JP2018172806A - マスク - Google Patents

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準也 福岡
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Abstract

【課題】花粉はもとより、様々な大きさのウイルスや微小粒子状物質等の捕集が可能で、通気性に優れ、且つ、これらが経時的にも維持されるマスクの提供。【解決手段】使用者の顔面の少なくとも一部を覆うためのマスク本体と、前記マスク本体の両側に設けられた耳掛け部とを備えたマスクであって、前記マスク本体が、帯電加工を施した不織布とナノファイバー不織布との積層体を有することを特徴とするマスク。【選択図】図2

Description

本発明は、空気中に浮遊する花粉、ウイルス、大気汚染物質等の体内への侵入を防ぐマスクに関する。
近年、花粉のみならず、ウイルスや微小粒子状物質(PM2.5)等の大気汚染物質の捕集を目的としたマスクが提案されている。
例えば、静電気の帯電加工を施した不織布によりウイルスや微小粒子状物質を吸着・捕捉するマスクが知られている。また、平均繊維径が数百〜数千ナノメートルの超微細繊維であるナノファイバー不織布を使用したマスクが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2015−196263号公報
しかしながら、従来の帯電加工を施した不織布では吸引され難い0.3μm程度の粒子の捕集力が弱く、ウイルスの種類によっては高い捕集効率が得られないと云う問題があった。また、平均繊維径が数百ナノメートル程度のナノファイバー不織布では0.1μmよりも小さい粒子の捕集力が弱く、且つ、マスクに求められる通気性が十分に確保されないのが実状であった。また、経時的にマスクの通気性及びマスクの粒子捕捉性が低下する、との問題が生じていた。
本発明は、斯かる従来の問題と実状に鑑みてなされたもので、花粉はもとより、様々な大きさのウイルスや微小粒子状物質等の捕集が可能で、通気性に優れ、且つ、これらが経時的にも維持されるマスクを提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく種々研究を重ねた結果、帯電加工を施した不織布とナノファイバー不織布を組み合わせてマスク本体を形成すれば、極めて良い結果が得られることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、使用者の顔面の少なくとも一部を覆うためのマスク本体と、前記マスク本体の両側に設けられた耳掛け部とを備えたマスクであって、
前記マスク本体が、帯電加工を施した不織布とナノファイバー不織布との積層体を有することを特徴とするマスクにより上記課題を解決したものである。
本発明のマスクによれば、マスク本体が帯電加工を施した不織布とナノファイバー不織布とを含む多層構造を有しているため、空気中に浮遊する花粉やウイルス、微小粒子状物質等の大気汚染物質の捕集効率が高く、且つ、通気性にも優れる。また、マスクの経時的な品質維持に優れる。
本発明マスクの内側(顔面に触れる側)の正面説明図である。 本発明マスク本体(図1のA−A線端面)の積層構造を示す拡大断面図である。 ナノファイバー不織布の説明図である。
以下本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
図1において、10はマスクで、使用者の顔面の一部(例えば、口や鼻孔の周辺)を覆うためのマスク本体11と、当該マスク本体11の両側に取り付けられた、細紐製の耳掛け部12によって構成されている。
マスク10は所謂「プリーツ加工型」と呼ばれる形態のもので、マスク本体11は、複数(図1では4本)の横方向の折り目14から形成されるプリーツ(襞)16を有している。当該プリーツ16は、使用前では2つの略Ω字状に折り畳まれており、これを使用時に展開するとマスク10の外側に向かって膨らむ立体形状となるように構成されている。このように、マスク本体11がプリーツ加工されることで、使用者の口元がマスク本体11の内側面と物理的に接触することが少なくなるので、装着時の呼吸や会話の妨げになり難くなる。
マスク本体11は、図2に示すように、マスクの内側(顔面に触れる側)から外側(顔面に触れる側とは反対側)に向かって、織布又は不織布22a;帯電加工を施した不織布23;ナノファイバー不織布24;抗菌性不織布25:及び織布又は不織布22bの順で積層して構成されている。
