WO2021020291A1

WO2021020291A1 - クレーン

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Publication number: WO2021020291A1
Application number: PCT/JP2020/028500
Authority: WO
Inventors: 拓也渡邉; 昭治渡辺; 桂次坂井
Original assignee: コベルコ建機株式会社
Priority date: 2019-07-30
Filing date: 2020-07-22
Publication date: 2021-02-04
Also published as: EP3992138A1; EP3992138A4; EP3992138B1; JP7306137B2; JP2021020798A; US20220250880A1

Abstract

ガイリンク連結部を所定箇所に容易に格納することが可能なクレーンを提供する。ガイリンク連結部（４３）は、それぞれが前後方向に延びる左右一対のリンク部材（５１）と、左右方向に延びて一対のリンク部材同士を繋ぐ連結部材（５２）と、を有する。連結保持部（１）は、ブーム（２４）に設けられ、連結部材（５２）の前後方向への移動を規制するように連結部材（５２）を保持可能な第１保持部（２）を有する。第１保持部（２）は、ブーム（２４）の基端側から先端側に向かってブーム（２４）の内方に傾斜した第１傾斜面（１１）と、第１傾斜面（１１）よりもブーム（２４）の先端側においてブーム（２４）の外方に傾斜した第２傾斜面（１２）と、第１傾斜面（１１）と第２傾斜面（１２）との間の凹部（１３）と、を有する。

Description

クレーン

　本発明は、ガイリンクとガイケーブルとから構成されブームとマストとを接続するガイラインを備えるクレーンに関する。

　特許文献１には、クレーンにおいて、ガイリンクの少なくとも一部が第１起伏部材の上面または側面、かつ、第２起伏部材の幅方向外側に配置されるようにガイリンクを格納することが可能なリンク格納装置、およびリンク格納方法が開示されている。ガイリンクが起伏部材に格納可能とされ、ガイリンクを起伏部材から取り外す必要がないため、起伏部材に対してガイリンクを着脱する作業の手間および時間を抑制することができる。

　また、ブームに加えて、ブームの先端部に起伏可能に支持されたジブと、ブームの後方でクレーン本体に支持されたマストとを有するクレーンが知られている。

特開２０１９－３４８３３号公報　たとえば、ジブの一部をブームの一部として使用するロングブーム仕様において、ブーム側のガイリンクとジブ側のガイケーブルとを互いに接続することでガイラインを構成し、当該ガイラインによってマストの先端部とブームの先端部とを接続することでロングブームを支持する場合がある。しかしながら、作業時にガイリンクの重みやガイラインの張力でガイケーブルが伸びると、ガイリンクにおけるガイケーブルとの接続部分である幅ガイリンク（ガイリンク連結部）の位置が、所定の格納位置に対してブームの基端側にずれる。この結果、ガイラインの格納時に幅ガイリンクを所定箇所に格納することが困難になるという問題がある。また、ブームの分解時にガイケーブルが伸びていると、ガイケーブルや幅ガイリンクにかかった張力により、ガイケーブルと幅ガイリンクとを接続するピンや、ガイケーブルを構成する複数のケーブル同士を接続するピンを抜くことが困難になるという問題がある。

　本発明の目的は、ガイリンク連結部を所定の箇所に容易に格納することが可能なクレーンを提供することである。

　本発明によって提供されるのはクレーンであって、当該クレーンは、クレーン本体と、前記クレーン本体に起伏方向に回動可能に支持されるブームと、前記ブームの後方で前記クレーン本体に起伏方向に回動可能に支持されるマストと、前記マストの先端部と前記ブームの先端部とを互いに接続するガイラインと、前記ブームに設けられる連結保持部と、を備え、前記ガイラインは、当該ガイラインのうち前記マスト側に配置され、前記マストの先端部から前記ブームの先端部に向かう方向である接続方向に延びるガイリンクと、前記ガイラインのうち前記ブーム側に配置される一対のガイケーブルであって、前記接続方向にそれぞれ延びるとともに前記接続方向と直交する左右方向に互いに間隔をおいて配置され、前記ガイリンクに接続されるケーブル基端部と前記ブームの先端部に接続されるケーブル先端部とをそれぞれ有する一対のガイケーブルと、を有し、前記ガイリンクは、前記接続方向にそれぞれ延びるとともに前記一対のガイケーブルの間隔よりも広い間隔で前記左右方向に互いに間隔をおいて配置され、前記マストの先端部に接続されるリンク基端部をそれぞれ有する一対のガイリンク本体と、前記一対のガイリンク本体の先端部に接続されるガイリンク連結部と、を有し、前記ガイリンク連結部は、前記左右方向に互いに間隔をおいて配置され、前記一対のガイケーブルと前記一対のガイリンク本体とを前記接続方向において互いに接続する一対のリンク部材と、前記左右方向に延びるとともに、前記一対のリンク部材同士を前記左右方向において互いに接続する連結部材と、を有し、前記連結保持部は、前記ブームに設けられ、前記クレーン本体から前記ブームが延びる方向であるブーム延び方向における前記連結部材の移動を規制するように前記連結部材を保持することが可能な少なくとも一つの第１保持部を有し、前記少なくとも一つの第１保持部は、前記ブーム延び方向に進むにつれて前記ブームの内部に向かって傾斜した第１傾斜面と、前記第１傾斜面よりも前記ブーム延び方向の先端側に配置され、前記ブーム延び方向に進むにつれて前記ブームの外部に向かって傾斜した第２傾斜面と、前記ブーム延び方向における前記第１傾斜面と前記第２傾斜面との間において前記第１傾斜面と前記第２傾斜面とを互いに接続するように配置され、前記ブーム延び方向と直交する方向に沿って前記ガイリンク連結部の前記連結部材を受け入れることが可能な凹部と、を有する。

