JP2006247585A - 抗菌性皮膜の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 キトサンを含有し、かつ、キトサンが脱落しにくい皮膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】 ケン化度80モル%以上のポリビニルアルコールとキトサンとグリオキザールとを混合してキトサン水溶液を調整する。このキトサン水溶液は、ポリビニルアルコールの水酸基1モルに対して、キトサンのアミノ基が2〜30モルとなるように、キトサンが配合されている。また、ポリビニルアルコールの水酸基1モルに対して、グリオキザールのアルデヒド基が0.02〜2モルとなるように、グリオキザールが配合されている。このキトサン水溶液を、ポリエステル製の担体に塗布する。塗布後、乾燥して、ポリビニルアルコール及びキトサンをグリオキザールにて架橋する。この架橋と共に、水分が蒸発して皮膜が形成される。この皮膜は抗菌性に優れたものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、抗菌性皮膜の形成方法に関し、特に、不織布製濾過材本体の構成繊維表面に抗菌性皮膜を形成する方法に関するものである。また、この方法により得られた抗菌性不織布製濾過材等の抗菌性物品に関するものである。
従来より、編織物製又は不織布製濾過材に抗菌性を付与する方法としては、編織物や不織布の構成繊維中に抗菌剤を練り込む方法が知られている。また、編織物や不織布に、抗菌剤を含有する樹脂溶液を塗布し、編織物等の構成繊維表面に、抗菌剤を含有する皮膜を形成する方法も知られている。そして、抗菌剤としては、銀や亜鉛等の各種無機系抗菌剤、パラオキシ安息香酸エチルやキトサン等の各種有機系抗菌剤が使用されている。
これらの抗菌剤のうち、特に天然のカニ殻やエビ殻を原料とするキトサンは、人体や環境に対して安全であり、また優れた耐熱性を有しているため、好ましいものである。キトサンを用いた抗菌性濾過材を得る方法としては、ポリウレタン樹脂,ポリエステル樹脂又はポリアクリル酸樹脂等の樹脂水溶液又は樹脂エマルジョンと、キトサン水溶液とを混合した溶液を、編織物や不織布に塗布し、編織物等の構成繊維表面にキトサンを含有する皮膜を形成する方法が知られている(特許文献1、段落番号0021及び0024)。
しかしながら、特許文献1記載の方法では、樹脂に対してキトサンを多く配合することができないということがあった。具体的には、キトサンの質量を樹脂の質量よりも多く配合することができず、抗菌性を高められないという憾みがあった。すなわち、キトサンを樹脂の量より多く配合すると、濾過材の使用中にキトサンが脱落し、抗菌性が低下するのである(特許文献1、段落番号0023)。
そこで、本発明者等は、樹脂にキトサンを多量に配合しても、樹脂皮膜からキトサンが脱落しにくいものを開発すべく、鋭意研究を行った。そして、キトサンを脱落しにくくするには、樹脂とキトサンを化学結合により結合させればよいと考えた。しかしながら、一般的に、キトサンと樹脂を化学結合させると、キトサンの抗菌性が低下することが懸念される。すなわち、キトサンの活性基は、ポリグルコンサン中のアミノ基(NH2基)であり、樹脂と化学結合させると、このアミノ基が樹脂と反応する。そして、このアミノ基は抗菌性を発揮する活性基でもあるので、抗菌性が低下すると考えられるのである。
しかしながら、キトサンは、グルコンサンを構成単位とし、それが百〜十万程度、重合したものである。したがって、キトサンと樹脂とを結合させても、キトサンを多量に使用すれば、一部のアミノ基が化学結合するだけであり、残ったアミノ基が抗菌性に寄与すると、本発明者等は考えた。そして、現実に実験を重ねた結果、特定の架橋剤を介して、キトサンとポリビニルアルコール樹脂とを結合させれば、キトサンは十分な抗菌性を発揮することが判明した。本発明は、このような知見に基づいて、なされたものである。
