JP2005287398A - 根菜類のクリーナ装置およびこれを装着した根菜類収穫機 - Google Patents

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行雄 宮下
Hideyasu Okada
秀康 岡田
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Abstract

【課題】 ビート等の根菜類の頭部形状に対して容易かつきめ細かく調整できるようにし、より精度の高い清掃空間を確保しつつ、夾雑物の処理方向を可変にできる根菜類のクリーナ装置およびこれを装着した根菜類収穫機を提供する。
【解決手段】 クリーナ装置1は、油圧モータ等の回転動力部41、この回転動力部41の回転軸41aに固定された回転基部42、およびこの回転基部42の外側に設けられた弾性クリーナ部43を有するクリーナ本体4と、このクリーナ本体4を支持するクリーナ取付枠5とを有しており、クリーナ取付枠5は、クリーナ本体4を略水平方向および略鉛直方向に直線移動可能に支持するとともに略水平回転可能に支持し、根菜類に対する水平距離、高さおよび回転軸の軸向きを任意に変更可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ビート等の根菜類を掘り取る前に地面から露出している根部周辺の茎葉や夾雑物を除去・清掃する根菜類のクリーナ装置およびこれを装着した根菜類収穫機に関するものである。
従来より、ビート等の根菜類を収穫する場合、図4および図5に示すような根菜類収穫機12が使用されている。この根菜類収穫機12は、ヒッチ16を介してトラクタの3点支持装置に連結されるとともに、トラクタ後部の外部動力取出軸(PTO軸)と前記根菜類収穫機12の動力取入軸(PIC軸)とをユニバーサルジョイントによって連結し、トラクタの駆動動力が取り入れられるようになっている。そして、根菜類を収穫する場合、地面から露出した根部周辺の茎葉や夾雑物をクリーナ装置11によって除去した後、掘取部3の掘取刃3aを使って根菜類を掘り出し、この根菜類を送りコンベア17と補助コンベヤ18との間に狭持しながら次工程の昇降機19へと搬送し、昇降機19内のロータリーバケット20によって上部の送りコンベア23へと移送して収容タンク21内に収容するようになっている。
以上のような根菜類収穫機12において、根菜類の根部周辺を清掃するクリーナ装置11としては、図6に示すように、弾性を備えたゴム製パドル14aを円盤14bに放射状に配置し、根菜類収穫機12の進行方向に対して直交面(進行方向正面)内で回転させて茎葉や夾雑物を叩き飛ばす方法を用いることが多い。この場合、ゴム製パドル14aを備えた左右1対のクリーナ本体14は根菜類の根を倒さないように根菜列を中心に配置され、前記ゴム製パドル14aの清掃空間を確保しつつ左右逆外回転される。また、従来のクリーナ装置11は、前記クリーナ本体14をクリーナ取付枠15に支持させて根菜類収穫機12に装着している。クリーナ取付枠15は、進行方向に対して直交する方向で水平に延在された水平軸15aにクリーナ本体14をスライド自在に支持させ、さらに前記水平軸15aを鉛直軸15bに上下動可能に支持させることにより、前記1対のクリーナ本体14同士の軸間距離を調整するとともに、地上高さを調整することができるようになっている。また、クリーナ本体14の回転動力は、トラクターの駆動動力をPTO軸、ユニバーサルジョイント、およびPIC軸を介してチェーンケース22内に収容されているスプロケットおよびチェーンに伝達し、円盤14bおよびゴム製パドル14aを所定の回転数で回転させるようになっている。
そして、クリーナ装置11によってビート等の茎葉等を除去・清掃する場合、前方側に配置されるクリーナ装置11であれば、ビートを倒したり飛ばしたりしないよう、深く掛けず、ゴム製パドル14aの先端が、ビートの外肩に当たる程度に地上高さおよび軸間距離を調整し清掃空間を確保する。また、中央または後方に配置されるクリーナ装置11であれば、ゴム製パドル14aの先端が茎葉に軽く触れる程度に調整されて茎葉を掘り取り後の畦に移動させるように清掃空間を確保する。
一方、前述した根菜類収穫機12のクリーナ装置11に関する特許文献としては、実公平2−3714号公報に記載のビートハーベスタが挙げられる(特許文献1)。このビートハーベスタは、左右および上下にスライド可能な一対の回転体と、この回転体の外周に取り付けられる弾性材の排除爪と、各回転体に駆動力を伝達する一対の駆動力伝達機構とから構成される茎葉排除装置を堀取り刃の前方に設けている。そして、駆動力伝達機構を各回転体から上方に向けて左右に拡開させて配設することにより、掘取り刃の前面を開放して視認し易くさせている。
実公平2−3714号公報
しかしながら、従来のように清掃空間を確保するための調整が、円盤14bの軸間距離および地上高さのみであると、図6に示すように、ゴム製パドル14aの回転外周軌跡が進行方向正面に対して単純な円形であるため、露出した根菜頭部の形状にきめ細かく合わせ難いという欠点がある。
