JP2000024471A - 固液分離膜 - Google Patents

固液分離膜

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JP2000024471A
JP2000024471A JP21039598A JP21039598A JP2000024471A JP 2000024471 A JP2000024471 A JP 2000024471A JP 21039598 A JP21039598 A JP 21039598A JP 21039598 A JP21039598 A JP 21039598A JP 2000024471 A JP2000024471 A JP 2000024471A
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nonwoven fabric
meth
separation membrane
porosity
acrylate
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JP21039598A
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English (en)
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Toyozo Hamada
豊三 浜田
Nobuyuki Nakatsuka
修志 中塚
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精密濾過膜並みの優れた分離特性を可能に
し、排水等の処理に用いられる水処理用分離膜を提供す
ること。 【解決手段】 不織布の繊維の表面上あるいは内部を、
水性高分子エマルジョン、又は無機粒子を含む水溶性高
分子等により被覆処理し、空隙率が20〜80%、粒子
径が0.5μmのアルミナ粒子の阻止率を20%以上と
した水処理用分離膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固液分離膜に関
し、特に、不織布を表面処理することにより、精密濾過
膜並みの優れた分離特性を可能にし、排水等の処理や有
機溶媒の処理に用いられる固液分離膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、不織布を用いた固液分離が試
みられており、膜分離性能の安定及び膜分離性能を向上
させるための工夫がなされている。特開昭61−174
912号公報には、合成繊維からなる立毛部を有するろ
布で、方向性指数が1.2〜1.0、凸凹指数が0.5
以下、立毛している合成繊維の比表面積が9×103
2/g以上であることを特徴とする固液分離用ろ布が
開示されている。また、特開昭61−174913号公
報には、上記不織布に低融点ポリマーからなるシート状
物を介在させ、熱融着させることにより、補強性、耐摩
耗性に優れた不織布の製造方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的
に不織布を用いて固液分離する場合、不織布の繊維間隙
が大きく、また均一でないために、粒子径が1.0μm
以下の微粒子を除去することは困難であった。また、ろ
過の進行に伴い、比表面積の大きい不織布繊維に多量の
粒子等が吸着しやすくなり、その結果生じるファウリン
グにより著しく透水流束が低下する可能性があるという
問題点がある。そこで、本発明は、水処理等の固液分離
を行う際に、機械的強度に優れた不織布を用い、不織布
の表面及び/又は内部に高分子化合物を付与することに
より、高い透水速度を維持するようにするとともに、粒
径1.0μm程度の粒子を阻止し、ファウリングによる
透水速度の低下を抑制できる不織布を得ることを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは、ポリエステ
ル製不織布の表面上及び/又は内部に、水性高分子エマ
ルジョンを塗布処理し、又は無機粒子を水溶性高分子等
の親水性化合物をバインダーポリマーとして固定化し、
空隙率が20〜80%、平均孔径が0.1〜1.0μm
の範囲であるようにした固液分離膜を用いることによ
り、例えば粒径1.0μm以下の微粒子が懸濁した水溶
液から、水を高い処理速度で、かつ、微粒子を高度に分
離できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明の第1の固液分離膜は、不
織布を水性高分子エマルジョンで塗布処理した不織布分
離膜からなり、該不織布分離膜の空隙率が20〜80
%、粒子径が0.5μmのアルミナ粒子の阻止率が20
%以上であることを特徴とするものである。
【0006】また、本発明の第2の固液分離膜は、不織
布の繊維の表面及び/又は繊維間に、無機粒子がバイン
ダーポリマーにより固定化された不織布分離膜からな
り、該不織布分離膜の空隙率が20〜80%、粒子径が
0.5μmのアルミナ粒子の阻止率が20%以上である
ことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる水性高分子エ
マルジョンは、架橋性化合物を含んでいることが好まし
く、重合性不飽和単量体(1)を、例えば、架橋性化合
物としてのエポキシ化合物(2)の共存下に重合して得
られる。また、単量体(1)に架橋性化合物として加水
分解性シリル基を含有する重合性不飽和単量体を混合さ