すなわち、本発明は、ケン化度80モル%以上のポリビニルアルコールとキトサンとグリオキザールとを混合してなり、該キトサン及び該グリオキザールの量は、該ポリビニルアルコールの水酸基1モルに対して、該キトサンのアミノ基が2〜30モルとなる量で、該グリオキザールのアルデヒド基が0.02〜2モルとなる量であるキトサン水溶液を、担体に塗布した後、乾燥して、該ポリビニルアルコール及び該キトサンを該グリオキザールにて架橋すると共に皮膜を形成せしめることを特徴とする抗菌性皮膜の形成方法に関するものである。
まず、本発明においては、ケン化度80モル%以上、好ましくはケン化度85モル% 以上のポリビニルアルコールを準備する。ケン化度が80モル%未満であると、ポリビニルアルコールの耐水性が低下すると共に、皮膜強度も低下する傾向が生じる。さらに、ケン化度が低いと、ポリビニルアルコールの水酸基(OH基)のモル数が相対的に低下し、グリオキザールと反応しにくくなる。ポリビニルアルコールの重合度は、一般的に、500〜2000程度のものが好ましい。
また、キトサンを準備する。キトサンは、カニ殻やエビ殻から得られたキチンを、脱アセチル化して得られるものである。具体的には、グルコンサンを構成単位とし、これを百〜十万程度、重合してなるものである。グルコンサンには、アミノ基が結合しており、これがグリオキザールと反応し、グリオキザールを介してポリビニルアルコールと結合する。また、このアミノ基は抗菌活性を有するものであり、抗菌性の発揮に寄与するものである。なお、キチンの脱アセチル化は80モル%以上の程度で行われ、キトサンは、アミノ基を持つグルコンサンのみからなる場合は少なく、一部アセチル基を持つN−アセチルグルコンサンを含んでいる場合が多い。
さらに、グリオキザールを準備する。グリオキザールは、O=CH−CH=Oの化学構造式を持つものであり、ポリビニルアルコールの水酸基(OH基)及びキトサンのアミノ基(NH2基)と反応するものである。すなわち、ポリビニルアルコールとキトサンの架橋剤として機能するものである。
本発明においては、ポリビニルアルコールとキトサンとグリオキザールを混合する。この際、混合比は、ポリビニルアルコールの水酸基1モルに対して、キトサンのアミノ基が2〜30モルで、グリオキザールのアルデヒド基(CHO基)が0.02〜2モルである。キトサンの混合量がこの範囲より少なくなると、グリオキザールと反応せずに残存するグルコンサン中のアミノ基が少なくなり、抗菌性が低下するので、好ましくない。また、キトサンがこの範囲より多いと、ポリビニルアルコールと結合しないキトサンが大量に生じて、これらが脱落し、抗菌性の向上が飽和状態となるので、合理的ではない。グリオキザールがこの範囲より少ないと、ポリビニルアルコールとキトサンを結合する架橋剤が少なくなり、両者の結合が不十分となる。したがって、キトサンが脱落しやすくなるので、好ましくない。また、グリオキザールがこの範囲より多いと、グリオキザールと反応せずに残存するグルコンサン中のアミノ基が少なくなり、抗菌性が低下するので、好ましくない。
ポリビニルアルコールとキトサンとグリオキザールは、水中に溶解され、キトサン水溶液として調整される。ポリビニルアルコールとグリオキザールは、水溶性であるので、容易に水に溶解する。一方、キトサンは、水に溶解しにくいが、酢酸、乳酸、蟻酸、塩酸、リンゴ酸又はアジピン酸等の稀酸に溶解する。したがって、水に稀酸を適量溶解させ、稀酸水としておけば、キトサンも容易に水に溶解する。キトサン水溶液のキトサン濃度は任意であるが、固形分で1〜10質量%程度でよい。
