JP2014166299A - マスク及びマスクの製造方法 - Google Patents

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翼水 金
Kei Watanabe
圭 渡邊
Yuichi Kaneko
裕一 金子
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敏明 野口
Toru Takahashi
徹 高橋
Isao Yamada
勲 山田
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Abstract

【課題】液体、有害粒子、ウイルス等の捕集効率が高く、かつ、通気度が高く使用感に優れたマスクを提供する。
【解決手段】鼻口を覆う被覆体と、当該被覆体に配設された装着用部材とを備え、被覆体は、複数枚の不織布42A,42Bが積層された構造を有するとともに、複数枚の不織布42A,42Bの外周部が熱圧着されることにより複数枚の不織布42A,42Bが一体化されてなるマスク10であって、複数枚の不織布42A,42Bが有する表面のうちマスクの内部に位置する内部表面のうち少なくとも2面に電界紡糸法によりナノ繊維層44A,44Bが形成され、各ナノ繊維層44A,44Bの目付を合計した総目付が0.05g/m〜1.0g/mの範囲内にあり、かつ、各ナノ繊維層44A,44Bを構成するナノ繊維の平均繊維径がいずれも50nm〜300nmの範囲内にあるマスク。
【選択図】図2

Description

本発明はウイルス等の捕集効率が高く、かつ、通気度が高く使用感に優れたマスク及びこのマスクの製造方法に関するものである。
従来、鼻口を覆う被覆体と、当該被覆体に配設された装着用部材とを有し、被覆体が、無機多孔質物質を含み、平均繊維径1〜100μmのマイクロファイバー不織布又は織布層と、当該マイクロファイバー不織布又は織布層に積層された、平均繊維径1nm以上1000nm未満のナノファイバー不織布層とを備えるマスクが知られている(例えば特許文献1参照。)。
従来のマスクによれば、以下のような効果を有する。
(1)マスクを構成する被覆体は、無機多孔質物質を含むマイクロファイバー不織布又は織布層と、ナノファイバー不織布層とを備えているから、マイクロファイバー不織布又は織布層で、空気中の細菌、ウイルス、真菌等を吸着し、これらを死滅・不活性化させる効果と、ナノファイバー不織布層で、空気中からこれらウイルス等を捕集・除去する効果とを併せ持つ。(2)また、ナノファイバー不織布層は撥水性が高く、大気圧下において、空気や水蒸気は通過させる一方、有機溶剤、消毒用アルコール液、血液、体液等の液体は浸透させないという効果を有する。(3)したがって、このマスクは、粉塵、ハウスダスト、SPMや花粉等の微小な有害粒子を除去し得るだけでなく、空気中に浮遊するウイルス等や、血液、吐瀉物等に含まれる各種の細菌、ウイルス、真菌などに起因する各種の感染症への罹患を防止できる。(4)さらに、不織布を複数積層した従来のマスクに比べ、薄いナノファイバー不織布層を採用することで軽量化でき、しかも通気性が良好になるため、長時間作業しても蒸れが少なく、装着感が良好になる。
特開2008−188082号公報
しかしながら、従来のマスクにおいては、ナノファイバー不織布層の厚さが0.02mm(20μm)程度であるため、実際上通気度が低すぎて息苦しく使用感が悪いという問題がある。そうかと言って、ナノファイバー不織布層を薄くしたのでは、液体、有害粒子、ウイルス等の捕集効率が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、上記した問題を解決するためになされたもので、液体、有害粒子、ウイルス等の捕集効率が高く、かつ、通気度が高く使用感に優れたマスクを提供することを目的とする。また、そのようなマスクを製造可能なマスクの製造方法を提供することを目的とする。
[1]本発明に係るマスクは、鼻口を覆う被覆体と、当該被覆体に配設された装着用部材とを備え、前記被覆体は、複数枚の不織布が積層された構造を有するとともに、前記複数枚の不織布の外周部が熱圧着されることにより前記複数枚の不織布が一体化されてなるマスクであって、前記複数枚の不織布が有する表面のうちマスクの内部に位置する内部表面のうち少なくとも2面に電界紡糸法によりナノ繊維層が形成され、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付が0.05g/m〜1.0g/mの範囲内にあり、かつ、各ナノ繊維層を構成するナノ繊維の平均繊維径がいずれも50nm〜300nmの範囲内にあることを特徴とする。
本発明のマスクによれば、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付が0.05g/m〜1.0g/mの範囲内にあることから、液体、有害粒子、ウイルス等の捕集効率が高く、かつ、通気性が高く使用感に優れたマスクを提供することが可能となる。すなわち、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付が1.0g/m以下であることから、高い通気性及び優れた使用感が得られる。また、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付が0.05g/m以上であることから、液体、有害粒子、ウイルス等の高い捕集効率が得られる。
また、本発明のマスクによれば、ナノ繊維層が少なくとも内部表面の2面に形成されていることから、後述する実施例からも分かるように、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付と同じ目付を有する単層のナノ繊維層を有するマスクよりも高い通気性及び優れた使用感が得られる。この理由はまだ定かではないが、ナノ繊維層は、表面(空気層に接する表面)に低密度の層を有するため(後述する図2(b)及び図2(c)参照。)、同じ目付でも表面(空気層に接する表面)の数が多いほどナノ繊維の平均密度が低くなり、通気性が大きくなるためではないかと推測している。
また、本発明のマスクによれば、ナノ繊維層が少なくとも内部表面の2面に形成されていることから、後述する実施例からも分かるように、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付と同じ目付を有する単層のナノ繊維層を有するマスクよりも、液体、有害粒子、ウイルスの捕集効率が高くなる。この理由もまだ定かではないが、ナノ繊維層は、表面(空気層に接する表面)に低密度の層を有するため(後述する図2(b)及び図2(c)参照。)、同じ目付でも表面(空気層に接する表面)の数が多いほどナノ繊維の平均密度が低くなり、これに起因して、液体、有害粒子、ウイルス等のがナノ繊維層を通過する際の経路が長くなるためではないかと推測している。
また、本発明のマスクによれば、各ナノ繊維層を構成するナノ繊維の平均繊維径がいずれも50nm〜300nmの範囲内にあることから、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付が0.05g/m〜1.0g/mの範囲内にあることと相俟って、液体、有害粒子、ウイルス等の高い捕集効率を有するマスクを提供することが可能となる。すなわち、各ナノ繊維層を構成するナノ繊維の平均繊維径がいずれも300nm以下であることから、各ナノ繊維層の表面積が極めて大きくなり、液体、有害粒子、ウイルス等の捕集効率を高くすることができる。また、各ナノ繊維層を構成するナノ繊維の平均繊維径がいずれも50nm以上であることから、電界紡糸法により効率良く各ナノ繊維層を形成することができる。