本発明の一実施形態に係るクレーンの側面図である。本発明の一実施形態に係るクレーンのテーパブームの斜視図である。図２の第1保持部を矢印ＩＩＩ方向から見た図である。

　以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。

（クレーンの構成）
　図１は、本発明の一実施形態に係るクレーン２０の側面図である。本実施形態に係るリンク保持構造（連結保持部）は、クレーン２０に設けられている。図１に示すように、クレーン２０は、クローラ式の下部走行体２１と、下部走行体２１に旋回可能に搭載された上部旋回体２２（クレーン本体）と、を有する構成となっている。なお、クレーン２０は、クローラ以外の移動手段（例えばホイール）を用いた移動式クレーンであってもよいし、移動手段を持たない固定式クレーンであってもよい。

　上部旋回体２２は、旋回フレーム２３を有する。更に、クレーン２０は、ブーム２４と、マスト２５と、キャブ２６と、カウンタウエイト２７と、バックストップ２８と、ブームガイライン３０と、巻上ロープ３２と、フック３３と、フック用ウインチ３４と、ブーム起伏ロープ３５と、を有している。

　旋回フレーム２３は、旋回ベアリング（図示せず）を介して下部走行体２１に取り付けられている。ブーム２４は、旋回フレーム２３の前部に、旋回フレーム２３に対して起伏方向に回動可能に連結（支持）されている。ブーム２４の先端部には、ブームガイライン（ガイライン）３０の一端が接続されている。

　本実施形態において、ブーム２４は、下部ブーム２４ａと、複数の中間ブーム２４ｂと、テーパブーム２４ｃと、複数の中間ジブ２９ａと、上部ジブ２９ｂとで構成されている。中間ジブ２９ａおよび上部ジブ２９ｂは、図示しない下部ジブとともに、ブーム２４とは別の起伏部材であるジブを構成する形態もあるが、本実施形態では、ブーム２４の一部を構成している。なお、中間ジブ２９ａおよび上部ジブ２９ｂは、ジブを構成することなく、ブーム２４の一部を構成するものでもよい。

　上部ジブ２９ｂは、その先端部に配置されたジブポイントシーブ３１を有する。このジブポイントシーブ３１から巻上ロープ３２を介してフック３３が吊り下げられている。ブーム２４に設けられたフック用ウインチ３４が巻上ロープ３２を巻き取り又は繰り出すことで、フック３３が巻き上げ又は巻き下げられる。

　マスト２５は、ブーム２４の後ろ側で旋回フレーム２３に起伏方向に回動可能に設けられている（支持されている）。なお、ブーム２４およびマスト２５の回動における回動中心軸は互いに平行とされており、図１の紙面と直交する方向（左右方向）に延びている。マスト２５の先端部とブーム２４の先端部とは、ブームガイライン３０を介して連結されている。また、マスト２５の先端部（図示しない上部スプレッダ）と、旋回フレーム２３の後部に設けられた下部スプレッダ（図示せず）とは、ブーム起伏ロープ３５を介して連結されている。旋回フレーム２３に設けられたウインチ（図示せず）がブーム起伏ロープ３５を巻き取り又は繰り出すことで、マスト２５が起伏する結果、ブームガイライン３０によってマスト２５に連結されたブーム２４が起伏する。

　カウンタウエイト２７は、旋回フレーム２３の後部に搭載されている。カウンタウエイト２７は、クレーン２０の吊り荷とバランスをとるためのおもりである。バックストップ２８は、ブーム２４の下部背面側に取り付けられ、ブーム２４の背面から旋回フレーム２３に向かって延びている。バックストップ２８は、旋回フレーム２３に固定されたバックストップ受け（図示せず）に受けられることで、ブーム２４の後側への回動を規制する。

（テーパブームの構成）
　図２は、本実施形態に係るクレーン２０のテーパブーム２４ｃの斜視図である。なお、図２は、図１のブーム２４が上部旋回体２２に対して前方に倒伏した状態におけるテーパブーム２４ｃの斜視図に相当する。図２に示すように、テーパブーム２４ｃは、ブーム２４の基端側（図中後側）から先端側（図中前側）に向かって先細りの台形形状になっている。

　本実施形態において、ブームガイライン３０は、ブーム２４の先端部とマスト２５の先端部とを互いに接続する部材であって、ガイリンク４１と左右一対のガイケーブル４２とを有する。

　ガイリンク４１は、図１に示すように、ブームガイライン３０のうちマスト２５側に配置され、マスト２５の先端部からブーム２４の先端部に向かう方向である接続方向に延びている。

　左右一対のガイケーブル４２は、ブームガイライン３０のうちブーム２４側に配置される。左右一対のガイケーブル４２は、前記接続方向にそれぞれ延びるとともに前記接続方向と直交する左右方向に互いに間隔をおいて配置される（図２）。左右一対のガイケーブル４２は、ガイリンク４１に接続されるケーブル基端部４２Ａ（図２）と前記ブーム２４の先端部に接続されるケーブル先端部４２Ｂ（図１）とをそれぞれ有する。各ガイケーブル４２は、ワイヤ（鉄線や鋼線）をより合わせて作った、太くて強い綱状の部材を含む。なお、図２では、左右一対のガイケーブル４２のそれぞれを構成する複数のケーブル部材のうちの一つずつのケーブル部材が図示されている。すなわち、図２に示されるケーブル部材と同様の構造を有する複数のケーブル部材が図２の前側に順にピンＰ１によって連結されることで、左右一対のガイケーブル４２が構成される。

