JPS61179354A - 流体透過性の繊維質マトリツクスおよびその製法 - Google Patents

流体透過性の繊維質マトリツクスおよびその製法

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JPS61179354A JP61007160A JP716086A JPS61179354A JP S61179354 A JPS61179354 A JP S61179354A JP 61007160 A JP61007160 A JP 61007160A JP 716086 A JP716086 A JP 716086A JP S61179354 A JPS61179354 A JP S61179354A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野および背景 本発明は、大なる表面積を有する流体透過性の繊維質マ
トリックスおよびその製法に関するものである。
相互に作用し合う2種またはそれ以上の物質を使用する
化学的方法、生物学的方法、吸着方法等の種々の方法で
は、相互に作用し合う前記の物質が利用し得る界面が、
当該方法の進行速度を決定するものであるが、このこと
は周知である。この利用可能界面が大きければ大きい程
、当該方法は一層速やかに、かつ一層効果的に進行する
であろう。この利用可能界面を大きくするために、大な
る表面積を有する担体上に前記物質を担持させる操作が
一般に行われる。該物質は担体上に、できるだけ薄い層
の形で担持させることが多い。これによって、担体の大
なる表面積を利用して前記の利用可能界面を大きくする
ことができる。しかしてこの表面積は、担体の寸法を小
さくすることによって増すことができる。上記の好まし
い方法は実際は次のように行われ、すなわち前記の物質
を担持した多(の担体粒子を用いて床を作り、そして、
当該方法に関与する別の物質を前記の床に供給する操作
が行われるのである。
担体粒子の寸法を小さくして、当該方法における利用可
能界面を増大するという操作態様の欠点は、当該方法に
関与する前記物質2種またはそれ以上を相互に接触させ
るために必要なエネルヤ−(これはたとえば圧力の形で
与えられる)の量≠ζ担体粒子の寸法の減少に伴ってま
すます多くなることである。この点にかんがみ、担体粒
子の寸法と、担体による圧力低下度との間に適当な妥協
点を見出さなければならない。
粒子の微孔性(microporosity) Kつい
て述べれば、ここで興味深いものは、利用可能な外側の
表面積であるが、これについては、後記の公知技術の第
1の具体例を参照されたい。
本発明の目的は、前記の欠点を有さすぞして担体として
有用な、大なる表面積を有する流体透過性の繊維質マト
リックスを提供することである。
この繊維質マトリックスは、大なる表面積を有するにも
かかわらず圧力低下度が低く、すなわち、流体がマトリ
ックス中を流動通過するときの圧力低下度が低いという
特性を有する。
本発明の構成および効果について詳細に説明する前に、
従来の技術の具体例2種およびその欠点について述べる
ことにする。
公知技術の第1の具体例は、ガス混合物または液体混合
物から酸物質を吸着させる方法に関するものである。こ
の操作は、精製または回収の目的で行われる操作であっ
て、たとえば塗料噴霧工場において空気中に浮遊してい
る溶剤の吸着のために行われ、しかし驚てこの場合には
、被処理混合物を吸着性物質(すなわち吸着剤)含有床
の中を通過させるのである。この吸着性物質の例には活
性炭、ゼオライト、微孔質重合体(たとえばジビニルベ
ンゼンで架橋された/ IJスチレン)があげられる。
この床の吸着能を維持するために、この床に一般に再生
操作を定期的に実施し、しかして床の有効期間(再生操
作を行う迄の期間)は、床が当該物質を含有し得る最高
量すなわち、最大含量によって決まる値である。この床
(”フィルター床”とも称する)が最高含量に達した後
は、もはやそれ  4以上の物質を吸着し得す、物質の
漏出が始まる。
したがって前記の最大含量は、”漏出(開始)時含量″