[2]本発明のマスクにおいては、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付が0.1g/m〜0.5g/mの範囲内にあることが好ましい。
このような構成とすることにより、液体、有害粒子、ウイルス等の捕集効率を維持しつつ、通気性をより一層高くすることができる。この観点から言えば、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付が0.15g/m〜0.4g/mの範囲内にあることが一層好ましく、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付が0.2g/m〜0.3g/mの範囲内にあることがより一層好ましい。前者の場合には、後述する図24からも分かるように、圧力損失を約5.3mmHO以下とし、粒子捕集効率を約83%(内挿値)以上とすることが可能となる。また、後者の場合には、後述する図24からも分かるように、圧力損失を約4.0mmHO(内挿値)以下とし、粒子捕集効率を90%以上とすることが可能となる。
[3]本発明のマスクにおいては、各ナノ繊維層を構成するナノ繊維がいずれも、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリアミド又はポリフッ化ビニリデンからなることが好ましい。
このような構成とすることにより、各ナノ繊維層を構成するナノ繊維の平均繊維径を極めて細くして、各ナノ繊維層を、極めて表面積が広く、ウイルス等の捕集効率の高いナノ繊維層とすることができる。
[4]本発明のマスクにおいては、前記複数枚の不織布のうち鼻口側に配設されることとなる不織布が、セルロース製の不織布であることが好ましい。
このような構成とすることにより、使用感のよいマスクを提供することができる。
[5]本発明のマスクにおいては、前記複数枚の不織布がすべて、スパンボンド法又はメルトブローン法により製造されたポリプロピレン製、ポリエチレン製、ポリアミド製又はポリエチレンテレフタレート製の不織布からなることが好ましい。
このような構成とすることにより、製造コストの安価なマスクを提供することができる。
[6]本発明のマスクにおいては、各ナノ繊維層のうち少なくとも一のナノ繊維層には抗菌性微粒子又は機能性微粒子が含有されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、細菌、ウイルス、真菌等を無害化したり、液体や有害物質を吸着したりして、より一層安全性が高く有用なマスクを提供することができる。この場合、ナノ繊維層が極めて広い表面積を有することから、細菌、ウイルス、真菌等を無害化したり、液体や有害物質を吸着したりする効果も大きくなる。抗菌性微粒子、機能性微粒子としては、銀粒子、活性炭、ゼオライトなどを好ましく用いることができる。
[7]本発明のマスクにおいては、前記前記複数枚の不織布の端部を覆うように配設された熱圧着用の帯状不織布を用いて前記複数枚の不織布が一体化されてなることが好ましい。
このような構成とすることにより、外周部の熱圧着を安定的にかつ確実に行うことができる。
[8]本発明のマスクにおいては、前記被覆体は、第1不織布及び当該第1不織布の一方面に電界紡糸法により形成された第1ナノ繊維層を有する第1積層体と、第2不織布及び当該第2不織布の一方面に電界紡糸法により形成された第2ナノ繊維層を有する第2積層体とを有するとともに、前記第1ナノ繊維層と前記第2ナノ繊維層とが空気層を介して非接合状態で対向した状態で、前記第1積層体及び前記第2積層体の外周部が熱圧着されることにより前記第1積層体及び前記第2積層体が一体化されてなることが好ましい。
このような構成とすることにより、2枚の不織布を用いて、本発明のマスクを構成できるようになる。この場合、第1ナノ繊維層及び第2ナノ繊維層は、空気層を介して非接合状態で対向した状態となっているため、同じ目付の「単層のナノ繊維層」や「接合状態にある複層のナノ繊維層」の場合よりも平均密度が小さく、より一層高い通気性及び優れた使用感が得られる。また、液体、有害粒子、ウイルス等のより一層高い捕集効率が得られる。
[9]本発明のマスクにおいては、前記被覆体は、第1不織布及び当該第1不織布の一方面に電界紡糸法により形成された第1ナノ繊維層を有する第1積層体と、第2不織布及び当該第2不織布の一方面に電界紡糸法により形成された第2ナノ繊維層を有する第2積層体と、第3不織布とを有するとともに、前記第1ナノ繊維層と前記第2ナノ繊維層とが前記第3不織布を介して非接合状態で対向した状態で、前記第1積層体、前記第3不織布及び前記第2積層体の外周部が熱圧着されることにより、前記第1積層体、前記第3不織布及び前記第2積層体が一体化されてなることが好ましい。
このような構成とすることにより、3枚の不織布を用いて、本発明のマスクを構成できるようになる。この場合、第1ナノ繊維層及び第2ナノ繊維層は、第3不織布を介して非接合状態で対向した状態となっているため、同じ目付の「単層のナノ繊維層」や「接合状態にある複層のナノ繊維層」の場合よりも平均密度が小さく、より一層高い通気性及び優れた使用感が得られる。また、液体、有害粒子、ウイルス等のより一層高い捕集効率が得られる。
[10]本発明のマスクにおいては、前記被覆体は、第1不織布及び当該第1不織布の一方面に電界紡糸法により形成された第1ナノ繊維層を有する第1積層体と、第2不織布及び当該第2不織布の一方面に電界紡糸法により形成された第2ナノ繊維層を有する第2積層体と、第3不織布とを有するとともに、前記第1積層体の前記第1ナノ繊維層が前記第2積層体に対向し、前記第2積層体の前記第2ナノ繊維層が前記第3不織布に対向するように前記第1積層体、前記第2積層体及び前記第3不織布が積層された状態で、前記第1積層体、前記第2積層体及び前記第3不織布の外周部が熱圧着されることにより、前記第1積層体、前記第2積層体及び第3不織布が一体化されてなることが好ましい。
このような構成とすることによっても、3枚の不織布を用いて、本発明のマスクを構成できるようになる。この場合、第1ナノ繊維層及び第2ナノ繊維層は、第2不織布を介して非接合状態で対向した状態となっているため、同じ目付の「単層のナノ繊維層」や「接合状態にある複層のナノ繊維層」の場合よりも平均密度が小さく、より一層高い通気性及び優れた使用感が得られる。また、液体、有害粒子、ウイルス等のより一層高い捕集効率が得られる。
[11]本発明のマスクにおいては、前記第3不織布の前記第1積層体に対向する面及び前記第3不織布の前記第2積層体に対向する面のうち少なくとも一方の面に電界紡糸法により別のナノ繊維層が形成されてなることが好ましい。
このような構成とすることにより、3層以上のナノ繊維層を用いて、本発明のマスクを構成できるようになる。このため、ナノ繊維層一層当たりの目付をさらに小さくしてナノ繊維層の平均密度を小さいものにすることができることから、液体、有害粒子、ウイルス等の捕集効率を維持しつつ、通気性をより一層高くすることができる。
[12]本発明のマスクにおいては、前記第2積層体の前記第1積層体に対向する面及び前記第3不織布の前記第2積層体に対向する面のうち少なくとも一方の面に電界紡糸法により別のナノ繊維層が形成されてなることが好ましい。
このような構成とすることによっても、3層以上のナノ繊維層を用いて、本発明のマスクを構成できるようになる。このため、ナノ繊維層一層当たりの目付をさらに小さくしてナノ繊維層の平均密度を小さいにすることができることから、液体、有害粒子、ウイルス等の捕集効率を維持しつつ、通気性をより一層高くすることができる。
