JP7152034B2 - フィルター濾材及びレスピレーター - Google Patents

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Description

本発明は、フィルター濾材及びレスピレーターに関する。
繊維状の物質を用いたフィルターを備え、空気中や液体中に存在する粒子等を捕集(除去)する製品は、さまざまな用途に広く用いられている。
フィルターを備える製品の中でも、レスピレーター(呼吸用保護具。防塵マスク、医療用マスク、感染予防マスク等として用いられる、密閉性が高いマスクの一種。)は、発塵のある作業現場、手術室、病棟、パンデミック(インフルエンザ等)対策の現場(例えば診察室)等、特にシビアな環境での使用が想定されている。このため、レスピレーターのフィルターには高い捕集性能が求められる。また、レスピレーターは用途の関係上長時間の使用や高頻度の使用が想定されるため、レスピレーターのフィルターには着用中の使用者の負荷を小さくすることも求められる。
レスピレーターのフィルターとしては、マイクロメートルクラスかそれ以上の繊維径を有する繊維(以下、通常の繊維という。)からなる不織布(例えば、メルトブロー不織布)を用いたフィルターが一般的に用いられている。しかし、通常の繊維からなる不織布で一層高い捕集性能を実現しようとすると、必然的に厚いフィルターとなってしまう。フィルターが厚くなると断熱性(保温性)が高くなり、発汗等による疲労感や不快感が発生・増大する原因となる。また、フィルターが厚くなると吸音性も高くなることから、声が外部に伝わりにくくなってしまい、レスピレーターを着用した状態での意思疎通が困難となる場合がある。
このため、通常の繊維からなる不織布を用いたフィルターを備えるレスピレーターには、高い捕集性能を得ようとすると着用者にかかる負荷が大きくなってしまうという問題があり、高い捕集性能を維持したままフィルターを薄型化及び軽量化することが強く求められている。
高い捕集性能を維持したままで薄型化及び軽量化を達成するためには、フィルターを構成する繊維を微細化することが好ましい。そこで、ナノスケールの繊維径を有するナノファイバーを利用する技術が注目されている。
しかし、ナノファイバーからなるナノファイバー不織布は、形成方法や繊維径の都合上、基本的に平面的に形成される。このため、ナノファイバーを厚く積層することは難しい。従って、ナノファイバー不織布のみで高い捕集性能を得ようとする場合には、ナノファイバーを高密度に形成し、緻密なナノファイバー不織布とすることになる。しかし、ナノファイバー不織布を過度に緻密化すると圧力損失の増大により呼吸がしにくくなり、ナノファイバー不織布を用いたフィルターを備えるレスピレーターとしても、かえって着用者の負荷が大きくなってしまう場合がある。
上記の理由から、レスピレーターのフィルターとしては、通常の繊維からなる不織布とナノファイバー不織布とを組み合わせて用いることが好ましいと考えられる。
従来、通常の繊維からなる不織布とナノファイバー不織布とを組み合わせたフィルター濾材の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
従来のフィルター濾材の製造方法は、メルトブロー不織布の片面にナノファイバーを積層してナノファイバー不織布を形成する工程と、サーマルボンド不織布の片面にホットメルト用の樹脂を散布して当該樹脂を加熱溶融する工程と、加熱溶融した樹脂により各不織布を接着する工程とをこの順序で含む。
従来のフィルター濾材の製造方法によれば、通常の繊維からなる不織布とナノファイバー不織布とを組み合わせることで、高い捕集性能を維持したまま薄型化及び軽量化を達成できるフィルター濾材を製造することが可能となる。
特許第6172924号公報
しかしながら、本発明の発明者の鋭意研究の結果、従来のフィルター濾材の製造方法には、製造したフィルター濾材に劣化や破損が生じやすいという問題があることが判明した。
本発明は上記した問題を解決するためになされたものであり、高い捕集性能を維持したまま薄型化及び軽量化を達成でき、かつ、従来のフィルター濾材の製造方法よりも劣化や破損が生じにくいフィルター濾材を製造可能なフィルター濾材の製造方法を提供することを目的とする。また、高い捕集性能を維持したまま薄型化及び軽量化を達成でき、かつ、従来のフィルター濾材の製造方法で製造したフィルター濾材よりも劣化や破損が生じにくいフィルター濾材を提供することも目的とする。さらに、高い捕集性能と着用者の負荷を小さくすることとを両立し、かつ、従来のフィルター濾材の製造方法により製造したフィルター濾材をフィルターとして用いたレスピレーターよりもフィルターの劣化や破損が生じにくいレスピレーターを提供することも目的とする。
[1]本発明のフィルター濾材の製造方法は、目付量が10g/m~50g/mの範囲内にあるスパンボンド不織布である第1不織布の片面に、平均繊維径が100nm~400nmの範囲内にあるナノファイバーを目付量が0.05g/m~0.2g/mの範囲内となるように積層して第2不織布を形成するナノファイバー積層工程と、前記第1不織布とは反対側の前記第2不織布の表面上に、目付量が5g/m~30g/mの範囲内にあるエレクトレット化されたメルトブロー不織布である第3不織布を接着する接着工程とをこの順序で含み、前記第1不織布、前記第2不織布及び前記第3不織布の合計厚さを0.05mm~0.4mmの範囲内とすることを特徴とする。
本発明のフィルター濾材の製造方法によれば、従来のフィルター濾材の製造方法と同様に、通常の繊維からなる不織布とナノファイバー不織布とを組み合わせることで、高い捕集性能を維持したまま薄型化及び軽量化を達成できるフィルター濾材を製造することが可能となる。
ところで、メルトブロー不織布はスパンボンド不織布やサーマルボンド不織布等と比較して帯電しやすい性質がある。このため、従来のフィルター濾材の製造方法のようにメルトブロー不織布の片面にナノファイバーを積層しようとすると、メルトブロー不織布が帯電してナノファイバーとの間で電気的な反発が発生し、ナノファイバーの積層がうまくいかなかったり、積層にむらが発生してしまったりすることがある。その結果、従来のフィルターの製造方法により製造したフィルター濾材は、劣化や破損(特に、メルトブロー不織布とナノファイバー不織布との剥離や当該剥離による強度低下に起因するもの)が生じやすくなってしまう。
一方、本発明のフィルター濾材の製造方法によれば、比較的帯電しにくいスパンボンド不織布である第1不織布の片面にナノファイバーを積層して第2不織布を形成するため、第1不織布とナノファイバーとの間に生じる電気的な反発を小さくしてナノファイバーの積層を適切に行うことが可能となる。その結果、本発明のフィルター濾材の製造方法によれば、従来のフィルター濾材の製造方法により製造したフィルター濾材よりも劣化や破損が生じにくいフィルター濾材を製造することが可能となる。
このため、本発明のフィルター濾材の製造方法は、高い捕集性能を維持したまま薄型化及び軽量化を達成でき、かつ、従来のフィルター濾材の製造方法よりも劣化や破損が生じにくいフィルター濾材を製造可能なフィルター濾材の製造方法となる。
また、本発明のフィルター濾材の製造方法によれば、比較的帯電しにくいスパンボンド不織布である第1不織布の片面に第2不織布を形成することでナノファイバーの積層を適切に行うことが可能となるため、高品質なナノファイバー不織布を形成することで厚さあたりの捕集性能を高くすることが可能となる。その結果、本発明のフィルター濾材の製造方法によれば、従来のフィルター濾材の製造方法で製造したフィルター濾材よりも薄型としても高い捕集性能を確保することが可能なフィルター濾材を製造することが可能となる。
また、本発明のフィルター濾材の製造方法によれば、スパンボンド不織布である第1不織布の目付量が10g/m~50g/mの範囲内にあるため、目付量が10g/m以上であることでナノファイバーからなる第2不織布を形成するときに異常(破れ、破損、伸び等)を防止するに足る引張強度を確保することが可能となり、かつ、目付量が50g/m以下であることでスパンボンド不織布の絶縁性を十分に低くして第1不織布と第2不織布との間の接合力を十分に大きくするとともにフィルター濾材を軽量化することが可能となる。
また、本発明のフィルター濾材の製造方法によれば、ナノファイバーの平均繊維径が100nm~400nmの範囲内にあるため、平均繊維径を100nm以上とすることで実用的な生産量を確保することが可能となり、かつ、平均繊維径を400nm以下とすることで捕集性能を十分に高くすること及び圧力損失を十分に低くすることが可能となる。
また、本発明のフィルター濾材の製造方法によれば、ナノファイバーを目付量が0.05g/m~0.2g/mの範囲内となるように積層するため、目付量を0.05g/m以上とすることで捕集性能を十分に高くすることが可能となり、かつ、目付量を0.2g/m以下とすることで圧力損失を十分に低くすることが可能となる。