(breakthrough content)とも称
される。
この最高含量は、物質の精製度および損失防止の立場か
ら許容され得る値でなければならない。
この吸着剤の床が同寸法の球形粒子からなるものであり
、この床に所定量の空気を供給して鉄床の中を流動通過
させ、この空気中の溶剤の濃度が或一定の値である場合
には、床の中の吸着剤粒子の溶剤含量(すなわち吸着量
)は、第1図のグラフに示されているように床の深さく
床の厚み)に応じて変り、すなわち床の漏出時含量は鉄
床の深さに応じて変化するであろう。第1図のグラフに
おいて、曲線1は非常に細かい粒子、曲線2はそれより
直径が少し大きい粒子、曲線6はなお一層大きい粒子、
曲線4は、使用された粒子のうちで直径が一番大きい粒
子を、それぞれ用いたときの実験の結果を示す曲線であ
る。各曲線の下側の区域の面積と、コーナーA、BXC
,Dを有する矩形の部分の面積との関係は、吸着性物質
の平均利用効率の大小関係を示す尺度である。
吸着性物質を経済的に使用し、床(フィルター)および
その容器を小形化し、すなわちこれらの費用をできるだ
け節約するために1小直径の粒子を、高度の使用効率で
使用するのが好ましい。しかしながら小粒子を使用した
場合には、床を横切る圧力低下度が増大し、したがって
既述のエネルヤー費が増大する。さらに1被処理ガスま
たは被処理液(すなわち濾過すべきガスまたは液)が微
細不純物を含有するものである場合には、床に目詰まり
が生じ、この目詰まりは、粒子の寸法が小さくなるにつ
れて一層多くなるであろう。
したがって、経済的立場からみて最適の床(フィルター
)は、粒子の寸法の立場からみれば必ずしも最適とはい
えず、適当な妥協点を見出さなければならない。
使用効率が高くない理由として、吸着性物質は、許容最
高含量に達する前に、すなわち漏出が始まる前に、外面
がら空孔を通じて全粒子の中心の方に拡散させるのに充
分な時間を有しない(換言すれば、拡散のためにかなり
長い時間を要する)ことがあげられる。
前記粒子が球形以外の幾何学的形態を有し、そしてこれ
らが全部同じ形態のものである場合、あるいは、これら
の粒子が実質的に同じ形態を有し、ただしその寸法は粒
子毎に異なっており、これらの粒子の平均粒子径が所定
の値である場合においても、第1図に記載の状態になる
であろう。重要な条件は、微孔中でその長さに応じて要
求される最長拡散距離であり、すなわち、粒子の外面か
らその中心までの幾何学的な距離である。この距離が短
かければ短かい程、この吸着剤の利用効率がますます高
くなり、すなわち、第1図中のグラフ中の曲線ABCで
示される濃度曲線に近づくであろう。
微孔内金通る拡散による物質の移動が律速段階であり、
一方ガス相または液相から粒子表面への被吸着物質の拡
散速度および活性表面上への吸着率が重要でない場合に
おいてのみ、前記の解析は完全に正しい。しかしながら
前記の粒子表面への拡散速度や吸着率は、はとんどすべ
ての実際の操作において重要な条件である。
たとえば、流量が所定の量であり、原料流の中の被吸着
物質1種またはそれ以上の量も所定の量である場合には
、吸着剤粒子の寸法は、前記の圧力低下度と妥協して定
められるべきものであり、したがって、圧力低下に打克
って原料流を流動させるためのエネルギーの費用も前照
して定められるべきものであり、さらにまた、吸着剤の
床の使用効率および吸着剤の費用および鉄床(°フィル
ター”とも称する)の容器(”ケーシングとも称する)
の費用をも考慮に入れて定められるべきものである。
粒子が大寸法のものである場合には、すなわち拡散距離
が長い場合には、前者の費用(エネルヤー費)は節減で
きるが後者の費用(吸着剤、床および容器の費用)が増
加する。一方、小粒子からなる床は、ガス流または液流
中に固体不純物が存在する場合に目詰まりが起り易い。
しかして、このガス流または液流中に固体不純物が存在
することは、実際の場合においてごく普通のことである
したがって、最長拡散距離が比較的短かく、圧力低下度
が比較的低く、目詰りも比較的起り難いという吸着剤含