このように、マスク本体11が、帯電加工を施した不織布23とナノファイバー不織布24との積層体を有することで、空気中に浮遊する花粉はもとより、様々な大きさのウイルスや大気汚染物質の高い捕集効率を得つつ、良好な通気性を確保することができる。更には、マスクの通気性及び捕集効率の劣化を抑制でき、マスクの経時的な品質を維持することができる。
マスク本体11を構成する織布又は不織布22a、22bとしては、一般にマスクの材料として周知のものを用いることができる。例えば、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ナイロン系繊維、ウレタン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維、レーヨン、コットン、羊毛等からなる不織布、ガーゼ、紙、透湿性樹脂シート等が挙げられる。
なかでも、生産性、保形性の観点から、不織布が好ましく、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維からなる不織布がより好ましく、特にポリプロピレン系繊維からなる不織布が好ましい。
マスク本体11は、例えば、縫製、超音波溶着、熱融着等により適宜形成することができる。
帯電加工を施した不織布23は、不織布に、例えば、摩擦帯電法、コロナ放電法、ハイドロチャージング法、ラジオエレクトレット法等の方法で帯電(エレクトレット)させた不織布である。帯電加工方法は、上記以外にも任意に選択することができる。不織布は、前記不織布が挙げられるが、自然帯電を受けやすいポリプロピレン系繊維からなる不織布が好ましい。帯電加工を施した不織布を用いることによって、粉塵、花粉、ウイルス、タバコの煙等の有害成分を電気的に吸着することが出来る。
帯電加工を施した不織布23の目付は、生産性、粒子捕集力、通気性の観点から、3〜40g/m2であることが好ましく、5〜20g/m2であることがより好ましく、7〜13g/m2であることが特に好ましい。この目付が3g/m2以上であると、不織布の製造性が向上し、粒子捕集力が向上するため好ましい。また、目付が40g/m2以下であると、通気性が向上するため好ましい。
また、帯電加工を施した不織布23の厚さとしては、0.05〜0.4mmであることが好ましく、0.07〜0.25mmであることがより好ましく、0.1〜0.2mmであることが特に好ましい。この厚みが0.05mm以上であると、不織布の強度が向上し、また粒子捕集力も向上するため好ましい。また、厚みが0.4mm以下であると、通気性が良好になるため好ましい。
ナノファイバー不織布24は、図3に示すように、不織布基材(支持体)27にポリマーを繊維化し(平均繊維径は1μm未満)、シート状に付着・集積させた不織布で不織布基材上にナノファイバーが積層されたものである。
ナノファイバー不織布24の不織布基材27には、一般にマスクの材料として周知のものを用いることができる。例えば、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ナイロン系繊維、ウレタン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維、レーヨン、コットン、羊毛等からなる不織布、ガーゼ、紙、透湿性樹脂シート等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を混合して製造することができる。
なかでも、生産性、保形性の観点から、不織布が好ましく、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維からなる不織布がより好ましく、特にポリエステル系繊維とポリプロピレン系繊維を混合して製造する不織布が好ましい。
不織布基材27の平均繊維径は、1μm以上であることが好ましく、1〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、20〜100μmであることが特に好ましい。
また、不織布基材27の目付は、0.5〜50g/m2であることが好ましく、1〜20g/m2であることがより好ましく、2〜10g/m2であることが特に好ましい。