また、本発明のフィルター濾材の製造方法によれば、メルトブロー不織布である第3不織布の目付量が5g/m~30g/mの範囲内にあるため、目付量が5g/m以上であることで接着の際における扱いやすさ(積層、加熱、加圧、冷却等、接着工程実施時における挙動の安定性。いわゆるハンドリング性。)を確保することが可能となり、かつ、目付量が30g/m以下であることで厚さ方向に対する第3不織布の厚さを薄くしてフィルター濾材の薄型化を達成することが可能となる。
また、本発明のフィルター濾材の製造方法によれば、第3不織布がエレクトレット化されたメルトブロー不織布であるため、静電気力により高い捕集性能を得ることが可能となる。
本発明のフィルター濾材の製造方法においては、前記ナノファイバー積層工程では、紡糸方向が下から上であるマルチノズル式エレクトロスピニング装置を用いて前記ナノファイバーを積層することが好ましい。
このような方法とすることにより、ナノファイバーを均一かつ効率的に積層することが可能となる。
本発明のフィルター濾材の製造方法においては、前記接着工程では、樹脂接着剤を用いたホットメルトにより前記第3不織布を接着することが好ましい。
このような方法とすることにより、エレクトレット化されたメルトブロー不織布である第3不織布を安定して接着することが可能となる。
本発明のフィルター濾材の製造方法においては、前記第3不織布は、ポリプロピレンを原料とするものであることが好ましい。
ポリプロピレンは、エレクトレット化に適した帯電しやすい原料である。
このため、上記のような方法とすることにより、エレクトレット化の効果の減衰を抑制してフィルター濾材の捕集性能が経時劣化することを抑制することが可能となる。
本発明のフィルター濾材の製造方法においては、前記ナノファイバー積層工程では、熱可塑性ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル及びポリビニルアルコールのうち少なくとも1種類を原料とする前記ナノファイバーにより前記第2不織布を形成することが好ましい。
このような方法とすることにより、捕集性能が高い第2不織布を安定して形成することが可能となる。
[2]本発明のフィルター濾材の製造方法においては、前記第3不織布として、全体にわたって均一な構造を有するものを用いることが好ましい。
このような方法とすることにより、厚さや密度のムラが少ない第3不織布を用いることで第3不織布を第2不織布の表面上に均一に接着することが可能となり、その結果、劣化や破損(特に、流体の流通方向が一定でない使用をするときの劣化や破損)が生じにくいフィルター濾材を製造することが可能となる。
また、このような方法とすることにより、フィルター濾材の内部空間(いずれの不織布の内部でもない空間)を少なくすることが可能となり、その結果、形状安定性及び逆洗性能が高いフィルター濾材を製造することが可能となる。
[3]本発明のフィルター濾材は、目付量が10g/m~50g/mの範囲内にあるスパンボンド不織布である第1不織布と、前記第1不織布の片面に配置され、平均繊維径が100nm~400nmの範囲内にあるナノファイバーからなり目付量が0.05g/m~0.2g/mの範囲内にあるナノファイバー不織布である第2不織布と、前記第2不織布の前記第1不織布とは反対の側に配置されており、目付量が5g/m~30g/mの範囲内にあるエレクトレット化されたメルトブロー不織布である第3不織布とを有し、前記第1不織布と前記第2不織布とは、それぞれの不織布を構成する繊維同士の接触及び絡みつきにより一体化され、厚さが0.05mm~0.4mmの範囲内にあることを特徴とする。
本発明のフィルター濾材によれば、通常の繊維からなる不織布とナノファイバー不織布とを組み合わせることで、高い捕集性能を維持したまま薄型化及び軽量化を達成することが可能となる。
また、本発明のフィルター濾材によれば、比較的帯電しにくいスパンボンド不織布である第1不織布の片面に第2不織布をそれぞれの不織布を構成する繊維同士の接触及び絡みつきにより一体化しているため、製造時における第1不織布とナノファイバーとの間に生じる電気的な反発を小さくして第2不織布と第1不織布とを強固に一体化することが可能となる。その結果、本発明のフィルター濾材は、従来のフィルター濾材の製造方法で製造したフィルター濾材よりも劣化や破損が生じにくいフィルター濾材となる。
このため、本発明のフィルター濾材は、高い捕集性能を維持したまま薄型化及び軽量化を達成でき、かつ、従来のフィルター濾材の製造方法で製造したフィルター濾材よりも劣化や破損が生じにくいフィルター濾材となる。
また、本発明のフィルター濾材によれば、比較的帯電しにくいスパンボンド不織布である第1不織布の片面に第2不織布が一体化しているため、製造時におけるナノファイバーの積層を適切に行うことが可能となり、高品質なナノファイバー不織布として厚さあたりの捕集性能を高くすることが可能となる。その結果、本発明のフィルター濾材によれば、従来のフィルター濾材よりも薄型のフィルター濾材としても、高い捕集性能を確保することが可能となる。
上記[3]でフィルター濾材について記載した各数値範囲やエレクトレット化の効果は、上記[1]で記載した効果と同じであるため、ここでは記載を省略する。
[4]本発明のフィルター濾材においては、前記第3不織布は、全体にわたって均一な構造を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、厚さや密度のムラが少ない第3不織布を用いることで第3不織布を第2不織布の表面上に均一に接着して接着強度を高くすることが可能となり、その結果、劣化や破損(特に、流体の流通方向が一定でない使用をするときの劣化や破損)を生じにくくすることが可能となる。
また、このような構成とすることにより、フィルター濾材の内部空間を少なくすることが可能となり、その結果、形状安定性及び逆洗性能を高くすることが可能となる。
[5]本発明のフィルター濾材においては、N95規格を満たすことが好ましい。
このような構成とすることにより、発塵のある作業現場、手術室、病棟、パンデミック対策の現場等、特にシビアな環境での使用に特に適したレスピレーターに用いるためのフィルター濾材とすることが可能となる。
[6]本発明のフィルター濾材においては、空気を吸引しながら前記第1不織布側にJIS8種である試験粒子を堆積させて圧力損失が前記試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.5倍となった後、前記第3不織布側から平均面風速が26cm/sである呼気を1秒ずつ5回送った後の圧力損失が、前記試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.1倍以下であることが好ましい。
従来、レスピレーターに用いるフィルター濾材としては、単に捕集性能の高いものは存在していても、十分な逆洗を簡単に行うことが可能なフィルター濾材(特に、N95規格を満たすフィルター濾材)は存在していなかった。
上記のような構成とすることにより、成人が強めの呼気を送る程度で十分な逆洗を行うことが可能となる。
[7]本発明のレスピレーターは、目付量が10g/m~50g/mの範囲内にあるスパンボンド不織布である第1不織布と、前記第1不織布の片面に配置され、平均繊維径が100nm~400nmの範囲内にあるナノファイバーからなり目付量が0.05g/m~0.2g/mの範囲内にあるナノファイバー不織布である第2不織布と、前記第2不織布の前記第1不織布とは反対の側に配置されており、目付量が5g/m~30g/mの範囲内にあるエレクトレット化されたメルトブロー不織布である第3不織布とを有し、前記第1不織布と前記第2不織布とは、それぞれの不織布を構成する繊維同士の接触及び絡みつきにより一体化され、厚さが0.05mm~0.4mmの範囲内にあるフィルター濾材を、フィルターの構成要素として備えることを特徴とする。
本発明のレスピレーターは、本発明のフィルター濾材を構成要素として備えるフィルターを用いるため、高い捕集性能と着用者の負荷を小さくすることとを両立し、かつ、従来のフィルター濾材をフィルターの構成要素として用いたレスピレーターよりもフィルターの劣化や破損が生じにくいレスピレーターとなる。
上記[7]でレスピレーターについて記載した各数値範囲やエレクトレット化の効果は、上記[1]で記載した効果と同じであるため、ここでは記載を省略する。
[8]本発明のレスピレーターにおいては、前記フィルターの全体の厚さは、0.2mm~1.5mmの範囲内にあることが好ましい。
このような構成とすることにより、フィルターの強度を十分に確保しつつ、フィルターの十分な薄型化及び軽量化を達成することが可能となる。
[9]本発明のレスピレーターにおいては、前記フィルターは、面形状がプレーンであることが好ましい。