有床が製作できたならば、これは大なる実用的効果を奏
するであろう。
従来の技術の第2番目の具体例について説明する。この
具体例は、担体物質の表面において微生物や細胞等を培
養することに関するものである。
このような培養方法では、担体物質表面上の細胞の層を
できるだけ薄<シ、いわゆるモルイヤー(@単層”とも
称する)にするのが好ましい。この方法においては、栄
養素および(もし可能ならば)酸素を微生物の方に拡散
させ、一方、この微生物からその代謝物質を遠くの場所
の方に拡散させ、そしてこれらの拡散を促進させるので
ある。
この技術の一例として、生物学的な床を使用することが
あげられるが、この床は実際に排水浄化装置等において
使用されている。このような従来の方法では、微生物l
C酸素を効果的に供給することが困難である。実際には
、微生物に酸素を供給するために、微生物を取巻く基質
含有液からなる液相を通じて酸素を微生物の方に拡散さ
せなければならない。液相中の酸素の拡散速度は一般に
非常に低く、そしてこれは当該生物学的方法全体の進行
速度を決める律速段階である。したがって、この酸素の
移動を促進するために種々の試みが行われ、たとえば攪
拌、空気(気泡)の微細化、基質含有液の微細化(液滴
化)等の試みがなされた。
これらの手段は或程度の改善をもたらすけれども、これ
らは比較的大量のエネルギーを要するものである。
たとえば空気供給(曝気)工程の操作費は、工場で実施
される生物学的方法において最高の費用である装置費や
原料費に次ぐ高額の費用であることが多い。また、気液
接触面を増大させるための前記微細化は、一般にあまり
大なる効果を奏さない。基質含有液を微細化して液滴に
したとしても、各液滴はそれぞれ実質的な重量や容量を
有し、空  気は比較的長い時間の後においてのみ液滴
中に完全に拡散できるにすぎず、すなわち、完全拡散の
ためにかなり長い時間が必要である。
上記の説明から明らかなように、好気性の生物学的方法
の進行速度を決定する前記の系の酸素移動の能力が、従
来の系では決して満足すべきものではなかった。すなわ
ちこのことが公知方法の種穐の欠点のうちで最も重大な
欠点であった。なぜならばこの段階が、基質中における
生成物の生産性または細胞濃度の最終値の上限値を決定
するからである。生物学的方法では、はとんどすべての
場合において細胞濃度または生産性をできるだけ大きく
することが好ましい。
発明の目的および構成 前記の公知技術の欠点を解消するために、本発明を完成
したのである。
本発明は、大なる表面積を有する流体透過性の繊維質マ
トリックスにおいて、マトリックス中の繊維の間に、複
数の薄い円板または膜を相互に間隔をへだてて配置し、
その面は、この繊維質マトリックス中を透過させるべき
流体の流動方向に実質的に平行であることを特徴とする
、流体透過性の揄澁譬マド11ツクスに閣−rふ叡ので
あふ一本発明の特徴は、特許請求の範囲の記載から明ら
かであろう。
本発明では、ミネラルウール好ましくはガラスウールか
らなる繊維質マトリックスを使用するのが有利である。
この繊維質マトリックスは、本発明のマトリックスに要
求されるすべての性質を有する。要求される性質の例に
は、不活性であること、がスおよび液の流動に対する抵
抗性が低いこと、寸法安定性が良好であること等があげ
られる。
このマトリックスは安価に製造できる。
たとえば密度23kf/m3のがラスウールから構成さ
れた繊維質マトリックス(この密度値は、普通の建材用
がラスウールパネルの密度値と大体同じである)におい
ては、その全体積の約1qbががラスからなり、99チ
は空孔である。
このマトリックスを構成する繊維の平均直径は約1−5
00μm、好ましくは約1−100μm1最も好ましく
は約1−20μmである。
本発明に係るミネラルウール質マトリックスの繊維は主
配向面を有し、繊維の全長の60%以上は、主配向面か
らのずれが最高20°である。好ましくは、繊維の全長
の70%以上は主配向面からのずれが最高20°であり
、最も好ましくは、繊維の全長の80%以上この条件を
みたすものであるべきである。
本発明に係るミネラルウール質マトリックス中の繊維の
