを回避するための分草体35が取付けられている。図7に示すように、この分草体35は、フレーム杆34の適所に支持アーム36を介して締めつけ固定した支持板37に、屈曲形成した左右一対の分草板35aをボルト連結して、全体として平面視で後ろ向きU字状に構成されている。また、各分草板35aは支持板37に対して左右に位置調節して、分草体35の横幅を変更可能に構成されており、上記ように補助除草爪28を取り付けない場合には、図7(イ)に示すように、分草体35の横幅を小さくし、補助除草爪28を取り付けて条間除草ロータ21の除草作用幅を大きくした場合には、これに応じて分草体35の横幅を大きくすることができるようになっている。
【0057】
また、前記フレーム杆34の中央箇所には、除草装置全体を昇降制御するための接地センサとして機能するセンサフロート17が装備されるとともに、ローリング支点aの左右両側の2か所にはそれぞれローリング規制用のフロート18が装備されており、その詳細な構成および機能については後に詳述する。
【0058】
図2に示すように、前記各間除草機構40は、縦軸芯c回りに回転駆動される16個の株間除草ロータ41を千鳥状に並列配備して構成されたものであり、前記回動フレーム15の後部に横軸支点d周りに上下揺動可能に支持された左右一対の揺動フレーム42に装備されている。詳述すると、図4に示すように、左右の揺動フレーム42の遊端部には除草幅全幅に亘る長尺のフレーム杆43が横架されており、このフレーム杆43に連結金具44が横方向に位置調節可能に締めつけ固定され、この連結金具44に備えた支持アーム45の端部に揺動アーム46が縦軸支点e周りに横揺動可能に装着されている。そして、各揺動アーム46の先端部に、前記株間除草ロータ41が軸支されるとともに、その上部に配備した直流モータ47によって各株間除草ロータ41が回転駆動されるようになっている。
【0059】
図11に示すように、前記株間除草ロータ41は、前記直流モータ47によって駆動される回転軸48の下端にディスク49を連結するとともに、このディスク49における下面外周近くに、下方に突出する除草用タイン50を周方向適当間隔をもって取付けて構成されている。また、ディスク49の周囲には作物案内用の保護輪体51が配備されるとともに、前記回転軸48に自由回転可能に遊嵌したボス52と保護輪体51とが複数本のアーム53で連結され、保護輪体51が株間除草ロータ41と同軸芯で遊転可能に配備されている。
【0060】
ここで、前記株間除草ロータ41は、1条の稲株Fに対して左右一対づつ配備され、その一対の株間除草ロータ41が、稲株F側に接近揺動するように、各揺動アーム46がバネ54によって軽く揺動付勢されている。また、1条の稲株Fに対する左右一対の株間除草ロータ41は、互いに前後にずれた位置で作用するよう配備されるとともに、図10および図11に示すように、両株間除草ロータ41の回転縦軸芯cが、少し前傾されるとともに、上方ほど稲株F側に近づくように内傾斜され、全体として各株間除草ロータ41が前下がりおよび内下がりに傾斜して配置されている。
【0061】
左右の前記揺動フレーム42の遊端部から上方に枢支延出した支持ロッド55が、回動フレーム15の左右後端に備えた支持金具56にスライド自在に挿通されるとともに、そに上方への突出部位に圧縮コイルバネ57が装着されて、株間除草機構40の重量が左右の圧縮コイルバネ57によって弾性的に支持されている。従って、株間除草機構40は、圧縮コイルバネ57とのバランス状態を保ちながら田面に追従して上下動するようになっている。
【0062】
また、株間除草機構40全体を前記揺動フレーム42と共に大きく上方に持ち上げた状態で、支持金具56に対して上方に突出した支持ロッド55の下部に落ち止めピン58を装着することで、株間除草機構40を条間除草機構20に対して上方に浮上させた非作用姿勢に切替え保持することができるように構成されている。
【0063】
除草装置6の基本的な構成は以上のようであり、成育初期の除草作業では稲株Fの径も小さく、かつ、根張り強度も十分でないので、図8に示すように、条間除草機構20のみを使用した除草が行われる。この時、条間除草ロータ21の補助除草爪26aを取り付けて除草作用幅を大きくし、稲株F近くまで除草できるようにするとともに、これに合わせて分草体35の幅も大きくする。