このような構成とすることにより、エンボス等の形成に起因する捕集性能の低下を防ぐことが可能となる。
なお、本明細書における「面形状がプレーンである」とは、レスピレーターの形状を構成する観点からは不可欠ではない立体形状(例えば、フィルターの表面積を大きくするための凹凸)を有しないことをいう。例えば、折り畳み式レスピレーターとするために、フィルターに折り目があったとしても、上記のような立体形状が存在しなければ、「面形状がプレーンである」という条件を満たす。
[10]本発明のレスピレーターにおいては、前記第3不織布は、全体にわたって均一な構造を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、厚さや密度のムラが少ない第3不織布を用いることで第3不織布を第2不織布の表面上に均一に接着して接着強度を高くすることが可能となり、その結果、劣化や破損(特に、流体の流通方向が一定でない使用をするときの劣化や破損)を生じにくくすることが可能となる。
また、このような構成とすることにより、フィルター濾材の内部空間を少なくすることが可能となり、形状安定性及び逆洗性能を高くすることが可能となる。
[11]本発明のレスピレーターにおいては、サーマルボンド不織布からなる口元側不織布を、前記フィルターの構成要素として有することが好ましい。
このような構成とすることにより、フィルター濾材に口元が直接触れるのを防ぐことができ、フィルター濾材が損傷してしまうことを抑制することが可能となる。
[12]本発明のレスピレーターにおいては、前記フィルター濾材と口元側不織布とは、それぞれの端部で接合されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、口元側不織布の動きにフィルター濾材が引っ張られてフィルター濾材に過度の負荷がかかることを抑制することが可能となる。
[13]本発明のレスピレーターにおいては、N95規格を満たすことが好ましい。
このような構成とすることにより、発塵のある作業現場、手術室、病棟、パンデミック対策の現場等、特にシビアな環境での使用に特に適したレスピレーターとすることが可能となる。
[14]本発明のレスピレーターにおいては、空気を吸引しながら前記第1不織布側にJIS8種である試験粒子を堆積させて圧力損失が前記試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.5倍となった後、前記第3不織布側から平均面風速が26cm/sである呼気を1秒ずつ5回送った後の圧力損失が、前記試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.1倍以下であることが好ましい。
従来、レスピレーターの技術分野においては、単に捕集性能の高いものは存在していても、十分な逆洗を簡単に行うことが可能なレスピレーター(特に、N95規格を満たすレスピレーター)は存在していなかった。
上記のような構成とすることにより、成人が強めの呼気を送る程度で十分な逆洗を行うことが可能となる。
実施形態に係るフィルター濾材10の断面図である。 実施形態に係るフィルター濾材の製造方法におけるナノファイバー積層工程S1を説明するために示す図である。 実施形態に係るフィルター濾材の製造方法における接着工程S2を説明するために示す図である。 実施形態に係るレスピレーター100を説明するために示す図である。 実施形態に係るレスピレーター100を使用している様子を示す図である。 実施例及び比較例に係る実験結果を示す表である。 追加実施例1における実験に用いた実験装置400の構成を示す模式図である。 追加実施例1における実験の結果を示すグラフである。 追加実施例2における各レスピレーターの試験粒子吸引後の様子を示すSEM画像である。
以下、本発明のフィルター濾材の製造方法、フィルター濾材及びレスピレーターについて、図に示す実施形態に基づいて説明する。各図面は模式図であり、必ずしも実際の構造や構成を厳密に反映したものではない。以下に説明する実施形態は、請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明に必須であるとは限らない。
[実施形態]
1.フィルター濾材10
まず、実施形態に係るフィルター濾材10について説明する。
図1は、実施形態に係るフィルター濾材10の断面図である。
実施形態に係るフィルター濾材10は、図1に示すように、第1不織布12と、第2不織布14と、第3不織布16とを有する。フィルター濾材10は、厚さが0.05mm~0.4mmの範囲内にある。
本明細書において「フィルター濾材」とは、フィルターの構成要素として用いられるもののうち、フィルターの主要機能である濾過(捕集)機能を担うもののことをいう。フィルター濾材は、単独でフィルターとして用いてもよいし、他の構成要素(例えば、口元用の不織布、補強用の不織布、他のフィルター濾材等)と積層又は一体化させて用いてもよい。
第1不織布12は、目付量が10g/m~50g/mの範囲内にあるスパンボンド不織布である。第1不織布12は、例えば、ポリプロピレン(PP)を原料とするものである。
第2不織布14は、第1不織布12の片面に配置されている。第2不織布14は、平均繊維径が100nm~400nmの範囲内にあるナノファイバーからなる目付量が0.05g/m~0.2g/mの範囲内にあるナノファイバー不織布である。
第2不織布14は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド(PA)、ポリアクリロニトリル(PAN)及びポリビニルアルコール(PVA)のうち少なくとも1種類を原料とするナノファイバーにより形成されている。
第3不織布16は、第2不織布14の第1不織布12とは反対の側に配置されており、目付量が5g/m~30g/mの範囲内にあるエレクトレット化されたメルトブロー不織布である。第3不織布16は、ポリプロピレン(PP)を原料とするものである。
なお、エレクトレット化されたメルトブロー不織布は、繊維自体で比較的大きな捕集対象を捕集でき、同時に静電気力の作用により比較的小さい捕集対象も捕集できるため、フィルター濾材の捕集性能を高くするのに適する構成要素である。
また、第3不織布16は、全体にわたって均一な構造を有する。
本明細書においては、第3不織布についてどの部分をみても、厚み、密度及び繊維の絡み方に有意な差がない構造を有すること、又は、厚み、密度及び繊維の絡み方に意図的に設けられた差異がない構造を有することを「均一な構造を有する」という。
均一な構造を有する第3不織布16は、厚みの平均値が他の領域の厚みの平均値と異なる領域を有しない。また、第3不織布16は、突起のような構造を有しない。ここでいう突起とは、不織布の平面(主面)部分から突出した構造であり、密度や組織が不織布の平面部分とは異なるもの(例えば、毛玉のようなもの)のことをいう。当該突起の有無は、例えば、第3不織布16を光に透かすことで識別することができる。第3不織布16を光に透かしたとき、突出部が存在する部分は他の部分よりも影が濃くなって見える。
実施形態に係るフィルター濾材10のように均一な構造を有する第3不織布を用いることは、均一な構造を有しない第3不織布(例えば、厚みが不均一な第3不織布や突起のような構造を有する第3不織布)を用いる場合と比較して、以下の(a)~(e)に記載するような効果を有するようになる。
(a)フィルター濾材の厚さをムラなく均一にすることが可能となる。
(b)第3不織布に必要以上に厚い領域や突起が存在しないため、フィルター濾材の厚さが必要以上に厚くならないようにする(薄さを維持する)ことが可能となる。
(c)構造の不均一さ(特に突起)は主に後加工(例えば、ロールやへら等による摩擦)により形成されるが、全体にわたって均一な構造を有する第3不織布を用いる場合には後加工を行う必要がないため、後加工に係る加工コストや設備コストの増加を防ぐことが可能となる。
(d)第3不織布の構造を後加工で物理的に変化させないため、第3不織布中の孔の大きさや形状が無理に変化させられることがなく、フィルター濾材の粒子捕集性能を低下させないようにすることが可能となる。
(e)均一な構造を有しない第3不織布を用いる場合と比較して、突起等に由来する隙間(層間の隙間)が少なくなることから、第2不織布(ナノファイバー不織布)が粒子を捕集したときに第2不織布を十分に支持することが可能となり、その結果、第2不織布が損傷することを抑制することが可能となる。
第1不織布12と第2不織布14とは、それぞれの不織布を構成する繊維同士の接触及び絡みつきにより一体化されている。当該一体化は、第2不織布14をエレクトロスピニング法により形成することにより達成することができる(後述するフィルター濾材の製造方法のナノファイバー積層工程S1参照。)。
また、第1不織布12及び第2不織布14と第3不織布16とは、樹脂接着剤により接着されている。当該接着のための方法としては、例えば、ホットメルトを用いることができる(後述するフィルター濾材の製造方法の接着工程S2参照。)