主配向面は、たとえば次の方法で形成できる。マトリッ
クスの製造の際に、繊維を吹付けるべき基体の運動速度
を常用速度より大きくし、これによって基体面をマトリ
ックス用繊維の主配向面に相当するものにし、すなわち
基体面を主配向面にするのである。しかしながら本発明
では、繊維の主配向面を形成させる方法に関し如何なる
特定の方法にも限定されず、任意の適当な形成方法が利
用できる。本発明では、上記の形成方法の種類とは無関
係に、各マトリックスは主配向面を有し、繊維全長の6
0%以上は主配向面からのずれが最高20°であるべき
である。
前記の説明から明らかなように、本発−〇マトリックス
は三次元的構造を有し、すなわちこれに互いに直交ぜる
3つの面の各々において、これらの面が繊維の直径の1
0倍以上の長さをもつという程度の大きさを有する。こ
の三次元的形状の繊維質マトリックスの自己支持性(す
なわち自己形態保持性)を増強するために、マ)リツク
ス中の繊維をその交叉部において相互に接着でき、この
接着は化学的または機械的接着手段によって行うことが
でき、したがって接着部には化学結合または機械的結合
(bonds )が生ずる。化学的接着方法の例には、
フェノール樹脂等の重合体系接着剤を用いて繊維をその
交叉部において相互に接着させることがあげられる。接
着方法の別の例には、繊維をその交叉部において、m熱
または溶剤の使用によって相互に融着または溶着するこ
とがあげられる。機械的接着方法の例には当該繊維を縫
着することがあげられる。このような接着操作を行った
後の三次元的形状のマ)IJラックス実質的に充分な自
己支持性を有し、したがって、このマトリックスのため
のカプセル状の特別な保持具は一般に不必要である。し
かしながら、マトリックス部材に支持手段を設けるのが
好ましい場合もあり得るであろう。この支持手段は簡単
かつ安価な手段でよってよく、たとえば金網または有孔
金属板の如きがス透過性の壁部構成材が使用できる。
最も簡単な具体例について述べれば、この場合のマトリ
ックスは、実質的に同じ寸法および性質を有する繊維か
ら構成されたものであり、すなわちこのマトリックスは
同種繊維体(fibre body)からなるものであ
る。このマトリックスの垂直境界壁に、その下流側の液
が浸透するのを防ぐために、マトリックスの垂直な外面
に疎水性化処理を行うことができ、たとえば、これらの
外面の繊維を疎水性の油脂また重合体で処理でき、しか
してこの処理はそれ自体公知の方法によって実施できる
。この処理を行った後には、これらの外面すなわち外層
の繊維は液に濡れず、この理由によってガス圧低下度を
低く保ちながら液の侵入を防ぐことができるのである。
この構造のマトリックスでは、マ) IJラックス外層
がその内部の湿潤性の層のための外側境界壁として役立
ち、ここは液を透過しないががスは透過できる。
本発明のマトリックスの別の具体例について述べる。こ
のマトリックスは多層マトリックスであり、すなわちこ
のマトリックス体は、繊維の直径、繊維直径分布、繊維
長、密度等が互いに異なる複数の繊維層からなるもので
ある。しかしてこれらの層はそれぞれ別々の層からなる
か、また′はその末端部が互いにつながっているもので
あってよい。
これらの繊維層は、液の流動方向く各層が互いに平行に
累積してなる積層体であるか、あるいは各層が同心的に
積層した積層体であることが好ましい。各層がそれぞれ
別々の層である場合には、これらの層は互いに直接に係
合させるか、または、これらの層をそれぞれ酸中間層を
介して係合させることができ、この中間層は好ましくは
疎水性のものである。
本発明の繊維質マトリックス中の表面積の大きい膜(s
urface−enlarged membranes
 )  の構造およびその構成材料拡種々変えることが
できるが、これらの膜はすべて、繊維質マトリックスの
中でその場でフィルム形成性材料から形成できる。この
ようにして作られた膜は、重合体、金属、非晶質または
がラス質の物質からなるものでよく、そして、種々の繊
維の間で伸長されたものであってよい。しかして、この
