JP2013121556A - 濾材 - Google Patents
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Abstract
【課題】
エレクトレット性とともに高い濾材特性(高捕集効率・低圧損)を有し、かつ、抗アレルゲン性、抗菌性、抗ウイルス性およびカビ抵抗性の少なくともいずれか一つの機能特性を有する濾材、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
通気度が10〜50cm3/cm2/secである電荷保持不織布に、該電荷保持不織布を1m/min以上5m/min以下の流速で貫通する気流の存在下で機能薬剤を吹き付けて、乾燥せしめ、電荷保持不織布の少なくとも一方の面の不織布最表層の繊維間に機能薬剤の薄膜層が分散して存在し、かつ、該不織布最表層における前記機能薬剤の薄膜層の面積比率が10%〜50%である濾材とする。
【選択図】図2
エレクトレット性とともに高い濾材特性(高捕集効率・低圧損)を有し、かつ、抗アレルゲン性、抗菌性、抗ウイルス性およびカビ抵抗性の少なくともいずれか一つの機能特性を有する濾材、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
通気度が10〜50cm3/cm2/secである電荷保持不織布に、該電荷保持不織布を1m/min以上5m/min以下の流速で貫通する気流の存在下で機能薬剤を吹き付けて、乾燥せしめ、電荷保持不織布の少なくとも一方の面の不織布最表層の繊維間に機能薬剤の薄膜層が分散して存在し、かつ、該不織布最表層における前記機能薬剤の薄膜層の面積比率が10%〜50%である濾材とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、エアフィルター用として特に好適な濾材およびその製造方法に関するものである。
従来から、空気清浄機用やマスクなどに用いられている濾材は、環境中に存在するダニ、花粉、ハウスダスト等のアレルゲンや細菌、ウイルスなどをろ過して捕集する。しかし、濾材に捕集されたアレルゲンや細菌、ウイルスなどを不活化しないと、濾材上での細菌などの増殖や、濾材から再飛散したアレルゲンによるアレルギー反応の発現、ウイルスによる感染などを引き起こす懸念がある。それを避けるために濾材に、抗アレルゲン、抗菌、抗ウイルス性など機能を付与することが多く検討されている(特許文献1、2)。
特許文献1では、メルトブロー法で得たポリプロピレンからなる不織布を含む濾材を薬剤水に含浸する抗菌性濾材が開示されているが、かかる濾材には捕集効率を向上する帯電性能が付与されていない。
特許文献2では、機能付与された非導電濾材と、帯電性濾材を積層することで高い捕集効率と機能付与を達成できる旨が開示しているが、かかる技術で得られる濾材は、微細なアレルゲンや細菌などを捕捉する帯電性濾材部分には機能が付与されておらず、また、帯電体に機能を付与することは、非常に困難であった。
エレクトレット性と機能性を併せ持つ濾材を提供する技術として、特許文献3にエレクトレット体に機能を有する物質を電気的吸着作用で付着せしめるエレクトレット材の製造方法が開示されている。しかし、かかる文献に記載の方法では、機能物質をエアの拡散力で一定の濃度に分散して濾材に付与するものであり、現実にかかる方法で機能物質を一定の濃度に分散することは非常に難しく、現実的に採用することは困難であった。
本発明は、エレクトレット性とともに高い濾材特性(高捕集効率・低圧損)を有し、かつ、抗アレルゲン性、抗菌性、抗ウイルス性、カビ抵抗性の少なくともいずれか一つの機能特性を有する濾材、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するための本発明は、以下のいずかれの構成を採用するものである。
(1)通気度が10〜50cm3/cm2/secの電荷保持不織布の少なくとも一方の面の不織布最表層の繊維間に機能薬剤の薄膜層が分散して存在し、かつ、該不織布最表層における前記機能薬剤の薄膜層の面積比率が10%〜50%である濾材。
(2)前記機能薬剤が0.1〜6g/m2担持されている、前記(1)に記載の濾材。
(3)前記機能薬剤が、抗ウイルス、抗菌、抗アレルゲン、およびカビ抵抗性の少なくともいずれか一つの機能を有する薬剤である、前記(1)または(2)に記載の濾材。
(4)前記電荷保持不織布が、エレクトレット加工メルトブローである、前記(1)〜(3)のいずれかに基材の濾材。
(5)通気度が10〜50cm3/cm2/secである電荷保持不織布に、該電荷保持不織布を1m/min以上5m/min以下の流速で貫通する気流の存在下で機能薬剤を吹き付けて、乾燥する濾材の製造方法。
