JP3223663U - 水田除草作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】水田の除草作業で、田面から雑草を掻き取り、水面に浮いた雑草をそのまま放置せず切断して、除草作業後に雑草が田面に沈んでも根付くことがないようにしたものにおいて、雑草の掻き取りをより効率的に行うことができる水田除草作業機を提供する。【解決手段】水田除草作業機W1は、走行機1と、走行機の前方に配され、走行機に対する高さ調節ができる高さ調節機構を有し、除草作業時に稲株の条間となる位置にそれぞれ設けられた上下方向に回転する複数のカッター65を有すると共にカッターが水面に浮いた雑草の切断を行う草切断装置6と、草切断装置の前方に配され、線条体524の回転軌跡が円盤状で走行方向側が下がるように水平方向に対し所要角度で傾斜している掻取体52で田面を掻いて稲株の周りの雑草を掻き取る草掻取装置5とを備える。【選択図】図1

Description

本考案は、水田除草作業機に関するものである。更に詳しくは、水田の除草作業で、田面から雑草を掻き取り、水面に浮いた雑草をそのまま放置せず切断して、除草作業後に雑草が田面に沈んでも根付くことがないようにしたものにおいて、雑草を掻き取る部材の掻き取り時における移動ストロークを大きくして、やや根が深い雑草を除草する場合でも、雑草の掻き取りを効率的に行うことができるようにしたものに関する。
水稲の栽培において、稲の周りの条間や株間の田面に生える雑草を、大きく成長しないうちに除去する除草作業は、水稲の収穫量にも影響を及ぼす、きわめて重要な作業である。近年では、走行機(管理機)に取り付けた除草機や、除草専用機を使用して、主に機械的に除草が行われている。このような、除草機等の一例としては、例えば本願考案者が提案した特許文献1に開示された水田除草作業機がある。
特許文献1の水田除草作業機は、走行機と、高さ調節機構により走行機に対する高さの調節ができる除草機とを備えており、除草機は、駆動装置により走行機の走行方向と直交する方向に往復動することにより稲株の株間の雑草を掻き取る除草爪装置と、除草爪装置の後方に配置された草切断装置とを有し、水田における除草作業において、除草爪で田面から掻き取って水面に浮かせた雑草をそのまま放置せずに切断処理して、田面の土に再度根付いてしまうことがないようにするというものである。
特開2014−76004号公報
上記従来の水田除草作業機は、水田の除草作業で、田面から雑草を掻き取り、水面に浮いた雑草をそのまま放置せず切断して、除草作業後に雑草が田面に沈んでも根付くことがないようにできる機能性については、充分に有用である。しかしながら、次の点で改善の余地があることも分かってきた。
すなわち、除草爪装置の除草爪は、駆動装置により走行機の走行方向と直交する方向に往復動することにより稲株の株間の雑草を掻き取るので、往復動の移動ストロークが比較的短いために、特に除草する雑草がやや根が深い雑草である場合、雑草の掻き取りを効率的に行うことができなくなるおそれがあった。
(本考案の目的)
本考案は、水田の除草作業で、田面から雑草を掻き取り、水面に浮いた雑草をそのまま放置せず切断して、除草作業後に雑草が田面に沈んでも根付くことがないようにした水田除草作業機において、雑草を掻き取る部材の掻き取り時における移動ストロークを充分に大きくして、やや根が深い雑草を除草する場合でも、雑草の掻き取りを効率的に行うことができるようにした水田除草作業機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本考案が講じた手段は次のとおりである。
(1)本考案は、走行機と、該走行機の前方又は後方に配されており、前記走行機に対する高さの調節ができる高さ調節機構を有し、除草作業時において稲株の条間となる位置にそれぞれ設けられた上下方向に回転する複数のカッターを有し、該カッターが、稲株の条間の雑草の掻き取り及び切断、及び水面に浮いた雑草の切断を行う草切断装置と、該草切断装置の前方に配され、前記草切断装置に対する高さの調節ができる高さ調節機構と、回転軸を中心に放射状に配した線条体を有し該線条体が田面より下から田面より上を通る回転軌跡を描くことにより田面を掻いて稲株の周りの雑草を掻き取るようにした複数の掻取体を有する草掻取装置とを備える水田除草作業機である。
(2)本考案は、前記線条体の回転軌跡が円盤状であり、前記線条体を有する前記掻取体の前記回転軸が作業機の走行方向へ倒れるように所要角度で傾斜し、前記線条体の回転軌跡も走行方向側が下がるように水平方向に対し所要角度で傾斜している構成とすることができる。
この場合は、線条体の回転軌跡が円盤状であり、走行方向側が下がるように水平方向に対し所要角度で傾斜しているため、走行方向へ水平に移動する条件下においては、高さ方向の掻き取り可能な範囲(または領域)を広く(大きく)することができる。なお、線条体は直線状である他、曲線状、波線状、あるいは表面に凹凸を設けたものなどでもよく、また、線条体の取付角度は全部の線条体が同じでもよいし、個々に違っていてもよく、特に限定するものではない。
したがって、掻取体の高さの設定をする際に、例えば各線条体の回転軌跡の最低部の高さを、雑草の茎の基端よりやや低く設定する場合でも、それ程の精度を要求されることはなく、作業時の走行に伴う作業機の高さの変動もほとんど影響することはないので、雑草を効率的に田面から掻き取って水中に誘導することができる。