そして、このキトサン水溶液を、担体に塗布する。塗布方法としては、ロールコート法、バーコート法、スプレー法又は浸漬法等の従来公知の方法を採用できる。担体としては、抗菌性が要求されるものであれば、どのようなものでも用いうる。たとえば、濾過材本体として用いられる編織物、不織布、ネット又は紙等が用いられる。このような濾過材本体を担体として使用するときは、キトサン水溶液を塗布すると、その構成繊維表面にキトサン水溶液が付着し、構成繊維表面で皮膜を形成することになる。また、アルミニウム等の金属からなる金属製品、プラスチック製品又はガラス製品等、抗菌性が要求される製品であれば、担体として使用することができる。
担体の素材としては、ポリエステルを用いるのが好ましい。具体的には、ポリエステル繊維製の濾過材本体や、ポリエステル製のプラスチック容器等を用いるのが好ましい。この理由は、ポリエステルは、金属やガラス又はポリオレフィン等に比べて、ポリビニルアルコールとの親和性が良好だからである。すなわち、担体としてポリエステルを使用すると、ポリビニルアルコールは、その親和性のため、担体側に移行し、担体との接着力が高くなるのである。そして、さらに予期せぬことに、皮膜の表面にはキトサンが多く存在し、皮膜の担体側にはポリビニルアルコールが多く存在する結果が得られる。このため、菌が付着し繁殖しやすい皮膜表面において抗菌性が良好となるのである。たとえば、濾過材本体としてポリエステル繊維を構成繊維とする編織物や不織布等を用いると、構成繊維表面に皮膜が形成されると共に、その皮膜表面には多量のキトサンが存在する。この結果、濾過流体中に菌が存在していても、濾過材本体中の構成繊維表面に付着する菌は、キトサンの抗菌性のため、その繁殖を防止しうるのである。
キトサン水溶液を担体に塗布した後、乾燥する。乾燥条件は、室温で放置して乾燥してもよいし、40〜80℃程度の温度で数分〜数十分程度の時間で乾燥してもよい。最も好ましいのは、50℃程度で10分程度の時間で乾燥するのがよい。この乾燥時に、グリオキザールは、キトサン及びポリビニルアルコールと反応し、両者間を架橋する。すなわち、グリオキザールの一方のアルデヒド基がキトサンのアミノ基と反応し、さらに他方のアルデヒド基がポリビニルアルコールの水酸基と反応し、キトサンとポリビニルアルコールとがグリオキザールで架橋されるのである。そして、架橋される共に、乾燥によって水分が蒸発するので、キトサンとポリビニルアルコールとの高分子物質が、皮膜を形成する。この架橋によって、水溶性であったポリビニルアルコール及びグリオキザールは不溶化され、耐水性に優れた皮膜となる。
この皮膜形成時において、上記したように担体がポリエステル製の場合、ポリビニルアルコールは担体側に移行する。キトサンは、そのアミノ基がグリオキザールの一つのアルデヒド基と結合しているが、ポリビニルアルコールの水酸基とは反応していない。このため、ポリビニルアルコールは担体側に移行する。乾燥して水分が減少すると共に、グリオキザールのもう一つのアルデヒド基がポリ日にアルコールの水酸基と反応し、高分子鎖の一部として取り込まれ固定される。したがって、相対的に架橋されていないフリーの状態のキトサン鎖は、被覆表面側に移行することになる。このようにして、相対的に、皮膜表面に多量のキトサンが存在し、担体側に多量のポリビニルアルコールが存在する皮膜が形成されるのである。
以上のようにして得られた皮膜は、ポリビニルアルコールに化学結合したキトサンを含有している。キトサンは、ポリビニルアルコールに比べて多量に用いられるので、一部のアミノ基が化学結合しているだけで、その他は抗菌活性を有するアミノ基の状態のまま残存している。また、ポリビニルアルコールは架橋されているので、耐水性に優れたものとなっている。したがって、各種の担体に、この皮膜が形成された物品は、抗菌性に優れていると共に耐水性にも優れているという効果を奏する。
また、担体としてポリエステル製のものを採用すると、皮膜中のポリビニルアルコールは、担体側に移行し、担体との接着性が向上するという効果を奏する。さらに、ポリビニルアルコールが担体側に移行するので、相対的に、皮膜表面に多量のキトサンが存在することになり、皮膜表面の抗菌性もより顕著に向上するという効果を奏する。