(6)乾燥温度が80〜140℃である、前記(5)に記載の濾材の製造方法。
(7)前記気流をサクション方式で発生する、前記(5)または(6)に記載の製造方法。
(8)前記機能薬剤の吹き付けにより前記電荷保持不織布の圧力損失が2%以上20%以下上昇するように該機能薬剤を吹き付ける、前記(5)〜(7)のいずれかに記載の濾材。
(1)通気度が10〜50cm3/cm2/secの電荷保持不織布の少なくとも一方の面の不織布最表層の繊維間に機能薬剤の薄膜層が分散して存在し、かつ、該不織布最表層における前記機能薬剤の薄膜層の面積比率が10%〜50%である濾材。
(2)前記機能薬剤が0.1〜6g/m2担持されている、前記(1)に記載の濾材。
(3)前記機能薬剤が、抗ウイルス、抗菌、抗アレルゲン、およびカビ抵抗性の少なくともいずれか一つの機能を有する薬剤である、前記(1)または(2)に記載の濾材。
(4)前記電荷保持不織布が、エレクトレット加工メルトブローである、前記(1)〜(3)のいずれかに基材の濾材。
(5)通気度が10〜50cm3/cm2/secである電荷保持不織布に、該電荷保持不織布を1m/min以上5m/min以下の流速で貫通する気流の存在下で機能薬剤を吹き付けて、乾燥する濾材の製造方法。
(6)乾燥温度が80〜140℃である、前記(5)に記載の濾材の製造方法。
(7)前記気流をサクション方式で発生する、前記(5)または(6)に記載の製造方法。
(8)前記機能薬剤の吹き付けにより前記電荷保持不織布の圧力損失が2%以上20%以下上昇するように該機能薬剤を吹き付ける、前記(5)〜(7)のいずれかに記載の濾材。
本発明によれば、エレクトレット性能とともに高い濾材特性(高捕集効率・低圧損)を有し、かつ、抗アレルゲン性、抗菌性、抗ウイルス性、カビ抵抗性の少なくともいずれか一つの機能特性を有する濾材を提供することができる。
本発明の濾材は、通気度が10〜50cm3/cm2/secの電荷保持不織布の少なくとも一方の面の不織布最表層の繊維間に機能薬剤の薄膜層が分散して存在し、かつ、該不織布最表層における前記機能薬剤の薄膜層の面積比率が10%〜50%であることを特徴とする。
本発明における電荷保持不織布とは、不織布を構成する繊維状物質各々の表面に電荷を付与したものをいう。電荷保持不織布の静電気力によって、濾材を通過する空気中に含まれる微細埃を除去するので、低圧力損失、高捕集効率を達成できるのはもちろんのこと、上記静電気力によって機能薬剤を電荷保持不織布上に保持することができるので、バインダー等使用せずに、機能性を付与した電荷保持不織布を得ることができる。電荷を付与する方法としては不織布シートにコロナ放電法、純水サクション法、摩擦帯電法といった公知の帯電方法から任意に選択することができるが、表面電荷密度が高い純水サクション法を好ましく用いることができる。
本発明における不織布とは、カード法、エアレイド法、エアスルー法、抄紙法といった、主に不連続の天然繊維や任意の長さにカットや捲縮を付与されたカットファイバーといった短繊維を加工して得られるものや、スパンボンド法やメルトブロー法といった繊維が連続した状態で存在するシートを得るようなもの、更にはエレクトレット加工されたフィルムを切断し繊維状としたものを集合化して得るものなど、公知の方法から任意に選択した方法で得られるものをいう。中でも、エレクトレット加工されたメルトブロー不織布を用いることが微細塵の捕集効率に優れかつ全体の厚みが厚くなり過ぎない濾材を得やすいためより好ましい。
本発明の電荷保持不織布に用いる素材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)といったポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリレフィン、ナイロンなどのポリアミド、ポリウレタン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ乳酸などの合成繊維、無機繊維、炭素繊維などを例示することができる。中でもポリオレフィンは現時点において最もエレクトレット加工による帯電効果が大きいとされているためより好ましい。
本発明で用いられる電荷保持不織布は、通気度が10〜50cm3/cm2/secの範囲のものである。かかる通気度の電荷保持不織布を用い、後述するような流速の気流が存在する中で機能薬剤を付与することにより、不織布最表層の繊維間に機能薬剤の薄膜層を分散して存在せしめることができ、また、不織布最表層の全面積に対する機能薬剤薄膜層の合計面積の比率を10%〜50%の範囲内にすることができる。