せてもよい。このようなエポキシ化合物や加水分解性シ
リル基含有単量体を用いることにより、或いは親水性単
量体を共重合させることにより、親水性有機ポリマーの
水性エマルジョンとすることができ、分離膜を親水性に
し、透過流束を増加させることができる。
【0008】前記エポキシ化合物(2)には、例えば、
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステ
ル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、
環状脂肪族型エポキシ樹脂、直鎖脂肪族型エポキシ樹脂
及び複素環式エポキシ樹脂などが含まれる。エポキシ化
合物(2)としては、分子中に少なくとも1つのエポキ
シ基を有していればよいが、通常、少なくとも2つのエ
ポキシ基を有する化合物が使用される。また、エポキシ
化合物(2)は、単独で又は二種類以上組み合わせて使
用してもよい。
【0009】グリシジルエーテル型エポキシ樹脂には、
ヒドロキシル基を有する化合物とエピクロルヒドリンと
の反応により得られる種々のエポキシ樹脂が含まれる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、
アルキレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル、及び、1,3−ブタンジオ
ールジグリシジルエーテルなど)、ポリオキシアルキレ
ングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ジエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、及びトリプロピレングリコールジグリ
シジルエーテルなど)、脂肪族多価アルコールのポリグ
リシジルエーテル(例えば、トリメチロールプロパント
リグリシジルエーテルなど)、ビスフェノール型エポキ
シ樹脂、及びノボラック型エポキシ樹脂などが例示でき
る。
【0010】グリシジルエステル型エポキシ樹脂には、
カルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応により得られ
る種々のエポキシ樹脂、例えば、脂肪族ポリカルボン酸
ポリグリシジルエステル(例えば、アジピン酸ジグリシ
ジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、及び
脂肪族ジカルボン酸ジグリシジルエステルなど)、及び
芳香族ポリカルボン酸ポリグリシジルエステルなどが含
まれる。
【0011】グリシジルアミン型エポキシ樹脂として
は、第1級アミン又は第2級アミンとエピクロルヒドリ
ンとの反応により得られる種々のエポキシ樹脂、例え
ば、N,N−ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイ
ジン、トリグリシジル−P−アミノフェノール、トリグ
リシジル−m−アミノフェノール、及びテトラグリシジ
ルアミノジフェニルメタンなどが例示できる。
【0012】環状脂肪族型エポキシ樹脂には、例えば、
1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサ
ン、及びアリサイクリックジエポキシアセタールなどが
含まれ、複素環式エポキシ樹脂には、例えば、トリグリ
シジルイソシアネート、及びヒダントイン型エポキシ樹
脂などが例示できる。
【0013】直鎖脂肪族型エポキシ樹脂には、1,2−
エポキシエタン、1,2−エポキシブタン、1,2−エ
ポキシプロパン、1,2−エポキシペンタン、2,3−
エポキシブタン酸、2,3−エポキシプロピオン酸、エ
ポキシコハク酸などが例示される。
【0014】また、重合性不飽和化合物(1)として
は、例えば、(メタ)アクリル酸系単量体、芳香族ビニ
ル類、不飽和カルボン酸類、ビニルエステル類、ハロゲ
ン含有ビニル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、
ビニル複素環化合物(例えば、N−ビニルピロリドン、
N−ビニルイミダゾールなどのN−ビニル化合物及びビ
ニルピリジンなど)、オレフィン系単量体(例えば、エ
チレン、プロピレンなど)、アリル化合物(例えば、酢
酸アリルなどのアリルエステルなど)、及び加水分解性
シリル基を有する単量体などが含まれる。重合性不飽和
化合物は、単独で又は二種類以上組み合わせて使用でき
る。
【0015】(メタ)アクリル酸系単量体には、例え
ば、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド
類、(メタ)アクリロニトリルなどが含まれる。(メ
タ)アクリレートには、アルキル(メタ)アクリレート
(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレートなどのC1ー10アルキル(メタ)アクリ
レートなど)、シクロアルキル(メタ)アクリレート
(例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレートな
ど)、アリール(メタ)アクリレート(例えば、フェニ
ル(メタ)アクリレートなど)、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチ
ル、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど
のヒドロキシ−C2ー4アルキル(メタ)アクリレートな