さらに、担体として濾過材本体を使用して、本発明を適用すれば、抗菌性に優れた濾過材を得ることができる。この濾過材をエアーコンディショナー等に用いれば、濾過材に菌が繁殖しにくく、流体の通過によって、菌が各所に飛び散るのを防止しうるという効果を奏する。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、比較的多量のキトサンと、ポリビニルアルコールと、グリオキザールとよりなるキトサン水溶液を用いて皮膜を形成すれば、キトサンの抗菌活性を損なうことなく、キトサンとポリビニルアルコールとを化学結合でき、抗菌性キトサンが脱落しにくい皮膜が得られるとの知見を基づくものとして、解釈されるべきである。
実施例1
まず、以下の組成のキトサン水溶液(キトサン濃度は2.5質量%)を準備した。
[キトサン水溶液]
キトサン(甲陽ケミカル社製「FL−80」)*1 14.5重量部
ポリビニルアルコール(クラレ社製「PVA205」)*2 1重量部
グリオキザール 0.13重量部
乳酸 適量
水 (キトサンの濃度が2.5質量%となるまでの量)残部
*1:甲陽ケミカル社製「FL−80」は、平均分子量が約7万程度のキトサンである。 また、このキトサンは脱アセチル化度が80%以上である。粘度は、20℃で1% 水溶液にして、5mPa・sである。
*2:クラレ社製「PVA205」は、ケン化度が約87〜89モル%である。重合度は 500であるから、平均分子量は約2万程度である。また、粘度は、20℃で4% 水溶液にして、約5.5mPa・sである。
なお、キトサンは、ポリビニルアルコールの水酸基1モルに対して、キトサンのアミノ基が4モルとなるように配合されている。また、グリオキザールは、ポリビニルアルコールの水酸基1モルに対して、グリオキザールのアルデヒド基が0.1モルとなるように配合されている。
まず、以下の組成のキトサン水溶液(キトサン濃度は2.5質量%)を準備した。
[キトサン水溶液]
キトサン(甲陽ケミカル社製「FL−80」)*1 14.5重量部
ポリビニルアルコール(クラレ社製「PVA205」)*2 1重量部
グリオキザール 0.13重量部
乳酸 適量
水 (キトサンの濃度が2.5質量%となるまでの量)残部
*1:甲陽ケミカル社製「FL−80」は、平均分子量が約7万程度のキトサンである。 また、このキトサンは脱アセチル化度が80%以上である。粘度は、20℃で1% 水溶液にして、5mPa・sである。
*2:クラレ社製「PVA205」は、ケン化度が約87〜89モル%である。重合度は 500であるから、平均分子量は約2万程度である。また、粘度は、20℃で4% 水溶液にして、約5.5mPa・sである。
なお、キトサンは、ポリビニルアルコールの水酸基1モルに対して、キトサンのアミノ基が4モルとなるように配合されている。また、グリオキザールは、ポリビニルアルコールの水酸基1モルに対して、グリオキザールのアルデヒド基が0.1モルとなるように配合されている。
一方、担体として、次の二層構造不織布を準備した。すなわち、目付70g/ m2のポリエステルスパンボンド不織布と、目付30g/ m2のポリプロピレンメルトブロー不織布を積層し、部分的に超音波融着して、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布とを一体化した二層構造不織布である。この二層構造不織布は、濾過材本体として汎用されているものである。
上記キトサン水溶液に上記二層構造不織布を浸漬した後、絞って、二層構造不織布の質量と同量のキトサン水溶液を浸漬塗布した。この後、50℃の温度で10分間乾燥することにより、スパンボンド不織布を構成しているポリエステル長繊維表面及びメルトブロー不織布を構成しているポリプロピレン極細繊維表面に、皮膜を形成した。以上のようにして得られた不織布製品の抗菌性試験を、以下の方法で行った。
[抗菌性試験]