(3)本考案は、前記線条体の回転軌跡が円錐台の側面状であり、前記線条体を有する前記掻取体の前記回転軸が作業機の走行方向と水平に直交する方向へ倒れるように所要角度で傾斜しており、前記各線条体は、回転軌跡の最低部において、水平またはほぼ水平となるようにしてある構成とすることができる。
この場合は、線条体の回転軌跡が円錐台の側面状であり、前記線条体を有する前記掻取体の前記回転軸が作業機の走行方向と水平に直交する方向へ倒れるように所要角度で傾斜しており、前記各線条体は、回転軌跡の最低部において、水平またはほぼ水平(または水平に近似する角度)となるようにしてあるので、走行方向へ水平に移動する条件下においては、高さ方向の掻き取り可能な範囲を広くすることができる。
したがって、掻取体の高さの設定をする際に、例えば各線条体の回転軌跡の最低部の高さを、雑草の茎の基端よりやや低く設定する場合でも、それ程の精度を要求されることはなく、作業時の走行に伴う作業機の高さの変動もほとんど影響することはないので、雑草を効率的に田面から掻き取って水中に誘導することができる。
本明細書及び実用新案登録請求の範囲にいう「線条体」としては、例えば適度な弾性を有する適宜長さの金属製(ピアノ線や鋼線、針金等)、合成樹脂製(ナイロンやポリエチレン等)、或いは金属線を芯材として合成樹脂で被覆し複合した各種ワイヤ等があげられるが、これらに限定されるものではない。
また、本明細書及び実用新案登録請求の範囲にいう、「掻き取る」の用語は、雑草を抜き取る意味や摘み取る意味を含むのではなく、水田の田面の土を掻いて雑草を土から分離させる意味で使用している。
(作用)
本考案に係る水田除草作業機の作用を説明する。
水田除草作業機は、水稲の栽培において、稲がある程度生育した後に、稲株の周りの条間や株間に生える雑草が成長しないうちに除去するために使用される。
水田除草作業機は、まず、草掻取装置の前方または後方に位置する草切断装置の各カッターの高さが、下部側で稲株の条間の田面を掻いて除草を行うことができ、前側では水面に浮いている雑草を切断することができる位置及び高さに設定される。
そして、水田除草作業機を水田の端の適当な位置に配し、草掻取装置を作動させると共に、草切断装置のカッターを回転させ、除草作業機を走行機によって走行させる。これにより、草掻取装置が、各掻取体の線条体により、稲株の周りの条間または株間に生えている雑草を田面の土から根ごと掻き取ると、雑草が田面から分離する。
このとき、草掻取装置の掻取体が有する線条体は、回転しながら雑草を掻き取るので、線条体の移動ストロークは従来の除草爪と比較して充分に大きくなり、しかも線条体は回転しながら次々に掻き取りを行うので、例えば除草する雑草の根がやや深い場合でも、雑草の掻き取りを効率よく行うことができる。
上記掻取体は、高さ調節機構によって、あらかじめ雑草を掻き取るために好適な高さに設定される。掻取体の各線条体は、田面より下から田面より上を通る回転軌跡を有しているので、田面の下で根ごと掻き取った雑草を、田面から分離させるようにして、田面上の水中に誘導することができる。これにより、雑草は水面に浮かび、あるいは水中に浮遊する。
なお、除草作業は稲がある程度生育して根が十分に張って強くなっている状態で行うので、各線条体で比較的強く稲株を叩くようにして田面を掻いた場合でも、稲株が各線条体でなぎ倒されるようなことはない。
水面に浮いた雑草または水中に浮遊する雑草は、水田除草作業機の走行に伴い、相対的に水田除草作業機の後方側へ移動し、草掻取装置の後方に配されている草切断装置の各カッターによって切断される。各掻取体で掻き取られて水面に浮いた雑草または水中に浮遊する雑草と、稲株の条間の雑草とが、各カッターで切断されるので、雑草の切断片となって田面上に沈んでも、田面の土には根付きにくい。
本考案によれば、水田の除草作業で、田面から雑草を掻き取り、水面に浮いた雑草をそのまま放置せず切断して、除草作業後に雑草が田面に沈んでも根付くことがないようにした水田除草作業機において、やや根が深い雑草を除草する場合でも、雑草の掻き取りを効率的に行うことができるようにした水田除草作業機を提供することができる。
本考案に係る水田除草作業機の第1実施の形態を示す斜視図である。 図1の水田除草作業機を構成する除草機の図1とはアングルを反対側に変えた斜視図である。 除草機の構造を示す正面視説明図である。 除草機の構造を示す右側面視説明図である。 除草機の構造を示す左側面視説明図である。 除草機の構造を示す底面視説明図である。 掻取部を駆動する駆動系を示す説明図である。 第1実施の形態の水田除草作業機の掻取部により田面の草を掻き取っている状態を示す側面視説明図である。 本考案に係る水田除草作業機の第2実施の形態を示す斜視図である。 図9の水田除草作業機を構成する除草機の正面視説明図である。 除草機の構造を示す右側面視説明図である。 掻取部を駆動する駆動系を示す説明図である。 第2実施の形態の水田除草作業機の掻取部により田面の草を掻き取っている状態を示す正面視説明図である。
本考案を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
図1ないし図8を参照する。
なお、以下の説明において、前、後、左、右の用語を使用する場合があるが、走行機1の走行方向側を前、その逆方向側を後とし、左右については便宜上、図3に示す正面図を基準とする。
水田除草作業機W1は、走行機1と、走行機1の前方側(走行方向側)に、走行機1に対して高さの調節ができるように取り付けられている除草機Aを備えている。なお、水田除草作業機W1においては、各種スイッチ、レバー等の操作系については、図示を省略しているものがある。また、本実施の形態では、除草機Aは走行機1の前方に配置されているが、これに限定されるものではなく、走行機1の後方に配置することもできる。