繊維またはその一部は前記の膜形成性材料で覆われてい
てもよい。この膜形成性材料は、有機または無機物質か
らなりそして室温においてフィルム形成性を有するかま
たはその軟化点または融点に加熱することによってフィ
ルム形成性のものになる。材料である。この膜形成、 
 性材料の例にはガラス、金属、セラミック、臘、油脂
、フィルム形成性を有する合成および天然重合体があげ
られる。有機物質からなる膜には、炭化処理を行う(c
arbonaze )ことも可能である。
繊維質マトリックス中の前記の膜はがスや液を実質的に
透過させないもの、すなわち実質的に不透過性のもので
あってよく、あるいは多孔質たとえば微孔質のものであ
ってもよい。
本発明に係る膜を有する繊維質マトリックスはそのまま
の形でたとえば吸着材として使用でき、あるいはこれは
活性物質を膜上に担持するためO担体として使用できる
。この活性物質は、酸化学的または生物学的方法におい
て1slまたはそれ以上の他種物質との相互作用を行わ
せるために使用するものである、本発明に係る繊維質マ
トリックスに固定できる活性物質の例には、官能基含有
物質(これは、化学的な後処理によって膜内に導入でき
る)、触媒(化学反応に影響を与える周知の無機および
有機触媒)、およびいわゆる生物学的触媒〔1生触媒”
とも称され、その具体例にはバクテリア、イースト、菌
(カビ)、藻菌、動物の細胞、ヒトの細胞、植物の細胞
、蛋白質、酵素があげられる〕があげられる。さらにま
た、活性炭やゼオライトの如き吸着性物質(すなわち吸
着剤)、および大なる内面を有する他種多孔性物質もま
た本発明の繊維質マトリックスに固定でき、これらの物
質も前記の1活性物質”の範囲内に入る。
活性物質は本発明の繊維質マ) IJラックス種々の固
定方法によって固定できる。たとえば、活性物質は膜面
の最上部に、物理的接着力、化学結合によって、あるい
はバインダーを用いて固定できる。あるいは活性物質を
膜の中に多少埋め込んで固定させることもできる。この
膜内への活性物質の埋め込みは、膜内の小孔(pare
s )内への活性物質の埋込むことによって達成できる
。あるいは、膜の製造(成形)中に膜の固化前に活性物
質を膜に供給することによって、活性物質を膜内に強く
または弱く固定することができる。
既述の如く、本発明はまた前記の種類の流体透過性の繊
維質マトリックスを製造する方法にも関する。したがっ
て、本発明の繊維質マ) IJソックス製造方法および
その具体例について、以下の文節において詳細に説明す
る。
既述の種類の多孔性の3次元ミネラルウール繊維質マト
リックス中の繊維は高い配向度で配向しており、すなわ
ち繊維の全長は、1つの主配向面内に実質的に配列して
いる。この主配向面は実質的に垂直方向の面である。こ
の方法に従って配列された繊維質マトリックスの上端部
の面に膜形成用の液を供給して、この液をマトリックス
中を下降流動させる。この膜形成用の液はマトリックス
中の繊維を濡らすが、この液は膜の形成のために適当な
粘度および表面張力を有するものである。
この膜は主配向面内の繊維の間に形成させるの、が好ま
しい。この膜形成用の液は、重合反応、液からの溶媒蒸
発、冷却または他の固体化方法によって固体化する。こ
の固体化(′″固体化とも称する) ・方法によって形
成された固体膜はそのままの形で使用でき、あるいは、
さらに処理でき、これによって微孔性のものにすること
ができ、たとえば微孔質吸着剤が形成できる。この繊維
質マ) IJラックス多孔質であって、ガスおよび液の
両者を容易に透過し得るから、これは吸着剤の床として
使用できる。公知の粒子からなる床に比較して、この床
は圧力低下度が低く、目詰まりの傾向が低く、しかも充
分な自己支持性を有するから、工場における装置費がか
なり節減できる。前記の繊維は補強作用を有するから、
機械的強度が非常に低い吸着剤もまた使用できる。
この膜の厚さは、繊維の直径、膜形成用の液の粘度およ
びその表面張力ならびにその繊維湿潤特性、この固体化
方法の反応速度、液の流量、および任意的に再生液の通
過流量等の値を適当に選ぶことによって、所望通りに制
