JP2002001027A - 多層集塵フィルター - Google Patents

多層集塵フィルター

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JP2002001027A
JP2002001027A JP2000187386A JP2000187386A JP2002001027A JP 2002001027 A JP2002001027 A JP 2002001027A JP 2000187386 A JP2000187386 A JP 2000187386A JP 2000187386 A JP2000187386 A JP 2000187386A JP 2002001027 A JP2002001027 A JP 2002001027A
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dust
multilayer
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dust collecting
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JP2000187386A
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English (en)
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Tomohisa Kondo
藤 智 久 今
Hiroki Nagayama
山 啓 樹 永
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Nissan Motor Co Ltd
Mahle Filter Systems Japan Corp
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Tennex Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期通気抵抗を上昇させることなく微細粒子
に対する集塵効率を飛躍的に高めることができ、しかも
高風量時の形状保持特性を併せ持つ高性能の集塵フィル
ターを提供する。 【解決手段】 空気の最上流側(D/S)に位置する第
1のフィルター1として、平均繊維径20〜60μmの
繊維からなる面密度20〜100g/m2の不織布を使
用し、下流側(C/S)に位置する第2のフィルター2
としては、平均繊維径0.5〜10μmの繊維からなる
面密度5〜70g/m2の不織布を少なくとも1層用い
た多層フィルターとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空調装置な
どに用いられる除塵濾材技術に係わり、微細粒子粉塵を
効果的に除去し、しかも風量低下を来すことなく、除塵
性能を維持することができる多層集塵フィルターに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、上記のような除塵濾材において
は、ハウスダストや花粉などの数十ミクロンオーダーの
粒子の除去に加えて、たばこの煙やディーゼル車両から
排出される微粒子など、サブミクロンオーダーの粉塵除
去が広く望まれている。
【0003】このような課題を解決するため、電気集塵
方式や、濾材としてはエレクトレット繊維の静電気力を
利用したもの、さらにはHEPAフィルターと呼ばれる
微細繊維を用いたフィルターなどが知られており、数多
く市販されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来用
いられてきた集塵性能の向上手法、すなわちフィルター
を構成する繊維径を細くすること、あるいは面密度を増
加させて捕集効率を向上させる方法などにおいては、面
密度増加によって通気抵抗の増加を招き、所望の風量を
得ることができず、空調装置本来の性能を損なうことに
なる。また、細径繊維のみを用いた場合に、面密度が充
分でないと布織布自体に充分な剛性を付与することがで
きず、風圧を受けた場合に形状を維持することができな
いという問題がある。
【0005】例えば、特開平11−90133号公報お
よび特開昭60−168510号公報には、集塵性能の
高いフィルター材料として、ハニカム構造を用いたフィ
ルターや不織布を用いたエレクトレットフィルターが提
案されているが、これらのフィルターは微粒子の除去性
能,通気損失および形状保持性の三者を鼎立するには至
っていない。
【0006】すなわち、特開平11−90133号公報
