JP2009090177A - フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】アレルゲン等の人体に害を与えうる活性物質を不活性化剤の付与によって低減するフィルターにおいて、不活性化剤を効率よく活性物質に接触させることで、効率よく不活性化させる。
【解決手段】複層一体の元のフィルターに不活性化剤を含浸させたものであって、構成する各層の少なくとも一層は他の層より構成する繊維の繊維間距離を短くした、或は構成する各層の少なくとも一層が他の層より不活性化剤の含有率を高くしたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、人体に害を与えうる活性物質を通過させる時にその活性を低減する目的を有する電気掃除機他に用いるフィルターに関する。
人体に害を与えうる活性物質(例えばウィルス、細菌、黴、ダニ・花粉アレルゲン)を低減するためのフィルターに関する技術としては、古くからフィルターにて捕捉するという思想に基づく技術があり、新しくは活性物質に対する不活性化剤をフィルターに付与するという思想に基づく技術(例えば、特許文献1、特許文献2)がある。
しかしながら、フィルターに捕捉するというだけでは、活性物質(例えばダニの死骸、糞の破砕したダニアレルゲン等)の微細な物を捕えるにはメンブレンフィルター(スクリーンフィルター)の類では孔径を際限なく小さくせざるをえず、或はフィルターの厚みで捕える一般的な不織布や紙等のデプスフィルターの類では、一時的に捕えることはできても使い続けるうちに抜けてしまうので活性物質は通過してしまうということが起き、またどちらも孔径を小さくすれば捕捉性は上がるが目詰まりして微細物の媒体である空気等は通り難くなるという問題がある。
そこで、上記特許文献のようにデプスフィルターに不活性化剤を付与して活性を失活させて、微細物は通すけれど害は生じないようにするという技術思想が生じるのであるが、不活性化剤が効果的に活性物質に接触し、かつ空気等の通りは確保する必要があるのに対し、そのための技術は未だない。例えば、特許文献1の技術では活性物質を捕捉する集塵フィルターと活性物質を不活性化させる茶の抽出成分添着のフィルターは別々であり一体でなく、不活性化剤添着のフィルターが活性物質に効果的に接触するものではない。
特開平8−0266828号公報 特開昭61−044821号公報
本発明はこうした事情を考慮してなされたものであって、不活性化剤を前記ある種の活性物質と効率よく接触させることで、効率的に不活性化することを目的とする。
本発明はその目的のために、一部の層で不活性化剤付着基材である繊維を他の層より繊維間距離が短くなるよう分布させて、或いは及び不活性化剤を他の層より多く分布させることで、活性物質を不活性化剤に効率よく接触させて効果的に不活性化させる技術を提供する。
請求項1、請求項5或は請求項8において、複層一体の元のフィルターに、ある種の活性物質に対して接触して不活性化する不活性化剤を溶媒に分散または溶解させて含浸させたものであって、構成する各層の少なくとも一層は他の層より構成する繊維の繊維間距離が短いフィルター或いは、複層一体の元のフィルターに、ある種の活性物質に対して接触して不活性化する不活性化剤を溶媒に分散または溶解させて含浸させたものであって構成する各層の少なくとも一層は他の層より不活性化剤の含有率が高いフィルターであることを特徴としている。
これらのフィルターの特徴を生じさせるための請求項2,3,6,7においては、少なくとも一層で他の層より繊維密度を高くするか、繊維の径を小さくするか、繊維の溶媒に対する親和性を高くするか、繊維の不活性化剤に対する親和性を高くすることを特徴としている。そして、請求項4では密度勾配を有することを特徴としている。
そして、上記特徴を達成するための請求項9,10においては、エアレイ製法あるいは抄き合わせ抄紙法で形成されたことを特徴とする。
複層一体のフィルターとは、前述特許文献1のような捕捉のためのフィルターと不活性化のためのフィルターとが別のフィルターであるというものとは異なるというものである。
ある種の活性物質とは人に害を与えうる活性物質であり、人体に害を与えうる活性を有するものであれば制限されるものではないが、例えばウィルス、細菌、黴、各種アレルゲンがある。
そして、これに対する不活性化する不活性化剤は活性物質を不活性化できれば制限されるものではないが、例えば各種フラボノイド含有薬剤やタンニン酸或は銀、銅、亜鉛などのイオン化した薬剤が挙げられる。各種フラボノイド含有薬剤としては、茶、イチョウ葉エキス等が挙げられる。