JIS L−19022002繊維製品の定量試験方法に準拠して行った。なお、全ての試料において、菌液接種時に活性剤Tween80を使用した。
供試細菌は次の2種とした。一つは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC 12732)で、他の一つは大腸菌(Escherichia coli NBRC 3301)である。
また、判定は、生菌活性値が2.2以上で抗菌効果ありと判定した。なお、この試験は増殖値が1.5以上で成立するものとした。
[抗菌性試験]
JIS L−19022002繊維製品の定量試験方法に準拠して行った。なお、全ての試料において、菌液接種時に活性剤Tween80を使用した。
供試細菌は次の2種とした。一つは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC 12732)で、他の一つは大腸菌(Escherichia coli NBRC 3301)である。
また、判定は、生菌活性値が2.2以上で抗菌効果ありと判定した。なお、この試験は増殖値が1.5以上で成立するものとした。
[黄色ブドウ球菌についての抗菌性試験]
黄色ブドウ球菌について、まず、皮膜形成されていない上記二層構造不織布を標準布として、菌をスパンボンド不織布面に接種した。菌の接種数をN1=4.8×104個/ml、N2 =5.8×104個/mlとした。そして、これを恒湿恒温室で18時間放置しておいた後の菌数は、N1=3.4×107個/ml、N2=3.8×107個/mlとなった。N1及びN2の平均菌数を計算すると、接種数が5.3×104個/mlで、18時間放置後の菌数が3.6×107個/mlとなる。増殖値は、log[(3.6×107)/(5.3×104)]=2.8となるので、この二層構造不織布についての黄色ブドウ球菌の抗菌性試験は成立する。
黄色ブドウ球菌について、まず、皮膜形成されていない上記二層構造不織布を標準布として、菌をスパンボンド不織布面に接種した。菌の接種数をN1=4.8×104個/ml、N2 =5.8×104個/mlとした。そして、これを恒湿恒温室で18時間放置しておいた後の菌数は、N1=3.4×107個/ml、N2=3.8×107個/mlとなった。N1及びN2の平均菌数を計算すると、接種数が5.3×104個/mlで、18時間放置後の菌数が3.6×107個/mlとなる。増殖値は、log[(3.6×107)/(5.3×104)]=2.8となるので、この二層構造不織布についての黄色ブドウ球菌の抗菌性試験は成立する。
次に、実施例1に係る方法で皮膜形成した不織布製品のスパンボンド不織布面に、各々、N1=4.8×104個/ml、N2=5.8×104個/mlの菌数を接種して、二つの試料を用意した。これを恒湿恒温室で18時間放置しておいた後、菌数を測定したところ、N1=6.0×104個/mlとなり、N2=2.2×105個/mlとなった。18時間放置後の菌数について、N1及びN2の平均菌数を計算すると、1.4×105個/mlとなる。したがって、静菌活性値は、log[(3.6×107)/(1.4×105)]=2.4となる。よって、静菌活性値の値が2.2以上となるので、実施例1に係る方法で得られた不織布製品は、黄色ブドウ球菌に対して抗菌性の効果ありと判定された。
[大腸菌についての抗菌性試験]
大腸菌についても、黄色ブドウ球菌と同様にして、増殖値を計算した。すなわち、菌の接種数をN1=3.0×104個/ml、N2=3.8×104個/mlとした。そして、これを恒湿恒温室で18時間放置しておいた後の菌数は、N1=5.0×107個/ml、N2=5.4×107個/mlとなった。N1及びN2の平均菌数を計算すると、接種数が3.4×104個/mlで、18時間放置後の菌数が5.2×107個/mlとなる。増殖値は、log[(5.2×107)/(3.4×104)]=3.2となるので、この二層構造不織布についての大腸菌の抗菌性試験は成立する。