[13]本発明のマスクの製造方法は、本発明のマスクを製造するためのマスクの製造方法であって、複数枚の不織布を準備する不織布準備工程と、前記複数枚の不織布が有する表面のうちマスクの内部に位置することとなる内部表面のうち少なくとも2面に電界紡糸法によりナノ繊維層を形成するナノ繊維形成工程と、前記複数枚の不織布を積層した状態で、前記複数枚の不織布の外周部を熱圧着することにより前記複数枚の不織布を一体化する熱圧着工程とを含み、前記ナノ繊維形成工程においては、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付が0.05g/m〜1.0g/mの範囲内にあり、かつ、各ナノ繊維層を構成するナノ繊維の平均繊維径がいずれも50nm〜300nmの範囲内になるようにナノ繊維層を形成することを特徴とする。
本発明のマスクの製造方法によれば、本発明のマスクを製造することができる。
[14]本発明のマスクの製造方法においては、前記ナノ繊維形成工程においては、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリアミド又はポリフッ化ビニリデンを含むポリマー溶液を用いて各ナノ繊維層を形成することが好ましい。
このような方法とすることにより、各ナノ繊維層を構成するナノ繊維の平均繊維径を極めて細くして、極めて表面積が広く、ウイルス等の捕集効率の高いナノ繊維層を形成することができる。
[15]本発明のマスクの製造方法においては、前記ナノ繊維形成工程においては、抗菌性微粒子又は機能性微粒子を含有するポリマー溶液を用いて各ナノ繊維層のうち少なくとも一のナノ繊維層を形成することが好ましい。
このような方法とすることにより、細菌、ウイルス、真菌等を無害化したり、液体や有害物質を吸着したりして、より一層安全性が高く有用なマスクを提供することができる。この場合、ナノ繊維層が極めて広い表面積を有することから、細菌、ウイルス、真菌等を無害化したり、液体や有害物質を吸着したりする効果も大きくなる。抗菌性微粒子、機能性微粒子としては、銀粒子、活性炭、ゼオライトなどを好ましく用いることができる。
[16]本発明のマスクの製造方法においては、前記ナノ繊維形成工程においては、抗菌性微粒子又は機能性微粒子を含有する溶液をスプレーしながら、電界紡糸法により各ナノ繊維層のうち少なくとも一のナノ繊維層を形成することが好ましい。
このような方法とすることによっても、細菌、ウイルス、真菌等を無害化したり、液体や有害物質を吸着したりして、より一層安全性が高く有用なマスクを提供することができる。この場合、ナノ繊維層が極めて広い表面積を有することから、細菌、ウイルス、真菌等を無害化したり、液体や有害物質を吸着したりする効果も大きくなる。抗菌性微粒子、機能性微粒子としては、銀粒子、活性炭、ゼオライトなどを好ましく用いることができる。
実施形態1に係るマスク10を説明するために示す図である。 実施形態1に係るマスク10の要部拡大断面図である。 実施形態1に係るマスクの製造方法を示す工程図である。 不織布準備工程で用いる不織布42の斜視図である。 ナノ繊維形成工程を説明するために示す図である。 ナノ繊維形成工程により製造された第1積層体40A及び第2積層体40Bを示す図である。 重ね合わせ工程により重ね合わされた第1積層体41A及び第2積層体41Bを示す図である。 熱圧着工程により第1積層体41A及び第2積層体41Bの長辺側が熱圧着された状態を示す図である。 プリーツ形成工程で複合体40の長手方向に複数のプリーツが形成された状態を示す正面図である。 第2熱圧着工程により、先の切断工程で切断された複合体40の短辺側が熱圧着された状態を示す図である。 紐圧着工程により被覆体20の短辺側に紐30が熱圧着された状態を示す図である。 実施形態2に係るマスク12等を説明するために示す図である。 実施形態3に係るマスク14等を説明するために示す図である。 実施形態4に係るマスク16を説明するために示す図である。 実施形態4の変形例に係るマスク16aを説明するために示す図である。 実施形態4におけるナノ繊維形成工程を説明するために示す図である。 実施形態4に係るマスク16の要部拡大断面図である。 実施形態4における別のナノ繊維形成工程を説明するために示す図である。 実施形態5に係るマスク18を説明するために示す図である。 実施形態5の変形例に係るマスク18aを説明するために示す図である。 実施例1に用いる各試験例に係るマスク20,20a,20bの断面図である。 実施例1についての試験結果を示す図表である。 実施例2についての試験結果を示す図表である。 実施例2についての試験結果を示すグラフである。
以下、本発明のマスク及びマスクの製造方法について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
まず、実施形態1に係るマスクの構成を図1及び図2に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るマスク10を説明するために示す図である。図1(a)はマスク10の正面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A面での断面図であり、図1(c)は図1(a)のB−B面での断面図である。図2は、実施形態1に係るマスク10の要部拡大断面図である。図2(a)は図1(a)のA−Aを拡大して示す断面図であり、図2(b)は図2(a)の符号Aで示す部分の拡大図であり、図2(c)は図2(a)の符号Bで示す部分の拡大図である。なお、符号A及びBのうち符号Aは、第1ナノ繊維層44Aと第2ナノ繊維層44Bとの間に存在する空気層が比較的薄い部分を示し、符号Bは、第1ナノ繊維層44Aと第2ナノ繊維層44Bとの間に存在する空気層が比較的厚い部分を示す。
実施形態1に係るマスク10は、図1(a)に示すように、鼻口を覆う長方形状の被覆体20と、被覆体20の短辺側に配設された装着用部材としての紐30とを備える。被覆体20は、2枚の長方形状の積層体から構成される複合体40であって、その外周部が帯状不織布50,60で熱圧着されて一体化されている。複合体40の長辺側の外周部は帯状不織布50で覆われた状態でエンボス加工により熱圧着されており、複合体40の短辺側の外周部は帯状不織布60で覆われた状態でエンボス加工により熱圧着されている。帯状不織布50,60の外周部にエンボス加工を施した複数の熱圧着部52,62が形成されている。また、被覆体20には、その長辺方向に沿って複数本のプリーツが形成されており、各プリーツの両端部は帯状不織布60で固定されている。
複合体40は、図2(a)に示すように、第1不織布42Aの一方面に後述する電界紡糸法で形成された第1ナノ繊維層44Aを有する第1積層体41Aと、第2不織布42Bの一方面に後述する電界紡糸法で形成された第2ナノ繊維層44Bを有する第2積層体41Bとから構成される。第1不織布42A及び第2不織布42Bとしては、メルトブローン法又はスパンボンド法により製造された不織布であって、目付が10g/m〜50g/mの範囲内にあるものを好適に用いることができる。なお、第1不織布42A及び第2不織布42Bを構成する繊維としては、天然繊維(例えばセルロース)、合成繊維(例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなど)、これらの混合繊維のいずれであってもよい。
