JP3101212U - マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】
本体部と鼻と頬との凹凸に対応して密着性を向上させたマスクを提供する。
【解決手段】
外側不織布と中間不織布および口元側不織布の三層で構成され、その4辺が超音波加工により熱融着される長方形状の本体部2と、この本体部2の両側上下に固定された耳掛け紐3と、本体部2の上縁中央部に固定された鼻掛け部4とを備え、この鼻掛け部4は、略扇形状に形成され、その両側が、本体部2の上縁に対して40〜50°の傾斜角αで固定されると共に、本体部2より僅かに腰の強い不織布で生成されている。したがって、鼻掛け部4は、鼻背および鼻翼に隙間なく密着し、鼻と本体部2との間からマスク1を介さない空気の出入り量が可及的に減少すると共に、本体部2と鼻と頬との凹凸に対応して密着性を向上させたマスク1を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本考案は、口と鼻を覆う衛生用品等として顔面に使用するマスク、特に、顔面の凹凸に対応して密着性を向上させたマスクに関するものである。
風邪をひいた場合や花粉症にかかった場合には、冷たい外気や外部の細菌、あるいは大気に混じった花粉等が体内に侵入するのを防止するために通常マスクが使用されている。マスクは一般的に、四角い平面状のガーゼ等、柔軟性のある素材からなる本体部と、この本体部の両側に取り付けられた耳掛け紐とからなる。マスクの本体部の素材には、ガーゼの他に、手術用や半導体製造工場等のクリーンルームで用いられる使い捨てマスクにおいては、紙や樹脂不織布等が使用されることがある。
この種のマスクにおいて、マスク内外との遮断を効果的に行うためには、マスクを口や鼻の辺りの顔面形状とほぼ同じ形状にする必要があることから、例えば布地を部分的に折り重ねてプリーツ加工したものや、マスクの上縁に変形可能なワイヤー等が挿入されたもの、あるいは、予め立体形状になって変形しない立体成形タイプのもの等、種々のマスクがある。
プリーツ加工されたマスクは、使用する際に重なり部を拡げるようにするだけで、立体的形状にすることができるが、マスク本体部の裏面に直接口が当るため、普通に呼吸したり話をする度にマスクが動いて呼吸がし辛くなる。ワイヤー等が本体部に挿入されたものでは、マスクを使用する度に手でワイヤーを整形しなければならず、また、整形するのに時間がかかるだけでなく、使用しない時には立体状になってバッグ等に収納し難い。その上、マスクを廃棄する際に、ゴミの分別規制が厳格になってきた昨今、燃えないワイヤーと本体部といちいち分離しなければならず極めて面倒である。また、立体成形タイプは、製造段階でマスク本体部の形状が立体的に製造されるため、使用する際、手で整形させることなくそのまま使用できるため使い勝手が良いが、製造設備が大掛かりになり製造工程も多く低コスト化が難しい。
さらに、眼鏡をかけている場合、マスクと鼻や頬との間にどうしても隙間が生じるため、マスクの上縁から息が上方に漏れて眼鏡のレンズの内側が曇り、手術や作業の障害となるといった問題があった。
このような問題を解決したものとして図6に示すようなマスクが知られている。このマスク50は、本体部51と、この本体部51の裏面に上縁と両側縁とが固定された鼻掛け部52と、本体部51の両側に取り付けられた耳掛け紐53とを備えている。そして、鼻掛け部52の自由縁54の中央部を持ち上げると、鼻掛け部52が鼻に丁度掛かり、自由縁54の両端は本体部51によって固定されているので、マスク50を鼻に掛けた状態では、鼻掛け部52の自由縁54はその両側に向け引張られることになり、鼻掛け部52の形状が鼻の外形形状に合致したものになる。これにより、鼻と本体部51との間からマスク50を介さない空気の出入り量が減少して、マスクとしての効果を高めることができる。
特開2001−161843号公報
しかしながら、こうした鼻掛け部52を有するマスク50は、平面状の本体部51と比べてより顔の頬に近付くように変形するが、自由縁54の両端が本体部51によって固定されているため、鼻掛け部52の自由縁54を持ち上げると、平面状の本体部51全体が引張られ、円弧状に湾曲して鼻掛け部54の下縁55が直線状となって鼻と頬との間に僅かな隙間が生じてしまう。また、これに伴い、話をした時に本体部51が左右にずれるといった問題があった。したがって、こうしたマスク50では鼻と頬の凹凸形状に対応してきっちり密着させるにはおのずと限界があり改善が必要であった。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、本体部と鼻と頬との凹凸に対応して密着性を向上させたマスクを提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本考案のうち請求項1に記載の考案は、紙、布、不織布等の通気性を有する素材からなる長方形状の本体部と、この本体部の両側上下に固定された耳掛け紐と、前記本体部の上縁中央部に固定された鼻掛け部とを備え、この鼻掛け部は、略扇形状に形成され、その両側が、前記本体部の上縁に対して所定の傾斜角で固定されている構成を採用した。
