JP6000050B2 - 水田除草作業機 - Google Patents
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Description
すなわち、田面の株間に生えている雑草は、除草爪(前記特許文献1では除草タイン)で掻き取って水面に浮かせるようになっているが、掻き取られた雑草は、そのまま放置されるので、その後沈む等して田面の土に再度根付いてしまうことが多かった。
本発明は、水田における除草作業において、除草爪で田面から掻き取って水面に浮かせた雑草をそのまま放置せずに切断処理して、田面の土に再度根付いてしまうことがないようにすることを目的とする。
水田除草作業機であって、
走行機と、
該走行機の前方又は後方に配置されており、前記走行機との間に配置されている高さ調節機構により前記走行機に対する高さの調節ができる除草機と、
を備えており、
前記除草機は、
駆動装置により前記走行機の走行方向と直交する方向に往復動することにより稲株の株間の雑草を掻き取る除草爪装置と、
該除草爪装置の後方に配置された草切断装置と、
を有し、
前記除草爪装置は、
爪台と、
該爪台に複数配置されている除草爪と、
を有し、
前記草切断装置は、
除草作業時において稲株の条間となる位置にそれぞれ設けられた、縦方向に回転する複数のカッターを有し、
該カッターは、稲株の条間の雑草の掻き取り及び切断と、前記除草爪装置で掻き取ることで水面に浮いた雑草の切断を行う、
水田除草作業機である。
除草爪は、複数の爪要素を連ねた二列に構成されており、各列は水面に浮いた雑草を後方のカッターへ誘導するべく後方へ向けて両側へ拡がる方向に配置されている、ことが推奨される。
除草機は、
除草爪を前進方向へ向けて付勢する弾性体と、
該弾性体による付勢力を調節する付勢力調節機構と、
を有する、ことが推奨される。
除草機が走行機の前方に配置されているものは、
草切断装置がカッターの走行機側を覆うカバーを有し、
該カバーは、座席側から前記カッター又は前記カッターの前方を視認できるようにするための空隙又は窓口を有する、ことが推奨される。
草切断装置は、
走行機の走行方向と直交する方向に配置され、カッターが取り付けられる回転軸と、
該回転軸の長手方向における前記カッターの位置を調節するカッター位置調節手段と、
を有する、ことが推奨される。
走行機の動力取出軸と、除草機の除草爪装置及び草切断装置の間に介在し、前記除草爪装置の往復動の速さ及び草切断装置のカッターの回転速さを、前記走行機の走行速さとは別にそれぞれ独立して調節することができる動力分配機を有する、ことが推奨される。
除草機の水平状態を保つように制御する水平制御装置を有し、
該水平制御装置は、
除草機に取り付けてある水平度センサと、
該水平度センサからの情報をもとに前記除草機の水平度を調節する水平度調節機構と、
を有している、ことが推奨される。
本発明に係る水田除草作業機の作用を説明する。
水田除草作業機は、水稲の栽培において、稲がある程度生育した後に、稲の周りの条間や株間に生える雑草を成長しないうちに除去するために使用される。
図1ないし図15を参照する。
なお、以下の説明において、前、後、左、右の用語を使用する場合があるが、自走走行機1の進行方向側を前、その逆方向側を後とし、左右については図2に示す正面図を基準とする。
車台フレーム10の前端部には昇降リンク装置15を介して除草機Aが取り付けられている。昇降リンク装置15は、上側の一本のリンク150、下側の二本のリンク151、152で構成され、それぞれの基端部は、車台フレーム10に固定された上軸153、下軸154に縦方向(又は上下方向:以下の縦方向についても同様)に回動できるように取り付けられている。リンク150、151、152の先端部は、後記除草機Aの後部のブラケット33に固定された上軸155、下軸156に縦方向に回動できるように取り付けられている。
除草機Aの基フレーム2の上面側には動力分配機3が固定されている。動力分配機3には、後方の自走走行機1から動力取出軸17を介し動力が入力される。動力分配機3はギヤ装置を内蔵し、除草爪駆動軸31とカッター駆動軸32を備えている。
(除草爪装置5の駆動装置)
図1ないし図8を主に参照する。
除草機Aの基フレーム2の上面には動力分配機3が固定されている。動力分配機3は、左右両側に側部フレーム30、30aを有し、前記ブラケット33は側部フレーム30、30aの後部に固定されている。動力分配機3には、後方の自走走行機1からスプライン構造を有し伸縮自在な動力取出軸17を介して、エンジン11の動力が入力される。動力分配機3はギヤ装置を内蔵しており、左側(側部フレーム30側)に除草爪駆動軸31を備え、右側(側部フレーム30a側)にカッター駆動軸32を備えている。