ど)などが含まれる。
【0016】(メタ)アクリルアミド類には、例えば、
(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリルアミド(例えば、N−メチロール(メタ)アク
リルアミドなどのN−ヒドロキシ−C1ー4アルキル(メ
タ)アクリルアミドなど)、アルコキシアルキル(メ
タ)アクリルアミド(例えば、N−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミドなどのN−C1ー4アルコキシ−C1ー4
アルキル(メタ)アクリルアミドなど)が含まれる。
【0017】好ましい(メタ)アクリル酸系単量体に
は、例えば、(メタ)アクリレート(例えば、C1ー18
ルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ−C2ー4アル
キル(メタ)アクリレート、及びグリシジル(メタ)ア
クリレートなど)、及び(メタ)アクリルアミド類など
が含まれる。さらに好ましくはC2ー10アルキルアクリレ
ート、C1ー6メタクリレート、ヒドロキシ−C2ー3アルキ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、及びジC1ー3アルキルアミノ−C2ー3アルキル(メ
タ)アクリレートが含まれる。また、エポキシ樹脂の代
わりに、ウレタン樹脂や酢酸ビニル樹脂などの高分子樹
脂を用いることも可能である。
【0018】加水分解性シリル基を有する単量体には、
(メタ)アクリル酸系単量体、及びビニル基やアルケニ
ル基を有する単量体などが含まれる。加水分解性シリル
基を有する(メタ)アクリル酸系単量体としては、例え
ば、2−(メタ)アクリロキシエチルトリクロロシラ
ン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラ
ン、2−(メタ)アクリロキシエチルメチルジクロロシ
ラン、2−(メタ)アクリロキシエチルジメチルクロロ
シラン、及び2−(メタ)アクリロキシエチルトリメト
キシシランなどが例示できる。
【0019】加水分解性シリル基とビニル基やアルケニ
ル基を有する単量体としては、例えば、ビニルトリクロ
ロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、イソプロペニ
ルトリクロロシラン、イソプロペニルジメチルクロロシ
ランなど;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジ
エトキシメチルシラン、イソプロペニルトリメトキシシ
ラン、イソプロペニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
ス(2−メトキシエトキシ)シランなど;アリルトリク
ロロシラン、アリルメチルジクロロシランなど;アリル
トリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラ
ン、イソプロペニルフェニルトリメトキシシランなど;
3−「2−(アリルオキシカルボニル)フェニルカルボ
ニルオキシ」プロピルトリメトキシシラン、3−「2−
(イソプロペニルメチルオキシカルボニル)フェニルカ
ルボニルオキシ」プロピルトリメトキシシランなど;3
−(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラ
ン、3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリエトキ
シシランなど;3−「2−(N−ビニルフェニルメチル
アミノ)エチルアミノ」プロピルトリメトキシシラン、
3−「2−(N−イソプロペニルフェニルメチルアミ
ノ)エチルアミノ」プロピルトリエトキシシランなどが
例示できる。
【0020】不飽和カルボン酸には、例えば、不飽和モ
ノカルボン酸(例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン
酸などのエチレン系不飽和モノカルボン酸など)、不飽
和多価カルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸など
のエチレン系不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物若
しくはエステル類(例えば、マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸モノブチルなどの2価カルボン酸のモノアルキ
ルエステルなど)など)が含まれる。好ましい不飽和カ
ルボン酸には、例えば、(メタ)アクリル酸などのモノ
カルボン酸、マレイン酸などの多価カルボン酸又はその
酸無水物若しくはエステル類などが含まれる。
【0021】芳香族ビニル類には、例えば、スチレン、
αーメチルスチレン、ビニルトルエンなどが含まれ、ス
チレンを用いる場合が多い。ビニルエステル類には、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが含まれる。ハロゲ
ン含有ビニル類には、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリ
デンなどが含まれる。
【0022】また、高分子エマルジョン中のエポキシ化
合物(2)と重合性不飽和単量体(1)との割合は、例
えば、前者/後者=0.5/99.5〜70/30(重
量%)の範囲から選択できる。好ましい割合は、例え