上記電荷保持不織布は、構成する繊維径が10μm以下の繊維を含むことが好ましい。さらには、繊維径が5μm以下の繊維を含むことが好ましい。10μmより大きい繊維からなる場合は、空隙の大きな嵩の高い不織布となって微細塵を捕捉できず、高い捕集効率を達成することできなくなるので、10μm以下の細い繊維を含むことが重要である。
不織布の目付けは、5〜100g/m2が好ましく、さらに好ましくは、10〜50g/m2である。5g/m2未満では電荷保持不織布が薄すぎて十分に微細埃を捕集することができない。また、100g/m2よりも重い場合は圧力損失が大きくなりすぎで、濾材として使用することができない。
上記のような電荷保持不織布に適正な形態で機能薬剤が担持されてなることによって、高い捕集効率と低い圧力損失、抗菌、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、カビ抵抗性などの機能特性を兼ね備えた高機能濾材を得ることができる。
上記電荷保持不織布の少なくとも一方の面において、不織布最表層の繊維間に構成される機能薬剤の薄膜層の面積比率は10%〜50%であり、20〜50%であることが好ましい。機能薬剤の薄膜層が10%よりも少ないと、被処理流体と菌やウイルス、アレルゲンとの接触効率が少なすぎて十分な機能特性を得ることができない。一方、50%よりも多いと不織布の目詰まりが発生して、圧力損失が高くなってしまう。
上記機能薬剤は、上記電荷保持不織布の厚み方向において均一に付着していてもよいが、
前記電荷帯電不織布の厚み方向に対して、前記機能薬剤の付着量の密度傾斜を有していてもよい。電荷保持不織布の内層の繊維にも機能薬剤が付着すると、機能薬剤に被覆された繊維が多くなり、繊維表面の静電気力が小さくなり微細塵の捕集効率が低下してしまうので、機能薬剤の付着量の密度傾斜を有していて表層部(被処理流体の流方向に関して上流側)に多く付着していることが好ましい。
前記電荷帯電不織布の厚み方向に対して、前記機能薬剤の付着量の密度傾斜を有していてもよい。電荷保持不織布の内層の繊維にも機能薬剤が付着すると、機能薬剤に被覆された繊維が多くなり、繊維表面の静電気力が小さくなり微細塵の捕集効率が低下してしまうので、機能薬剤の付着量の密度傾斜を有していて表層部(被処理流体の流方向に関して上流側)に多く付着していることが好ましい。
機能薬剤としては、抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、およびカビ抵抗性の少なくともいずれか一つの特性を持つものが好ましい。抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、カビ抵抗性のいずれかを有する薬剤としては、銀、銅、亜鉛、チタン化合物など無機系化合物、銀、銅、亜鉛の金属微粒子、ポリフェノール類、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、5−クロロ−2,4,6−トリフロロイソフタロニトリルなどのニトリル系化合物、ジヨードメチル−p−トリルスルフォン、1−ジヨードメチルスルフォニル−4−クロロベンゼン等のヨード化合物、塩化ベンザルコニウム、塩化ドデシルピリジニウムなどの第4級アンモニウム塩類、チアベンダゾール類、、2−クロロ−6−トリクロロメチルピリジン、ジ(4−クロロフェニル)ピリジルメタノール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルフォニルピリジン、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛、ジ(2−ピリジンチオール−1−オキシド)などのピリジン系化合物、N−フロロジクロロメチルチオフタルイミド、N−トリクロロメチルチオフタルイミドなどのフタルイミド系化合物、N−トリクロロメチルチオ−N−(フェニル)メチルスルファミド、N−トリクロロメチルチオ−N−(4−クロロフェニル)メチルスルファミドなどのスルファミド系化合物、N,N−ジメチル−N’−フェニル−N’−(フロロジクロロメチルチオ)スルファミド、N,N−ジクロロフロロメチルチオ−N’−フェニルスルファミドなどのチオスルファミド系化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−(n−オクチル)−4−イソチアゾリン−3−オンなどのイソチアゾリン系化合物、2−メルカプトベンズチアゾールナトリウム、2−メルカプトベンズチアゾール亜鉛などのベンズチアゾール系化合物、1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、1−ブチルカルバモイル−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルなどのベンズイミダゾール系化合物、イミダゾール化合物類、安息香酸類、過酸化水素、クレゾール、クロルエキシジン、イルガサン、アルデヒド類、ソルビン酸類、などの化合物が挙げられる。また、天然成分抽出物からなるカテキン類、ヒノキ抽出物、竹抽出物、わさび抽出物などの素材を用いることもできる。取り扱い性が良好で、安全性も高く、入手し易いことなどから、そのなかでも銀化合物、銀金属微粒子、ポリフェノール類などを好ましく用いることができる。ポリフェノール類とは、芳香族ヒドロキシ化合物のうち、水酸基(ヒドロキシ基)を2個以上もつものをいい、カテキン類、タンニン酸化合物類、ヒドロキシ安息香酸系化合物、芳香族ヒドロキシ化合物、またはその塩、または重合体などを用いることができる。