上記の構成により、フィルター濾材10は、N95規格を満たすことが好ましい。
フィルター濾材10は、空気を吸引しながら第1不織布12側にJIS8種である試験粒子を堆積させて圧力損失が試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.5倍となった後、第3不織布側から平均面風速が26cm/sである呼気を1秒ずつ5回送った後の圧力損失が、試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.1倍以下である(後述する追加実施例1も参照。)。
2.フィルター濾材の製造方法
次に、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法について説明する。
実施形態に係るフィルター素材の製造方法は、ナノファイバー積層工程S1と接着工程S2とをこの順序で含む。以下、各工程について説明する。
2-1.ナノファイバー積層工程S1
図2は、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法におけるナノファイバー積層工程S1を説明するために示す図である。図2(a)はナノファイバー積層工程S1を実施する様子を示す模式図であり、図2(b)は図2(a)におけるA1の位置の様子を示す断面図であり、図2(c)は図2(a)におけるA2の位置の様子を示す断面図である。
ナノファイバー積層工程S1は、図2に示すように、目付量が10g/m~50g/mの範囲内にあるスパンボンド不織布である第1不織布12(図2(b)参照。)の片面に、平均繊維径が100nm~400nmの範囲内にあるナノファイバーを目付量が0.05g/m~0.2g/mの範囲内となるように積層して第2不織布14を形成する(図2(c)参照。)工程である。
ナノファイバー積層工程S1では、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド(PA)、ポリアクリロニトリル(PAN)及びポリビニルアルコール(PVA)のうち少なくとも1種類を原料とするナノファイバーにより第2不織布14を形成する。
ナノファイバー積層工程S1では、図2(a)に示すように、紡糸方向が下から上であるマルチノズル式エレクトロスピニング装置200を用いてナノファイバーを積層する。
図2(a)において符号210で示すのは第1不織布12を繰り出す繰り出しロールであり、符号212で示すのは第1不織布12及び第2不織布14を巻き取る巻き取りロールである。本実施形態においては、繰り出しロール210から第1不織布12を繰り出しつつ巻き取りロール212で第1不織布12及び第2不織布14を巻き取ることで、第1不織布12の片面への第2不織布14の形成(ナノファイバーの積層)を連続的に行う。
この場合、第2不織布14の目付量は、第1不織布12を移動させる速度の変更、ナノファイバー原料の噴射量の変更、印加電圧の増減等を行うことにより調整することができる。
なお、第2不織布の形成は連続的でなくてもよい。例えば、所定の面積の第1不織布を準備して第2不織布の形成を行い、その後、別の所定の面積の第1不織布を準備して再び第2不織布の形成を行う、とするように、第2不織布の形成は断続的であってもよい。
2-2.接着工程S2
図3は、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法における接着工程S2を説明するために示す図である。図3(a)は接着工程S2を実施する様子を示す模式図であり、図3(b)は図3(a)におけるA3の位置の様子を示す断面図であり、図3(c)は図3(a)におけるA4の位置の様子を示す断面図であり、図3(d)は図3(a)におけるA5の位置の様子を示す断面図である。
接着工程S2は、図3に示すように、第1不織布12とは反対側の第2不織布14の表面上に、目付量が5g/m~30g/mの範囲内にあるエレクトレット化されたメルトブロー不織布である第3不織布16を接着する工程である。第3不織布16は、上記したようにポリプロピレン(PP)を原料とするものである。なお、不織布のエレクトレット化については公知であるため、説明は省略する。
接着工程S2においては、第3不織布16として、全体にわたって均一な構造を有するものを用いる。
接着工程S2では、樹脂接着剤を用いたホットメルトにより第3不織布16を接着する。ホットメルトは、例えば図3(a)に示すように、樹脂接着剤塗布機300により第2不織布14上に熱可塑性の樹脂接着剤18を散布又は塗布し(図3(b)参照。)、第3不織布16を樹脂接着剤18を介して第2不織布14上に重ね(図3(c)参照。)、加熱ヒーター310による加熱で樹脂接着剤18を溶融させて第1不織布12及び第2不織布14と第3不織布16とを接着する(図3(d)参照。)。
なお、図3(a)~図3(c)においては、樹脂接着剤18を等間隔に配置された粒状の形状のものであるように表示しているが、これは便宜上のものである。樹脂接着剤は、第3不織布を適切に接着するという目的を達成することができる限り、任意の(適切な)形態(網状や線状といった形状や、固体、ペースト、ゲルといった状態)のものを用いることができ、任意の(適切な)分布・方法で散布、塗布、配置等を行うことができる。
本実施形態においては、接着工程S2を実施することによりフィルター濾材10を製造する。
図3(a)において符号320で示すのは第1不織布12及び第2不織布14を繰り出す繰り出しロールであり、符号322で示すのは第3不織布16を繰り出す繰り出しロールであり、符号324で示すのはフィルター濾材10を巻き取る巻き取りロールである。
本実施形態においては、繰り出しロール320及び繰り出しロール322から各不織布を繰り出しつつ巻き取りロール324でフィルター濾材10を巻き取ることで各不織布を移動させ、フィルター濾材10を連続的に製造する。
なお、上記した第2不織布の形成の場合と同じく、第3不織布の接着は連続的でなくても(断続的であっても)よい。
本実施形態においては、第1不織布12、第2不織布14及び第3不織布16の合計厚さを0.05mm~0.4mmの範囲内とする。
3.レスピレーター100
次に、実施形態に係るレスピレーター100について説明する。
図4は、実施形態に係るレスピレーター100を説明するために示す図である。図4(a)は折り畳んだ状態のレスピレーター100の平面図であり、図4(b)は図4(a)のA-A断面図であり、図4(c)は図4(b)のA6で示す位置の様子を示す断面図である。なお、図4(b)においては、フィルター20が折り畳まれている様子をわかりやすくするために、レスピレーター100を完全に折り畳んだ状態ではなく、わずかに開いた状態として図示している。
図5は、実施形態に係るレスピレーター100を使用している様子を示す図である。図5において符号Uで示すのは、レスピレーター100の使用者である。図5は、レスピレーター100に着目する場合には、レスピレーター100の使用時(展開時)の状態を示す斜視図ということもできる。
実施形態に係るレスピレーター100は、図4に示すように、目付量が10g/m~50g/mの範囲内にあるスパンボンド不織布である第1不織布12と、第1不織布12の片面に配置され、平均繊維径が100nm~400nmの範囲内にあるナノファイバーからなり目付量が0.05g/m~0.2g/mの範囲内にあるナノファイバー不織布である第2不織布14と、第2不織布14の第1不織布12とは反対の側に配置されており、目付量が5g/m~30g/mの範囲内にあるエレクトレット化されたメルトブロー不織布である第3不織布16とを有し、第1不織布12と第2不織布14とは、それぞれの不織布を構成する繊維同士の接触及び絡みつきにより一体化され、厚さが0.05mm~0.4mmの範囲内にあるフィルター濾材10を、フィルター20の構成要素として備える。
つまり、レスピレーター100は、実施形態に係るフィルター濾材10をフィルター20の構成要素(実施形態においては、フィルター20の一部)として備える。
このため、レスピレーター100における第3不織布16は、全体にわたって均一な構造を有する。
レスピレーター100は、折り畳み式である。レスピレーター100の形状自体は公知のものであるため詳しい説明は省略するが、レスピレーター100は、図4(a)に示すように、平面視したときにおおよそ台形になるように折り畳んでおくことができる。レスピレーター100を使用するときには、口元側の端部を上下に開き(図4(b)参照。)、折りたたまれているフィルター20を広げる(図5参照。)。
折り畳み式のレスピレーターには、省スペースであり、収納や運搬が容易であるという特徴がある。本発明のフィルター濾材は軽量化及び薄型化が可能なものであるため、折り畳み式のレスピレーター用に用いるフィルター濾材として特に好適に用いることができる。