走行機1は、車台フレーム10を有し、車台フレーム10の後部にはエンジン11が搭載されている。車台フレーム10の後部には座席12が取り付けられ、その前部側にはハンドル13が取り付けられている。四輪の各車輪14は、四輪操舵構造(4WS: 4 Wheel Steering)であり、小回りが利く構造で水田内の走行に有利である。ハンドル13で操作される四輪操舵構造については、公知構造を採用しているので、詳しい説明は省略する。
車台フレーム10の前端部には、除草機Aが昇降リンク装置15を介して昇降可能に取り付けられている。昇降リンク装置15は、上側の一本のチャンネル型のリンク150、下側の二本の並設されたリンク151、152で構成され、それぞれの基端部は、車台フレーム10に固定された上軸153、下軸154に対し上下方向に回動可能に取り付けられている。リンク150、151、152の先端部は、後述する除草機Aの後部のブラケット33に固定された上軸331、下軸332に上下方向に回動可能に取り付けられている。
また、車台フレーム10側の上軸153とブラケット33側の下軸332の間には、シリンダー基部がリンク150内に下部開口側から収まるようにして、油圧シリンダー16がシリンダーとロッド(何れも符号省略)の各先端部を上下方向に回動できるように取り付けられている。この構造によれば、油圧シリンダー16のロッドを伸縮させることで、後述する除草機Aを適宜昇降して、走行機1に対する除草機Aの高さ、つまり草切断装置6の高さを調節することができる。なお、除草機Aの高さは、後述するフロートセンサ装置9によって制御される。
除草機Aは、基フレーム2(図1、図2、図4、図5など参照)を有し、上記ブラケット33は基フレーム2の上に固定されている動力中継機3のケースブラケット30の後部側に固定されている。ブラケット33の後部には、上記したように上軸331、及び下軸332が固定され、上軸331にはリンク150の先端部が、下軸332にはリンク151、152の先端部及び油圧シリンダー16のロッド先端部が上下方向に回動可能に取り付けられている。
ここで、除草機Aの構造を分かりやすく説明するために、まず、構造の概略を説明する。除草機Aの基フレーム2の上面側には動力中継機3が固定されている。動力中継機3には、後方の走行機1から動力取出軸17を介し動力が入力される。動力中継機3はギヤ装置(符号省略)を内蔵し、走行方向に対し直角かつ水平方向(図1ないし図3で左方向)に向け設けられた駆動軸31を備えている。
基フレーム2には、後で詳しく説明する揺動フレーム4が中心軸20を介し中心軸20を中心として上下方向へ揺動(又は回動)できるように軸着されている。揺動フレーム4の下側には、水田の田面に生えている雑草を掻取体52によって掻き取る草掻取装置5が昇降調節可能に取り付けられている。草掻取装置5及び草切断装置6は、水田における除草作業において、後述する水平制御装置8によって常時水平度が調節され、水平を保つようにしてある。
揺動フレーム4の後側には、連結腕部材40、40aを介し、掻き取られて水面に浮いた雑草を切断する草切断装置6が取り付けられている。草切断装置6は、カッター駆動軸66に沿って七箇所に取り付けられたカッター65を有し、各カッター65は、カッター駆動軸66に沿って固定位置の調節が可能である。草切断装置6は、動力中継機3の駆動軸31により駆動される。なお、草掻取装置5は、後述するように自身が備えた油圧モーター58により駆動されるようになっている。なお、掻取体52、あるいはカッター65の数は特に限定されず、稲株の条数に合わせて適宜設定できる。
以下、除草機Aの構造を、図1ないし図8を参照して詳細に説明する。
(a)草切断装置6を駆動する駆動系
基フレーム2の上面には、動力中継機3が固定されている。動力中継機3は、ケースブラケット30を有し、上記ブラケット33は、ケースブラケット30の後部に固定されている。動力中継機3には、後方の走行機1から、スプライン構造を有し角度の変化に伴い伸縮自在な動力取出軸17を介してエンジン11の動力が入力される。動力中継機3はギヤ装置を内蔵しており、左側へ向け延長された駆動軸31を備えている。
駆動軸31の先端側は、揺動フレーム4に固定されている支持フレーム42に回転自在に軸支された中継駆動軸64に接続され、動力が入力されている。駆動軸31は、スプライン構造を有し伸縮自在であり、基端側と先端側に自在継手(符号省略)を有し、上下方向に回動しても動力伝達ができるようになっている。これにより、後述するように、草掻取装置5及び草切断装置6の水平度を調節する際の、駆動軸31先端を接続する中継駆動軸64の上下方向の動きに対応できるようになっている。
なお、中継駆動軸64には、スプロケット(図示省略)が固定され、後述するカッター駆動軸66に固定されたスプロケット(図示省略)との間にチェーン(図示省略)が掛けられている。これら各軸、スプロケット及びチェーンは、チェーンケース34に収められている。チェーンケース34は、上端側が中継駆動軸64を中心として回動可能に取り付けてあり、草切断装置6の上下方向の動きに対応できるようになっている。
なお、駆動軸31の回転速度は、公知構造により、走行機1の走行速度とは別に調節できるようになっている。これにより、上記エンジン11が作動しており、動力取出軸17に動力が伝わっていれば、走行機1の走行とは無関係に草切断装置6の作動速度をそれぞれ調節することができる。
