JP2016208873A - 水田除草作業機及び水田除草方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水田除草作業機(W)は、走行機(1)と、走行機(1)の前方に配されており、走行機(1)に対する高さの調節ができる高さ調節機構を有し、除草作業時において稲株の条間となる位置にそれぞれ設けられた上下方向に回転する複数のカッター(65)を有すると共にカッター(65)が水面に浮いた雑草の切断を行う草切断装置(6)と、草切断装置(6)の前方に配され、線条体(524)の回転軌跡が円盤状で走行方向側が下がるように水平方向に対し所要角度で傾斜している掻取体(52)で田面を掻いて稲株の周りの雑草を掻き取る草掻取装置(5)とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、水田の除草作業で、田面から雑草を掻き取り、水面に浮いた雑草をそのまま放置せず切断して、除草作業後に雑草が田面に沈んでも根付くことがないようにした水田除草作業機において、雑草を掻き取る部材の掻き取り時における移動ストロークを充分に大きくして、やや根が深い雑草を除草する場合でも、雑草の掻き取りを効率的に行うことができるようにした水田除草作業機及び水田除草方法を提供することを目的とする。
(1)本発明は、走行機と、該走行機の前方又は後方に配されており、前記走行機に対する高さの調節ができる高さ調節機構を有し、除草作業時において稲株の条間となる位置にそれぞれ設けられた上下方向に回転する複数のカッターを有し、該カッターが、稲株の条間の雑草の掻き取り及び切断、及び水面に浮いた雑草の切断を行う草切断装置と、該草切断装置の前方に配され、前記草切断装置に対する高さの調節ができる高さ調節機構と、回転軸を中心に放射状に配した線条体を有し該線条体が田面より下から田面より上を通る回転軌跡を描くことにより田面を掻いて稲株の周りの雑草を掻き取るようにした複数の掻取体を有する草掻取装置とを備える水田除草作業機である。
なお、線条体は直線状である他、曲線状、波線状、あるいは表面に凹凸を設けたものなどでもよく、また、線条体の取付角度は全部の線条体が同じでもよいし、個々に違っていてもよく、特に限定するものではない。
また、本明細書及び特許請求の範囲にいう、「掻き取る」の用語は、雑草を抜き取る意味や摘み取る意味を含むのではなく、水田の田面の土を掻いて雑草を土から分離させる意味で使用している。
本発明に係る水田除草作業機の作用を説明する。
水田除草作業機は、水稲の栽培において、稲がある程度生育した後に、稲株の周りの条間や株間に生える雑草が成長しないうちに除去するために使用される。
このとき、草掻取装置の掻取体が有する線条体は、回転しながら雑草を掻き取るので、線条体の移動ストロークは従来の除草爪と比較して充分に大きくなり、しかも線条体は回転しながら次々に掻き取りを行うので、例えば除草する雑草の根がやや深い場合でも、雑草の掻き取りを効率よく行うことができる。
図1ないし図8を参照する。
なお、以下の説明において、前、後、左、右の用語を使用する場合があるが、走行機1の走行方向側を前、その逆方向側を後とし、左右については便宜上、図3に示す正面図を基準とする。
(a)草切断装置6を駆動する駆動系
基フレーム2の上面には、動力中継機3が固定されている。動力中継機3は、ケースブラケット30を有し、上記ブラケット33は、ケースブラケット30の後部に固定されている。動力中継機3には、後方の走行機1から、スプライン構造を有し角度の変化に伴い伸縮自在な動力取出軸17を介してエンジン11の動力が入力される。動力中継機3はギヤ装置を内蔵しており、左側へ向け延長された駆動軸31を備えている。
図1〜図8を主に参照する。
草掻取装置5は、扁平かつ中空で、横に長く草切断装置6とほぼ同じ長さのギヤボックス50を有している。ギヤボックス50は、左右両側で二本のほぼ逆T字型の吊設部材54、54aの下端に固定されている。吊設部材54、54aは、それぞれ上下二本の平行なリンク540、540aを介し、後述する草切断装置6の軸支持部材61、61aに対し、昇降可能に取り付けられており、ギヤボックス50も一体となって昇降するようになっている。
図1、図3および図4を主に参照する。
草掻取装置5は、揺動フレーム4の右端部に設けられている高さ調節レバー59を回動調節することにより、後述する草切断装置6に対して高さを調節することができる。
高さ調節レバー59の基端部は、駆動軸590に固定されている。駆動軸590は、上記連結腕部材40、40aの前側にそれぞれ回転可能に軸支されている。
図4、図5および図6を主に参照する。
草掻取装置5の後方には、上記揺動フレーム4に固定された連結腕部材40、40aを介し、草切断装置6が取り付けられている。
なお、カッターカバーが、多数のカッター65をまとめてカバーする構造である場合は、カッターカバーに空隙631と同様の作用を有する窓口(穴)を設けるようにしてもよい。
揺動フレーム4に取り付けられている草掻取装置5と草切断装置6の除草作業中における水平度は、水平制御装置8で制御される。
水平制御装置8は、図1、図2などに示すように上記ギヤボックス50の幅方向の中央前側に取り付けられた水平度センサ(図示省略)を有している。水平度センサは、揺動フレーム4の水平度を検出し、図示していない制御部に水平度情報の信号を送る。
除草機Aの高さは、フロートセンサ装置9により制御される。