溶媒は薬剤によって制限されるが、付着する基材との親和性を考慮して選択されもする。
水でも有機溶媒でも或いは混合したものでも良いが、各種フラボノイドや各種金属のイオン化した薬剤に対しては水が最も良く、有機溶媒では薬剤本体の凝集に注意しなければいけない場合もある。
含浸は溶媒への分散によるものでも溶解によるものでも良い。印刷版を用いて印刷で行っても良いが、一般的な表面だけへの印刷なら本発明の求めている効果は得られない。
なお、繊維間距離とは、フィルターを平面とした場合の繊維と繊維との水平方向の空隙を距離と定義したときの、複数層の構成する各層ごとの平均の繊維間距離のことである。そして、フィルターとして用いる場合は通過しようとする流体及び活性物質の流れ方向はフィルター面とは直角である。
また、繊維間距離と表現したが、フィルターを構成する素材形状は必ずしも繊維でなくても良い。但し、繊維とするのが製造技術上から最も適当である。
繊維間距離を短くするための手段として、他の層より繊維密度を高くするのが良い。
少なくとも一層の繊維密度を他の層より高くするためには、フィルターが乾式不織布ならエアレイ製法で製造するのが良い。エアレイでは、空中上方からスクリーン上に繊維を降らせて打綿状にするものだが、その上にさらに同じ方法で繊維を重なるように降らせたなら複層のものが出来る。このとき、降らせる段階ごとの繊維密度を違えればフィルターの層毎の繊維密度を違えることが出来るので、少なくとも一層分で降らせる繊維密度を高くすればよい。
同じく少なくとも一層の繊維密度を他の層より高くするためには、フィルターが湿式不織布あるいは紙なら抄き合わせ抄紙法で製造するのが良い。この方法では、水中に分散させた繊維をスクリーンに掬うのだが、その上に別のスクリーンで掬ったものを重ねる或いは、水中に分散させた繊維をスクリーンに掬ったその上に他に分散させた繊維を重ねたら複層のものが出来る。このとき、重ねる層毎の繊維密度を違えればフィルターの層毎の繊維密度を違えることが出来るので、少なくとも一層分で分散させる繊維の密度を高くすればよい。
これら重ねる層毎の繊維密度をフィルターの一方面と他方面とで一方で密に、他方で粗にすれば、表側と裏側とで密度勾配を有するフィルターが得られる。
同様に、各単位層を作る段階で層毎に繊維の太さ即ち径を違えれば、層毎の繊維間距離を違えることができる。すなわち、空中あるいは水中に繊維を分散させたものを降らせる或は掬うことで厚みを作っていくものであるから、太い繊維を用いれば繊維間距離は大きくなり、細い繊維を用いれば繊維間距離は小さくなる。そこで、一部の層で他の層より細い繊維で層を構成すれば、その層では他の層に比べて繊維間距離を短く出来ることになる。
又、層毎に繊維径を違えれば結果的に密度を違えることが出来るので、前述した構成をとれば密度勾配を有する、すなわちフィルターの片面側の密度を高く、その反対面側の密度を低くするようにすることが出来る。
少なくとも一層を他の層より層毎の不活性化剤の含有率を高くしようとするためには、その一層の繊維を他の層の繊維に比べて不活化剤の溶媒に対する親和性を高くしたものにすれば良い。例えば、一層を親水性が高いパルプ繊維として、他の層をポリオレフィン繊維とすれば、溶媒である水がその一層に多く付着することになり、結果として水溶性薬剤である各種フラボノイドや各種金属イオン系薬剤が、その一層に多く付着することになる。すなわち、その一層が他の層より不活性化剤含有率が高くなる。
同じく、少なくとも一層を他の層より層毎の不活性化剤の含有率を高くしようとするためには、その一層の繊維を他の層の繊維に比べて不活性化剤に対する親和性を高くしたものにすれば良い。例えば、一層を親水性が高いパルプ繊維として、他の層をポリオレフィン繊維とすれば、親水性の高い各種フラボノイドや各種金属イオン系薬剤が、その一層に多く付着することになる。すなわち、その一層が他の層より不活性化剤含有率が高くなる。
さらに、その一層の繊維の不活性化剤に対する親和性を高める手段として、繊維に繊維および不活性化剤の両方に親和性のあるものを付着させてから不活性化剤を含浸させても良い。例えば、ある層にパルプを多く含ませて、パルプに結晶化付着しやすく金属イオンに親和性の高いアパタイト原料あるいはアパタイトを繊維に付着させても良い。
尚、アパタイトはウィルスやアレルゲンを吸着することが知られているが、吸着することでも、これらの人体に害を与える物質の通過を低減することが出来る。