上記機能薬剤の担持量は、0.1〜6g/m2が好ましい。さらには、0.2〜5g/m2が好ましい。0.1g/m2以上とすることで、抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、抗カビ性などの機能をより確実に発揮するものとなる。一方、6g/m2以下とすることで、不織布の目詰まりが発生して圧力損失が大きくなるのを防ぎ、また、付着量が多すぎて脱落するなどの問題が発生するのを防ぐことができる。
上記のような濾材は、通気度が10〜50cm3/cm2/secの帯電保持不織布に、該不織布を1m/min以上5m/min以下の流速で貫通する気流の存在下で機能薬剤を吹き付けて乾燥することで、得られる。予め電荷を保持させた不織布に機能薬剤を付与するため、電荷を保持させる工程で機能薬剤が流出したり、機能薬剤が流出しないようバインダーを用いて機能薬剤の一部が埋没して機能性が低くなるといった問題が発生しない。また、予め電荷を保持させた不織布に機能薬剤を付与すると、電荷により、強固に機能薬剤を保持するのでバインダーも不要となる。
以下において、電荷保持不織布に機能薬剤を付与する手段の一例を、図1を用いて説明する。
図1は、機能薬剤をスプレー法にて電荷保持不織布に付与する概略モデル図である。図1において、1は機能薬剤付与前の電荷保持不織布である。電荷保持不織布1は、図1中に示す矢印の方向に巻き出され、コンベヤネットや、ロールによる搬送、或いは巻き取り張力による搬送によって機能薬剤付与部2に搬送される。機能薬剤付与部2は、機能薬剤を吹き付けて付与するスプレー3とサクション4とからなり、電荷保持不織布の片面から機能薬剤をスプレー3で吹き付けるとともに、スプレー面と反対の面からサクション4でエアを吸引して電荷保持不織布に特定の流速で気体が貫通するようにして機能薬剤を電荷保持不織布に付与する。なお、スプレー3は、電荷保持不織布の幅によって、電荷保持不織布の幅方向に複数個配列してもよい。
機能薬剤は、取り扱い性の良さなどから、機能薬剤の水溶液または水分散液が好ましい。機能薬剤の水溶液もしくは水分散液を電荷保持不織布に付与するときには、該水溶液もしくは水分散液が滴り落ちるなどしないように、また、電荷保持不織布の表層に留まるように、乾燥処理することが好ましい。機能薬剤の水溶液もしくは水分散液が電荷保持不織布の表面で液滴を形成して表層部に留まることによって、電荷保持不織布の内部にまで含浸しないので、不織布の内層の繊維のエレクトレット効果がダメージを受けず、不織布への機能の付与と高い捕集効率を両立できるのである。
機能薬剤を吹き付けて付与する手段としては特に限定されるものではないが、機能薬剤を付与するときに、既に付着している機能薬剤が電荷保持不織布から離れないようにすることが重要である。電荷保持不織布を機能薬剤液の中に含浸したり、電荷保持不織布から多くの機能薬剤液が滴下するような状況になると、機能薬剤とともに電荷が流出して表面電荷密度が低下する場合がある。一旦電荷保持不織布に付与された機能薬剤液ができるだけ電荷保持不織布から滴下せず、さらに、電荷保持不織布と機能付与する装置との接触が少ないので不織布の毛羽立ちなどが発生しにくいなどからスプレー方式で付与することが好ましい。
本発明においては、不織布を貫通する気流が流れている中で機能薬剤を吹き付けて付与することが重要である。貫通する気流がないと、吹き付けた機能薬剤が、電荷保持不織布に衝突して舞い上がり機能薬剤液が飛散してロスになる、周辺の工程を汚染するなどしてしまうので、不織布を貫通する気流が流れている中で機能薬剤を付与するのが重要である。貫通する気流の発生方法としては、安定して風量を調整できることから具体的にはサクション方式で機能薬剤吹き付け面の反対面から吸引して発生することが好ましい。