に記載されたハニカム構造とエレクトレット処理した不
織布を用いた複合フィルターにおいては、通気抵抗を増
加させないように、できる限り通気抵抗を抑えた不織布
を使用しているため、高風量の際に除塵性能が損なわれ
るという問題がある。また、ハニカム構造と複合化して
いるために、平織り加工ができず、エレクトレット処理
した不織布と通過空気との接触面積を稼ぎ出すことがで
きなくなって、微粒子の除去能力を高めることが難し
い。
【0007】一方、特開昭60−168510号公報に
おいては、エレクトレット不織布を面方向に2層設定
し、その中間に「く」の字形に不織布を積層することが
提案されている。この場合、製造時における工程が多岐
にわたり、コストがかさむこと、細径繊維を中間層に
「く」の字形に配置するため、フィルターとしての剛性
が不十分となるという問題を有している。
【0008】このように、通気抵抗が低く、かつ微細粒
子を充分に除去できる集塵性能を持ち、さらにはフィル
ターとしての形状保持特性を備えた集塵フィルターは未
だ完成されていないのが現状であって、このような高性
能集塵フィルターの開発が課題となっていた。
【0009】
【発明の目的】本発明は、従来の集塵フィルターにおけ
る上記課題に着目してなされたものであって、初期通気
抵抗を上昇させることなく微細粒子に対する集塵効率を
飛躍的に高めることができ、しかも高風量時の形状保持
特性を併せ持つ高性能の集塵フィルターを提供すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決するために、初期通気抵抗の上昇を抑え、かつ微粒
子の集塵性能向上を図ることを目的に、不織布の積層構
造や該不織布に用いられる繊維の配合種類やその配合等
について鋭意検討した結果、2層以上の密度の異なる不
織布から構成され、かつ空気の流れる方向に対して最上
流側であるダーティサイド(以下、D/Sと記す)に繊
維径の大きい繊維からなる不織布を配置し、さらに下流
側であるクリーンサイド(以下、C/Sと記す)に細径
繊維からなる不織布を少なくとも1層配置することによ
って、通気抵抗の上昇を抑え、微粒子の集塵性能の向上
を図ることができることを見出した。
【0011】そして、このような知見に基づいてさらに
検討を重ねた結果、上記不織布を構成する繊維の繊維
径、面密度、積層化された疎密の不織布における通気抵
抗比率、厚み、ひだ折幅、ひだ折ピッチなどを規定する
ことによって、上記性能をさらに向上、確実なものとす
ることができることを見出すに到った。
【0012】本発明は、このような知見に基づくもので
あって、本発明の請求項1に係わる多層集塵フィルター
は、空気の流れる方向に少なくとも2層のフィルターを
備えた多層集塵フィルターであって、空気の最上流側に
位置する第1のフィルターが平均繊維径20〜60μm
の繊維からなる面密度20〜100g/m2の不織布で
あり、下流側に位置する第2のフィルターが平均繊維径
0.5〜10μmの繊維からなる面密度5〜70g/m
2の不織布である構成としたことを特徴としており、多
層集塵フィルターにおけるこのような構成を前述した従
来の課題を解決するための手段としている。
【0013】本発明に係わる多層集塵フィルター実施の
一形態として、請求項2に係わる多層集塵フィルターに
おいては、第1のフィルターの面密度が第2のフィルタ
ーの1.2〜6倍である構成とし、同じく実施形態とし
て、請求項3に係わる多層集塵フィルターにおいては、
第1のフィルターと第2のフィルターとを合わせた厚み
が0.2〜2.0mmの範囲である構成とし、請求項4
に係わる多層集塵フィルターにおいては、第1のフィル
ターがポリエチレンテレフタレート,ビニロンまたはポ
リプロピレン繊維からなり、第2のフィルターがポリプ
ロピレンまたはポリエチレンテレフタレート繊維からな
る構成とし、請求項5に係わる多層集塵フィルターにお
いては、第2のフィルターがメルトブロー繊維からなる
構成とし、さらに、請求項6に係わる多層集塵フィルタ
ーにおいては、2層以上の不織布を重ねた不織布繊維集
合体からなり、該不織布繊維集合体がひだ折り加工さ
れ、そのひだ折幅が15〜40mm、ひだ折ピッチが1
〜10mmである構成とし、請求項7に係わる多層集塵
フィルターにおいては、不織布繊維集合体がエレクトレ
ット加工されている構成とし、多層集塵フィルターにお
けるこのような構成を前述した従来の課題を解決するた
めの手段としたことを特徴としている。
【0014】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる多層集塵フィ