【0064】
成育が進んだ時期での除草作業では稲株Fの径も大きく、かつ、根張り強度も十分となっているので、図9に示すように、条間除草機構20と株間除草機構40を利用した除草が行われる。この時、稲株F側に接近付勢された左右の株間除草ロータ41は前進移動に伴って稲株Fを迂回しながら株間に入り込んで除草を行う。この際、株間除草ロータ41の外周にある遊転自在な保護輪体51が稲株Fに接触しながら株間除草ロータ41を支点e周りに揺動移動させるので、稲株Fが傷つけられることはない。なお、筋播きによる直播によって成育された稲株に対しては、条間除草のみを行うことになる。
【0065】
次に、上記構成の除草装置6を昇降制御する構造について説明する。前記フレーム杆34の中央に固着された支持金具61に、上リンク62、下リンク63、および、縦リンク64が平行四連リンク状に装着され、その下リンク63の後方延長端に前記接地センサ(センサフロート)17の後部が上下揺動自在に枢支連結されるとともに、支持金具61の前方延出部61aに、屈伸リンク65を介して前記接地センサ17の前部が上下動可能に支持され、上リンク62から延出したレバー62aを揺動して支持金具61に形成した連結孔66にピン67を選択挿入すること、接地センサ17の後部支点fを3段階に上下調節することができるようになっている。
【0066】
支持金具61の前部に固着したブラケット68の前面にも、上リンク69と下リンク70を介してセンサブラケット71が平行四連リンク状に上下動可能に支持されており、このセンサブラケット71の側面に取り付けた回転式のポテンショメータ72の作動レバー72aと前記接地センサ17とがセンサロッド73で連係され、接地センサ17の後部支点f周りの上下揺動量に応じた電圧の検出信号がポテンショメータ72から出力されるようになている。作動レバー72aから上方に枢支延出したロッド74がセンサブラケット71の上端屈曲辺71aに挿通されるとともに、このロッド74に外嵌装着したセンサバネ75によって作動レバー72aが下向きに押圧付勢されている。なお、センサロッド73には初期圧縮したストローク吸収用バネ76が外嵌装着されており、作動レバー72aが上方揺動限界に達した後、さらに接地センサ17が上方変位した際に、ストローク吸収用バネ76が圧縮変形してその過剰ストロークを吸収するようになっている。
【0067】
前記縦リンク64の上部から前方に突出したピン77が、上リンク69の延出部69aに係合されており、縦リンク64の上下変位に対してセンサブラケット71が逆方向に上下変位するようになっている。例えば、縦リンク64が上方に変位されて接地センサ17の後部支点fが下方に移動されると、この後部支点fがと同量だけセンサブラケット71が下方に変位され、接地センサ17の高さ調節にかかわらずポテンショメータ72と接地センサ17の相対位置関係に変化がもたらされないようになっている。
【0068】
図13中に示すように、前記ポテンショメータ72からの検出出力は制御装置78に入力され、予め設定されている基準値(不感帯を含む)と比較され、検出出力が基準値から外れると、その外れた方向およびその偏差に応じて前記油圧シリンダ4の電磁制御弁79が作動制御され、除草装置6が上昇あるいは下降されるようになっている。
【0069】
例えば、除草装置6が田面に対して設定高さにあり、接地センサ17に働く接地圧が設定範囲内にあると、ポテンショメータ72からの検出出力は基準値内にあり、電磁制御弁79は中立を保たれている。ここで、機体の沈下や後ろ下がり傾斜などの原因で除草装置6が田面に対して沈下しかかって、接地センサ17に働く接地圧が設定値より大きくなると、接地センサ17はセンサバネ75を圧縮変形させながら上方に揺動変位し、ポテンショメータ72の作動レバー72aが上方に作動して制御弁79が上昇側に切り換えられ、油圧シリンダ4が伸長駆動されて除草装置6が上昇される。この上昇によって接地センサ17に働く接地圧が減少し、元の設定範囲内に復帰すると、ポテンショメータ72の作動レバー72aも元の基準位置にまで復元し、制御弁79が中立に戻されて上昇制御が停止する。
【0070】
