JP3242208B2 - エアクリーナー用濾材 - Google Patents

エアクリーナー用濾材

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JP3242208B2
JP3242208B2 JP15797693A JP15797693A JP3242208B2 JP 3242208 B2 JP3242208 B2 JP 3242208B2 JP 15797693 A JP15797693 A JP 15797693A JP 15797693 A JP15797693 A JP 15797693A JP 3242208 B2 JP3242208 B2 JP 3242208B2
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俊英 大西
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアクリーナー用濾
材、特には自動車等のエアクリーナーに用いられる濾材
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエアクリーナーは、外気中の塵
埃を充分に捕集した後で、清浄化空気をエンジンルーム
に導入するために用いられる。エンジンルームに導入す
る前に充分に除去されていなければならない塵埃は、J
IS D−1612(自動車用エアクリーナー試験方
法)に規定されており、砂塵を主成分とする塵埃(以
下、JIS−8種塵埃と称する)である。
【0003】従来、これらの塵埃を除去するエアクリー
ナー用濾材としては、繊維ウエブからなる外層(粗層)
と中間層(中間密度層)と内層(緻密層)との積層体
に、アクリル酸エステル系樹脂バインダー水性エマルジ
ョンを含浸し、乾燥させて剛性を付与して調製した密度
勾配を有するエアクリーナー用濾材が知られていた。ま
た、内層として緻密な湿式不織布層を用いて、JIS−
8種塵埃の捕集効率を高めることも知られていた(特開
昭62−279817号公報)。これらの従来の濾材
は、前記のJIS−8種塵埃を実用上充分に捕集するも
のとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、エアク
リーナーを更に高性能化する目的で研究したところ、前
記のJIS−8種塵埃だけでなく、外気に含まれるカー
ボン粒子も除去する必要があることを見出した。すなわ
ち、従来、カーボン粒子はエンジンルームでの燃焼によ
っても発生するため、エアクリーナーを通して外気をエ
ンジンルームに導入する際にカーボン粒子が含まれてい
ても問題がないと考えられていたが、技術の進歩によ
り、燃料と空気との混合量を燃焼に最適な量となるよう
に制御できる装置が開発されて、空気の量をエアクリー
ナーからエンジンルームに至る通路でセンサーを用いて
測定するようになると、エアクリーナーを通過した空気
中のカーボン粒子がセンサーに影響を与えて誤動作さ
せ、空気量の測定ミスなどを起こす問題が生じてきた。
【0005】従来、カーボン粒子の捕集を目的としたエ
アクリーナー用濾材は知られていないが、本発明者は、
特定の繊維構造体の組合せからなる粗密積層体に、特定
の樹脂バインダーを含浸させることにより、従来のJI
S−8種塵埃の捕集能を維持しながら、更にカーボン粒
子をも充分に捕集することのできる高性能濾材の開発に
成功した。本発明は、こうした知見に基づくものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、
(a)疎水性繊維を主体とし、低密度(見掛け密度)の
繊維構造体からなる外層と、(b)親水性繊維を主体と
し、高密度(見掛け密度)の繊維構造体からなる中間層
と、(c)高密度(見掛け密度)の湿式不織布からなる
内層とを含み、前記の各層(a),(b),(c)がポ