このように、通気性を有する素材からなる長方形状の本体部と、この本体部の両側上下に固定された耳掛け紐と、本体部の上縁中央部に固定された鼻掛け部とを備え、この鼻掛け部は、略扇形状に形成され、その両側が、本体部の上縁に対して所定の傾斜角で固定されているので、鼻掛け部は、鼻背および鼻翼に隙間なく密着し、鼻と本体部との間からマスクを介さない空気の出入り量が可及的に減少する。したがって、本体部と鼻と頬との凹凸に対応して密着性を向上させたマスクを提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の考案のように、前記鼻掛け部が、前記本体部の上縁に対して30〜60°の傾斜角で固定されていれば、鼻の形状に合致して覆うことができ、一層密着性を向上させることができる。
また、請求項3に記載の考案は、前記本体部は、外側不織布と中間不織布および口元側不織布の三層で構成され、その4辺が超音波加工により熱融着されているので、各層別に所望の機能を有する不織布を適宜選択することができる。
また、請求項4に記載の考案のように、前記本体部が、レーヨン、ポリエステルのスパンレース不織布からなる外側不織布と口元側不織布、およびポリプロピレンの防塵フィルター不織布からなる中間不織布の三層、あるいは、請求項5に記載のように、前記本体部が、レーヨン、ポリエステルのスパンレース不織布からなる外側不織布と、ポリプロピレンの防塵フィルター不織布からなる中間不織布と、ポリプロピレンのサーマルボンド不織布からなる口元側不織布の三層で構成されていても良い。
また、請求項6に記載の考案のように、前記本体部は、晒し加工されていないガーゼからなる口元側生地と、防塵フィルターからなる中間生地とを包み縫製したものに、ガーゼやブロード生地からなり、レーヨンと綿と紡績糸を用いて織物生地で作成された外側生地が直接縫製されていれば、一層マスク本来の機能を向上させる。
また、請求項7に記載の考案は、前記本体部より僅かに腰の強い同種の通気性を有する素材で生成されているので、鼻と頬との凹凸に対応して密着性が向上し、かつ、眼鏡をかけた人が使用しても、この鼻掛け部を介して上方から漏れた吐息の水分によって眼鏡のレンズが曇ることはない。
以上詳述したように、本考案に係るマスクにあっては、紙、布、不織布等の通気性を有する素材からなる長方形状の本体部と、この本体部の両側上下に固定された耳掛け紐と、前記本体部の上縁中央部に固定された鼻掛け部とを備え、この鼻掛け部は、略扇形状に形成され、その両側が、前記本体部の上縁に対して所定の傾斜角で固定されているので、鼻掛け部は、鼻背および鼻翼に隙間なく密着し、鼻と本体部との間からマスクを介さない空気の出入り量が可及的に減少する。したがって、本体部と鼻と頬との凹凸に対応して密着性を向上させたマスクを提供することができる。
外側不織布と中間不織布および口元側不織布の三層で構成され、その4辺が超音波加工により熱融着される長方形状の本体部と、この本体部の両側上下に固定された耳掛け紐と、前記本体部の上縁中央部に固定された鼻掛け部とを備え、この鼻掛け部は、略扇形状に形成され、その両側が、前記本体部の上縁に対して30〜60°の傾斜角で固定されると共に、前記本体部より僅かに腰の強い同種の通気性を有する素材で生成されている。
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本考案に係るマスクの一実施形態を示す背面図、図2(a)は、II−II線に沿った断面図、(b)は、(a)の要部拡大図、図3(a)は、このマスクを装着した状態を示した断面図、(b)は、(a)の要部上面図である。