さらに、本発明においては、吸引によって発生する貫通気流の不織布貫通風速が1m/min以上5m/min以下である必要がある。不織布貫通風速が1m/minよりも小さいと、吹き付けた機能薬剤が電荷保持不織布に衝突して舞い上がり機能薬剤液が飛散して所定量の機能薬剤が付着しない。貫通風速が5m/minよりも大きいと、貫通気流にのって機能薬剤が電荷保持不織布に付着せず貫通してしまう、または、電荷保持不織布内層の繊維を被覆するため繊維表面の静電気力が下がって補修効率が低下する、吸引圧で電荷保持不織布の表面が毛羽立つ等の問題が発生する。したがって、低圧力損失、高捕集効率を維持した状態で電荷保持不織布に機能薬剤を付着するには、不織布貫通風速の制御が重要であり、当該貫通風速は1m/min以上5m/min以下であることが重要である。ここで、不織布貫通風速とは、機能薬剤吹き付け面の反対面から吸引する風量、または、機能薬剤吹き付け面から送風する風量を不織布を貫通する気流が流れている部分の面積で除して算出するものである。
上述したように、本発明は、上記流速の気流存在下で機能薬剤を吹き付けるとともに、機能を付与する電荷保持不織布の通気度を10〜50cm3/cm2/secの範囲とする必要がある。好ましくは10〜30cm3/cm2/secである。通気度が10cm3/cm2/sec未満の場合には、気流が不織布を貫通せず、機能薬剤が舞い上がって所定の量を不織布に付着できない、機能薬剤液が飛散してロスになる、周辺の工程を汚染する、などしてしまう。また、通気度が50cm3/cm2/secよりも大きいと、貫通気流にのって機能薬剤が電荷保持不織布に付着せず貫通してしまい所定の量をつけられない、不織布を貫通した薬剤が装置を汚染する、薬剤が貫通するので工程でのロスが大きい等の問題がある。
このように、本発明においては不織布の貫通風速と通気度とを適切に制御することによって、特殊な装置を用いずにスプレー等通常の装置によって、電荷保持不織布の表層に機能薬剤が留まるようにして乾燥処理が可能となる。機能薬剤水溶液が電荷保持不織布の表面で液滴を形成して表層部に留まることによって、電荷保持不織布の内部にまで含浸しにくいので、不織布の内層の繊維のエレクトレット効果がダメージを受けにくく、不織布への機能の付与と高い捕集効率を両立できる。
電荷保持不織布に機能薬剤を付与すると、該電荷保持不織布の空隙が埋まるなどして圧力損失が上昇する。本発明においては、機能薬剤付与前の圧力損失に対する機能薬剤付与後の圧力損失の上昇率が2%以上20%以下の範囲になるようにすることが望ましい。圧力損失の上昇率が2%未満では機能薬剤の付着量が少なすぎて十分な効果を得ることが難しい場合があり、一方、上昇率が20%よりも大きいと、製品として用いるときに圧力損失が大きくなりすぎてしまうからである。
このように機能薬液を電荷保持不織布に付与した後は、乾燥機5にて乾燥する。乾燥機5としては、赤外、遠赤外線ヒーターやガスの炎による乾燥や熱風乾燥など特に手段を限定するものではないが、熱の伝達効率がよくて乾燥効率が高い熱風乾燥機を好ましく用いることができる。熱風乾燥機の温度は、80〜140℃が好ましい。80℃よりも低いと乾燥しにくいため乾燥に時間がかかるため生産効率が悪い。乾燥温度が140℃よりも高いと、エレクトレット効果が熱劣化を起こし表面電荷密度が低下し、捕集性能が悪くなる。よって、80〜140℃の乾燥温度が好ましく、さらには90〜120℃が好ましい。
このように機能薬液を電荷保持不織布に付与した後は、乾燥機5にて乾燥する。乾燥機5としては、赤外、遠赤外線ヒーターやガスの炎による乾燥や熱風乾燥など特に手段を限定するものではないが、熱の伝達効率がよくて乾燥効率が高い熱風乾燥機を好ましく用いることができる。熱風乾燥機の温度は、80〜140℃が好ましい。80℃よりも低いと乾燥しにくいため乾燥に時間がかかるため生産効率が悪い。乾燥温度が140℃よりも高いと、エレクトレット効果が熱劣化を起こし表面電荷密度が低下し、捕集性能が悪くなる。よって、80〜140℃の乾燥温度が好ましく、さらには90〜120℃が好ましい。
このようにして得られた高機能の濾材は、そのままエアフィルター用濾材として使用してもよいが、剛性のある不織布と積層するなどしてプリーツ加工すると、一定の空間あたりの濾過面積を多く取ることにより、見かけ上の濾過風速を下げてダストの捕集性能を向上させ、かつ長寿命になるためより好ましい。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。なお、本実施例における評価方法を下記の通りである。
[測定・評価方法]
(1)機能薬剤薄膜層の面積比率
濾材を切り出し、機能薬剤付着量が多い側の表面に白金−パラジウム合金を蒸着し、走査型電子顕微鏡(SEM)(日立社製 S−4000型)で、倍率200倍・視野サイズ大よそ0.65mm×0.45mm角の視野を異なる箇所で5つとり、観察した面積中に占める機能薬剤薄膜層の面積の割合を下記算出式(1)にて算出した。
[測定・評価方法]
(1)機能薬剤薄膜層の面積比率