リエステル系樹脂で含浸されていることを特徴とする、
エアクリーナー用濾材に関する。
【0007】外気吸入側の外層(a)を構成する、疎水
性繊維を主体とする繊維構造体は、例えば、ポリプロピ
レン繊維、ポリアミド繊維、好ましくはポリエステル繊
維などの疎水性合成繊維を50〜100重量%、好まし
くは70〜100重量%の量で含有する繊維ウエブ、又
はその繊維ウエブを更にニードルパンチや水流絡合など
の手段によって絡合処理して得た第1層を、更に、後述
する第2層(中間層用層)及び第3層(内層用層)と共
に、後述するポリエステル系樹脂の水系エマルジョンに
よって含浸して調製したものである。疎水性繊維の含有
量が半分に満たないと、ポリエステル系樹脂水系エマル
ジョンで含浸した際に、この第1層(外層)に多くのポ
リエステル系樹脂が付着すると共に層の厚みが潰れてし
まう。このようになると、外層として通気抵抗の高い緻
密な層が形成されてしまうため、塵埃の保持量が小さく
寿命の短い濾材となってしまう。また、樹脂の量に対し
て、相対的に繊維の量が減るため、一定の濾材重量で比
較した場合、カーボン粒子の捕集能力が低下する。
【0008】外層を構成する繊維としては、平均繊度が
好ましくは0.5〜50デニール、より好ましくは1〜
10デニールで、平均繊維長が好ましくは10〜100
mm、より好ましくは20〜80mmの繊維を用いるこ
とができる。前記疎水性繊維以外の繊維として前記外層
に含まれる繊維は特に限定されず、公知の合成繊維、半
合成繊維、天然繊維、無機繊維及び/又は接着繊維を使
用することができる。
【0009】第1層(外層用層)の繊維ウエブの目付
は、90〜240g/m2 であることが好ましい。ま
た、外層を構成する繊維構造体の目付は100〜250
g/m2であることが好ましい。目付が100g/m2
未満であるとカーボン粒子及び塵埃の保持量が不十分と
なり、250g/m2 を越えると厚みが厚くなりすぎ
て、折り加工などの加工が行ないにくくなる。なお、外
層を2層構造又は2層以上の構造とする場合は、各層を
合わせた外層全体として上記の目付範囲を満たすように
することが望ましい。
【0010】ポリエステル系樹脂含浸前の第1層の見掛
け密度は、好ましくは0.02〜0.09g/cm3
より好ましくは0.03〜0.08g/cm3 である。
また、ポリエステル系樹脂含浸後の外層の見掛け密度
は、好ましくは0.03〜0.1g/cm3 、より好ま
しくは0.04〜0.09g/cm3 である。外層の見
掛け密度が0.1g/cm3 を越えると、通気抵抗が増
大すると共に、濾材に捕集できる塵埃の保持量が低下
し、0.03g/cm3 未満となると、この層で捕集す
るべき比較的大型の塵埃が抜けて中間層で捕集されるた
め、中間層での目詰まりが早くなってしまう。
【0011】また、この外層では主としてカーボン粒子
と比較的大型の塵埃を捕捉するので、他の層に比して繊
維/樹脂比が高く、繊維リッチであることが望ましい。
更に、この外層を見掛け密度が均一な1層から構成する
だけでなく、外側から内側方向に見掛け密度に粗から密
の密度傾斜を設けた2層又はそれ以上の層から構成する
とカーボン粒子及び塵埃の捕集効率が向上し、保持量も
増加するので好ましい。例えば、2層構造にする場合に
は、ポリエステル系樹脂含浸前の第1層の外側層を見掛
け密度0.02〜0.06g/cm3 とし、内側層を見
掛け密度0.06〜0.09g/cm3 とし、そしてポ
リエステル系樹脂含浸後の外層の外側層を見掛け密度
0.03〜0.07g/cm3 とし、内側層を見掛け密
度0.07〜0.1g/cm3 とすることができる。
【0012】前記外層(a)と後記内層(c)との間に
設ける中間層(b)を構成する、親水性繊維を主体とす
る繊維構造体は、例えば、ビニロン、綿、好ましくはレ
ーヨン繊維を50〜100重量%、好ましくは70〜1
00重量%の量で含有する繊維ウエブ、又はその繊維ウ