図1に示すマスク1は使い捨て用の不織布マスクで、マスクの本体部2と、この本体部2の両側上下に固定された耳掛け紐3と、本体部2の上縁中央部に固定された鼻掛け部4とを備えている。本体部2は、レーヨン80wt%、ポリエステル20wt%のスパンレース不織布等からなる外側不織布5と、ポリプロピレン100wt%の防塵フィルター不織布等からなる中間不織布6、およびポリプロピレン100wt%のサーマルボンド不織布等からなる口元側不織布7の三層で構成されている。これら三層の不織布5、6、7は、4辺が超音波加工により熱融着されている(図中破線にて示す)。これにより、各層別に所望の機能を有する不織布を適宜選択することができる。ここで、wt%は、単位容積当りの重量、所謂めつけ(秤量)をいう。また、本体部2には、ヒダ状に複数折り返されたプリーツ加工による折り重ね部2a、2bがあり、鼻や口の形状に対応して顔面に密着するようになっている。さらに、鼻部の凹凸形状にすきまなく密着するよう、本体部2の上縁に沿って水平方向に弾性変形可能なワイヤー(図示せず)を介装しても良い。
鼻掛け部4は、前記した不織布5、6、7よりも僅かに剛性が高く、腰が強いポリエステル100wt%のスパンボンド不織布等からなり、楕円状の扇形状に形成されている。この鼻掛け部4の両側が、本体部2の上縁中央部に熱溶着によって固定されているが、その固定部4aは、上縁に対して30〜60°、好ましくは40〜50°の傾斜角αを有している。この傾斜角αによって、鼻掛け部4は、従来のように、平面状の本体部2全体が引張られ、円弧状に湾曲して鼻掛け部4の下縁が直線状となって鼻と頬との間に隙間が生じてしまうようなことはなく、鼻背および鼻翼に隙間なく密着する。したがって、鼻と本体部2との間からマスク1を介さない空気の出入り量が可及的に減少する。また、この鼻掛け部4は、隙間なく鼻部のみにソフトに密着するため、話をした時に本体部2が左右にずれるといった問題も解消する。
次に、本考案のマスク1を使用する場合は、図3に示すように、鼻掛け部4の下縁である自由端4bをめくり、めくった鼻掛け部4の内側を鼻背8と鼻翼9に掛ける。鼻掛け部4は、本体部2の上縁中央部に、所定の傾斜角αをもって固定されているため、従来のように本体部2の両側が極端に引張られることがなく、本体部2は自然に顔面の形状に沿って密着すると共に、鼻掛け部4も鼻背8と鼻翼9を隙間なく覆うことができる。
そして、鼻8、9と本体部2との間に隙間がなく、また鼻掛け部4が不織布によって形成されているため、眼鏡をかけた人が使用しても、上方から漏れた吐息の水分によって眼鏡のレンズが曇ることはない。さらに、鼻掛け部4が口元側不織布7側の上縁中央部に部分的に固定されているため、マスク1の表裏を識別することが容易となり、誤って花粉や塵埃等が付着した外側不織布5を口にあてる恐れはない。
本実施形態では、外側不織布5、中間不織布6、および口元側不織布7がそれぞれ異なった不織布で構成されたものを例示したが、これに限定されず、例えば、外側不織布5と口元側不織布7とを同一のレーヨン80wt%、ポリエステル20wt%のスパンレース不織布等で構成しても良い。
図4に鼻掛け部の他の実施形態を示す。(a)は、下縁となる自由端10bが円の一部をなす円弧状に形成された鼻掛け部10であり、前述したものと同様、固定部10aは所定の傾斜角αを有している。(b)に示めす鼻掛け部11は、下縁となる自由端11bが、略台形状の矩形に形成され、同じく、固定部11aは所定の傾斜角αを有している。
本実施形態に係る使い捨て用のマスク1は、本体部2と、この本体部2の両側上下に固定された耳掛け紐3と、本体部2の上縁中央部に固定された鼻掛け部4とを備え、本体部2が、外側不織布5と中間不織布6および口元側不織布7の三層で構成されると共に、扇形状に形成された鼻掛け部4の両側が、本体部2の上縁中央部に所定の傾斜角αをもって熱溶着で固定されているため、鼻背8および鼻翼9を隙間なく覆い隙間なく密着する。したがって、鼻8、9と本体部2との間からマスク1を介さない空気の出入り量が可及的に減少する。また、この鼻掛け部4は、隙間なく鼻部のみにソフトに密着するため、話をした時に本体部2が左右にずれるといった問題も解消する。
図5は、本考案に係るマスクの他の実施形態を示す、一部を断面した斜視図である。なお、前述した実施形態と同一の部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
このマスク12は、織物生地からなるガーゼマスクで、本体部13と、この本体部13の両側上下に固定された耳掛け紐3と、本体部13の上縁中央部に固定された鼻掛け部14とを備えている。本体部13は、晒し加工されていない白ガーゼ、またはカラーガーゼからなる口元側生地15と、防塵フィルターからなる中間生地16とを包み縫製したものに外側生地17を直接縫製している(図中破線にて示す)。この外側生地17は、ガーゼやブロード生地からなり、レーヨン30wt%と、綿70wt%と、40番手の紡績糸を用いて織物生地で作成されている。