御できる。単位体積当りの吸着剤の量は、平均膜厚、繊
維の配向度、繊維質マ) IJラックス使用開始時の密
度によって決定される値である。
溶媒の存在下に膨潤する膜を使用することによって、高
吸着能と、大形分子への高度の接近性との両方の効果が
得られる。これは、生物学的方法における生成物の分離
や精製の際に非常に役立つものである。本発明の膜では
、膨潤時または非膨潤時における厚さについて制限は全
くない。ただし、膜の厚さを大きくした結果として流動
抵抗が増加するから、これが実際の操作における限定条
件となることがある。この限定条件の具体的な値は、種
々の利用分野において、個々の場合における許容圧力低
下度および許容流量に大きく左右されて種々変わるであ
ろう。
この流体透過性の繊維質マトリックスに膜を既述の固体
化方法によって形成させるときに、流体の流動方向に空
気または他の適当ながスを吹込むことができ、これによ
って、このマトリックスの使用時に流体の所望流動方向
を実質的に横切るような位置に膜が生ずるのを防ぐこと
ができる。この固体化方法の反応速度に影響を与えるた
めにガス状触媒または熱を利用することが所望される場
合には、空気または他のがスを、担体がスすなわちキャ
リヤーがスとして使用するのが好ましい。
この固体化方法が溶媒の蒸発工程を含むものである場合
には、蒸発した物質の除去のためにも前記の空気または
他のガスが利用できる。
既に述べたように、本発明に係る3次元的形態の繊維質
マトリックス中の繊維は高配向度で配向しており、すな
わち、繊維の全長は実質的に1つの主配向面内に配列し
ている。
意外にも本発明者は、この繊維質マトリックス中の繊維
の配向度を大きくすることによって、こ単位重量当りの
値である)、すなわち膜形成性が大きく改善できること
を見出された。繊維全長の609b以上は主配向面から
のずれが最高20°以下であるとき、前記の増加が特に
顕著である。さらにまた、供給流体中に含まれる粒子(
たとえば、微生物の培養の際の栄養素含有液に含まれる
不純物粒子)による繊維マトリックスの目詰りおよびこ
の繊維質マトリックスの流体抵抗性が、繊維配向度を増
加した場合にはかなり少なくなるのである。
本発明を一層具体的に例示するために、次に実施例を示
す。
実施例 互いに繊維配向度が異なる種々のがラスウール質マトリ
ックス試料を作り、これに次の方法によってゼラチン膜
を形成させ、その外側表面積(Out+er 5urf
ace ) (相対値)を測定した。
ゼラチン粉末を湯に溶解して濃度5011/lの溶液を
作った。密度40g/cIIL3、繊維直径4μmの、
かつ所定の繊維配向度を有するがラスウール質マトリッ
クスを水で湿潤させ、そしてこのマトリックスにゼラチ
ン溶液17(マトリックス1j当り)を供給した。この
ゼラチン溶液はこの繊維の主配向面に沿って流動させた
。次いでマトリックスを80°傾けて6時間保つことに
よって、マトリックス中の繊維の間にゼラチン膜を重合
体フィルムの形に形成させた。
このマトリックスの外側真面積を、吸着量の測定によっ
て測定した。すなわち、ウシのパンクレアス・リボヌク
レアーゼ(pancreas ribonucleas
e)(W#素の11[)の吸着量を測定した。このりが
ヌクレアーゼは、シグマ・ケミカル社から入手したもの
であった。この酵素を透析し、熱逃理しく62℃)、次
いで、該酵素29およびKNO3Q、Q 5 M(水1
1当り)を含有する酵素含有液をマトリックス中にみた
した。マトリックスに吸着されなかった酵素は洗浄によ
って除去し、酵素の吸着量を測定し、帥記の外側表面積
の相対値〔酵素吸着量の増加度=外側表面積(相対値)
の増加度〕を、マトリックスの繊維配向度の関数として
記録した。
この繊維配向度は、主配向面からのずれが最高20°に
すぎない繊維の全長の割合C%) (マトリックス中の
全繊維の全長基準)で表わされる値である。このように
して作成されたグラフを第2図に示す。このグラフ中の
曲線で示されているように、マトリックス中の繊維が主
配向面内に著しく配向したものである場合に、特に、マ