ば、前者/後者=0.5/99.5〜40/60(重量
%)、さらに好ましくは、前者/後者=1/99〜15
/85(重量%)である。
【0023】エポキシ化合物を用いた水性高分子エマル
ジョンの場合は、マトリックスとしての高分子重合体と
共にエポキシ化合物(2)の液滴が粒子状に分散してい
るものと思われる。
【0024】本発明に用いる水性高分子エマルジョンの
好ましい調製方法としては、例えば、エポキシ化合物
(2)を添加した系では、重合触媒の存在下、重合性不
飽和化合物(1)を乳化重合する方法などが例示でき
る。
【0025】本発明の第2に用いる無機粒子としては、
ゼオライトや、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコ
ニウム、ハフニウムの酸化物及びハロゲン化物等が挙げ
られる。なかでも、ゼオライトが好ましい。無機粒子の
粒子径としては、5〜100μmが望ましく、特に10
〜50μmが好ましい。無機粒子を繊維の表面及び/又
は繊維間に接着固定化する方法としては、バインダーポ
リマーである水溶性高分子を用いるのが好ましい。水溶
性高分子を用いることにより、得られる分離膜に親水性
を付与し、透過流束の増大が望めるからである。無機粒
子を水溶性高分子で不織布に固定化後、常法により該高
分子を不溶化処理するのが好ましい。
【0026】本発明に用いる水溶性高分子には、例え
ば、天然高分子又はその誘導体(例えば、澱粉、コーン
スターチ、アルギン酸又はそのナトリウム塩、アラビア
ゴム、ゼラチン、カゼイン、及びデキストリンなど)、
セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、カルボキシルメチルセルロース、セルロー
ススルフェート、及びシアノエチルセルロースなど)、
ポリアルキレンオキサイド(ポリエチレンオキサイド、
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体な
ど)、ビニルアルコール系重合体(ポリビニルアルコー
ル、変性ポリビニルアルコールなど)、及びアクリル系
重合体などが例示できる。これらのヒドロキシル基含有
親水性高分子は単独で又は二種以上組み合わせて使用し
てもよい。
【0027】好ましい水溶性高分子には、セルロース誘
導体(特に、ヒドロキシルエチルセルロースなど)、ビニ
ルアルコール系重合体(ポリビニルアルコール、変性ポ
リビニルアルコール)、及びアクリル酸系重合体などが
含まれる。ポリビニルアルコールのケン化度は特に制限
されず、例えば、ケン化度が10〜100%程度の範囲
から選択でき、通常はケン化度が70〜95%程度が好
ましい。変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、
酢酸ビニルと共重合性モノマーとの共重合体(すなわ
ち、酢酸ビニル系共重合体)の完全又は部分ケン化物、
及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコールなどが例
示できる。アセトアセチル変性ポリビニルアルコールの
ケン化度は、通常、60〜95%程度である。アセトア
セチル変性ポリビニルアルコールは、例えば、日本合成
化学工業(株)から入手できる。商品名「OKS−32
0」などが挙げられる。
【0028】前記酢酸ビニル系共重合体を構成する共重
合性モノマーとしては、例えば、オレフィン類又はジエ
ン類(例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエンな
ど)、マレイン酸ジアルキルエステル、(メタ)アクリル
系単量体(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
などのヒドロキシ含有(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リロニトリルなどのシアン化ビニルなど)、アリル系単
量体(例えば、アリルアルコール、アリルイソシアネー
ト、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ含有モノ
マーなど)、スルホン酸基又はその塩を含有するモノマ
ー(例えば、スチレンスルホン酸及びそのナトリウム塩
など)、カルボキシル基又はその塩を含有するモノマー
(例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸
モノアルキルエステルなどのカルボキシル基又はその塩
など)、酸無水物基を含有するモノマー(例えば、無水マ
レイン酸など)、及びビニル系単量体(例えば、ビニルイ
ソシアネート、スチレンなどの芳香族ビニル単量体、ビ
ニルピロリドン、ビニルイミダゾールなどの複素環式ビ
ニルアミン類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテ
ル類、ビニルトリスアルコキシランなどの加水分解性シ
リル基含有モノマー、塩化ビニル、及び塩化ビニリデン
などのハロゲン含有ビニル単量体など)などが挙げられ
る。これらの共重合性モノマーは単独で又は二種以上組
み合わせて使用してもよい。
【0029】好ましい酢酸ビニル系共重合体は、ヒドロ
キシル基とともに親水性基(例えば、カルボキシル基、
スルホン酸基やこれらの塩、エーテル基など)を有して
いる。特にエーテル基(中でもオキシアルキレン単位)を
有するビニルモノマー、例えば、アルキレンオキサイド
の単位(付加モル)数が1〜100、好ましくは2〜80