第1ナノ繊維層44Aの第1ナノ繊維及び第2ナノ繊維層44Bの第2ナノ繊維としては、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリアミド又はポリフッ化ビニリデンからなるものが好ましく、その平均繊維径は50nm〜300nmの範囲内にある。平均繊維径が50nm未満の場合は、第1ナノ繊維層44A及び第2ナノ繊維層44Bを電界紡糸法で形成し難くなる。また、平均繊維径が300nmを超える場合は、第1ナノ繊維層44A及び第2ナノ繊維層44Bの表面積が小さくなり、マスク10の液体、有害粒子、ウイルス等の捕集効率が低下する。
また、第1ナノ繊維層44Aの目付と第2ナノ繊維層44Bの目付とのを合計した総目付は0.05g/m〜1.0g/m(好ましくは0.1g/m〜0.5g/m)の範囲内にある。総目付が0.05g/m未満の場合は、マスク10の通気性は良好であるが、マスク10でのウイルス等の捕集効率が低下する。一方、総目付が1.0g/mを超える場合は、マスク10でのウイルス等の捕集効率は良好であるものの、マスク10の通気性が低下して、マスク10を着用したとき、息苦しさを感じるようになる。
このような第1積層体41Aと第2積層体41Bとは、第1ナノ繊維層44Aと第2ナノ繊維層44Bとが内側となり、かつ、第1ナノ繊維層44Aと第2ナノ繊維層44Bとが空気層を介して非接合状態で対向した状態で、第1積層体41Aと第2積層体41Bの外周部が熱圧着されることにより第1積層体41Aと第2積層体41Bが一体化されて複合体40を形成している。この熱圧着は、横断面形状がコ字状となるように折り曲げた帯状不織布50,60で第1積層体41Aと第2積層体41Bとの外周部を挟み込んで行っている。複合体40は、第1積層体41Aの第1ナノ繊維層44Aと第2積層体41Bの第2ナノ繊維層44Bとが非接合状態で重ね合わされているため、図2(b)及び図2(c)に示すように、第1積層体41Aと第2積層体41Bとの間に少なくとも部分的に隙間(空気層)46が形成される。
このため、実施形態1に係るマスク10によれば、空気層を介して2つのナノ繊維層(第1ナノ繊維層44A、第2ナノ繊維層44B)を有することから、後述する試験例からも分かるように、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付と同じ目付を有する単層のナノ繊維層を有するマスクよりも高い通気性及び優れた使用感が得られる。この理由はまだ定かではないが、図2(a)及び図2(c)に示すように、ナノ繊維層は、表面(空気層に接する表面)に低密度の層45A,45Bを有するため、同じ目付でも表面(空気層に接する表面)の数が多いほどナノ繊維の平均密度が低くなり、通気性が大きくなるためではないかと推測している。
また、実施形態1に係るマスク10によれば、空気層を介して2つのナノ繊維層(第1ナノ繊維層44A、第2ナノ繊維層44B)を有することから、後述する試験例からも分かるように、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付と同じ目付を有する単層のナノ繊維層を有するマスクよりも、液体、有害粒子、ウイルス等の捕集効率が高くなる。この理由もまだ定かではないが、図2(a)及び図2(c)に示すように、ナノ繊維層は、表面(空気層に接する表面)に低密度の層45A,45Bを有するため、同じ目付でも表面(空気層に接する表面)の数が多いほどナノ繊維の平均密度が低くなり、これに起因して、液体、有害粒子、ウイルス等がナノ繊維層を通過する際の経路が長くなるためではないかと推測している。
次に実施形態1に係るマスクの製造方法を説明する。
図3は、実施形態1に係るマスクの製造方法を示す工程図である。図4は、不織布準備工程で用いる不織布42の斜視図である。図5は、ナノ繊維形成工程を説明するために示す図である。図6は、ナノ繊維形成工程により製造された第1積層体40A及び第2積層体40Bを示す図である。図7は、重ね合わせ工程により重ね合わされた第1積層体41A及び第2積層体41Bを示す図である。図8は、熱圧着工程により第1積層体41A及び第2積層体41Bの長辺側が熱圧着された状態を示す図である。図9は、プリーツ形成工程で複合体40の長手方向に複数のプリーツが形成された状態を示す正面図である。図10は、第2熱圧着工程でにより、先の切断工程で切断された複合体40の短辺側が熱圧着された状態を示す図である。図11は、紐圧着工程により被覆体20の短辺側に紐30が熱圧着された状態を示す図である。
実施形態1に係るマスク10は、図3に示す製造方法で得ることができる。実施形態1に係るマスクの製造方法においては、先ず不織布準備工程(S1)で第1不織布42Aと第2不織布42Bとなる長尺状の不織布42を準備する(図4参照。)。長尺状の不織布42は繰り出しローラー76に巻かれている。この不織布42は、メルトブローン法又はスパンボンド法により製造されたものであって、目付が10g/m〜50g/mの範囲内にある。不織布42を構成する繊維としては、天然繊維、合成繊維、これらの混合繊維のいずれであってもよい。
不織布42は、ナノ繊維形成工程(S2)に供給され、長尺状の不織布42の一方面にナノ繊維層44を形成する。ナノ繊維形成工程では、図5に示す電界紡糸装置が用いられる。電界紡糸装置では、ポリマー溶液72を貯留するタンク71と、ポリマー溶液72を噴射するノズル74と、ノズル74へのポリマー溶液72の供給量を調整するバルブ73と、板状のコレクター75とが設けられている。ポリマー溶液72は、ポリマーとしてのポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリアミド又はポリフッ化ビニリデンを溶媒で溶解した溶液である。溶媒としては、使用するポリマーを溶解する溶媒を適宜採用できる。例えば、ポリマーとしてポリウレタンを用いる場合は、溶媒としてはDMF(ジメチルホルムアミド)、MEK(メチルエチルケトン)などを採用できる。ポリマーとしてポリビニルアルコールを用いる場合は、溶媒としては水を採用できる。ポリマーとしてポリアミドを用いる場合は、溶媒としては蟻酸を採用できる。ポリマーとしてポリフッ化ビニリデンを用いる場合は、溶媒としてはDMAC(ジメチルアセトアミド)、MEK(メチルエチルケトン)、アセトンなどを採用できる。
図5に示す電界紡糸装置では、コレクター75とノズル74との間に電圧を印加して電界を形成し、繰り出しローラー76から繰り出した長尺状の不織布42を、コレクター75上を通過させつつ、不織布42の一方面にノズル74から、ポリマー溶液72を噴射して所定目付のナノ繊維層44を形成する。所定目付のナノ繊維層44が一方面に形成された長尺状の不織布42は巻き取りローラー77に巻き取られる。長尺状の不織布42に形成するナノ繊維層44の目付は、0.025〜0.5g/m程度に調整することが好ましい。ナノ繊維層44の目付の調整は、コレクター75上の不織布42の走行速度、ノズル74からのポリマー溶液72の噴射量を調整することによって行うことができる。コレクター75とノズル74との間に印加する電圧は、10kV〜40kV程度とすることが好ましい。
ナノ繊維層44が一方面に形成された長尺状の2枚の不織布42(図6参照。)は、重ね合わせ工程(S3)に供される。重ね合わせ工程では、2枚の不織布42を、ナノ繊維層44の各々が内側となるように重ね合わせて、長尺状の複合体40を形成する(図7参照。)。この際に、2枚の不織布42の各々に形成されたナノ繊維層44の目付を合計した総目付が0.05g/m〜1.0g/m(好ましくは0.1g/m〜0.5g/m)の範囲内になるように調整する。