ルターは、繊維径の大きな繊維からなる面密度の大きな
不織布から構成される第1のフィルターがD/Sに配置
されると共に、繊維径の小さい繊維からなる面密度の小
さい不織布から構成される第2のフィルターがC/Sに
用いられている。
【0015】一般に、繊維径の小さい繊維からなる不織
布フィルターは、大気塵などのような微細粒子を捕集す
ることに特化されるが、粒径の大きな塵埃粒子が同時に
付着することによって、通気抵抗が増大し、フィルター
としての機能が損なわれる。
【0016】本発明に係わる多層集塵フィルターにおい
ては、繊維径の大きい繊維からなる不織布と極細繊維を
用いた不織布とを複合化し、大気中の粒径の大きい塵
埃、例えば花粉や綿埃などを上流側で捕集するために、
D/Sにプレフィルターとして機能する繊維径の大きい
繊維からなる不織布を配置し、さらにそれぞれの繊維径
および面密度を最適化しているので、微細粒子の捕集効
率が飛躍的に向上すると共に、通気抵抗の増加が抑制さ
れることになる。
【0017】すなわち、D/Sに配置される第1のフィ
ルターを構成する不織布の平均繊維径が20μmに満た
ない場合、もしくはその面密度が100g/m2を超え
た場合には、不織布密度が大きくなることによって通気
抵抗が増加するので好ましくない。また、平均繊維径が
60μmを超えた場合、もしくはその面密度が100g
/m2に満たない場合には、不織布密度の低下によって
大径粒子の捕集効率が悪化し、プレフィルターとしての
機能が損なわれることになる。なお、第1フィルターを
構成する不織布としては、上記作用をより確実で効果的
なものとする観点から、平均繊維径を30〜50μmの
範囲、面密度を30〜80g/m2の範囲とすることが
望ましい。
【0018】また、C/Sに配置される第2のフィルタ
ーを構成する不織布についても、同様にその平均繊維径
が0.5μm未満もしくは面密度が70g/m2超過の
場合には、通気抵抗が増大すると共に、平均繊維径が1
0μm超過もしくは面密度が5g/m2未満の場合に
は、密度低下による捕集効率悪化のため好ましくない。
なお、第2フィルター用の不織布の面密度としては、1
0〜50g/m2の範囲がより好ましい。
【0019】本発明に係わる多層集塵フィルターにおい
ては、多層フィルターとしての上記性能をより確実で効
果的なものとする観点において、請求項2に記載してい
るように、第1のフィルター(D/S)の面密度を第2
のフィルターの面密度に対して1.2〜6倍とすること
が好ましい。すなわち、第1のフィルターの面密度が第
2のフィルターの面密度の6倍を超えた場合には、微細
粒子の捕集効率が悪化して本来の性能が得られず、逆に
1.2倍に満たない場合には、微細粒子は捕集されるも
のの、プレフィルターとしての性能が低下するため、C
/Sの不織布フィルター材が使用開始後ただちに通気抵
抗の増大を来し、フィルターとしての性能を示すことが
できなくなることがある。なお、この面密度比について
は、1.2〜3倍の範囲とすることがより望ましい。
【0020】本発明に係わる多層集塵フィルターにおい
ては、性能に対する悪影響がなく、しかもプリーツ加工
した際の構造抵抗が小さいことから、請求項3に記載し
ているように、第1のフィルター(D/S)と第2のフ
ィルター(C/S)とを合わせた厚みが0.2〜2.0
mmの範囲、さらに好適には0.5〜0.8mmの範囲
とすることが望ましい。すなわち、0.2mm未満では
所望の面密度とした場合通気抵抗が増大し易く、2.0
mm超過ではプリーツ加工後の構造抵抗が大きくなって
通気抵抗の増大を招く傾向がある。
【0021】また、本発明に係わる多層集塵フィルター
においては、必要に応じてエレクトレット処理を行うこ
と、空調装置のコンデンサー近傍で用いられるため水分
との接触があり得ることなどを考慮すると、請求項4に
記載しているように、D/Sに用いられる第1フィルタ
ーには、ポリエチレンテレフタレート(PET),ビニ
ロンまたはポリプロピレン(PP)繊維を用いた不織布
を使用し、C/Sに用いられる第2のフィルターには、
ポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタレ
ート(PET)繊維からなる不織布を使用することが望
ましい。
【0022】さらに、C/Sで用いられる第2のフィル
ターには、請求項5に記載しているように、ポリプロピ
レン(PP)またはポリエチレンテレフタレート(PE
T)メルトブロー繊維からなる不織布を用いることが望
ましい。一般的に、メルトブロー繊維は極細繊維となる
ことから、C/Sに用いられる第2のフィルター用不織
布材として最適なものとなる。