また、レスピレーター100は、N95規格を満たすことが好ましい(後述する実施例参照。)。
また、レスピレーター100は、空気を吸引しながら第1不織布12側にJIS8種である試験粒子を堆積させて圧力損失が試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.5倍となった後、第3不織布16側から平均面風速が26cm/sである呼気を1秒ずつ5回送った後の圧力損失が、試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.1倍以下である(後述する追加実施例1も参照。)。
レスピレーター100は、サーマルボンド不織布からなる口元側不織布22を、フィルター20の構成要素として有する。本実施形態においては、フィルター20は、図4(c)に示すように、フィルター濾材10とサーマルボンド不織布からなる口元側不織布22とからなるということもできる。フィルター20においては、フィルター濾材10と口元側不織布22とはそれぞれの端部で接合されている。つまり、フィルター濾材10と口元側不織布22とは、全面において接合(接着)されているものではない。
フィルター20の全体の厚さは、0.2mm~1.5mmの範囲内にある。
また、フィルター20は面形状がプレーンであり、エンボス等が存在しない。
なお、レスピレーター100は、フィルター20の他に、熱圧着によりフィルター20の端部を固定するバインディングテープ30、使用者Uの皮膚に触れる側の端部を覆うカバーテープ40、使用者Uの鼻の部分とレスピレーター100の端部との間の密閉性を確保するためのノーズクランプ50及びレスピレーター100を使用者Uに固定するための装着用ゴム60を備える。これらの構成要素は、レスピレーターの構成要素として公知のものであるため、説明を省略する。
レスピレーター100は、実施形態に係るフィルター濾材10を備えるフィルター20を用いること以外については、公知の(一般的な)製造方法により製造することができる。フィルター濾材10を用いてレスピレーター100を製造する方法としては、(1)フィルター濾材10を適切な大きさに裁断する工程と、(2)裁断したフィルター濾材10と口元側不織布22とを積層してフィルター20とする工程と、(3)フィルター20をレスピレーター100に対応する形状に折り畳む工程と、(4)ノーズクランプ50及び装着用ゴム60をフィルター20の適切な位置に配置する工程と、(5)バインディングテープ30及びカバーテープ40を熱圧着することでフィルター20、ノーズクランプ50及び装着用ゴム60を一体化する工程と、(6)フィルター20を裁断して単独のレスピレーター100とする工程とをこの順序で含む方法を例示することができる。
4.実施形態に係るフィルター濾材の製造方法、フィルター濾材10及びレスピレーター100の効果
実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、従来のフィルター濾材の製造方法と同様に、通常の繊維からなる不織布とナノファイバー不織布とを組み合わせることで、高い捕集性能を維持したまま薄型化及び軽量化を達成できるフィルター濾材10を製造することが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、比較的帯電しにくいスパンボンド不織布である第1不織布12の片面にナノファイバーを積層して第2不織布14を形成するため、第1不織布12とナノファイバーとの間に生じる電気的な反発を小さくしてナノファイバーの積層を適切に行うことが可能となる。その結果、本発明のフィルター濾材の製造方法は、従来のフィルター濾材の製造方法よりも劣化や破損が生じにくいフィルター濾材10を製造することが可能となる。
このため、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法は、高い捕集性能を維持したまま薄型化及び軽量化を達成でき、かつ、従来のフィルター濾材の製造方法よりも劣化や破損が生じにくいフィルター濾材10を製造可能なフィルター濾材の製造方法となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、比較的帯電しにくいスパンボンド不織布である第1不織布12の片面に第2不織布14を形成することでナノファイバーの積層を適切に行うことが可能となるため、高品質なナノファイバー不織布を形成することで厚さあたりの捕集性能を高くすることが可能となる。その結果、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、従来のフィルター濾材の製造方法で製造したフィルター濾材より薄型としても高い捕集性能を確保することが可能なフィルター濾材10を製造することが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、スパンボンド不織布である第1不織布12の目付量が10g/m~50g/mの範囲内にあるため、目付量が10g/m以上であることでナノファイバーからなる第2不織布14を形成するときに異常(破れ、破損、伸び等)を防止するに足る引張強度を確保することが可能となり、かつ、目付量が50g/m以下であることでスパンボンド不織布の絶縁性を十分に低くして第1不織布12と第2不織布14との間の接合力を十分に大きくするとともにフィルター濾材10を軽量化することが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、ナノファイバーの平均繊維径が100nm~400nmの範囲内にあるため、平均繊維径を100nm以上とすることで実用的な生産量を確保することが可能となり、かつ、平均繊維径を400nm以下とすることで捕集性能を十分に高くすること及び圧力損失を十分に低くすることが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、ナノファイバーを目付量が0.05g/m2~0.2g/m2の範囲内となるように積層するため、目付量を0.05g/m2以上とすることで捕集性能を十分に高くすることが可能となり、かつ、目付量を0.2g/m2以下とすることで圧力損失を十分に低くすることが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、メルトブロー不織布である第3不織布16の目付量が5g/m~30g/mの範囲内にあるため、目付量が5g/m以上であることで接着の際における扱いやすさ(積層、加熱、加圧、冷却等、接着工程実施時における挙動の安定性。いわゆるハンドリング性。)を確保することが可能となり、かつ、目付量が30g/m以下であることで厚さ方向に対する第3不織布16の厚さを薄くしてフィルター濾材10の薄型化を達成することが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、第3不織布16がエレクトレット化されたメルトブロー不織布であるため、静電気力により高い捕集性能を得ることが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、ナノファイバー積層工程S1では、紡糸方向が下から上であるマルチノズル式エレクトロスピニング装置200を用いてナノファイバーを積層するため、ナノファイバーを均一かつ効率的に積層することが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、接着工程S2では、樹脂接着剤18を用いたホットメルトにより第3不織布16を接着するため、エレクトレット化されたメルトブロー不織布である第3不織布16を安定して接着することが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、第3不織布16は、ポリプロピレンを原料とするものであるため、エレクトレット化の効果の減衰を抑制してフィルター濾材10の捕集性能が経時劣化することを抑制することが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、ナノファイバー積層工程S1では、熱可塑性ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル及びポリビニルアルコールのうち少なくとも1種類を原料とするナノファイバーにより第2不織布14を形成するため、捕集性能が高い第2不織布14を安定して形成することが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、第3不織布16として、全体にわたって均一な構造を有するものを用いるため、厚さや密度のムラが少ない第3不織布16を用いることで第3不織布16を第2不織布14の表面上に均一に接着することが可能となり、その結果、劣化や破損(特に、流体の流通方向が一定でない使用をするときの劣化や破損)が生じにくいフィルター濾材を製造することが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材の製造方法によれば、第3不織布16として、全体にわたって均一な構造を有するものを用いるため、フィルター濾材10の内部空間(いずれの不織布の内部でもない空間)を少なくすることが可能となり、その結果、形状安定性及び逆洗性能が高いフィルター濾材を製造することが可能となる。