(例えば、5〜80)、さらに好ましくは5〜70(例
えば、10〜50)程度の(メタ)アクリル酸エステルや
アリルエーテルを共重合性モノマーとする共重合体など
が好ましい。
【0030】オキシアルキレン単位を有するビニルモノ
マーには、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、トリエチ
レングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノ(メタ)アリルエーテル、トリプロピレン
グリコールモノ(メタ)アリルエーテル、及びポリプロピ
レングリコールモノ(メタ)アリルエーテルなどが含まれ
る。
【0031】これらのビニルモノマーは単独で又は二種
以上組み合わせて使用できる。好ましいモノマーには、
オキシアルキレン単位がオキシエチレン単位であるビニ
ル単量体である(メタ)アクリレート、特にポリオキシア
ルキレン(メタ)アリルエーテル(なかでもポリオキシエ
チレンアリルエーテル)が含まれる。
【0032】変性ポリビニルアルコールのうち、酢酸ビ
ニルとポリオキシアルキレン単位を有するビニル単量体
との共重合体のケン化物(例えば、日本合成化学工業
(株)から商品名「OKS−7158G」などとして入手
できる)、及びエポキシ変性ポリビニルアルコールなど
が好ましい。なお、エポキシ変性ポリビニルアルコール
は、(1)酢酸ビニルとエポキシ基を有する単量体(例え
ば、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アク
リレートなど)との共重合体のケン化、(2)エピクロル
ヒドリンなどのエポキシ化剤によるポリビニルアルコー
ルのエポキシ化により得ることができる。エポキシ基を
含有する単量体の使用量(含有量)やエポキシ基の導入量
は、0.01〜5モル%、好ましくは0.1〜3モル%
(例えば、0.2〜2.5モル%)、特に0.2〜2モル
%程度である。
【0033】ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系
単量体を単量体成分とするアクリル系重合体は、ヒドロ
キシル基に加えてカルボキシル基を含有していてもよ
い。ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体と
しては、ヒドロキシC2-6アルキル(メタ)アクリレート
−(メタ)アクリル酸共重合体、ヒドロキシC2-6アルキ
ル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸C1-12アルキ
ルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体「例えば、メタ
クリル酸メチル−ヒドロキシC2-6アルキル(メタ)アク
リレート−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メ
チル−アクリル酸C1-12アルキルエステル−ヒドロキシ
2-6アルキル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリレー
ト共重合体など」、及びスチレン−(メタ)アクリル酸C
1-12アルキルエステル−ヒドロキシC2-6アルキル(メ
タ)アクリレート共重合体などが例示できる。また、カ
ルボキシル基を有するアクリル系重合体は、塩(例え
ば、アンモニウム塩、アミン塩、ナトリウムなどのアル
カリ金属塩)を形成してもよい。アクリル系重合体は、
必要であれば、前記酢酸ビニル系共重合体の項で例示の
共重合性モノマー「例えば、エポキシ基含有(メタ)アク
リレート、シアン化ビニル、アリル系単量体、スルホン
酸基又はその塩を含有するモノマー、酸無水物基を含有
するモノマー、及びビニル系単量体など」の他、アミノ
基含有(メタ)アクリレート、アミド基含有モノマーなど
を共重合させた共重合体であってもよい。
【0034】アクリル系重合体におけるヒドロキシル基
の含有量は、ヒドロキシエチルメタアクリレート換算
で、5〜100重量%、好ましくは5〜75重量%、さ
らに好ましく5〜50重量%程度の範囲から選択でき、
通常、10〜30重量%程度である。アクリル系重合体
におけるカルボキシル基の含有量は、通常、メタアクリ
ル酸換算で、5〜60重量%、好ましくは10〜50重
量%、さらに好ましくは15〜35重量%程度の範囲か
ら選択できる。
【0035】本発明で用いる不織布とは、製編織しない
で作られた布を意味し、ウェブあるいは繊維の塊が接着
されたものと定義される。ウェブあるいは繊維の塊を接
着する方法としては、機械的に接着する方法、接着剤を
使用する方法、自己接着性の繊維で接着する方法等が挙
げられる。
【0036】不織布を構成する繊維の材質としては、
綿、麻、羊毛等の天然繊維、ポリエステル、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メ
タ)アクリル酸エステルや、ビスコースレーヨン、酢酸
セルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体
や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステルアミ
ド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、及
びポリエーテルエステルなどが挙げられる。さらに、こ
れらの共重合体、ブレンド物や架橋物などが挙げられ