　また、ガイリンク４１は、図２に示すように、左右一対のガイリンク本体４１０と、幅ガイリンク４３（ガイリンク連結部）とを有する。

　左右一対のガイリンク本体４１０は、前記接続方向にそれぞれ延びるとともに前記左右一対のガイケーブル４２の間隔よりも広い間隔で前記左右方向に互いに間隔をおいて配置されている。左右一対のガイリンク本体４１０は、前記マスト２５の先端部に接続されるリンク基端部４１０Ａ（図１）をそれぞれ有する。

　幅ガイリンク４３は、前記左右一対のガイリンク本体４１０の先端部４１０Ｂ（リンク基端部４１０Ａとは反対側の部分）にピンＰ２によって接続される（図２）。また、幅ガイリンク４３は、左右一対のガイケーブル４２のケーブル基端部４２ＡにピンＰ３によって接続される。換言すれば、ガイリンク４１におけるガイケーブル４２との接続部分が、幅ガイリンク４３となっている。即ち、ブームガイライン３０のうちマスト２５の先端部から幅ガイリンク４３までがガイリンク４１であり、幅ガイリンク４３の直ぐ上部からブーム２４の先端部までがガイケーブル４２である。幅ガイリンク４３は、互いに左右方向の幅が異なる一対のガイケーブル４２および一対のガイリンク本体４１０同士を連結する機能を有している。なお、ガイリンク４１は主に板材から構成されるため、前述のガイケーブル４２と比較すると高い強度を有している。このため、図１に示すようにブーム２４が起立した状態において、ガイケーブル４２と比較するとガイリンク４１の伸びはほとんどないものとみなすことができる。

　上述のように、本実施形態では、ブーム２４の一部として、ジブの一部を使用している。ブーム２４にガイリンク４１を使用し、軽量化の観点からジブにガイケーブル４２を使用する構成において、ブーム２４の一部としてジブの一部を使用する場合には、ガイリンク４１とガイケーブル４２とを接続して、１本のブームガイライン３０とする必要がある。なお、他の実施形態において、ブーム２４の一部にジブの一部を使用したい態様でもよい。

　図２に示すように、ブームガイライン３０の格納時（ブーム２４の倒伏時、輸送時）に、幅ガイリンク４３はテーパブーム２４ｃの上に載置される。

　幅ガイリンク４３は、左右一対のリンク部材５１と、第１連結部材（連結部材）５２と、第２連結部材５３と、を有している。

　左右一対のリンク部材５１は、前記左右方向に互いに間隔をおいて配置され、一対のガイケーブル４２と一対のガイリンク本体４１０とを前後方向（前記接続方向）において互いに接続する部材であって、図２ではそれぞれが前後方向に対してわずかに傾斜して延びている。

　第１連結部材５２は、前記左右方向に延びて、一対のリンク部材５１の各々におけるブーム２４の基端側の端部同士を前記左右方向において互いに繋いでいる。

　第２連結部材５３は、前記左右方向に延びて、一対のリンク部材５１の各々におけるブーム２４の先端側の端部同士を前記左右方向において互いに繋いでいる。第２連結部材５３は、第１連結部材５２よりも短い。よって、幅ガイリンク４３は、上から見て台形形状である。

（リンク保持構造の構成）
　クレーン２０は、リンク保持構造１（連結保持部）（図２）を更に備える。リンク保持構造１は、ブーム２４のテーパブーム２４ｃに設けられており、幅ガイリンク４３を保持可能なものである。リンク保持構造１は、左右一対の前後保持部材２（少なくとも一つの第１保持部）を有している。左右一対の前後保持部材２は、テーパブーム２４ｃの基端側にそれぞれ設けられている。なお、１つまたは３つ以上の前後保持部材２が設けられてもよい。

　図３は、図２の前後保持部材２を矢印ＩＩＩ方向から見た図である。図３に示すように、前後保持部材２は、第１傾斜面１１と、第２傾斜面１２と、凹部１３と、を有している。

　第１傾斜面１１は、テーパブーム２４ｃの基端側（図中後側）から先端側（図中前側）に向かってテーパブーム２４ｃの内方（図中下方）に傾斜している。換言すれば、第１傾斜面１１は、上部旋回体２２からブーム２４が延びる方向であるブーム延び方向に進むにつれてブーム２４の内部に向かって傾斜しており、図２に示すようなブーム２４（テーパブーム２４ｃ）が倒伏した姿勢では、テーパブーム２４ｃの先端部に向かって先下がりに傾斜している。

　第２傾斜面１２は、第１傾斜面１１よりもテーパブーム２４ｃの先端側において、テーパブーム２４ｃの基端側から先端側に向かってテーパブーム２４ｃの外方（図中上方）に傾斜している。換言すれば、第２傾斜面１２は、第１傾斜面１１よりも前記ブーム延び方向の先端側に配置され、前記ブーム延び方向に進むにつれてブーム２４の外部に向かって傾斜しており、図２に示すようなブーム２４（テーパブーム２４ｃ）が倒伏した姿勢では、テーパブーム２４ｃの先端部に向かって先上がりに傾斜している。

　凹部１３は、第１傾斜面１１と第２傾斜面１２とにより形成されている。具体的に、凹部１３は、前後方向（ブーム延び方向）における第１傾斜面１１と第２傾斜面１２との間において第１傾斜面１１と第２傾斜面１２とを互いに接続するように配置され、ブーム延び方向と直交する方向（図２、図３の上下方向）に沿って幅ガイリンク４３の第１連結部材５２（後記の当接部材３）を受け入れることが可能とされている。図３に示すように、凹部１３に対する第１傾斜面１１の最大高さは、凹部１３に対する第２傾斜面１２の最大高さよりも大きく設定されている。