基フレーム2の前部には、左右方向に所要の長さを有する角管で形成された揺動フレーム4が、中心軸20を介し、中心軸20を中心として揺動可能に、換言すれば基フレーム2と平行位置を含み左右側が上下方向へ所要の角度範囲で回動できるようにして、軸着されている。なお、揺動フレーム4を揺動調節して、草掻取装置5及び草切断装置6を水平に制御する機構については後述する。
(b)草掻取装置5
図1〜図8を主に参照する。
草掻取装置5は、扁平かつ中空で、横に長く草切断装置6とほぼ同じ長さのギヤボックス50を有している。ギヤボックス50は、左右両側で二本のほぼ逆T字型の吊設部材54、54aの下端に固定されている。吊設部材54、54aは、それぞれ上下二本の平行なリンク540、540aを介し、後述する草切断装置6の軸支持部材61、61aに対し、昇降可能に取り付けられており、ギヤボックス50も一体となって昇降するようになっている。
ギヤボックス50は、長い長方形状の底部材501と、その上面側に被せられる蓋部材502からなり、吊設部材54、54aの後部材(符号省略)を介し揺動フレーム4と平行に固定されている。蓋部材502は、断面コ字形状のものを伏せた構造であり、内部に空間を形成するように底部材501に固定されている。
ギヤボックス50には、長手方向に一定間隔で十二箇所に掻取体52が取り付けられている。底部材501には、掻取体52が設けられる箇所に挿通穴(図示省略)が貫通して形成されている。また、底部材501の下面側には、各挿通穴に孔を合わせるように、上部にフランジを有する支承筒520がフランジをネジ着し底部材501の底面と直角方向に固定されている。
ギヤボックス50は、前端部が下がるように所要角度(例えば、本実施の形態では15°)で傾斜させてあり、したがって各支承筒520および後述する各回転軸521の角度も水平面である田面に対し前方(作業車の走行方向)へ倒れるように75°で傾斜している。ギヤボックス50および回転軸521の傾斜角度は、上記角度に限定されるものではなく、適宜設定可能である。
なお、回転軸521の傾斜角度(または、後述する各線条体524の回転軌跡の傾斜角度)は、あらかじめ試験を行って決められた、雑草の掻き取りに好適な角度に固定されているが、固定式とせず、ギヤボックス50の傾斜角度を調節可能な構造として、各線条体524の回転軌跡の傾斜角度を適宜調節できるようにしてもよい。
支承筒520は、ほぼ四角筒状で所定の長さに形成されている。各支承筒520の内部には、上下二箇所に玉軸受(図示省略)が固定されている。各支承筒520の内部には、掻取体52の回転軸521(図7参照)が通されており、回転軸521は各玉軸受により回転自在に軸支されている。回転軸521の上端部には平歯車であるギヤ522が固定されており、ギヤ522は、ギヤボックス50の内部の空間に位置している。
ギヤ522は、隣り合う他の掻取体52の回転軸521に固定されているギヤ522と噛み合うようになっており、各掻取体52はギヤ522を介し連動して回転し、隣り合う掻取体52は互いに反対方向に回転するように、かつ作業時には、後述する線条体524が、稲株を両側から抱き込む方向に回転するようにしてある。
回転軸521の下端部には、円形の回転盤523が固定されている。回転盤523の外周部には、周方向に等間隔で五箇所にナイロン製の線条体524が取り付けられている。各線条体524は、先部側が回転盤523の外周部から張り出すように放射状かつ回転盤523の直径線の延長線方向に向けて取り付けられている。
なお、隣り合う線条体524の回転軌跡は一部重なるように設定され、雑草の掻き取り残しが生じないようにしている。線条体524の数は、五本に限定されるものではなく、適宜設定が可能である。
右から五番目の掻取体52aは、回転軸521の上端側に従動ギヤ525が固定されている(図7参照)。従動ギヤ525は、ギヤボックス50の上面側である蓋部材502に固定された油圧モーター58の回転軸580に固定してあるギヤ581と噛み合っている。これにより、各掻取体52(および52a)は、油圧モーター58により上記回転方向に駆動される。なお、油圧モーター58には、オイルラインや操作系などが付帯するが、その図示および説明は、ここでは省略する。
そして、油圧モーター58で駆動されることにより、各掻取体52は、上記した回転方向に回転して各線条体524の回転軌跡が円盤状となり、更に回転軌跡の走行方向側が下がるように水平方向に対し所要角度で傾斜するよう回転し、作業時には、各線条体524により、田面において雑草を田面下から水中へ移動させるようにして掻き取ることができる。
(c)草掻取装置5の高さ調節機構
図1、図3および図4を主に参照する。
草掻取装置5は、揺動フレーム4の右端部に設けられている高さ調節レバー59を回動調節することにより、後述する草切断装置6に対して高さを調節することができる。
高さ調節レバー59の基端部は、駆動軸590に固定されている。駆動軸590は、上記連結腕部材40、40aの前側にそれぞれ回転可能に軸支されている。
駆動軸590において連結腕部材40、40aのやや外側には、ほぼコ字形状の板を伏せた形態のアーム部材591、591aの前端部が固定されている。アーム部材591、591aの固定位置(角度)は、駆動軸590の軸周方向において同じ位置であり、横架部がほぼ水平になるようにしてある。アーム部材591、591aの後端部には、それぞれリンク592、592aの上端が取り付けられており、リンク592、592aの下端は、上記吊設部材54、54aの下部側面に軸着されている。