逆に、機体の上昇や前下がり傾斜などの原因で除草装置6が田面に対して浮上しかかって、接地センサ17に働く接地圧が設定値より小さくなると、接地センサ17はセンサバネ75の弾性力および自重により下方に揺動変位し、ポテンショメータ72の作動レバー72aが下方に作動して制御弁79が下降側に切り換えられ、油圧シリンダ4が短縮作動されて除草装置6が下降される。この下降によって接地センサ17に働く接地圧が上昇し元の設定範囲内に復帰すると、ポテンショメータ72の作動レバー72aも元の基準位置にまで復元し、制御弁79が中立に戻されて下降制御が停止する。つまり、この昇降制御では、ポテンショメータ72の作動レバー72aの作動位置、換言すると接地センサ17の姿勢が設定姿勢に維持されるように油圧シリンダ4が作動制御されるのである。
【0071】
ここで、前記制御装置78には、ポテンショメータで構成された感度調整器80が接続されている。この感度調整器80は乗用機体1の運転部近くに配備されており、ダイヤル式に操作することでポテンショメータ72からの検出出力に対比させる前記基準値を調節することができるようになっている。例えば、感度調整器80を調節範囲の中間にセットした時の接地センサ17の設定姿勢が略水平であるとすると、感度調整器80を敏感側に調節すると接地センサ17の設定姿勢は前下がり側に変更されることになり、逆に鈍感側に調節すると接地センサ17の設定姿勢は前上がり側に変更されることになる。
【0072】
接地センサ17の設定姿勢が前下がり側に変更されると、接地センサ17自体が前方まで接地することになり接地圧を受けやすくなるとともに、制御中立状態におけるセンサバネ75が長くなり、センサバネ75による接地センサ17の下向き付勢荷重、つまりセンサ荷重が小さくなる。従って、感度調整器80を敏感側に調節すると、接地センサ17は小さい接地圧で制御中立状態となるので、田面に対して浅い目の沈下状態で安定し、その分、除草装置6の田面に対する作用深さが浅くなる。逆に接地センサ17の設定姿勢が前上がり側に変更されると、接地センサ17自体の接地域が支点側に後退することになって接地圧を受けにくくなるとともに、制御中立状態におけるセンサバネ75が短くなり、センサバネ75による接地センサ17の下向き付勢荷重、つまりセンサ荷重が大きくなる。従って、感度調整器80を鈍感側に調節すると、接地センサ17は大きい接地圧で制御中立状態となるので、田面に対して深い目の沈下状態で安定し、その分、除草装置6の田面に対する作用深さが深くなる。
【0073】
従って、この水田除草機では、操作レバー62aを調節して接地センサ17の高さを変更して、除草作用深さを大きく調節でき、感度調整器80を用いて接地センサ17の基準姿勢を変更することでも、除草作用深さを微調節することが可能となっている。
【0074】
前記接地センサ17の上下高さ調節に応じて左右のフロート18も調節しておく必要があり、その調節構造が図15に示されている。つまり、前記フレーム杆34に左右位置調節可能に締めつけ固定された支持金具81には、支点g周りに上下揺動可能なフロート支持アーム82が取付けられ、このフロート支持アーム82の後方延出端に前記フロート18が支点h周りに上下揺動可能に支持されている。また、支持金具81には支点i周りに上下揺動可能な補助アーム83が備えられるとともに、この補助アーム83の前端に設けた案内ピン84が、フロート18の上面から立設したガイド部材85の上下長孔86に挿通され、フロート18の上下動を許しながらフロート18の横振れを案内ピン84によって規制している。そして、前記フロート支持アーム82から延出した操作レバー82aを揺動して支持金具81に形成した連結孔87にピン88を選択挿入すること、フロート18の後部支点hを3段階に上下調節することができるようになっている。なお、前記補助アーム83はリンク89を介してフロート支持アーム82に連係されており、後部支点hの上下調節に連動して補助アーム83の案内ピン84を同方向に変位させることで、フロート18の高さ調節にかかわらず上下長孔86と案内ピン84との相対高さ関係を一定に保って、フロート18の後部支点h周りの揺動範囲を確保している。
【0075】