エブをニードルパンチ、水流絡合などの手段によって絡
合処理して得た第2層を、更に、前記第1層(外層用
層)及び後述の第3層(内層用層)と共に、後述のポリ
エステル系樹脂の水系エマルジョンによって含浸して調
製したものである。親水性繊維の含有量が半分に満たな
いと、ポリエステル系樹脂の水系エマルジョンで含浸し
た際に、この第2層にポリエステル系樹脂が付着しにく
くなり、厚みも圧縮されにくい。このようになると、中
間層に緻密な層が形成できなくなり、微細な塵埃が透過
してしまうため、塵埃の濾過効率が低下する。
【0013】中間層を構成する繊維としては、平均繊度
が好ましくは0.5〜50デニール、より好ましくは1
〜10デニール、平均繊維長が好ましくは10〜100
mm、より好ましくは20〜80mmの繊維を用いるこ
とができる。前記親水性繊維以外の繊維としては特に限
定されず、公知の合成繊維、半合成繊維、天然繊維、無
機繊維及び/又は接着繊維を使用することができる。第
2層(中間層用層)の繊維ウエブの目付は好ましくは2
0〜100g/m2 である。また、中間層の目付は好ま
しくは40〜120g/m2 である。目付が40g/m
2 未満であると塵埃の濾過効率が低下し、120g/m
2 を越えると通気抵抗が大きくなる。
【0014】ポリエステル系樹脂含浸前の第2層の見掛
け密度は、好ましくは0.06〜0.76g/cm3
より好ましくは0.06〜0.46g/cm3 である。
また、ポリエステル系樹脂含浸後の中間層の見掛け密度
は、好ましくは0.1〜0.8g/cm3 、より好まし
くは0.1〜0.5g/cm3 である。中間層の見掛け
密度が0.8g/cm3 を越えると通気抵抗が大きくな
り、0.1g/cm3未満となると塵埃の濾過効率が低
下する。第2層は親水性繊維を主体とするため、各層を
積層後にポリエステル系樹脂の水系エマルジョンを含浸
した場合に、他の層よりも多く樹脂が付着しやすく、層
の厚みも潰れやすい。このため、第2層の見掛け密度は
上記のように中程度の密度であるにもかかわらず、樹脂
を含浸した後の中間層の見掛け密度は高密度になる。
【0015】内層(c)は湿式不織布から構成される第
3層を後述のポリエステル系樹脂の水系エマルジョンに
よって含浸して調製したものである。ポリエステル系樹
脂含浸前の第3層(内層用層)の見掛け密度は、好まし
くは0.07〜0.77g/cm3 、より好ましくは
0.07〜0.47g/cm3 である。また、ポリエス
テル系樹脂含浸後の内層の見掛け密度は、好ましくは
0.1〜0.8g/cm3、より好ましくは0.1〜
0.5g/cm3 である。内層の見掛け密度が0.8g
/cm3 を越えると通気抵抗が大きくなり、0.1g/
cm3 未満となると塵埃の濾過効率が低下する。
【0016】なお、内層の見掛け密度は、中間層の見掛
け密度より高いことが望ましいが、内層の見掛け密度が
中間層の見掛け密度と同じか又は低くてもよい。これ
は、中間層が親水性繊維を主体とする繊維構造体から構
成されており、含浸されたポリエステル系樹脂を多く付
着しやすい構造となっているため、樹脂による重量の増
加の影響が大きいので、中間層の見掛け密度が大きいこ
とは必ずしも塵埃の捕集能力が高くなることを示してお
らず、また、内層を構成する湿式不織布が、その製法上
の特性から、繊維間の空隙の大きさが中間層のものに比
べて均一に構成されるため、大きな空隙から塵埃が通り
抜けることがなく、同等の見掛け密度であれば、塵埃の
捕集能力に優れているからである。
【0017】第3層の湿式不織布を構成する繊維として
は、好ましくは、クリンプのない短繊維(2〜20m
m、より好ましくは3〜10mm)で、平均繊度が好ま
しくは0.1〜2デニール、より好ましくは0.2〜
1.5デニールの繊維を用いることができる。繊維の接
着はポリビニルアルコール系繊維などの接着繊維又はポ
リビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂などの接着用樹
脂によって行うことができるが、繊維間の均一な空隙を
確保するためには接着繊維を用いることが望ましい。第
3層(内層用層)の目付は好ましくは20〜90g/m
2 である。また、内層の目付は好ましくは30〜100
g/m2 である。目付が30g/m2 未満であると塵埃
の濾過効率が低下し、100g/m2 を越えると通気抵
抗が増大する。
【0018】本発明の濾材は、前記外層(a)と中間層
(b)と内層(c)との3層が積層され、更にそれらが
一緒にポリエステル系樹脂で含浸された構造となってい
る。従って、本発明の濾材は、例えば、疎水性繊維を主
体とし、低密度(見掛け密度)の繊維構造体からなる第
1層と、親水性繊維を主体とし、中程度の(第1層の密
度よりも高く、第3層の密度よりも低い)密度(見掛け
密度)の繊維構造体からなる第2層と、高密度(見掛け
密度)の湿式不織布からなる第3層とを、第1層、第2
層及び第3層の順に積層し、得られた積層体をポリエス
テル系樹脂の水性エマルジョンで含浸し、更に乾燥する
ことによって調製することができる。
【0019】前記の第1層、第2層及び第3層からなる
積層体にはポリエステル系樹脂が含浸されるので、前記
の各層は単に積層されているだけであってもよいが、層
間に適当な接着剤を設けて各層を結合するか、或いは、
積層後にニードルパンチなどの機械的絡合手段を施すこ
とによって、各層の構成繊維を絡合して層間を結合する
と、層間剥離などの問題が生じない濾材が得られるので
好ましい。ただし、第3層(内層用層)を構成する湿式
不織布は構成繊維が短く、予め接着繊維などにより結合
されているため、あまり強くニードルパンチ処理を施す
と破断するおそれがあるので、第1層(外層用層)と第
2層(中間層用層)とを構成する繊維構造体を積層して
ニードルパンチ処理した後に、第2層(中間層用層)の
側に湿式不織布を積層し、第1層(外層用層)側から更
にニードルパンチ処理を施して各層を一体化することが
望ましい。
【0020】本発明の濾材では、前記の3層積層体に剛
性を付与するために、ポリエステル系樹脂に含浸させ
る。ポリエステル系樹脂は、従来のアクリル酸エステル
系樹脂と同様の方法で、水系エマルジョンとして含浸さ
せ、乾燥させる。ポリエステル系樹脂は、濾材重量に対
して固形分付着量で、好ましくは5〜25重量%、より
好ましくは10〜20重量%の量で含浸させる。5重量
%未満では剛性が得られず、25重量%を超えると相対
的に繊維量が減るため、カーボン粒子の捕集能力が落ち
る。
【0021】
【作用】本発明の濾材では、カーボン粒子を主に外層で
捕集し、JIS−8種塵埃をその粒度に応じて外層、中
間層及び内層でそれぞれ捕集する。本発明者は、理由は
明らかではないが、濾材を構成する繊維構造体層におい
て、樹脂に対する繊維の比率が上昇して繊維量が多くな
ると、それに伴って、カーボン粒子の捕集能力が向上す
ることを見出した。疎水性繊維(特に、ポリエステル繊
維)を主体とする繊維構造体にポリエステル系樹脂を含
浸させると、比較的少量の樹脂量で充分な剛性を得るこ
とができることも見出した。例えば、従来のアクリル酸
エステル系樹脂では約30重量%(対濾材重量比)必要
であったのに対し、ポリエステル系樹脂を使用すると、
約10〜25重量%(対濾材重量比)に減少することが
できる。従って、ポリエステル系樹脂を使用すると、繊
維/樹脂比率を高くすることができ、繊維量を相対的に
多くすることができるので、カーボン粒子の捕集能力が
高い濾材を調製することができる。
【0022】しかし、繊維/樹脂比率が高くなると、J
IS−8種塵埃の捕集能力は逆に低下してしまう。JI
S−8種塵埃の捕集能力の低下は、エアクリーナー用濾
材としては致命的な欠点となる。なぜなら、一般に、カ
ーボン粒子の侵入がすぐにエンジンに悪影響を与えるわ