実施形態に係るフィルター濾材10によれば、通常の繊維からなる不織布とナノファイバー不織布とを組み合わせることで、高い捕集性能を維持したまま薄型化及び軽量化を達成することが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材10によれば、比較的帯電しにくいスパンボンド不織布である第1不織布12の片面に第2不織布14をそれぞれの不織布を構成する繊維同士の接触及び絡みつきにより一体化しているため、製造時における第1不織布12とナノファイバーとの間に生じる電気的な反発を小さくして第2不織布14と第1不織布12とを強固に一体化することが可能となる。その結果、実施形態に係るフィルター濾材10は、従来のフィルター濾材の製造方法で製造したフィルター濾材よりも劣化や破損が生じにくいフィルター濾材となる。
このため、実施形態に係るフィルター濾材10は、高い捕集性能を維持したまま薄型化及び軽量化を達成でき、かつ、従来のフィルター濾材の製造方法で製造したフィルター濾材よりも劣化や破損が生じにくいフィルター濾材となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材10によれば、比較的帯電しにくいスパンボンド不織布である第1不織布12の片面に第2不織布14が一体化しているため、製造時におけるナノファイバーの積層を適切に行うことが可能となり、高品質なナノファイバー不織布として厚さあたりの捕集性能を高くすることが可能となる。その結果、実施形態に係るフィルター濾材10によれば、従来のフィルター濾材よりも薄型のフィルター濾材としても、高い捕集性能を確保することが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材10によれば、第3不織布16は、全体にわたって均一な構造を有するため、厚さや密度のムラが少ない第3不織布16を用いることで第3不織布16を第2不織布14の表面上に均一に接着して接着強度を高くすることが可能となり、その結果、劣化や破損(特に、流体の流通方向が一定でない使用をするときの劣化や破損)を生じにくくすることが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材10によれば、第3不織布16は、全体にわたって均一な構造を有するため、フィルター濾材10の内部空間を少なくすることが可能となり、その結果、形状安定性及び逆洗性能を高くすることが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材10によれば、N95規格を満たす場合には、発塵のある作業現場、手術室、病棟、パンデミック対策の現場等、特にシビアな環境での使用に特に適したレスピレーターに用いるためのフィルター濾材とすることが可能となる。
また、実施形態に係るフィルター濾材10によれば、空気を吸引しながら第1不織布12側にJIS8種である試験粒子を堆積させて圧力損失が試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.5倍となった後、第3不織布16側から平均面風速が26cm/sである呼気を1秒ずつ5回送った後の圧力損失が、試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.1倍以下であるため、成人が強めの呼気を送る程度で十分な逆洗を行うことが可能となる。
実施形態に係るレスピレーター100は、実施形態に係るフィルター濾材10を備えるフィルター濾材を用いるため、高い捕集性能と着用者の負荷を小さくすることとを両立し、かつ、従来のフィルター濾材をフィルターの構成要素として用いたレスピレーターよりもフィルターの劣化や破損が生じにくいレスピレーターとなる。
また、実施形態に係るレスピレーター100によれば、フィルター20の全体の厚さは、0.2mm~1.5mmの範囲内にあるため、フィルター20の強度を十分に確保しつつ、フィルター20の十分な薄型化及び軽量化を達成することが可能となる。
また、実施形態に係るレスピレーター100によれば、フィルター20は、面形状がプレーンであるため、エンボス等の形成に起因する捕集性能の低下を防ぐことが可能となる。
また、実施形態に係るレスピレーターによれば、第3不織布16は、全体にわたって均一な構造を有するため、厚さや密度のムラが少ない第3不織布16を用いることで第3不織布16を第2不織布14の表面上に均一に接着して接着強度を高くすることが可能となり、その結果、劣化や破損(特に、流体の流通方向が一定でない使用をするときの劣化や破損)を生じにくくすることが可能となる。
また、実施形態に係るレスピレーターによれば、第3不織布16は、全体にわたって均一な構造を有するため、フィルター濾材10の内部空間を少なくすることが可能となり、形状安定性及び逆洗性能を高くすることが可能となる。
また、実施形態に係るレスピレーター100によれば、サーマルボンド不織布からなる口元側不織布22を、フィルター20の構成要素として有するため、フィルター濾材10に口元が直接触れるのを防ぐことができ、フィルター濾材10が損傷してしまうことを抑制することが可能となる。
また、実施形態に係るレスピレーター100によれば、フィルター濾材10と口元側不織布22とは、それぞれの端部で接合されているため、口元側不織布22の動きにフィルター濾材10が引っ張られてフィルター濾材10に過度の負荷がかかることを抑制することが可能となる。
また、実施形態に係るレスピレーター100によれば、N95規格を満たす場合には、発塵のある作業現場、手術室、病棟、パンデミック対策の現場等、特にシビアな環境での使用に特に適したレスピレーターとすることが可能となる。
また、実施形態に係るレスピレーター100によれば、空気を吸引しながら第1不織布12側にJIS8種である試験粒子を堆積させて圧力損失が試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.5倍となった後、第3不織布16側から平均面風速が26cm/sである呼気を1秒ずつ5回送った後の圧力損失が、試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.1倍以下であるため、成人が強めの呼気を送る程度で十分な逆洗を行うことが可能となる。
[実施例]
以下、本発明のフィルター濾材及びレスピレーター(フィルター)の効果を、実際に行った実験に基づいて説明する。
図6は、実施例及び比較例に係る実験結果を示す表である。
実施例においては、本発明の範囲内にあるフィルター濾材及び本発明の範囲内にあるレスピレーターに用いるフィルターを実際に製造し、市販のレスピレーターやマスクのフィルターとの比較を行った。
以下、実験に用いた実施例1,2及び比較例1,2について説明する。
実施例1は、本発明の範囲内にあるフィルター濾材である。当該フィルター濾材は、上記実施形態に係るフィルター濾材10と同様の構成を有し、上記実施形態に係るフィルター濾材の製造方法と同様の方法にて製造した。
実施例1における第1不織布は、ポリプロピレン(PP)からなる目付量が30g/m、平均厚さ0.15mmのスパンボンド不織布である。
実施例1における第2不織布は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなる目付量が0.1g/m、平均厚さ0.0003mm(300nm)のナノファイバー不織布である。
実施例1における第3不織布は、ポリプロピレン(PP)からなる目付量が26g/m、厚さが0.19mmのメルトブロー不織布である。
実施例2は、本発明の範囲内にあるレスピレーターに用いるフィルターである。当該レスピレーター及びフィルターは、上記実施形態に係るレスピレーター100及びフィルター20と同様の構成を有する。
実施例2におけるフィルターは、上記した実施例1に係るフィルター濾材と口元用のサーマルボンド不織布とを積層したものである。
サーマルボンド不織布としては、ポリプロピレン及びポリエチレンからなる、目付量が15g/m、平均厚さ0.9mmのものを用いた。
比較例1,2は、実際に市販されているレスピレーター又はマスクのフィルターである。
比較例1におけるフィルターは、ポリプロピレン(PP)からなるメルトブロー不織布を2枚重ねたものである。比較例1は、市販のN95マスク(レスピレーター)に用いられているフィルターである。