濾材を切り出し、機能薬剤付着量が多い側の表面に白金−パラジウム合金を蒸着し、走査型電子顕微鏡(SEM)(日立社製 S−4000型)で、倍率200倍・視野サイズ大よそ0.65mm×0.45mm角の視野を異なる箇所で5つとり、観察した面積中に占める機能薬剤薄膜層の面積の割合を下記算出式(1)にて算出した。
なお、当該表面比率を算出したときの一例を図2に示す。図2は、高機能濾材の機能薬剤散布面の表面を倍率200倍で観察した大よそ0.65mm×0.45mm角の視野であり、図中2の斜線で示した部分(6)を機能薬剤薄膜層とした。また、機能薬剤薄膜層中に存在する約10μm以下の亀裂や微細孔部分は連続した機能薬剤薄膜層とした。測定は1水準から任意に5か所をサンプリングして行い、その平均値を用いた。
(2)圧力損失上昇率
機能薬剤付与前後で測定対象物であるエレクトレット不織布もしくは濾材を有効間口面積0.1cm2のホルダーにセットし、面風速7.5cm/sで空気を通過させて、測定対象物上下流の差圧をデジタルマノメータMA2−04P(MODUS社製)にて圧力損失を測定した。測定は1水準から任意に5か所をサンプリングして行い、その平均値を圧力損失の値として用いた。
機能薬剤付与前後で測定対象物であるエレクトレット不織布もしくは濾材を有効間口面積0.1cm2のホルダーにセットし、面風速7.5cm/sで空気を通過させて、測定対象物上下流の差圧をデジタルマノメータMA2−04P(MODUS社製)にて圧力損失を測定した。測定は1水準から任意に5か所をサンプリングして行い、その平均値を圧力損失の値として用いた。
圧力損失上昇率は、それら機能薬剤付与前後の圧力損失の値を用いて次式より算出した。
(3)捕集性能
平面状の濾材を有効間口面積0.1m2のホルダーにセットし、面風速4.5m/minで鉛直方向に空気を通過させ、フィルター上流および下流の粒径0.3〜0.5μmの大気塵粉塵数をパーティクルカウンター(RION社製、型式:KC−01D)で測定し、次式より算出した。
平面状の濾材を有効間口面積0.1m2のホルダーにセットし、面風速4.5m/minで鉛直方向に空気を通過させ、フィルター上流および下流の粒径0.3〜0.5μmの大気塵粉塵数をパーティクルカウンター(RION社製、型式:KC−01D)で測定し、次式より算出した。
測定は1水準から任意に5か所をサンプリングして行い、その平均値を用いた。
(4)通気度
JIS L1906:2010「織物及び編み物の生地試験方法」に規定される通気性(A法(フラジール形法)に準拠した方法で測定した。すなわち、200mm角のサンプルを採取し、該サンプルをフラジール形試験機に取り付け、気圧計が125Paを示すときの通気量を測定した。測定は1水準から任意に5か所をサンプリングして行い、その平均値を用いた。
JIS L1906:2010「織物及び編み物の生地試験方法」に規定される通気性(A法(フラジール形法)に準拠した方法で測定した。すなわち、200mm角のサンプルを採取し、該サンプルをフラジール形試験機に取り付け、気圧計が125Paを示すときの通気量を測定した。測定は1水準から任意に5か所をサンプリングして行い、その平均値を用いた。
(5)抗菌性試験方法−定量法
JIS L1902:2008「繊維製品の抗菌性試験方法」に規定される定量試験(菌液吸収法)において菌液面をフィルムでカバーする方法で測定した。すなわち、混釈平板培養法により生菌数を測定して、静菌活性値を求めた。なお、試験菌株は黄色ぶどう球菌Staphyiococcus ATCC 6538Pを用いた。また、無加工試料として標準白布(綿)を用い、界面活性剤(Tween80)0.05%を添加した試験菌液を使用した。判定基準は、静菌活性値2.0以上得られると抗菌性有りとした。
JIS L1902:2008「繊維製品の抗菌性試験方法」に規定される定量試験(菌液吸収法)において菌液面をフィルムでカバーする方法で測定した。すなわち、混釈平板培養法により生菌数を測定して、静菌活性値を求めた。なお、試験菌株は黄色ぶどう球菌Staphyiococcus ATCC 6538Pを用いた。また、無加工試料として標準白布(綿)を用い、界面活性剤(Tween80)0.05%を添加した試験菌液を使用した。判定基準は、静菌活性値2.0以上得られると抗菌性有りとした。
(6)抗ウイルス性試験方法
日本分析食品分析センター抗ウイルス性試験方法(インフルエンザA型、H1N1)に準じて行い、ウイルス不活化率90%以上で合格とした。
日本分析食品分析センター抗ウイルス性試験方法(インフルエンザA型、H1N1)に準じて行い、ウイルス不活化率90%以上で合格とした。
(7)抗アレルゲン性
ELISA法試験で実施した。アレルゲンはコナヒョウヒダニとスギ花粉を用いて実施し、アレルゲン低減化率90%以上で合格とした。