【0023】本発明に係わる多層集塵フィルターにおい
ては、請求項6に記載しているように、当該フィルター
を2層以上の不織布を重ねた不織布繊維の集合体とし、
この不織布繊維集合体をひだ折幅15〜40mm、ひだ
折ピッチ1〜10mmにひだ折り加工したものとなすこ
とができ、これによって当該多層フィルターの上記性能
がさらに向上し、確実なものとなる。このとき、ひだ折
幅が15mmに満たないときには、所望の濾過面積が得
られず、集塵効率の劣化を招き、40mmを超えたとき
には、加工後の構造抵抗が大きくなって通気抵抗の増大
を招く可能性がある。一方、ひだ折ピッチが1mm未満
のときには、やはり濾過面積の増大によって通気抵抗の
増大を招き、10mmを超えたときには、濾過面積不足
による集塵効率の悪化を招く傾向がある。
【0024】また、本発明に係わる多層集塵フィルター
においては、請求項7に記載しているように、前記不織
布繊維集合体にエレクトレット加工を施すことが望まし
く、これによって、静電気の作用により当該多層集塵フ
ィルターの集塵性能がさらに優れたものとなる。
【0025】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる多層集塵フィ
ルターは、上記構成、すなわち平均繊維径20〜60μ
mの繊維からなる面密度20〜100g/m2の不織布
を用いた第1のフィルターを空気の最上流側(D/S)
に配置すると共に、平均繊維径0.5〜10μmの繊維
からなる面密度5〜70g/m2の不織布を用いた少な
くとも1層の第2のフィルターを下流側(C/S)に配
置させた多層複合構造のものであるから、初期通気抵抗
を増大させることなく微細粒子の集塵効率を高めること
ができ、さらに高風量時の形状保持特性をも向上させる
ことができるという極めて優れた効果をもたらすもので
ある。
【0026】本発明の実施の形態として請求項2に係わ
る多層集塵フィルターにおいては、第1のフィルターの
面密度が第2のフィルターの面密度に対して1.2〜6
倍としてあるので、花粉や綿埃のような比較的大きな塵
埃粒子を上流側で捕集するプレフィルターとしての第1
のフィルターと、微細粒子を捕集する第2のフィルタ
ー、それぞれの機能を最大限に発揮させることができ、
同じく実施の形態として、請求項3に係わる多層集塵フ
ィルターにおいては、第1のフィルターと第2のフィル
ターとを合わせた厚みを0.2〜2.0mmの範囲とし
たものであるから、性能面の悪影響を招くことなくプリ
ーツ加工時の構造抵抗が小さくなって通気抵抗を小さく
することができ、当該多層集塵フィルターの性能をさら
に向上させ、確実なものとすることができる。
【0027】同じく実施形態として請求項4に係わる多
層集塵フィルターにおいては、第1のフィルターがポリ
エチレンテレフタレート,ビニロンまたはポリプロピレ
ン繊維からなり、第2のフィルターがポリプロピレンま
たはポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布を
使用しているので、エレクトレット処理や水との接触に
も耐えることができ、請求項5に係わる多層集塵フィル
ターにおいては、第2のフィルターとして、上記ポリプ
ロピレンまたはポリエチレンテレフタレートのメルトブ
ロー繊維からなる不織布を使用しているので、C/Sの
フィルターとして好適な極細繊維とすることができ、請
求項6に係わる多層集塵フィルターは、所定寸法にひだ
折り加工した2層以上の不織布を重ねた不織布繊維集合
体からなるものであるから、集塵効率の劣化他や、通気
抵抗の増加を来すことなく、フィルターの形状保持性を
確保することができ、さらに請求項7に係わる多層集塵
フィルターにおいては、上記不織布繊維集合体がエレク
トレット加工されていることから、当該集塵フィルター
の集塵効率をより一層向上させることができるというさ
らに優れた効果がもたらされる。
【0028】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてより具体
的に説明する。なお、本発明は、このような実施例のみ
に限定されないことは言うまでもない。
【0029】実施例1 平均繊維径30μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)繊維を用いて作製した面密度45g/m2の不織
布を第1のフィルターとしてD/Sに配置すると共に、
平均繊維径1μmのポリプロピレン(PP)メルトブロ
ー繊維を用いて作製した面密度30g/m2の不織布を
第2のフィルターとしてC/Sに配置し、両面を熱加工
して、厚み0.5mmの多層不織布を得た。