けではないのに対し、砂等がエンジンに侵入すると即座
にエンジンの致命的な故障につながるからである。
【0023】一方、従来の濾材に用いられていたアクリ
ル酸エステル系樹脂で充分な剛性を得るには、比較的多
量の樹脂を必要とするので、繊維/樹脂比率が低くな
り、カーボン粒子捕集能力の向上を目指すには限界があ
った。しかし、アクリル酸エステル系樹脂を用いると、
繊維間隙に樹脂被膜が形成されているため、粒径の大き
なJIS−8種塵埃は捕集しやすいのに対し、ポリエス
テル系樹脂を使用した繊維構造体では、繊維交点に樹脂
が集まって樹脂被膜が形成されないため、繊維間隙を塵
埃が抜けやすい。
【0024】しかし、驚くべきことに、本発明者は、前
記ポリエステル系樹脂を用いる場合であっても、高密度
の内層に湿式不織布を採用することにより、JIS−8
種塵埃の微細な塵埃を従来の濾材と同様に捕集すること
ができることを見出した。以上のように、本発明は、カ
ーボン粒子の捕集という新たな課題を解決するために多
くの新しい技術的課題を克服し、それらを適切に組合せ
ることにより初めて完成したものである。本発明の濾材
は、エアクリーナー、特に各種自動車のエアクリーナー
に好適に用いることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。なお、以下の実施例及び比較例で、濾材の性能は以
下の方法によって測定した。 (1)剛性:剛性は腰強度を測定し、この値が大きいも
のほど剛性が大きいと判定した。腰強度の測定は以下の
方法による。53mm×200mmの試験片を準備し、
この試験片を短辺が高さとなるように水平な台の上に置
き、上端を引っ張り試験機のチャックでつかみ幅が10
mmとなるように挟む。次いで、チャックを500mm
/分の速度で、試験片が53mmから46mmに圧縮さ
れるまで降下させる。この降下の間の最大座屈荷重を測
定し、これを腰強度とする。なお、試験片には圧縮方向
が濾材の縦方向となるものと横方向となるものを2種類
準備し、濾材の縦と横の腰強度を測定する。
【0026】(2)通気抵抗及びJIS−8種塵埃の
「濾過効率」及び「塵埃保持容量(DHC:dust holdi
ng capacity )」:これらの測定は、JIS D−16
12(自動車用エアクリーナー試験方法)に準じて行っ
た。ただし、試験用のエアクリーナーエレメントとし
て、有効濾過面積1000cm3 の平板濾材を使用し
た。また、JIS−8種塵埃の「濾過効率」及び「塵埃
保持容量」の試験条件は、塵埃濃度1g/m3 及び風速
30cm/秒とした。
【0027】(3)カーボン粒子の「濾過効率」及び
「処理量(DFC:dust feeding capacity )」:「処
理量」の測定は、試験ダストを軽油燃焼カーボンからな
るカーボン粒子に変更したこと以外は、前記のJIS−
8種塵埃の「塵埃保持容量」の測定と同様に行って、濾
材に捕集されたカーボン粒子の保持量を測定し、これに
濾材を通過して絶対フィルターに捕集されたカーボン粒
子の量を加えて求める。なお、この試験、及び「濾過効
率」を測定する試験の試験条件は、カーボン粒子濃度
0.04g/m3 及び風速30cm/秒とした。
【0028】実施例1 (1)粗い外側層と密な内側層との2層構造からなる第
1層(外層用層)を調製した。すなわち、外側層にはポ
リエステル繊維(6d×51mm)100%からなる目
付70g/m2 のウエブを、内側層にはポリエステル繊
維(2d×51mm)30%とポリエステル繊維(3d
×64mm)70%とからなる目付120g/m2 のウ
エブを用いた。 (2)第2層(中間層用層)としては、レーヨン繊維
(1.5d×51mm)80%とポリエチレンテレフタ
レート繊維(1.5d×38mm)20%とからなる目
付50g/m2 のウエブを用いた。 (3)第3層(内層用層)としては、ポリエステル繊維
(0.5d×5mm)50%とポリエステル繊維(1.