　また、リンク保持構造１は、左右一対の当接部材３を有している。左右一対の当接部材３は、第１連結部材５２に設けられている（装着されている）。左右一対の当接部材３は、左右一対の前後保持部材２にそれぞれ対応するように設けられている。当接部材３の先端部には、ローラ３ａが設けられている。このローラ３ａは、回転するものであっても、回転しないものであってもよい。また、ローラ３ａの代わりに樹脂パッドが設けられていてもよい。当接部材３は、第１傾斜面１１に当接しながら第１傾斜面１１上を移動可能である。なお、当接部材３がローラ３ａを有する場合、ローラ３ａは左右方向に延びる回転中心軸回りに回転可能なように第１連結部材５２に支持されることが望ましい。また、当接部材３は、前後保持部材２の数に合わせて設けられればよい。

　前後保持部材２は、第１連結部材５２の前後方向（ブーム延び方向）への移動を規制するように第１連結部材５２を保持することが可能である。特に、前後保持部材２は、幅ガイリンク４３のブーム２４の先端部に対する前後方向（ブーム延び方向）における相対位置を固定するように、幅ガイリンク４３を保持する。即ち、図３に示すように、第１傾斜面１１と第２傾斜面１２とがなす凹部１３の底にローラ３ａが嵌り込むことで、第１連結部材５２が前後方向に保持（拘束）される。この結果、幅ガイリンク４３の前後方向への移動が規制された状態で、幅ガイリンク４３がテーパブーム２４ｃに保持される。

　ここで、図１において、クレーン２０の作業時に、ガイリンク４１の重さやブームガイライン３０にかかる張力によってガイケーブル４２が伸びると、幅ガイリンク４３の位置が所定の格納位置に対してテーパブーム２４ｃの基端側（図２の後側）にずれる。なお、このガイケーブル４２の伸びは、ねじられたワイヤが伸びることや、複数のワイヤの長手方向の伸びおよび１本のワイヤとして減径することも含む。よって、従来の構成では、この状態でブームガイライン３０を格納しようとしても、幅ガイリンク４３を所定箇所に格納するのが困難であった。

　また、ブーム２４の分解時にガイケーブル４２が伸びている状態では、ガイケーブル４２や幅ガイリンク４３にかかった張力により、ガイケーブル４２と幅ガイリンク４３とを接続するピンＰ３や、ガイケーブル４２を構成する複数のケーブル同士を接続するピンＰ１を抜くのが困難であった。なお、上記のガイケーブル４２の伸びには、弾性変形に加え塑性変形も含まれる。クレーン２０を分解するために図１の状態からマスト２５が前方に倒伏されることで、ブーム２４も前方に倒伏していく。そして、ブーム２４が完全に地上に倒伏されるまでの間は、ブーム２４の重量に応じてブームガイライン３０に張力が掛かる。そして、ブーム２４が完全に倒伏した後は、ブーム２４の先端部とマスト２５の先端部との間隔が作業時よりも短くなり、ブームガイライン３０のガイリンク４１は下向きに凸状の弓なり（下に凸）になる。この際、ガイリンク４１全体がブーム２４に載置されている（預けられている）状態ではないため、ガイリンク４１はマスト２５の先端部から吊り下げられた状態となっており、ガイケーブル４２に掛かる張力は残存しており、少なくともガイリンク４１の重量分の張力がかかっている。このように、幅ガイリンク４３が空中に浮いている状態から徐々にマスト２５が前方に倒伏されることで、幅ガイリンク４３が徐々に下降する。したがって、上記のようにガイケーブル４２が伸びたままの状態では、幅ガイリンク４３と所定の格納位置との位置合わせが困難となる。更に、ガイケーブル４２の伸び量は、吊り作業を行う度に徐々に大きくなる可能性がある。また、上記のように空中に浮いている幅ガイリンク４３は揺れやすいため、格納が更に困難になりやすい。

　上記のような問題を解決するために、本実施形態では、図２、図３に示すように、ブームガイライン３０の格納時に、幅ガイリンク４３の当接部材３が第１傾斜面１１にガイドされることで、幅ガイリンク４３が下降しながらテーパブーム２４ｃの先端側（図３の前側）に移動する。これにより、幅ガイリンク４３の前後方向の位置ずれが解消する。そして、第１傾斜面１１と第２傾斜面１２とがなす凹部１３の底にローラ３ａが嵌り込むことで、第１連結部材５２が前後方向に保持（拘束）される。この結果、幅ガイリンク４３の前後方向への移動が規制された状態で、幅ガイリンク４３がテーパブーム２４ｃに保持される。よって、幅ガイリンク４３を所定箇所に容易に格納することができる。

　また、ブームガイライン３０の格納時に、ガイケーブル４２の伸びに起因する幅ガイリンク４３の前後方向の位置ずれが上記のように解消されることで、ガイケーブル４２や幅ガイリンク４３にかかっていた張力が抜ける（ガイケーブル４２が緩む）。これにより、作業者は、ガイケーブル４２と幅ガイリンク４３とを接続するピンＰ３や、ガイケーブル４２を構成する複数のケーブル同士を接続するピンＰ１を容易に抜くことができる。よって、ブーム２４を容易に分解することができる。また、幅ガイリンク４３を所定箇所に格納することで、ガイケーブル４２や幅ガイリンク４３に張力がかからない状態で、ガイケーブル４２と幅ガイリンク４３とをピンＰ３（図２）で接続したり、ガイケーブル４２を構成する複数のケーブル同士をピンＰ１（図２）で接続したりすることができる。よって、ブーム２４を容易に組み立てることができる。