なお、揺動フレーム4を揺動調節して、除草爪装置5及び草切断装置6を水平にする機構については後記する。
なお、各除草爪52の構造については後で説明する。
また、図5(b)に示すように、左側の吊りリンク55の前記上部側の軸550と下部側の軸551の間には、第2の振動フレーム51を駆動する後記する中継リンク48の先端が軸553で縦方向に回動できるように軸着されている。
中継ギヤボックス44は、正面側(前側)に除草爪駆動軸31の動力を出力するクランク45を有している(図1、図2参照)。クランク45の偏心軸46には、駆動リンク47の基端が軸着されている。駆動リンク47の先端は、前記したように吊りリンク54の延長部上端に軸542を介し縦方向へ回動できるように軸着されている。
この構造により、前記除草爪駆動軸31が回転すると、クランク45の回転により駆動リンク47が回転揺動(クランク運動)し、第1の振動フレーム50及び第2の振動フレーム51が互いに同期しながら、各振動フレーム50、51に取り付けられている各除草爪52と共に横方向に往復動する。
主に図11ないし図13を参照し、右側の第2の振動フレーム51及び第2の振動フレーム51に取り付けられている各除草爪52について説明する。
なお、左側の第1の振動フレーム50及び第1の振動フレーム50に取り付けられている除草爪52については、第2の振動フレーム51と除草爪52の数が異なるだけで基本的な構造は同様であるので、詳しい説明は省略する。また、図において第1の振動フレーム50及び第1の振動フレーム50に取り付けられている除草爪52と同等箇所には同一の符号を付して示す。
固定軸57には、左右側にそれぞれ一組、合計二組(第1の振動フレーム50では合計三組)の除草爪52が取り付けられている。各組の除草爪52は、それぞれ爪要素である八本の爪520を有している。各除草爪52は、二本の爪520を対として有する合計四本の爪部材521に分かれている。
(草切断装置6の構造と高さ設定機構及びカッター67の位置調節機構)
揺動フレーム4の後部側には草切断装置6が取り付けられている。草切断装置6は、揺動フレーム4の中部材401の両端部に後方斜め上方へ向け基部側を固着してある先部側が窄まった形状の取付板601、602を有している。取付板601、602のそれぞれの先端寄りには、外方向へ向けて水平に係合軸600が取り付けられている。また、一方の取付板601には、昇降調節板60が固定されている。
各カッター67は、互いにほぼ同じ構造で向きが反対の一対のカッターユニット671、672からなる。以下のカッターユニット671、672の構造の説明では、主にカッターユニット671について説明し、カッターユニット672については説明を省略する。なお、図14、図15において、カッターユニット671と同一または同等箇所には同一の符号を付して示す。カッターユニット671は、正三角形状の取付基板673を有し、取付基板673の中心部には、円形の軸通し孔674が形成されている。
なお、カッターカバーが各カッター67にそれぞれ対応して配置されるのではなく、複数のカッター67をまとめてカバーする構造である場合は、カッターカバーに前記空隙686と同様の作用を有する窓口(穴)を設けるようにしてもよい。
揺動フレーム4に取り付けられている除草爪装置5と草切断装置6の除草作業中における水平度は、水平制御装置8で制御される。
水平制御装置8は、図1、図9に示すように前記フロート装置7の連結部材72の上面に取り付けられた水平度センサ80を有している。水平度センサ80は、揺動フレーム4の水平度を検出し、図示していない制御部に水平度情報の信号を送る。
図1ないし図15を参照して、本実施の形態に係る水田除草作業機Wの作用を説明する。
水稲の栽培においては、稲がある程度生育した後に、稲の周りの条間や株間に生える雑草を大きく成長しないうちに除去する除草作業が必要になる。
なお、各除草爪52の往復動の速さ及び各カッター67の回転速さを自走走行機1の走行速さとは関わりなくそれぞれ独立して調節できるので、除草作業の状況に合わせてそれぞれ好適に調節することができ、作業がしやすい。
なお、各カッター67は、カッター軸66に沿って位置の調節ができるので、各除草爪52によって水面を誘導されてくる雑草の最も集まりやすい位置に合わせて、各カッター67の位置を調節することができ、雑草の切断をより効率よく行うことができる。
なお、図16ないし図18において、前記水田除草作業機Wと同等箇所の主に要部について同じ符号を付して示し、構成において重複する部分については説明を省略する。
すなわち、自走走行機1aには、前記自走走行機1とは相違して、除草機Aaを車台フレーム10の後端部に接続する昇降リンク装置15と、昇降リンク装置15を駆動する油圧シリンダー16及び動力分配機3に動力を伝える動力取出軸17が、後部側に後向きに設けられている。