また、茎葉や夾雑物をほぼ真横にしか飛ばすことができないため、未収穫の畦列に飛散物を飛ばしてしまうという欠点もある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、ビート等の根菜類の頭部形状に対して容易かつきめ細かく調整できるようにし、より精度の高い清掃空間を確保しつつ、夾雑物の処理方向を可変にできる根菜類のクリーナ装置およびこれを装着した根菜類収穫機を提供することを目的としている。
本発明に係る根菜類のクリーナ装置および根菜類収穫機の特徴は、油圧モータ等の回転動力部、この回転動力部の回転軸に固定された回転基部、およびこの回転基部の外側に設けられた弾性クリーナ部を有するクリーナ本体と、このクリーナ本体を支持するクリーナ取付枠とを有しており、前記クリーナ取付枠は、前記クリーナ本体を略水平方向および略鉛直方向に直線移動可能に支持するとともに略水平回転可能に支持し、根菜類に対する水平距離、高さおよび回転軸の軸向きを任意に変更可能である点にある。
本発明によれば、ビート等の根菜類の頭部形状に対して弾性クリーナ部の位置を容易かつきめ細かく調整できるようにし、より精度の高い清掃空間を確保しつつ、茎葉や夾雑物の飛散方向を任意に調整することができる。
以下、本発明に係る根菜類のクリーナ装置1およびこれを装着した根菜類収穫機2の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態の構成のうち、上述した従来技術の構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付している。
図1は、本発明に係るクリーナ装置1の一実施形態を示す正面図であり、図2は一方のクリーナ装置1の動きを示す斜視図である。また、図3は、本実施形態の根菜類のクリーナ装置1を装着した根菜類収穫機2の側面図である。本実施形態のクリーナ装置1は、根菜類収穫機2の根菜類掘取部3の前方に左右1対で装着されており、この根菜類収穫機2が3点支持装置によって連結されるトラクタ(図示せず)から必要な動力を得ている。図1に示すように、本実施形態のクリーナ装置1は、茎葉や夾雑物を除去するための一対のクリーナ本体4と、これらクリーナ本体4を支持するクリーナ取付枠5とを有しており、このクリーナ取付枠5が根菜類収穫機2の進行方向前方の下部に装着されている。
クリーナ本体4は、油圧モータ41で構成される回転動力部41と、この回転動力部41の回転軸41aに固定された前後2枚の円盤状の回転基部42と、これら2枚の回転基部42間に基端部を狭持されてボルト止めされ、放射状に延出された弾性クリーナ部43とを有している。回転動力部41は、根菜類収穫機2に搭載された油圧ポンプ(図示せず)あるいはトラクタに内蔵されている油圧源(図示せず)から動力を受けて回転基部42を回転させる。また、弾性クリーナ部43は、複数本のゴム状パドル43から構成されており、その先端部によって茎葉や夾雑物を叩いて除去するようになっている。なお、本実施形態ではゴム状パドル43を8本設けているが、適宜増減しても良い。図1の矢印に示すように、左右1対の弾性クリーナ部43は根菜類に対して上方から下方に向かってそれぞれ逆方向に回転される。
クリーナ取付枠5は、クリーナ本体4の鉛直方向の位置を変更する鉛直位置変更支持部6と、クリーナ本体4の水平方向の距離を変更する軸間距離変更支持部7と、クリーナ本体4の回転軸41aの向きを変更する軸向変更支持部8とから構成されている。
鉛直位置変更支持部6は、鉛直角パイプ61が鉛直方向に配置されており、この鉛直角パイプ61の内側に軸線方向に沿って鉛直位置調整ネジ62が螺合されている。この鉛直位置調整ネジ62を回すことにより、前記鉛直角パイプ61が上下動するようになっている。
また、軸間距離変更支持部7は、前記鉛直位置変更支持部6の下端部に固定された水平角パイプ71を根菜類収穫機2の進行方向に対して直交する方向で水平に配置しており、前記水平角パイプ71の外面に水平スライド枠72が嵌合されている。前記水平角パイプ71には長手方向に適当間隔でボルト穴が形成されており、前記水平スライド枠72を所定の位置でボルト止めするようになっている。
軸向変更支持部8は、水平スライド枠72の外側にボルト止めされ下方に垂下された垂下パイプ81と、前記クリーナ本体4の油圧モータ41を保持しつつ上下方向に支持された動力部保持アーム82とを備えている。前記垂下パイプ81の下部には、水平方向に延出された固定用フランジ81aが形成されており、その先端側に固定穴が形成されている。また、前記動力部保持アーム82の上端部には、軸向き変更用フランジ82aが形成されており、複数の固定穴82bが弧状に形成されている。そして、垂下パイプ81の下部が動力部保持アーム82の上部で嵌合されるとともに、固定用フランジ81aと軸向き変更用フランジ82aとが重ね合わされて、位置合わせされた固定穴82bにボルト81bを入れて固定される。
つぎに、本実施形態のクリーナ装置1による作用を説明する。