　ここで、図３に示すように、第１傾斜面１１は、第１面１１ａと、第２面１１ｂと、を有している。図２に示すブーム２４（テーパブーム２４ｃ）の倒伏状態において、第１面１１ａは前後方向（ブーム延び方向）に対して所定の勾配を有する。第２面１１ｂは、第１面１１ａよりもテーパブーム２４ｃの先端側（図２、図３の前側、ブーム延び方向の先端側）に配置され、前後方向に対して第１面１１ａよりも急な勾配を有する。

　第１面１１ａにガイドされた第１連結部材５２は、その後、第２面１１ｂにガイドされ、第２面１１ｂと第２傾斜面１２とがなす凹部１３の底に嵌り込む。このとき、第２面１１ｂの勾配が第１面１１ａの勾配よりも急なため、第１傾斜面１１に第２面１１ｂが設けられていない場合に比べて、テーパブーム２４ｃの基端側への第１連結部材５２の移動が十分に抑制される。これにより、幅ガイリンク４３を前後方向に確実に保持することができる。また、第２面１１ｂよりも勾配が緩い第１面１１ａを設けることで、第２面１１ｂのみを設ける場合と比べて、第１傾斜面１１の前後方向の長さを長くすることができる。これにより、テーパブーム２４ｃの基端側に幅ガイリンク４３が大きくずれた場合であっても、第１傾斜面１１で第１連結部材５２を好適にガイドすることができる。また、第２面１１ｂよりも勾配が緩い第１面１１ａを設けることで、前後方向の長さが同等の第１傾斜面１１を第２面１１ｂのみで形成する場合と比べて、第１傾斜面１１の上下方向（図３の紙面上下方向）の高さを低くすることができる。これにより、輸送時におけるテーパブーム２４ｃの高さを抑えることができる。

　また、リンク保持構造１は、接続部材４（図３）を有している。接続部材４は、第１傾斜面１１と第２傾斜面１２との間に第１連結部材５２が位置した状態、すなわち、凹部１３が第１連結部材５２を受け入れた状態で、第１連結部材５２と前後保持部材２とを着脱可能に接続することが可能である。具体的には、接続部材４は、第１傾斜面１１と第２傾斜面１２とがなす凹部１３の底にローラ３ａが嵌り込んだ状態で、当接部材３と前後保持部材２とを接続可能である。接続部材４は、接続位置と非接続位置との間で切換可能なように前後保持部材２に支持されている。前記接続位置は、第１連結部材５２が前後保持部材２に対して相対移動することを阻止する位置であり、前記非接続位置は、第１連結部材５２が前後保持部材に対して相対移動することを許容する位置である。図３に示すように、接続部材４の一端部は、前後保持部材２の側面に設けられた軸２Ｓに回転可能に支持されている。接続部材４の他端部は、クレーン２０の作業時に前後保持部材２の側面に固定され、非接続位置に配置される（図３の二点鎖線）。一方、ブームガイライン３０の格納時には、接続部材４は軸２Ｓを中心に回転され、図３の実線で示すようにローラ３ａを軸支する軸に接続され、接続位置に至る。なお、接続部材４は、前後保持部材２の数にあわせて設けられればよい。

　ブームガイライン３０の格納時に、第１連結部材５２と前後保持部材２とを接続することで、前後保持部材２によって第１連結部材５２を確実に保持することができる。この結果、幅ガイリンク４３を前後方向に確実に保持することができる。

　また、リンク保持構造１は、図２に示すように、左右一対の左右保持部材５（少なくとも一つの第２保持部）を有している。左右一対の左右保持部材５は、テーパブーム２４ｃにそれぞれ設けられている。各左右保持部材５は、リンク部材５１の側面に当接することで、幅ガイリンク４３の左右方向への移動を規制するように幅ガイリンク４３を保持可能である。リンク部材５１をガイドしやすいように、左右保持部材５の上部には左右方向の内側に向かって先下がりのテーパが設けられている。ブームガイライン３０の格納時に、前後方向に加えて左右方向にも幅ガイリンク４３を保持することで、幅ガイリンク４３を適切な格納位置に保持することができる。この結果、例えば、幅ガイリンク４３の形状を正常な状態に保持することができる。なお、一つの左右保持部材５が設けられてもよい。

　また、リンク保持構造１は、載置台６を有している。載置台６は、テーパブーム２４ｃに４つ設けられており、幅ガイリンク４３の四隅を下方からそれぞれ支持可能である。

　以上に述べたように、本実施形態に係るリンク保持構造１によれば、幅ガイリンク４３の第１連結部材５２の前後方向への移動を規制するように第１連結部材５２を保持可能な前後保持部材２がテーパブーム２４ｃに設けられている。前後保持部材２は、テーパブーム２４ｃの基端側から先端側に向かってテーパブーム２４ｃの内方に傾斜した第１傾斜面１１と、テーパブーム２４ｃの基端側から先端側に向かってテーパブーム２４ｃの外方に傾斜した第２傾斜面１２と、第１傾斜面１１と第２傾斜面１２とがなす凹部１３と、を有している。よって、作業時に、ガイケーブル４２が伸びることで、幅ガイリンク４３の位置が所定の格納位置に対してテーパブーム２４ｃの基端側にずれたとしても、ブームガイライン３０の格納時に、第１連結部材５２が第１傾斜面１１にガイドされることで、幅ガイリンク４３がテーパブーム２４ｃの先端側に移動する。これにより、ガイケーブル４２の伸びに起因する幅ガイリンク４３の前後方向の位置ずれが解消する。そして、第１傾斜面１１と第２傾斜面１２とがなす凹部１３の底に第１連結部材５２が嵌り込むことで、第１連結部材５２が前後方向に保持される。この結果、幅ガイリンク４３の前後方向への移動が規制された状態で、幅ガイリンク４３がテーパブーム２４ｃに対して保持される。よって、幅ガイリンク４３を所定箇所に容易に格納することができる。なお、当接部材３が備えられず、第１連結部材５２が直接、凹部１３に嵌まり込む態様でもよい。