ナノファイバー不織布24のナノファイバーは、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリアクリロニトリル、ポリ乳酸、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフタレート、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、アラミド、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチド等のポリマーを単独あるいは2種以上を混合して製造することができる。特にポリフッ化ビニリデンを用いてナノファイバーを製造することが、捕集効率、溶媒への溶解性、及びナノファイバーの製造容易性等の観点から好ましい。
ナノファイバーの平均繊維径は1μm未満であるが、生産性、通気性の観点から、好ましくは20〜500nm、より好ましくは30〜150nm、更に好ましくは40〜100nm、特に好ましくは50〜90nmである。尚、ナノファイバーの平均繊維径は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって測定することができる。
ナノファイバー不織布24は、単層(1層)で用いてもよいが、生産性、保形性の観点から、不織布基材(支持体)上に積層された状態で用いることが好ましい。
ナノファイバー不織布24は、公知の方法により形成することができる。形成方法としては、エレクトロスピニング(電界紡糸・静電紡糸)法や、特許第3918179号公報、特開2008−169521号公報に記載のエレクトロバブルスピニング法を採用することができる。なかでも、特許第3918179号公報、特開2008−169521号公報に記載のエレクトロバブルスピニング法は、不織布基材27上にナノファイバーを網目状に均一に積層可能なため好適である。
ナノファイバーの紡糸原液を調製する際の溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル等の有機溶媒、水等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
紡糸原液のナノファイバーの濃度は、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
ナノファイバー不織布24の厚さは、0.05〜1mmであることが好ましく、0.1〜0.8mmであることがより好ましく、0.2〜0.5mmであることが特に好ましい。
また、ナノファイバー不織布24の目付は、生産性、通気性の観点から、1〜30g/m2であることが好ましく、2〜20g/m2であることがより好ましく、3〜10g/m2であることが特に好ましい。
ナノファイバー不織布24のナノファイバーのみの目付は、生産性、粒子捕集力、通気性の観点から、0.001〜0.5g/m2であることが好ましく、0.01〜0.3g/m2であることがより好ましく、特に0.05〜0.1g/m2であることが特に好ましい。
また、ナノファイバー不織布24に積層されたナノファイバーの厚さは、3〜100μmであることが好ましく、5〜80μmであることがより好ましく、10〜50μmであることが特に好ましい。
抗菌性不織布25は、金属(銀、銅等)等の無機系抗菌剤、フェノール、ハロゲン、硫黄等を含有する有機系抗菌剤を用いて、不織布に抗菌性を付与したものが好適に使用される。
この図2では、マスクの内側(顔面に触れる側)から外側(顔面に触れる側とは反対側)に向かって、帯電加工を施した不織布23と、平均繊維径が100nm以下のナノファイバー不織布24を順に積層した例を示しているが、この態様に限らず、マスクの内側(顔面に触れる側)から、平均繊維径が100nm以下のナノファイバー不織布24と、帯電加工を施した不織布23を順に積層してもよく、当該帯電加工を施した不織布23と平均繊維径が100nm以下のナノファイバー不織布24と間に他の織布又は不織布を積層してもよい。ナノファイバー不織布24と、帯電加工を施した不織布23を積層すると、帯電加工を施した不織布に係る帯電した電荷が、ナノファイバー不織布に係るナノファイバーに影響を及ぼし、経時的なマスクの通気性及び捕集効率の劣化が非常に抑制できる。
また、図2では、5層の多層構造を有するマスク本体11を例示しているが、マスク本体11は積層体であればよく、好ましくは3層以上、より好ましくは3層〜5層の積層体とすることができる。
本発明のマスク10には、目的に応じてノーズフィッター13を設けることができる。ノーズフィッター13は、マスク10を使用者の鼻に密接させるためにマスク本体11の上辺部分に設けられる。また、マウスバーを設けてもよい。マウスバーは、マスク10の立体形状を維持するためにマスク本体11の中央部に設けられる。