又、少なくとも一層を他の層より繊維間距離を短くすれば、含浸した溶媒や不活性化剤が抜けにくく接触しやすくなるので、不活性化剤含有率を高くすることが出来る。又、繊維に付着した不活性化剤に不活性化剤が堆積して不活性化剤含有率が高くなることも期待できる。
又、繊維密度を大きくしても繊維間距離を短くでき、上記理由で、その層の不活性化剤含有率を高くすることが出来る。
同様に、繊維の径を細くしても繊維間距離を短くできるので、その層の不活性化剤含有率を高くすることが出来る。
繊維間距離の短い層の厚み、すなわち流体及び塵埃の通過するときに抵抗の大きい道程がフィルター全層の一部となり、他の層では繊維間距離が長くなるので、全体として流体及び塵埃のフィルターを通過するときの抵抗即ち圧力損失がフィルター全層で繊維間距離が均一である単層フィルターより特別大きくなるわけではないのに繊維間距離が単層フィルターの場合より特に短いフィルター層すなわち流体及び塵埃の通過層を得ることが出来るので、流体に乗ってあるいは塵埃に付着してフィルター層を通過しようとするある種の活性物質が繊維との距離が短いことで繊維および不活性化剤と接触しやすくなり、捕捉されやすくなったり、不活性化されることで抜けたものも害性を失うことになりやすかったりする。
又、一部の層で繊維密度を高くしたものについては、フィルターの厚みが減るので集塵袋用途には製袋しやすくなったり、芯となる層が形成されるので腰を要するフィルター用途には芯材との貼り合せが不要となったりするので都合が良い。
密度勾配を有するように構成したフィルターは、粗側を上流側、密側を下流側となるようにして用いた場合、人体に接触ないし吸入しても害性の低い寸法の大きい塵埃は上流側の粗の層で通過を阻止や捕集し、寸法が小さいためにその層を抜けた害性の高いウィルス、細菌、ダニ糞破砕のアレルゲンなどを下流側の密の層で捕集や阻止でき、或は抜けたとしても含浸して繊維に付着した不活性化剤と接触して抜けるようになるので、抜けたこれら物質も不活性化して害性を失うことになる。
又、密側を上流側となるように用いた場合、寸法の大きい物質はフィルターに食い込まず落下したり、弱く接触していたりすることになって目詰まりしにくく、害性の高い寸法の小さい物質は含浸して繊維に付着した不活性化剤と接触し、その後は粗の層を通るので圧力損失が低く出来るので、フィルターで塵埃を捕集するというより遮断するという思想で落下物を受けたり、叩き落す、払い落とすように設計されたシステムには有用である。
元のフィルターをエアレイ製法で形成するならば、単位ホッパー毎に降らせる繊維の密度や繊維の径、或は繊維の材質を違ったものに出来るので、本発明品を製造するための元のフィルターが得られやすい。そして、その元のフィルターを含浸加工すれば本発明品が製造できるので、従来技術のような捕集するフィルターと不活性化するフィルターとを貼り合わせるというような工程の無駄によるコストアップや、前項背景技術で述べた特許文献1の技術のような活性物質が不活性化剤と効果的に接触できないという問題が生じない。
元のフィルターを抄き合わせ抄紙法で形成するならば、スクリーン単位或は紙料バッチ単位で、繊維の密度や繊維の径、或は繊維の材質を違ったものに出来るので、本発明品を製造するための元のフィルターが得られやすい。その元のフィルターは紙や湿式不織布である。そして、その元のフィルターを含浸加工すれば本発明品が製造できるので、従来技術のような捕集するフィルターと不活性化するフィルターとを貼り合わせるという工程の無駄によるコストアップや、活性物質が不活性化剤と効果的に接触できないという問題が生じない。
構成する各層間で少なくとも一層が他層より不活性化剤の含有率が高いことで、全層にわたらない一部となる不活性化剤含有率の高い層では、ある種の活性物質が繊維に付着した不活性化剤とより接触しやすくなって不活性化されやすくなるにもかかわらず層が一部となるので、全体の不活性化剤の使用量を抑えても不活性化が充分なされるという効率的に不活性化する効果が得られる。
少なくても一層の構成する繊維を他の層より溶媒に対する親和性が高いものにするならば、選択的にその層の繊維には溶媒がより多く付着するので、溶媒に含まれている不活性化剤が多く繊維に付着することになり不活性化剤含有率を高くすることが出来るが、そのことは不活性化剤を含んだフィルターとそうでない捕集のためのフィルターを貼り合せるというような無駄な工程を経る必要がなく、経済的である。