また、揺動フレーム4の上記高さ調節レバー59側には、ほぼL板状の調節操作盤593が設けられている。調節操作盤593の上板部には、高さ調節レバー59が移動できる案内部594が形成され、案内部594の縁部には、長手方向に複数の掛止溝部595が段階的に形成されている。高さ調節レバー59の基部側には、掛止溝部595に掛止可能な掛止板部596が形成されている。
この構造によれば、高さ調節レバー59を前後方向に回動させると、駆動軸590を介してアーム部材591、591aが上下方向に回動し、リンク592、592aで吊り下げられたギヤボックス50が、上下方向に回動するリンク540、540aで規制されながら昇降する(図9参照)。このように、高さ調節レバー59を回動し、所要の掛止溝部595に掛止板部596を掛止することにより、草切断装置6に対するギヤボックス50の高さ、すなわち草掻取装置5の掻取体52の高さを調節することができる。
(d)草切断装置6
図4、図5および図6を主に参照する。
草掻取装置5の後方には、上記揺動フレーム4に固定された連結腕部材40、40aを介し、草切断装置6が取り付けられている。
草切断装置6は、連結腕部材40、40aに固定された軸支持部材61、61aを有している。軸支持部材61、61aの後端には、所要長さの支持フレーム62が固定されている。支持フレーム62は、左右方向、かつほぼ水平方向に設けられており、その前側には、支持フレーム62とほぼ同じ幅のカッターカバー63が固定されている。このカッターカバー63については後述する。
軸支持部材61、61aの下方側には、カッター駆動軸66が玉軸受(図示省略)を介しほぼ水平方向に軸支されている。カッター駆動軸66は、断面形状の外形が六角形の管体(六角管)である。カッター駆動軸66には、それぞれ両端側の二箇所、かつ作業時に稲株の条間を通る位置(合計で七箇所)に配置された後述するカバー部630の内部側にカッター65が取り付けられている。
各カッター65は、互いにほぼ同じ構造で向きが反対の一対のカッターユニット651、652(図6参照)からなる。なお、以下のカッターユニット651、652の構造の説明では、主にカッターユニット651について説明し、対称構造であるカッターユニット652については説明を省略する。
カッターユニット651は、ほぼ六角形状の取付基板653(図4、図5参照)を有し、各取付基板653の中心部には、円形の軸通し孔(符号省略)が形成され、取付基板653の片側の面側には、上記カッター駆動軸66に外嵌めする六角形の管体655(図6参照)が設けられている。
また、取付基板653の各角部のうち三箇所の角部には、ほぼL板形状の刃体657がネジ着されている。刃体657は、取付基板653にネジ着された取付板部(符号省略)と、取付板部に対し直角に曲げられ、回転方向と逆側へやや逃げ角を設け傾斜した刃板部(符号省略)を有しており、刃板部は、管体655と同じ側に突出している。
カッターユニット651及びカッターユニット652は、カッター駆動軸66に沿って移動調節ができる。このカッター位置調節手段は、カッター駆動軸66の軸方向に複数設けられたボルト通し孔の任意の孔に管体655に設けられたボルト通し孔を合わせ、ボルトを通して締め付ける一般的な構造であるので、詳しい構造については図示及び説明を省略する。
そして、各カッター65を構成するカッターユニット651、652は、各カバー部630内で互いに所要間隔をおいて取り付けられている。また、カッターユニット651、652は、それぞれに設けられている各刃体657を互いに向かい合うように、かつ軸周方向へ60°ずらして取り付けられている。
なお、カッターユニット651、652の位置及び互いの間隔は、上記したようにボルトを通すボルト通し孔の位置を変えることにより調節が可能である。そして、カッター駆動軸66が回転し各カッター65が回転することにより、各刃体は、水面に浮いた状態、または水中に浮遊するように移動してくる雑草を上から叩くようにして切断することができる。
また、草切断装置6は、各カッター65を覆うカバー部630を七箇所に有するカッターカバー63を有している(図1、図2および図3参照)。各カバー部630は、ほほ半円形の両側板(符号省略)と、両側板を所要間隔をおいて上部側で接続する半円状に湾曲した上板(符号省略)で構成されている。各カバー部630の間には、所要幅で前後に貫通した空隙631が合計六箇所に形成されている。
これによれば、除草作業中に、走行機1の座席12に座って運転している運転者は、各空隙631を通して、前方の掻取体52により田面の雑草を掻き取っている状況を前を向いた無理のない姿勢のままでリアルタイムで確認することができる。
なお、カッターカバーが、多数のカッター65をまとめてカバーする構造である場合は、カッターカバーに空隙631と同様の作用を有する窓口(穴)を設けるようにしてもよい。
(e)草掻取装置5及び草切断装置6の水平度調節機構
揺動フレーム4に取り付けられている草掻取装置5と草切断装置6の除草作業中における水平度は、水平制御装置8で制御される。
水平制御装置8は、図1、図2などに示すように上記ギヤボックス50の幅方向の中央前側に取り付けられた水平度センサ(図示省略)を有している。水平度センサは、揺動フレーム4の水平度を検出し、図示していない制御部に水平度情報の信号を送る。
また、水平制御装置8は、揺動フレーム4において中心軸20の右方側に斜めに固定されている台板81を有している。台板81は、ケースブラケット30方向へ向け上り傾斜しており、台板81の下側上面には、電動モーター82とギヤ装置83が取り付けられている。台板81の上側上面には、ほぼ半円形の板状の従動ギヤ84が軸85を中心として回転可能に軸支され、従動ギヤ84はギヤ装置83の駆動ギヤ(図示省略)と噛み合っている。