ノーズフィッターやマウスバーとしては、金属製、ポリエチレン製またはポリプロピレン製等から形成されるテープを使用することができる。
マスク本体11の寸法は、顔のサイズを考慮して適宜決定すればよい。例えば、縦方向 の長さとしては、50〜140mmであることが好ましく、50〜120mmであるこ とが更に好ましく、70〜100mmであることが特に好ましい。横方向の長さとして は100〜210mmであることが好ましく、130〜200mmであることが更に好 ましく、160〜190mmであることが特に好ましい。
プリーツ加工が施されたマスク等の立体型マスクの場合、縦方向の長さとしては、12 0〜250mmであることが好ましく、140〜220mmであることが更に好ましく 、160〜190mmであることが特に好ましい。
耳掛け部12の材料としては、ウレタン系繊維、ナイロン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維等からなる織布、不織布、又は編紐が挙げられる。
上記した実施形態においては、プリーツ加工が施された立体型のマスク10を一例として示したが、マスク本体11の形状は平面型マスクであってもよい。使用感の観点からは、立体型マスクが好ましい。マスク本体の中心部で2枚のシート部材を合掌形様に接合した所謂立体成形型マスクと呼ばれる形態のマスク等にも本発明を適用することができる。
以下、本発明について実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。
実施例1
プリーツ型マスク10(プリーツ展開前90mm×175mm、プリーツ展開後170mm×175mm)を調製した。
プリーツ型マスク10のマスク本体11には、マスクの内側から外側に向かって、ポリプロピレン不織布−帯電加工を施した不織布−ナノファイバー不織布−ポリプロピレン抗菌不織布−ポリプロピレン不織布の順で積層した後プリーツ加工を行った。上辺部分にはノーズフィッター13を設けた。
帯電加工を施した不織布として目付10g/m2のポリプロピレンメルトブローン不
織布(厚さ0.15mm)を用いた。
ナノファイバー不織布は、ポリフッ化ビニリデンを有機溶媒に溶解し12質量%の紡糸原液を調製し、特開2008−169521号公報報に記載の方法に準じて、ポリオレフィン系繊維(目付4g/m2)からなる不織布の片面に紡糸、乾燥して形成した。ポリフッ化ビニリデンナノファイバーの平均繊維径は80nm、目付0.07g/m2であった。
実施例2
ナノファイバー不織布のポリオレフィン系繊維の目付を6g/m2にした以外は、実施例1と同様にプリーツ型マスクを調製した。
実施例3
ナノファイバー不織布のポリフッ化ビニリデンナノファイバーの目付を0.10g/m2にした以外は、実施例1と同様にプリーツ型マスクを調製した。
比較例1
ナノファイバー積層しなかったこと以外は実施例1と同様にプリーツ型マスクを調製した。
〔試験例1:通気性及び捕集効率の評価〕
実施例1及び実施例3に係るマスクについて、(財)カケンテストセンターにて圧力損失(ΔP)、粒子濾過効率(PFE)、バクテリア濾過性能(BFE)の測定を行った。
圧力損失(ΔP)は、MIL−M−36954C,Section 4.4.1.2及びEN 14683:2014、Annex Cに規定されている手順に従って、粒子濾過効率(PFE)は、ASTM F2299に規定されている手順に従って、バクテリア濾過性能(BFE)は、ASTM F2101−14及びEN 14683:2014,Annex Bに規定されている手順に従って測定を行った。
その結果、実施例1に係るマスクは、ΔPが2.6mmH20、PFE(0.1μm)は、99.5%、PFE(0.3μm)は99.7%、BFEは99.9%であった。また、実施例3に係るマスクは、ΔPが2.6mmH20、PFE(0.1μm)は、99.5%、PFE(0.3μm)は99.7%、BFEは99.9%であった。このことより、本発明マスクは、捕集効率はいずれも99.5%以上と捕集効率に非常に優れており、かつ、捕集効率が非常高いにも関わらず、通気性にも優れていることが判明した。
なお、市販品のマスク(マスクの内側から外側に向かって、ポリプロピレン不織布−帯電加工を施した不織布−ポリプロピレン不織布の順で積層)のPFE(0.1μm)は99.4%、PFE(0.3μm)は97.4%であった。よって、帯電加工を施した不織布では吸引され難い0.3μm程度の粒子の捕集力を、ナノファイバー不織布を積層することで向上できることが判明した。