同じく、少なくても一層の構成する繊維を他の層より不活性化剤に対する親和性の高いものにするならば、選択的にその層の繊維には不活性化剤がより多く付着すること、すなわち容易に不活性化剤含有率を高くすることが出来ると共に、前項述のように不活性化剤を含んだフィルターとそうでないフィルターを貼り合せるというような無駄な工程を経る必要がなく、経済的である。
以上、これらのことを実施すると、繊維間距離の短い層が一部となるので圧力損失の大きい層の厚みが一部となり、全体としての圧力損失の小さい、空気等の流体の抜けやすい、また一部の層において繊維間距離を特に短く出来るので、ある種の活性物質が繊維或いは不活性化物質と接触しやすくなるので、捕捉されたり不活性化されたりしやすいフィルターが得られる。或は、一部の層で不活性化剤含有率の特に高い層が得られるので、ある種の活性物質が不活性化物質と接触しやすくなって不活性化されやすいフィルターが得られる。これらは、特に吸気に乗せて集塵する真空掃除機に装着するフィルターに有効である。すなわち、本発明のフィルターを掃除機に用いた場合、吸引力を格別損ねることなく活性物質に不活化剤が接触しやすくなって不活性化されるので、排気中の活性物質を減らすことが出来る。
以下に本発明に係るフィルターを実施するための最良の形態を実施例に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の実施例を示すフィルターの図である。元のフィルターはポリエチレンテレフタレート製の重量200g/m2、4層一体で総厚2.0mmあり、構成する各層の厚み、繊維間距離、繊維直径は第一の層で夫々1.15mm,200〜300μm,20μm、第二の層で夫々0.35mm,50〜100μm,15μm、第三の層で夫々0.25mm,30〜80μm,10μm、第四の層で夫々0.25mm,20〜40μm,10μmである。尚、寸法は東海産業社製「ピーク・ワイド・スタンド・マイクロスコープNo.2034−60」で拡大目視測定したものである。そして繊維間距離は、同マイクロスコープにおいて鮮明に確認できた隣り合う繊維同士を測定したものである。
この元のフィルターに含浸させた不活性化剤はスターフルーツの抽出物であり、含浸させた量は薬剤原液量で10g/m2、乾燥量で1.4g/m2である。
比較例として、比較例1は実施例と元のフィルターが同じ材質であり、不活性化剤を含浸させていないもの、比較例2は元のフィルターが全層同一素材ポリエチレンテレフタレート製、同一繊維間距離200〜300μm、同一繊維直径15μmであり、総厚2.0mmで重量200g/m2の不活性化剤含浸させたもの、比較例3は比較例2と同一素材で不活性化剤含浸させていないものである。
これら各フィルターを直径64mmの円形状に打ち抜き、シントーファイン社製「ダストサンプラー」(以下サンプラーAと呼ぶ)に装着し、さらにフィルターを抜けたアレルゲンを捕捉するための同社製付属「マイティフェルト」(以下フェルトと呼ぶ)をサンプラーAに連結した別の「ダストサンプラー」(以下サンプラーBと呼ぶ)に装着し、それをシャープ社製540W吸込仕事率家庭用電気掃除機の吸引ホース前に装着したもので、強モードで10分間、布団塵10mg(ダニアレルゲン値約50μg)を吸引した。
図2はサンプラーABの連結状態およびサンプラー内フィルター、フェルトの装着状態を示す断面の図である。尚、サンプラーに装着したフィルターの表裏を実施例および比較例1は吸引塵寄り側を第一の層、掃除機寄り側を第四の層となるようにした。比較例2および比較例3は均質単一層のものであるので表裏はない。
そして、サンプラーABに装着したフィルター、フェルトをシントーファイン社製ダニアレルゲン検査キット「マイティチェッカー」を用いてアレルゲンレベルを判定した。その結果を表1に示す。尚、アレルゲン量は、検査キット添付の説明書に記載された発色状態に対応するアレルゲン量の値を示す「マイティチェッカー判定用色見本」を参考に、抽出濃度を加減して算定した。
Figure 2009090177