　また、ブームガイライン３０の格納時に、幅ガイリンク４３の前後方向の位置ずれが解消されることで、ガイケーブル４２や幅ガイリンク４３にかかっていた張力が抜ける。これにより、ガイケーブル４２と幅ガイリンク４３とを接続するピンＰ３や、ガイケーブル４２を構成する複数のケーブル同士を接続するピンＰ１を容易に抜くことができる。よって、ブーム２４を容易に分解することができる。また、幅ガイリンク４３を所定箇所に格納することで、ガイケーブル４２や幅ガイリンク４３に張力がかからない状態で、ガイケーブル４２と幅ガイリンク４３とをピンＰ３で接続したり、ガイケーブル４２を構成する複数のケーブル同士をピンＰ１で接続したりすることができる。よって、ブーム２４を容易に組み立てることができる。

　また、第１傾斜面１１は、所定の勾配の第１面１１ａと、第１面１１ａよりも勾配が急な第２面１１ｂと、を有している。第１面１１ａにガイドされた第１連結部材５２は、その後、第２面１１ｂにガイドされ、第２面１１ｂと第２傾斜面１２とがなす凹部１３の底に嵌り込む。このとき、第２面１１ｂの勾配が第１面１１ａの勾配よりも急なため、第１傾斜面１１に第２面１１ｂが設けられていない場合に比べて、テーパブーム２４ｃの基端側への第１連結部材５２の移動が抑制される。これにより、幅ガイリンク４３を前後方向に確実に保持することができる。また、第２面１１ｂよりも勾配が緩い第１面１１ａを設けることで、第２面１１ｂのみを設ける場合と比べて、第１傾斜面１１の前後方向の長さを長くすることができる。これにより、所定の格納位置に対してテーパブーム２４ｃの基端側に幅ガイリンク４３が大きくずれた場合であっても、第１傾斜面１１で第１連結部材５２を好適にガイドすることができる。また、第２面１１ｂよりも勾配が緩い第１面１１ａを設けることで、前後方向の長さが同等の第１傾斜面１１を第２面１１ｂのみで形成する場合と比べて、第１傾斜面１１の上下方向（図３の紙面上下方向）の高さを低くすることができる。これにより、輸送時におけるテーパブーム２４ｃの高さを抑えることができる。

　また、第１傾斜面１１に当接しながら第１傾斜面１１上を移動可能な当接部材３が第１連結部材５２に設けられている。第１傾斜面１１上を当接部材３が移動することで、第１連結部材５２を滑らかにガイドすることができる。

　また、第１傾斜面１１と第２傾斜面１２との間に第１連結部材５２が位置した状態で、接続部材４が第１連結部材５２と前後保持部材２とを接続可能である。ブームガイライン３０の格納時に、第１連結部材５２と前後保持部材２とを接続することで、前後保持部材２に対して第１連結部材５２を確実に保持することができる。この結果、幅ガイリンク４３を前後方向に確実に保持することができる。

　また、幅ガイリンク４３の左右方向への移動を規制するように幅ガイリンク４３を保持可能な一対の左右保持部材５がテーパブーム２４ｃに設けられている。ブームガイライン３０の格納時に、前後方向に加えて左右方向にも幅ガイリンク４３を保持することで、幅ガイリンク４３を適切な格納位置に保持することができる。この結果、例えば、幅ガイリンク４３の形状を正常な状態に保持することができる。

　以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。

　本発明によって提供されるのは、クレーンであって、当該クレーンは、クレーン本体と、前記クレーン本体に起伏方向に回動可能に支持されるブームと、前記ブームの後方で前記クレーン本体に起伏方向に回動可能に支持されるマストと、前記マストの先端部と前記ブームの先端部とを互いに接続するガイラインと、前記ブームに設けられる連結保持部と、を備え、前記ガイラインは、当該ガイラインのうち前記マスト側に配置され、前記マストの先端部から前記ブームの先端部に向かう方向である接続方向に延びるガイリンクと、前記ガイラインのうち前記ブーム側に配置される一対のガイケーブルであって、前記接続方向にそれぞれ延びるとともに前記接続方向と直交する左右方向に互いに間隔をおいて配置され、前記ガイリンクに接続されるケーブル基端部と前記ブームの先端部に接続されるケーブル先端部とをそれぞれ有する一対のガイケーブルと、を有し、前記ガイリンクは、前記接続方向にそれぞれ延びるとともに前記一対のガイケーブルの間隔よりも広い間隔で前記左右方向に互いに間隔をおいて配置され、前記マストの先端部に接続されるリンク基端部をそれぞれ有する一対のガイリンク本体と、前記一対のガイリンク本体の先端部に接続されるガイリンク連結部と、を有し、前記ガイリンク連結部は、前記左右方向に互いに間隔をおいて配置され、前記一対のガイケーブルと前記一対のガイリンク本体とを前記接続方向において互いに接続する一対のリンク部材と、前記左右方向に延びるとともに、前記一対のリンク部材同士を前記左右方向において互いに接続する連結部材と、を有し、前記連結保持部は、前記ブームに設けられ、前記クレーン本体から前記ブームが延びる方向であるブーム延び方向における前記連結部材の移動を規制するように前記連結部材を保持することが可能な少なくとも一つの第１保持部を有し、前記少なくとも一つの第１保持部は、前記ブーム延び方向に進むにつれて前記ブームの内部に向かって傾斜した第１傾斜面と、前記第１傾斜面よりも前記ブーム延び方向の先端側に配置され、前記ブーム延び方向に進むにつれて前記ブームの外部に向かって傾斜した第２傾斜面と、前記ブーム延び方向における前記第１傾斜面と前記第２傾斜面との間において前記第１傾斜面と前記第２傾斜面とを互いに接続するように配置され、前記ブーム延び方向および前記左右方向とそれぞれ直交する方向に沿って前記ガイリンク連結部の前記連結部材を受け入れることが可能な凹部と、を有する。