5d×10mm)50%とからなる目付45g/m2
湿式不織布を用いた。 (4)前記の各層の内、まず、第1層を構成する繊維ウ
エブと第2層を構成する繊維ウエブとを積層したのち、
ニードルパンチ処理して構成繊維を絡合すると共に結合
した。次いで、第2層側へ第3層を構成する湿式不織布
を積層した後、第1層側からニードルパンチ処理し、3
層を結合した目付285g/m2 の積層体を得た。この
積層体にポリエステル樹脂バインダー水性エマルジョン
を含浸させ130℃の熱風ドライヤーで乾燥させること
により、樹脂を40g/m2 (乾燥後重量;対濾材重量
比12.3重量%)の量で含み、厚さが3.6mmで、
目付が325g/m2 の本発明濾材を得た。なお、得ら
れた濾材の各層の見掛け密度は、外層が0.07g/c
3 、中間層が0.23g/cm3 、内層が0.13g
/cm3 であった。
【0029】比較例1 (1)粗い外側層と密な内側層との2層構造からなる第
1層(外層用層)を調製した。すなわち、外側層にはレ
ーヨン繊維(3d×51mm)15%とポリエステル繊
維(3d×64mm)20%とポリエステル繊維(4d
×51mm)15%とポリエステル繊維(6d×51m
m)50%とからなる目付45g/m2 のウエブを、内
側層にはレーヨン繊維(1.5d×51mm)40%と
ポリエステル繊維(1.5d×38mm)20%とポリ
エステル繊維(3d×64mm)20%とポリエステル
繊維(6d×51mm)20%とからなる目付65g/
2のウエブを用いた。 (2)第2層(中間層用層)としては、レーヨン繊維
(1.5d×51mm)100%からなる目付65g/
2 のウエブを用いた。 (3)前記の2層を順に積層したのち、ニードルパンチ
処理により各層を結合して目付175g/m2 の積層体
とし、アクリル酸エステル樹脂バインダー水性エマルジ
ョンを含浸させ、130℃の熱風ドライヤーで乾燥させ
ることにより、樹脂を75g/m2 (乾燥後重量;対濾
材重量比30重量%)の量で含み、厚さが2.9mm
で、目付が250g/m2 の比較用濾材1を得た。な
お、得られた濾材の各層の見掛け密度は、外層が0.0
5g/cm3 、中間層が0.38g/cm3 であった。
【0030】比較例2 (1)粗い外側層と密な内側層との2層構造からなる第
1層(外層用層)を調製した。すなわち、外側層にはポ
リエステル繊維(3d×64mm)100%からなる目
付60g/m2 のウエブを、内側層にはポリエステル繊
維(1.5d×38mm)100%からなる目付110
g/m2 のウエブを用いた。 (2)第2層(中間層用層)としては、レーヨン繊維
(1.5d×51mm)70%とポリエステル繊維
(1.5d×38mm)30%とからなる目付100g
/m2 のウエブを用いた。 (3)前記の2層を順に積層したのち、ニードルパンチ
処理により各層を結合して、目付270g/m2 の積層
体とし、ポリエステル樹脂バインダー水性エマルジョン
を含浸させ、130℃の熱風ドライヤーで乾燥させるこ
とにより、樹脂を30g/m2 (乾燥後重量;対濾材重
量比10重量%)の量で含み、厚さが3.2mmで、目
付が300g/m2 の比較用濾材2を得た。なお、得ら
れた濾材の各層の見掛け密度は、外層が0.06g/c
3 、中間層が0.30g/cm3 であった。
【0031】比較例3 (1)第1層(外層用層)としては、前記比較例1と同
様のウエブを用いた。 (2)内層となる層(第3層)としては、ポリエステル
繊維(0.5d×5mm)50%とポリエステル繊維
(1.5d×10mm)50%とからなる目付60g/