長尺状の複合体40は、第1熱圧着工程(S4)に供される。第1熱圧着工程では、図8に示すように長尺状の複合体40の2辺を帯状不織布50で挟み込みエンボス加工を施して熱圧着する。複合体40の2辺に沿ってエンボス加工を施した複数の熱圧着部52が形成される。さらに、2辺を熱圧着した長尺状の複合体40は、プリーツ形成工程(S5)に供給される。プリーツ形成工程では、図9に示すように長尺状の複合体40の長手方向に延びる複数本のプリーツを形成する。プリーツを形成した長尺状の複合体40は、切断工程(S6)に供せられ、所定長さに切断されて長方形状の複合体40となる。
長方形状の複合体40は、第2熱圧着工程(S7)に供され、図10に示すように複合体40の切断端となる短辺の2辺を帯状不織布60で挟み込みエンボス加工を施して熱圧着する。複合体40の短辺の2辺に沿ってエンボス加工を施した複数の熱圧着部62が形成される。この帯状不織布60による熱圧着によって、プリーツの各両端が固定されている。各辺が熱圧着された長方形状の複合体40は、紐圧着工程(S8)に供され、図11に示すように複合体40の短辺に装着用部材としての紐30の端部が圧着される。
このようにして得られた実施形態1に係るマスク10は、総目付が0.05g/m〜1.0g/mの範囲において、低い圧力損失(20mmHO以下)を有し、通気度が低いため、マスク10を着用しても息苦しさを著しく軽減できる。また、実施形態1に係るマスク10によれば、総目付が0.05g/m〜1.0g/mの範囲において、液体、有害粒子、ウイルス等の高い捕集効率を有する。極めて微細なNaCl粒子(粒径0.26μm)の場合であっても、総目付を0.2g/m以上にすれば捕集効率が90%以上となり、粒径3μm程度の粒子の場合には、総目付が0.05g/m〜1.0g/mの範囲において捕集効率が95%以上となることが期待できる。
[実施形態2]
図12は、実施形態2に係るマスク12を説明するために示す図である。図12(a)は実施形態2に係るマスク12の複合体40を示す断面図であり、図12(b)は実施形態2の変形例1に係るマスク12aの複合体40を示す断面図であり、図12(c)は実施形態2の変形例2に係るマスク12bの複合体40を示す断面図であり、図12(c)は実施形態2の変形例3に係るマスク12cの複合体40を示す断面図である。
実施形態2に係るマスク12は、実施形態1に係るマスク10と同様に、第1積層体41A及び第2積層体42Bとが非接合状態で対向した状態で、第1積層体41A及び第2積層体41Bの外周部が熱圧着されることにより、第1積層体41A及び第2積層体41Bが一体化されてなるが、図12(a)に示すように、第1積層体41Aと第2積層体41Bとの間に第3不織布42Cを有する点が実施形態1に係るマスク10の場合と異なる。
すなわち、実施形態2に係るマスク12は、被覆体40が、第1不織布42A及び当該第1不織布42Aの一方面に電界紡糸法により形成された第1ナノ繊維層44Aを有する第1積層体41Aと、第2不織布42B及び当該第2不織布42Bの一方面に電界紡糸法により形成された第2ナノ繊維層44Bを有する第2積層体41Bと、第3不織布42Cとを有する。そして、第1ナノ繊維層44Aと第2ナノ繊維層44Bとが第3不織布42Cを介して非接合状態で対向した状態で、第1積層体41A、第3不織布42C及び第2積層体41Bの外周部が熱圧着されることにより、第1積層体41A、第3不織布42C及び第2積層体41Bが一体化されてなる。
実施形態2の変形例1に係るマスク12aは、実施形態2に係るマスク12と同様に、第1積層体41Aと第2積層体41Bとの間に第3不織布42Cを有するが、図12(b)に示すように、第3不織布の第2積層体41A側の表面に別のナノ繊維層44Cが形成されている点が実施形態2に係るマスク12の場合とは異なる。但し、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付は、実施形態2に係るマスク12の場合と同様である。
実施形態2の変形例2に係るマスク12bは、実施形態2に係るマスク12と同様に、第1積層体41Aと第2積層体41Bとの間に第3不織布42Cを有するが、図12(c)に示すように、第3不織布の第1積層体41B側の表面に別のナノ繊維層44Cが形成されている点が実施形態2に係るマスク12の場合とは異なる。但し、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付は、実施形態2に係るマスク12の場合と同様である。
実施形態2の変形例3に係るマスク12cは、実施形態2に係るマスク12と同様に、第1積層体41Aと第2積層体41Bとの間に第3不織布42Cを有するが、図12(d)に示すように、第3不織布の両面に別のナノ繊維層44C,44Cが形成されている点が実施形態2に係るマスク12の場合とは異なる。但し、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付は、実施形態2に係るマスク12の場合と同様である。
このように、実施形態2に係るマスク12は、第1積層体41Aと第2積層体41Bとの間に第3不織布42Cを有する点が実施形態1に係るマスク10の場合と異なるが、実施形態1に係るマスク10の場合と同様に、ナノ繊維層が少なくとも内部表面の2面に形成されていることから、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付と同じ目付を有する単層のナノ繊維層を有するマスクよりも高い通気性及び優れた使用感が得られる。また、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付と同じ目付を有する単層のナノ繊維層を有するマスクよりも、液体、有害粒子、ウイルスの捕集効率が高くなる。
また、実施形態2の変形例2に係るマスク12a又は実施形態2の変形例3に係るマスク12bは、ナノ繊維層が内部表面の3面に形成されていることから、実施形態2に係るマスク12よりも高い通気性及び優れた使用感が得られる。また、実施形態2に係るマスク12よりも、液体、有害粒子、ウイルスの捕集効率が高くなる。
また、実施形態2の変形例3に係るマスク12cは、ナノ繊維層が内部表面の4面に形成されていることから、実施形態2の変形例1に係るマスク12a及び実施形態2の変形例2に係るマスク12bよりも高い通気性及び優れた使用感が得られる。また、実施形態2の変形例1に係るマスク12a及び実施形態2の変形例2に係るマスク12bよりも、液体、有害粒子、ウイルスの捕集効率が高くなる。
[実施形態3]
図13は、実施形態3に係るマスク14を説明するために示す図である。図13(a)は実施形態3に係るマスク14の複合体40を示す断面図であり、図13(b)は実施形態3の変形例1に係るマスク14aの複合体40を示す断面図であり、図13(c)は実施形態3の変形例2に係るマスク14bの複合体40を示す断面図であり、図13(c)は実施形態3の変形例3に係るマスク14cの複合体40を示す断面図である。
実施形態3に係るマスク14は、実施形態1に係るマスク10と同様に、第1積層体41A及び第2積層体41Bの外周部が熱圧着されることにより、第1積層体41A及び第2積層体41Bが一体化されてなるが、図13(a)に示すように、第2積層体41Bにおける第1積層体41Aと対向しない側に第3不織布42Cを有する点が実施形態1に係るマスク10の場合と異なる。