る。なかでも、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンやポリカーボネートが好ましく、ポリエステルが
最も好ましい。
【0037】不織布の構造は、特に制限はないが、機械
的接結、圧力加工、熱加工及び接着剤等により、表面が
1〜50μmの孔径を有しているものが好ましい。ま
た、前記不織布の空隙率は30%以上が望ましく、特に
30〜90%が好ましい。ここに、空隙率とは、後述の
試験方法からも分かるように、不織布の表面側(薄膜を
形成する側)から見た孔の部分の面積の総和の、測定す
る全面積に対する比率をいい、不織布の内部の空間部分
を含むものではない。前記不織布に形成される下記薄膜
の膜厚は、特に制限はないが、機械的強度を考慮する
と、10μm以上が好ましい。
【0038】本発明の固液分離膜は、まず、水性高分子
エマルジョンからなる塗布液、あるいは無機粒子及び水
溶性高分子水溶液を含んでいる塗布液を不織布上に塗布
する。次に、塗布された不織布を乾燥し、溶剤を除去
し、不織布の繊維の表面及び/又は繊維間に薄膜を形成
被覆し、あるいは無機粒子を固定化して、不織布分離膜
(以下、単に分離膜ともいう)を得る。塗布液中には、
本発明の特性を損なわない範囲で公知の添加剤、例え
ば、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、熱安定剤、滑剤、
紫外線吸収剤、帯電防止剤、及びアンチブロッキング剤
などを添加してもよい。
【0039】不織布分離膜の空隙率は20%〜80%が
望ましく、好ましくは25%〜75%である。ここに空
隙率を20%〜80%としたのは、20%未満では透水
速度の低下を引き起こし、80%を超えると阻止率が低
下するからである。空隙率の定義としては、不織布の空
隙率と同様である。また、粒子径0.5μmの標準アル
ミナ粒子の阻止率は20%以上が好ましい。ここに、阻
止率を20%以上としたのは、20%未満ではろ過効率
が低すぎ、清澄な処理水を得ることができないからであ
る。また、不織布分離膜の平均孔径は、0.1〜1.0
μmの範囲が望ましく、好ましくは0.1〜0.5μm
である。0.1μm未満では透水速度の低下を引き起こ
し、1.0μmを超えると阻止率が低下するからであ
る。不織布分離膜の空隙率、平均孔径、アルミナ粒子の
阻止率は、水性高分子エマルジョン溶液中の高分子エマ
ルジョン濃度を変えることにより、制御できる。
【0040】前記塗布方法は特に限定されるものではな
く、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコ
ーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコータ
ー、グラビアコーター、及びシルクスクリーンコーター
法など公知の方法を適用することができる。また、不織
布を塗布液に浸漬することにより塗布してもよい。
【0041】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。まず、本発明で用いる水性高分子エ
マルジョンであるアクリルエポキシエマルジョン及びア
クリルシリコンエマルジョンの調製につき説明する。 (1)アクリルエポキシエマルジョン(以下、AE−1
16−6ともいう)の調製 まず、撹拌機、コンデンサー、滴下ロート、温度計を備
えた1リットル反応容器に、脱イオン水360g、界面
活性剤(エマルゲン935、花王(株)製)17g、ブチ
ルアクリレート(以下、BAという)223g、メチル
メタクリレート(以下、MMAという)214g及びビ
スフェノールA型エポキシ樹脂エピコート828(油化
シェルエポキシ(株)製))45gの混合物のうち、20
重量%を仕込み、撹拌しながら70℃に加温した。前記
混合物の残り80重量%及び過硫酸カリウム2.8g
を、2時間かけて反応系に滴下した。さらに、2時間反
応を保持した後、室温に冷却して反応を終了させ、反応
容器内の反応混合物を取り出した。
【0042】次に、撹拌機、コンデンサー、滴下ロー
ト、温度計を備えた1リットル反応容器に、前記反応混
合物(エマルジョン)140g、イオン交換水266g
及び界面活性剤(エマルゲン931、花王(株)製)5g
を仕込み、撹拌しながら70℃に加温した。さらに、B
A26g、スチレン38g、ジエチルアミノエチルメタ
クリレート1.5g及びアクリル酸1gの混合物及び過
硫酸カリウム0.5gを、2時間かけて前記反応系に滴
下した。さらに2時間反応を保持した後、室温に冷却
し、反応容器内の反応混合物(すなわち、高分子エマル
ジョン)を取り出した。前記高分子エマルジョンの性状
は、固形分濃度30重量%、pH4.7、粘度5.8c
ps(30℃において)であった。これにアンモニアを
加え、pH8.0とし、水性高分子エマルジョンである
アクリルエポキシエマルジョン「AEー116ー6」を
得た。
【0043】(2)アクリルシリコンエマルジョン(以
下、ASi−34ともいう)の調製 まず、撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素導入管及
び温度計を備えた2リットルの反応容器に、イソプロピ
ルアルコール(以下、IPAという)219gを入れ、
撹拌しながらアゾビスイソブチロニトリル(以下、AI
BNという)1.23gを加えて溶解し、80℃に加温
した。メチルメタアクリレート92.5g、n−ブチル
アクリレート92.5g、ジエチルアミノエチルメタア