　本構成によれば、ガイリンク連結部の連結部材の前後方向への移動を規制するように連結部材を保持可能な第１保持部がブームに設けられている。第１保持部は、ブームの基端側から先端側に向かってブームの内方に傾斜した第１傾斜面と、ブームの基端側から先端側に向かってブームの外方に傾斜した第２傾斜面と、第１傾斜面と第２傾斜面とがなす部分に形成される凹部と、を有している。よって、作業時に、ガイケーブルが伸びることで、ガイリンク連結部の位置が所定の格納位置に対してブームの基端側にずれたとしても、ガイラインの格納時に、連結部材が第１傾斜面にガイドされることで、ガイリンク連結部がブームの先端側に移動する。これにより、ガイリンク連結部の前後方向の位置ずれが解消する。そして、第１傾斜面と第２傾斜面とがなす凹部の底に連結部材が嵌り込むことで、連結部材が前後方向に保持される。この結果、ガイリンク連結部の前後方向への移動が規制された状態で、ガイリンク連結部がブームに対して保持される。よって、ガイリンク連結部を所定箇所に容易に格納することができる。

　また、ガイラインの格納時に、ガイリンク連結部の前後方向の位置ずれが解消することで、ガイケーブルやガイリンク連結部にかかっていた張力が抜ける。これにより、ガイケーブルとガイリンク連結部とを接続するピンや、ガイケーブルを構成する複数のケーブル同士を接続するピンを容易に抜くことができる。よって、ブームを容易に分解することができる。また、ガイリンク連結部を所定箇所に格納することで、ガイケーブルやガイリンク連結部に張力がかからない状態で、ガイケーブルとガイリンク連結部とをピンで接続したり、ガイケーブルを構成する複数のケーブル同士をピンで接続したりすることができる。よって、ブームを容易に組み立てることができる。

　特に、ブームの倒伏状態においてマストの回動（倒伏）によるガイラインの撓みを利用して、ブーム上において人力では持ち上げることが困難なガイリンク連結部を、空中で第1保持部の凹部に向かってガイドすることができる。

　上記の構成において、前記第１傾斜面は、前記ブーム延び方向に対して所定の勾配を有する第１面と、前記第１面よりも前記ブーム延び方向の先端側に配置され、前記ブーム延び方向に対して前記第１面よりも急な勾配を有する第２面と、を有することが望ましい。

　本構成によれば、第１傾斜面の第１面および第２面によって、ガイリンク連結部を凹部に向かってスムーズにガイドすることができる。

　上記の構成において、前記凹部に対する前記第１傾斜面の最大高さは、前記凹部に対する前記第２傾斜面の最大高さよりも大きく設定されていることが望ましい。

　本構成によれば、凹部から見てブームの先端側に配置される第２傾斜面の高さが相対的に低く設定されているため、ガイリンク連結部の連結部材が凹部から抜け出しやすく、図２に示されるブームの倒伏姿勢から図１に示されるブームの作業姿勢にスムーズに移行することができる。

　上記の構成において、前記連結保持部は、前記連結部材に設けられ、前記第１傾斜面に当接しながら前記第１傾斜面上を移動可能な当接部材を更に有することが望ましい。

　本構成によれば、当接部材が第1傾斜面に当接することで、ガイリンク連結部を凹部に向かって更にスムーズにガイドすることができる。

　上記の構成において、前記当接部材は、前記左右方向に延びる回転中心軸周りに回転可能なように前記連結部材に支持されたローラであることが望ましい。

　本構成によれば、当接部材が回転可能なローラを有することで、ガイリンク連結部の移動および格納を更にスムーズに行うことができる。

　上記の構成において、前記連結保持部は、前記凹部が前記連結部材を受け入れた状態で、前記連結部材と前記少なくとも一つの第１保持部とを着脱可能に接続することが可能な少なくとも一つの接続部材を更に有することが望ましい。

　本構成によれば、接続部材によって連結部材と第1保持部とを接続することで、格納されたガイラインを安定して保持することができる。

　上記の構成において、前記少なくとも一つの接続部材は、接続位置と非接続位置との間で切換可能なように前記第１保持部に支持されており、前記接続位置は前記連結部材が前記第１保持部に対して相対移動することを阻止する位置であり、前記非接続位置は前記連結部材が前記第１保持部に対して相対移動することを許容する位置であることが望ましい。

　本構成によれば、接続部材の位置切換によって、ブームに対するガイラインの格納および脱離を容易に行うことができる。

　上記の構成において、前記連結保持部は、前記ブームに設けられ、前記ガイリンク連結部の前記左右方向における移動を規制するように前記ガイリンク連結部を保持することが可能な少なくとも一つの第２保持部を更に有することが望ましい。