鼻掛け部14は、外側生地17と同一のガーゼやブロード生地からなり、レーヨン30wt%と、綿70wt%と、40番手以上の紡績糸を用いて僅かに腰が強い織物生地で作成されている。扇形状に形成された鼻掛け部14の両側は、本体部13の上縁中央部に縫製によって固定されているが、その固定部14aは、上縁に対して30〜60°、好ましくは40〜50°の傾斜角αを有している。この傾斜角αによって、鼻掛け部14は、前述した実施形態と同様、その下縁となる自由端14bをまくり上げ、鼻に覆うことにより、鼻背および鼻翼に隙間なく密着する。したがって、鼻と本体部13との間からマスク12を介さない空気の出入り量が可及的に減少する。
以上、本考案の実施の形態について説明を行ったが、本考案はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本考案の範囲は、実用新案登録請求の範囲の記載によって示され、さらに実用新案登録請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本考案に係るマスクの本体部および鼻掛け部は、繊維の生地あるいは不織布で生成する以外に、通気性を有する紙等を接着剤で接合して生成しても良い。また、本体部に折り重ね部を持たないものであっても良い。
本考案に係るマスクの一実施形態を示す背面図である(実施例1)。 (a)は、同上、II−II線に沿った断面図である。 (b)は、(a)の要部拡大図である。 (a)は、本考案に係るマスクを装着した状態を示す断面図である。(b)は、(a)の要部上面図である。 (a)は、本考案に係る鼻掛け部の他の実施形態を示す正面図である。 (b)は、同上さらに他の実施形態を示す正面図である。 本考案に係るマスクの他の実施形態を示す一部を断面した斜視図である(実施例2)。 従来のマスクを示す斜視図である。
符号の説明
1、12・・・・・・・・・・・・マスク
2、13・・・・・・・・・・・・本体部
2a、2b・・・・・・・・・・・折り重ね部
3・・・・・・・・・・・・・・・耳掛け紐
4、10、11、14・・・・・・鼻掛け部
4a、10a、11a、14a・・固定部
4b、10b、11b、14b・・自由端
5・・・・・・・・・・・・・・・外側不織布
6・・・・・・・・・・・・・・・中間不織布
7・・・・・・・・・・・・・・・口元側不織布
8・・・・・・・・・・・・・・・鼻背
9・・・・・・・・・・・・・・・鼻翼
15・・・・・・・・・・・・・・口元側生地
16・・・・・・・・・・・・・・中間生地
17・・・・・・・・・・・・・・外側生地
50・・・・・・・・・・・・・・マスク
51・・・・・・・・・・・・・・本体部
52・・・・・・・・・・・・・・鼻掛け部
53・・・・・・・・・・・・・・耳掛け紐
54・・・・・・・・・・・・・・自由縁
55・・・・・・・・・・・・・・下縁
α・・・・・・・・・・・・・・・傾斜角

Claims (7)

  1. 紙、布、不織布等の通気性を有する素材からなる長方形状の本体部と、この本体部の両側上下に固定された耳掛け紐と、前記本体部の上縁中央部に固定された鼻掛け部とを備え、この鼻掛け部は、略扇形状に形成され、その両側が、前記本体部の上縁に対して所定の傾斜角で固定されていることを特徴とするマスク。
  2. 前記鼻掛け部が、前記本体部の上縁に対して30〜60°の傾斜角で固定されている請求項1に記載のマスク。
  3. 前記本体部は、外側不織布と中間不織布および口元側不織布の三層で構成され、その4辺が超音波加工により熱融着されている請求項1または2に記載のマスク。
  4. 前記本体部が、レーヨン、ポリエステルのスパンレース不織布からなる外側不織布と口元側不織布、およびポリプロピレンの防塵フィルター不織布からなる中間不織布の三層で構成されている請求項3に記載のマスク。
  5. 前記本体部が、レーヨン、ポリエステルのスパンレース不織布からなる外側不織布と、ポリプロピレンの防塵フィルター不織布からなる中間不織布と、ポリプロピレンのサーマルボンド不織布からなる口元側不織布の三層で構成されている請求項3に記載のマスク。
  6. 前記本体部は、晒し加工されていないガーゼからなる口元側生地と、防塵フィルターからなる中間生地とを包み縫製したものに、ガーゼやブロード生地からなり、レーヨンと綿と紡績糸を用いて織物生地で作成された外側生地が直接縫製されている請求項1または2に記載のマスク。
  7. 前記本体部より僅かに腰の強い同種の通気性を有する素材で生成されている請求項1乃至6いずれかに記載のマスク。
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