1 自走走行機
10 車台フレーム
11 エンジン
12 座席
13 ハンドル
14 各車輪
15 昇降リンク装置
150 リンク
151、152 リンク
153 上軸
154 下軸
155 上軸
156 下軸
16 油圧シリンダー
17 動力取出軸
A 除草機
2 基フレーム
20 中心軸
3 動力分配機
30、30a 側部フレーム
31 除草爪駆動軸
32 カッター駆動軸
33 ブラケット
4 揺動フレーム
401 中部材
402 腕部材
40、41 吊支フレーム
42、43 吊支フレーム
44 中継ギヤボックス
45 クランク
46 偏心軸
47 駆動リンク
48 中継リンク
49 取付フレーム
5 除草爪装置
50 第1の振動フレーム
51 第2の振動フレーム
510 基部材
511、512 腕部材
513 爪案内切込部
52 除草爪
520 爪
521 爪部材
522 掛止部
523 通し穴
53、54 吊りリンク
530、531 軸
540、541 軸
542 軸
543 軸
55、56 吊りリンク
550、551、553 軸
560、561 軸
57 固定軸
58 回転軸
580 レバー基板
581 長穴
582 ボルト
583 取付基板
584 操作レバー
585 係止板
586 掛止腕板
587 掛止孔
588 コイルバネ
59 反発力調節板
590 縦板部
591 横板部
592 開口部
593 係止溝
6 草切断装置
60 昇降調節板
600 係合軸
601、602 取付板
603 縦板部
604 横板部
605 開口部
606 係止溝
607 軸
61 基軸
62、62a 回動腕部材
620 連結軸
621 軸
622 ブラケット
623 軸
624 軸
63 昇降軸支体
631 軸受
632 取付軸
633 案内部材
634 案内溝
64 レバー基板
640 操作レバー
641 係止板
642 軸
643 リンク板
65 チェーンケース
651 軸受
652 取付軸
653 案内部材
655 軸受
656 回転軸
66 カッター軸
660 軸
661 軸
662 軸
663、664、665 通し孔
67 カッター
670 刃部
671、672 カッターユニット
673 取付基板
674 軸通し孔
675 管体
676、676a 通し孔
677 刃体
678 取付板部
679 刃板部
68 カッターカバー
680、681 側板
682 切欠部
683 上板
684 連結部材
685 ブラケット
686 空隙
7 フロート装置
70、71 支脚
72 連結部材
73 ブラケット
74 平行リンク
75 フロート
8 水平制御装置
80 水平度センサ
81 駆動モーター
82 従動ギヤ
820 ギヤ部
83 軸
84 偏心軸
85 昇降リンク
86 軸
9 稲株
Wa 水田除草作業機
1a 自走走行機
Aa 除草機
Claims (4)
- 水田除草作業機であって、
走行機と、
該走行機の前方又は後方に配置されており、前記走行機との間に配置されている高さ調節機構により前記走行機に対する高さの調節ができる除草機と、
を備えており、
前記除草機は、
駆動装置により前記走行機の走行方向と直交する方向に往復動することにより稲株の株間の雑草を掻き取る除草爪装置と、
該除草爪装置の後方に配置された草切断装置と、
を有し、
前記除草爪装置は、
爪台と、
該爪台に複数配置されている除草爪と、
を有し、
前記草切断装置は、
除草作業時において稲株の条間となる位置にそれぞれ設けられた、縦方向に回転する複数のカッターを有し、
該カッターは、稲株の条間の雑草の掻き取り及び切断と、前記除草爪装置で掻き取ることで水面に浮いた雑草の切断を行うものであり、
前記除草爪は、複数の爪要素を連ねた二列に構成されており、各列は水面に浮いた雑草を後方のカッターへ誘導するべく後方へ向けて両側へ拡がる方向に配置されている、
水田除草作業機。 - 除草機は、
除草爪を前進方向へ向けて付勢する弾性体と、
該弾性体による付勢力を調節する付勢力調節機構と、
を有する、
請求項1記載の水田除草作業機。 - 除草機が走行機の前方に配置されているものは、
草切断装置がカッターの走行機側を覆うカバーを有し、
該カバーは、座席側から前記カッター又は前記カッターの前方を視認できるようにするための空隙又は窓口を有する、
請求項1又は2記載の水田除草作業機。 - 草切断装置は、
走行機の走行方向と直交する方向に配置され、カッターが取り付けられる回転軸と、
該回転軸の長手方向における前記カッターの位置を調節するカッター位置調節手段と、
を有する、
請求項1、2又は3記載の水田除草作業機。
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