ELISA法試験で実施した。アレルゲンはコナヒョウヒダニとスギ花粉を用いて実施し、アレルゲン低減化率90%以上で合格とした。
(8)カビ抵抗性試験方法
JIS Z2911:2010「かび抵抗性試験方法」に規定される一般工業製品の試験に準拠した方法で測定した。すなわち、30mm×30mmのサンプルを採取し、機能薬剤噴霧面に混合胞子けん濁液を噴霧し、所定の温度、湿度に放置し、4週間培養してかびの状況を確認し、試験結果の表示が「0」(試料又は試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められない。)の場合を合格とした。
(9)機能薬剤
(i) 抗ウイルス・抗アレルゲン性機能薬剤
抗ウイルス・抗アレルゲン性機能薬剤として、タンニン酸を用いた。
(ii) 抗菌性・カビ抵抗性機能薬剤
抗菌性・カビ抵抗性機能薬剤として、ピリチオン系薬剤を用いた。
JIS Z2911:2010「かび抵抗性試験方法」に規定される一般工業製品の試験に準拠した方法で測定した。すなわち、30mm×30mmのサンプルを採取し、機能薬剤噴霧面に混合胞子けん濁液を噴霧し、所定の温度、湿度に放置し、4週間培養してかびの状況を確認し、試験結果の表示が「0」(試料又は試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められない。)の場合を合格とした。
(9)機能薬剤
(i) 抗ウイルス・抗アレルゲン性機能薬剤
抗ウイルス・抗アレルゲン性機能薬剤として、タンニン酸を用いた。
(ii) 抗菌性・カビ抵抗性機能薬剤
抗菌性・カビ抵抗性機能薬剤として、ピリチオン系薬剤を用いた。
[実施例1〜3]
ポリプロピレンメルトブロー不織布に帯電処理を施した電荷保持不織布(東レ社製、“トレミクロン”(登録商標)、EZ2512、通気度:15cm3/cm2/sec)に、図1に示したスプレー方法を用いて、抗菌・カビ抵抗性薬剤を含む水溶液を噴霧して乾燥後、再び図1に示したスプレー方法を用いて抗ウイルス・抗アレルゲン性機能薬剤を含む水溶液を噴霧して乾燥し、機能薬剤が不織布最表層の繊維間に分散して存在している高機能濾材を得た。
ポリプロピレンメルトブロー不織布に帯電処理を施した電荷保持不織布(東レ社製、“トレミクロン”(登録商標)、EZ2512、通気度:15cm3/cm2/sec)に、図1に示したスプレー方法を用いて、抗菌・カビ抵抗性薬剤を含む水溶液を噴霧して乾燥後、再び図1に示したスプレー方法を用いて抗ウイルス・抗アレルゲン性機能薬剤を含む水溶液を噴霧して乾燥し、機能薬剤が不織布最表層の繊維間に分散して存在している高機能濾材を得た。
[実施例4]
ポリプロピレンメルトブロー不織布に帯電処理を施した電荷保持不織布(東レ社製、“トレミクロン”(登録商標)、通気度:40cm3/cm2/sec)に、図1に示したスプレー方法を用いて、抗ウイルス・抗アレルゲン性機能薬剤を含む水溶液を噴霧して乾燥し、機能薬剤が不織布最表層の繊維間に分散して存在している高機能濾材を得た。
ポリプロピレンメルトブロー不織布に帯電処理を施した電荷保持不織布(東レ社製、“トレミクロン”(登録商標)、通気度:40cm3/cm2/sec)に、図1に示したスプレー方法を用いて、抗ウイルス・抗アレルゲン性機能薬剤を含む水溶液を噴霧して乾燥し、機能薬剤が不織布最表層の繊維間に分散して存在している高機能濾材を得た。
[比較例1]
ポリプロピレンメルトブロー不織布に帯電処理を施した電荷保持不織布(東レ社製、“トレミクロン”(登録商標)EZ4012、通気度:5cm3/cm2/sec)に、実施例3と同様の手順で薬剤を噴霧・乾燥して濾材を得て評価した。
ポリプロピレンメルトブロー不織布に帯電処理を施した電荷保持不織布(東レ社製、“トレミクロン”(登録商標)EZ4012、通気度:5cm3/cm2/sec)に、実施例3と同様の手順で薬剤を噴霧・乾燥して濾材を得て評価した。
[比較例2]
ポリプロピレンメルトブロー不織布に帯電処理を施した電荷保持不織布(東レ社製、“トレミクロン”(登録商標)、EN2240、通気度:100cm3/cm2/sec)に、実施例3と同様の手順で薬剤を噴霧・乾燥して濾材を得て評価した。
ポリプロピレンメルトブロー不織布に帯電処理を施した電荷保持不織布(東レ社製、“トレミクロン”(登録商標)、EN2240、通気度:100cm3/cm2/sec)に、実施例3と同様の手順で薬剤を噴霧・乾燥して濾材を得て評価した。
[比較例3]
ポリプロピレンメルトブロー不織布に帯電処理を施した電荷保持不織布(東レ社製、“トレミクロン”(登録商標)、通気度:80cm3/cm2/sec)に、図1に示したスプレー方法を用いて、抗菌・カビ抵抗性薬剤を含む水溶液を噴霧して乾燥して濾材を得て評価した。