　本構成によれば、第２保持部によってガイライン連結部を更に安定して保持することができる。

　上記の構成において、前記少なくとも一つの第２保持部は、前記ガイリンク連結部の前記一対のリンク部材をそれぞれ保持することが可能な一対の第２保持部を有することが望ましい。

　本構成によれば、一対の第２保持部によってガイライン連結部を更に安定して保持することができる。

　上記の構成において、前記第１保持部は、前記ガイリンク連結部の前記ブームの先端部に対する前記ブーム延び方向における相対位置を固定するように、前記ガイリンク連結部を保持することが望ましい。

　本構成によれば、第1保持部がガイリンク連結部をブームの先端部に対して相対的に固定することができるため、ガイケーブルの伸びに関わらず、ガイリンク連結部を安定して保持することができる。この結果、ガイケーブルやガイリンク連結部におけるピン結合作業およびピン脱離作業を容易に行うことができる。

Claims

　クレーン本体と、
　前記クレーン本体に起伏方向に回動可能に支持されるブームと、
　前記ブームの後方で前記クレーン本体に起伏方向に回動可能に支持されるマストと、
　前記マストの先端部と前記ブームの先端部とを互いに接続するガイラインと、
　前記ブームに設けられる連結保持部と、
　を備え、
　前記ガイラインは、
　当該ガイラインのうち前記マスト側に配置され、前記マストの先端部から前記ブームの先端部に向かう方向である接続方向に延びるガイリンクと、
　前記ガイラインのうち前記ブーム側に配置される一対のガイケーブルであって、前記接続方向にそれぞれ延びるとともに前記接続方向と直交する左右方向に互いに間隔をおいて配置され、前記ガイリンクに接続されるケーブル基端部と前記ブームの先端部に接続されるケーブル先端部とをそれぞれ有する一対のガイケーブルと、
　を有し、
　前記ガイリンクは、
　　前記接続方向にそれぞれ延びるとともに前記一対のガイケーブルの間隔よりも広い間隔で前記左右方向に互いに間隔をおいて配置され、前記マストの先端部に接続されるリンク基端部をそれぞれ有する一対のガイリンク本体と、
　　前記一対のガイリンク本体の先端部に接続されるガイリンク連結部と、
　を有し、
　前記ガイリンク連結部は、
　前記左右方向に互いに間隔をおいて配置され、前記一対のガイケーブルと前記一対のガイリンク本体とを前記接続方向において互いに接続する一対のリンク部材と、
　前記左右方向に延びるとともに、前記一対のリンク部材同士を前記左右方向において互いに接続する連結部材と、
　を有し、
　前記連結保持部は、前記ブームに設けられ、前記クレーン本体から前記ブームが延びる方向であるブーム延び方向における前記連結部材の移動を規制するように前記連結部材を保持することが可能な少なくとも一つの第１保持部を有し、
　前記少なくとも一つの第１保持部は、
　前記ブーム延び方向に進むにつれて前記ブームの内部に向かって傾斜した第１傾斜面と、
　前記第１傾斜面よりも前記ブーム延び方向の先端側に配置され、前記ブーム延び方向に進むにつれて前記ブームの外部に向かって傾斜した第２傾斜面と、
　前記ブーム延び方向における前記第１傾斜面と前記第２傾斜面との間において前記第１傾斜面と前記第２傾斜面とを互いに接続するように配置され、前記ブーム延び方向と直交する方向に沿って前記ガイリンク連結部の前記連結部材を受け入れることが可能な凹部と、
　を有するクレーン。
　前記第１傾斜面は、
　　前記ブーム延び方向に対して所定の勾配を有する第１面と、
　　前記第１面よりも前記ブーム延び方向の先端側に配置され、前記ブーム延び方向に対して前記第１面よりも急な勾配を有する第２面と、
　を有する、請求項１に記載のクレーン。
　前記凹部に対する前記第１傾斜面の最大高さは、前記凹部に対する前記第２傾斜面の最大高さよりも大きく設定されている、請求項１または２に記載のクレーン。
　前記連結保持部は、前記連結部材に設けられ、前記第１傾斜面に当接しながら前記第１傾斜面上を移動可能な当接部材を更に有する、請求項１乃至３のいずれか１項に記載のクレーン。
　前記当接部材は、前記左右方向に延びる回転中心軸周りに回転可能なように前記連結部材に支持されたローラである、請求項４に記載のクレーン。
　前記連結保持部は、前記凹部が前記連結部材を受け入れた状態で、前記連結部材と前記少なくとも一つの第１保持部とを着脱可能に接続することが可能な少なくとも一つの接続部材を更に有する、請求項１乃至５のいずれか１項に記載のクレーン。
　前記少なくとも一つの接続部材は、接続位置と非接続位置との間で切換可能なように前記第１保持部に支持されており、前記接続位置は前記連結部材が前記第１保持部に対して相対移動することを阻止する位置であり、前記非接続位置は前記連結部材が前記第１保持部に対して相対移動することを許容する位置である、請求項６に記載のクレーン。
　前記連結保持部は、前記ブームに設けられ、前記ガイリンク連結部の前記左右方向における移動を規制するように前記ガイリンク連結部を保持することが可能な少なくとも一つの第２保持部を更に有する、請求項１乃至７のいずれか１項に記載のクレーン。
　前記少なくとも一つの第２保持部は、前記ガイリンク連結部の前記一対のリンク部材をそれぞれ保持することが可能な一対の第２保持部を有する、請求項８に記載のクレーン。
　前記第１保持部は、前記ガイリンク連結部の前記ブームの先端部に対する前記ブーム延び方向における相対位置を固定するように、前記ガイリンク連結部を保持する、請求項１乃至９のいずれか１項に記載のクレーン。