クリレート49.3重量部及び3−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン(A−174、日本ユニカー社
製)12.3gを混合し、滴下ロートを用いて約4時間
かけて反応容器に滴下した。滴下終了後、追加触媒とし
て0.25gのAIBNをIPA25gに溶解して、反
応容器に滴下し、さらに2時間反応を保持した。重合反
応終了後、撹拌を続けながら、酢酸16.0gを反応容
器に加え、水705gを約2時間かけて反応容器に滴下
してエマルジョン化した。エマルジョン化後、ロータリ
ーエバポレータを用いてIPAを蒸発させ、目的とする
水性高分子エマルジョンであるアクリルシリコンエマル
ジョン「ASi−34」を得た。このアクリルシリコン
エマルジョン「ASi−34」の固形分濃度は35重量
%であった。
【0044】次に、分離膜の性能試験の方法につき説明
する。 (1)分離膜(不織布分離膜)の空隙率及び平均孔径 分離膜を100倍又は10000倍で撮影した電子顕微
鏡表面写真の2cm×2cmの面積の3個所を画像処理
装置で処理し、空隙率、及び平均孔径をそれぞれ、算出
した。空隙率は、(孔の全面積/測定面積)×100と
した。また、平均孔径は、各孔を真円として孔径を求め
て平均した。単位は空隙率が%、平均孔径がμmであ
る。なお、不織布のみの空隙率は上記に準じて測定し
た。 (2)純水透過速度 分離膜に、操作圧力0.2kg/cm2のもとで、脱イオ
ン水の透過速度を測定し、単位操作圧力、単位時間、単
位膜面積あたりに透過する水の量を純水透過速度と定義
し、分離膜の純水における透水量の指標とした。単位は
リットル/(m2・h・Kg/cm2)である。 (3)透水速度 分離膜を用いて、ろ過実験を行なった際のろ過量を測定
し、単位時間、単位膜面積あたりの透過液量を透水速度
と定義し、分離膜の透過液の透水量の指標とした。単位
はリットル/(m2・h)である。 (4)阻止率 分離膜を用いて、ろ過実験を行なった際の粒子径0.5
μmの標準アルミナ粒子(和光純薬工業社製)の供給液
懸濁濃度Cb及び同透過液濃度Cpから、アルミナ粒子
の排除率RをR=1−Cp/Cbにて定義し、膜分離性
能の指標とした。
【0045】実施例1 まず、空隙率65%、厚さ0.2mm、目付量180g
/m2、通気度2.0cm/秒の不織布MF−180K
(日本バイリーン(株)製)上に、前記アクリルシリコン
エマルジョン(ASi−34)溶液をコータバーを用い
て塗布し、100℃にて3分間乾燥し、溶剤を除去処理
をして、不織布の25重量%のポリマーが付着した不織
布分離膜(以下、分離膜という)を得た。得られた分離
膜を前記性能試験法により測定した。分離膜の空隙率は
30%で、平均孔径は0.8μmで、純水透過速度は2
240リットル/(m2・h・Kg/cm2)であった。
次に、この分離膜を用いて、操作圧力0.2kg/c
2、攪拌速度500rpmのもとで、100mg/リ
ットルの標準アルミナ粒子(粒子径0.5μm、和光純
薬工業社製)懸濁液を供給液として、限外ろ過装置(容
量200ml、有効膜面積28cm2、Amicon社
製)を用いて、アルミナ粒子懸濁液のろ過実験を行なっ
た。
【0046】前記ろ過試験において、アルミナ粒子懸濁
液の分離膜を透過する透過液の透水量を測定して、透水
速度を定めた。また、アルミナ粒子懸濁液の供給液濃度
Cbと透過液濃度Cpは、分光光度計((株)日立製作所
製、分光光度計U−3300)を用い、波長400nm
での光線透過率を測定して決定した。そして、この供給
液濃度Cbと透過液濃度Cpを用いて前記阻止率を計算
し膜分離性能を定めた。分離膜の空隙率、平均孔径、純
水透過速度、透水速度及びアルミナ粒子の阻止率を表1
に示す。この分離膜は、不織布上にアクリルシリコンエ
マルジョンが塗布乾燥され、樹脂組成物からなる薄膜
が、機械的な強度が強い不織布の表面及び内部の繊維と
一体的に形成されているので、機械的強度に優れてい
る。また、透水速度は十分であり、阻止率も良好であ
る。また、不織布のフアウリングもなく、長期間運転し
ても安定していた。
【0047】実施例2 まず、空隙率74%、厚さ1.5mmの不織布FT05
07F(日本バイリーン(株)製)上に、実施例1で用い
たエマルジョン溶液を実施例1と同様の方法にて塗布、
乾燥処理をして、分離膜(不織布分離膜)を得た。得ら
れた分離膜は、実施例1と同様の性能試験の結果、空隙
率が32%で、平均孔径が0.7μmで、純水透過速度
が4750リットル/(m2・h・Kg/cm2)であっ
た。次いで、この分離膜を用いて、実施例1と同様の方
法にて、100mg/リットルのアルミナ粒子懸濁液の
ろ過実験を行ない、透水速度及び阻止率を測定した。結
果を表1に示す。この不織布を用いた分離膜は、実施例
1のものより優れた膜分離性能を有しており、不織布の
フアウリングもなく、長期間運転しても安定していた。
【0048】実施例3 まず、実施例1で用いた不織布と同じ不織布MF−18
0K上に、アクリルエポキシエマルジョン(AE−11
6−6)水溶液を実施例1と同様の方法にて塗布し、乾
燥処理し、分離膜を得た。得られた分離膜は、前記性能
試験の結果、空隙率が55%で、平均孔径が0.2μm
で、純水透過速度が458リットル/(m2・h・Kg
/cm2)であった。次いで、この分離膜を用いて、実
施例1と同様の方法にて、100mg/リットルのアル
ミナ粒子懸濁液のろ過実験を行ない、透水速度及び阻止
率を測定した。結果を表1に示す。この分離膜は、実施
例1のものに対して、透水速度は低いが、阻止率は極め
て大きかった。また、同様な作用効果を得ることができ