すなわち、実施形態3に係るマスク14は、被覆体40が、第1不織布42A及び当該第1不織布42Aの一方面に電界紡糸法により形成された第1ナノ繊維層44Aを有する第1積層体41Aと、第2不織布42B及び当該第2不織布42Bの一方面に電界紡糸法により形成された第2ナノ繊維層44Bを有する第2積層体41Bと、第3不織布42Cとを有するとともに、第1積層体41Aの第1ナノ繊維層44Aが第2積層体41Bに対向し、第2積層体41Bの第2ナノ繊維層44Bが第3不織布42Cに対向するように第1積層体41A、第2積層体41B及び第3不織布42Cが積層された状態で、第1積層体41A、第2積層体41B及び第3不織布42Cの外周部が熱圧着されることにより、第1積層体41A、第2積層体41B及び第3不織布42Cが一体化されてなる。
実施形態3の変形例1に係るマスク14aは、実施形態3に係るマスク14と同様に、第2積層体41Bにおける第1積層体41Aと対向しない側に第3不織布42Cを有するが、図13(b)に示すように、第3不織布42Cの第2積層体41B側の表面に別のナノ繊維層44Cが形成されている点が実施形態3に係るマスク14の場合とは異なる。但し、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付は、実施形態3に係るマスク14の場合と同様である。
実施形態3の変形例2に係るマスク14bは、実施形態3に係るマスク14と同様に、第2積層体41Bにおける第1積層体41Aと対向しない側に第3不織布42Cを有するが、図13(c)に示すように、第2不織布42Bの第1積層体41A側の表面に別のナノ繊維層442Bが形成されている点が実施形態3に係るマスク14の場合とは異なる。但し、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付は、実施形態3に係るマスク14の場合と同様である。
実施形態3の変形例3に係るマスク14cは、実施形態3に係るマスク14と同様に、第2積層体41Bにおける第1積層体41Aと対向しない側に第3不織布42Cを有するが、図13(d)に示すように、第3不織布の第2積層体41B側の表面及び第2不織布の第1積層体41A側の表面に別のナノ繊維層44C,44Bが形成されている点が実施形態3に係るマスク14の場合とは異なる。但し、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付は、実施形態3に係るマスク14の場合と同様である。
このように、実施形態3に係るマスク14は、第1積層体41Aの第1ナノ繊維層44Aが第2積層体41Bに対向し、第2積層体41Bの第2ナノ繊維層44Bが第3不織布42Cに対向するように第1積層体41A、第2積層体41B及び第3不織布42Cが積層されている点が実施形態1に係るマスク10の場合と異なるが、実施形態1に係るマスク10の場合と同様に、ナノ繊維層が内部表面の3面に形成されていることから、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付と同じ目付を有する単層のナノ繊維層を有するマスクよりも高い通気性及び優れた使用感が得られる。また、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付と同じ目付を有する単層のナノ繊維層を有するマスクよりも、液体、有害粒子、ウイルスの捕集効率が高くなる。
また、実施形態3の変形例1に係るマスク14a又は実施形態3の変形例2に係るマスク14bは、ナノ繊維層が内部表面の3面に形成されていることから、実施形態3に係るマスク14よりも高い通気性及び優れた使用感が得られる。また、実施形態3に係るマスク14よりも、液体、有害粒子、ウイルスの捕集効率が高くなる。
また、実施形態3の変形例3に係るマスク14cは、ナノ繊維層が内部表面の4面に形成されていることから、実施形態3の変形例1に係るマスク14a及び実施形態3の変形例2に係るマスク14bよりも高い通気性及び優れた使用感が得られる。また、実施形態3の変形例1に係るマスク14a及び実施形態3の変形例2に係るマスク14bよりも、液体、有害粒子、ウイルスの捕集効率が高くなる。
[実施形態4]
図14は、実施形態4に係るマスク16を説明するために示す図である。図15は、実施形態4の変形例に係るマスク16aを説明するために示す図である。図16は、実施形態4におけるナノ繊維形成工程を説明するために示す図である。図17は、実施形態4に係るマスク16の要部拡大断面図である。図18は、実施形態4における別のナノ繊維形成工程を説明するために示す図である。
実施形態4に係るマスク16は、基本的には実施形態1に係るマスク10と同様の構成を有するが、図14及び図17に示すように、第1ナノ繊維層44A及び第2ナノ繊維層44Bに抗菌性微粒子48A,48Bが含有されている点が実施形態1に係るマスク10とは異なる。また、実施形態4の変形例に係るマスク16aは、基本的には実施形態1に係るマスク10と同様の構成を有するが、図15に示すように、第1ナノ繊維層44Aに抗菌性微粒子48Aが含有されている点が実施形態1に係るマスク10とは異なる。抗菌性微粒子48A,48Bとしては、例えば銀粒子を用いることができる。
このため、実施形態4に係るマスク16又は実施形態4の変形例に係るマスク16aは、実施形態1に係るマスク10が有する効果に加えて、細菌、ウイルス、真菌等を無害化して、より一層安全性の高いマスクとすることができるという効果を有する。実施形態4に係るマスク16は、図16に示すように、抗菌性微粒子を含有するポリマー溶液を用いること以外は実施形態1と同様の方法で製造することができる。実施形態4の変形例に係るマスク16aは、抗菌性微粒子を含有するポリマー溶液を用いて第1ナノ繊維層を形成するとともに、抗菌性微粒子を含有しないポリマー溶液を用いて第2ナノ繊維層を形成すること以外は実施形態1と同様の方法で製造することができる。
なお。実施形態4に係るマスク16は、図18に示すように、抗菌性微粒子を含有する溶液をスプレーしながら電界紡糸法により第1ナノ繊維層及び第2ナノ繊維層を形成すること以外は実施形態1と同様の方法で製造することができる。また、実施形態4の変形例に係るマスク16aは、抗菌性微粒子を含有する溶液をスプレーしながら電界紡糸法により第1ナノ繊維層を形成し、抗菌性微粒子を含有する溶液をスプレーすることなく電界紡糸法により第2ナノ繊維層を形成すること以外は実施形態1と同様の方法で製造することができる。
[実施形態5]
図19は、実施形態5に係るマスク18を説明するために示す図である。
実施形態5に係るマスク18は、基本的には実施形態1に係るマスク10と同様の構成を有するが、第1不織布42Aの材料が実施形態1に係るマスク10とは異なる。すなわち、実施形態5に係るマスク18においては、第1不織布42Aが、セルロース製の不織布(例えば旭化成せんい株式会社製ベンリーゼ(登録商標))からなる。実施形態5に係るマスク18は、第1不織布42Aを鼻口側に配設した状態で使用する。
このため、実施形態5に係るマスク18は、実施形態1に係るマスク10が有する効果に加えて、使用感がよいという効果を有する。実施形態5に係るマスク18は、第1不織布42Aをセルロース製の不織布としたこと以外は実施形態1と同様の方法で製造することができる。
図20は、実施形態5の変形例に係るマスク18aを説明するために示す図である。
実施形態5の変形例に係るマスク18aは、基本的には実施形態3に係るマスク14と同様の構成を有するが、第3不織布42Cの材料が実施形態3に係るマスク14とは異なる。すなわち、実施形態5の変形例に係るマスク18aにおいては、第3不織布42Cが、セルロース製の不織布(例えば旭化成せんい株式会社製ベンリーゼ(登録商標))からなる。実施形態5の変形例に係るマスク18は、第1不織布42Aを鼻口側に配設した状態で使用する。