比較例2におけるフィルターは、ポリプロピレン(PP)からなるスパンボンド不織布(目付量:30g/m、平均厚さ:0.15mm)に熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなる目付量が0.1g/mのナノファイバー不織布を積層したものを、ナノファイバー不織布が内側になるように2枚重ねにしたものである。比較例2は、ナノファイバーを用いた軽量型のマスクに用いられているフィルターである。
なお、フィルター濾材及びフィルターの厚さは、シックネスゲージにより測定した。
また、目付量は、所定の面積となるように切り出したフィルター濾材又はフィルターの重量を実際に測定することにより算出した。
実施例における実験は、フィルター濾材及び各レスピレーターのフィルターを対象にN95規格に従って行った。
N95規格とは、米国NIOSH(National Institute of Occupational Safety and Health)が定めた基準の中の1つで、「N」は耐油性が無いことを表し、「95」は試験粒子を95%以上捕集できることを表す。当該規格を満たすためには、フィルターで最も捕集しづらい空力学的質量径がおおよそ0.3μmの試験粒子を用い、当該試験粒子を95%以上捕集できる捕集性能を有しなければならない。なお、N95規格はフィルター性能に関する規格であり、レスピレーターとした際の性能を保証するものではない。
実験例における実験においては、試験粒子としてNaCl(平均粒子径0.075μm±0.02μm)を用い、気体流量を85L±2L/minとし、前処理条件を38℃/湿度85%/24h±1hとした。
捕集性能については、捕集効率により評価し、初期及び暴露後(NaClが200mg堆積したとき)に95%以上の捕集効率を有するか否かを確認した。
捕集効率は、米国のTSI Inc.のTSI-8130を用いて測定した。試行回数は4回とし、得られた結果の平均値を最終的な捕集効率として扱った。
圧力損失については、初期における値を確認した。
圧力損失についても、米国のTSI Inc.のTSI-8130を用いて測定した。試行回数は4回とし、得られた結果の平均値を最終的な捕集効率として扱った。
実験結果を図6に示す。
実験の結果、実施例1に係るフィルター濾材は、捕集性能及び圧力損失において、N95規格を十分以上に満たす優れた性能を発揮することが確認できた。
次に、比較例について見てみると、比較例1に係るフィルターは、N95マスクに用いるフィルターとして十分な捕集性能を有することがわかる。また、比較例2に係るフィルターは、薄くかつ圧力損失が極めて小さいが、N95マスクの基準で見たときには、捕集性能は不十分であることがわかる。
一方、実施例2に係るフィルターについては、実施例1に係るフィルター濾材と比較すると、捕集性能で上回りつつ、圧力損失は同様の値となっていることが確認できた。
また、実施例2に係るフィルターは、比較例1に係るフィルターと比較して厚さが2/3程度であり、圧力損失も小さくなっているにもかかわらず、捕集性能は比較例1に係るフィルターよりも高いことが確認できた。
さらに、実施例2に係るフィルターは、比較例2に係るフィルターと同様にナノファイバーを用いるフィルターであるが、比較例2に係るフィルターと比較して、厚みの差から予想できる捕集能力を大きく超える捕集能力を有することが確認できた。
なお、上記フィルターを用いて実際にレスピレーターを作成したところ、上記の捕集性能を保ちつつ、フィルターの厚みが1.2mm、製品重量が4.6gのレスピレーター(N95マスク)を製造することができた。一般的なレスピレーター(N95規格を満たすもの)のフィルターの厚みは1.5mm~4mm程度であり、製品重量が5g~10g超程度であることから、本発明に係るレスピレーターは、一般的なレスピレーターと比較して、同程度又は優れた性能を有しつつ、厚さ及び重量の観点から優れていることも確認できた。厚さが薄いことは省スペース化に寄与し、特に収納(保管)や運搬を行う際における大きなアドバンテージとなる。また、重量が軽いということは、使用者への負荷を小さくする効果が得られる他に、輸送時において、限られた重量制限の中でより多くのレスピレーターを輸送することが可能であることも意味する。
[追加実施例1]
追加実施例1として、本発明のレスピレーターについて、逆洗性能(再生性能)を調べるための実験を行った。
図7は、追加実施例1における実験に用いた実験装置400の構成を示す模式図である。
図8は、追加実施例1における実験の結果を示すグラフである。
追加実施例1で実験に用いたフィルター濾材は上記実施例における実施例1のフィルター濾材と同様のものであり、レスピレーターは上記実施例における実施例2のレスピレーターと同様のものである。
追加実施例1における実験は、本発明のフィルター濾材及びレスピレーターの逆洗性能を評価するために、試験粒子(粉塵)の吸引と離脱とを連続的に行う試験(サイクル試験)である。
実験に用いた実験装置400は、試料設置部410、空気流通部420、差圧計430、流量計440及びブロワー450を備える(図7参照。)。
なお、試料設置部410は略円筒状の形状からなり、一端に試料を取り付けるための試料取り付け口412を有する。試料設置部410は、実験装置400の空気流通部420から取り外し可能に構成されている。
試料取り付け口412の直径は、7cmとした。このため、試験面積は約38.5cmということになる。
差圧計としては、株式会社岡野製作所の差圧計DMC-103Nを用いた。
流量計としては、アズビル株式会社の気体用マスフローメーターCMS0050BSRNを用いた。
以下、追加実施例1における実験について説明する。
まず、レスピレーターの中央部を切り取ってフィルター濾材及び口元側不織布からなる試料(以下、試料Sという。)とした。続いて、試料Sをレスピレーターにおける外側(第1不織布側)を外側、口元側不織布側を内側として、試料取り付け口412に取り付けた(工程1)。
次に、ブロワー450で定格風量となるまで空気の吸引を行い、差圧計430により初期圧力損失(差圧)を測定した。定格風量は85L/minとした(工程2)。
次に、定格風量を保ったまま、試料Sの表面に試験粒子を堆積させた。試験粒子はJIS8種を用いた。試験粒子の堆積濃度は、1g/mとし、堆積ペースは0.085g/minとした(工程3)。
試験粒子の堆積を続け、圧力損失が初期圧力損失の約1.5倍となった段階でブロワー450を停止させた(工程4)。
その後、試料設置部410を実験装置400から取り外し、試料取り付け口412とは反対の側から成人男性が約1秒ずつ5回、強めの呼気を送った。このようにして試験粒子を試料Sの表面から離脱させる逆洗を行い、試料Sの濾過能力の再生を試みた(工程5)。
なお、「強めの呼気」とは、通常の呼吸で吐出する空気の量よりも多い量を短い時間で吐出するときの呼気のことをいう。強めの呼気は、継続時間約1秒、平均面風速約26cm/sと表現することもできる。
次に、試料設置部410を実験装置400に再び取り付け、ブロワー450で定格風量となるまで空気の吸引を行い、差圧計430により圧力損失を測定し、初期圧力損失との比較を行った(工程6)。
その後、試験後の圧力損失を初期圧力損失として、工程2~工程6をもう一度繰り返した。つまり、同一のサンプルについて、2回の試験を行った。
試験の結果を図8に示す。
1回目の試験における初期圧力損失は、147Paであった。
2回目の試験における初期圧力損失は150Paであった。図8のグラフに示すように、2回目の試験における初期圧力損失は、1回目の試験における逆洗(再生)後の圧力損失と同じである。
なお、実施例における初期圧力損失(図6参照。)の値と追加実施例1における初期圧力損失の値が異なるのは、実験条件の差異(特に、試験面積の差異)によるものである。
1回目の試験においては、圧力損失が227Paとなった段階でブロワー450を停止させた。
2回目の試験においては、圧力損失が230Paとなった段階でブロワー450を停止させた。
1回目の試験においては、逆洗(再生)後の圧力損失は150Paとなった。
2回目の試験においては、逆洗後の圧力損失は155Paとなった。
上記したように、試料Sは、呼気で試験粒子を離脱させることによりほぼ初期圧力損失まで圧力損失を復元させることが可能であることが確認できた。具体的には、「空気を吸引しながら第1不織布側にJIS8種である試験粒子を堆積させ、圧力損失が試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.5倍となった後、第3不織布側から平均面風速が26cm/sである呼気を1秒ずつ5回送った後の圧力損失が、試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.1倍以下であること、さらにいえば1.05倍以下であること」が確認できた。