【0030】この多層不織布をエレクトレット処理した
後、図1に示すように、ひだ折幅w=25mm、ひだ折
ピッチp=5mmのプリーツ加工を施してフィルター形
状とし、フレーム内に収納することによって上記ひだ折
状態に保持し、図2に示すようなフィルターエレメント
を得た。
【0031】そして、試験用ダストとして、JIS Z
8901に15種として規定される混合ダストを使用
して、試験空気量を毎分7.5m3とし、ダスト供給量
を毎分0.5gとして6g供給後の集塵率を測定した。
さらに、平均粒径0.3μmの大気浮遊塵を使用して、
試験面流速1.0m/sでパーティクルカウンターによ
る測定を行った。
【0032】実施例2 平均繊維径20μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)繊維を用いて作製した面密度45g/m2の不織
布を第1のフィルターとしてD/Sに配置すると共に、
平均繊維径1μmのポリプロピレン(PP)メルトブロ
ー繊維を用いて作製した面密度30g/m2の不織布を
第2のフィルターとしてC/Sに配置し、両面を熱加工
して、厚み0.6mmの多層不織布を得た。
【0033】この多層不織布をエレクトレット処理した
後、同様に、ひだ折幅w=25mm、ひだ折ピッチp=
5mmのプリーツ加工を施してフィルター形状とし、図
2に示すようなフィルタエレメントを得た。
【0034】そして、JIS15種の混合ダスト、およ
び大気浮遊塵を用いた場合の集塵性能を同様に測定する
ことにより、当該多層集塵フィルターの集塵性能を評価
した。
【0035】実施例3 平均繊維径60μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)繊維を用いて作製した面密度45g/m2の不織
布を第1のフィルターとしてD/Sに配置すると共に、
平均繊維径1μmのポリプロピレン(PP)メルトブロ
ー繊維を用いて作製した面密度30g/m2の不織布を
第2のフィルターとしてC/Sに配置し、両面を熱加工
して、厚み0.9mmの多層不織布を得た。
【0036】この多層不織布にエレクトレット処理を施
した後、同様に、ひだ折幅w=25mm、ひだ折ピッチ
p=5mmにプリーツ加工してフィルター形状とし、図
2に示すようなフィルターエレメントを得た。
【0037】そして、JIS15種の混合ダスト、およ
び大気浮遊塵を用いた場合の集塵性能を同様に測定し
た。
【0038】実施例4 平均繊維径60μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)繊維を用いて作製した面密度30g/m2の不織
布を第1のフィルターとしてD/Sに配置すると共に、
平均繊維径0.5μmのポリプロピレン(PP)メルト
ブロー繊維を用いて作製した面密度5g/m2の不織布
を第2のフィルターとしてC/Sに配置し、両面を熱加
工して、厚み0.2mmの多層不織布を得た。
【0039】この多層不織布をエレクトレット処理した
後、ひだ折幅w=15mm、ひだ折ピッチp=1mmの
プリーツ加工を施すことによりフィルター形状とし、図
2に示すようなフィルターエレメントを得た。
【0040】そして、同様に、JIS15種の混合ダス
ト、および大気浮遊塵を用いて当該多層集塵フィルター
の集塵性能を評価した。
【0041】実施例5 平均繊維径60μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)繊維を用いて作製した面密度100g/m2の不
織布を第1のフィルターとしてD/Sに配置すると共
に、平均繊維径10μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)繊維を用いて作製した面密度70g/m2
不織布を第2のフィルターとしてC/Sに配置し、両面
を熱加工して、厚み2mmの多層不織布を得た。
【0042】この多層不織布をエレクトレット処理した
後、ひだ折幅w=35mm、ひだ折ピッチp=5mmの
プリーツ加工を施してフィルター形状とし、図2に示す
ようなフィルターエレメントを得た。
【0043】そして、JIS15種の混合ダスト、およ
び大気浮遊塵を用いた場合の集塵性能を測定することに
より、当該多層集塵フィルターの集塵性能を同様に評価
した。
【0044】実施例6 平均繊維径30μmのポリプロピレン(PP)繊維を用
いて作製した面密度60g/m2の不織布を第1のフィ
ルターとしてD/Sに配置すると共に、平均繊維径1μ
mのポリプロピレン(PP)メルトブロー繊維を用いて
作製した面密度50g/m2の不織布を第2のフィルタ
ーとしてC/Sに配置し、両面を熱加工して、厚み0.