このため、実施形態5の変形例に係るマスク18aは、実施形態3に係るマスク14が有する効果に加えて、使用感がよいという効果を有する。実施形態5の変形例に係るマスク18aは、第3不織布42Cをセルロース製の不織布としたこと以外は実施形態3と同様の方法で製造することができる。
[実施例]
[実施例1]
(1)試料の調製
図21は、実施例1に用いる各試験例に係るマスクの断面図20,20a,20bである。図21(a)は試験例1に係るマスク20の断面図であり、図21(b)は試験例2に係るマスク20aの断面図であり、図21(c)は試験例3に係るマスク20bの断面図である。
(1−1)試験例1に係るマスク(実施例)
実施形態1に係るマスクと同じ構成を有するマスクを作製し、試験例1に係るマスク20とした(図21(a)参照。)。但し、第1ナノ繊維層44Aの目付は0.1g/mであり、第2ナノ繊維層44Bの目付は0.1g/mであり、総目付は0.2g/mである。また、第1ナノ繊維層44Aはポリウレタンからなり、第1ナノ繊維層44Aを構成するナノ繊維の平均繊維径は200nmである。また、第2ナノ繊維層44Bはポリウレタンからなり、第2ナノ繊維層44Bを構成するナノ繊維の平均繊維径は200nmである。なお、第1不織布42A及び第2不織布42Bはスパンボンド法により作製した、目付20g/mのポリプロピレン製の不織布である。
(1−2)試験例2に係るマスク(比較例)
図21(b)に示す構造のマスクを作製し、試験例2に係るマスク20aとした。但し、ナノ繊維層44の目付は0.2g/mであり、従って、総目付は0.2g/mである。また、ナノ繊維層44はポリウレタンからなり、ナノ繊維層を44構成するナノ繊維の平均繊維径は200nmである。なお、第1不織布42A及び第2不織布42Bはスパンボンド法により作製した、目付20g/mのポリプロピレン製の不織布である。
(1−3)試験例3に係るマスク(比較例)
試験例2に係るマスク21aのナノ繊維層44を、スパンボンド法により作製した、目付20g/mのポリプロピレン製の不織布層44Dに変えたこと以外は試験例2に係るマスク21aと同様の構造を有するマスクを試験例3に係るマスク20cとした(図21(c)参照。)。
(2)評価方法
(2−1)評価方法1
東京ダイレック株式会社製、大流量フィルター効率試験装置3120を用いて、試験例1〜3に係るマスク20,20a,20bの圧力損失を測定した。
(2−2)評価方法2
東京ダイレック株式会社製、大流量フィルター効率試験装置3120を用いて、試験例1〜3に係るマスク20,20a,20bの粒子捕集効率を測定した(PFE試験)。粒子としては、0.26μmのNaCl粒子を用いた。
(3)評価結果
図22は、実施例1についての試験結果を示す図表である。
図22からも明らかなように、試験例1に係るマスク20は、試験例2に係るマスク20aよりも高い通気度(低い圧力損失/2.85mmHOvs3.30mmHO)及び高い粒子捕集効率(90.0%vs85.3%)を有することが分かった。
なお、試験例3に係るマスク20bは、高い通気度(低い圧力損失/0.20mmHO)を有するが、粒子捕集効率が低い(3.9%)ことが分かった。
以上、実施例1における圧力損失及び粒子捕集効率に関する評価結果から、試験例1のマスク20aは、他のマスク(試験例1に係るマスク20a及び試験例2に係るマスク20b)よりも優れたマスクであることが分かった。
[実施例2]
(1)試料の調製
(1−1)試験例4〜6に係るマスク(実施例)
試験例1に係るマスク20と同じ構成を有するマスクを作製し、試験例4〜6に係るマスクとした。但し、試験例4に係るマスクにおいては、第1ナノ繊維層44Aの目付は0.05g/mであり、第2ナノ繊維層44Bの目付は0.05g/mであり、総目付は0.1g/mである。また、試験例5に係るマスクにおいては、第1ナノ繊維層44Aの目付は0.1g/mであり、第2ナノ繊維層44Bの目付は0.1g/mであり、総目付は0.2g/mである。また、試験例6に係るマスクにおいては、第1ナノ繊維層44Aの目付は0.2g/mであり、第2ナノ繊維層44Bの目付は0.2g/mであり、総目付は0.4g/mである。
試験例4〜6に係るマスクにおいてはいずれも、第1ナノ繊維層44Aはポリウレタンからなり、第1ナノ繊維層44Aを構成するナノ繊維の平均繊維径は200nmである。また、第2ナノ繊維層44Bはポリウレタンからなり、第2ナノ繊維層44Bを構成するナノ繊維の平均繊維径は200nmである。なお、第1不織布42A及び第2不織布42Bは、スパンボンド法により作製した、目付20g/mのポリプロピレン製不織布である。
(1−2)試験例7〜10に係るマスク(比較例)
試験例2に係るマスク20aと同じ構成を有するマスクを作製し、試験例7〜10に係るマスクとした。但し、試験例7に係るマスクにおいては、ナノ繊維層44の目付は0.05g/mであり、従って、総目付は0.05g/mである。また、試験例8に係るマスクにおいては、ナノ繊維層44の目付は0.1g/mであり、従って、総目付は0.1g/mである。また、試験例9に係るマスクにおいては、ナノ繊維層44の目付は0.2g/mであり、従って、総目付は0.2g/mである。また、試験例10に係るマスクにおいては、ナノ繊維層44の目付は0.5g/mであり、従って、総目付は0.5g/mである。
試験例7〜10に係るマスクにおいてはいずれも、ナノ繊維層44はポリウレタンからなり、ナノ繊維層を44構成するナノ繊維の平均繊維径は200nmである。なお、第1不織布42A及び第2不織布42Bは、スパンボンド法により作製した、目付20g/mのポリプロピレン製不織布である。
(2)評価方法
(2−1)評価方法1
実施例1の場合と同様に、東京ダイレック株式会社製、大流量フィルター効率試験装置3120を用いて、試験例4〜10に係る各マスクの圧力損失を測定した。
(2−2)評価方法2
実施例1の場合と同様に、東京ダイレック株式会社製、大流量フィルター効率試験装置3120を用いて、試験例4〜10に係る各マスクの粒子捕集効率を測定した(PFE試験)。粒子としては、0.26μmのNaCl粒子を用いた。
(3)評価結果
図23は、実施例2についての試験結果を示す図表である。また、図24は、実施例2についての試験結果を示すグラフである。
図23及び図23からも明らかなように、試験例4〜6に係る各マスク(実施例)は、通気度と粒子捕集効率とのトレードオフ曲線として、試験例7〜10に係る各マスク(比較例)より改善されたトレードオフ曲線を有することが分かった。従って、試験例4〜6に係る各マスク(実施例)によれば、各ナノ繊維層の総目付を適宜に選択した場合に、試験例7〜10に係る各マスク(比較例)よりも、高い通気度(低い圧力損失)及び高い粒子捕集効率を有することが分かった。
以上、実施例2における圧力損失及び粒子捕集効率に関する評価結果から、試験例4〜6に係るマスクは、試験例7〜10に係るマスクよりも優れたマスクであることが分かった。
なお、上記実施形態においては、2〜3枚の不織布を備えるマスクを例にとって本発明のマスクを説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。4枚以上の不織布を備えるマスクも本発明に含まれる。
なお、上記実施形態においては、2〜4層のナノ繊維層を備えるマスクを例にとって本発明のマスクを説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。5層以上のナノ繊維層を備えるマスクも本発明に含まれる。
本発明に係るマスクは、液体、有害粒子、ウイルス等の捕集効率が高く、かつ、通気度が高く使用感に優れたマスクであるため、病院、学校、店舗、オフィスビル、工場、列車、バス、航空機をはじめ種々の用途に好適に使用できる。