本実施形態のクリーナ装置1によって、根菜類の根部周辺における茎葉や夾雑物を除去する場合、まず、根菜類に対するクリーナ本体4の位置調整を行う。位置調整に際しては、鉛直位置調整ネジ62によって鉛直角パイプ61を上下動させることによりクリーナ本体4の高さ位置を調整する。また、水平スライド枠72を水平角パイプ71に沿って左右に移動することによって左右一対のクリーナ本体4の軸間距離を調整する。さらに、動力部保持アーム82を水平回転させることによりクリーナ本体4の軸方向を調整し、所定の軸向き位置で垂下パイプ81にボルト止めする。クリーナ本体4を水平回転させると、図2に示すように、弾性クリーナ部43の回転外周軌跡(投影形状)が進行方向正面に対して様々な形状の楕円形を形成する。これにより、弾性クリーナ部43の外周軌跡と根菜類との接触面が様々に変更・調整することができ、根菜類の形状や大きさに緻密に合わせた清掃空間を確保することができる。
以上のようにして弾性クリーナ部43を根菜類の肩部に触れる程度に位置合わせした後、油圧モータ41を駆動させて回転基部42を回転し、弾性クリーナ部43を互いに逆外回転させる。この状態で根菜類収穫機2がトラクタによって牽引されると、弾性クリーナ部43によって根菜類の根部周辺の茎葉や夾雑物が叩き落とされ、除去される。このとき、クリーナ本体4は真横に回転しているのではなく、軸向きを外側に変更されているため、茎葉や夾雑物は、根菜類収穫機2の進行方向に対して斜め後方に飛ばされる。この夾雑物の飛散方向も軸向きを調整することにより制御できる。
その後、清掃された根菜類は根菜類掘取部3の掘取刃3aによって掘り取られ、送りコンベア17や昇降機19を介して搬送され収容タンク21に収容される。
以上のような本実施形態によれば、弾性クリーナ部43によって形成される清掃空間を根菜類の種類、大きさおよび頭部形状等に合わせて容易、かつ、きめ細かく調整できる。また、クリーナ本体4を水平回転させることができる。したがって、根菜類を掘り取る前の清掃精度を向上させられるともに、除去した茎葉や夾雑物の飛散方向を調整して未収穫の畦に飛散してしまうのを防止することができ、収穫作業の効率性が高められる。
なお、本発明に係る根菜類のクリーナ装置1およびこれを装着した根菜類収穫機2は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、本実施形態では、根菜類収穫機2の前方に配置されたクリーナ装置1を例に説明したが、根菜類収穫機2の中央または後方に配置されるクリーナ装置に適用することができる。また、根菜類収穫機2に装着される場合だけに限られず、独立したクリーナ装置1としてトラクタに牽引させたり、あるいは他の作業機に装着するようにしてもよい。さらには、左右一対のクリーナ装置1に限らず、1あるいは3以上の組み合わせからなるクリーナ装置であってもよい。
また、回転動力部41は油圧モータ41を一例として挙げているが、これに限られず、複雑な構造になるが、自在継手や歯車等を組み合わせた動力源を水平回転できるように搭載してもよい。
本発明に係る根菜類のクリーナ装置の実施形態を示す正面図である。 本実施形態の根菜類のクリーナ装置の斜視図である。 本実施形態の根菜類のクリーナ装置を装着した根菜類収穫機の側面図である。 従来の根菜類収穫機を示す正面図である。 図3の側面図である。 従来のクリーナ装置を示す正面図である。
符号の説明
1 クリーナ装置
2 根菜類収穫機
3 根菜類掘取部
3a 掘取刃
4 クリーナ本体
5 クリーナ取付枠
6 鉛直位置変更支持部
7 軸間距離変更支持部
8 軸向変更支持部
11 従来のクリーナ装置
12 従来の根菜類収穫機
14 従来のクリーナ本体
14a ゴム製パドル
14b 円盤
15 従来のクリーナ取付枠
15a 水平軸
15b 鉛直軸
16 ヒッチ
17 送りコンベア
18 補助コンベヤ
19 昇降機
20 ロータリーバケット
21 収容タンク
22 チェーンケース
23 上部の送りコンベヤ
41 回転動力部(油圧モータ)
41a 回転軸
42 回転基部
43 弾性クリーナ部(ゴム状パドル)
61 鉛直角パイプ
62 鉛直位置調整ネジ
71 水平角パイプ
72 水平スライド枠
81 垂下パイプ
81a 固定用フランジ
81b ボルト
82 動力部保持アーム
82a 軸向き変更用フランジ
82b 固定穴

Claims (2)

  1. ビート等の根菜類を掘り出す前に、地面から露出している根菜類の根部周辺における茎葉や夾雑物を除去・清掃するクリーナ装置であって、
    油圧モータ等の回転動力部、この回転動力部の回転軸に固定された回転基部、およびこの回転基部の外側に設けられた弾性クリーナ部を有するクリーナ本体と、このクリーナ本体を支持するクリーナ取付枠とを有しており、
    前記クリーナ取付枠は、前記クリーナ本体を略水平方向および略鉛直方向に直線移動可能に支持するとともに略水平回転可能に支持し、根菜類に対する水平距離、高さおよび回転軸の軸向きを任意に変更可能であることを特徴とする根菜類のクリーナ装置。
  2. 請求項1に記載の根菜類のクリーナー装置を装着していることを特徴とする根菜類収穫機。
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