大腸菌についても、黄色ブドウ球菌と同様にして、増殖値を計算した。すなわち、菌の接種数をN1=3.0×104個/ml、N2=3.8×104個/mlとした。そして、これを恒湿恒温室で18時間放置しておいた後の菌数は、N1=5.0×107個/ml、N2=5.4×107個/mlとなった。N1及びN2の平均菌数を計算すると、接種数が3.4×104個/mlで、18時間放置後の菌数が5.2×107個/mlとなる。増殖値は、log[(5.2×107)/(3.4×104)]=3.2となるので、この二層構造不織布についての大腸菌の抗菌性試験は成立する。
次に、実施例1に係る方法で皮膜形成した不織布製品のスパンボンド不織布面に、各々、N1=3.0×102個/ml、N2=3.8×104個/mlの菌数を接種して、二つの試料を用意した。これを恒湿恒温室で18時間放置しておいた後、菌数を測定したところ、N1=2.6×105個/mlとなり、N2=3.8×105個/mlとなった。18時間放置の菌数について、N1及びN2の平均菌数を計算すると、3.2×105個/mlとなる。したがって、静菌活性値は、log[(5.2×107)/(3.2×105)]=2.2となる。よって、静菌活性値の値が2.2以上となるので、実施例1に係る方法で得られた不織布製品は、大腸菌に対して抗菌性の効果ありと判定された。
参考例A
まず、以下の組成のキトサン水溶液(キトサン濃度は2.5質量%)を準備した。
[キトサン水溶液]
キトサン(甲陽ケミカル社製「FL−80」)*1 14.5重量部
ポリビニルアルコール(クラレ社製「PVA205」)*2 1重量部
乳酸 適量
水 (キトサンの濃度が2.5質量%となるまでの量)残部
これをポリエステル容器(PET容器)上に、コーティングによって塗布し、室温で乾燥させて、厚さ3μmの皮膜を得た。
まず、以下の組成のキトサン水溶液(キトサン濃度は2.5質量%)を準備した。
[キトサン水溶液]
キトサン(甲陽ケミカル社製「FL−80」)*1 14.5重量部
ポリビニルアルコール(クラレ社製「PVA205」)*2 1重量部
乳酸 適量
水 (キトサンの濃度が2.5質量%となるまでの量)残部
これをポリエステル容器(PET容器)上に、コーティングによって塗布し、室温で乾燥させて、厚さ3μmの皮膜を得た。
実施例A1
参考例Aで使用したキトサン水溶液中に、グリオキザールをポリビニルアルコール1モル部に対して、0.1モル部添加したキトサン水溶液を使用する他は、参考例Aと同様にして、PET容器上に厚さ3μmの皮膜を得た。
参考例Aで使用したキトサン水溶液中に、グリオキザールをポリビニルアルコール1モル部に対して、0.1モル部添加したキトサン水溶液を使用する他は、参考例Aと同様にして、PET容器上に厚さ3μmの皮膜を得た。
実施例A2
参考例Aで使用したキトサン水溶液中に、グリオキザールをポリビニルアルコール1モル部に対して、0.2モル部添加したキトサン水溶液を使用する他は、参考例Aと同様にして、PET容器上に厚さ3μmの皮膜を得た。
参考例Aで使用したキトサン水溶液中に、グリオキザールをポリビニルアルコール1モル部に対して、0.2モル部添加したキトサン水溶液を使用する他は、参考例Aと同様にして、PET容器上に厚さ3μmの皮膜を得た。
実施例A3
参考例Aで使用したキトサン水溶液中に、グリオキザールをポリビニルアルコール1モル部に対して、0.4モル部添加したキトサン水溶液を使用する他は、参考例Aと同様にして、PET容器上に厚さ3μmの皮膜を得た。
参考例Aで使用したキトサン水溶液中に、グリオキザールをポリビニルアルコール1モル部に対して、0.4モル部添加したキトサン水溶液を使用する他は、参考例Aと同様にして、PET容器上に厚さ3μmの皮膜を得た。
実施例A4
参考例Aで使用したキトサン水溶液中に、グリオキザールをポリビニルアルコール1モル部に対して、0.8モル部添加したキトサン水溶液を使用する他は、参考例Aと同様にして、PET容器上に厚さ3μmの皮膜を得た。