実施例と比較例1とを比較すると、サンプラーAにおける検出アレルゲン量は比較例1より実施例の方が極めて少ない。すなわち、実施例ではアレルゲン量を低減したといえる。元のフィルターは同一で、不活性化剤を含浸させたものと含浸させたものとの違いだけなので、結果の違いは含浸有無の違いに起因するものと考えられる。両方とも塵を同一量である10mg吸引したものだが、サンプラーAとサンプラーBの両方の検出アレルゲン量を合計すると、実施例、比較例1とも吸入量より少ないが、実施例では10〜15μg、比較例1では45μg程度となり、吸入した塵に含まれるアレルゲン量は50μgなので、検出されなかったアレルゲン量は実施例では35〜40μg、比較例1は5μgである。この値はフィルターあるいはフェルトに吸着して試験用抽出液に溶出しなかったかアレルゲン活性を失ったかの両方を合算したものと考えられるので、実施例、比較例1両方とも排出するアレルゲンを減らすという意味では効果があるといえるが、一方、数値に、特にサンプラーAでの数値に差が大きいことをみると、両者の違いは不活性化剤含浸の有無だけなので、差の数値25〜30μg分はアレルゲンが不活性化されたことに起因するものと考えられる。又、サンプラーBでの差の数値5μg分は僅かなので断定できないが、その差分サンプラーB側に通過したものが実施例では不活性化された可能性があると考える。
次に、参考に比較例2と比較例3を比較するとサンプラーAの値とサンプラーBの値両方とも両者であまり違わない。両者の違いは不活性化剤含浸の有無だけなので、比較例2で不活性化剤はほとんど役に立たなかったといえる。尚、比較例2でも、サンプラーAとBの検出アレルゲン量合計を見ると、45μgであり吸入した50μgから僅かしか減ってない。
さらに、実施例と比較例2とを比較する。比較例2がサンプラーB側にアレルゲンを15μgも通過させてしまっているのに対し、実施例は5μgしか通過させていない。そして、吸入アレルゲン量からサンプラーAB合計の検出アレルゲン量合計を引いた数値について両者比較すると、比較例2の5μgと比較して実施例は35〜40μgと大きい。この数値はアレルゲンが吸着されるかアレルゲン活性が失われたかした即ち不活性化された量の値と考えられることから、実施例はアレルゲン活性物質を不活性化したと考えられる。
両者の違いは、比較例2が単一層であり繊維間距離が短い一部の層というものが存在しないのに対し、実施例では複層一体の構成する各層の内の少なくとも一層に他の層より構成する繊維の繊維間距離が短い層が存在するだけなので、実施例における構成する各層の内の少なくとも一層は他の層より構成する繊維の繊維間距離が短いという特徴は、アレルゲンを不活性化するということに対して有効といえる。
さらに、比較例2と比較例3を比較して判った比較例2では不活性化剤が殆ど役に立たなかったという結果も併せて実施例を評価してみると、本発明の複層一体の構成する各層のうちの少なくとも一層に他の層より構成する繊維の繊維間距離が短いという特徴は含浸させた不活性化剤を有効に働かせるということに極めて有効といえる。
本発明の実施形態を示すフィルターの層断面図である。 本発明の効果を確認するための試験に用いた器材の構成を示す図である。
符号の説明
1 第一の層
2 第二の層
3 第三の層
4 第四の層
5 吸引塵
6 サンプラーA
7 フィルター
8 サンプラーB
9 フェルト
10 電気掃除機

Claims (11)

  1. 複層一体の元のフィルターに、ある種の活性物質に対して接触して不活性化する不活性化剤を溶媒に分散または溶解させて含浸させたものであって、構成する各層の内の少なくとも一層は他の層より構成する繊維の繊維間距離が短いフィルター
  2. 繊維間距離の短さが、その層を構成する繊維の密度を他の層より高くして得られたものである請求項1記載のフィルター
  3. 繊維間距離の短さが、その層を構成する繊維の径を他の層より小さくして得られたものである請求項1記載のフィルター
  4. 密度勾配を有する請求項1〜3記載のフィルター
  5. 複層一体の元のフィルターに、ある種の活性物質に対して接触して不活性化する不活性化剤を溶媒に分散または溶解させて含浸させたものであって、構成する各層の内の少なくとも一層は他の層より不活性化剤の含有率が高いフィルター
  6. 不活性化剤含有率の高さが、その層を構成する繊維の溶媒に対する親和性を他の層より高くすることによって得られたものである請求項5記載のフィルター
  7. 不活性化剤含有率の高さが、その層を構成する繊維の不活性化剤に対する親和性を他の層より高くすることによって得られたものである請求項5記載のフィルター
  8. 不活性化剤含有率の高さが、その層を構成する繊維の平均繊維間距離を短くすることによって得られたものである請求項5記載のフィルター
  9. エアレイ製法で形成されたものである請求項1〜8記載のフィルター
  10. 抄き合わせ抄紙法で形成されたものである請求項1〜8記載のフィルター
  11. 掃除機に装着されるものである請求項1〜10記載のフィルター
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