これは、再生が容易であり、逆洗性能が高いことを示している。
なお、上記試験においては、試料Sにおける口元不織布はフィルターとしての機能は果たしていないと考えられるため、フィルター濾材においても、「空気を吸引しながら第1不織布側にJIS8種である試験粒子を堆積させ、圧力損失が試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.5倍となった後、第3不織布側から平均面風速が26cm/sである呼気を1秒ずつ5回送った後の圧力損失が、試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.1倍以下であること、さらにいえば1.05倍以下であること」は成立すると考えられる。
[追加実施例2]
追加実施例2として、試験粒子を吸引させた後の様子を観察する実験を行った。
図9は、追加実施例2における各レスピレーターの試験粒子吸引後の様子を示すSEM画像である。図9(a)は実施例2におけるレスピレーターと同じレスピレーターであるレスピレーターAについてのSEM画像であり、図9(b)は比較用のレスピレーターBについてのSEM画像であり、図9(c)は比較用のレスピレーターCについてのSEM画像である。
まず、上記実施例2におけるレスピレーターと同じレスピレーターであるレスピレーターA、比較用のレスピレーターB、及び、比較用のレスピレーターCを準備した。
レスピレーターB及びCは、フィルター部がメルトブロー不織布からなるレスピレーターであった。
レスピレーターB及びCは、市販されているN95規格のレスピレーターである。
なお、レスピレーターBは、製品厚さが1.6mm、製品重量が7.0gであった。また、レスピレーターCは、製品厚さが4.0mm、製品重量が10.8gであった。
まず、上記3つのレスピレーターをそれぞれ直径100mmの円筒の一端にセットした。
次に、レスピレーターの表面(レスピレーターAでは第1不織布の側)に1gの試験粒子を載せ、円筒の他端から10秒間空気を吸引した。試験粒子(粉塵)としては、桜島の火山灰を用いた。また、空気の吸引はブロワーで行い、風量は85L/minとした。
その後、試験粒子を払い落とし、レスピレーターを成人男性が装着した後に、試験粒子を載せた側とは反対の側から強めの呼気を5回送った。
この状態の各レスピレーターについて、SEMを用いてフィルター部分における試験粉体の捕集状態を確認した。
SEMとしては、株式会社キーエンスの3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡 VE-9800を用いた。
その結果、レスピレーターAでは試験粒子が第2不織布(ナノファイバー。図9(a)の画像中央付近の目が緻密な部分)の表面に捕集されていることが確認できた。一方、レスピレーターB及びレスピレーターCにおいてはフィルター全体にわたって試験粒子が入り込んでいることが確認できた(図9参照。)。
このため、レスピレーターAでは逆洗が容易である一方、レスピレーターB及びレスピレーターCでは逆洗は困難であるといえる。
なお、スパンボンド不織布である第1不織布と、ナノファイバー不織布である第2不織布と、エレクトレット化されたメルトブロー不織布である第3不織布とを有するフィルター濾材において、第3不織布側に粉体等が吸着された場合には、第3不織布が粒子等を強く吸着してしまい、逆洗が困難となると考えられる。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態において記載した構成要素の形状、数、位置等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
(2)上記実施形態において説明したフィルター濾材の製造方法は例示であり、例えば、上記した以外の工程をさらに含んでいてもよい。
(3)上記実施形態において説明したレスピレーター100は例示であり、例えば、折り畳みかたが異なっていてもよいし、カップ型に成形されているような非折り畳み式のものであってもよい。
(4)本発明のフィルター濾材は、レスピレーター以外の用途(例えば、流体を通過させる機器のためのフィルター)に用いてもよい。
本発明に係るフィルター濾材及びレスピレーターは、液体、有害粒子、ウイルス等の捕集効率が高く、かつ、通気度が高く使用感に優れるため、病院、学校、店舗、オフィスビル、工場、列車、バス、航空機をはじめ種々の用途に好適に使用できる。
10…フィルター濾材、12…第1不織布、14…第2不織布、16…第3不織布、18…樹脂接着剤、20…フィルター、22…口元側不織布、30…バインディングテープ、40…カバーテープ、50…ノーズクランプ、60…装着用ゴム、100…レスピレーター、200…マルチノズル式エレクトロスピニング装置、210,320,322…繰り出しロール、212,324…巻き取りロール、300…樹脂接着剤塗布機、310…加熱ヒーター、400…実験装置、410…試料設置部、412…試料取り付け口、420…空気流通部、430…差圧計、440…流量計、S…試料

Claims (10)

  1. 目付量が10g/m~50g/mの範囲内にあるスパンボンド不織布である第1不織布と、
    前記第1不織布の片面に配置され、平均繊維径が100nm~400nmの範囲内にあるナノファイバーからなり目付量が0.05g/m~0.2g/mの範囲内にあるナノファイバー不織布である第2不織布と、
    前記第2不織布の前記第1不織布とは反対の側に配置されており、目付量が5g/m~30g/mの範囲内にあるエレクトレット化されたメルトブロー不織布である第3不織布とを有し、
    前記第1不織布と前記第2不織布とは、それぞれの不織布を構成する繊維同士の接触及び絡みつきにより一体化され、
    厚さが0.05mm~0.4mmの範囲内にあり、
    前記第1不織布側が外側であり、
    空気を吸引しながら前記第1不織布側にJIS8種である試験粒子を堆積させて圧力損失が前記試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.5倍となった後、前記第3不織布側から平均面風速が26cm/sである呼気を1秒ずつ5回送った後の圧力損失が、前記試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.1倍以下であることを特徴とするフィルター濾材。
  2. 前記第3不織布は、全体にわたって均一な構造を有することを特徴とする請求項に記載のフィルター濾材。
  3. N95規格を満たすことを特徴とする請求項又はに記載のフィルター濾材。
  4. 目付量が10g/m~50g/mの範囲内にあるスパンボンド不織布である第1不織布と、前記第1不織布の片面に配置され、平均繊維径が100nm~400nmの範囲内にあるナノファイバーからなり目付量が0.05g/m~0.2g/mの範囲内にあるナノファイバー不織布である第2不織布と、前記第2不織布の前記第1不織布とは反対の側に配置されており、目付量が5g/m~30g/mの範囲内にあるエレクトレット化されたメルトブロー不織布である第3不織布とを有し、前記第1不織布と前記第2不織布とは、それぞれの不織布を構成する繊維同士の接触及び絡みつきにより一体化され、厚さが0.05mm~0.4mmの範囲内にあるフィルター濾材を、フィルターの構成要素として備え、
    前記第1不織布側が外側であり、前記第3不織布側が口元側であり、
    空気を吸引しながら前記第1不織布側にJIS8種である試験粒子を堆積させて圧力損失が前記試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.5倍となった後、前記第3不織布側から平均面風速が26cm/sである呼気を1秒ずつ5回送った後の圧力損失が、前記試験粒子を堆積させる前の圧力損失の1.1倍以下であることを特徴とするレスピレーター。
  5. 前記フィルターの全体の厚さは、0.2mm~1.5mmの範囲内にあることを特徴とする請求項に記載のレスピレーター。
  6. 前記フィルターは、面形状がプレーンであることを特徴とする請求項又はに記載のレスピレーター。
  7. 前記第3不織布は、全体にわたって均一な構造を有することを特徴とする請求項のいずれかに記載のレスピレーター。
  8. サーマルボンド不織布からなる口元側不織布を、前記フィルターの構成要素として有することを特徴とする請求項のいずれかに記載のレスピレーター。
  9. 前記フィルター濾材と前記口元側不織布とは、それぞれの端部で接合されていることを特徴とする請求項に記載のレスピレーター。
  10. N95規格を満たすことを特徴とする請求項のいずれかに記載のレスピレーター。
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