参考例Aで使用したキトサン水溶液中に、グリオキザールをポリビニルアルコール1モル部に対して、0.8モル部添加したキトサン水溶液を使用する他は、参考例Aと同様にして、PET容器上に厚さ3μmの皮膜を得た。
参考例A及び実施例A1〜A4に係る方法で得られた皮膜を、PET容器から剥離した。そして、温度25℃で相対湿度50%RHの条件下で、24時間放置した後、皮膜の表面と、皮膜のPET容器側(担体側)表面の表面電気抵抗値(Ω)を測定した。表面電気抵抗値(Ω)は、高抵抗率計Hiresta−UPを用いて、表面の10ケ所を測定し、その平均値を採用した。この結果を図1に示した。キトサンとポリビニルアルコールとでは、キトサンの方が電気抵抗値が高い。したがって、電気抵抗値が高いほど、相対的にキトサンが多量に存在していることを示している。図1の結果によれば、皮膜の担体側表面に比べて、皮膜表面側にキトサンが多量に存在していることが分かる。なお、グリオキザールを用いない参考例Aの場合は、皮膜表面側と皮膜の担体側表面とでは、キトサンの量に顕著な相違は見られなかった。
参考例B
室温で乾燥するのに代えて、50℃で乾燥した他は、参考例Aと同一の方法で、厚さ3μmの皮膜を得た。
室温で乾燥するのに代えて、50℃で乾燥した他は、参考例Aと同一の方法で、厚さ3μmの皮膜を得た。
実施例B1〜B4
室温で乾燥するのに代えて、50℃で乾燥した他は、実施例A1と同一の方法で実施例B1を、実施例A2と同一の方法で実施例B2を、実施例A3と同一の方法で実施例B3を、実施例A4と同一の方法で実施例B4を行い、各々、厚さ3μmの皮膜を得た。
室温で乾燥するのに代えて、50℃で乾燥した他は、実施例A1と同一の方法で実施例B1を、実施例A2と同一の方法で実施例B2を、実施例A3と同一の方法で実施例B3を、実施例A4と同一の方法で実施例B4を行い、各々、厚さ3μmの皮膜を得た。
そして、参考例A及び実施例A1〜A4の場合と同一の方法で、皮膜の表面と、皮膜のPET容器側(担体側)表面の表面電気抵抗値を測定した。この結果を図2に示した。図2の結果によれば、ポリビニルアルコール1モル部に対してグリオキザールを0.2モル部以上使用すると、皮膜の担体側表面に比べて、皮膜表面側に相対的に多量のキトサンが存在していることが分かる。また、グリオキザールが0.1モル部以下であると、キトサンの量は、皮膜表面と皮膜の担体側表面とにおいて、ほぼ同程度である。なお、グリオキザールを用いない参考例Bの場合は、皮膜の担体側表面の方が多量にキトサンが存在する結果となっている。
Claims (8)
- ケン化度80モル%以上のポリビニルアルコールとキトサンとグリオキザールとを混合してなり、該キトサン及び該グリオキザールの量は、該ポリビニルアルコールの水酸基1モルに対して、該キトサンのアミノ基が2〜30モルとなる量で、該グリオキザールのアルデヒド基が0.02〜2モルとなる量であるキトサン水溶液を、担体に塗布した後、乾燥して、該ポリビニルアルコール及び該キトサンを該グリオキザールにて架橋すると共に皮膜を形成せしめることを特徴とする抗菌性皮膜の形成方法。
- 皮膜中において、相対的に、表面にキトサンが多く存在し、担体側にポリビニルアルコールが多く存在している 求項1記載の抗菌性皮膜の形成方法。
- 担体が、編織物、不織布、ネット及び紙よりなる群から選ばれた濾過材本体である請求項1記載の抗菌性皮膜の形成方法。
- 濾過材本体が、ポリエステル製である請求項3記載の抗菌性皮膜の形成方法。
- 濾過材本体が、ポリエステル繊維を構成繊維とする不織布である請求項4記載の抗菌性皮膜の形成方法。
- 請求項1記載の方法で得られる抗菌性物品。
- 請求項3記載の方法で得られる抗菌性濾過材。
- 請求項5記載の方法で得られる抗菌性不織布製濾過材。
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