また、従動ギヤ84において軸85と偏心した位置にリンク86の一端側が従動ギヤ84とほぼ同じ平面上で回動するように軸支されている。リンク86の他端側は、ケースブラケット30の上部に固定された取付部材87に上下方向に回動できるように軸支されている(主に図3参照)。
この構造によれば、水平度センサ(図示省略)からの水平度情報の信号を制御部で受けることにより、電動モーター82の回転軸の回転方向と回転量が制御され、ギヤ装置83により従動ギヤ84が回動することにより、リンク86が進退動して、揺動フレーム4及び揺動フレーム4に取り付けられている草掻取装置5と草切断装置6が中心軸20を中心として揺動し(図3参照)、水田での除草作業における草掻取装置5と草切断装置6の水平度が制御される。
(f)除草機Aの高さ調節機構
除草機Aの高さは、フロートセンサ装置9により制御される。
フロートセンサ装置9は、揺動フレーム4上面の中心軸20よりやや右側に前後方向へ向け軸支された軸90に基部が固定された吊りアーム91を有している。吊りアーム91の先端は、ギヤボックス50の幅方向のほぼ中央に対応して位置している。
吊りアーム91の先端には、所要長さの均衡アーム92の中央部が上下方向に回動可能に軸支されている。均衡アーム92の両端部には、それぞれ脚部材93が垂設され、各脚部材93の下端には、船型のフロート94が取り付けられている。また、軸90には、吊りアーム91と所要角度をもって調節板95が固定されている。
各フロート94が田面に接して上下動することによる調節板95の揺動は、センサ(図時省略)によって検出されるようになっており、検出された高さ位置情報の信号が図示していない制御部に送られる。このセンサからの高さ位置情報の信号を制御部で受けることにより、上記油圧シリンダー16が作動してロッドが伸縮され、除草機A全体の高さが制御される。例えば各フロート94が高くなった場合は、油圧シリンダー16のロッドが縮んで除草機Aが高くなる。
(作用)
図1ないし図8を参照して、水田除草作業機W1の作用を説明する。
水稲の栽培においては、稲がある程度生育した後に、稲の周りの条間や株間に生える雑草を大きく成長しないうちに除去する除草作業を行う。
〔1〕除草機Aを前側にして水田除草作業機W1を水田に乗り入れ、草掻取装置5の各掻取体52が各稲株の間に二つずつ位置するように配置する。なお、各掻取体52の左右方向の間隔は、一般的な田植機で植えられる稲株の条間の幅(30cm)に合わせてあるので、水田除草作業機W1は上記位置に比較的容易に配置することができる。
〔2〕そして、まず、運転者による走行機1側の操作で、揺動フレーム4に取り付けられた草掻取装置5と草切断装置6が水平度制御装置8によって水平になるように、つまり水田の田面(土面)と平行になるように設定する。
〔3〕同じく走行機1側の操作で、油圧シリンダー16を作動させて除草機Aの高さを調節する。このとき、草切断装置6のカッター65の回転下端の高さ(刃体657の最低高さ)の位置が、田面よりやや低くなるように(例えば10mm程度)、つまり各刃体657で田面を掻くことができるように設定する。
〔4〕次に、操作ハンドル59を操作して、草掻取装置5の各掻取体52の下端部に設けられた各線条体524の高さを、各線条体524の回転軌跡の前部側の最低部の高さが、田面7に生えている雑草70の根部よりやや低くなるように(例えば10mm程度:図8参照)設定する。さらに、フロートセンサ装置9の各フロート94を水田の田面(土面)に載せてセッティングを終了する。
〔5〕走行機1側の操作で、動力中継機3の駆動軸31を駆動されると、草切断装置6のカッター駆動軸66に固定されている各カッター65が回転する。また、油圧モーター58が駆動されると、草掻取装置5の各掻取体52が回転する。なお、各掻取体52の回転速さと各カッター65の回転速さは、走行機1の走行速さとは関わりなくそれぞれ独立して調節できるので、除草作業の状況に合わせてそれぞれ好適に調節することができ、作業がしやすい。
〔6〕走行機1を前進走行させて水田除草作業機W1を前進させると、各掻取体52は、各線条体524で稲株71を両側から抱き込む方向へ叩くように回転しながら、田面に生えている雑草を掻き取り、田面から分離させて水中に誘導することができる。水中に誘導された雑草は、水面に浮き上がるか、または水中に浮遊する。
このとき、草掻取装置5の掻取体52が有する線条体524は、回転しながら雑草を掻き取るので、各線条体524の移動ストロークは従来の除草爪と比較して充分に大きくなり、しかも線条体524は回転しながら次々に掻き取りを行うので、例えば除草する雑草の根がやや深い場合でも、雑草の掻き取りを効率よく行うことができる。
なお、各掻取体52は、線条体524の回転軌跡が円盤状であり、しかも走行方向側が下がるように水平方向に対し所要角度で傾斜しているので、走行方向へ水平に移動する条件下においては、例えば各線条体が水平に回転するものと比較して、高さ方向の掻き取り可能な範囲が広くなっている。
したがって、掻取体52の高さの設定をする際に、各線条体524の回転軌跡の最低部の高さを、雑草の茎の基端よりやや低く設定する場合でも、それ程の精度を要求されることはなく、作業時の走行に伴う作業機の高さの変動もほとんど影響することはないので、雑草を効率的に田面から掻き取って水中に誘導することができる。