フロートセンサ装置9は、揺動フレーム4上面の中心軸20よりやや右側に前後方向へ向け軸支された軸90に基部が固定された吊りアーム91を有している。吊りアーム91の先端は、ギヤボックス50の幅方向のほぼ中央に対応して位置している。
図1ないし図8を参照して、水田除草作業機W1の作用を説明する。
水稲の栽培においては、稲がある程度生育した後に、稲の周りの条間や株間に生える雑草を大きく成長しないうちに除去する除草作業を行う。
このとき、草掻取装置5の掻取体52が有する線条体524は、回転しながら雑草を掻き取るので、各線条体524の移動ストロークは従来の除草爪と比較して充分に大きくなり、しかも線条体524は回転しながら次々に掻き取りを行うので、例えば除草する雑草の根がやや深い場合でも、雑草の掻き取りを効率よく行うことができる。
なお、各掻取体52は、線条体524の回転軌跡が円盤状であり、しかも走行方向側が下がるように水平方向に対し所要角度で傾斜しているので、走行方向へ水平に移動する条件下においては、例えば各線条体が水平に回転するものと比較して、高さ方向の掻き取り可能な範囲が広くなっている。
したがって、掻取体52の高さの設定をする際に、各線条体524の回転軌跡の最低部の高さを、雑草の茎の基端よりやや低く設定する場合でも、それ程の精度を要求されることはなく、作業時の走行に伴う作業機の高さの変動もほとんど影響することはないので、雑草を効率的に田面から掻き取って水中に誘導することができる。
なお、図において、上記水田除草作業機W1と同等箇所には同一の符号を付して示し、構造について重複する説明は省略する。
なお、水田除草作業機W2は、上記水田除草作業機W1とは、草掻取装置5aの作用が異なるだけで、他の作用は同様なので、共通する作用については説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
A 除草機
1 走行機
10 車台フレーム
11 エンジン
12 座席
13 ハンドル
14 車輪
15 昇降リンク装置
150 リンク
151、152 リンク
153 上軸
154 下軸
16 油圧シリンダー
17 動力取出軸
2 基フレーム
20 中心軸
3 動力中継機
30 ケースブラケット
31 駆動軸
33 ブラケット
331 上軸
332 下軸
34 チェーンケース
4 揺動フレーム
40、40a 連結腕部材
42 支持フレーム
5 草掻取装置
50 ギヤボックス
501 底部材
502 蓋部材
52 掻取体
520 支承筒
521 回転軸
522 ギヤ
523 回転盤
524 線条体
525 従動ギヤ
54、54a 吊設部材
540、540a リンク
58 油圧モーター
580 回転軸
581 ギヤ
59 高さ調節レバー
590 駆動軸
591、591a アーム部材
592、592a リンク
593 調節操作盤
594 案内部
595 掛止溝部
596 掛止板部
6 草切断装置
61、61a 軸支持部材
62 支持フレーム
63 カッターカバー
630 カバー部
631 空隙
64 中継駆動軸
65 カッター
651、652 カッターユニット
653 取付基板
655 管体
657 刃体
66 カッター駆動軸
7 田面
70 雑草
71 稲株
8 水平制御装置
81 台板
82 電動モーター
83 ギヤ装置
84 従動ギヤ
85 軸
86 リンク
87 取付部材
9 フロートセンサ装置
90 軸
91 吊りアーム
92 均衡アーム
93 脚部材
94 フロート
95 調節板
W2 水田除草作業機
5a 草掻取装置
55 ギヤボックス
550 下部ボックス
551 底部材
552 蓋部材
553 取付傾斜部
554 支承筒
56 掻取体
561 回転軸
562 ベベルギヤ
563 中継回転軸
564 ベベルギヤ
565 回転盤
566 線条体
567 従動ギヤ
57 油圧モーター
570 回転軸
571 ピニオン
Claims (4)
- 走行機と、
該走行機の前方又は後方に配されており、前記走行機に対する高さの調節ができる高さ調節機構を有し、除草作業時において稲株の条間となる位置にそれぞれ設けられた上下方向に回転する複数のカッターを有し、該カッターが、稲株の条間の雑草の掻き取り及び切断、及び水面に浮いた雑草の切断を行う草切断装置と、
該草切断装置の前方に配され、前記草切断装置に対する高さの調節ができる高さ調節機構と、回転軸を中心に放射状に配した線条体を有し該線条体が田面より下から田面より上を通る回転軌跡を描くことにより田面を掻いて稲株の周りの雑草を掻き取るようにした複数の掻取体を有する草掻取装置とを備える
水田除草作業機。 - 前記線条体の回転軌跡が円盤状であり、前記線条体を有する前記掻取体の前記回転軸が作業機の走行方向へ倒れるように所要角度で傾斜し、前記線条体の回転軌跡も走行方向側が下がるように水平方向に対し所要角度で傾斜している
請求項1の水田除草作業機。 - 前記線条体の回転軌跡が円錐台の側面状であり、前記線条体を有する前記掻取体の前記回転軸が作業機の走行方向と水平に直交する方向へ倒れるように所要角度で傾斜しており、前記各線条体は、回転軌跡の最低部において、水平またはほぼ水平となるようにしてある
請求項1の水田除草作業機。 - 走行機によって田面を走行し、回転軸を中心に放射状に配した線条体を有する複数の掻取体が、各線条体が田面より下から田面より上を通る回転軌跡を描くことにより田面を掻いて稲株の周りの雑草を掻き取る工程と、
田面から掻き取られ水面に浮いた雑草または水中に浮遊する雑草をカッターで切断する工程とを備える
水田除草方法。
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