ポリプロピレンメルトブロー不織布に帯電処理を施した電荷保持不織布(東レ社製、“トレミクロン”(登録商標)、通気度:80cm3/cm2/sec)に、図1に示したスプレー方法を用いて、抗菌・カビ抵抗性薬剤を含む水溶液を噴霧して乾燥して濾材を得て評価した。
[比較例4]
比較例1で用いた通気度の小さな電荷保持不織布に実施例3と同様の手順で薬剤を噴霧・乾燥して濾材を得て評価した。
比較例1で用いた通気度の小さな電荷保持不織布に実施例3と同様の手順で薬剤を噴霧・乾燥して濾材を得て評価した。
[比較例5]
比較例2で用いた通気度の大きな電荷保持不織布に実施例3と同様の手順で薬剤を噴霧・乾燥して濾材を得て評価した。
比較例2で用いた通気度の大きな電荷保持不織布に実施例3と同様の手順で薬剤を噴霧・乾燥して濾材を得て評価した。
[比較例6]
実施例3で用いた電荷保持不織布に不織布貫通風速を比較例1と同じように小さくした以外は実施例3と同じ手順で薬剤を噴霧・乾燥して濾材を得て評価した。
実施例3で用いた電荷保持不織布に不織布貫通風速を比較例1と同じように小さくした以外は実施例3と同じ手順で薬剤を噴霧・乾燥して濾材を得て評価した。
[比較例7]
実施例3で用いた電荷保持不織布に、不織布貫通風速を比較例2と同じように大きくした上で薬剤を噴霧・乾燥して濾材を得ようとしたが、電荷保持不織布の通気抵抗が大きく、所定の不織布貫通速度にならなかった。
実施例3で用いた電荷保持不織布に、不織布貫通風速を比較例2と同じように大きくした上で薬剤を噴霧・乾燥して濾材を得ようとしたが、電荷保持不織布の通気抵抗が大きく、所定の不織布貫通速度にならなかった。
[比較例8]
実施例3で用いた電荷保持不織布を抗菌・カビ抵抗性薬剤を含む水溶液に含浸して、マングルで絞った後、乾燥して濾材を得て評価した。
実施例3で用いた電荷保持不織布を抗菌・カビ抵抗性薬剤を含む水溶液に含浸して、マングルで絞った後、乾燥して濾材を得て評価した。
各実施例・比較例における機能薬剤付着量、加工条件、性能評価結果の詳細を表1に示す。
これら実施例・比較例の結果、実施例1〜4においては加工性も良好で、高捕集効率・低圧力損失と良好な機能特性をもった高機能濾材を得ることができた。
一方、比較例1、6は機能薬剤が舞い上がり機能薬剤の付着量が少なく十分な機能特性を得ることができなかった。また、装置周辺の汚れもひどかった。
比較例2、5は機能薬剤が噴霧面の反対面に抜けてしまい機能薬剤の付着量が少なく十分な機能特性を得ることができなかった。機能薬剤が濾材の内部の繊維を被覆して捕集性能が悪かった。
比較例3は機能薬剤が噴霧面の反対面に抜けてしまい機能薬剤の付着量が少なく十分な機能特性を得ることができなかった。また、機能薬剤が濾材の内部の繊維を被覆して捕集性能が悪かった。
比較例4は電荷保持不織布の表層部に機能薬剤が付着して薄膜層面積比率が大きくなり圧力損失上昇率が大きくなり、濾材として使用できなかった。
比較例8は付着量が多くなり、圧力損失が高くなりすぎて濾材として使用することができなかった。
本発明の濾材は、空気清浄機や空調、キャビン、プリンター、マスクなどに用いられるエアフィルター用の濾材として好適に利用可能である。
1:電荷保持不織布
2:機能薬剤付与部
3:スプレー
4:サクション
5:乾燥機
6:機能薬剤薄膜層
2:機能薬剤付与部
3:スプレー
4:サクション
5:乾燥機
6:機能薬剤薄膜層
Claims (8)
- 通気度が10〜50cm3/cm2/secの電荷保持不織布の少なくとも一方の面の不織布最表層の繊維間に機能薬剤の薄膜層が分散して存在し、かつ、該不織布最表層における前記機能薬剤の薄膜層の面積比率が10%〜50%である濾材。
- 前記機能薬剤が0.1〜6g/m2担持されている、請求項1に記載の濾材。
- 前記機能薬剤が、抗ウイルス、抗菌、抗アレルゲン、およびカビ抵抗性の少なくともいずれか一つの機能を有する薬剤である、請求項1または2に記載の濾材。
- 前記電荷保持不織布が、エレクトレット加工メルトブローである、請求項1〜3のいずれかに基材の濾材。
- 通気度が10〜50cm3/cm2/secである電荷保持不織布に、該電荷保持不織布を1m/min以上5m/min以下の流速で貫通する気流の存在下で機能薬剤を吹き付けて、乾燥する濾材の製造方法。
- 乾燥温度が80〜140℃である、請求項5に記載の濾材の製造方法。
- 前記気流をサクション方式で発生する、請求項5または6に記載の製造方法。
- 前記機能薬剤の吹き付けにより前記電荷保持不織布の圧力損失が2%以上20%以下上昇するように該機能薬剤を吹き付ける、請求項5〜7のいずれかに記載の濾材。
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