8mmの多層不織布を得た。
【0045】この多層不織布をエレクトレット処理した
後、ひだ折幅w=40mm、ひだ折ピッチp=7mmの
プリーツ加工を施してフィルター形状とし、図2に示す
ようなフィルターエレメントを得た。
【0046】そして、JIS15種の混合ダスト、およ
び大気浮遊塵を用いた場合の集塵性能を同様に測定し、
当該多層集塵フィルターの集塵性能を評価した。
【0047】実施例7 平均繊維径30μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)繊維を用いて作製した面密度45g/m2の不織
布を第1のフィルターとしてD/Sに配置すると共に、
平均繊維径1μmのポリプロピレン(PP)メルトブロ
ー繊維を用いて作製した面密度30g/m2の不織布を
第2のフィルターとしてC/Sに配置し、両面を熱加工
して、厚み0.5mmの多層不織布を得た。
【0048】次に、この多層不織布に、ひだ折幅w=4
0mm、ひだ折ピッチp=10mmのプリーツ加工を施
すことによりフィルター形状とし、図2に示すようなフ
ィルターエレメントを得た。
【0049】そして、JIS15種の混合ダスト、およ
び大気浮遊塵を用いて当該多層集塵フィルターの集塵性
能を同様に評価した。
【0050】比較例1 平均繊維径30μmのポリプロピレン(PP)繊維を用
いて作製した面密度80g/m2、厚み0.6mmの不
織布を作製した。
【0051】この不織布をエレクトレット処理した後、
ひだ折幅w=25mm、ひだ折ピッチp=5mmのプリ
ーツ加工を施してフィルター形状とし、フレーム内に収
納することによって上記ひだ折状態に保持し、フィルタ
エレメントを得た。そして、上記各実施例と同じ方法に
より当該フィルターの集塵性能を評価した。
【0052】比較例2 平均繊維径10μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)繊維を用いて作製した面密度10g/m2の不織
布を第1のフィルターとしてD/Sに配置すると共に、
平均繊維径1μmのポリプロピレン(PP)メルトブロ
ー繊維を用いて作製した面密度30g/m2の不織布を
第2のフィルターとしてC/Sに配置し、両面を熱加工
して、厚み0.3mmの多層不織布を得た。
【0053】この多層不織布にひだ折幅w=25mm、
ひだ折ピッチp=5mmのプリーツ加工を施してフィル
ター形状とし、フレーム内に収納することによって上記
ひだ折状態に保持し、図2に示すようなフィルターエレ
メントを得た。
【0054】そして、上記各実施例と同じ方法による集
塵性能試験を実施しようとしたが、試験に用いられる規
定風速でのフィルター形状の保持が困難であり、集塵性
能の評価ができなかった。
【0055】比較例3 平均繊維径100μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)繊維を用いて作製した面密度30g/m2
不織布を第1のフィルターとしてD/Sに配置すると共
に、平均繊維径0.2μmのポリプロピレン(PP)メ
ルトブロー繊維を用いて作製した面密度3g/m2の不
織布を第2のフィルターとしてC/Sに配置し、両面を
熱加工して、厚み1.6mmの多層不織布を得た。
【0056】この多層不織布にひだ折幅w=12mm、
ひだ折ピッチp=0.5mmのプリーツ加工を施してフ
ィルター形状とし、フレーム内に収納することによって
上記ひだ折状態に保持し、図2に示すようなフィルター
エレメントを得た。
【0057】そして、上記各実施例と同じ方法により得
られたフィルターの集塵性能を評価した。
【0058】比較例4 平均繊維径30μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)繊維を用いて作製した面密度50g/m2の不織
布を第1のフィルターとしてD/Sに配置すると共に、
平均繊維径1μmのポリプロピレン(PP)メルトブロ
ー繊維を用いて作製した面密度100g/m2の不織布
を第2のフィルターとしてC/Sに配置し、両面を熱加
工して、厚み1.0mmの多層不織布を得た。
【0059】この多層不織布にひだ折幅w=25mm、
ひだ折ピッチp=5mmのプリーツ加工を施してフィル
ター形状とし、フレーム内に収納することによって上記
ひだ折状態に保持し、図2に示すようなフィルターエレ
メントを得た。
【0060】そして、上記各実施例と同じ方法による集
塵性能試験を行ったところ、通気抵抗が大きく、規定風
量で試験を実施した時の圧力損失が実施例1に係わるフ
ィルターの20倍以上となったため、試験を中止した。