なお、図16に示すように、使用しない除草装置6は左右1組のスタンド19を用いて地上に載置しておく。この場合、前記回動フレーム15の左右両端部に、前後一対のスタンド係止部15aが突設されており、各スタンド19をこれらスタンド係止部15aに嵌合連結することになる。
【0076】
[別実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
(1) 図17に示すように、8条仕様の条間除草ロータ21群のうちの両端のものを取り外すとともに、株間除草ロータ41を12個に減らすことで、6条の除草を行う仕様にすることができる。また、図18に示すように、8条仕様の条間除草ロータ21群の両端に1個づつ条間除草ロータ21を接続するとともに、株間除草ロータ41を20個に増やすことで、10条の除草を行う仕様にすることができる。
この実施例において使用している前記乗用機体1は、8条植え以上の多条植えを行う苗植付け装置を連結した際に機体前後バランスがとられるよう構成されたものであり、8条仕様の除草装置6では、主フレーム14の後端にウエイト90を取り付けて機体全体の重量バランスをとっている。また、図17の6条仕様の除草装置6は8条仕様のものよりさらに軽量となるので、ウエイト90を数多く装着して前後バランスをとっている。また、図18の10条仕様の除草装置6は大重量となるので、主フレーム14のウエイト90を外し、乗用機体1の前部にウエイト90を装着して前後バランスをとっている。
(2) 図19に示すように、揺動フレーム42の後端に支点j周りに上下揺動可能に左右一対の補助アーム91を取付けるとともに、左右の補助アーム91に亘って株間除草ロータ支持用の前記フレーム杆43を架設し、また、揺動フレーム42の後端に立設した支持部42aに回転操作可能なネジ軸92の一端を枢支連結するとともに、このネジ軸92を、補助アーム91の上方延出部91aに設けた回動ピン93に螺合挿通し、ネジ軸92を回転操作して補助アーム91を支点j周りに揺動調節することで株間除草機構40の高さを微調節することができるようにしている。また、この構造における補助アーム91の上方への調節範囲を大きくすると株間除草機構40を非作用位置にまで持ち上げる機能を備えることも可能となる。
(3) 上記実施形態では、接地圧変動に基づく接地センサ17の変位を電気的に検出して電磁式の制御弁79を差動させ、かつ、感度調節も電気的に行っているが、接地センサ17の変位をセンサワイヤを用いて機械操作式の制御弁に伝えて昇降制御を行うものであってもよく、かつ、この場合も、センサワイヤの調整などによって機械的に接地センサの基準姿勢を調整したり、センサバネの荷重調整を行って感度調節を行うこともできる。
(4) 各株間除草ロータ41を、前記PTO軸31の動力や、乗用機体1から取り出した他の定回転速度の動力で機械式に駆動することも可能である。
(5) 前記株間除草ロータ41を遊転式にして実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
8条仕様の水田除草機を示す全体側面図
【図2】
8条仕様の除草装置を示す平面図
【図3】
8条仕様の除草装置を示す正面図
【図4】
除草装置の全体側面図
【図5】
条間除草機構の一部を示す縦断正面図
【図6】
条間除草ロータの分解斜視図
【図7】
条間除草ロータに用いる分草体の正面図
【図8】
条間除草機構のみを利用した除草作業部の一部を示す平面図
【図9】
条間除草機構と株間除草機構を利用した除草作業部の一部を示す平面図
【図10】
除草装置の一部を示す側面図
【図11】
株間除草機構の要部を示す一部切欠き正面図
【図12】
株間除草機構を非作業姿勢に切り換えた状態の側面図
【図13】
昇降制御構造の概略と接地センサ部を示す側面図
【図14】
接地センサ部の一部を示す正面図
【図15】
サイドのフロートの支持構造を示す側面図
【図16】
乗用機体から取り外した除草装置の側面図
【図17】
6条仕様の除草装置を示す平面図
【図18】
10条仕様の除草装置を示す平面図
【図19】
別の実施形態による除草装置の一部を示す側面図
【符号の説明】
1 乗用機体
6 除草装置
17 接地センサ
20 条間除草機構
40 株間除草機構
F 稲株
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