〔試験例2:経時的な通気性及び捕集効率の安定性の評価〕
実施例1及び比較例1に係るマスクを80℃・60%RH条件下で16時間保存し、保存前と保存後の圧力損失(ΔP)、捕集効率をTSI濾過性能測定器(TSI社製AFT8130)で測定し、保存前の値から保存後の値を差し引いて、保存前後の差を求めた。
具体的には、2.0%NaCl水溶液をエアロゾル発生器(モデル8118)にて平均粒子径0.075μmのエアロゾルとし、直径100mmφのホルダーに固定した試料を通過させた。エア流量は92.4L/min、サンプリング時間は4秒とし、粒子の中和は実施していない。ΔPは試料前後の圧力センサーによる差圧から、捕集効率は試料前後のフォトメーターによりNaCl濃度を測定し算出している。
その結果、比較例1の保存前後の差を1とした場合、実施例1のΔPが0.12倍、捕集効率は0.29倍であった。尚、実施例2のΔPが0.01倍、捕集効率は0.24倍、実施例3の捕集効率は0.14倍であった。
以上のことから、帯電加工を施した不織布にナノファイバー不織布を積層すると、経時的なマスクの通気性及び捕集効率の劣化が非常に抑制できることが判明した。
製造例1
ナノファイバー不織布は、重合度500のポリビニルアルコールを熱水に溶解し25質量%の紡糸原液を調製し、オレフィン系繊維(廣瀬製紙株式会社製:商品名:HOP−15H 目付15.2g/m2)の片面に紡糸、乾燥して形成し、実施例1と同様にプリーツ型マスクを調製した。
製造例2
ナノファイバー不織布は、ケン化度87.0〜89.0モル%のポリビニルアルコールを水に溶解し20質量%の紡糸原液を調製し、ポリエステル/パルプ系(廣瀬製紙株式会社製:商品名:HOS 目付35.2g/m2)の片面に紡糸、乾燥して形成し、実施例1と同様にプリーツ型マスクを調製した。
製造例3
ナノファイバー不織布は、重量平均分子量が80,000のポリ−ε−カプロラクトンをアセトンに溶解し5質量%の紡糸原液を調製し、ポリエステル系(廣瀬製紙株式会社製:商品名:05TH−12 目付11.3g/m2)の片面に紡糸、乾燥して形成し、実施例1と同様にプリーツ型マスクを調製した。
製造例4
ナノファイバー不織布は、重量平均分子量40,000のポリビニルピロリドンを2−プロパノールに溶解し30質量%の紡糸原液を調製し、ビニロン系繊維(廣瀬製紙株式会社製:商品名:VN1012 目付12.1g/m2)の片面に紡糸、乾燥して形成し、実施例1と同様にプリーツ型マスクを調製した。
製造例1〜4のプリーツ型マスクは捕集効率に非常に優れており、かつ、捕集効率に非常高いにも関わらず、通気性にも優れている。また、経時的なマスクの通気性及び捕集効率の劣化が非常に抑制できる。
10 マスク
11 マスク本体
12 耳掛け部
13 ノーズフィッター
14 折り目
16 プリーツ
22a、22b 織布又は不織布
23 帯電加工を施した不織布
24 ナノファイバー不織布
25 抗菌性不織布
27 不織布基材

Claims (8)

  1. 使用者の顔面の少なくとも一部を覆うためのマスク本体と、前記マスク本体の両側に設けられた耳掛け部とを備えたマスクであって、
    前記マスク本体が、帯電加工を施した不織布とナノファイバー不織布との積層体を有することを特徴とするマスク。
  2. 前記マスク本体がプリーツ加工型の立体形態である請求項1記載のマスク。
  3. 前記ナノファイバー不織布におけるナノファイバーの平均繊維径が1μm未満である請求項1又は2記載のマスク。
  4. 前記ナノファイバー不織布の目付が1〜30g/m2である請求項1〜3記載のマスク。
  5. 前記ナノファイバー不織布が不織布基材上にナノファイバーが積層されたものである請求項1〜4のいずれか1項記載のマスク。
  6. 前記不織布基材がポリオレフィン系繊維からなる不織布である請求項5記載のマスク。
  7. 前記ナノファイバー不織布におけるナノファイバーの素材がポリフッ化ビニリデンである請求項1〜6のいずれか1項記載のマスク。
  8. 前記積層体が、マスクの内側(顔面に触れる側)から外側(顔面に触れる側とは反対側)に向かって、帯電加工を施した不織布とナノファイバー不織布とを、順に積層した積層体である請求項1〜7のいずれか1項記載のマスク。
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