【0061】上記各実施例および比較例に係わる集塵フ
ィルターの集塵性能評価結果は、表1にまとめて示すと
おりであって、実施例1ないし7に係わる各多層集塵フ
ィルターにおいては、いずれも初期通気抵抗性能を損な
うことなく、大気塵,通常粉塵共に良好な集塵性能が得
られた。
【0062】これに対し、大径繊維からなる面密度の大
きい不織布のみを用いた単層フィルターである比較例1
においては、通常粉塵(JIS15種混合ダスト)の集
塵性能は良好なものの、0.3μ大気塵の集塵性能につ
いては所望の性能が得られなかった。また、繊維径の太
い不織布を第1フィルター(D/S)として用い、繊維
径が細く、面密度の小さい不織布を第2フィルター(C
/S)として使用した比較例3においては、通常粉塵の
集塵性能は比較的良好なものの、大気塵の集塵性能につ
いては所望の性能が得られないことが確認された。
【0063】なお、前述したように、繊維径および面密
度の小さい不織布を第1フィルターとしてD/Sに使用
した比較例2においては、評価試験に耐えるだけの形状
保持性能がなく、面密度の高い不織布を第2フィルター
としてC/Sに使用した比較例4においては、通気抵抗
が大きくなって集塵性能を評価することができない結果
となった。
【0064】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる多層集塵フィルターの構造例を
示す模式断面図である。
【図2】図1に示した多層集塵フィルターをフレーム内
に保持したフィルターエレメントの形状を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 第1のフィルター 2 第2のフィルター w ひだ折幅 p ひだ折ピッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 17/00 D06M 17/00 H Fターム(参考) 4D019 AA01 BA13 BB03 BB10 BC01 BD06 CA02 CB06 DA03 4D054 AA11 BC15 BC16 EA22 4L032 AA05 AA07 AB04 AC01 BD01 DA00 EA00 4L047 AA14 AA16 AA21 AB03 AB07 AB08 CA05 CB10 CC12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気の流れる方向に少なくとも2層のフ
    ィルターを備えた多層集塵フィルターであって、空気の
    最上流側に位置する第1のフィルターは、平均繊維径2
    0〜60μmの繊維からなる面密度20〜100g/m
    2の不織布であって、下流側に位置する第2のフィルタ
    ーが平均繊維径0.5〜10μmの繊維からなる面密度
    5〜70g/m2の不織布であることを特徴とする多層
    集塵フィルター。
  2. 【請求項2】 第1のフィルターの面密度が第2のフィ
    ルターの1.2〜6倍であることを特徴とする請求項1
    記載の多層集塵フィルター。
  3. 【請求項3】 第1のフィルターと第2のフィルターと
    を合わせた厚みが0.2〜2.0mmの範囲であること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の多層集塵フ
    ィルター。
  4. 【請求項4】 第1のフィルターがポリエチレンテレフ
    タレート,ビニロンまたはポリプロピレン繊維からな
    り、第2のフィルターがポリプロピレンまたはポリエチ
    レンテレフタレート繊維からなることを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれかに記載の多層集塵フィル
    ター。
  5. 【請求項5】 第2のフィルターがメルトブロー繊維か
    らなることを特徴とする請求項4記載の多層集塵フィル
    ター。
  6. 【請求項6】 2層以上の不織布を重ねた不織布繊維集
    合体からなり、該不織布繊維集合体がひだ折り加工さ
    れ、そのひだ折幅が15〜40mm、ひだ折ピッチが1
    〜10mmであることを特徴とする請求項1ないし請求
    項5のいずれかに記載の多層集塵フィルター。
  7. 【請求項7】 不織布繊維集合体がエレクトレット加工
    されていることを特徴とする請求項6記載の多層集塵フ
    ィルター。
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