た。
【0049】実施例4 まず、実施例1で用いたものと同じアクリルシリコンエ
マルジョン溶液に10wt%のポリビニルアルコールO
KS7158G(日本合成化学工業(株)製)水溶液を
1:1(重量比)の割合で混合した液(以下、ASi−
34/PVAという)を調製し、実施例1で用いた不織
布と同じ不織布(MF−180K)上に、実施例1と同
様の方法にて塗布し、乾燥処理し、分離膜(不織布分離
膜)を得た。得られた分離膜は、前記性能試験の結果、
空隙率が73%で、平均孔径が0.5μmで、純水透過
速度が4250リットル/(m2・h・Kg/cm2)で
あった。次いで、この分離膜を用いて、実施例1と同様
の方法にて、100mg/リットルのアルミナ粒子懸濁
液のろ過実験を行ない、透水速度及び阻止率を測定し
た。結果を表1に示す。この分離膜は、薄膜が機械的に
強い不織布上に塗布形成されいるので、機械的強度に優
れ、また、透水速度及び阻止率がとともに、高い数値を
得ることができ、高い膜分離性能を有していることが解
る。
【0050】実施例5 まず、バインダーポリマーである10wt%のポリビニ
ルアルコールOKS7158G(日本合成化学工業
(株)製)水溶液の100重量部に、無機粒子であるゼ
オライトA−4粒子(和光純薬工業製、200メッシ
ュ)を25重量部添加した溶液を、空隙率82%、厚さ
1.4mm、目付量850g/m2、通気度2.0cm
/秒のフェルト不織布に塗布し、120℃にて60分間
乾燥して、ゼオライト粒子が、不織布の繊維の表面及び
/又は繊維間に固定化した分離膜を得た。得られた分離
膜は、前記性能試験を実施した結果、空隙率が20%
で、平均孔径は0.4μmで、純水透過速度が8720
リットル/(m2・h・Kg/cm2)であった。次い
で、この分離膜を用いて、実施例1と同様の方法にて、
500mg/リットルのアルミナ粒子懸濁液のろ過実験
を行ない、透水速度及び阻止率を測定した。結果を表1
に示す。この分離膜は、薄膜が強度的に強い不織布上に
塗布形成されいるので、機械的強度に優れ、また、透水
速度及び阻止率がとともに、高い数値を得、優れた膜分
離性能を得ることができた。また、不織布のフアウリン
グもなく、長期間運転しても安定していた。
【0051】比較例1 実施例1と同じ不織布MF−180Kのみを用いて、実
施例1と同様の方法にて、100mg/リットルのアル
ミナ粒子懸濁液のろ過実験を行なった。そして、実施例
1と同様に透水速度及び阻止率を測定した。透水速度及
びアルミナ粒子の阻止率を表1に示す。阻止率は零であ
り、不織布のみでは濾過能力はない。
【0052】比較例2 実施例2と同じ不織布FT0507Fのみを用いて、実
施例1と同様の方法にて、100mg/リットルのアル
ミナ粒子懸濁液のろ過実験を行なった。そして、実施例
1と同様に透水速度及び阻止率を測定した。透水速度及
びアルミナ粒子の阻止率を表1に示す。阻止率は僅かで
あり、不織布のみでは濾過能力はない。
【0053】実施例1〜5及び比較例1及び2から、機
械的強度の高い不織布の表面上及び/又は内部を、水性
高分子エマルジョン又は、無機粒子及び水溶性高分子等
の特定の親水性化合物からなる塗布液を用いて、樹脂組
成物の薄膜で被覆し、かつ、特定の空隙率及び微粒子の
阻止率を規定することにより、高い透水速度を維持する
ようにするとともに、高度に微粒子を分離阻止でき、か
つ、透水速度の低下を抑制でき、さらに、機械的強度に
も優れ、長期運転に際しても、安定したろ過性能を有す
る分離膜を得ることができることがわかる。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、不織布の表面上及び/又は内部に、水性高分子エマ
ルジョンを又は、無機粒子及び水溶性高分子を含む塗布
液を塗布乾燥して、樹脂組成物の薄膜で被覆し、かつ、
空隙率が20〜80%、粒子径が0.5μmのアルミナ
粒子の阻止率を20%以上とすることにより、粒子径
1.0μm以下の微粒子からなる水溶液のろ過におい
て、高い透水速度を維持するようにするとともに、高度
に微粒子を分離阻止でき、かつ、ファウリングによる透
水速度の低下を抑制でき、さらに、機械的強度にも優
れ、長期運転に際しても、安定したろ過性能を有する分
離膜を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 KE05R MA03 MA04 MA06 MA22 MA24 MA31 MB02 MB18 MC03X MC16 MC24 MC33 MC34 MC36 MC37 MC37X MC45 MC65X NA46 PB08 PB13 PB70 4D019 AA03 BA13 BA18 BB05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不織布を水性高分子エマルジョンで塗布
    処理した不織布分離膜からなり、該不織布分離膜の空隙
    率が20〜80%、粒子径が0.5μmのアルミナ粒子
    の阻止率が20%以上であることを特徴とする固液分離
    膜。
  2. 【請求項2】 不織布の繊維の表面及び/又は繊維間
    に、無機粒子がバインダーポリマーにより固定化された
    不織布分離膜からなり、該不織布分離膜の空隙率が20
    〜80%、粒子径が0.5μmのアルミナ粒子の阻止率
    が20%以上であることを特徴とする固液分離膜。
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