〔7〕また、草掻取装置5の後方においては、草切断装置6の各カッター65によって水面に浮いた雑草、または水中に浮遊している雑草を切断すると共に、稲株の条間の田面下においては、各掻取体52で取り切れなかった雑草の掻き取りと切断を同時に行うことができる。なお、各カッター65は、カッター駆動軸66に沿って位置の調節ができるので、水面を相対的に移動してくる雑草の最も集まりやすい位置に合わせて、各カッター65の位置を調節することが可能であり、雑草の切断をより効率よく行うことができる。
〔8〕このように、田面の雑草が各掻取体52による掻き取り後、各カッター65によって切断されるので、雑草の切断片が後で田面に沈んだ場合でも、田面の土に根付くことを防止できる。また、これにより、結果的に除草回数をより少なくすることができる。
なお、運転者は、前を向いた無理のない姿勢のまま、各カッターカバー63の間の空隙631を通して各カッター65及び各カッター65の前方の各掻取体52の掻き取りの様子及び状況を視認でき、除草状態をリアルタイムで確認しながら作業を行うことができる。これにより、例えば走行機1の走行位置が稲株Rの条間の幅方向へ多少ずれているような場合等も迅速に修正することができ、効率的な除草作業を行うことができる。
また、草掻取装置5と草切断装置6の水平度は、水平度制御装置8により継続して制御されており、各掻取体52による田面での掻き取り深さを各掻取体52においてほぼ同じ状態で維持することができるので、除草機Aの幅方向の各所で差のない安定した除草作業を行うことができる。
図9ないし図12を参照する。
なお、図において、上記水田除草作業機W1と同等箇所には同一の符号を付して示し、構造について重複する説明は省略する。
水田除草作業機W2は、草掻取装置5aの掻取体56の構造およびその駆動機構が上記草掻取装置5の掻取体52およびその駆動機構と異なるだけで、その他の構造は上記草掻取装置5と同様である。
草掻取装置5aは、扁平かつ中空で、横に長く草切断装置6とほぼ同じ長さのギヤボックス55を有している。ギヤボックス55は、左右両側で二本のほぼ逆T字型の吊設部材54、54aの下端に固定されている。ギヤボックス55は、長い長方形状の底部材551と、その上面側に被せられる蓋部材552からなり、蓋部材552は、断面コ字形状のものを伏せた構造であり、内部に空間を形成するように底部材551に固定されている。
また、ギヤボックス55には、長手方向に一定間隔で十二箇所に掻取体56が取り付けられている。底部材551には、一組の掻取体56、56が設けられる六箇所に下部ボックス550が設けられている。下部ボックス550には、取付傾斜部553がそれぞれギヤボックス55の長手方向に配置されて二箇所に設けられ、各取付傾斜部553には挿通穴(図示省略)が貫通して形成されている。また、各取付傾斜部553には、各挿通穴に孔を合わせるように、支承筒554が取付傾斜部553と直角方向に固定されている。
ギヤボックス55は水平に固定されており、ギヤボックス55の下部ボックス550の各取付傾斜部553は、ギヤボックス55の下面に対し約30°で傾斜しており、したがって各支承筒554および後述する各回転軸561の角度は、水平面である田面に対し作業機の走行方向と水平に直交する方向へ倒れるように、約60°で傾斜している。なお、各取付傾斜部553および各支承筒554および後述する各回転軸561の角度は、上記角度に限定されるものではなく、適宜設定が可能である。
支承筒554は、ほぼ四角筒状で所定の長さに形成されている。各支承筒554の内部には、上下二箇所に玉軸受(図示省略)が固定されている。各支承筒554の内部には、掻取体56の回転軸561が通されており、回転軸561は各玉軸受により回転自在に軸支されている。回転軸561の上端部にはベベルギヤ562が固定されており、ベベルギヤ562は、ギヤボックス55および下部ボックス550の内部の空間に位置している。
ベベルギヤ562は、隣り合う他の掻取体56の回転軸561に固定されているベベルギヤ562と噛み合うようになっている。また、ギヤボックス55内には、中継回転軸563(図12参照)が長手方向と平行に軸支されている。中継回転軸563には、一組の掻取体56、56が設けられる六箇所において、一方のベベルギヤ562と噛み合うベベルギヤ564が固定されている。
中継回転軸563の中央部には、平歯車である従動ギヤ567が固定され、従動ギヤ567は、ギヤボックス55の上面側である蓋部材552に固定された油圧モーター57の回転軸570に固定してあるピニオン571と噛み合っている。これにより、各掻取体56は、油圧モーター57により上記回転方向に駆動される。なお、油圧モーター57には、オイルラインや操作系などが付帯するが、その図示および説明は、ここでは省略する。
これにより、各掻取体56は中継回転軸563を介し連動して回転し、隣り合う掻取体56は互いに反対方向に回転するように、かつ作業時には、後述する線条体566が、稲株を両側から抱き込む方向に回転するようにしてある。
回転軸561の下端部には、円形の回転盤565が固定されている。回転盤565の外周部には、周方向に等間隔で六箇所に鉄製の線条体566が取り付けられている。各線条体566は、先部側が回転盤565の外周部から張り出すように放射状かつ回転盤565と約30°の傾斜角度を以て取り付けられている。線条体566の数は、六本に限定されるものではなく、適宜設定が可能である。また、線条体566の回転盤565に対する角度も上記角度に限定されるものではなく、適宜設定が可能である。
なお、隣り合う線条体566の回転軌跡は一部重なるように設定され、雑草の掻き取り残しが生じないようにしている。また、上記構造により、ギヤボックス55が水平である場合、各掻取体56の線条体566は、回転軌跡の最低部において水平になり、田面と平行になる。