10,12,12a,12b,12c,14,14a,14b,14c,16,18,20,20a、20b…マスク、20…被覆体、30…紐、40…複合体、41A…第1積層体、41B 第2積層体、42…不織布、42A…第1不織布、42B…第2不織布、42…第3不織布、44…ナノ繊維層、44A…第1ナノ繊維層、44B…第2ナノ繊維層、44C…別のナノ繊維層、44D…不織布層、45A…第1ナノ繊維層の表面、45B…第2ナノ繊維層の表面、46…空気層、48A,48B…抗菌性微粒子、50,60…帯状不織布、52,62…熱圧着部(エンボス部)、71…タンク、72…ポリマー溶液、73…バルブ、74…電界紡糸用ノズル、75…コレクター、76…引き出しロール、77…巻き取りロール、78…抗菌性微粒子を含有するポリマー溶液、79…抗菌性微粒子をスプレーするノズル

Claims (16)

  1. 鼻口を覆う被覆体と、当該被覆体に配設された装着用部材とを備え、
    前記被覆体は、複数枚の不織布が積層された構造を有するとともに、前記複数枚の不織布の外周部が熱圧着されることにより前記複数枚の不織布が一体化されてなるマスクであって、
    前記複数枚の不織布が有する表面のうちマスクの内部に位置する内部表面のうち少なくとも2面に電界紡糸法によりナノ繊維層が形成され、
    各ナノ繊維層の目付を合計した総目付が0.05g/m〜1.0g/mの範囲内にあり、かつ、各ナノ繊維層を構成するナノ繊維の平均繊維径がいずれも50nm〜300nmの範囲内にあることを特徴とするマスク。
  2. 各ナノ繊維層の目付を合計した総目付が0.1g/m〜0.5g/mの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
  3. 各ナノ繊維層を構成するナノ繊維がいずれも、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリアミド又はポリフッ化ビニリデンからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスク。
  4. 前記複数枚の不織布のうち鼻口側に配設されることとなる不織布が、セルロース製の不織布であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマスク。
  5. 前記複数枚の不織布がすべて、スパンボンド法又はメルトブローン法により製造されたポリプロピレン製、ポリエチレン製、ポリアミド製又はポリエチレンテレフタレート製の不織布からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマスク。
  6. 各ナノ繊維層のうち少なくとも一のナノ繊維層には抗菌性微粒子又は機能性微粒子が含有されていることを特徴とする1〜5のいずれかに記載のマスク。
  7. 前記複数枚の不織布の端部を覆うように配設された熱圧着用の帯状不織布を用いて前記複数枚の不織布が一体化されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のマスク。
  8. 前記被覆体は、第1不織布及び当該第1不織布の一方面に電界紡糸法により形成された第1ナノ繊維層を有する第1積層体と、第2不織布及び当該第2不織布の一方面に電界紡糸法により形成された第2ナノ繊維層を有する第2積層体とを有するとともに、前記第1ナノ繊維層と前記第2ナノ繊維層とが空気層を介して非接合状態で対向した状態で、前記第1積層体及び前記第2積層体の外周部が熱圧着されることにより前記第1積層体及び前記第2積層体が一体化されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のマスク。
  9. 前記被覆体は、第1不織布及び当該第1不織布の一方面に電界紡糸法により形成された第1ナノ繊維層を有する第1積層体と、第2不織布及び当該第2不織布の一方面に電界紡糸法により形成された第2ナノ繊維層を有する第2積層体と、第3不織布とを有するとともに、前記第1ナノ繊維層と前記第2ナノ繊維層とが前記第3不織布を介して非接合状態で対向した状態で、前記第1積層体、前記第3不織布及び前記第2積層体の外周部が熱圧着されることにより、前記第1積層体、前記第3不織布及び前記第2積層体が一体化されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のマスク。
  10. 前記被覆体は、第1不織布及び当該第1不織布の一方面に電界紡糸法により形成された第1ナノ繊維層を有する第1積層体と、第2不織布及び当該第2不織布の一方面に電界紡糸法により形成された第2ナノ繊維層を有する第2積層体と、第3不織布とを有するとともに、前記第1積層体の前記第1ナノ繊維層が前記第2積層体に対向し、前記第2積層体の前記第2ナノ繊維層が前記第3不織布に対向するように前記第1積層体、前記第2積層体及び前記第3不織布が積層された状態で、前記第1積層体、前記第2積層体及び前記第3不織布の外周部が熱圧着されることにより、前記第1積層体、前記第2積層体及び第3不織布が一体化されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のマスク。
  11. 前記第3不織布の前記第1積層体に対向する面及び前記第3不織布の前記第2積層体に対向する面のうち少なくとも一方の面に電界紡糸法により別のナノ繊維層が形成されてなることを特徴とする請求項9に記載のマスク。
  12. 前記第2積層体の前記第1積層体に対向する面及び前記第3不織布の前記第2積層体に対向する面のうち少なくとも一方の面に電界紡糸法により別のナノ繊維層が形成されてなることを特徴とする請求項10に記載のマスク。
  13. 請求項1に記載のマスクを製造するためのマスクの製造方法であって、
    複数枚の不織布を準備する不織布準備工程と、
    前記複数枚の不織布が有する表面のうちマスクの内部に位置することとなる内部表面のうち少なくとも2面に電界紡糸法によりナノ繊維層を形成するナノ繊維形成工程と、
    前記複数枚の不織布を積層した状態で、前記複数枚の不織布の外周部を熱圧着することにより前記複数枚の不織布を一体化する熱圧着工程とを含み、
    前記ナノ繊維形成工程においては、各ナノ繊維層の目付を合計した総目付が0.05g/m〜1.0g/mの範囲内にあり、かつ、各ナノ繊維層を構成するナノ繊維の平均繊維径がいずれも50nm〜300nmの範囲内になるようにナノ繊維層を形成することを特徴とするマスクの製造方法。
  14. 前記ナノ繊維形成工程においては、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリアミド又はポリフッ化ビニリデンを含むポリマー溶液を用いて各ナノ繊維層を形成することを特徴とする請求項13に記載のマスクの製造方法。
  15. 前記ナノ繊維形成工程においては、抗菌性微粒子又は機能性微粒子を含有するポリマー溶液を用いて各ナノ繊維層のうち少なくとも一のナノ繊維層を形成することを特徴とする請求項13又は14に記載のマスクの製造方法。
  16. 前記ナノ繊維形成工程においては、抗菌性微粒子又は機能性微粒子を含有する溶液をスプレーしながら、電界紡糸法により各ナノ繊維層のうち少なくとも一のナノ繊維層を形成することを特徴とする請求項13又は14に記載のマスクの製造方法。
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