2 の湿式不織布を用いた。 (3)前記の2層を順に積層したのち、ニードルパンチ
処理により各層を結合して目付170g/m2 の積層体
とし、アクリル酸エステル樹脂バインダー水性エマルジ
ョンを含浸させ、130℃の熱風ドライヤーで乾燥させ
ることにより、樹脂を70g/m2 (乾燥後重量;対濾
材重量比29重量%)の量で含み、厚さが3.2mm
で、目付が240g/m2 の比較用濾材3を得た。な
お、得られた濾材の各層の見掛け密度は、外層が0.0
6g/cm3 、内層が0.16g/cm3 であった。前
記の実施例及び比較例で調製した各濾材の性能を調べた
結果を以下の表1及び表2に示す。
【0032】
【表1】 濾材 腰強度(縦) 腰強度(横) 通気抵抗 本発明濾材 7.2 5.5 8.0 比較用濾材1 4.0 3.6 6.0 比較用濾材2 3.1 2.6 7.0 比較用濾材3 3.0 2.5 8.0
【0033】
【表2】 濾材 JIS-8 種 カーボン 濾過効率 DHC 濾過効率 DFC 本発明濾材 99.2 9.9 92.0 0.22 比較用濾材1 99.4 9.2 87.4 0.18 比較用濾材2 98.5 6.8 85.4 0.27 比較用濾材3 99.3 6.5 90.5 0.11
【0034】前記表1及び表2において、「腰強度」の
単位はkgfであり、通気抵抗の単位はmmAqであ
り、JIS−8種塵埃及びカーボン粒子の濾過効率の単
位は各々%であり、DHC及びDFCの単位は各々g/
100cm2 である。
【0035】
【発明の効果】本発明の濾材は、JIS−8種塵埃だけ
でなく、カーボン粒子をも効率よく捕集することがで
き、例えば、自動車エンジンのエアクリーナーとして使
用すると、エンジン寿命を従来のエアクリーナーよりも
長期化することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−283320(JP,A) 特開 昭53−49380(JP,A) 特開 昭64−43323(JP,A) 特開 昭61−268315(JP,A) 特開 昭61−133110(JP,A) 特開 昭61−421(JP,A) 特開 昭56−124413(JP,A) 特開 平4−193317(JP,A) 特開 昭53−49383(JP,A) 特公 平2−32928(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 39/00 - 39/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性繊維を主体とし、低密度の繊維構
    造体からなる外層と、親水性繊維を主体とし、高密度の
    繊維構造体からなる中間層と、高密度の湿式不織布から
    なる内層とを含み、前記の各層がポリエステル系樹脂で
    含浸されていることを特徴とする、エアクリーナー用濾
    材。
  2. 【請求項2】 各層の構成繊維を絡合することにより層
    間が結合されている請求項1に記載のエアクリーナー用
    濾材。
  3. 【請求項3】 疎水性繊維を主体とし、低密度の繊維ウ
    エブからなる第1層と、親水性繊維を主体とし、中程度
    の密度の繊維ウエブからなる第2層と、高密度の湿式不
    織布からなる第3層とを順に積層し、得られた積層体を
    ポリエステル系樹脂の水性エマルジョンで含浸すること
    を特徴とする、エアクリーナー用濾材の製造方法。
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