そして、油圧モーター57で駆動されることにより、各掻取体56は、上記した回転方向に回転して各線条体566の回転軌跡が、傾いた円錐台の側面状となり、各線条体566が田面下から水面より上の空間までの範囲で回転軌跡を描いて回転する。これにより、作業時には、各線条体566により、田面において雑草を田面下から水中へ移動させるようにして掻き取ることができる。
主に図13を参照して、水田除草作業機W2の作用を説明する。
なお、水田除草作業機W2は、上記水田除草作業機W1とは、草掻取装置5aの作用が異なるだけで、他の作用は同様なので、共通する作用については説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
草掻取装置5aの掻取機56は、各線条体566の回転軌跡が円錐台の側面状であり、線条体566を有する掻取体56の回転軸561が作業機の走行方向と水平に直交する方向へ倒れるように所要角度で傾斜しており、各線条体566は、回転軌跡の最低部において、水平になっており、田面の下から水面より上の空間まで回転軌跡を描いて回転する。したがって、走行方向へ水平に移動する条件下においては、例えば各線条体が水平に回転するものと比較して、高さ方向の掻き取り可能な範囲を広くすることができる。
したがって、掻取体56の高さの設定をする際に、例えば各線条体566の回転軌跡の最低部の高さを、雑草の茎の基端よりやや低く設定する場合でも、それ程の精度を要求されることはなく、作業時の走行に伴う作業機の高さの変動もほとんど影響することはないので、雑草を効率的に田面から掻き取って水中に誘導することができる。
W1 水田除草作業機
A 除草機
1 走行機
10 車台フレーム
11 エンジン
12 座席
13 ハンドル
14 車輪
15 昇降リンク装置
150 リンク
151、152 リンク
153 上軸
154 下軸
16 油圧シリンダー
17 動力取出軸
2 基フレーム
20 中心軸
3 動力中継機
30 ケースブラケット
31 駆動軸
33 ブラケット
331 上軸
332 下軸
34 チェーンケース
4 揺動フレーム
40、40a 連結腕部材
42 支持フレーム
5 草掻取装置
50 ギヤボックス
501 底部材
502 蓋部材
52 掻取体
520 支承筒
521 回転軸
522 ギヤ
523 回転盤
524 線条体
525 従動ギヤ
54、54a 吊設部材
540、540a リンク
58 油圧モーター
580 回転軸
581 ギヤ
59 高さ調節レバー
590 駆動軸
591、591a アーム部材
592、592a リンク
593 調節操作盤
594 案内部
595 掛止溝部
596 掛止板部
6 草切断装置
61、61a 軸支持部材
62 支持フレーム
63 カッターカバー
630 カバー部
631 空隙
64 中継駆動軸
65 カッター
651、652 カッターユニット
653 取付基板
655 管体
657 刃体
66 カッター駆動軸
7 田面
70 雑草
71 稲株
8 水平制御装置
81 台板
82 電動モーター
83 ギヤ装置
84 従動ギヤ
85 軸
86 リンク
87 取付部材
9 フロートセンサ装置
90 軸
91 吊りアーム
92 均衡アーム
93 脚部材
94 フロート
95 調節板
W2 水田除草作業機
5a 草掻取装置
55 ギヤボックス
550 下部ボックス
551 底部材
552 蓋部材
553 取付傾斜部
554 支承筒
56 掻取体
561 回転軸
562 ベベルギヤ
563 中継回転軸
564 ベベルギヤ
565 回転盤
566 線条体
567 従動ギヤ
57 油圧モーター
570 回転軸
571 ピニオン

Claims (3)

  1. 走行機と、
    該走行機の前方又は後方に配されており、前記走行機に対する高さの調節ができる高さ調節機構を有し、除草作業時において稲株の条間となる位置にそれぞれ設けられた上下方向に回転する複数のカッターを有し、該カッターが、稲株の条間の雑草の掻き取り及び切断、及び水面に浮いた雑草の切断を行う草切断装置と、
    該草切断装置の前方に配され、前記草切断装置に対する高さの調節ができる高さ調節機構と、回転軸を中心に放射状に配した線条体を有し該線条体が田面より下から田面より上を通る回転軌跡を描くことにより田面を掻いて稲株の周りの雑草を掻き取るようにした複数の掻取体を有する草掻取装置とを備える
    水田除草作業機。
  2. 前記線条体の回転軌跡が円盤状であり、前記線条体を有する前記掻取体の前記回転軸が作業機の走行方向へ倒れるように所要角度で傾斜し、前記線条体の回転軌跡も走行方向側が下がるように水平方向に対し所要角度で傾斜している
    請求項1の水田除草作業機。
  3. 前記線条体の回転軌跡が円錐台の側面状であり、前記線条体を有する前記掻取体の前記回転軸が作業機の走行方向と水平に直交する方向へ倒れるように所要角度で傾斜しており、前記各線条体は、回転軌跡の最低部において、水平またはほぼ水平となるようにしてある
    請求項1の水田除草作業機。
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CN111296050A (zh) * 2020-03-29 2020-06-19 金华职业技术学院 一种智能识别自走式水田除草机器人

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