トリックス中の繊維全体の60%以上が主配向面から最
高20°しかずれていないものである場合に1外側表面
積が非常に大であると思われる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、吸着剤からなる床の深さと、吸着剤中に吸着
された物質の濃度との関係を示すグラフである。 第2図は、マトリックスの外側表面積(相対値)と、主
配向面からせいぜい20°しかずれていない繊維の割合
CTo) (マトリックス中の全繊維の全長基準)との
関係を示すグラフである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)大なる表面積を有する流体透過性の繊維質マトリ
    ックスにおいて、マトリックス中の繊維全長が主配向面
    内に実質的に配向しており、これらの繊維の間に膜を設
    けたことを特徴とする流体透過性の繊維質マトリックス
  2. (2)マトリックス中の繊維の全長の60%以上は、主
    配向面からのずれが最高約20°であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の流体透過性の繊維質マ
    トリックス。
  3. (3)マトリックス中の繊維の全長の80%以上は、主
    配向面からのずれが最高約20°であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第2項に記載の繊維質マトリックス。
  4. (4)繊維がミネラルウールからなるものであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項−第3項のいずれか一
    項に記載の繊維質マトリックス。
  5. (5)膜がガラス、金属、セラミック、蝋、油脂、合成
    および天然重合体物質からなる群から選択されたフィル
    ム形成性有機または無機物質から構成されたものである
    ことが特徴とする特許請求の範囲第1項−第4項のいず
    れか一項に記載の繊維質マトリックス。
  6. (6)膜が実質的に不透過性のものであることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項−第5項のいずれか一項に記
    載の繊維質マトリックス。
  7. (7)膜が多孔質のものであることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項−第5項のいずれか一項に記載の繊維質
    マトリックス。
  8. (8)膜に活性物質が添加されており、この活性物質が
    官能基含有物質、無機および有機触媒、生物学的触媒、
    および吸着性物質からなる群から選択されたものである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項−第7項のいず
    れか一項に記載の繊維質マトリックス。
  9. (9)吸着性物質が、活性炭およびゼオライトからなる
    群から選択されたものであることを特徴とする特許請求
    の範囲第8項に記載の繊維質マトリックス。
  10. (10)大なる表面積を有する流体透過性の繊維質マト
    リックスを製造する方法において、繊維全長が主配向面
    内に実質的に配向しているマトリックスを、この主配向
    面が実質的に垂直になるように配置し;この繊維質マト
    リックスの上端部にフィルム形成性の液を供給してこの
    繊維質マトリックス中を通過させることによつて、マト
    リックス中の繊維の間に膜を形成させ;この膜を固体化
    することを特徴とする流体透過性の繊維質マトリックス
    の製造方法。
JP61007160A 1985-01-17 1986-01-16 流体透過性の繊維質マトリツクスおよびその製法 Pending JPS61179354A (ja)

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